当て馬執事は悪役令息に忠愛を捧ぐ

ateuma shitsuji ha akuyaku reisoku ni chuuai wo sasagu

当て馬執事は悪役令息に忠愛を捧ぐ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神49
  • 萌×234
  • 萌16
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

100

レビュー数
22
得点
430
評価数
100
平均
4.3 / 5
神率
49%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
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イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344853522

あらすじ

7歳になる直前、この世界が前世で読んだBL小説の世界だと思い出したフィン。しかも自分は主人公リルをいじめて最後は破滅してしまう悪役令息だった。前世の記憶を総動員して真面目に生きることにしたフィンは避暑に訪れた村で当て馬キャラ・ユエンと偶然出会う。自分の恋情を脇に置いて主人公カップルを結び付けるユエンを前世のフィンは応援するほど好きだった。彼を側に置いて9年、寡黙でどこか陰のある美丈夫に成長したユエンはフィンにとってなくてはならない存在だったが、どうせユエンはリルに恋をして自分の元を去っていくのだからと切なく思うフィンはーー⁉

表題作当て馬執事は悪役令息に忠愛を捧ぐ

孤児,14歳→23歳
チェリーゲイト子爵の一人息子,9歳→18歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数22

生き残るために

当て馬✖️悪役


子爵令息フィン(受け)は母親の葬儀の最中に前世の記憶が蘇ります。
自分が物語の中の悪役令息であるということを悟り、運命を回避するためにまずは嘆き悲しむ父が堕落するのを阻止することにするのです。
無事父が立ち直り、ホッとしたのも束の間、別荘に保養に行った先で、主人公の恋を応援する当て馬となるユエン(攻め)が奴隷のように働かされているのをみかねて保護します。
本来なら騎士となるべく見出されるというストーリーから外れますが、「悪役」である自分を追い詰めるユエンのそばにいて恩を売ったほうが安全だと判断し自分の従僕に取り立てるのでした。
ユエンはとても優秀でたちまちフィンの執事として頭角を表します。
フィンにとってもユエンのいない生活は想像できなくなるくらいです。主人公に出会いユエンが恋をしたらと考えると落ち込むくらいに。

没落の原因の一つである飢饉から領地を守るためじゃがいもを広めたり働き方改革してみたりと没落回避のために動いていると、とうとうストーリーが開始します。
始まってみるとユエンのこと以外にもストーリーと違うところがあちこちあり予想がつかなくなっていて‥

飢饉を危惧してじゃがいもを広めたのはいいけれどそれが原因でストーリーが本筋から逸れてしまい、何度もじゃがいものせいかーってなって
「うちのじゃがいもが何か粗相を」と思わずフィンが叫んでしまうのは、そんな場合ではないのに笑ってしまいます。

物語のメインヒーローのエイデンは話の中では貴族のボンボンということでしたが、麻薬などの調査に来たエリートでこれも違ってたのかと思ってたのですが、最終的にやっぱりボンボンだったというオチにも笑えます。一度は見放されてたのにこの甘さが主人公リルの心を動かし、結果オーライでしたが、決着するまでは高位貴族というのをフルに生かした傍若無人な態度には何度もイライラさせられました。リルに一度盛大に振られて嘆き悲しんでいたたり、手柄をユエンに持っていかれてたから溜飲が下がりましたけども。

ボンボンなのはフィンも同じで、エイデンと2人で乗り込んだ時は、敵地で出された飲み物を躊躇なくそんなにガブガブ飲むなんてなんて危ないと思って読んでたら案の定薬盛られてるし。
2人とも伴侶がいないと危なかしいのは同じでしたね。

元々BL作品に転生ということで出産ありの世界かと思ったら違ってて、後継問題も出てくるのかと思ったら、父が再婚したところからその辺りのオチは早い段階で見えていました。
最後は大団円ということで、楽しいお話でした。

最後の方は腹黒執事になってしまった執着攻めの本領発揮していてそれもとても楽しかっただす。

0

フィンがいい子なのよな

BL小説の世界に転生したフィン。あることがきっかけで物語の当て馬ユエンに出会い、自分の使用人にするが…。フィンがとにかく良い子なんですよね、破滅エンドにならないよう父を盛り立て、使用人にも気を配り…自分の幸せはさておきみたいな。

そんなフィンにユエンが仕えるわけなんだけど腹の中が読めないユエン…やり手なんだよなぁ物語も先が気になるワクワク展開で…BL小説の本来の主人公たちのキャラも立ってて面白かったです!

カワイチハル先生の挿絵がまた美しい…!
楽しかった!フィンのお父さんも素敵キャラで好きでした❤️

1

小中先生に全幅の信頼を寄せて…

異世界転生ものや悪役令息にはさして興味がなく普段は手に取らないのですが、小中先生ならばきっと楽しく読めるはず!と読んでみることにしました。

大正解!
やっぱり安心安定の小中先生。
転生ものに不慣れな私もスムーズに入り込める分かりやすさ。
そして、キュン!

未来を変えたいと頑張るフィンも、元々一途な当て馬設定ユエンも、それぞれがキャラクターが良く楽しく進められました。
ユエンはチートすぎるけどww小説の未来とは愛を捧げる対象が変わっただけでイケメンチートスパダリ激重攻め様の本領発揮(特に終盤、積年の想いを告白してから)大変よかったです。

エイデンが現れてからは俺様攻めって端から見るとこんな感じなんだってちょっと新しい視点も面白かったww
途中エイデンに振り回されるシーンやジャガイモの話がちょっと長いように感じましたが、スッキリ楽しい読後感でした!
読んで良かった!

1

可愛さ楽しさスリルそしてときめきが詰まった作品

まずフィンが可愛い。フィンは自分の未来を知り、父も巻き込んで未来を変えようとするのが健気。前世の記憶があるからオジサン感はあるけど、純粋だし良い子だし守りたくなる気持ちが解る。ユエンはスパダリなんだけど、本性が見えてからのギャップにきゅんときた。周りも一部を除き憎めないキャラで良かった。

未来を考えると悲壮になりそうだけど、フィンが前向きでどんどん行動していくのが壮快。ピンチにも臨機応変に対処していくのが興味深い。ピンチをチャンスに変える、そんな前向きさがユエンを変えたのかも。

リルとエイデンに振り回されたけど、あれがあったからユエンとこうなれたんだと思う。
主従の時と恋人の時、ギャップがありすぎてこっちが照れてしまった。共にどんどんパワーアップできるであろう2人に拍手。

テンポが良くて楽しくて大満足な1冊でした。

2

タイトルからして

お腹いっぱいで、ありきたりなやつでしょ!って、高を括っていたら、とんでもない。先生にしてヤラレタ…
いつラブがはじまるの?っていうくらい、焦らしじらされ苦行。苦行なんだけど、お話が面白いからぐいぐい引き込まれてしまった。
前世の記憶の感情と今世の気持ちがすれ違って、切なさ2倍なんだけど、すごく私好み。恋には悲観してても、明るい未来に向かって懸命に頑張るフィンを応援したくなる。
あと、作中出てくるじゃがいも。さぞかし美味しいんだろうなって、是非食べたい!!
そうは言っても、虎視眈々とフィンを狙っている大本命ユエンが大変ツボでした。
この萌えを多くの同士と共有したい!!

4

執事最高!

あらすじなどは他の姐さま方が書かれているので、感想を。
転生ものは得意ではないのですが、小中先生は、さすがでした。地に足がついているというか、変にふわふわしていないというか。
カワイチハル先生のイラストも素敵でした。大人になってからのフィンも良いですが、父さまに肩を抱かれ、ユエンと手を握るフィンのかわいいこと!黒髪で、ちょっとつり目なところがたまらない!表紙も、カラーイラストも眼福です。

転生ものだけれど、領地のためにがんばるフィンとユエンの姿はお仕事もののようで、リーマンもの好きのわたしの胸にすとん、と刺さりました。

幸せなお話と挿絵に満足しています。

3

想像以上に愛が重い!

小中先生の作品でファンタジーときたら読むしかない!
転生、悪役令息、当て馬、腹黒、貴族……自分の好きな設定やシチュエーションがたくさん詰まっていて、とても刺さりました!
小中先生のストーリー構成ってなんでこう惹きつけられるんでしょう。ラストがもちろんハピエンなのはわかっているのに、どうもハラハラドキドキしてしょうがない。2人は結ばれないんじゃないかと思ってしまい、もう一度タイトルをみて安心して……を繰り返しましたw
しかし、攻めの愛は私の想像を超えて重かったです。「忠愛」ですから、相当なものだとは予想していましたが、それを軽々と飛び越していくほどの重さでした。
攻めの激重な愛が好きな方はきっと刺さると思います。
できればこの物語の後の2人を見守っていたい。お部屋のベッドとか壁とかカーテンになりたいです。続編や番外編が追加で出たらいいなあ。

6

エイデン&リルのシーンで主人公と同じ反応になる

正直ラブ要素が少なくてもストーリーがここまでしっかりしていて面白いとかなり満足できます。
小中先生のファンタジーものはいくらでも読めますね。

今回評価は⭐︎4つ。
リルとエイデンの話は当然重要だと思いましたが、エイデンへの一種のザマァ展開はリルにそこまで思い入れがないこちらからするとスカッとするどころか鼻白む展開に感じました。まぁエイデンのキザでアホっぽい描写を見るに正しい感じ方だったのだろうとも思いましたが笑
主人公愛されだとよくある展開すぎたからこの流れにしたのかな?
それでもリルにエイデンが袖にされる描写より、フィンが言い寄ってくるエイデンを袖にしつつも絆されたりして、それにユエンが面白くないと感じる描写の方をエイデン登場時は期待してしまいましたので、肩透かし感もあり⭐︎4つとさせていただきました。

しかしそこ以外はページを捲る手が止まらないほどでした。
ユエンのチートっぷりたまりませんね。フィンもおじさんくさいけど、健気で素直で、そんなフィンにユエンが恋を自覚してから頭の中では何度も……っていうのは想像しただけでよだれがたれます。5個上かぁ……最高ですね。最後の想いが通じ合ってからすぐに……となる展開もどれだけユエンがフィンに対して想いを募らせていたかがよく表現されていたような気がして、にんまりしてしまう結末でした。

6

小中大豆先生ってやっぱりエンタメBL小説書くの上手すぎない?って思わずレビューしたくなる作品

異世界転生モノ、苦手で避けてたんです。
過去何回か痛い目に会っておりまして。
でも実力派の小中先生だし、執事モノ読みたいし、表紙イラスト可愛いし
と思って衝動買いした結果……めちゃめちゃ良かった!
えっ、異世界転生モノでこんなに読みやすく、面白くなるんだ!と感動するレベル。
ほんっと久々にレビューを書きたい衝動に襲われました。

正直メインストーリーは転生モノのワンパターン。
前世(現代人)の頃の自己紹介→転生世界の今後のストーリー説明→死亡フラグ回避に向けたアクションと、それによって捻じれていく運命……という既視感ありありのやつ(かつ、タイトルだけで結末わかっちゃうやつ)。
なので、あらすじだけで言うと他作品と横並びです。

なのに、読んでみると面白さが全然違う!
同じストーリーなのに、なんでこんなに引き込まれちゃうんだろう?!
しかも読んでいて全然疲れない!。
という、マジックにかけられたかのような衝撃。

思うに、めちゃめちゃメリハリ上手なんですよ。
基本は、前世腐男子であるフィンの語りで進行するので、現代の私たち側の視点に寄り添うようなコミカルでポップな雰囲気。見た目は子ども、頭脳は大人~みたいなあの感じもまといつつ。
そこに小中先生らしい説得力あるバックボーンが良い塩梅で組み込まれています。
各人の生立ちから飢饉や穀物備蓄の話、違法歓楽地の話、領主と国都との関係性、成人パーティーの政治的な意味などなど。
このあたりの書き込みや説明って、緻密すぎても重くて疲れちゃうし、かといって雑にしすぎると作品自体ぺらっぺらになってつまんないし。
っていうところで丁度良く、本当にボーイズラブに焦点を当てるのに丁度良すぎるエンタメ温度感で書き込んでくれてるんですよ。いや、これが本当BL小説ファンとして嬉しくて嬉しくて。

説得力ある世界観の作品って一般文芸だと普通に出会えるんですけど、BL畑で特に新作となるとかなり希少で。このあたりめちゃめちゃ上手いBL作家さんたちって最近は一般文芸主軸になられていたりするから……で、その作家さんが書く一般文芸ってもちろん素晴らしいけど、結局テーマはBLじゃないんです。それが何か物足りなくて。

それが今作は、登場人物が取る行動の一つ一つに、「はあ、なるほど」と読者が納得して読み進められ、かつ疲れさせず、メインのラブに視点を集中させてくれる絶妙な文字運び。
ちょっと無理やりギャグやファンタジー、ご都合設定で流す感じもあるにはありますが、全体的なコミカルな雰囲気とちゃんとマッチしていて、決して浮いてはいません。

肝心のラブについても個人的にはかなり好み。
肉体よりも精神性の高いイチャつきぶりでした。
一見、ラブシーンは最後だけのように見えますが、読感としては全然違いましたね。
中盤、フィンとユエンが酒を酌み交わしたり、出自について真剣に話し合う姿がですね、心の距離感ゼロなんですよ。
「好きだ」とか「愛してる」という言葉こそ出てきませんが、腹を割り、心を裸にしないと決して生まれないであろう対話の数々にグッときました。
恋愛としての表現をしていないので、その時点ではブロマンス萌えなのかもしれませんが。
愛や独占欲を薄っぺらく吠えるより、ガツンと濃密で良いシーンです。

ユエンへの転生のネタばらしも最後の最後ではなく、中盤にしてしまいどうなることかと思ったら、さらにそこからもうひと展開。楽しませてもらいました。

先を予知できるチートが使えて、世界観も作りこまれていて、っていう意味だと、同じく小中先生の『気難しい王子に捧げる寓話』と若干被るんですけど(これもめちゃ面白くておすすめ)、あちらよりもコミカルでポップで、相手役の側近も素直な感じでしたね。ルチル×カワイチハル先生のイメージピッタリでした。

ただ、これだけ満足度高かっただけに、たったひとつだけ、気になったところが……。
転生世界のBL小説のタイトルが『地平線まで』。
最初から最後まで通して、この言葉に全然ピンと来ず。
うーん、これだけは「なるほど」ってならなかったかも~。

6

話運びが面白いです

転生その他、過去に発表された作品と似た題材でも、毎回味付けが異なる作品をコンスタントに執筆されているのが小中先生のすごいところ。
個人的に、小中先生のファンタジー作品は自分にざっくりと深く刺さるか、もしくはそうではなかったかがはっきりしているんですよね。
そして今作はというと…ヒットしました!
架空の世界・前世の記憶・過去に読んだBL小説の世界へ転生…と、もりもりっと設定が盛られているというのに、流れるような話運びが非常に面白かったです。ユーモアのある言い回しも楽しい。

達成すべき1番の目的が決まっているので、主人公であるフィンが前世の記憶を得て知った未来をどうにか回避しようと行動していくのを見守りつつ、小説に書かれていなかった細かな部分はどう転んでいくかが分からないワクワク感がありました。
このままだとバッドエンド確定状態のフィンがどう動き、何を知り、どんな未来を描いていくのか?この辺りが見どころかなと思います。
大ボリュームの1冊だというのにサクサクと読めるテンポの良さで読みやすく、キャラクター設定の良さと展開の面白さが絶妙にマッチしていてページをめくるのが楽しかったなあ。

小説通りになりそうでならないお話はすごく面白かったです。
手元に置いてみたら有能すぎる側使えと化した攻めと、未来を変えようと前向きで嫌味のない受けが繰り広げる日常生活は終始小気味が良いもの。
ただ、メインCPのBL的な部分はもうちょっと早めにほしかったかなあと思い、4寄りの3.5評価になりました。
フィンいわく「裏表ありすぎ」なユエンの裏の顔も、余裕がない姿もとっても良かったので、やはりこのページ数でちょっとだけなのが惜しい…エイデン周辺よりもこっちをもうちょっと長く読みたかったですね。

サブキャラクターではフィンの父が1番好みでした。
ぽやぽやとしているかわいらしい人で、彼が登場する度に癒されちゃいます。
それから芋。読めば読むほど芋が食べたくなる1冊でした。
明日はじゃがいも料理にしようかな。

3

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