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hadakeru kaibutsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
苦しすぎて読み返すのが簡単ではないシリーズ。
ですが一度読み出したら止まらないほどの魅力があるので、苦しさに耐えつつ作品の世界観にどっぷり浸りきって読みました。
お付き合いをはじめた秀那と林田の日々は順調で、お互いに相手を当たり前のように欲することができるようになっていて。
身体の関係から始まったふたりだけども今は快楽が目的ではなく、相手を心から求めて繋がっているのがよくわかります。
ただ林田の心の中には暗く重たい過去が居座っているので、そこを完全に乗り越えることができずにいるうちは、秀那との間にある壁が無くならないのは仕方ないのかなとも思えました。
壁を感じているほうの秀那もなかなか踏み込むことができず、モヤモヤとくすぶった気持ちを抱えたままなのがなんとも切なかったです。
好きだからこそ過去に踏み入るのには勇気が要るけれど、そこを越えなければ本当の林田の姿が見えてこないこと。
それを頭ではわかっていても動き出せないもどかしさが今の彼らを隔てているモノなのかなと感じました。
どんな理由があったとしてもDV自体は許されるものではないし、弓はもちろん林田自身に刻まれた傷も消えないのだけど…
でも林田がDVをするに至った背景を知ってしまうと彼も本当に辛かったことがわかってなんとも複雑な気持ちに。
一番の被害者は弓だけども、どうやってもふたりには幸せは待っていなかったのかな…と改めて悲しくなってしまいました。
秀那や林田が感じている複雑な感情やぶつけようのない想いがバシバシ伝わってきて心の中はぐちゃぐちゃですが、恋人同士としての程よい甘さがあるおかげで、大ダメージは受けずに済んだかも。
えぐられるのを覚悟して下巻も読みます。
恋人同士になった林田と秀那のイチャイチャエッチから始まる「はだける怪物」上下巻。
「恋愛ルビの正しいふりかた」「錆びた夜でも恋は囁く」と続けて読んできました。いよいよ本丸のストーリーに入ります。
過去に恋人に暴力を振るった林田と、林田の過去に引っ掛かりを憶える恋人の秀那。秀那の大阪転勤を機に、2人の関係に変化が生まれる上下巻です。
小冊子付き特装版を読みましたが、もう本当に読んでいて辛かったです。本編以上の衝撃エピソードに、胸が締め付けられました。DVになったその理由が描かれているので、辛くてもぜひ読んで欲しいです。
林田はかつての恋人・弓を痛めつけた自分のことを怪物だと言っていましたが、厳密にはそうじゃなかった。確かに暴力は許されることではないけど、林田を狂わせたのは前の会社と妹のバカ高い学費。読んでいて気分悪くなったし、怒り狂いました。林田を狂わせた原因が分かったけど、悲しい小冊子でした。
わたし的には、林田の妹が高いテンションで学費やら教材費を林田に無心するのが超絶イラっとしました。
上下巻で、核心にも迫るストーリー展開。かなり読み応えあります。
すごく重厚で良い作品だと思うけど、誰かに勧めたいかと言われたら躊躇するかも。やっぱり痛いのや悲しいのは身体がうけつけないです。下巻に期待します。
付き合った秀那とかんちゃんの恋人編です。
おげれつたなか先生の作品を読んで、好きな人と付き合えば必ずしも幸せになれる訳ではないことを知りました。
秀那は壁に貼ってある元彼・弓との写真を見つけ、かんちゃんの過去の話を知りたいと伝えますが、かんちゃんはお前には関係ないと拒絶するばかり。かんちゃんの事が大好きなために、壁の写真を見ると自分がかんちゃんの1番になりたいと嫉妬してしまう秀那の感情がリアルで惹き込まれました。はだける怪物でもかんちゃんの可愛すぎるギャップを見られて良かったです!
①「錆びた夜でも恋は囁く」では弓の元彼として一部登場。この時は攻めです。
②「恋愛ルビの正しいふりかた」にて短編で登場。秀那と出会います。
③「はだける怪物」で二巻まるまるメインカプでのお話です。
私は全部所持していますが、やはり①と②を読んでから「はだける怪物」を読むことをオススメします。
理由は3つ。
①「はだける怪物」ではすでに二人が付き合っていて、出会いなどは「恋愛ルビの正しいふりかた」に収録されているから。
②受けの林田が葛藤する理由が「錆びた夜でも恋は囁く」で描かれているから。
③「はだける怪物」の後半に数ページだけ「錆びた夜でも恋は囁く」の番外編が掲載されているから。
当初「錆びた夜でも恋は囁く」で悪いのは林田だと思っていましたが、彼にも辛く苦しい過去があるも、報われが好きな私はこの巻で複雑に悩みながらも幸せを手に入れようとする姿を見られたのは本当に嬉しかったです。
ただ、これは個人的な感想なので、逆順に読むのもそれはそれで面白いかもしれません。
一概にいえるのは全シリーズ最高だったという事くらい。
【小冊子】は、弓とかんちゃんと付き合っていた頃のお話でした。
かんちゃん目線でとても痛々しくて辛く、「はだける怪物」がより楽しめる一冊でした。
えろえろラブラブ、だけどどこか危うさを感じるふたりの続編。
でもまず、秀那とかんちゃんが思いっきり両想いで、恋人同士として愛を育んでる様子が感慨深くてグッときます。
その傍らで、拭えないかんちゃんの過去。
かんちゃんは「弓への恋心を忘れられない」ではなく、「同じことを今とても大事な秀那に繰り返してしまうんじゃないか」って不安でがんじがらめになってたんだな。
そして今回、陽キャリーマンな側面の強かった秀那の心も深堀りされて、人間味がすごく魅力的でした。
本棚整理中ですごく久々に読み返しました。
最初に読んだときに胸に刺さりすぎて、立て続けに3回読んだあとは読み返す勇気もなく、かと言って手放したくもなくて、本棚で熟成させておりました。
「錆びた夜でもー」の主人公・弓の彼氏だったかんちゃん。
あちらではかんちゃんの事情は詳しく描かれていなくて、ただ鬱憤を晴らすためだけに弓に暴力をふるっているイメージでした。
それだけ理不尽に暴力を振るわれても離れない弓の方もわかりやすく事情が説明されていなくて、ただただ壁に貼られた高校時代の笑顔の2人の写真が痛くて悲しくて。
そのかんちゃんの過去、弓に暴力を振るうようになってしまったきっかけがつらすぎるくらい克明に描かれています。
バカ高卒の低学歴、常識しらず、使えない。
理不尽な仕打ちばかりを受ける会社を、妹の美大入学のために辞められない。入学したらそこで終わりじゃなくて、入学金に学費、支払わなければいけないものは次から次へと母親から催促される。父親は当てにならない。母親もかんちゃんに頼りきり。妹は会社でのことなんて知らずに、純粋に感謝してくる。逃げられない。
かんちゃんの鬱屈した気持ちや閉塞感や焦燥感が文字で埋め尽くされたページにはっきりと、こちらまで苦しくなるくらい鮮明に描かれています。
絶対に手放さないし、しあわせにしたいと思っていた弓の存在すら疎ましい。フリーターで、何の責任も負っていない弓の励ましが憎たらしい。
そう思ってしまった時点で離れるべきだったのに、手放せない。弓も差し出した手を引っ込めない。ずるずると堕ちていくだけの関係は、かんちゃんが弓に弱音を吐けなかったせいと、弓の方もそばにいて暴力を受け入れるだけで、かんちゃんの奥に入り込めなかったせいだったんだなと、痛感させられます。
一方、かんちゃんの会社の後輩・秀那は、誰もが思うイケメン。
相手が思う理想像を演じることが楽で、「優しいイケメンの彼氏」という役割でしかみんなが自分を見ていないことにも気付いてる。誰も「秀那」という人間を求めているわけじゃない虚しさを感じて来た子です。
飲み会で酔ったかんちゃんを介抱したことから関係が始まって、「気を遣わずに気持ちいい」だけだった気持ちが、だんだん「そばにいたい」に変わっていったのは、それまでの彼女たちと違ってかんちゃんが秀那に何も期待しなかったからだったのかな。
違う人間。それぞれの過去。
過去が重ければ重いほど、こころを全部見せるわけにはいかなくて、閉ざした部分ができてしまう。
それをこじ開けてでも見たい、見せてほしい、というのは、すでに大きな愛だと思うのです。
上巻最後で弓と偶然出会った秀那はどう動くのかは下巻でございます。
ちなみにかんちゃんと弓がリバだったのは意外でした。
ど純愛ラブストォ〜リィ〜(どエロ付き)でしたね。
おげれつ節炸裂というか増し増しというかおげれつワールドがすごかったキラキラしてた。
二人の純粋な気持ち…向き合いお互いを大切に心通い合わせる過程に感動。
秀那も林田さんもがんばった〜
林田さんの基本命令口調、短めにしか話さない口調が好き。
でも自分の気持ちを説明したりしないから秀那は気になるし不安になるよね。
ましてや自分が首をつっこむ領域ではないとわかっているし。
そこを自分の中で何とか解決しようとがんばるけど難しくて…林田さんは林田さんで逃げずに自分と向き合い自分がしたことを受け止めている姿が…たまらなかった。
秀那のモヤモヤが続いたけど不穏な展開にはならず、じわじわ二人で歩みよっていったのがよかった。
正直上巻を読んだ時点で、林田さんと弓がその後再会すると思っていた。
でも物を介してだけどやりとりして秀那と林田さんで乗り越えた。感動。
このレビューは、
「同人誌版薊」のページに書くべきか迷ったのですが、
私は電子書籍の小冊子付特装版で読んだので、
敢えてこちらに書かせていただくことにしました。
前の方も書いていらっしゃいますが、
タイトルの「怪物」は紛れもなく林田のこと。
そして、あんなに明るく、笑顔が眩しかったかんちゃんが、
なぜ怪物になってしまったのか描かれるのが、
この小冊子「薊」。
アザミ、とは。
トゲを持った、見た目も決して柔らかくはない花。
花言葉の一つは「触れないで」。
それと「人間嫌い」。
このストーリーを読むと、本当に心が黒く、痛くなる。
けれどもこのシリーズを読むならば、
読んでおくべき一冊です。
かんちゃんの心の悲鳴がみえる。
この本としての評価は、上下合わせて下巻で。
なので、付属小冊子としての評価、
怖かったけどやはり「神」。
DVの、自分を制御できない底なしの恐怖が描かれていた作品。
『恋愛ルビの正しいふりかた』→『錆びた夜でも恋は囁く』→『はだける怪物上下』と気になるので続けて読みました。
『錆びた夜でも恋は囁く』で、ゆみさんがかんちゃんにDVを受けるシーンに衝撃を受けました。痛ましすぎる。「錆び」とは、ユミさんが傷つけられて流す血の喩えなんですね。血が飛ぶ描写などは温度を感じました、上手です、怖いです。神評価。
優しかったかんちゃんが何故壊れたのか。そしてかんちゃんが怪物から人に戻ろうともがく様子が取り巻く人も含めて描かれています。
受けた暴力で精神が崩れて、今度は他人へ暴行を与えるようになって、DVの衝動を抑えられない。かんちゃんは、理性で止められない狂気に満ちた怪物になってしまった。
作中のかんちゃんはまだマシで、救われている点は、かんちゃんが暴力を正当化しないで、止めなければいけないと自覚している描写になっています。
地獄から出る切っ掛けを得て、夫々が希望を持てない底なし沼から這い出して、光が挿す方へ向かって別々に歩み出す展開を読んで、ホッとしました。
カンちゃんが笑えるようになったと聞いて、ユミさんが「自分は待つしかできなかった」と涙するシーンに、胸が痛くなりました。 ユミさんが取った判断は、かんちゃんの希望を受けたもので、その時の精一杯の正解、かんちゃんを捨てて逃げた訳では無いのに、自分がしたくてもできなかったことを成し得た人がいたと知ったとき、色々な気持ちが湧いています。ココ読んで切なくなりました。
そして、かんちゃんに渡してと、ゆみさんが託したのは、アルバム。壁に貼った写真を整理してというメッセージでした。
写真を整理しながら、かんちゃんは暴力の呪縛を自分で解いていけたのか、笑顔です。
・・と、ファンタジーだから楽しんで読めばいいのに、感情移入して真剣に想いふけってしまいました。
鈴木傾城さんが書くアジアの貧民窟を連想してしまう作品でした。
ファンタジーは心へ鋭く刺さらないので、漫画は善いです。
このシリーズを順を追って読むごとに林田の人間臭さのようなものが見えてきて、初めて彼を知った頃よりも随分愛着の湧くキャラになってくれたなぁと思います。あんなに学生時代明るかった人間が、どうして弓みたいな献身的な相手に暴力を振るうようになったんだろうと不思議でしたが、社会人になってからの彼の経験を知れば納得。もちろん、だからと言って他人への暴力が許容されるわけではないけれども、あの時彼の唯一の逃げ場が弓だったんだなぁと。実際まだこういったブラックな会社は少なからず存在しているでしょうし、同情の余地は大いにありました。
暴力を振るいたくて振るったわけじゃない。壊れそうな心が悲鳴を上げながら、彼は拳を振り上げてしまう。同じ会社で働いている分、秀那はかつての弓よりは近い存在に感じているはずだけれど、彼は弓のことも本当に好きだったし、DVをしていたことを後悔し、いつまたそれに頼ってしまうか自分に恐怖も感じていて。いろんな感情を抱え込んだまま秀那と付き合っている彼が、柵から解放されて心から楽しそうに笑う顔が見たい、そう祈らずにはいられない上巻でした。