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生涯お前だけを愛すると約束しよう
touruiou no dekiai hanayome
面白かった〜!!
レビュータイトルどおり、うじうじしない、精神的に強い受け・朱璃が本当に魅力的で。わくわくしたり笑ったり、一冊丸々楽しませてもらいました◎
こちら、クロスノベルスさんのセールで小中先生の作品を見つけ、何作か一気に購入したうちの一冊です。
本当に小中大豆先生の作品には外れがないな…と、あらためてびっくり。
もちろん、キャラや物語の設定展開によって萌え度には差があるけれど、本当にどれも面白いよ〜!すごい。
今作の金髪碧眼褐色肌、の溺愛攻め様も素敵なんですが。
やっぱりなんといっても、受けの朱璃の魅力が炸裂してました。
初恋相手の皇太子の后となるべくして育てられ、自分でもそのつもりでほのかな恋心を抱いていたのに、「野蛮な国」と見下していた国の一回り年上の国王に身染められ、意に沿わぬ形で嫁ぐことになりー
と続くお話。
自らの恋が叶わず断ち切れぬ皇太子への想いは残りつつも、国と国の婚姻とはこういうものだ、と割り切って考えられる姿。
…もかっこいいんですが、
アータシュ(攻)の巨根を見て「よし、頑張ろう」と謎のやる気を見せて体を鍛え始めるシーンで、もう爆笑!ꉂ(๑˃▽˂๑)お、面白すぎる…
アータシュの臣下たちに嫌味を言われると、それを備忘録として紙にしたため内心(見てろよ。今に見返してやるからな)なんて思ってたりする。最高に心が強い受け様!
そして何よりも「いいな」と思ったのが、アータシュにいくら自分たちは「運命の番だ」と言われ、身体を繋げ快楽に溺れるようになっても、それで単純に「あなたが好きです」とはならないところ。
徐々に、でも確実に朱璃がアータシュに惹かれていく様子が丁寧に描かれていて、「運命」以外のところで心の絆が生まれていく様子に、最高に萌えました◎
その分、朱璃が襲われる事件の回収が少々駆け足気味に見えたのがちょっと残念には思えたけれど。。
ツンツン受け様が愛を素直に表現できるようになるまでのお話を堪能でき、満足度が高かったです✨
オメガバース作品なのですが、
この世界は女性はベータしかいません。
そして男性の8割がベータ、残りの2割弱がアルファとオメガです。
最初、朱璃がすごくツンツンしていて気が強い人だなぁ…と思っていたのですが
彼には彼の事情があったからある意味仕方ないことなんですよね…。
慕っていた人に嫁げると思っていたら、違う人に嫁げと言われたんだから…。
だんだんアータシュに心を開いていく朱璃は本当に可愛かったです。
そして、アータシュを好きになり色々と不安を感じていく姿も
アータシュを好きな気持ちを感じ、微笑ましく思えてしまいました。
アータシュと過去に関係があったシーリーンが
当て馬として出てきたら嫌だなぁと思ったのですが、とても良い人で良かったです。
途中ハラハラした展開はあるけれど、ちゃんとハッピーエンドだし、
アータシュは最初から一貫して朱璃を溺愛してくれているので
溺愛ものが読みたい人にはすごく良いと思います。
とても面白かったです。
冒頭で朱璃が、「運命の番」が現れたからと実質上の婚約破棄を言い渡されたシーン以外は。
白星国の皇子・朱璃を運命の番だと言う鳥月国の王・アータシュ。朱璃には許嫁の皇太子がいたのですが、彼に運命の番が現れたため結婚は叶わず…父親からアータシュからの求婚を受け入れるように言われ、泣く泣くアータシュの元へ嫁ぐことになります。
結果的にはこの結婚は幸せ以外の何ものでもありません。鳥月国は大国で豊かな国。アータシュは王としてとても素晴らしい人格と市政で国民から絶大な支持を受けています。朱璃の身の回りの世話をする姉弟も良い子たち、それにアータシュは朱璃を超絶溺愛しています。朱璃がまだ自分に心がないからと、発情期のセックスをしないと言う配慮ぶりには頭が下がりました。発情期にセックスしないだけでそれ以外はしっかりしてます。そのお陰で朱璃は快楽に弱くなってしまって……(笑)
アータシュや朱璃を狙う悪い高官どもに命を狙われ、朱璃は命の危機に陥ります。…でもそれを乗り越えて、2人は身も心も「運命の番」になります。今までアータシュのことを好きだと素直な言動ができなかった朱璃でしたが、瀕死の最中助けに来たアータシュに愛を伝えられたシーンは泣きました。
とってもめでたしめでたしで終わります。子どもも産まれ、アータシュの溺愛ラブラブぶりは見ていてこちらが恥ずかしくなるほどです。いやーーー2人のイチャイチャは見ていても楽しいです。朱璃が終始恥ずかしがるのが可愛い。
このお話で気になったのは「運命の番」という設定です。オメガバースでちょいちょい出てくる、この運命の番。これがこの話の肝になっていて、時に制約にもなるし強固な絆にもなる。当事者の2人にとってはドラマチックなのに、運命の番から外れた人にとっては非常に残酷だなぁと前々から感じていました。
最初にもちょっと触れましたが、朱璃が許嫁破棄されたシーンにとってもムカつきました。朱璃の許嫁相手の白星国の皇太子・清梁が側近の緑曜と運命の番になったから結婚できないと。なんじゃそりゃって感じでした。
朱璃はずっと清梁と結婚すると思って花嫁修行も頑張ってきて、恋心も抱いてきた。それが、相手に運命の番が見つかったから諦めてね、って酷すぎる。朱璃の気持ちは置き去りです。しかも父親伝いに言うかな?!それが「運命の番」の設定で抗えないものだとは分かるんですが、あまりにも朱璃に礼がなってないと思いました。
清梁は名前だけの登場ですが、ちゃんと朱璃本人に詫びなり説明なりしろよって…誠意がないです。しかも清梁の番の相手・緑曜は、朱璃と結婚するよう皇太子に言ったけど、皇太子は全く聞かず…ってなんそれ!ベタな三角関係かよって。勝手に"じゃない方"にされた朱璃が可哀想でした。
2人の結婚も朱璃が鳥月国に嫁いでから行うって、なんだかなぁでした。朱璃が列席したら気まずいですもんね。朱璃が嫁ぐときまで2か月ほどあったみたいですが、その間なにもアプローチ無し。朱璃とて皇族なのに清梁も緑曜もあまりにも配慮がない。
アータシュなら気遣ってうまくやっただろうに……。
そんなわけで朱璃はアータシュと結婚「運命の番」で結果的に良かったってことです^ ^
途中、アータシュの過去の恋人・シーリーンが登場しますが、朱璃と同じΩの彼が超良い人でカッコいい。アータシュとヨリを戻すとの噂も上がりますが、問題不要。アータシュとシーリーンは、ビジネスラブメイトな関係で、アータシュの運命の番が見つかるまでの繋ぎみたいなライトな関係。シーリーンにも運命の番がいて、朱璃とは親友のような関係になります。彼が本当に良い人で、好きなキャラクターでした。できることなら、シーリーンのお話も読みたいと思いました。
冒頭だけがアレでしたが、2人の鳥月国での生活は幸せそのもの。アータシュの男ぶりがとてもかっこよかった!最後まで飽きのこないストーリーで引き込まれました。冒頭以外は文句なしで面白かったです。
小中先生の新作読んでこちらも再読、オメガバースで小中大豆先生×石田惠美先生のコンビ。
朱璃は恵まれた生まれだけど、初恋に破れ遠国のアータシュに嫁ぐ事に。嫁ぐ道中は命懸け、王やその近習には温かく迎えられるものの、大臣達からは疎まれ、王の元恋人と比べられ辛い。何より運命の番と言いつつ番にしてくれないアータシュの真意に悩むのが切ない。そんな中でもできる事を頑張る姿にいじらしい。陰謀に巻き込まれ砂漠に捨てられた所は恐ろしかった。こうなっても再会した2人に運命を感じた。運命を超えて愛を培った2人。イラストも美麗。
アータシュが運命運命言い過ぎ!運命だからだけなの?と途中まで思ってました。
あとは朱璃の気持ちの揺れ動きばかりで、この話このまま終わるの?と思っていたら…。
さすが小中さんちゃんと展開してくれました。
運命だろうとなかろうと。
それを聞きたかったんだよ!
それでも愛してると二人が思ってて伝えあえて危機を乗り越えて。
クライマックスの砂漠での朱璃とアータシュの再会には泣けました。
ようやく納得できる子づくりの時期もきて。
始めはひたすら朱璃が不憫で獣に差し出されるくらいに思ってたのが、いざアータシュに出会ったらその目に惹きつけられ、アータシュの深い思いやり孤独を知るほどに恋をして、昔の恋人の存在に揺れ動き…。
アータシュも父の影から解放されて自分なりの王としての、妃との生き方も見つけられてめでたしめでたしですね。
いつも小中さんのレビューについ辛口なことを書いてしまうのですが、この作品はとっても良かったです。
ツッコむところもなく、よく練られて起伏もありシーリーンの登場からスラスラ早く先を知りたい!と読めました。
最初はアータシュの長髪に抵抗がありましたが、そんなの関係ねえ!とお話に夢中になりました。
表紙のイメージ通り、円満完結の長髪の美人王族同士の婚姻物語。・・欲を言えば、続篇でスピンオフを読みたい。
夫は、運命の番の妻と、難産で生まれた王子に溺愛甘々。
妻は、最初はツンデレ、信頼を深めるにつれて夫と子供にデレデレ。
幸せな完結は、読後感が爽やか充実。選んで良かったと思う一冊。
千年の歴史を持つ皇国の王族に生まれたΩの朱璃 表紙の通り黒髪の超美人。
幼いころから深窓で自国の皇太子妃候補として聖人扱いされて妃教育を受けて育った。
でも朱璃が嫁ぐ先は、ずっと信じていた自国の皇太子ではなく他国の王だった。砂漠を超えた先にある、野蛮と噂されている烏月国と知り、やさぐれる。
烏月国の王・アータシュは 浅黒い肌に碧眼、金髪の美丈夫。
両親のような夫婦になりたくて自分の「運命の番」を探していた(遊んでいた)。たまたま儀式で見かけた15才の朱璃に一目ぼれ。アータシュは朱璃を「自分の運命の番」と確信して婚姻を交渉。溺愛する朱璃の為に、あらゆる努力を尽くして惜しまないアータシュ。
婚礼の旅の途中、慣れない砂漠の旅で衰弱して、死にかけてしまう朱璃が憐れだった。衰弱して失神した朱璃をアータシュが抱きかかえて、運ぶ。
アータシュは、朱璃を馬上で抱えながら「朱璃は自分の運命だ」と確信を深める。深窓育ちの朱璃は恋愛経験が無く、アータシュが初めての相手。
運命の番に反応している自覚がないが、一人の人としてアータシュの人柄に惹かれていく。
色々波乱あって、心の結びつきが堅くなった二人は、婚姻1年後にやっと番契約を済ませて、二人の間に一人の王子が生まれる。
アラビアンナイトではないけれど、アジアの砂漠の何処かの国の溺愛される王妃の物語。
王妃になる朱璃が、純粋で可愛らしいキャラが魅力的。
一目惚れして猪突猛進の恋を推し進める夫のアータシュも、遊び人らしいけじめのつけ方をして朱璃を妃として迎え入れているので身ぎれい。
面白かった。
電子版で購読。HONTの電子版には「盗賊王の溺愛花嫁 コミコミ特典書き下ろし小冊子」が編入されていました。
エロ度はホドホド、情交場面は少ないけれど、長め。
あとがきあり。
挿絵少な目。肝心な盛り上がり場面の挿絵が何故か無い。
小中先生のオメガバース。
題名通り、溺愛がたまらなくきゅんでございました。
受け様は、いずれは皇太子妃となるべく努力してきたオメガの朱璃。
神聖なるオメガとして育てられてたなのか、最初の数ページでは、気位の高い高慢ちきな受け様なのかしら、と思っちゃったのですが、更に数ページ読み進めたら、全然そんな事なくて、上にたつ存在としての心得を理解していて、周りの人への感謝や気遣いを忘れない人で、とってもステキでかわいらしい受け様なのでした。
攻め様は、朱璃を初めて見た時に「運命の番」だと見初めた烏月国の王、アータシュ。
深窓のオメガだからか、閨の事に対して恥らっちゃう朱璃に対して、セクハラまがいの事をやらかしてわざわざ怒らせてみたり、想いが通じあってからも、恥ずかしがってる朱璃に脂下がってみたり、とどこのエロオヤジだと思う事も度々ありましたが、大らかな愛情で朱璃を包む立派なスパダリ。
烏月国に来たばかりの頃の朱璃は、つんつん成分多目なのですが、アータシュから見たら、子猫ちゃんが毛を逆立ててるくらいなものなんだろうなぁ、と私までアータシュ目線でにやにやです。
言葉でも行動でも愛情を惜しまないアータシュに、だんだん惹かれていく朱璃。
それでも「運命」というものが信じられず、自分がアータシュを好きなのはそういう「運命」だから、なのか、アータシュが自分を妃にと選んだのは「運命」だから、だけなのか、と不安になってしまう。
そんな中、家臣の謀反の為に攫われて、砂漠に捨て置かれてしまう朱璃。
死が目前になって、運命であろうとなかろうとアータシュを愛している、と気付き、なんとしてもアータシュの元へ帰ろう、と頑張る朱璃は健気でしたー。
そして、朱璃が攫われたと知って、必死に探しているであろうアータシュの心中を思うと、にやにやなのでした。
朱璃を胸に抱いて「運命であろうとなかろうと、そんなことどうでもいい」と涙ながらに言い募るアータシュの姿がまたいい。
オメガバースのお話の中で運命の番でありながら、そんなもの関係ない、と相手への深い愛情を伝え合う2人に胸と目頭が熱くなりました。
アータシュ視点のお話も、溺愛ぶりがましましで、とっても嬉し楽しいお話でした。
読み返しては、切なかったりきゅんきゅんだったりハラハラしたり、と何度も萌えを味わっております。
何が一番心に残ったか、どこが好きか?と問われたら、アータシュ(攻め)と朱璃(受け)の会話の部分と答えます。
攻めがひと回り年上の年の差カップルということを頭の片隅に置いて二人のやり取りを読む。
気位は高いのに素直で真面目なツンな朱璃と、何を言われても受け止めよう、だって可愛いんだもんのデレなアータシュ(清潔感のあるエロオヤジ!)。二人のお喋り部分が待ち遠しくて地の文を読むスピードが上がる上がる。
私は電子で読んだのですが、五章からなる本編は朱璃視点・後日譚となる【幸福な庭先で】と【特別版】はアータシュ視点です。
「運命の番」がストーリーの軸にあるため、アータシュが何かにつけ「運命の番」とは…を引き合いに出してきます。そこは多少のクドさは否めない、でも離れがたいのさ~というわけで。
彼が運命の番にこだわるに至った背景、いい感じになった後もすぐに子を生さない理由など、すんなり心にはいってきて納得でき好感が持てるものでした。
あと、攻め受け以外の登場人物が多くなく、良い人・悪い人がわかりやすいのが好き。側仕えのライラ・アルマ姉弟は良き相談相手、側近のスィヤーフは(絶対ひげ生えてるはず!)無愛想でいかにもな武人だけど忠誠心の固まりみたいな人。オメガなのにアルファみたいなシーリーンは攻めの「元恋人」。彼がまあ魅力的で魅力的で。
異国ものは名前が覚えられない、年の差はちょっと…、リーマンものに勝るものなし、という方(全部自分のこと)も安心して読める作品だと思うなぁ。攻めの愛情に一切の迷いがないことは保証します。
スパダリなαと、誇り高いけれど可愛げもあるΩでした。
スパダリな攻めが、実は内憂を抱えているというのが面白かった。
でも一番印象に残ったのは、受けが、攻めの国に嫁ぐ冒頭。
砂漠を越えていくのですが、その行程が本当に大変そうで、とてもリアルですごかったです。
あと少しで手遅れになるところだった、というのが実感できました。
この砂漠シーンが後にまた効いてくるのもよかった。
さすが小中先生、構成が見事だな…!と感動。
そして、石田要先生の絵が付くのが前提で物語を書いた、というだけあって、イラストとの調和も完璧でした。
本編にプラスして入っている短編「幸福な庭先で」もとてもよかった。
一番最初に攻めが受けを見初めた時の回想と、本編のその後のお話。
こういう過去話が読めるのはいいですね。
そしてその後も読めるという、一作で二度美味しいお話でした。
オメガバースもの、受けが女にしか見えない(特にカラー口絵)、男なのに「いずれ皇太子妃となるため育てられた」というあらすじで、これは合わないだろうから読まないと決めてたんだけど、先日のJ庭で入手した番外編での二人がなんとも面白おかしくて、平素はどんな二人なの?と興味をそそられて読むことにしました。
これは小中先生独自のオメガバースなんでしょうか?
・女はベータのみ。
・アルファやオメガは男にしか存在しない。
・オメガは3分の2の確率でアルファを産む金の卵的存在。
(ゆえにオメガである朱璃は産まれた時から政略結婚の駒でしかない。)
そして「運命の番」と言えば絶対で、会った瞬間にお互いわかる、周囲も「運命の番」なら二人はくっつくのが必然みたいな水戸黄門の印籠並みの効力を持つと思ってたんだけど、この作品ではそうではないんですね。
ひそかに片思いしていた皇太子に「運命の番」が現れても納得できない朱璃。
そして蛮国と噂される王の元へ嫁ぐことになり、王であるアータシュから「おまえは運命の番だ」と言われてもピンと来ないし、王自らが周囲に「運命の番」宣言をしても、異国の花嫁である朱璃に対して家臣からの風当たりが強い。
だけどちょいちょい「運命の番」というワードが登場するので、大して効力も持ってないような「運命の番」って何なんだろう?と思ってしまいました。
そしたら、まさにそこが焦点となるので、なるほどー!と。
小中先生、うまいなー!と。
途中、アータシュの元恋人であるシーリーンが登場します。
アータシュが美しく優れたシーリーンと別れて自分を選んだ理由は、ひとえに「運命の番」だからだけど、その運命を実感できない朱璃は不安に苛まれるんですね。
運命はアータシュの勘違いだったら……
もっと優れたオメガが彼の前に現れたら……
「彼に生涯愛され続ける自信がない どうしたらいいんだろう……」と。
ここで、はっ!としました。
これって朱璃だけの問題ではないなと。
だって「生涯愛される続ける自信」がある人なんて、まずいないと思うんです
。
だからこそ「運命の番」なんて非現実なものに憧れる。
そして我らが王妃・朱璃は、家臣の陰謀で死の淵まで追い詰められた末に見つけるんです、その答えを。
その答えは至極当たり前なんだけど、やっぱりそれしかないんだなと。
愛に近道なんてないんだ!と。
ここがすごく良かった。
なんかいいもの読んだなーと思ったし、苦手な設定だと決めつけずに読んで良かった!と思いました。
徹頭徹尾、攻めが溺愛しててそこも良かったし。
読んでて何度ニヤニヤしたことか!
ただし受けが男じゃなくて、女でも成り立つ話という意味で引っかかる人もいると思います。
そして石田先生の美麗な絵は素敵なんですが、女性にしか見えないのでもうちょい女成分控えめが良かったな。(カラー口絵要確認)
でも、そこはわかって手にしたので評価には絡めていません。
それにしてもシーリーン、もっと女っぽい容貌かと思ったら、めっっちゃ美丈夫じゃん。
絵的にはアータシュ×シーリーンという絵柄のほうが断然BLっぽくて萌えます。
しかも特典SSによるとシーリーン組はリバップルとな!!激萌〜!!
そして、アータシュのピンチ(笑)
同人誌の番外SSも、朱璃が研究熱心なあまりSM女王様になってしまい、再びアータシュがピンチに……という笑える内容だったので、そちらも是非!
うーん…全くもって男女に置き換えて違和感のないストーリー。
すなわち男性同士感がない。
いくらオメガバースといえどもこれはBLじゃなくて、TLなのでは????
という点ですみませんが趣味が全く合いませんでした。
ストーリー展開とか魅力的なサブキャラクターとか主人公の気持ちの変化とか、煌びやかな宮廷の雰囲気とか、物語によく合う文章とか、美しい挿絵とか全体の完成度は悪くないんです。十分に評価される作品だと思います。
ただ、ただ、これは男性同士である必要が全くない。
最初から皇太子妃を見据えて育てられたお姫様。
美しく黒い長髪に透き通るような白肌、華奢な身体のお姫様。
お世継ぎを期待されるお姫様。
まつりごとには口を出さないお姫様。
最初から最後までスパダリに溺愛されるお姫様。
ここまで女々しい話には免疫がないのでちょっと胸焼けしてしまいました。
どちらかというと王の元恋人のシーリーンの方が同じオメガでも雄々しくさっぱりしていてBL感がありました。
もう大好きです。どうして今まで読んでなかったのかと後悔しました。
大好きな小中大豆先生ですが多忙で積み本してました。
オメガバース作品でしたが、攻めのアータシュが甘々溺愛で良かったです。石田先生のイラストも素敵過ぎました!褐色攻め大好きです。
初めは受けの朱璃の境遇が可哀想でしたが、むしろ行って良かったのだと思いました。烏月国に行くまでが過酷でとても気の毒な描写がありましたが。
「溺愛花嫁」には間違いなかったですが「盗賊王」ではなくてスパダリの賢王でした。
夢中で読みました。そして同人誌ポチりました。
ゴージャスなカバー絵に惹かれました。
望まれて輿入れしたオメガである朱璃と大国の王の恋物語です。
小国の王弟の末子として大切の育てられ
やがて嫁ぐはずの皇太子である従兄へ淡い恋心を抱いている朱璃。
そこへ降って湧いた大国の王との縁談。
数代前は盗賊の首魁だったという野蛮な男との婚姻を拒むことはできず
大国の傲慢さと己の無力さに嘆き悲しみながらも
王族の義務として国の安寧のために厳しい旅を経て嫁いで行くこととなるわけです。
お相手である王様のアルファは実は数年前に朱璃に一目惚れして縁談を申し出たのだけれど
朱璃にしてみたら見知らぬ野蛮な国への人質でしかない。
王族のプライドと初恋の従兄への想いが、ゴージャスイケメンな夫への複雑な想いに変化していく様子がとてもよかったです。
砂漠の向こうのアラブ+南欧風な王宮でデロデロに甘やかされてこれでもかと愛の言葉を浴びせられいつしか国元のことなどすっかり忘れて夫になった人のことばかり考えてしまう朱璃がとてもかわいかったです。
朱璃の初恋の従兄と従者(末端貴族の子)との身分差の恋の成就も、同級生から主従そして恋愛のストーリーが結構好きなポイントです。
アータシュの元カレのシーリーンは、
眉目秀麗で剣技も優れ将軍としてアータシュの重要な側近です。
彼とそのお相手との出会いからのあれこれがまた面白そう。
反乱軍の長として対峙しいたらしいから、そこから運命の相手、婚約、婚姻という流れにまで至る物語が面白そうです。
腐敗した国の重鎮の企てやあわやという事件はありますが、おおよそ甘くて優しく懐の深い攻めが恋愛感情に関しては幼い受けが想いを自覚し両思いになるまでの1年くらいのお話です。
オメガバースの『運命の番』って、いまいち乗りきれない処があるのですよ。
多分、お好きな方はここの部分がたまらなく好きなんだろうと思うのですが、ひねくれ者の私は「ピピピって来たからって、それは本当なのか解らないじゃん」と思ってしまうのです。「何時でも恋に落ちる時は、こんなに激しく好きになる人はもういない。これが最後の恋だーっ、って思っても、時と共に冷めたりするよね」とも。
そもそも『運命の番』に出会った時は必ず解ると言っても、それって全く初めての感覚な訳ですよね。これからもまだまだ続く人生の中で『初めての経験』は『二度とない経験』と言って良いものなのか?
……そういう『お約束』なのにすみません。本当にひねくれているんです。
どっちかって言うと私は『運命』より『共に乗り越えた経験』によって、結びつきが強くなる関係の方が好きなんだと思います。
で、このお話。
私の様な『オメガバース』にひっかかりを持つ姐さま方に最適なんです。
アータシュは珠璃を一目見て『運命』を感じるんですけれども、珠璃は違います。
そもそも珠璃は『運命の番』を芯から信じてはいません。
そんな珠璃がアータシュに出会って感じたのは「怖い」ということ。
それと同時に「引き込まれる」とも思います。
これがね、とってもとっても良かったんですよ。
幼少の頃から自国の皇太子に嫁ぐと言われて来て、自分も彼に仄かな思慕を抱いていた珠璃も、デロ甘なアータシュの態度に彼をどんどん慕う様になります。
でもそうなって来ると珠璃には疑問が生まれてくるんです。
「今はアータシュが自分を『運命の番』と思っているけれど、もし、それが間違いだったらどうしよう」って。
いや、そう思うよね。
だって自分の感じ方とアータシュの感じ方は明らかに違うんですもの。
珠璃が偉いのは、だからこそ努力するところ。
ああ、こういう受けさん、大好き!
そして、危機(この辺はお読みください)を乗り越えたことで「運命なんてどうでもいい」という結論に達します。
何て素敵なのっ!大満足です。
アータシュの元カノ(笑)であり、朋友であり、懐刀的な役割でシーリーンというωが出て来ますが、この人、カッコイイんですよ。
ωでありながら、αを凌ぐ優秀な官僚で且つ武人。
線が細いところがなくて、遊び人風な処がまた良いのです。
お話の中で、この人の恋にもさらっと触れられているのですが、このお話、スピンオフで書いてくださらないかしら?
意地っ張りでも可愛らしい珠璃とはまた違った恋模様を読みたいんです!
蛇足
私、電子で読んだんですけれど『特別版』というおまけが付いていました。
コミコミの特典書き下ろしと同じみたいですが、爆笑した!
シーリーンから、自分たちがしているのとは違った睦み合いがあると聞いた珠璃は「破廉恥なこと」と口に出せないのですが、興味津々だったのでしょうね。悶々としていることが態度に出てしまいます。
それに気づいたアータシュは何かは解らないまま「試しにやってみて」と言っちゃいます。
……ああ、大好き!この展開。
今回は野蛮と噂される新興国の王と
歴史を誇る帝国皇帝の甥のお話です。
攻様の花嫁として嫁いだ受様が
身も心も攻様のものになるまでと
攻様視点で本編裏事情的な番外編を収録。
この世界の男性には
アルファ、ベータ、オメガという
第二の性があります。
女は皆、男の8割はベータ性で
残りの2割がアルファ性とオメガ性という
希少種となります。
アルファは優れた容姿と頭脳を持つ
支配者の性ですが
オメガはアルファの発情を誘引する事から
アルファやベータよりも
下の被差別者の性として見られていました。
受様は千年の栄華を誇る白星国の
現皇帝の甥として生まれたオメガですが
白星国の千年の血統を受け継ぐオメガは
吉祥とされるため高貴な存在として
現皇帝の第一皇子である皇太子妃となるべく
様々な教育を施されて育ちます。
受様は兄とも慕う皇太子に
秘かに淡い恋心を抱いていましたが
皇太子の相手として決まったのは
下級貴族ながら皇太子の学友であり
近衛でもあるオメガでした。
皇太子は彼を運命の番として望んだ為
受様は中原を支配する烏月国の国王に
嫁ぐことが決まります。
国王は現皇帝の祝賀の折に
受様を運命の番として見初めたそうで
今や世界の半分を支配する烏月国を
白星国も無下には出来ません。
受様は烏月国に対して野蛮な国という
印象しか持っていませんが
白星国の皇子の役目を果たすべく
3月後に攻様に嫁ぐこととなります。
輿入れの準備が整った受様は
大勢の警護や供の者たちと出立しますが
宮中の奥深くで育った受様にも
長旅を経験した事の無い白星国の者にも
数か月に及ぶ旅は過酷でした。
砂漠を超える頃には
受様は言葉を発する体力もなく
死をも意識するほどになります。
そんなある日、
逞しい体躯の男を乗せた白馬が
砂煙を立てて走り寄り
受様は軽々と抱き上げられます。
ぞっとするほど青い双眸をもつ
彼こそが今回の攻様です♪
受様を己の運命と呼ぶ攻様に
睥睨された受様は恐ろしいながらも
攻様から目を離す事が出来ません。
受様にとっても攻様は運命なのか!?
攻様に運命の番として求められた受様が
嫁いだ新興国の政権争いに巻き込まれ
攻様の手を取るまでを描いた
オメガバースな王宮物語になります。
古い歴史を誇る国のオメガの皇子として
アルファの皇太子妃となるべく
邁進していた受様ですが
皇太子は別の相手を運命の番とし
受様は受様を運命の番という
攻様に嫁ぐことになります。
歴史が浅く周辺国を武力で支配した国を
受様は野蛮な国家と思っていますが
都市水準も人々の暮らしぶりも
なんら故国に劣るものではありません。
攻様と多くの時間を過ごすうちに
受様は攻様が為政者としても
伴侶としても好ましい人物であると
思うようになりますが
攻様は受様を溺愛して
毎夜身体を重ねるようになっても
攻様を運命と思えるようになるまでは
と受様の項を守る首輪を外して
番となることを良しとしないのです。
また、
先王と共に戦を勝ち抜いた重臣達は
戦歴の乏しい攻様を内心ではあなどり
攻様の王位は必ずしも盤石ではなく
攻様の味方する者たちは
まだ年若く発言権も政治力も有りません。
そんな中、
攻様のかつての恋人であり
行政官を務めていたオメガが帰還、
彼の叔父である長官の画策で
受様が拉致されてしまうのです!!
受様は助かるのか!?
攻様は間に合うのか!?
2人が運命の番となるまで
ハラハラ&ワクワクで
たいへん楽しく読めました (^O^)/
オメガバースの肝である
「運命の番」という関係を
本能のままに感じて押し通すのではなく
頭で悩んで考えて心に問いかけて
「最上の絆」にしていくところが
面白かったです♪
受様はオメガではありますが
血筋の高貴さで守られていた面もあり
受様の旅中やクライマックスの拉致などで
かなり辛い状況には陥りますが
オメガバースにはよくある
発情に絡んでの暴漢や貞操危機には
直面しないので
そういったシーンが無かったのも
読み易さを高めていて良かったです。
攻様視点の短編を読んでも
攻様が受様にベタ惚れ過ぎですので
今後はもう心配無用ですよね♡
攻様の元カレオメガの
恋物語もとっても気になるぞ (>_<)
今回は神楽日夏さんの
『くちづけで世界は変わる』をご紹介とします。
受様が特殊設定ですが恋を自覚するまでの
グルグル感が本作とちょっと似てるかな(笑)
「君、つんでしょ」と語りかけながら購入した当作。期待通りであったこと、さすが小中先生~と思ったことから神より萌2にしました。オメガバース苦手ですが慣れたのかな?オメガに対する扱いがそんなに酷くないと思います。本編210P超+あまあま後日談20P超+あとがき。
白星国皇弟の末子である朱璃。高貴な血筋で貴重なオメガであるため、皇太子妃になると思われ、朱璃も皇太子にほのかな恋心を抱いていたのですが、ある日、見たことも考えたこともない国の王妃にと望まれます。大国である烏月国との友好関係を維持するためにと泣く泣く嫁ぐことを決意し・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ライラ、アルマ(受けの側仕え)、スィヤーフ(人間+鷹、攻めの側近)、シーリーン(攻めの配下&昔の恋人、オメガ)、バハル(攻めの国の重臣)等。
もうちょっとスィヤーフの活躍を読みたかったかな。ライラもアルマも良かったです!
**好きだったところ
あっさり運命の番・・だなんて恋に激落ちするんではなく、ほんとかよーといった感じに慎重だったんです、朱璃が。攻めさんは「運命だ!」とかってビビっと陥落しているにも関わらず。そして、いきなり押し倒すわけでもなく、ゆっくり待って、朱璃と結ばれていく様子だったのが嬉しかったです。
また、運命であることを信じ切っているのか、よゆーで受けさんを構い倒して、つんである受けさんがぷりぷり怒って文句を言ってもさらっと流していて、国王さんがとっても良かったです。二人のいちゃこら喧嘩の様子が大変楽しかったでした。
大変美しいし、ちょっと揶揄われたらツンツンするわかりやすーい性格の方だし、めっちゃメンタル強くて頑張るので大好きなんですけど、美しすぎて、姫・・という雰囲気満点だったのが、ちょっとだけ残念だったかも。(ごめんなさい)ビジュアル的には満点なんですが、BL・・というからには、もう少しビジュアル男子っぽい方がよいかなと思った次第です。
中の衣装も全部素敵で、表紙もすんごく好きなんですけどね・・・難しい。
こちら「溺愛花嫁」となってる通り、とにかく甘いです。
ひたすら溺愛です。
が、甘いだけじゃ無いんですよね~。
めちゃくちゃ深いのです。
とにかく感動なのです。
主人公である朱璃ですが、彼の人生と言うのは、常に国とか政治とか、自分の意思とは関係ない思惑によって動かされます。
しかしですね、そんな中でも懸命に生きる。
そして幸せを手に入れるー。
置かれた場所で、迷いながらも懸命に生き、大輪の花を咲かせる主人公の姿に、もう言葉じゃ言い表せない程の感動を覚えて。
思わず泣けちゃうんですよ。
もう、めちゃくちゃ素敵な作品でした。
内容ですが、盗賊から成り上がり野蛮と噂される烏月国の王・アータシュ×格式高い皇国で神聖な存在とされるオメガの皇子・朱璃による、オメガバースで大陸ものになります。
いずれ皇太子妃となるべく、美貌と教養を磨きながら育てられた朱璃。
そんな中で突然、皇太子妃が別人に決まり、更に蛮国と噂される烏月国への輿入れを命じられます。
悲壮な覚悟で烏月国へと赴いた朱璃を待っていたのは、自身を「運命の番」だと溺愛する王・アータシュでー・・・と言うものです。
で、まずこちら、中央アジアっぽいイメージの烏月国が舞台となります。
受けである朱璃ですが、最初からかなり悲惨な目に遭うんですよね。
輿入れの道中ですが、砂漠を何日も渡りと言った感じで過酷なのです。
いやもう、美貌を謳われた彼が、肌も荒れ、お腹も壊して下の汚れに恥ずかしい思いをしと、かなりみすぼらしい姿になるのです。
そんな中でも辛いと決して口に出さず、また世話係に感謝を忘れない朱璃ー。
もうこの時点でかなり切ない・・・( ω-、)
が、ここからは溺愛パート。
朱璃はですね、皇太子妃となるべく育てられただけあり、かなり気位が高いんですよね。気が強くて。
そんな彼が出会う、夫となる男・アータシュ。
彼は、とにかく豪放磊落と言った所。
砂漠まで朱璃を迎えに来るのですが、もう最初から溺愛なのです。
朱璃を「運命の番」だと強い確信を持っていて。
で、この二人のやりとりなんかが超萌えるのです。
箱入りで育てられた為、お堅い朱璃。
男くさく、下品一歩手前くらいのアータシュの口説き文句なんかに、真っ赤になってツンケンした態度をとっちゃってって感じで。
アータシュですが、とにかく包容力があるのです。
朱璃のツンケンした態度ですが、彼にとっては子猫が引っ掻いたぐらいのもんなんじゃないでしょうかね。
だから、しつこくかまっては、余計に朱璃を怒らせたりしてるんですけど。
そんな日々を過ごし、アータシュにどんどん惹かれてゆく朱璃ー。
しかしアータシュは、何故か朱璃と番になろうとせず、また子供を作ろうともしない事から、不安になる朱璃。
更に、不正を働く宰相の政権争いに巻き込まれ、命の危機に陥りーと言う流れ。
朱璃ですが、まず最初に悲惨な目に遭ってますが、ここではそれ以上の酷い目に遭います。
また、溺愛パート時でさえ、オメガであると言う事や、烏月族で無い事で周囲から冷たい目線で見られたりするー。
もうさあ、ここまで酷い目に遭う受けて、小中作品では朱璃がダントツじゃないでしょうかね、と本当に読んでて痛々しい。
ただですね、ここでめちゃくちゃ感動もするのです。
過酷な状況の中、自身の本当の気持ちを正面から見つめる朱璃。
これまで、彼には迷いがあったのです。
自分は本当にアータシュの「運命の番」なのかー。
もし違った場合、アータシュは別の人を愛するようになるのではないか・・・。
しかし、もうアータシュに二度とは生きて会えないのではないかと感じた時、朱璃の出す結論ー。
朱璃がアータシュに告げるセリフに泣けて泣けて・・・(TдT)
そう、ただただ真っ直ぐ愛する。
それだけでいいのです。
ここまで運命に流されて来た彼ですが、やっと自分の居場所を手に入れ、幸せを掴む姿に、なんだかホロホロきちゃうんですよ。
で、この後、アータシュ視点の短編があります。
個人的に、「運命の番」と言うだけでなく、そこから育って行く愛情というものが、オメガバのキモになると思うんですけど。
ここでそれが語られていて、思わずニヤニヤしました。
運命だろうと、運命じゃなかろうと、結局は朱璃だから愛してるんですよね。
もう完璧にノロケじゃないか!!
ところでこちら、エロがページ数の都合か、わりとアッサリです。
でも個人的には、その初夜に臨む朱璃の奮起の方にニヤニヤしちゃって。
「どのような破廉恥な儀式にも耐えてみせよう」とあさっての方向に決意し、三日三晩続くとされる激しいまぐわいに耐える身体を作ろうと、身体を鍛え始めるー。
何故ここで、そんな謎のやる気を見せる・・・。
彼は、かなり気位が高くてツンケンした態度なんですけど、こうゆう所が愛嬌になってて、めちゃくちゃ可愛く感じるんですよ~。
小中先生、上手いな!!
作家買い。小中さんの新刊はオメガバースもの。痛い話…、かと思いつつ読み始めましたが、
めっちゃ甘~い!
お話でした☆
以下、ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公は朱璃。
白星国という大国の、現国王の弟の末息子。つまり先王の孫にあたる高貴な身分のΩです。白星国ではΩは神聖な存在と言われ、でも若干見下された存在でもある。
王族で、しかもΩという特殊な立ち位置にいる彼にとって、嫁ぎ先はそう多くはない。次期国王になる現皇太子・清梁に嫁ぐのが身分的に釣り合うこともあって、朱璃も、そして周囲の人たちも朱璃は清梁に嫁ぐものとして今まで生きてきた。
が、清梁は別のΩと結婚することが決まり、さらに朱璃は隣国の烏月国国王・アータシュに嫁ぐことになる。清梁にひそかに恋していた朱璃は、絶望の中アータシュのもとに嫁ぐことになるが―。
というお話。
朱璃自身が望んでいない相手との婚姻。
烏月国は盗賊上がりの野蛮な国であるという噂があること。
清梁、アータシュともに、彼らが妻にと望んだ相手は、彼らが自身の「運命の番」と信じていること。
そして、アータシュにはもともと結婚する予定だったシーリーンというΩがいたこと。
と、シリアス要素満載です。
なのですが、
これ、めっちゃ甘いよ…!
とにかくアータシュが朱璃にべた惚れなんです。
もともと朱璃は綺麗な容貌をしている、という事もありますが、皇太子である清梁に嫁ぐ、と彼自身思っていたこともあってより一層美貌に磨きをかけていたという過去がある。が、アータシュが朱璃に惚れこんでいるのは彼の持つ美貌のためではない。もちろん、白星国の王族である、という理由でもない。
朱璃が、アータシュの運命の番だから。
アータシュが朱璃を大切に想っていることもあって、アータシュが朱璃のために用意した臣下たちはみんな朱璃に対して優しい。王族として生まれ、そして隣国の国王に嫁いできた朱璃、という事でやや浮世離れしたところがある朱璃ではあるのですが、甘々なだけで終わらせないのが小中さんならではか。
「王族」だけに、反乱がおきたり朱璃が狙われたりするシーンもあったりするのですが、その都度アータシュが必ず助けに来てくれる。お約束と思いつつ、アータシュのスパダリ感に萌えが滾りました。
初めは自分の夫になるアータシュを受け入れられなかった朱璃ですが、アータシュの想いに少しずつ彼を愛するようになっていきます。そこで浮き上がってくるのが、アータシュの元恋人だったというシーリーンの存在。
美しく、聡明で、国思いのΩ。
アータシュがかつて愛したというシーリーンの存在が、朱璃とどう絡んでくるのか…。
とにかく伏線は盛りだくさん。設定も盛りだくさん。
なのに、それらを上手に回収しつつ、オメガバースという特殊性も生かしつつ結末まで持ってくる小中さんの手腕に圧倒されました。
シリアス寄りなバックボーンですが、小中さんらしい、と言って良いでしょう、優しく甘い展開になっていて非常に面白かった。
アータシュ×朱璃、というメインCPはもちろん素敵でしたが、アータシュの元恋人のシーリーン。
彼もめっちゃ素敵な男性でした。スピンオフ書いてほしいな。
そしてこの作品に花を添えるのが石田さんの挿絵。
圧倒的な画力でもって描かれたアータシュ、そして朱璃が、めっちゃ麗しいです。
この二人(&シーリーン)はものずごく綺麗な人、という設定ですが、そのイメージを覆すことのない迫力ある美貌を描き切っていて、萌え度は確実に上がりました。
シリアスと甘々、そのバランスが絶妙で、かつオメガバースというバックボーンを存分に生かした展開で非常に面白かった。
文句なく、神評価です。