もう少しだけ、そばにいて

mousukoshi dake, sobani ite

もう少しだけ、そばにいて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×20
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
76
評価数
16
平均
4.8 / 5
神率
87.5%
著者
白野ほなみ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
クロフネコミックス
発売日
電子発売日
ISBN
9784799768495

あらすじ

「晴人と、一緒に生きていきたい」

小説家の晴人とサラリーマンの晃は、
大学時代からの恋人同士で同棲中。

数年前の事故以来、
晴人は車椅子生活になったけど、
大好きな人と一緒に暮らす毎日に
ささやかな幸せを感じていた。

でも、誰よりも晃のことを想うからこそ、
晴人には『小さな秘密』があって……

誰にでも起こりうる「人生の選択」を描いた、
ボーイズ・ラブストーリー!
情報修正依頼中

レビュー投稿数4

No Title

心があたたまる、優しい気持ちになれる、泣ける。
そんな単純な作品ではありませんでした。
晴人が抱えている苦しさ、焦燥感、孤独は、とてもじゃないけど私には想像もつきません。
それでも、そんな苦しい状況でも、けして周りに当たらず、不平不満も言わず。
そんな優しい二人だからこそ、読んでいて苦しかった。
読み終わった後は、幸福感よりも苦しさの方が私の場合は大きかったです。

二人が老人になってからも描かれていますが、そこもまた、ただ「晴人頑張って生きたんだね」とか「二人は老人になってからも一緒に生きているんだね」とか、手放しで喜べるものではなく。
正直、晴人が認知症になっている描写まで盛り込む必要はあったのかなと…思わなくもないですが…。
二人はとても幸せそうで、きっとハッピーエンドなんです。
でも読者としては、あくまで私の場合は苦しさの方が強かった。


2

痛くて苦しい・・・感動せずにはいられない

晃×晴人

(交通事故が怖くて、読んでいると気分が沈んでしまう。)


切ないどころか、
思っていたよりも痛くて苦しい。
単なるほのぼのものを超えて、
「人生の選択」が、まさに・・・重厚。
ラストシーンで涙がじわりと滲んだ。
晴人の最後のセリフの意味!込められた2人の決意と深い愛情は胸を打つもの。


大学時代から付き合っている2人。

晴人は数年前の交通事故で車椅子生活を余儀なくされたけれど、
それでも晃と一緒にいること
晃が晴人のために尽くす姿や、
晴人が晃の優しさに包まれて、
日々の生活に小さな幸せを見出してほっこりと温かくなる。
でも、その幸せは決して単純ではない・・・

やっぱり交通事故の当時からの残酷さ、
その後の「歩けない」という現実だけでなく、
心身に残る後遺症で苦しんでいる晴人。
耐え難い体と心の痛み、去来する不安、さらに、
晃との時間を過ごす中で、
晃の人生まで巻き込むという自責の念・・・という
繊細に描かれている複雑な感情が切なくも痛々しい。
晴人の「決断」が2人の関係をどのような影響を与えるのかーー?
迫りくる晃と別れたい気持ちにまた胸をえぐる。

明るく見えても、
晃が見せないその裏側には、
晴人を愛するがゆえの悩みがある。
晴人を支えたい気持ち一方で、
晴人の抱える苦痛に向き合わなければならない奮闘が刺さる。

大学時代のエピソードから、
事故後の日々までが描かれて、
痛いほどに深く感情移入させられる。

事故により変わってしまった人生。
2人が共に生きる毎日に潜む小さな幸せと大きな不安で、
諦めようとする晴人を包む、
絶対に諦めない晃の愛情が強い。
苦しみや痛みを抱えながらも、
2人が共に未来へ歩んでいく姿には、感動せずにはいられません。

4

埋もれてはいけない日々の現実を伝え切る それぞれの「普通」を想う琴線作品

朝6時に起きてベッドから降りる
それまでの描写を約1ページで9コマ
そして描かれたスマホの時計は起床時の6:00から6:42へ、、、
リアルにその日常を映す これが現実を”伝える”という描写

とても丁寧です
どこまでも「嘘」がないな、と思えます

これは確かに身体的に不自由のある晴人の物語ではあると思います
でも、身体的な不自由だけが「特別」な事ではなく例えば過去の経験や、将来への不安などから来る心が不自由な事になる事を知っている人にとってもきっと「分かる」話しでもあると思います

だからと言って身体的な不自由と心の不自由を曲解して「同じ」だという事でもありません

ただ、人には人それぞれの「自分の普通」がある、という事
そしてかつて「普通」だった事が突如普通じゃなくなる

例えば今の私たちならほぼ全員が分かる経験…
突然の未知のウィルスに襲われ、今までの「普通」がどんどん失われた日々
あの時の恐怖、、、
色んな環境や立場であの恐怖や焦り、孤独を感じた人も居たのではないでしょうか
それから数年
今、あの頃よりは生活はしやすくなっています
でも、あの時に感じた感覚は覚えているし、そしてそれ以前の「普通」と今の「普通」は違う

そういう意味で身体的な特徴にだけ囚われてこのお話しを読む事は出来なかったです
すごく「自分事」として読んでしまう
どこかで晴人の事、晃の事、晃と晴人のお話しだよ、って敢えて切り離しながら読みたい、と思ってもどうしてもこの作品の中で語られるストーリー、想い、セリフ、、、ひとつひとつが心に寄り添ってしまう

色々想う事があります
そのどれもが、心が晴れやかになる!よし、明日も元気にやってこーー!と「右向け右!」と言わんばかりの「絶対的なポジティブ」ではありません
でも、静かに気付いたら「よし、まだ大丈夫」と自分の足の裏、手の平、視線の先に「温度を感じる」感覚をしっかりと意識するような、背筋を少しだけ伸ばして「上を向かなきゃ」って思える、そんな忘れてはいけない感覚を想わせてくれます

かつての「普通じゃなかった」事を今の「普通にする」
妥協でもあり折り合いでもある
でもそれを受け入れるだけの自分の許容量が増えた事を忘れちゃいけない
そして一緒に居たい人が居たり、自分自身が自分をを哀しませたくない、という想いがるから「大丈夫」と思える
温かい温度に包まれます

間違いなく生涯忘れられない、忘れたくない1冊です

芝先輩、ありがとう
ともすれば重くなってしまったり、啓蒙的な側面が強く出そうになるようなこの物語に於いてこの先輩の存在がどれだけ揺るぎない支点になっていたか、、、!
空気を軽くしながらも引き戻すところは引き戻す
芝先輩のお陰で晃と晴人が出会えたことも含めて芝先輩にはMVPを贈りたい!!
本当にありがとう

そして1番のありがとうは、、、
白野ほなみ先生!
こんな素敵な作品を送り出して下さってありがとうございます
読ませて下さった事に心からの感謝をお届けしたいです
素晴らしいBL…Boys LoveでありBoys Lifeでした!!!!!
電子限定になってるあのエピローグ、、、
あれは限定で良かったのだろうか、、、
あそこまで読んでのBoys Lifeと私は強く思いましたので、是非電子での購入をおススメしたい(紙にもあるのでしょうかね?彼らのその後、、、)


これから読まれる読者さまへ
誇張無しにタオルかBOXティッシュは用意して読む事をおススメします
泣きます、きっと
それでも1人でも多くの人にその涙の温度を感じて欲しい!

6

読みながら泣き、余韻に浸って大号泣

事故でへそから下の感覚をなくし車いす生活をしている作家と一緒に暮らす明るいリーマンのお話。

Xで宣伝を見た際にとても自分好みそうな車いすという大変な部分はありながらも2人仲良く暮らすゆるふわ日常物語だと思って発売を心待ちにしていました。
正直表紙から受けたその印象とはだいぶ異なるお話ではありましたが、ものすごく感情がゆさぶられる間違いなく読んでよかったと思える1冊になりました。

何よりも印象に残っているのは序盤で会社を誰よりも早く出て春人が待つ家にるんるんで帰り、朝起きて憂鬱になっている春人を文字通り太陽のごとくパーっと照らしてくれる晃の笑顔でした。誰が見ても文句の付け所がないくらい本当に楽しそうなんです。その笑顔が、楽しそうな顔が、頭にずっと残っていたから春人が晃に我慢させていると言った時も、絶対我慢じゃない!と確信を持っていました。

春人の気持ちにも胸がつまりました。春人の中で手放しに幸せだったと思い出せるのは大学の時の思い出で、きっと物語を紡ぐたびに晃の夢を見るキラキラの瞳を反芻してはそれを自分が失わせてしまったという思いに苛まれていたのだと思うと、きっと自分が大変なのよりもずっと苦しい気持ちでいたのだろうと思います。でも人の夢は生きているうちに変化していくものだから、夢を見ていたときみたいにキラキラな笑顔で春人に向き合う晃を見てあげてくれ~~~ともどかしい気持ちも。

最後の明るい2人を見たら、きっと晃は春人を心配しすぎていたし、春人は晃に余計な罪悪感を抱いていたのだろうな、それが少しでも歩み寄れてよかったなと心の底から思いました。
きっとこれからも悩んだり苦しかったりすることが多い人生かもしれませんが、どうか少しでも多くの幸せを掴んでほしいと願います。
最期まで少なくとも2人は一緒にいたよ、という未来をのぞかせてもらえて大満足です。

6

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