愛する人にそばにいてほしい。 迷うふたりの生き方が心に響くリーマンBL

そして長い夜が明けたなら 上

soshite nagai yoru ga aketanara

そして長い夜が明けたなら 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×25
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
6
得点
91
評価数
22
平均
4.3 / 5
神率
63.6%
著者
といけ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
KADOKAWA
レーベル
あすかコミックスCL-DX
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041146774

あらすじ

東京で働く西片は周囲にゲイであることを隠しているクローゼットゲイ。
三十代になり、気ままに生きていこうとしていたが、同い年の後輩・根津から転職すると聞かされ、思いのほかショックを受ける。
優秀な根津と同じチームで働き、仕事終わりに飲みに行く時間は心地良かったのに…。
すると突然、根津にキスをされ「自分もゲイだ」と打ち明けられて――…。
流されるように始まった関係、でも一緒にいると満たされる何かがある。
穏やかなこの関係が続けばいいと願う西片だったが…。

愛する人にそばにいてほしい。
ささやかなこの望みはどうしたら叶うのか?
迷うふたりの生き方が心に響くリーマンBL

【収録内容】
「そして長い夜が明けたなら」…1話~8話前編
「HAPPY HOUR」…描きおろし

※本書籍は2021年に発行された同人誌「塵舞う街のふたりの1~6」と、2024年発行された同人誌「塵舞う街のふたりの7~14」#7~#8・19ページまでを加筆修正し改題したものです

表題作そして長い夜が明けたなら 上

根津恭介、リーマン、西片と同い年の会社の後輩、30代
西片遼馬、リーマン、クローゼットゲイ、30代

レビュー投稿数6

長い夜が明けた先に待つものとは、、、

ASKAコミックスデラックスさんっていつも背表紙が薄いイメージなんですけど、こちらのといけ先生の作品は分厚いです!!

しかも、読み応えたっぷりのリーマンBL上下巻。

これは期待しかないです。
そう思い読み始めたところ、、、

やっぱり期待通りでした。

クローゼットゲイ(受け)と、突然転職すると聞かされた同い年の後輩(攻めでゲイ)とのお話なのですが、、、

それぞれの視点で丁寧に叙情的に描かれる上巻。


愛する人にそばにいてほしい――。


たったそのひとつの囁かな願いを叶えるために、三十代という、仕事も恋も自らで取捨選択出来るよになってきた脂の乗った年代の2人が、それぞれ過去背負ってきた生き様によって、
ときに諦め、ときに苦しみ、ときに待ち、ときに涙して、ときにそのメールに歓喜する。


大切な人だからこそ、簡単に進めることのできない複雑な恋の応酬がひしひしと身に染みます。
おそらく、30代以降の腐の民の読者であれば、どかしらの心情が刺さるのではないでしょうか。


最近ではなかなかここまで心の機微を主として魅せてくれるお話は見かけないので、とても貴重な1冊(上巻だけですでにそう思った)だったと思いました。


また、やまね先生の推薦コメント帯にやまね先生が描かれたこちらの作品のキャラ2人がおりますが、こ やはりといけ先生の描かれる2人がお話の雰囲気にぴったりだなあと、読み終えて実感しました。


過去の自分の感情などと決別するために引っ越しを終え、はれて攻めを家に誘った受け。

長く離れていた長い夜の期間を経て、やはりお互いがお互いを好きと痛感した2人。

夜明けを迎えた2人は、いったいどうなるのか。
下巻がとても楽しみです。

0

まだまだモヤモヤがなくならない〜!!

上巻読み終わった時点での感想です!!

同い年の上司と部下の関係性だった2人。根津の転職がきっかけで身体の関係を持ち、根津のアピールが始まり、、という展開のお話。

上巻の印象としてはお互いのモノローグが多く、それぞれが抱える過去や今の悩みと向き合って気持ちに向き合っていく感じなのですが、、
西片が!!なんというかすごくもどかしい!!
おそらく誰かに素直に気持ちを告げたり甘えたりが不得手な人なのだろうなという予想は着くのですが、状況を整えたり気持ちを整理するのを第一にしすぎていて根津が見えておらず一人相撲になってしまってる感がなんかもう〜〜〜!!
それに振り回されている根津が言葉を飲み込むシーンが結構あってそれはそれでモヤモヤしますね…もうちょい素直に一緒にいたい、とか自分のこと本当に好きですか?とか聞けたら〜と思ってしまいますがなかなか難しいなぁと。
このモヤモヤが有耶無耶にならずに下巻で2人を祝福できるようになるのか!ととても気になります。

個人的な推しポイントはヨーロッパの風景描写で、とっても綺麗で思わず見惚れました。

あと西片の元彼めっちゃむかつく〜〜〜!!自分が世間体的にも結婚とかをしたくなっただろうに、お互いの気持ちが離れてるよね?とあたかも2人の問題みたいに別れ話をするの大変ムカつきでした…それでいてしれっと話しかけてくる面の皮の厚さ!!これ以上は出てきてくれるなよ…

0

淡々としながらも共感できる描写がいい

絵がきれいで話の流れが自然でとても読みやすいです(大事)。特に絡みの絵、コマ割り、背景が好みです。

上巻のみの感想です。
主人公がクローゼットゲイなのでシリアスかと思いましたが、暗さはさほど感じず、淡々と自己を見つめながら前向きに進むところがよかったです。
時代的に多様なセクシャリティへの認知が広がりつつあるとは言え、人の心はさまざまで、ゲイだと知られると周囲に気を遣わせてしまうのではないかと思うキャラたちに共感できました。

セクシャリティだけでなく、価値観や性格の違いによるトラブルやすれ違いなど、どれもわかる!となる描き方がお上手だわ〜と思いました。
例えば、西片と根津の恋人との付き合い方/別れた後の違い、孤独や人との付き合い方に対する考え方、しっかり引越してから会いたい西片に対し、待つしかないけど本当は早く会いたいといじけ気味な根津…どちらもわかる〜タイプの違いよな〜となりました。
そこで根津が西片に怒らず根気強く待って、西片のごめんで許せるのが、相性の良さというか、付き合える相手なんだと思えるところがいい描写だな〜と。

冒頭の酔ってのキスが唐突に感じましたが(BLではよくある)後に回想があり惹かれ合う過程がよくわかったし、わかりやすいきゅんや好きな気持ちで魅せるより自然にそうなっていったという描き方がすばらしいと思いました。私は素人ですが難易度高いですよねきっと。

空橋さんの婚約者のエピソードも理不尽ではあるけど、ありがちよな〜となりました。それを西片が根本的に解決しようとする姿勢が今作のテーマと通じるのがとてもいい。

各話のサブタイトルが洋楽の曲名がおしゃれですね。私でもいくつか知っている曲がありうれしくなりました。

0

まだ上巻しか読んでいません

絵柄がちょっと気になって(試し読みがなかった、、)買おうかやめようか迷ってはいましたが買って良かったです。
とてもとても丁寧に大切に描かれた物語です。
81さんの「朝が来たら、ふたりは」とか
やまやでさんの「お前のほうからキスしてくれよ」などがお好きなかたならきっとお気に召すのではないかと思えます。
リーマン2人が互いに惹かれていく過程や心理、情景などが細やかに分かりやすく描写されていて下巻は読んでなくてももう絶対名作だから皆さん読んでくださ〜い
と早くもおすすめ出来てしまいます。
クローゼットゲイの辛さ、哀しみについて触れられているのはもちろんなのですが、わたしはその先の孤独について引用されている言葉も含めて共感しました。
刺さりました。
第4章、西片の過去の失恋のお話でのモノローグと引用文です。
わたしは親やきょうだい、友だち、恋人、配偶者、子どもがまわりにいようといまいと人はずっと孤独なのだと思っています。
激しく愛し合ってからだを繋げても結局離れなくてはいけない、交わったままではいられない。
絶望感。
産み落とされて死ぬ日まで誰しも孤独なんだって思いを胸に生きてきたので、このコミックスほどその実感をわたしに知らしめたBLはなかった、そういう意味でとても思い入れのあるものとなりました。
ちらほら登場する映画名や俳優、曲名を落とし込んだ章ごとのタイトルなどにもいちいち親近感を覚えました。
上巻は気持ちを確かめ合った2人がやっと再会するところで終わります。
じっくり読みたいので下巻は明日にしようかな、どうしましょう。

0

丁寧に描き込まれていて読み応えが半端ない❤︎

上下巻まとめてのレビューです

全然、知らない作家さんで
商業デビュー作らしいんですけど
めちゃくちゃ良かったです。

四年半かけて描かれた同人誌をまとめたものらしいんですけど、自分の為に描いたという内容は本当に自由で、一切の妥協がなくて
作画から、モノローグから、
モノローグなんて、哲学者の言葉を引用してたりしますからね。
(それもさり気なくなので、難しいとかはないんですけど)
自分のために、っていいよなぁ
でも重たくないのはセンスなんだろうな
言葉のセンスや、会話の内容がリアルで
またさり気なく音楽の話も挟まれたりしていて
読んでいても楽しく、表現力の幅が広く豊かで
読み応えがありました。

ストーリーは東京のどこかで暮らしてる
普通のリーマン2人のはなし。
2人ともクローゼットゲイで、攻の転職をきっかけに
関係が親密になっていくんですけど
元カレとの再会に古傷いたんでしまったり
職場でオープンにするかどうかという話になったり
あらすじで言うとほんとシンプルですけど
ひとつひとつのシチュに揺れていく心情がほんとリアルに表現されていて、引き込まれます。そのシチュエーションも意外な展開だったりして、お決まりパターンとならないのがまたイイ。そして、解決していく過程もまた丁寧に且つ、重だるくならずに共感していける感じが半端ないです。

そうして迎えたラストは、
どれだけ彼らが色々な呪縛から解け
心からお互いのことを求め合ってるのか
かけがえのないものなのかが
めちゃくちゃ伝わってきて涙が出てしまいました。

おすすめです。
皆んなに読んでもらいたいです、ほんと。

2

クローゼットゲイの主人公の感じる疎外感が切ない

夜のオフィスで、背を向けて座っている二人のリーマン。
視線は絡み合っていないけれど、お互いに意識していることが分かる印象的な表紙に惹かれ、手に取ってみました。
帯に「やまねあやの先生推薦!!!」と書いてあり、読む前から期待でどきどき。

こちら、30代のゲイリーマン同士の恋のお話。
…ではあるのですが、性的マイノリティ(ゲイ)であるゆえの疎外感や、失った恋の痛みに悩む主人公・西片(受)の心の動きがフォーカスされ、丁寧に綴られています。
同い年だけれど攻めが一年浪人しているため、後輩×先輩という関係。

ある日二人で気軽に飲みに行き、「2軒目に行くか」と西片(受)が誘いをかけたところで根津(攻)から「実は転職をすることになった」と告白されます。突然知らされた事実に驚き思わず寂しさを吐露したところ、根津にキスされ、流れで体を重ね、そのまま流されるように関係が始まってーー

と続きます。

クローゼットゲイである西片の抱えた失恋のトラウマ。そしてそんな悩み・気持ちを気軽に友人にも吐き出せない辛さや痛み…
表情やモノローグから伝わる西片の心情が切なく、読んでいて苦しくなりました( ; ; )

5年間も付き合ったバイセクシャルの恋人。この恋人がひどい!! 一方的に「もう前みたいな情熱はないだろう 別れよう」と言われ、納得できないまま別れて3年…新しく恋の一歩が踏み出せるかと思いきや、デート中に思わぬ場所で子連れの元恋人と再会、それがきっかけでデートの雰囲気も壊れて根津との関係はギクシャクしてしまい…と、悪い流れは止まらず。

攻めの根津は根津で元彼に浮気され傷ついて別れた過去を持っており、「愛され愛したい」と願っていて…攻め受け共に同じ思いは持っているのだけど、うまく噛み合わない歯車にもどかしさが募る…!!

こちらの作品、受け視点と攻め視点の両方があり、攻めの根津視点での、恋をしていると自覚したエピソードが個人的にたまらなくグッときました。

飲みの席で隣になった二人。うとうとしてしまった西片は根津の肩にもたれてしまうのですが、はっとそれに気付き、顔を上げて青ざめるんですね。
”ゲイだとバレたんじゃないか”という恐怖で…

そんな繊細な西片が、根津の転職話には自身の手を根津の胸に押し付け、縋り付いて惜しんでくれる。「俺に触れていいの 触れてくれるの こんなに近くて」という根津のモノローグに、心をぎゅーっと鷲掴みにされました。
なんだろうな…明るい「萌え!」ではないんだけど、間違いなくそこにたまらない夜明けの萌(?)を感じるというか。

上下巻ものということもあり、切なさパート多めなのでちょっとそこは好みが分かれるかもしれませんが、自分にはとても沁みて、考えさせられる作品でした。

5

この作品が収納されている本棚

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