この想いも雪と共に溶けてしまえばいいのに――

さよならの、その時まで

sayonara no sonotoki made

さよならの、その時まで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×210
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

99

レビュー数
4
得点
70
評価数
16
平均
4.4 / 5
神率
37.5%
著者
 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
フロンティアワークス
レーベル
ダリアコミックス
発売日
価格
ISBN
9784866577555

あらすじ

この想いが雪になって溶けてしまえばいいのに――
一途な獣人×大切な人を作れない青年のファンタジーBL

雪山にある村で暮らすリュカは、獣人のヴェルクから求愛されている。
しかしリュカにはその想いに応えられない事情があり…?

表題作さよならの、その時まで

ヴェルク、リュカに助けられた獣人
リュカ、愛を見つけ出せない人間

その他の収録作品

  • 描き下ろし:その後の二人(7P)

レビュー投稿数4

美しいファンタジーBL

セフレ、やっぱなしでの作者様の同月刊行の2冊目です。セフレの方が明るく元気なラブコメな作品なのに対してこちらは美しいファンタジーBLで幅の広さに驚かされました。

まず全体的に本当に美しいなと。雪山の背景はもちろん、民族衣装のような服装や家の中の描写も細かい。何よりリュカの民族が白髪で男女ともに髪が長いのが特徴なのですが、リュカがあまりにも美しい!そしてそんな中1人黒い毛をもつヴェルクが村の人間ではないことを引き立てていてよかったです。

幸せに溢れていた普通の日常が一瞬にして壊れ、また同じような温もりを手にすることを恐れているリュカ。だからこそ強引で意志が固いヴェルクがずっとそばにいてくれて本当に良かったなと。そして前に説明のあった「瀕死」という伏線を回収し、寿命とかの問題も全て解決する形での結末。お見事でした。
最後に素直になったリュカを見ることもできて良かったです!平穏な日常がいつまでも続きますように。

0

孤独な2人が出逢い、、、

雪深い森の奥で、リュカは獣人のヴェルクと暮らしていた。

ヴェルクは一年前、森でいき倒れているのをリュカが拾って甲斐甲斐しく面倒をみたのだ。
それ以来、ヴェルクに番になってほしい、と体当たりでお願いされるようになって、、、


耳付きと呼ばれる獣人のヴェルクは、その特性から親に捨てられ、愛されることを知らずに成長しました。

対して、リュカも大切な家族を土砂崩れで亡くしています。

2人のこのエピソードは、どちらも涙なしでは読めません。

ううう...切ないんよ。・゚・(ノД`)・゚・。


そんな天涯孤独な2人が出逢ったのは必然と思うし、2人寄り添うことで(ヴェルクの好き好き攻撃割合のほうが大きいのが最高ですが♡)、最終的にお互いが生きる希望みたいになっていたのは、とても良きでした。


が!そんな2人に、とくきリュカに命の危機が訪れます。

ウソ?!
ウソ?!! というヒヤヒヤ展開から、さらに驚愕な結末が!!

正直びっくりしましたが、ヴェルクの溺愛がより強強に。
それから一度タヒにかけたリュカが自分の気持ちに素直になり、結果2人の絆と愛は「さよならの、その時まで」永遠に続くのだろうと考えると、感慨深い結末でした。


一度タヒにかけたリュカのシーンのときに、タイトルの意味はもしや...ここ...です...か?? と不安を覚えましたが、ラストのラストにあるモノローグでタイトル回収がされたのですね(両手を合わせながら)!


紅先生の今月2冊目の新刊は、泣ける獣人攻めBLが読みたい方にオススメのお話でした。


あと、個人的にリュカのビジュアルが好みでした。

1

共に雪解けを待つ

獣人と人間が共存する世界でのお話。
設定はファンタジーだけどもそれぞれの心情がしっかりと描かれているので、その設定に飲み込まれることなく楽しめました。

怪我をして行き倒れていたヴェルクをリュカが助け、そこから一緒に暮らすようになったふたり。
帰る家がないと言うヴェルクを追い出したりせず、好きなだけ居たらいいと言ったものの…
真っ直ぐに求愛してくるところにだけ困っているリュカ。

でもリュカがヴェルクに恋愛感情がないから困っているのではなくて、リュカの抱える過去が大切な人を作ることにブレーキをかけさせているだけなのです…。
それがめちゃくちゃ切なくて、胸が締め付けられました。
本当はヴェルクを受け入れたいし、同じように愛を返したい。
でもそのぬくもりをもしまた失う時がきたら…
そんなリュカの悲しい胸の内がものすごく痛くて、どうにか心が解れてほしいと願わずにはいられませんでした。

その後危険な目に遭ってしまうリュカですが、結果的にはそれが良いキッカケとなって。
愛し愛される喜びを改めて知り、幸せな結末に繋がっていったことが本当に嬉しかったです。

リュカの暮らす村の人々は獣人のヴェルクを優しく迎え入れていたので、その世界すべてがそういうモノなのかと思いきや。
ヴェルクもリュカに出会うまでは苦しみを抱えながら生きてきたので、彼もまたリュカに救われていたというのも感動ポイントでした。

お互いがお互いの存在に支えられ、共に生きていくことを選んだふたり。
ツラい部分もありましたが、最後にはじんわりあたたかい気持ちにしてくれるようなお話でした。

2

切なさの連続 泣く、胸が痛む・・

ヴェルク×リュカ


雪に覆われた村での民族的な家族感や、
愛と絆がギュッと詰まっている
紅先生の獣人ファンタジーが新鮮で、
ふわりととろけるエッチが萌える!

まさか
切なさを知り尽くされるとは思ってもみなかった!
泣いてしまって、胸が痛む・・・


雪村に暮らす「愛せない」人間・リュカが、
狩られた獣人・ヴェルクを助けて以来、
2人は一緒に生活している。
お互いを癒しあいながらも、
リュカがヴェルクの真っ直ぐな愛を拒みつつ、
空っぽの心にふけるため、体だけを許してしまう関係で、
じわじわとした日々を過ごしていく。
次第に明らかにしていくそれぞれの衝撃的な悲しい過去や、
人間と獣人の壁、複雑な心の葛藤・・・
ほのぼのとした幸せな結末を迎えるが待っているから。

長髪美人のリュカ、
表面上は明るそうに見えて、
村のみんなから愛される家族のような存在で、
本当の家族を持たない心の傷と、
「愛せない」理由が気になって気になって、
読み進めると、その理由が心臓が破裂ほど切ない!
ヴェルクの愛情を受け入れられなくて、
ただエッチに溺れてしまう
何もかもふける虚しい姿が痛々しく感られる同時に、
何だか淫靡でうっとりしてしまう!

獣人魅力に満ちたヴェルク、
包容力と一途な愛は最大級!
獣人として生まれた人生での辛い経験がまた切ない。

実はヴェルクを愛しているリュカ、
そのゆえに起こるすれ違いや、
彼がヴェルクの愛を断る真の根底にも注目。

ヴェルクに恋をしてしまう気持ちを手に負えないリュカ。
リュカへの愛と愛が溢れるばかりのヴェルク。
2人の想いが結ばれる心揺さぶるラストの展開に目が離せない。

絵が美しいことに加えて、
2人の甘い恋の行方を追う過程で、
切なさの連続で細胞の隅々まで溶かされました。

3

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