条件付き送料無料あり!アニメイト特典付き商品も多数取扱中♪
2sei to utsuwa
恋愛が分からない男が運命の相手に出会って初めて人を好きになる!みたいなお話はBLの定番でよく見かけますが、この作品では恋愛感情を持たない指向であるアロマンティックをそのまま尊重して描かれているのが素晴らしいと思います。愛の種類は沢山ありパートナーとの関係性もそれぞれ違っていい。否定されるべきではないというのが話の幹になっていて正に令和のBL!!
そしてアロマンティックと並んで作品のテーマになっているのが宗教2世について。教団側、信者側それぞれの苦しみが描かれていてBLにはイチャラブだけ求めてる!という方には向かないかもしれませんが、お互いの存在や友人達が救いになるストーリーが非常に美しい作品です。
宗教にのめり込む母親とふたりで暮らしている高校生の春一。
宗教2世としての葛藤を抱える中で、母が信仰する宗教の"神様"が同じクラスの永真だったことを知る、というところから始まるお話です。
重たくて深いテーマだけれどもその日々の中にまったく光が見えないわけではなくて。
一緒に過ごすようになってからそれぞれ自分と向き合えるようになったり、周りに助けを求めることで道が拓けていったり。
様々な道を選びながら共に救われていくまでを描いたお話でした。
信仰する側とそれを与える側である春一と永真の関係は宗教を通してみれば対等になるわけはないけれど、そこから離れるとただの同級生で友達。
そんなふたりの間に隔たりなんてあっていいはずがないんですよね。
というか、言ってしまえば親に振り回されているただの被害者たち。
なので色々と話をしていくうちに距離は自然と近くなり、永真は恋愛感情を持って春一に惹かれていくのですが…
どうしても同じ気持ちに"なることができない"理由があって。
それが深い話だなーと思ったポイントの2つ目でした。
春一の恋愛的指向は「アロマンティック」というもので、他者に"恋愛感情を持たない人"なのだそうです。
恋愛をしたい欲求がそもそもないので恋人になっても同じ熱量で付き合うのは難しく、それをこれまで付き合ってきた人には理解してもらえなかっただろうし、春一自身もこの答えに辿り着くのは簡単ではなくて。
仲の良い友達にさえ理解してもらうことに関しては諦めていたのでしょう。
でも。永真は春一のことを好きだからこそ、春一にはありのままで生きてほしかったのだと思います。
同じ気持ちになれないからといって離れたり諦めたりせずに自分達なりのカタチを探したい。そんな提案をした永真の強さに心を打たれたのでした。
乗り越えるべきことや目を背けることができないものなど、これからも大変なことはまだまだあるけれど、そんな中でも自分を信じてくれる人がいるだけで前を向くことはできる。
それを教えてくれるような結末に感動。
春一兄登場のエピローグにもめちゃくちゃ心を揺さぶられました。
ストーリー展開や言葉の選び方にグイグイ引き込まれ、それと同時に色々なことを考えさせられ。
読み終えてちょっぴり放心状態になるような、ものすごく深くて読み応えのあるお話でした。
スト重派の方にはぜひ読んでほしい。グサグサ刺さると思います。
とてもレビューが難しい、だけれども知って欲しい1冊でした
センセーショナルなテーマを扱ってはいるけれど間違いなく彼らや彼らの周りに在る「愛のカタチ」を教えてくれる内容です
人の数だけ感情はある
例えばある人にとったらそれを「努力」と思う人もいるけれど、同じ行為をある人には「足掻き」と思う人がいるような、真実は表裏一体で人の数だけ解釈はある
それが「愛」であっても同じ事
自分のマインドをフラットにしてくれたり、新たな角度での考え方を教えてくれるお話しや刺さるセリフがとても多くて、私にとっては見る作品と言うより「読む」作品に出会えた、という印象が残る作品でした
相手がどう思ってるのかな?アノ人を知りたいなって「知りたくなったり」「理解する」事の大事さを春一が教えてくれます「全部知ってんの?知らないから怖いんじゃねーの」
そして同時に彼自身も「お前に俺の事知って欲しくなった」と言える相手に出会います
相互救済的なお話しだとは思いますが、救済という救い出されるという受け身なイメージよりも「取り戻す」というような前進を感じさせる力強さのあるお話しでした
最終話にあるモノローグとセリフがとても心に響きました
「こんなのは愛だ 愛でしかない」
そして最後の永真が最高の笑顔と共に口にしたセリフ
是非、実際ページを捲り、彼の声を聴いて欲しいです
きっと春一の「…おまえほんと最高なヤツだな」に大きく頷いてしまうはず
作者さまのあとがきもとても素敵でした
「誰か特別な人を見つけることが人生の全てではありません」
すごくこの言葉、好きです
勿論パートナーとの時間が大事であってもいいし、その大事な対象が友人や家族、ペット、趣味ナドナド…自分にとって「愛」を感じられたらそれだけで潤いますよね、十人十色・百人百様・千差万別‼
誰かに「愛」に見えなくても自分が愛を感じられたら「それでいい!」って思える!そんな力強さと作者さまからの愛を貰えた気がします
修正|直接的に性器を描かずに表現している為修正は不要
宗教2世が、ある日集会に連れていかれ、教祖がクラスメイトだったことに気がつくという、衝撃的な冒頭。
そこから2人の交流は始まり、やがて教祖にさせられ、虐待のような制約された生活を送る永真を助けようと、クラスメイトたちで奮闘するお話でした。
恥ずかしながらこちらの作品で、「アロマンティック」という言葉が存在することを知りました。
ちなみにアロマンティックとは、誰にも恋愛感情を持たない人のことを指すそうです。
宗教2世の春一が、それでした。
そして、春一に救われた永真はそんな春一を好きで、パートナーとして一緒にいたいと思う。
そんな結末でした。
宗教という強烈な題材のインパクトにかき消されがちかもしれませんが、相手のことを「分かりたい」と伝えること。
それから、相手に諦めずに伝えようとすることの大切さを、改めてこちらの作品で認識しました。
大人になるとどうしてもこの作業って、諦めがちだったりしますよね。
(少なくともまりあげははそうだった)
でもそういった忘れていたものをこちらの作品を読んで、ふつふつと思い出しました。
BがLをしているかと問われると、正統派ではないかもしれません。
が、多様性が叫ばれる昨今。
ほかの友達ともちょっと違う好きで、なんか特別。
こういった愛のカタチがあってもいいし、ゲイでもなんでも自由でいいのではないかと思いました。
ただ、相手も自分と同じ考えなのだということはなく。
相手の自由を奪うことはないように。
常に、相手のことを知ろうとしようとする気持ちが大切であることを忘れずに。
最後の「僕は人間だ!」のスピーチに涙。
そしてカバー裏の永真の「好き」欄に、外出と肉って書いてあったのが、エモしでした。
そっか。
あれから永真、肉が好きになったんだね、、、(感慨深げ)
また1作、すごいお話を読んでしまいました!!
新興宗教を信仰する母と暮らす「宗教2世」の東春一(はるひと・攻め)と、幼少時に新興宗教の神、燈主様の「器」とされた賽原永真(とうま・受け)の伝えることと、わからないことをわかろうとすることを考える、大きな意味での救済ラブストーリーでした。
東親子の関係は、繰り返し読めば読むほど、はがゆくなりました。春一に宗教活動をして欲しい母と、宗教の思想を拒絶する春一。宗教関係の話をしていないときは何気ない会話や日常が送れているようなのに、 そこだけがわかりあえない。自分の正しさをわかってもらおうとお互いがもがいて苦しくなっている様子が辛かったですね。
そして春一は心の中にもう一つ「どうせわかってもらえないと諦めようとしているもの」をかかえているわけですが。
何百何千と様々なラブストーリーを読んできましたが、恋愛とは何か?ということを改めて考えましたね。結論はまだ出そうにありません。
わかってもらえないという孤独
わかってもらえた安心感
ちょっと私の中で「わかる」がゲシュタルト崩壊しそうになってますが、
お互いが同じ形や思いじゃないと一緒にいられない、という訳じゃない
違うことをお互いがちゃんとわかってればいいのかもしれないなと思いました。
ちなみに、春一と永真と友人2人で、2回、事を起こすのですが、その時その時で、ちゃんとした大人の力を借りていたのが、何か良かったです。大人を当てにすることができて、大人も信頼に応えられてるって描写はなかなかないんだよなぁと、思いました。
色々考えることができて、とても面白かったです。
デビュー単行本『CURE BLOOD』を拝読して完全に惚れ込み、新作を楽しみにお待ちしていた作家様。
2作目となる今作は、宗教2世と教団の神様。
読む前から何やら感じるものが...
そして読み始めるともうページを捲る手が止まりませんでした。
正直、自分ごときがストーリーについて語るのは野暮としか思えないので、内容については何も書きません。
ただ一つ、読むか迷いつつこのレビューに辿り着いてくださったそこのあなたに、ぜひ読んでみていただきたいと思います。
タイトルから宗教絡みなのは予想できると思いますが、BLでは扱いにくいであろうアロマンティックなキャラを描いていて、二重にも三重にも現代を反映させた作品でした。宗教2世の春市と、その宗教で崇拝されている永真。永真の生活は何もかも自由を縛られていて、食事も遊びも人との触れ合いも同年代の子供とはかけ離れたもの。自慰すら部屋でできず、春市に教えてもらって初めてできた時に涙した彼を見て、萌えも興奮もなく純粋に共感し私も目が潤みました。
永真が惹かれていく春市の描写も素晴らしかったです。宗教にどっぷりはまっている母親だけど、はまる以前に過ごした彼女との幸せな記憶、自分への愛は本物。だから蔑ろにもできない。ほぼ植物状態で入院中の父親の見舞いに通う家族愛を見せる一方で、疲れた時には死んでくれないかなと思ってしまう。永真から恋愛的好意を明かされて自分もそんな気がすると流されずに、自分の気持ちは同じではないことを表明する。常に彼の正直なありのままの感情が描かれている所がとても印象深かったです。恋愛的好意ではなくても親しい人への好意、愛はある。パートナーになった春市と永真、お互いの気持ちの種類がたとえ異なっていても、大切な人と一緒にいる幸せは同じように感じられているはず。自由を獲得すると共に新たな繋がりを得た2人をずっと応援したいです。
神様に奉られた高校生と宗教二世の同級生の救済BLだとばかり思って購入したのだけれど、その同級生がアロマンティックであるとかその友達がゲイだとかでなんでまた風呂敷を広げてしまうんだろう、散漫な印象になるだけじゃんと余計な心配をしつつ読み返しました。
地頭が良くないわたしにもキーワードは
偏見とか、信仰の意味とか精神と肉体の自由とか言葉、対話、愛の種類、仲間、ファミリー、性
だとぼんやり分かってくる。
でも上手くまとめられないし、まず第一コミックス1冊分の厚さしかないわけで作者本人も綺麗に過不足なくまとめられたとは思ってないだろう。
せめて数巻要るでしょ。
初出の登場人物がアクションを起こし話が進んでいくのは総集編を見ているような気すらしてくる。
続編があるのだろか。
にもかかわらず作者の熱意ははっきり伝わってはくる。
こちらも興味を持ち学習したいとも思えてくる。
ー恋愛的指向と性的指向は二つの異なる概念です。
アロマンティックの人がみなアセクシャル(誰にも性的に惹かれないという性的指向)ではありませんー と彼らは記事を読んで勉強する。
わたしはまだネットで軽く調べる段階にも至っていない。
が疑問がすぐ浮かぶ。
ハルイチと永真は付き合い始めたのだが、ハルイチはアロマンティックだがアセクシャルではない、とすると性欲発散は決まった相手としかすべきではないという世間の常識は理解出来ないのでは?
2人は脆い関係なのかしら??
疑問には知識を増やすしかないんだろうな。
戸ヶ谷新先生の作品を購入するのは初めてで、表紙の満面の笑みと蛾のイラストに惹かれました。
onBLUEの作品はわりと尖った今までにないBLを紹介してくれるので、宗教とアロマンティックが物語の核にあるというのもきっかけのひとつです。
攻め春一は宗教2世でアロマンティック、受けの永真は宗教の神様の器、同級生のふたりの物語です。ボーイズがラブするだけじゃない、なんなら片方はラブできないけれど間違いなく愛の物語でした。
物語は母親に無理やり連れてこられた新興宗教の集まりにクラスメイトが神様として拝められていたのを知るというかなり特殊な出来事からはじまります。
その夜に自宅を燃やそうとしているそのクラスメイトを見つけ、止めたことによって今まで交流がなかったふたりがその日をきっかけに仲良くなっていきます。
子どもは親を選べないとよく言います。愛して守ってくれるはずの親にとって都合のいいように子どもを導こうとしている宗教や親の強要は、読んでいて辛くなります。ただ自分がいる、ただ愛してほしい、それだけを認めてほしいのに。
もちろん、宗教によって心が落ち着いたり助けられたりすることもありますが、子どもを利用するのは間違っていますよね。子どもが親の心の平安のために犠牲になるなんて。
ふたりはそれぞれ誰にも言えなかったことや、クラスメイトの中で生き辛い思いなどを語り合い、認め合っていきます。いままでできなかったこと(肉を食べたり、高校生らしく話したり遊んだり、性的欲求を爆発したり恋をしたり)をし、永真は諦めていた人生を取り戻そうとしていきます。また、春一の友だちとも仲良くなっていきます。
そしてひとり、ふたりじゃ考えつかなかったことを友だち4人で、そして信用できる大人を見つけて、親と宗教の呪縛から逃げ出します。子ども以上に親は弱くて、大人だからこそ誰にも相談できず、神様に頼る以外に辛い事から逃げられなかったんだと感じました。
表紙と作品の中に永真の周りに蛾が描かれているシーンがあります。
「蛾」という漢字は、「虫」に「我」と書くので、自己中心的な言動への警告を意味すると考えられています。「飛んで火にいる夏の虫」とは蛾のことで、光である永真に思慮なしの信者である大人たちが表現されているのではないでしょうか。永真が蠟燭となって顔が溶けてなくなっている絵には哀しくなってしまいます。でも最後にはその蛾も……。
春一のアロマンティックについてはわかりやすく説明されています。彼は性衝動もあるし、恋愛感情がなくても心穏やかにいられるパートナーと一緒に暮らせるタイプのようなので、BLとして安心できるハピエンになっています。
この作品はBLというエンターテイメント以外にも深く考えさせられるテーマがいくつもあり、とても読んでいて刺激を受けました。
「知らないと、傷つけたかどうかも知れない」
「違うことは絶望じゃない」
「全部同じになることはできない」
いろんな人がいていろんな考えがあるから、それを恐れずに、でも互いに話し合って少しでも理解し合えたら素敵な世界になるな、なんて考えて読み終わりました。
なんか変わったテーマのBLないかなと思って手に取ったのがこちらの作品でした。
なんだかとても深い考えさせられるお話です。
宗教にハマる母を持つ春一なんだけど結局宗教って今問題になってるけど、本性はお金をあつめることでしょう
春一の母がどれだけ献金していたかは描かれてないので、そこはどうなんだろうと思ったけど、でも母に騙されて連れて行かれた施設が、まるで推しを愛でる会みたいで、ちょっと笑えた
それくらい綺麗な男の子が燈主様、しかも春一のクラスメイトだった
宗教の教祖様?いやもうこれ推し活みたいなもんじゃね?とか思ったり…
先生まで変な目で見てるし、でも実態は無理やり燈主様をやらされてる永真という男の子で、母親から虐待まがいのことをされている薄幸の少年だった
推し活だったり教祖様だったり、人は何かに縋らなければ生きていけないのかもしれ
ませんね。
もう一つのテーマがアロマンティックというもので、アセクシャルなら聞いたことあるけど、アロマンティックって初めて聞きました。誰にも恋愛感情抱かないけど性欲はあるみたいなので、BL的にはちょっと安心?バッドエンドを予想してたので良くてメリバ?最後はちゃんと結ばれたので、良かったです!
恋愛感情が無い分、家族や友達関係のように一生続いて行ける関係なのは素晴らしいです。好きの形は違ってもお互いなくてはならない存在になっていけたら良いなと切に思うのでした(泣)