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kirai daikirai aishiteru
恵まれているけど心が欠けている攻めと、貧しいけれど心が豊かな受け、持てる者と持たざる者を描いたらARUKUさんに敵う人はいないと思うのですが、この作品は今まで描いてきたそういうお話の集大成のように感じました。
不幸受けを描いたらやっぱりピカイチといいますか、ジワジワと心を蝕まれていくかのような不幸な境遇、不憫な描写が本当に容赦ないです。これぞARUKUさん!!って感じ。
いやー、それにしても攻めが酷い男です。
滅多にお目にかかることの出来ないレベルの酷い男でした。
属性の「鬼畜」「下衆」「俺様」「傲慢」「強気」「腹黒」全部当てはまります。
そして一目で気に入った受けを何としても手に入れようと凄まじい「執着」をするのです。
受けは難病持ちの母親を一人で支えている貧乏で健気な青年で、自分のことそっちのけで、母親の面倒を見て必死に働いています。
貧しい母子が暮らす土地に目をつけた攻めは、裏で手を回し、50万円用意しないと住む家を失うという状況にまで追い詰めます。
なんとか20万工面をするも30万円がどうしても足りない。
そこで上司である攻めに給料の前借りを願うのですが、これこそが攻めの狙いで「君の処女を30万で買ってあげるよ」と提案。
受けは途方に暮れるのですが、他に術もなく悩んだ末に抱かれることを承諾します。
たった一回耐えれば…と思っていた受けでしたが、攻めは事後の写真を撮り、ばらまかれたくなければとそれをネタに、勝手気ままに受けの身体を貪る日々が始まります…。
もう読んでて本当につらいです。
ARUKUさん本当に容赦ないです。
人を人とも思っておらず、良心が決定的に欠けている鬼畜な攻めが、徹底的に受けを追い詰めていきます。
鬼畜男が恋を知り、次第にピュアになっていく反面(それでも受けに対してやってることは性奴隷と変わらないのだけど)、受けはその美しい魂をゴリゴリと削られ、どんどん磨耗し続け、ついには攻めを殺すしかないとまで考えるようになるんです。
さらに追い打ちをかけるかのように、受けの母親に関する出来事や、自分に好意を寄せているそぶりを見せていた女性の裏の顔など人間の汚い面をこれでもかと見せつけられて、絶望する姿は本当に痛々しく哀れ。
そして自暴自棄になった受けは、自分を傷つけるために初めて自分から攻めを誘うのですが、あることにようやく気づきます。
攻めが自分のことを好きであることに。
今、死んでやったらこいつは一生悔いるかなと思うのですが、どうせなら徹底的に惚れさせて、自分がいないと生きていけない状態にまでなってから死んでやろうと決意する受け。
そうして受けの復讐劇が始まるのですが、自分にようやく好意を持ってくれるようになったと勘違いする攻めをもっとメロメロにさせるために甘えん坊でエロいおねだりをし、あれこれしちゃうのでARUKU作品の中でもとりわけ肌色率が高めです。(でもエロを楽しめる作品では全然ないです。その心境を思うと辛いので)
恋する男そのものなのにプライドが邪魔をして「好きだ」とは絶対に言いたくない攻めと、大嫌いな攻めへの復讐心でいっぱいだけど恋する男を演じる受け。
この二人がお互いに心の奥底を隠しながらも過ごす様子、そして心が揺れ動く様子の描き方がさすがです。
そしてついにあの傲慢男が「俺を愛してくれないか」と土下座しながら言うシーンときたら!
攻めにされて嫌だったことの数々をボロボロ泣きながらあげつらう受。
本当に本当に嫌だったことがわかる。
だけどようやく憎っくき敵が自分に跪いたというのに、ちっとも嬉しそうではない。
そして一気にクライマックスへ!!と思いきや……。
お話は、冒頭で受けが崖から海へ落ち心肺停止中となり病院へ担ぎ込まれたところへ、攻めが息急き切って駆けつけ…というところからスタートします。
だから現在、受けは意識が戻らぬ状態なのです。
ところどころ、そして後半、目覚めぬ受けの事を献身的に面倒を見る攻めの姿が描かれているのですが、過去の鬼畜男とは完全に別人です。
もうそこには「鬼畜」「下衆」「俺様」「傲慢」「強気」「腹黒」の全項目を要する男は存在しません。
改悛と愛に満ちた男の姿が描かれているので、ヤツのしでかしてきた悪行の数々を許す気になれます。
攻めと受けの愛憎劇にとどまらず、攻めの妻(紙切れ一枚の形式上の妻ですが、同居はしています)も絡み、一体この先はどうなるのだろう?最後どうなっちゃうの?まさか?!とドキドキしながら一気に読んでしまいました。
思っていたよりも終わりがあっさりしている気がしましたが、途中の密度の濃さはハンパないです。
できれば心が元気なときに読んだほうがいいかと思います。
とりあえず作品を読んでみてーーー!!と言いたいです。
私の語彙力じゃうまくレビューできないので…。
そして、やっぱりARUKUさんの作品はARUKUさんの絵で描かれるのが一番だなぁと改めて思いました。
甘いキュンキュン系のBLをサプリに例えるとしたら、この作品は多分、取扱注意の劇薬の部類に入ると思います。
淡いパステル系の色彩で描かれた幸福感溢れる表紙。まさかこの一冊の中にあんなに濃い内容が詰め込まれているとは全く予想出来なかった。
人間のドス黒い部分、残酷さ、えげつなさ、汚らしさ、出来れば見たくない嫌な部分がこれでもかというほど生々しく描かれているのに、何故か苦しいほど美しい純愛物語を読んだと感じている自分がいて、正直まだ放心状態です。
BLを読んで泣くことはあるけれど、手が震えたのは初めてで、それぐらい衝撃的な作品でした。
クズの凍月に脅され身体も心もボロボロにされ、ほんの少しの希望さえ次々と失っていく奏。絶望の中、凍月が自分を好きになっていることに気づき、それなら自分なしでは生きられない程惚れさせて、自分が自殺することで凍月に死ぬより辛い思いをさせてやろうという復讐を思いつきます。
凍月をもっともっと惚れされるため、凍月が喜ぶよう演じる奏。最後まで自覚出来なかったけれど、彼は一体いつから凍月を愛していたんだろう…。
脅迫されながらの激しい性描写は奏のあばら骨が浮き出るほどやせた体が痛々しく、見ていて辛いのになぜか目が離せない。心が痛いのに官能的で切なくてやはりどこか美しい。
正統派のお話ではないのだと思います。毒々しくて、読んでいる側はかなりメンタルがやられてしまう。なのに私はこの作品が好きで堪らない。惹きつけられて頭から離れない。
かなりキツイ作品ですが、出来ればたくさんの人に読んで欲しい。
別に肯定してもらわなくても構わない。
嫌いだと感じても構わないから、多くの人の心の中に残って欲しい。
そう感じてしまう作品でした。
余談ですが、この作品を読んだのは、こちらのレビューがきっかけです。同日に2つ上がったレビュー、すごい勢いで増えていく役ボ。あの時、実際読んだ生の声を届けて貰わなければ私はきっとこの作品を一生読むことはなかった。
この作品に出会わせて頂き本当にありがとうございました。
最後に、この本を読み終わったら、表紙をもう一度眺めて下さい。
奏が右手に持っているカッターナイフ。左下に転がるいちご。その意味がわかります。
そして、カバー下の2人も是非見て頂きたい。
映画とはまた違う、90年代のドラマ(私は「この世の果て」を思い出しました)をワンクール一気に見てしまったようななんとも言えない読後感と疲労感。
一生忘れられない作品になりそうです。
心がぐちゃぐちゃに抉られて、胸が引き裂かれるような痛みに襲われた。
なんて苦しい作品なんだろう…
容赦なく、クズで、サイコパスで、人の痛みなど考えない攻めの凍月と、そんな彼に愛されてしまった美しい青年 “奏” 。
病気の母を抱えお金もない奏は、凍月の策略に嵌り30万で体を売るものの、今度はその行為に対する脅迫で陵辱され続ける。
それだけでも辛い日々なのに、さらに周囲の人間たちの汚さにも触れ、追い詰められ心が壊れていく。
その過程が本当に救いがなく、ここまで描くか!?というほどに、受けの心を蝕んでいきます。
この非道の限りを描写し尽くしたARUKU先生には脱帽です。
空中で食い千切られた小鳥(受け)は、今度は逆に猛禽類(攻め)を狩ってやる!と復讐を心に秘め、甘い蜜月を過ごす演技をするのですが…
昭和50年代の田舎での物語なのですね。
少し古めかしく、ホラーにも似た不思議な怖さを感じたのには、この年代設定が理由にあったのかも知れません。
食うか食われるか、愛は実在するのか、2人の恋の、いや人生の行方は…?
サブタイトルにもありましたが、まさに『恋獄』という造語にふさわしい、恋の地獄に陥った人間の苦しい物語でした。
終盤は涙なしには読めなかった。
ラスト。本当にラストのラストは少し駆け足だったかな、と思います。
あの結末を望んでいたけれど、そこまでが重苦しくじっくり描かれた作品だっただけに、もうひとつふたつ描写が欲しかった。
本当の救いを、奏に感じて欲しかった。
文句なしの神作品。
ただし、表紙の甘く可愛い雰囲気から想像して、
「嫌い♡大嫌い♡愛してる♡」とタイトルを読んで購入するのはお勧めできない。
受けが手に持つカッターこそがこの作品の本質。
私は本作以外のARUKU先生作品は未読です。
これを幸いと言わずして何と言えよう。
これぞARUKU作品!
もうホントに読み応えあっておもしろかった。
前半はARUKUさんにしては随分エロエロで、ん?方針変えた?エロ路線に方向転換して頑張っちゃった?
という感じでARUKU作品ファンとしてはちょっと戸惑いました。
このままの展開で最後までいくならARUKU色が出ないまま、はっきり言ってよくあるエロエロBL漫画だよな、と正直思っていました。
でも後半はガラッと変わって驚きの展開。
そう!これぞARUKU節です。
読後はしばらく放心状態。
は~、年に数回しかない、久々に味わったこの読後感。
良作です。
ARUKUさんの作品の中でも代表作と言われる作品になりえるんじゃないかと思うくらいです。
ところでストーリーとは関係ない話なのですが、ARUKUさんの独特な絵柄は最初は苦手だったけど、今ではとっても好きなんですが、時々キャラクターがすっごく可愛らしい時があるのが特に好きです。
八頭身のキャラが二頭身になるとかの極端にデフォルメされた可愛さではなくて、ちょっと抜けた感のある絵で表現されてるのがいいですね。
ARUKU先生の作品は本当に人を選ぶ気がするので、
「受がとことん不憫。鬱展開。登場人物の死。微グロ。文字数多い」
このあたりが大丈夫な方じゃないとキツい気がします。
いい意味でも悪い意味でも、衝撃的なので。
絵も古風?ですしね。
表紙を見てください。一見普通のBL漫画の表紙に見えるでしょう。
横たわり、微笑む二人。
でも受の手ににぎられているのは、カッターナイフ…。
このあたりの違和感にビビっと来た人にはオススメです。
一冊の中で、
手に汗握るジェットコースターばりのストーリーを展開し、様々な人間の愛憎を描き、
昭和のノスタルジックな世界を旅することができる漫画ってすごいですよ。
間違いなく神作品、なんです、が、
実はARUKU先生が好きすぎて大体の作品を網羅してしまっているため、
「あれ…?こんな話前にも、あったよね?」という錯覚に陥りました。
新鮮味に欠けたことは否めませんでした。(特にラスト)
ラストはどうにか工夫して欲しかった、というのも本音です。
うーん、でもやっぱり単品で見れば神作品なんですよね…。
気になっている方には是非オススメします。
久しぶりにヒリヒリするARUKU作品を読んだ!って感じ。
ストーリーの容赦なさと、硬質な絵柄の組み合わせ、この、簡単に読み飛ばさせてくれない感じ。
1冊全部を使ったストーリーは、一言でまとめちゃうと、定番の、変に意地を張ったせいで盛大にすれ違うお涙頂戴物めいているけれど、登場するキャラの表情の一つ一つに、愛憎がすれ違っていく様がありありとしていて、読んでいてぞくぞくしてくる。
女性キャラの登場や扱いも、良くも悪くもちゃんとお話に必要な分きっちり出てくるので、女性キャラ嫌いには辛いかもしれないが、そもそも本編ストーリーが既に十分痛くて辛い、そんな芸風を承知の上で読んでいるので許容範囲でしょう。
ARUKU作品を知ったきっかけは『猿喰山疑獄事件』です。当時はあまりの衝撃に涙が止まらず、もう二度とARUKU作品は読めないと思いました。
それでも独特の絵とひょうひょうとした作風にハマり、その後のARUKU作品を読み続けたわけですが、最近は原作が多くARUKUさんの絵が大好きなので、寂しい思いを感じていました。この作品はタイトルだけ見て、可愛いらしい恋の物語を想像してましたが、本が届く前にこちらのレビューを読んでたので全然違うと知り『猿喰山疑獄事件』のような結末かと心配しながら読み始めました。
途中の悲劇に向かって行くような展開にハラハラし、2人の心のすれ違いに涙し、漸く落ち着き先を見つけた時の事件に、最悪の結末を予感しました。
でも、その後の2人が描かれてて良かったと私は思います。ARUKU作品の中でも大好きな作品になりました。
1ページの密度が濃くてとても読み応えがありました。
もうね…打ちのめされています。
「ARUKU信者」を自認し、商業は全て読んでて、かなりの内容でもいける!と思ってた。
最近のARUKU先生作品は、他の絵師さんと組んでの原作漫画や、非BLの短編集など甘めな空気感があった。
それに慣れてたから…
この衝撃に吹き飛ばされちゃった。
下衆な男が不憫な男にこれでもか、と非道な行い。痛々しい。ひたすら痛い。
読んでてもうつらくて。
それでも、ついに復讐の罵詈雑言を放った時ちっともすっきりしなかった。いつの間にか変わっていた2人の関係性に取り込まれてた。
ただ、この結末は意外でした。でも目を覚ましても、死んだとしても賛否両論ありそうですね。描き下ろしの「そして二人は」も不思議だ。奏はどこまで治ってるのかな…話できるのかな…
バルテュスのような絵柄も健在で、やはりARUKU先生のストーリーにはARUKU先生の絵だ!と認識しました。
絵:10/10
最近読んだARUKU先生の本が「スクールナイト」だったんですが、たった1年の間ですごく絵上手くなったなーと思いました。絵柄は昔から変わってないけど、構図のレパートリーとかデッサンとかがめきめき上達している気がしました。人を選びそうな絵柄ではありますがわたしは好きです。
キャラクター:10/10
今回のメインキャラを一言で表現するならクズ×清楚系クズってところで、攻めの凍月さんがひたすらにクズなのに明らかに奏くんに惚れてる描写があるのが個人的に萌えポイントでした。奏くんも、こんな男いたら男でも惚れるよなぁって感じの子でした。でもこの本は攻めに萌えると思います。
ストーリー:10/10
(まぁこの方の本で満点つけない方が間違ってるとは思うのですが)文句なしの10点です。ARUKU先生の作品って、先程挙げたスクールナイトのような若干ファンタジー要素のある作品が多かった気がするのですが、今回は違います。ファンタジーなどありません!!!
凍月さんの形式上の奥さんも、最初見ただけじゃただのウザい女なんですが、回想シーンを読むとそりゃああの人(ネタバレなるので伏せます)を殺したくもなるよなって思えるようになっていて、よく設定が練られているな、と思いました。
笑えるところもあれば泣けるところもあって、キャラクターの心情表現も秀逸でした。タイトルの伏線も見事に回収していて、改めてARUKU先生の強みを感じました。
総合:30/30
いやー、やっぱりこの方はすごいですね。ファンタジーものを描かせても最強なのに現代ものを描かせても最強で、しかも絵まで上手くなってるとは…。人の成長って素晴らしいですね。
若干グロ描写、流血表現があったりするので
苦手な方にはあんまりおすすめできませんが、とにかくストーリーが秀逸な作品です。買って損はないと思います!
ARUKU先生の作品は「ほんとは好きだ」しか読んだことがなく、たしかに面白かったし読み応えもものすごくあったんですが、どうもはまらなくって他の作品を読もうとまでは思いませんでした。絵もクセが強いし、お世辞にも好きなタッチではなかったので。
しかし、「嫌い、大嫌い、愛してる。」のレビューを読んでもう一回チャレンジしようと思い、手にとってみましたが、もうほんとやられました。がっつり心持ってかれました。
久しぶりに泣きましたよ。
素晴らしいという言葉では言い表せないです。
どうにか平常心取り戻そうとテレビつけましたよ。
それほど耽溺しましたし、読み終わった後の喪失感が半端無いです。
二人の心情の移り変わりが秀逸です。
もし崖から落ちなかったらどうなったんだろうとか、色々考えますが、奏を支える凍月はほんと前半のドクズと同一人物とは思えない変わりようで、顔をしかめずには読めませんでした。
といつか凍月さん刺されすぎですよ。
神という表現はあんまり好きじゃ無いんですが、これは個人的に神以上の評価に値すると思っています。
これからは作家買いですね。とりあえず他の作品を今から読み漁ろうと思います。