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tourou no ori
螳螂的牢笼
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
やっぱり典彦がヤバい奴ですよ。
坊ちゃんを支配したい、坊ちゃんが壊れるところが見たい、ということですよね。乱暴に言っちゃうと。
育郎が純真で尊いからこそ、壊したい。怖い。それも愛なのかもしれないけど。
典彦の何が怖いって、さち子に蘭蔵の子どもを生ませようとしたところ。
何を考えているのか。
跡継ぎをつくることが育郎のためになるからか。
さち子が性悪でなくてよかった。
でも彼女もこのままでは幸せにはなれないだろうから気の毒。
何とか育郎に縁切りしてもらわないと。
孤独な育郎は典彦に縋るしかない。
典彦がそう持っていったわけだけども。
育郎、典彦がそれで幸せならいいですが。
でもこの2人がこんなに早く体の関係を持つとは思わなかった。
まだ波乱がきますね。
で、蘭蔵が襲われた?!
健一がとばっちりを受けなければいいんだけど。
蘭蔵と健一には幸せになってもらいたい。
にしても、でりこ先生作品は受けの表情がエロい。
対して、攻めが無表情で受けを観察しているのがまたエロい。
もれなくつゆだくですしねw
父酷い…_(:3 」∠)_
兄弟は、どっちも悪くないんだよなあ。ランゾウも、イクロウも、いっこも悪くないのに、周りを取り巻く大人たちが、彼らの未来を壊していく。ランゾウが喋れないのが痛い。
イクロウくん、当主(仮)としての役目は果たしていくタイプで、結婚したら子作りくらいは無表情でこなすのだと思っていたら、そこは地雷?なのか…?子が欲しくないのか、そもそも行為がダメなのか。そんな折、ランゾウをあてがわれそうになったりしてさち子がめちゃめちゃに不憫。さち子、涙は演技でなかった。今のところ唯一の希望
裏切ったカオってどエロいなあ…_(:3 」∠)_
萌では全然ないのですが、さち子が希望なので萌2にします。さち子…!
2巻もますます昼ドラの様相。
最初に出てきた飯田の再登場はあるのでしょうか。
ただ育郎の学生時代を第三者から見た視点のために登場させたのではなさそうなので、キーマンになったりするんだろうか…気になります。
妻に迎えたさち子がそのうち闇堕ちするんじゃないかとハラハラしちゃいました。
育郎が幼少期からずっと不憫すぎるので、良心的な存在が側に居て欲しいなとは思うんだけど、状況的に難しいかな。
典彦の感情が読めなくて、育郎への愛情が確かなものなのか分からなくてモヤモヤする段階です。
育郎にとって縋るべき人物なのか、否か…まだ判断出来ず。
そして不穏なラスト。一体何なんだー。
萌えはほとんど無いのですが、作品としての面白さはかなり高いと思い、☆4つの意味で萌2にしました。
典彦、罪な男。
ますます恐ろしいことになって。
育郎は何も相続してないし子供を作る必要もなかったなんて。
ただ家を守り母の言いつけだけを守ろうと。
そして父はなぜ育郎をあそこまで蔑ろにしたのか、なんとなく分かってしまって。
誰か育郎に教えてあげたら良かったのに。母の行動を。
そしてさっさと逃げれば良かったのに。
あの時代で子供では無理だろうけど。
家という檻に閉じ込められたみんな。
大学時代に誰かにさらわれてくれていたら。
もし育郎の妻が蘭蔵の子供を宿したらますます怖いことになるよ!典彦!どうしたいの?
1巻を読んでレビュー後、間を開けず2巻を読みました。
やっと動き出したか…と、思ったのもつかの間。
もう嫌な予感しかしません。
黒塗りのトーンが多いせいか、ずっと暗い雰囲気です。
1巻ではどちらの兄弟がメインか少し分かり辛かったのですが、今回のお話は育郎メイン。
考えてみれば表紙が育郎なのでそりゃそうか…と思うのですが、私はどうしても兄の蘭蔵が気になります。
今のところ誰も幸せになれてないし、過去やしがらみで苦しそう…。
途中、育郎がトントン拍子に結婚してしまってからは戸惑いました。
使用人である典彦の思惑も少しずつ解明されますが、まだ理解できず憶測しかできません。
腹黒なのかどうかもまだ判断がつきません。
ハピエン好きの私は耐えられるか分かりませんが、気になるところで2巻が終わるので、次巻も怖いもの見たさで購入します…。
1巻に続いて2巻のレビューです。
凄い。導入である1巻よりも更にどろどろと複雑に絡まり合う人間関係。
救いが見えないのに続きが読みたくなる、中毒のように気になってしまう作品。
1巻の裏カバーでは檻の中に居た蘭蔵が、2巻の裏カバーでは檻の外に居る、というのも何かを示唆しているかのよう。
こちらもチェックしたいところです。
やはり、典彦はハリガネムシでした。
1巻のレビューで、ハリガネムシに寄生された虫は生殖機能を失ってしまうと書かれている…と書きましたが、典彦という人間にじっくりと時間をかけて寄生された育郎は、気が付けばすっかり女性を抱けない身体になってしまっていた。
寂しさから、縋るものは元より典彦しかいなかったのだと、終盤でついに最後の一線を越えてしまった2人。
このシーンがとても背徳的でエロティックだった。
「どうしても欲しかったので」と、主を堕としたその先はどうなるのか。
當間家の2人の兄弟はどちらも被害者で、問題なのは両親・親世代・家なのだと思う。
父親が育郎に関心ひとつ示さず、死してなお何も残さなかったのは、育郎の母が蘭蔵にふるった暴力からの恨みだったのですね。
息子の脚を舐める父。そこまで執着させる蘭蔵の母親がどんな人物だったのかについてもこれから明かされるのでしょうか。
ただひたすらに愛を求めていた育郎の幼少期の回想が重く辛い。
そして、空を見つめながら自分の片指を握る蘭蔵。
1巻で、まだ幼い黒髪の蘭蔵が産まれたばかりの赤ん坊の育郎からぎゅっと握られた指と同じです…
蘭蔵は育郎の事を愛しているのでは?と想像すると本当に切ない。
この2人の兄弟をどうか救って欲しい。
家のためにと結婚をしたさち子が、ごくごく普通の良い女性で不憫でならない。
彼女が加わった事によって更にどろどろと絡まっていくのか、それとも明るい方向へ向かうのか?と考えていた矢先に訪れるかなり不穏なラスト。
蘭蔵に、西浦に何があったのか?
引き続き3巻も追いたいと思います。
家のために結婚する育郎。
奥さんになったさち子がとてもいい子。
BLで珍しく、読者に広く好感を持たれるキャラなのでは。
登場人物の中で、最もまともな良心。
攻めが怖く、受けの育郎をがんじがらめに絡め取る。受けは健気に家を継ごうとするが、父を魅了した兄に怯え、女性を抱けないにも関わらず結婚せねばならない苦しみに、精神的にギリギリのところにいる。
そこを、典彦が利用し、自分だけに依存するように仕向けていく。
そして最後の一線を越える。
というところまで。
エロいというのではなく、ドロドロに官能的。
典彦に、愛しています、と言われても、嬉しくハッピーエンド、という気がしない。
當間家では全ての人が狂っていて、外から来た人間、さち子だけが良心。
育郎に惚れたという同級生、飯田もこの物語の良心で、今後どう動くのか。
父の訃報で中退せざるを得なかった育郎の大学生活が垣間見られる冒頭。
ここで今後 活躍してくれるんでは、と期待される人物、学友の飯田が登場。
時代感もある服装で 髪を伸ばし、チャラいが、「その時代」らしい一般のちょっとイケてる大学生。
育郎を名家の子息と知り、最初は遊ぶ金をたかる為に近付くが、育郎の閉じられた心と他者を寄せ付けない清廉な魅力に興味を抱く。飯田は娼家で女を抱きながらふと、美しい育郎に劣情を抱いている自身に驚く。そして、育郎は飯田に連れられて行った娼家で、自分が女を抱けない事に気付かされるのだ。そう、これはずっと、典彦の企み通り。
父の後継者となるべく育てられた筈の育郎は、しかし孤独だった。
父の愛情を受けられず狂ってしまった母。ここでも幼き頃の育郎の不憫な姿が描かれる。
育郎の側にはただ典彦だけが居てくれたのだ。
脳に障害があるらしい蘭蔵は、幼ない頃に事故に遭ったのだと典彦は言う。
まだ赤ん坊の育郎を可愛らしいと思い、その手に触れようとしたとき。母は撥ね付けその首を絞めた。
窒息からその障害を患ったのか。
大人たちの目論みゆえ 嫁に来たさち子は、育郎の父の葬式で会った時。彼の孤独を悼み涙を流す。
見た目に違わず正しく美しいお嬢さんである。
育郎に女として抱いて貰えない不安はあるが、良家の淑女らしい嗜みで、それを育郎に迫る事はしない。
典彦はそんなさち子にもひたひたと迫る。ここ、典彦、爬虫類のようね‼︎
當間の跡取りは 蘭蔵なのだから、蘭蔵と関係を結び、子供を成しなさいと。
驚いてそれを撥ね付けるさち子。さち子は財産が欲しくて嫁に来たわけでは無い。
ただ育郎さんを愛おしいと思っているのだ。
これは典彦の誤算か。嫉妬か。
家を継ぎ、守らなくてはならない事と、嫁を抱けない事に苦しみ、長兄である蘭蔵に執着していた父や、嫉妬に苦しんだ母のように、自らも狂ってしまうのではないかと恐れる育郎。彼は蘭蔵が恐ろしいのだと思う。そしてただ唯一側に居てくれた存在だと、典彦に縋り付く。
それまでも身体を仕込まれて来ていたので、典彦の手によって呆気なく堕ちてしまう。
後半はひたすら淫らに抱かれてしまう育郎が憐れ。それはただ痛みであって、快楽では無い。
先代が蘭蔵に執着したのは、おそらく愛人に瓜二つと思われる子供に倒錯的な愛情を注いだのだと思われる。愛人は死別しているのか? は分からない。しかし、障害の為か銀髪になったという髪以外、蘭蔵と育郎は顔が似ているらしい。父はなぜ、それ程までに我が子である育郎を愛せなかったのか。
もしくは育郎は実子では無いと疑いでもあったのか。ただの1円も遺産を譲りたく無いというのはどういうわけなのか。まさか、ここにも何か典彦が噛んでいるのか? 謎は深まります。
典彦に蝕まれて行く育郎が心配。この時点では、育郎を救うのはさち子ではないかと期待してもいたんだけど…。忍び寄る不気味さに怯えつつ次巻へと続く。
冒頭、育郎の大学時代から始まります。
友人のフツー人たち。
でも、その中で「飯田」という男が育郎の磁力に惹かれる姿。
続いて、ついに結婚してしまった育郎。
だけど彼は女性と性交できないのですよね。
しかし、昭和初期の良家の子女であるさち子は、はじめ「そんなものだろう」とホッとしてる。
周囲は「結婚」した途端に「子供」「跡継ぎ」と言い始める…
こういう残酷さは今現在「令和」でもある話。
そこに、さち子と寝れるわけがないとでも思ったか、八の字眉毛のキモ使用人・典彦がしゃしゃり出て、このタイミングでお坊ちゃんと肛門性交。
あーいやだ。
コイツは間違いなく狙ってたよね。
坊ちゃんと、その奥様共々。滅ぼそう、意のままにしてやろうという悪意の塊。
悪意のだだ漏れで3巻へと続きます。
この作品、背徳とか人間のドロドロの面を描いてます。そういうの、私もかつては大好きで、選んで好んで読んだり観たりしてました。
そんな私も年を経て、わかったことがある。
コレは中二病……自分はまだコドモで、人の不幸を他人事として笑えるからこういうのが好きなのよね。
2巻のはじまりは、育郎の大学時代から。同級生の飯田という男が登場します。これからも育郎の人生に関わっていくのか?育郎の闇というのか、心の奥というのかを少しだけ飯田は見て、そこで育郎は地元に戻ってしまいます。
その後、育郎はさち子さんと婚姻しますが、この女性、とても良い人に思えます。ただ、育郎の家に嫁いでフツーの幸せは難しそうなので、これからどうなっていくのか、心配でもあります。体の関係はないのですが、手を繋いで寝るシーンはじーんときました。
育郎の生い立ちが少しずつ語られて、まあとにかくかわいそうというか…悲しいというか…。
巻末、蘭蔵さんが何者かに襲われる事件が起こります。西浦が助けて蘭蔵さんは無事でしたが、これからどうなるのか、3巻に突入します!
育郎が結婚し、當間家に新たに女性が招かれることとなった2巻。女性に欲情しない育郎は当然妻を抱くこともありません。酔っ払ってふらふらの状態で帰宅した育郎を典彦は妻に預けようとしますが、育郎の裸すら見たことのない彼女は下の世話をするのに躊躇し、結局典彦が育郎に用を足させます。こうして見ると、以前失禁していた蘭蔵も、泥酔して使用人に放尿を見られている育郎も、実は似たようなものなんじゃないかと思いました。取り繕った鎧を纏ってなんとか生きている育郎は、何も考えずありのままに存在するだけで常に誰かに守られている蘭蔵に嫉妬や憎しみを覚えると同時に、心のどこかで彼のようになれたらいいのにと思っているようにも感じました。
育郎の妻となったさち子がとても素敵な女性なので本当に可哀想ではあるのですが、こんな腐敗した家とは知らず足を踏み入れてしまった彼女の哀れさが、この作品の救いのなさをより際立たせているんだと思います。そして、典彦から愛を告げられますます彼と離れがたくなっていく育郎が、家や妻に関してどんな選択をするのか、育郎と蘭蔵の関係に変化の兆しは訪れるのか、気になる展開となっていました。
勝手に上下巻だと思っていたらまだまだ終わりませんでした!
でも、ここまで読んでもイマイチ典彦の目的がわかりません。典彦は育郎の味方なのか?それとも何か企んでいるのか。
今回は典彦と育郎の学生時代の話や蘭蔵が頭に障害を負ってしまった経緯なども描かれていて、前回謎だった部分が少しは晴れてきましたが、まだまだどうなるの!?って言う感じです。しかも、一巻で蘭蔵の味方になったハーフの使用人がなかなか出てこないなぁと思っていたら最後にとんでもないことで登場!
それと、そもそもの元凶である育郎の父親って、蘭蔵のことをどういうつもりで可愛がっていたんでしょうか?その辺も今一つわからない。
早く続きがでないかなぁ。
人間関係も複雑に絡まってきましたね。
結局のところ、深山は育郎が生まれる前、後それからに
どういう風な立ち位置で、何を考えてどう動いているのかが
まだ読み切れない。
とうとう育郎と身体の関係を結んでしまった深山なのだが、
育郎をどうするつもりなのかもまた。
兄に関して。
弟のことを可愛いとおもっているであろう表情がすごく好き。
幼い頃から現在に至るまでの境遇。
育郎視点からしか見ていないが、実際どういう経緯でどのように過ごしてきたのか
そこも見てみたい気もする。
新たな登場人物も増え、
どういう顛末を迎えるか。
気長に待とうと思います。
せめてラストはみな幸せになっていただきい。
育郎の大学時代のお話から始まる2巻。この時代の男子大学生の雰囲気がいっぱいで背景もとてもリアルです。後ろに見える時計塔は多分○○田大学の大○記念講堂だと思う。
御曹司と噂される育郎を金づるにするべく遊びに誘う飯田と連れの男。育郎は財布ごと「やる」「好きに使え」と渡します。ただの御曹司には無い何かを感じた飯田は、それだけのことですっかり育郎を気にいり…。
飯田がとてもいい男です!遊び人で強引でずうずうしい。それでいて人好きのする男で、育郎も「くだらないな」などいいつつも、飯田と行動を共にするようになる。飯田はどこへ連れ回しても退屈そうな顔を見せる育郎の、笑った顔が見たいと思うようになります。
この作品、飯田のモノローグがすごくいいのです。1巻のレビューでちるちるインタビューから引用した「昭和の映画の様な」に同意したけど、これは映画と言うより小説です。
静かに語られる飯田の物語は、彼の中に小さな種火が生じてそれが燃え盛ることも出来ずに、種火のままずっとそこに残ってしまったような切なさと熱を感じます。飯田は再登場の予定があると言うことなので活躍を期待したいです!
育郎の嫁のさち子は、育郎に未だに抱かれることがなくても、典彦に當間家の秘密を知らされても、淀みのない瞳で育郎を見つめる姿が健気で、もしかしたら亡くなった育郎の母も、最初はさち子のように育郎の父を見つめていたのかな?と思うと苦しくなります。さち子もまた母のように狂ってしまうのでしょうか…。
典彦の育郎への執着は長い年月をかけて成就しようとしています。育郎自ら求めさせて彼の身体を手に入れて、次に手に入れるものは何なのか?はじめから縋るものは典彦しかなかったのだと思う育郎が、このままではまったく幸せになりそうもなくて悲しいですが、表情を崩さずに淡々と事を成している不気味な典彦の思惑が明かされる時、どんな衝撃的な展開が待ち受けているのだろうと、弥が上にも期待が高まります。
幼い頃の育郎のエピソードも悲しいばかりで、子供の育郎がとても可愛らしく描かれているため、不憫さも倍増です。狂い始めた母と、無関心な上に育郎への憎悪すら感じる父と、本心の見えない典彦に囲まれて、跡取りになることだけを矜持に生きてきた育郎が、父の遺言を見たときの衝撃を考えると、蘭蔵に対する仕打ちも仕方がないことのように思えます。蘭蔵を打ち、蹴って、暴言を吐いても、気持ちは沈むばかりなのです。全てを理解できてここに生きる育郎と、何も理解できずにここにいる蘭蔵。どちらも同じ闇の中にいるのです。
一途な気持ちが物語の清涼剤になっている西浦と蘭蔵が、事件に巻き込まれて?というところで続きになります。1巻で感じたメリバの予感が一層色濃くなりました。このまま突っ走って欲しいです。
面白くて一気読みです。ガッツリハマりました…。
なんだかすごくおどろおどろしい雰囲気で、読んでいて背筋がゾッと来る作品です。そして絵がめちゃくちゃ美しい…。この作品と絵柄がピッタリくるせいだと思いますが、この作家さんの絵ってこんなに綺麗だったんだなぁ、と改めて絵の美しさに気が付きました。
内容は他のレビュアーさんが書いてくださってるので、感想だけ。
登場人物がそれぞれすごく魅力的です!
知的障害のある兄の蘭蔵と、その付き人の健一。蘭蔵は、見た目は美青年なのに心は無垢な幼子で、時々ゾッとする程色っぽい。そして、そんな蘭蔵を強く守ろうとする一途な健一。
更に受けの育郎。両親からの愛情を与えられる事無く育ち、当主になる事だけを自分の存在価値として生きてきた育郎は非常に不憫です。そんな育郎に異常に執着している使用人の典彦。
この典彦がですね、なんだかすごく薄気味悪いのです。属性としては「腹黒執着攻め」といった所だと思いますが、どこか壊れていて歪んでる…。受けに異常に執着していて、彼の孤独さにつけ込み幼少期から徐々に自分を求めるようにすり込んでいったという感じ。年長者としての手ほどきという体で身体に快楽を教え込んでいったのですね。周到すぎて恐ろしい…。更に恐ろしいのが、彼の表情。どんな時も表情が動かないのです。どんな時も常に一定の温度を保っているという感じで、そのせいか得体が知れない印象を受けます。そんな、無表情な目がおそろしくて仕方ない! この目を表現できる作家さんの力量が本当に素晴らしいと思います。普段執着攻めと、その攻めに異常に執着されている受け、というシチュエーションに非常に萌えますが、この受けに限っては「えらいのにロックオンされちゃったなぁ」と同情心が湧いてきます…。
終わり方は非常に不穏で、まだまだ波乱がありそうですが…。次巻では攻めの内心も少しずつ明かされる事を期待してます。そうじゃないと怖すぎるし、受けが不憫すぎる…。
ドロドロ愛憎劇です。
過去のしがらみや埋められない孤独、諦念、得られなかった愛情に飢える狂気のような想いが描かれています。
本物の愛情なのかただの執着なのかはたまた復讐なのか。。
攻めの真意も良く読み取れず、だからこそハラハラドキドキしながらページを捲りました。
エロいシーンは背徳感が凄まじく、だからこそエロさが際立っています。
兄と弟の関係性もどうなってしまうのか?!
この愛憎劇の果てがどこに行き着くのか、続きが気になります。
昼ドラか!ってくらいドロドロなお話です。
登場人物はそれぞれ辛い境遇や過去があり闇をかかえている人が多い気がしました。蘭蔵を西浦が守りたいと思うのは彼のハーフであるという生まれからですし、育朗が典彦にだけ抱かれたいと思うのも彼には縋る相手がいなかったからです。例え、育朗の気持ちが依存であり、典彦に仕向けられたものだとしても、二人の関係を美しいと思いました。不穏な空気しか漂っていないお話ですが、最後まで見届けたいです。
2巻で終わらないことがうれしいような切ないような。もっとこのお話が読めるのはうれしいんですが、まだまだどう転がっていくのか予測がつかないので、生殺し感に悶えてしまいます。早く続き読みたい。
ちゃんとお話は進んでいろんな疑問の理由も明かされるのに、関係の不安定さは1巻となんら変わらないというこの不思議なバランス。そういえばバランス感覚が異常に優れた作家さんでしたね。それが魅力でくせになってしまう。入れ物に入った色とりどりのとろりとした流体の動きを眺めているときのような感覚で酔わされます。
いやほんと、早く続き読みたいです。
『蟷螂の檻』の1巻と同時に発売された2巻。なので、うん、2巻で完結だと思ってたんですよね。それが読み進めるうちに新しい登場人物が出てきたり、エピソードが出てきたり。え、まさか…?と思いつつ。はい、完結じゃありませんでした☆
という事で、2巻のレビューを。ごめんなさい、ネタバレ含んでいます。
育郎が大学生になったところから2巻は始まります。
何事にも興味が持てず、日々淡々と過ごす育郎。
そんな育郎に、名家のボンボンという事で、お財布目当てで声をかけてきた大学の同級生の飯田くん。
イケメンで、今でいうところのリア充の彼。
様々な遊びを育郎に教えますが、その過程で自分が育郎に恋愛感情を持っていることに気付くのですが。
ある日、深酒をした彼らですが、寝ているときに自分(飯田くんのことね)の股間に顔をうずめ自慰にふける育郎に、飯田くんが気付きます。
もしかして、育郎も自分のことを好きでいてくれてるのではないか、と一瞬浮かれる飯田くんですが、「ごめんなさい」を連発する育郎に、何か事情があることに気付き…。
そんな最中に育郎の父親の訃報が届き、育郎は大学を辞め地元に帰り、典彦が決めた女性と結婚するのですが。
と、そういう流れでした。
飯田くんを典彦の代わりにして自慰をしていた育郎。
妻を娶っても、彼女を抱けない育郎。
そして、自分を顧みることのなかった父親と、父親の愛情を一心に受けてきた蘭蔵への複雑な想い。
そして、そんな育郎を、自分にだけ依存するよう育ててきた典彦の執着心。
耽美な世界へようこそ!
って感じでした。
2巻では1巻で謎だった部分が少しずつ明らかに。
なぜ蘭蔵が知的障碍児になってしまったのかも描かれていました。
これがまた切ない…。
育郎のお母さんの気持ちも分からなくはないのだけれど、それはしたらあかんよ。と切なくなった。
けれど、それ以上に彼女をあそこまで駆り立ててしまった父親の業の深さにぞっとした。
父親の、蘭蔵への執着心も、なぜそこまで強かったのか。
そして、育郎を愛せなかった理由は何だったのか。
と、まだまだ謎だらけなのに、最後の、あのシーンはいったい何なんですか、でりこさん…。なぜそこで「次巻へ続く」になるの~~。
そして、自分の意志で典彦を最後まで受け入れてしまった育郎ですが、奥さんとの関係はどうなるんだろう。
出てくる登場人物たち、みんながいい人なんです。
育郎の妻のさち子も。
蘭蔵も。
蘭蔵を守ろうとする西浦くんも。
なので、なんとも哀しい気持ちになります。
飯田くんも、また出てきてほしいな。
もう、次巻が待ち遠しすぎます。
内容も神ですが、表紙がまた良いんですよねえ。
育郎の表情も、少しだけ見えている典彦の描き方も。
紙質とか、色遣いとか、もう素敵すぎました。