優等生と狡猾な人たらしの二重人格×片想いの劣等生

イドの遺言

ido no yuigon

イドの遺言
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神17
  • 萌×217
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

269

レビュー数
14
得点
168
評価数
39
平均
4.3 / 5
神率
43.6%
著者
アサヮ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
&.Emo comics
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784796416801

あらすじ

「…和耶の好きなようにしてほしい」

高卒で働きながら細々と暮らす諒雨は、ある日学生時代に好きだった青年・和耶と再会する。しかし、再会を機に和耶に「自分は二重人格である」と打ち明けられる。ずっと好きだった優等生で優しい和耶とチャラくて狡猾な別人格の和耶。二人と接しているうちに次第にどちらの和耶にも惹かれていく諒雨は――…?

表題作イドの遺言

沢村和耶、休学中の大学生、二重人格
檜垣諒雨、派遣自動車整備士

その他の収録作品

  • 描き下ろし6P

レビュー投稿数14

実質三角関係?あまりない作風で面白かった

こちらが初コミックスですね。
ちるちるのBLニュースで、ラストに度肝を抜かれる作品として取り上げられていて、気になっていたので読んでみました。
なるほど最後に驚く展開があるので、前知識少なめで読むことをおすすめします。
決定的なネタバレはせずレビューしますが、気になる方はご注意ください。

攻めの和耶(かずや)が二重人格。元々の生真面目で考えすぎてしまう人格①と、後から出てきたチャラくて男遊びをする人格②が、頻繁に入れ替わる。

受けの諒雨(りょう)は、中学のある出来事から和耶と疎遠になっていたが、偶然再会、成り行きから同居することになり…というお話。

和耶が人格によって全然性格が違って、顔つきも変わってきます。和耶①は優しいけど弱々しい。和耶②は、チャラいけど表情に色気があって魅力的です。②の方が出てくると楽しかったです。

二人が一線を超えるきっかけを作るのも人格②の和耶。諒雨を誘惑する表情がエロいです。諒雨はクールだけどピュアっぽくて、元々好きだったせいか、簡単に落ちちゃったな〜。

後半に攻め視点になって、和耶①が自分をどんどん追い詰めていく様子がつらい。

二重人格のBLって多分初めて読んだけど、これってもうほぼ三角関係なんですね。
和耶①と②は全くの別人格で、諒雨も①だけを好きでいたいのに、②にも惹かれて葛藤するし。
和耶①は②に嫉妬してるし。

人物は二人なのに、実質三角関係になってしまうとか、なかなか恐ろしい関係性に感じました。巻き込まれた諒雨が、ちょっと気の毒な気もします。

ラストは曖昧な感じで終わったように思いました。読む人によって受け取り方が変わってくるかな。
結局①が変わることにより②が無くなったということ?それとも実のところ統一したんだろうか…。前者っぽいけど、実は後者ってのもありかな。面白いですね。

淡々と静かに進んでいくストーリーでした。普段読まないタイプの作品なので新鮮でした。先生の今後の作品も楽しみにしています。

(そういえばイドって何だっけと調べたら、『無意識の本能的衝動、欲求など精神的エネルギーの源泉』とのこと。とするとタイトルは『無意識の遺言』てことかな。)

電子 白短冊修正(「電子のみで楽しめるスペシャル修正仕様」。短冊も多めでエロス少なめ、修正箇所も少なめですが、作風に合ってるかと。)

1

ハピエン

ネタバレ多いです。
下げます。








カズヤは5階の部屋に住んでいます。
そこからの飛び降りは大抵死亡を意味します。
彼はいわゆる別人格を消そうと飛び降りたわけではなく、ただ絶望して死にたくなった行動でした。
結果は2ヶ月で退院出来ました。
荒療治のおかげなのか絶望の原因でもあった別人格とやらは消滅、恋人は変わらずそばにいる。
これはハッピーエンドなんじゃないでしようか。
なんでメリバ??
1人の脳が生み出す人格とやらがいくつあろうと、それぞれはメビウスの輪のように繋がっている、そこに脳はひとつだし人間も1人だし。
難しいことは全然分かりませんけど、以前よりカズヤは自分のことが分かるようになって本当に良かったね、リョウともう離れないでねという気持ちで読み終わりました。
リョウはこいつもカズヤの一部なんだなってどのカズヤも認めていました。
カズヤ本人が認めてなかったから別人格にされていた深い欲望部分。
どっちのカズヤがいなくなったというのではなく、カズヤが素直に自分を出せるようになったのではないでしょうか。
成りきってやるよ、おまえに。
という和也の決意は実際のところ本当の自分自身になるって意味だと思います。
と書いたところでヘッセの「デーミアン」を思い出しまた読みたくなりました。










0

閉じた世界で紡がれる幸せのカタチ


Xの試し読みで、これは…!となり
早速読みました〜❤︎
作家さんの初コミックスなんですね。

私自身は、根っからの夜明け属性なんで
なかなか読まないジャンルだったんですけど
思った通りの、読後の不穏な余韻を
たっぷり堪能させてくれる
完成度の高いお話でした。

特に、二重人格になってしまった攻めが
受けに支えになってもらいながら
選択した答えが、ほんと秀逸❤︎
複雑な展開でしたが、
ポイント、ポイントで見せ場があり、
しっかり最後まで連れて行ってもらえました。

正しく強くあれる人なんて、いない。
だから、寄り添って生きていくのかな。

少し、背景が寂しかったかな。と、
そこはちょっとだけ気になりましたが、
このどうしようもないグレーな感じ、
読み終わった後も
後ろ髪引かれる、この感じは堪らない
とても良かったです。

1

別々じゃないはずなのに

 終始淡々とした空気ではあったのですが、扱っているテーマが非常に重くて、そのミスマッチ感が逆に不安を煽ってくるような作品でした。こういうの、嫌いじゃない。絵も好みですし、ストーリーも予想した展開から2転3転して否応なしに引き込まれ、結末も絶妙なメリバ加減で久々に深い余韻を残してくれる作品に出会えました。こちらが初めての単行本ということで、次回作もとても楽しみです。

 和耶の人格が分裂してしまった原因となった事件の詳細は描かれていませんでしたが、きっと直前の諒雨からの拒絶も大いに関係あったんですよね。2つのダメージが重なって自分の価値を底まで下げてしまった和耶は、本来の自分とはまったく逆の、欲求を素直に晒け出す人格を無意識に生み出した。再会し一緒に暮らし始めた諒雨にとってはどちらも大切な和耶であることに変わりなかったけれど、元の和耶の心は、昔の深い傷に今の二重人格の悩みも重なって、もう手の施しようがないほど壊れてしまっていたんですね。心の救済のために生まれた人格のはずだけど、強くない和耶自身に救われようとする気力が残っていなかった。そして、和耶がとった選択。これから偽りの日々が始まるのかと思うとあまりにも辛く、和耶と諒雨、どちらの立場に立ってもやりきれません。どれだけかかってもいいから、いつか諒雨が気付いて、和耶自身がちゃんと諒雨に愛されているんだと分かる日が来ることを祈りたいです。

0

そうか…

素直に面白かったです。

読み始め、再会のシーンがあっけなさすぎてどうなるのかな…と思いましたが、あれよあれよという間に話に引き込まれていきました。
(途中、ん?というご都合主義もありましたが…)

二重人格の主人格であるカズヤの事が好きだったはずのリョウが、副人格のカズヤに惹かれている…?比べてしまっている…?
求めたらダメなのに…という事は…?
これからどうなってしまうのかしら…と思っていましたが、最後に…おぉぉ…そうくるのですね…カズヤ、いいんだね。あなたはそれで、いいんだね…。

カズヤとリョウ、2人の心に小さな棘が刺さったままなのでは…と思いましたが、それが良いのだな。
うん、そこが良いのだな。

なんだか、私の心にも何かが刺さったままの様な気がします…。
もう一度しっかりと読み直します。

今後の作品も楽しみにしています。

1

プラマイフラットな共依存

共依存展開、いくつか鮮烈に記憶にある作品があり興味をそそられます

共依存の先のパターンは私的に大まかには3つあると思っています※超解釈の主観です
「1」お互いが居る事で最強になれるので意識が外の世界に惑わされない(相互依存味あり)
「2」お互いさえ居ればいいので外の世界からは距離を置く(箱庭感)
「3」相手が居る事で自分が強くなれる(自己肯定)

「1」の場合はお互いが信頼し合っているので共に強くなれるようなタイプのプラマイで言えばプラス要素のある共依存解釈
「2」はお互いさえ居れば、、、という閉塞感が強いタイプで所謂メリバタイプのプラマイで言えば傍から見たらマイナス要素も残る共依存
「3」は相手の為に尽くす事で自分の存在意義を感じたり、自分より苦しんでる人を救う事で自分が立っていられたり浮上出来たりするようなタイプでマイナスだった自分を相手が居る事で立て直せるような共依存なのでプラマイで言えば結果プラスにもマイナスにもなっていないけれど、やっと自我を保てる状態になっているからフラットになれる共依存

「1」のタイプの作品ならきっと「共依存」を謳っていてもそこまで読み手を選ばないで読むことが出来る作品が多そうですしハピエンと捉えられる作品も多そう
「2」は確実に読み手は選びそうですがその分個性を感じたり忘れられない作品もありそうです(私は共依存ならこの手の作品の方が好きです)
「3」はある意味「ここから!」という地点の共依存状態かな?と思っていますので作中結末としては後引くタイプかも知れません

そして、、、今回は「1」と「3」の要素を含んだ共依存だったんじゃないかな?と思っています
え?「1」?!と思われるかもしれませんがこれこそが二重人格設定が活かされた面白い所だったんじゃないかな?と思うんですよね

諒雨に再会前の和耶を和耶Aとして再会後の和耶を和耶Bとします
和耶Bは自己顕示欲は強いものの1人でも生き抜く力は備わっているように思います
なので誰かに依存しなくても大丈夫だけれど大好きな諒雨と一緒に居る事で更に強くなれるタイプ
その結果、マイナス思考になりがちな諒雨でも和耶Bと居る事で前向きになれているように見えました(会社のトラブルなどを和耶Bには話せていたりする描写から推測)
なので和耶Bがプラス要素を持っている分どうにかギリギリでも頑張っているフラット状態の諒雨と一緒に居る事で2人はプラスの効果を生むハズ!と期待を持てます

ただ、結果的には和耶Bを装った和耶Aと一緒にいる事になっている最後を見ると、幼少期の互いが互いに感じている負い目を常に感じながらいる事を償い合うような、傷を舐め合う様な共依存ループが続いてしまいそう、、、つまり「3」の関係、、、

それでもマイナスになる訳ではきっとないと思うのでメリバでもあるし希望も持てる、とは思いますが、、、
どこまで和耶Aが和耶Bに徹する事が出来るのか、、、?
そして諒雨はどこまでを理解しているのか?またはいつ知るのか?
というやはり後引く感じの終わりだったな、と思いました

久々に頭を使いながら答えのない答えを考えて、読むタイプのBLを読み込んだ気がしました

1

タイトル回収、素晴らしい

読了後の方向けだろうレビューです。すみません。
面白かったねを共有したくて……。


まず最初に、“イド”の遺言というタイトルでしたので、二重人格で性に奔放であるというトップ、和耶の主人格ではない人格が登場した時点で「あぁ、彼が居なくなるのだな」と予想はついていたのですが、ついていたのに、裏切られたような感覚になりました。

結末をここで語るのもナンセンスな気がしますが、興奮冷めやらぬ、ですのでどうか多めに見てください。
和耶が「諒雨(ボトム)が好きなのはおれじゃなかったんだ」と勘違いしたまま、そのまま別人格を殺して主人格が別人格を演じるなんて普通考えつきません……。そういうタイトルの回収の仕方をするのか〜!!と脱帽しました。
これまたひと味違うヤンデレを浴びたなと……。

「諒雨がおれ以外と一緒に居るのは嫌だから」と友人を騙したように、諒雨の事も騙して生き続けるというのはダークでいい味がしますね。
ただ、行動原理が基本的に“諒雨の唯一でありたい”なのがいじらしくもあります。
男に乱暴された辛く苦しい過去(直接的シーンは無いです)をひた隠しに生きてきた事や、別人格に交友関係を乱された事等で自己完結型(ネガティブ)の自罰意識強め自損思想なのが全マシすぎて個人的性癖にぶち刺さって抜けそうにありません。
面倒臭い男なんて面倒であればあるほどいいですからね。

遺言の件はダブルミーニングにもなっているのかな?
時間を空けて冷静にもう一度読み込みたいです。

尺があったらもう少し掘り下げられた所もあったのかな?と思わないでもないところもありましたが、伏線回収の鮮やかさに個人的には大満足の作品でした。


表情の描き方、雰囲気の作り方が突出してお上手な作家さんで、線の引き方も柔らかく、登場人物の顔も上品さとかわいらしさが共存していて魅力的でした。
髪の毛先のペンの抜き方が艶っぽいですね……。
パースの乱れもなく、読みやすいです。
ただ、流し読みするタイプの方は話が理解できなくて難しいと感じてしまうのではないかな。
丁寧にストーリーを構成されている作品だと思います。

1

重たさが刺さる

諒雨を見下ろす和耶の切なげな表情と、その先に写るもうひとりの和耶の笑顔。
この表紙からも伝わるゾクゾク感と歪な三角関係を期待して読み進めました。

きっと重たいお話だろうことはタイトルからも感じていましたが、想像していたよりずっと苦しい展開だった印象です。
恋愛に関係する「重い」とはまた種類の違う精神的なツラさがメインで、誰の気持ちを汲んでも結局は晴れない結末というか。
でも暗いだけのお話というわけではなくて、"それぞれ"の和耶と諒雨とのやり取りにはきちんと心が通っていて、そこにすごく救われたかなと思います。

押し潰されそうな苦しさの中にいても諒雨のことは譲れない、そんな執着心の始まりは紛れもなく愛だったと思うけれど。
それに縛られて負のループに堕ちていくのはなんとも言えない切なさがありました。

和耶にとってきっと一番納得のいくところに落ち着いたのだと思いますが、彼の心がまた壊れていかないか心配しかないです…。

読み終えてみると、重たさを伝えるだけではなく深い意味のあるタイトルにも改めて唸らされました。
読みやすい絵柄と深いストーリーがクセになる作品、すごく面白かったです。

0

鬱展開ありなので簡単にはお勧め出来ない

タイトルにあるように鬱展開あるので簡単にはお勧め出来ない作品です。
リス○、自○未遂苦手な方は要注意です。
当方は本当この展開が正直に言うと地雷なのです。
普段なら絶対読まない。知らなかったので読んでしまった感じです。なのに何故☆4?となりますよね。展開が飽きない、もちろん苦しいことたくさんあったのですが盛り込みすぎて私にはそこまで重く感じなかったのが理由です。感じ方は人それぞれで怖いと思う方もいるかもしれません。
ここから盛大なネタバレしますので嫌な方はバックして下さい。
和耶の第二の人格が主体を消してしまう展開です。
そのやり方が自分とヤっているボイスメッセージを主体に聞かせる場面がありそれで和耶がパニックを起こすのですがこの時点で無理となった方は読むのはやめておいた方がいいです。
私はこの第二人格の和耶が好きだったので読めた部分があります。
この第二人格はブラック部分が多くて、抱きたいとか平気で言っちゃうタイプなんですよね。優しいとはかけ離れてる俺様タイプ。だから沼ってしまいました。
人の生死が関わるものでなく鬱展開でなければ皆さんにお勧めしたい。けどそうではないし、そうなってしまうとそもそもイドの遺言ではなくなってしまうので皆んな読んでーとは言い切れないのが歯がゆい。
えちは主体、第二人格それぞれあります。

0

「お前が消えなよ」あたしか…Orz

またまたはじめましての作家さまだったんだけど タイトル買いしてしまった

『遺言』が気になりすぎて


んんん

再会からはじまるお話ではあるんだけど再会の部分が曖昧すぎて 彼らがすれ違ったまま別々の時間を過ごしてきたのはわかってもそれが何で今さら どうなったらそうなった?になってしまったんだな
そこからちょいちょい「ん?」っていう引っ掛かりが出たり入ったり

設定はものすごくイイし 内容自体は悪くないんだけどちょっとしたところが引っかかる みたいな

例えば和耶に起こったことで罪悪感を深めていくのにそこまでの話がなかったったせいか 卑屈になりすぎじゃない? と
いや 確かにすれ違った出来事はある けど身を引く体で語られたそこにふたりの関係の気まずさが描かれてなかったからそう思ってしまったんだけど ちょいちょいそんな感じで


いやいやいやいや
うん これね 互が好意と重く苦しいものを抱えていて 関わることで癒されていくもの 遠ざけてしまうものってのを解離してしまった彼をキューピッド役にして互いを知り 近づいてってなるのかと思ったんですよ あたしはね

おかげで途中から 誰が誰やら? いつからそんな関係に? と大混乱

だって 和耶の嫉妬とか欲望とか そこも読ませたいけど 諒雨ともう一人の和耶とのいちゃいちゃも見せたい
なんならふたりの間でゆれる諒雨の欲しがったものを手にした優越にも似たうしろめたさものっけちゃえ的な大盤振る舞いなんだもん

最終的に悲劇のヒロインになりたいの誰ですかァァアアアァア もぉッ!((怒))

ぅぅぅうん 面白いのよ
薄汚い欲や執着の部分や歪すぎる寝とり寝とられとか
なんだけど二転三転に読みづらさがあって 前のめれなかった ごめんよォォオオ

いやでも また追っかけてみたい作家さまみっけたって事で 次のお話に期待しております

0

読み易くなっている…っ(`・ω・´)ゞ‼

前作の電子コミック、「忌望─キボウ─」を拝読済みです
尚今回の作品が初紙本化作品との事!
おめでとうございます(о´∀`о)

正直、前作既読後にまた先生の作品をこうして読む日が来るとは予想出来なかった位には印象深く残っている先生です

そんな印象があったのに手に取った理由はひとつ…!
「歪」という漢字にどうしても食指が動いてしまうから…
夜明け属性なんですが時々強烈に発動する黄昏気質がこの「歪」という漢字に反応する様子
ある意味インパクトのあった先生の「歪んだ三角関係」ストーリー、、、
よ、読んでみたい……っ(๑ºдº๑)‼

設定はとてもシンプルだけれどメインストリームではないテーマ
攻めが二重人格
主人格自体には意識がなく、副人格には意識があって主人格の感覚・記憶・思考も備わっているタイプ

さて、、、受けの諒雨(りょう)はこの1人の和耶(かずや)という攻めの主人格と副人格どちらの傍に居たいと思っているのか?
そして最後に諒雨と共にいるのはどちらの和耶???

という完全に和耶と諒雨に焦点が合っているお話しです

そしてこの状況でいくと二重人格で窮を強いられているように見える攻めを救う側の受けが「陽」の属性を持っていそうですが、受けの諒雨も決して「陽」の者ではありません

ある意味マイナスとマイナスの掛け合わせのような共依存感が満載です
もっと言うなら和耶の主人格は元来は「陽」の中心にいるような優等生
そんな和耶の「陽」に陰を落としていく過程に存在していたのがかつての諒雨…

すごい負のスパイラルを感じる2人
それでも離れられない、求めてしまう2人
気付いているのか気付いていないのか、はたまた気付いているけれど敢えて気付かないフリをしているのか、、、

いろんな角度からそれぞれの思惑と欲望を考えてみたくなるお話しでした

シンプルな設定だからこそ目の前で動くストーリーを見たままを解釈していいのか、シンプル故にもっと読み込んでみると潜んでいるものが見えるものがあるのか、、、
と、考えながら再読もしてみたくなる作品でした
この点だけでもすごく前作の印象から考えるととっても読み易くなっていました‼
私個人の感想ですが、作家さまの作品に再チャレンジしてみて良かったな!という思いが強く感じられる作品でした⸜⸜٩( 'ω' )و //

希望としてはあとがき読みたかったなぁーーーと言う点と、意味深長な作品タイトルの意味が理解したかった…!!という所はありました


修正|元画+白海苔(太め&多い)数回程度の絡みがありますがエロいというより主人格と副人格の独占欲の刺激し合いというような絡みとしてストーリー性のある絡みシーンでした

3

"前人未到の結末"っていう帯に惹かれたので

たしかに前人未到と言われればそう。攻めの自殺未遂描写あり。
ダークな二重人格ラブストーリー。

和耶君の主人格と別人格、受けの諒雨君の三角関係。
私が前人未到のアホなのでいまいち理解できてないんだけどオチどういう事だい。そのままシンプルに受け取って解釈していいんですかね。

主人格を自殺するよう促して、最終的には主人格が消えて別人格が和耶の体を乗っ取ったっていう話。かと思ったんですけど。
ただ私が捻くれすぎてるのか深読みしちゃう性格だからか、
主人格は受けが別人格の方が好きなんだとわかって絶望して、別人格を消して主人格が別人格になりきって今後受けと生きてく、という解釈なのかも?とも考えちゃったんですよね。考えすぎか。
読み取るの難しい。

1

二重人格の攻め×受け、実質三角関係のお話。

タイトルからして、&エモさんのお話っぽいです。

これは結末に期待できそう!
そう思って読み始めたら、案の定黄昏の腐女子とか闇の腐女子とかが好きそうなストーリーでした。(ちなみに、まりあげはは黄昏の腐女子でした)


あらすじとしては、こんな感じです。
高卒で働きながら、日々カツカツに暮らす諒雨。

ある日、学生時代好きだった和耶と再会する。
が、どこか自分の知っている和耶とは雰囲気が違う。それもそのはず、実は和耶は二重人格であることが判明。

諒雨もよく知る、優しい和耶。
そして、チャラい和耶。

最初は戸惑いを隠せなかったが、次第にどちらの和耶も大切に感じるが、、、


和耶も和耶で、自分の知らない自分のなかの和耶が諒雨に痕跡を残していく姿を目の当たりにし、次第に諒雨が好きなのは、チャラいほうの諒雨なのではないかと懸念するが、、、


とにかく和耶が苦しく切ない。
と、思ったのですが、最後の最後で
えっ……[○。○]マジカ ←こんな顔になります。

いや、和耶すごいなあと思った結末。


ほの暗く、ちょっぴり鬱展開が好物な腐の民の方には、とてもオススメの作品です!


2

過剰な想いから生み出した二重人格 重苦しい メリバが刺さる!

和耶×諒雨

愛のゆえにくる歪んだ重いストリートが好きで、
アサヮ先生の作品は電子単話で虜になった。
単行本が出て嬉しい。描き下ろしがあって感激。

諒雨と和耶、
中学校時代に素直になれなかった2人の想いが、
6年後の再会から再び動き出す。
諒雨と和耶と、和耶の二重人格であるもう1人の和耶(あいつ)との三角関係のような複雑な恋が広がる。

2視点から滲み出るお互いへの心理的葛藤が鮮やかに描かれていて、
じわじわと進行する距離感とともに、精神的に重苦しい展開が続いて、
恋になるとどうしようもない感情に飲み込まれていく。

メリバが心臓にズキューンと突き刺さる!
結末が(2人にとって)良いものかどうかは、読み手に委ねられるでしょう。
私は、恋が本心に向き合うことが一番大切だと思っているから、納得できる結末だった。


和耶の諒雨への重い執着ががいいところだが、
その気持ちが臆病で伝えられなくて、
ヘタレな性格が二重人格を生み出してしまったほどの
吐き出せない過剰な想いが胸の奥で弾ける!

和耶の心に生み出されたあいつは、
優しくて包容力のある和耶と真逆で、
悪の本心を抱えて少しヤンデレな傾向が醸し出した緊張感とダーク感・・・

和耶にとって、あいつとの交流は不可能で、
切り替わるのもコントロールできなくて、
同時に意識することもできない。あいつを嫌っている。

諒雨にとっては、和耶とあいつはどちらも「和耶」という人で、
和耶の穏やかさに癒されながらも、
あいつの挑発的な態度に心が揺れ動いて、
和耶とあいつの異なる「好き」にどう向き合うのかーー和耶とあいつも同様に好き。
ヒリヒリとしたのは、
和耶があいつを嫌っているから
あいつを好きになるから生じる罪悪感!

あいつに追い詰められる和耶、
1人でいることへの恐怖から、
諒雨に依存するようになっていく様子、
自分ができない諒雨への気持ちの表現をあいつができているから、
諒雨が好きなのはあいつだと思い込みという自信欠如、
次第に襲われてくる痛苦や重圧、
自己嫌悪に陥った行動・・・沈痛で寒気がする。

そんな和耶を救おうとしても、
どうすることもできない諒雨、
和耶とあいつにも献身的に接し方が健気で、
少しずつ見せるツンツンも愛おしい。
貧乏な家庭背景という不憫さが、
和耶への気持ちと純粋な依存へと繋がっていく姿にも目が離せない。

あの時。もし不器用でなければ、
2人はどうなっていただろうか、と考えさせられる。

二重人格とその葛藤が主なテーマになって、
形にできない想いに悩む和耶、
それぞれの人格と向き合う諒雨、
2人の心理描写が本当に見事で、
関係がどんどん深まるにつれて、
愛も痛みも増していくのが切ない。
二者択一という曖昧な状態で、
誰が傷つくしかない恋になっていくか・・・
タイトル回収?・・・とラストまで読み進めて、
しっかりした物語が脳の深淵に迫って、余韻が止まらない作品でした。

1

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