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saezurutori wa habatakanai
5巻の最後で矢代に置いていかれた百目鬼。
その百目鬼が今後どんな動きをみせるのか。矢代の側にいるためにはもっと人間として成長しなければ難しいだろうな、という感想を5巻で強く抱きました。
矢代に盲目的に付き従うだけでは全然足りない。
自ら思考し行動し、時には矢代に逆らうくらいの強さで向き合わなければこの先隣にいることはできないだろう、と。
そして6巻。
百目鬼は矢代の事を第一に考えつつも、己の意思を貫く強さと(自我が出てきた感じ)、周囲(甘栗や七原)からの言葉で気付きも多く、1巻の頃と比べたら段違いにカッコ良くなっています。
百目鬼は本当に頑張った。
矢代の表面上の言動としては、百目鬼を置き去りにし、拒否。
それでもめげず、かき口説く勢いで心も体もすべてを矢代のためだけに使い、一歩も引かない姿はカッコいい。
今回コンタクトレンズケースが効果的に使われていて、成長の一助には嫉妬や対抗心も必須条件だな、と(笑)
今後の成長にも期待大。
そして、矢代。
本音がポロポロと零れるように口をつくいくつかのシーンがとても印象的でした。
一つは影山に対して、どうして俺じゃなくて久我だったのか、と訊いてしまったシーン。
それに対する影山の反応は、なんでお前か久我の二択なんだと不思議顔(笑)。
影山の答えのなかで矢代を“身内”扱いしてあったのが、なんかいいなぁ、と。
矢代も今更ではあるけれど、長い初恋が本当の意味で過去になった瞬間ではないでしょうか。
もう一つは、百目鬼に対して「・・・妹には 良かったな お前がいて」の台詞。
その台詞を言った矢代の脳裏には義父に無理強いされている幼い自分の姿があって。
自分と似た境遇の妹は百目鬼が助け出した。
自分にも助けてくれる誰かがいれば。母親が愛してくれていたら。
そんな「もしも」。
だからこそ、ふと洩らした本音。
その言葉を百目鬼は“自分を慰めてくれている”と受け取ったけれど。
個人的にヨネダさん巧いなぁ、と思うのはこうしたシーン。
言葉は発した方と受け取った方でズレがある。
現実社会でも当たり前にあるそうしたズレを画面に落とし込む技術というか、人との関係性の機微を表現する力が本当に素晴らしい。
二人のやり取りは6巻はシビアなシーンも多く、互いを想う故に避けられない切迫感が読んでいて辛くもあったけれど、引き込まれて夢中で読み進めていきました。
平田と対峙した場面でのモノローグは矢代の来し方が痛みをもって語られていました。
本音を見せない、そもそも自分のなかにある真実から目を逸らしていた矢代の本心。
自分が壊れていることの自認。死にたいとも思わないけれど生きたいとも思わない。
そして、自分の最期をなんの躊躇いもなしに平田に委ねる。もう、緩慢な自殺としか思えず・・・。
そんな矢代をこの世に結びつけることができるのは、百目鬼だけ。
平生の飄々とした態度を崩さない矢代の姿とは真逆の心理描写が胸に刺さり、非常に印象に残る数ページとなっています。
読みどころ満載でどこをとっても大切なシーンばかりですが、抗争に目を向けると三角さんと平田の決着のつけ方が胸に迫りました。
平田がどうしようもない屑であることは間違いなく。
手に入らないものに焦がれ、無理やり手を伸ばす衝動。
その衝動に従ってしまったのは平田の愚かさであり、最期は自業自得としかいえませんが、その最期に図らずも哀れを感じてしまいました。
振り向いて欲しかった唯一の人から、無関心という名の最大の罰を与えられた結末。
ただただ哀れ。
抗争が決着し、今後はより矢代と百目鬼の関係性にフォーカスされていくのでしょうか。
7巻はしばらく先かと思いますが、その日を楽しみに発売を待ちます。
6巻も神以外の選択肢はなく、圧倒的に「神」でした!
覚悟はしてたけど、あぁなんという展開・・・(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
でも、あの矢代をあんな子供みたいな方法で逃げるしかないところまで揺さぶり、掻き乱せた百目鬼の踏ん張りは、大健闘のようにも思えます。
2人が再び顔を合わせる第32話が見ものでした。
百目鬼へのキッッツイ言葉の奥に見え隠れする矢代の本音。
言葉っていうのは、口をついて出ているものが本音でなければ本音が裏返っているものだと私は思っています。
何もないところからポッと生まれたりは、絶対にしない。
そして、冷静さを欠けば欠くほど本音はよりストレートに反転しやすくなる。
矢代は冷静さを欠いている。1巻の飄々としていた矢代のキャラからは想像つかないくらいに。
「お前こそあのしつこいセックスが泣く程良くて俺が離れられなくなるとでも思ったのか?」
すごいお言葉をいただいたんじゃないの?百目鬼( ´艸`)と思わずにんまりしてしまいました。
キッツイ回なのに何度も読みたくなる吸引力の第32話。
作家ヨネダコウさんの巧さが引き立ちます。
「こいつを受け入れたら俺は俺という人間を手放さなきゃならない
それがどういうことかこいつには一生分からない」
歪んだ自己防衛でこれまでの36年を生きてきた矢代が、百目鬼をすんなりと受け入れられるわけはない。
だけどそんなことをわざわざ思わなければならないところまですでに矢代は来てしまっている、とも言い換えられる。
百目鬼はもう腹を決めてしまっている。
これまでの矢代のやり方ではどうしようもできない。
というか、矢代自身が5巻ですでに「お前をどうにもできない」と吐露している。
どうにもできないんですよ、矢代には。
受け入れることも。切り捨てることも。
矢代が最終的に取った方法。
「頭が白って言や黒でもなんでも白」
もはや主従を盾にした力技でしかない方法しか取れなかった矢代の混乱の果てを見て、何とも言えない涙が出ました。
今巻にはもう一人、触れずには終われないキャラがいます。
平田。
ついに決着がつきました。
こちらはもう「哀れ」としか言いようがなかった。
最後に欲した一抹の望みさえ叶わず。
癇癪を起こして自滅した可哀想な子供。
情の世界で情をかけられずにただ死んでいく。
こんなにも報われないヤクザの最期があるだろうか・・・
ところで影山ってなんであんな鈍感なの?
アイツの思考回路どーなってんのよまじでww
「え?」「は?」「ん?」の流れに私も「は?」ですよ。
七原が「案外それが腐れ縁の理由かも」って言ってるの、そうなんだろうなって思いました。
何も見抜いてこない影山の鈍感さは少し鎧を緩められる気がしますから。
そろそろ終わりに近づきつつあるのかなぁ?
3巻の時点でマラソンに例えると20kmも来ていないと仰られていたので、そろそろ35kmくらいは来てるよね。
あと1巻か2巻か・・・ああ終わってほしくないなぁ。
7巻を早くと思う気持ちと、もうこれ以上読み進めたくない気持ちが今すごく混沌としています。
かつて矢代は言っていた。「俺は俺のことが結構好きだ」と。
だからどんな過去があろうと、過去は過去として彼の中では一定に始末がついているのだろうと思っていた。いまの彼はもう無力な子どもではない。たとえ望まない性暴力にさらされたとしても、それをはねつける力も、逆に利用して楽しむ智慧も手にしている。彼をことさらに憎み、蔑む輩も周囲にいないわけじゃないが、目をかけてくれる上司も、慕ってくる部下だっている。そしてこのたび生まれて初めて、お互い憎からず思う相手と体をつなげるに至った。
当面の最大の敵であった平田をたくみに追い詰め、あと一歩で勝利を手にできたはず。なのにこのタイミングで彼の選んだ道は、もはや殺意を隠そうともしない平田の前に、あえて丸腰の自分をさらすことだった。「ああこれで ようやく俺は 俺を終わらせることができる」
改めて彼の傷の深さ、絶望の計り知れなさを思わずにいられない。普段は完璧に意識の底に追いやって綺麗に覆っていても、ふとしたはずみでそれは何度でも鮮明に蘇る。自分とよく似た境遇の子の話を聞いたときとか、街で睦まじい母子を見かけたときにも…
今でもきっと、彼の目の奥をのぞき込めば、幼い男の子が薄暗いアパートの片隅で膝を抱えてうずくまったままなのだろう。平田がしょうもないゴミのようにあっさりと処理され、かろうじて矢代も百目鬼も命をつなぎ、そしてこの物語はまだ続いてゆくらしい。矢代と百目鬼にこの先の未来がまだあるなら、あの子を暗闇から救い出すところからもう一度はじめなければならないのかもしれない。
激動の6巻。矢代は自分自身のことはあんなに粗末に扱うくせに、どんな修羅場でも、というより修羅場になればなるほど、身近な人間を護ろうと手を尽くす。それも、相手には微塵もそうと気取らせない形で。百目鬼は固すぎて融通利かないだけで、頭そのものの働きは決して悪くも鈍くもないと思うのだけれど、それでも人に指摘されるまで全く気付かずにいた。「守られてんのはテメェじゃねぇか」(甘栗グッジョブ!!)
初めて矢代のボディガードについてこのかた百目鬼は「頭は俺が守る」とそれはもう気の毒なくらい一心に思い詰めてきた。矢代の銃撃事件があり、さらにここにきて矢代が力では自分に敵わないという事実も身をもって知ってしまった。どうしたら守りぬけるかを必死に考えることはあっても、自分が守られる立場となってしまったときどう動くか、それは全くの想定外だったに違いない。それでも、とりあえず「自分がヘンなものを向けたから頭に捨てられた」わけではないと分かっただけでもどんなにか救われただろう。矢代にしてみれば、自分の勝手な自己破壊願望に百目鬼はもちろん、他の舎弟も影山も、誰一人巻き込みたくなかっただけかもしれないけれど。
そもそも矢代がこの世界に足を踏み入れたのだって、「かげやま医院」をヤクザの地上げから守るためだったことを思い出す。まるで人魚姫のごときその献身に、ニブチンの王子様(=影山)はまったく気づかず、さっさとよそのお姫様(=久我)と結ばれてしまったけど。でもこの巻で、彼の中での矢代が既に当たり前のように「身内」認定されているのがわかって少し和んだ。
そう言えばこの巻では出番のなかった竜崎、彼はちゃんと自分が矢代に守られてるのに気づいてたな。いつもしたたかで容易に本音をさらさない矢代の脆さ、あやうさにも。ひたすら粗暴なだけのようで実は意外とこまやかで、矢代のことをよく見てる。七原に「俺はお前らなんかよりずっと昔からアイツを知ってる!!」と自慢するだけのことはある。でも長さだけなら影山の方がずっと長いんだから、やっぱ愛の力だよね。彼の純情が報われる日は来そうにないけど、この物語がこの先も続いてゆくなら、ぜひ彼にも再びの活躍の機会を!
読んだらすべて心が持っていかれる神作です。
この作品を読むと他の作品がなかなか読めなくなってしまう禁断症状が発症します。
レビュー書きたくてちるちるの会員になってしまいました。
何度も読む度に新しい発見がある極上のスルメ作。
すべてのシーン、セリフもほぼ覚えているくらい読み込んでいるはずなのに、それでも新たな話を読んだり、視点を変えて読むと、また発見があるのです。こんな作品、他にあるでしょうか。
以下、ネタバレありです。
6巻、やばいくらいに好きなシーンがあります。
32話、百目鬼が車を降りたあと「あいつがバカで良かった」と矢代が顔を手で覆うシーン。表情が見えないのに、この瞬間、矢代の仮面がとれた気がしました。そのあとの雨の中の親子。その親子から目を逸らしたのち、矢代の心の中に降る雨が背景に表現される。そこで戻ってくる百目鬼。手には傘を持って。この間、誰も表情を崩さない。セリフもモノローグもない。私はこのシーンに鳥肌が立って、読み返すほどに涙がにじんできます。
33話は一転、おかえりなさい膝枕の切なさ半分ときめき半分のシーン。最高です。矢代の告白とも思えてしまうシーン。もう胸が張り裂けそうです。誰かお薬ください…。
35話、病院の窓から見える小鳥が青空へ飛び立っていきました。雨が上がったような気配でした。でも、なんだか悲しかった。あれは百目鬼を精一杯の気持ちで解放した矢代側の視点なのでしょうか。だけど、この悲しみが描き下ろしを見てなんとなく救われた気持ちになりました。覚悟を持った目で闇へ進む百目鬼。青空の光と闇の対比。これが同時に起きていたという…。いろんな感じ方、考察ができるので、一冊で百冊分くらい楽しめる作品。きっとずっと語り継がれる作品になることでしょう。
なんだかんだいろいろと考えてしまうけど、言いたいことは一つなんです。
好きだーーーーーーーー!!!!!!
自分的にはこの作品を読んでいない人なんていないんじゃないかという感覚です。ヤクザもんが苦手だからとかレビューがちょっとアレだったからという、凝り固まった固定観念や他人の評価なんてのは捨てて、この物語において一旦ケリがついた6巻まで、是非一気に読んで欲しいと思います。そして今からこの"囀る鳥は羽ばたかない''に出会える方、すごく羨ましいです。それだけはハッキリ言い切れる天上天下の神作です。
内容について深く語ればキリがないのですが、極上の男達が繰り広げる切ない純愛に悶え苦しむことになります。掲載雑誌ihr HertZ(大洋図書)を我慢するには仙人並みの忍耐力が必要になります。漫画というよりは映像を観ているような感覚になり、"引き"の作り込みは海外ドラマ顔負けです。深くハマり囀るジャンキーになったら、レクサスという車の存在がエロく感じたりスリーピースの男性にフラフラついて行ったり、必要もないのに警察官に道を聞いたりするようになります。
矢代と百目鬼、それをがっつりサポートする脇役の素晴らしさ、ストーリーの緻密さ、絵の構図のセンス、とにかく読んで五感で味わってください!死ぬほどおススメします‼︎
6巻の感想に相応しいコメントではないかもしれませんが自分のレビューとさせて頂きます。
読後の興奮冷めやらぬ状態で、色んな感情がせめぎ合ってせつないです><
どんでん返しにどんでん返し…抗争の行方、結末、二人の関係…
この一冊に、これでもかというほどに詰め込まれた、男の嫉妬や執着、様々な形をした愛、
カラダを鷲掴みにされて、振り回されて、すっかりフラフラになりました・・・。
5巻で身体を繋げた二人が、そのまま幸せになるなんて露ほども思ってはおりませんでした、もちろん。
矢代が百目鬼に解りやすく距離をとる方法として、結末の病院での対処はあれもありですよね。
初めに読んだときはガ~~~~ンとショックで固まってしまいましたが、
よく考えたら、その先の楽しみがあるんだと気付いて、気を持ち直した私です…。
きちんと離れて落ち着く時間は絶対に必要で、結果、離れる事になっても納得いく気がするんです。
ほんと、しあわせってなんだろうと、この作品ではいつも考えさせられます…。
抗争が恐ろしい、恐ろしい><
どんどんケガ人が増えて、裏社会のつながりや駆け引きの恐ろしさにブルブルです。
系列の違う殺し屋達がそれぞれ活躍してましたが、敵に回したくない相手ですよね…。
ほんと、矢代ってスマート!
頭のキレ具合が違うことを見せつけていましたね~キレイな顔にキレる頭脳が美しい。
平田の下衆っぷりが炸裂してましたが、平田の身ぐるみを剥いで、背信の証拠を掴む矢代…
いやぁ~~~胸のすく思いでした!
平田が人間のよこしまな感情を、洗いざらいぶちまける場面も圧巻!
三角に自分を見て貰いたい一心で、三角が大事にしているものを壊していく、ろくでもない平田。
三角が矢代を愛人にしている時は「女」だと思っていれば済んだ…
この言葉は響きました…男惚れの世界、これぞ極道ですね。
自分ではなくて矢代を右腕にしようとする三角に、
認めて欲しくて仕方がなかった平田が、絶対に掴むことができなかったもの…。
平田の凄まじい嫉妬と執着…だからこそ上り詰めた地位なんでしょうが、
平田が何よりも欲した三角の関心は手にできず…最後まで三角に見て貰えず、手を掛けても貰もえない、
右腕の相棒を自分が殺していないことにされる…平田にとっては一番辛い終わり方。
ここまで描ききって下さったヨネダ先生に感服です!!!平田の最後はこれしかないです!
平田に引っ掻き回された矢代ですが、コントロールできない百目鬼への感情は恐怖でしかない。
こっぴどく捨てても何度も喰らいついて離れない百目鬼。
百目鬼の執着と大事にしたい想いが、寡黙なほどあふれ出てるのがせつない~ほんと堪らない><
絶対に矢代は受け入れないと容赦ない!ケガだけと解っていても撃つ!?
平田に殺されそうなところを百目鬼に助けられ、百目鬼が平田に撃たれたシーンは凍り付きました。
矢代と百目鬼が二人倒れるシーン…これが映画になるんですよね…助かると解っていても絶対泣く!
抗争も決着がつき、無事に怪我も治った矢代と百目鬼…。
百目鬼の事は知らない、覚えていないと言うことで百目鬼から離れた矢代は新しい会社を立ち上げる。
百目鬼は?新しく仕事をしている様子で終わりましたが…二人の関係がどうなるのか。
この作品がまだ続くという喜び…まだ、矢代と百目鬼がみられることに安堵です。
他のメンバーもシリアス展開の中いい味出してました!
七原は杉本から矢代のモノを百目鬼がくわえたと聞いて、
何とか自分も!と頭に機会を窺って軽くかわされて…ほんと七原も好きですね!
その様子を冷ややかに見る杉本が笑える>< ほんとに引いてる感じがいいんですよ。
大好きな竜崎は5巻で矢代の乳首を噛んでから入院…重体らしいという情報だけで登場なしでした。
次巻には絶対出てきてほしい!でも、矢代の乳首はもう噛まないで~~!笑ってしまうから><
死にたい訳じゃないけど、生きたいとも思っていない…平田との対峙で出た矢代の言葉。
平田に殺されそうになった時、「壊れた自分を終わらせることができる」と、
平田に抗おうともしない矢代が百目鬼に助けられるシーン…これで、矢代は救われたんでしょうか。
百目鬼を受け入れることは自分を捨てることだと思っていた矢代ですが、
助かった病院で、矢代は百目鬼を手放しました。離れて考える矢代の心の内は?
どんな風に二人は再会して、向き合えるんでしょうか…絶対に諦めていないであろう百目鬼が救いです。
矢代が向き合うまで絶対待っているはずです。7巻が待ち遠しい…。
もうこの先これ以上にはまりこむ作品に出会うことはないだろう。と思うほどの神作です。魂そのものを持っていかれます。漫画と言う表現をとられておりますが、なんと言うか、映像で人間の生きざまを目の前に突き付けられている様な感じです。(言ってることわかんなくなってきたー❗️)読まないと言う選択肢は考えられません‼️ぜひ一度は読んでほしい。矢代と百目鬼と言う二人の男に出会わずに終わる人生なんて、もったいなさすぎます‼️(°Д°)
5巻があまりにも自分の中で大きなウエイトを占めてしまったので、ものすごく楽しみな反面、6巻を読むのを少しためらってしまいました。
読み始めれば、もちろん止めることもできずに最後まで一気に読んでしまったのですが、なんでだろう、ぞわぞわする程衝撃的なのに、この本をどういう言葉で表現したらいいのかわからない。切ないとか、辛いとかそんな軽い感じじゃなくて、もっと何か人間の業の深さのような苦しいものが見え隠れしているのに掴みきれなくて、何度も何度も読み返しました。
あれだけ上手くたちまわり、まわりを煙に巻くような矢代が見せる狼狽、命を張った百目鬼の覚悟、平田の暴走。方向転換することなく、この人たちはただ一方向に突き進む。そしてその道以外を見つけてしまったとき、ひどく狼狽えてしまうのはなぜなんだろう。そう考えたとき、この巻が衝撃的と感じたのは、ヤクザとして生きる男の生き方というか、不器用な男の生きざまというかを、まざまざと見せられた巻だからだと思いました。
性的虐待を受けていても、百目鬼のような相手を殺害しようとするほどの怒りを持って救い出してくれる人もなく、ただ諦め受け入れるしか方法がなかった幼い矢代が身につけたのが、吐き気をもよおすほどの苦しさを、痛みで包み、快楽と置き換えること。そして破滅的で、被虐的な性行為が、彼の持ちうる数少ない武器となり、コミュニケーションツールであり、さらには矢代のヤクザの世界で生き抜く根幹となる。
それなのに、百目鬼と出会い、愛情の上に成り立つ性行為や、とめどなく溢れ出る快感を知り、自らも持っていた柔らかい部分を引きずり出されてしまう。それは、今まで「矢代」としてヤクザの世界で生きてきた彼自身の存在意義を自ら否定し、覆すことであり、到底受け入れられることではない。と、百目鬼を突き放しながらも、失うことを怖いと感じる感情を自らが持っていたことに驚愕する。
そして実際に百目鬼が死に瀕したとき、本来の矢代が虚像を越えてしまう。身をもってそれを突きつけられたからこそ、矢代は愛してしまった百目鬼を突き放すのではなく、自らの中で抹殺したのだと思う。
一方の百目鬼は、矢代が恋愛に限りなく近い感情を見せたにも関わらず、切り離そうと自身を拒むことに懊悩しながらも、傍にいることを頑なに突き通す。しかしながら、矢代が「愛情」を受け入れ「幸せ」を知ることは、辛い日々を受け入れ変わらざるを得なかった「矢代」という存在を否定してしまうということに気がついてしまう。この先も矢代の傍にいるために、たぶん百目鬼自身も矢代への想いを封印なり抹殺なりしてしまうのかなぁ。
互いにかけがえのない愛しい存在だと痛いほどわかっていながらも「矢代」として生きていくためには、今はまだ、新たな境地へは変化することはできない二人の生き方に、ただただやるせなく、どうかこの先少しずつでも良い方向に流れてほしいと強く願わずにはいられないです。
そして最後に平田。本当に自己中心的で胸くそ悪いおっさんだけど、彼もまた不器用な生き方しかできない可哀想な男だと思う。なんでそんなに1人に執着し、立ち止まることができないのだろうとは思うけど、矢代が諦めることで生きてきたように、平田は奪うことでしか生きる方法を知らなかったなら、それがどんなに薄汚い手口だとしても仕方がなかったのかもしれない。平田としての生き方を貫いたあげくの果てが、最期のときまで満たされなかったのは当然の報いだとは思うけれど。
あと一週間だし、電子化を待つつもりでいたんです。
それまで1巻からじっくり読み直して待っていようって。
でも読み始めたらノンストップで5巻まで読んじゃって、我慢する気持ちは呆気なく消え去り、そのまま本屋へ行きました。
どえらい吸引力だった。
改めてこの作品の凄さに驚かされる。
そして待望の6巻。
こんなに無心で何かを読んだのは久しぶりかも知れない。
のめり込んだ。すごい。なにこれ。絶句です。
本来ヤクザものは苦手です。
暴力は激しいし、その獣じみた闘争本能が「男の怖い部分が凝縮したもの」にしか見えなくて、ひたすらに恐怖を感じるから。
でもこの作品は、人間のあらゆる面がドラマティックに描かれていて、痛みだけでなく、美しくもあり、物哀しくもあり、心の深い場所を刺激してくる。
この巻では、矢代銃撃に始まる一連の陰謀や抗争が一応の決着を見せるわけだけど、ヤクザものとしてのストーリー展開に加え、「心」を描いた描写があまりに素晴らしいから、何度もページをめくる手を止めては、あらゆる人物の感情を共有しながら読みました。
欲望、嫉妬、執着、独占欲、諦め、恐怖、痛み…。
のほほんと暮らしている私では滅多にお目にかかれないようなエゲツない感情を、たっぷり10年分くらい一気に食らった気分。
平田の三角への執着や独占欲、飢えが産んだ数々の悲劇。
その幕引きとなる三角の言葉に鳥肌が止まらなかった。
罰はただの死ではなく、一瞥だにされない無関心と孤独の中での死…。
自業自得の結末。でも何故か涙が出た。
さて、矢代と百目鬼の愛の行方が気になります。
身体も繋がり、心も繋がっているのに、生まれてしまう距離。生み出してしまう距離。
それが切なくもどかしいけれど、今度こそ大きく変化を起こしそうな次巻が待ち遠しい!
でもくっついてめでたしめでたし♪で終わってくれるのも困る。
確実に『囀る…』ロスになります。
名作との距離の取り方もまた、ジレンマとの戦いですね。
もはやBL的な”萌え”を超越してしまってて評価しづらいです。悩む。シリーズ的に”神”ということで。
個人的には、二人だけの(内面)世界~の色濃い”5巻”が一番好きです。
重厚すぎる男たちのドラマターンって感じでしょうか(いつも重厚ではあるんですが、特に)。なかでも平田と三角さんの関係性がやたら心に残ってしまいました。そうとは認識していましたが、平田があそこまで三角さんを求めていたという事実が、予想以上に重くてずっしーーーーんとなりました。
”盛大な愛の告白ですね”という矢代の表現が的確すぎて…。すんごいな。平田の報われなさは別格としても、誰もが本当に手にしたいものを手にすることができないという作品全体に漂う切なさのスパイラル、そのムードは読んでいてたまらない気持ちになります。
さらに、前巻から覚醒してしまった百目鬼の雄っぷりがたまらんかったです。ちょっと調子取り戻してしまった矢代に対して不器用に主張し、感情をダダ漏らしてるところ、余裕がないところが、恋する男の愚かさ全開で可愛い!
また、他のレビュアーの方も指摘されていましたが、会話が最高に面白いです。絶妙なテンポ、スピード、ユーモア、皮肉…その場面の臨場感がすごく伝わってきました。
最後、病院で矢代が片目をおさえて百目鬼を見つめるしぐさってどういう意味なんでしょうね?すごく気になってしまいました。すごく寂しそうな表情をしていて、高校生の矢代がフラッシュバックする印象を受けました。
次回以降は新章って感じなんでしょうね。ワクワク!