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hotarubi enya
時代は第二次世界大戦末期。
つまり作中の登場人物は短髪(と言うより坊主)、黒髪のキャラクターが非常に多いです。
毎ページ捲るたびに飛行服!眼福です。嬉しくなってプラモデルを買いました。
航空機が美しく描かれているのでミリオタの友人らにもお勧めしたいですが、エロ過ぎて勧められませんw
内容は特攻隊員の話。
非常に重いです。
しかし、このようなアプローチで"自分ごと"に感じるのも、時代が代わりアプローチ方法が増えたと言う事で大切だなと思いました。
読了後は泣きながら、知覧や大和ミュージアム、靖国に行きました。
来年は河口湖航空博物館に行きたいです。
戦時中の遺構を巡る事が多いのですが、飛行機の墜落現場なども出会います。
彼らの事が少し身近に感じるようになり、考える事も増えました。
作者様のファンで、このような作品を心待ちにしていました。
ただでさえ戦争という難しいテーマを扱っていますが、この作品では人間の汚い感情、弱さを描くことにも真摯に向き合っています。
だからこそ、その時代に生きた人間のきらめきがひときわ輝いて映ります。
この作品の何よりも好きなところは、登場人物がみな弱さを持っている、誰ひとりとして完璧ではないその生々しさです。
生き生きとした筆致も相まって、単なるキャラクターの枠に収まらず、全員が一人の人間として描かれているような臨場感があります。
かっこいいだけじゃない、完璧じゃない人間達が織りなすからこその魅力は言葉では語り尽くせません。
重厚な人間ドラマを観ているようでした。今後の展開がどうなるのか、ずっと楽しみにしています。
この作品に出会えて本当に良かったです。
ずっと気になっていた作品をようやく手に取りました。
これは話題になるのも納得の1冊ですね。
内容としては戦時中のお話、特攻隊を舞台にしているので読む人を選ぶかな…とは思います。
当然ですが明るい物語ではありませんし、終始胸が締め付けられるような、苦しくなるような描写もあります。
フィクションではありますが、もしかしたらこんなこともあったのかも…というような気持ちにもなります。
死を題材にしながら狂おしいほどの生を私は感じました。
私は本当に読んで良かったです。他のBL作品とはまた一線を画するような1冊でした。
単和はその先も配信されていますし、上とのことなので続きを待ちわびております。
戦争物でBLって、ただでさえ戦争物は読むのに緊張感があるところ、より一層緊張するわけです。その上特攻隊ときた。それでもやっぱり、作者の熱量というかフェチシズムが伝わってくる作品は面白い。作者自身で「人でなしの所業」って言ってるし。
エッチシーンの熱さも勿論、特攻に向かう空気の描き方も出色。描き下ろしでの淀野…それでも写真をあげてしまう淀野の複雑な感情を考えさせられる。一般漫画で活躍されている方とは知らず手に取りましたが成程あの作品の作者だったのか、と。
うす消し特装版は電子では貴重なしっかり見える局部です。特装版には読み切り『どうして波瀬は笑ったか』他、4〜6話のネーム&下書き、イラスト。『どうして〜』は本編以上にグロテスクだった。本編では暴力が露骨に描かれてないからね。
全6話と描き下ろし+学生運動の読み切りとネーム、下描きが収録された読み応えたっぷりの1冊。(電子)
タイトルコールのお話では、
それぞれ副題に各主役の3人の名前が。
一番最初のお話は、報道写真を撮っている淀野×田中一等曹。
次は、巨根の整備兵塚本×年増の橋内中尉。
最後は、最初のお話の受けが心を寄せていた八木中尉×田中一等曹の馴れ初めから別れのお話。
題材が戦争ということもあり、やはり胸にグッと迫る儚いラストを迎えるお話もありました。
それから描き下ろしの、田中を忘れられない淀野が、田中が好きだった八木を探し回り、ようやく会えることになった戦後のお話も、なんとも言えない展開ではありましたが、読めてよかったなあ、、、と。
読んだあとで、田中ぁ…!! ってなぜか泣きたくなったのは、私だけでしょうか。
amase先生の絵も、えちシーンのうす消しも最高すぎて、ちょっとこの分野苦手だなぁと思う方にも、ぜひ一歩踏み出して読んでほしいお話でした。(そしてなぜかこのレビューを書いている途中に、3回この投稿画面が謎に消えて、最初のレビューと少しずつ言い回しが変わってしまったものより泣)
雨瀬シオリ名義の一般漫画を読んでいたのですが、この作者さんの描く男性は妙に色っぽいんですよ。その人がBLだと…?読むしかない。
と手に取ったのですが、思った以上の濃さとエロさに度肝を抜かれました。こんなの、今まで読んだことない…!
戦争と特攻を題材にしてエロを絡めることが、不謹慎といえばそうなんだろうけど、読んでいるうちにそんなのどうでも良くなってしまいます。性とか愛ってものは、極限状態だからこそ深く強くなるものなんじゃないか。男たちの命を焼き尽くすような性愛を見て、そう感じました。
それにテーマは重いですが、時折思いがけない軽さと笑いがあるのもスゴイなあと思います。後家さんに手ほどきされた整備兵に、「貴様、男は抱けるか?」と聞いちゃう中尉の話とか…。この二人の話は切なさの中に、思わず笑っちゃうようなところがあってそこがいいです。
登場人物では、男の人生を狂わせる魔性の田中志津摩くんが好きでした。けっこうヒドイところもあるんですが、とにかく可憐で愛さずにはいられない…。
この一巻でBLを読む楽しみを存分に味わわせてくれるのですが、これにさらに続きがあるなんて!幸せすぎます。
読み終わると、胸が痛む。確実に。100%。
でもそれこそが醍醐味。
正直、読む前にかなり警戒していた。戦争や神風を美化するのか、と気になっていたが、そのことは無く、むしろその酷い概念から生まれた苦しみや淋しみにスポットライトを当てる作品だと思う。
こんな無意味に死なせられた若者はまるで呪われたようで、限られた時間で一生懸命生きようとしていてーいや、「生きるふりをしようとしている」の方が相応しいかもしれない。
奪われた人生。実らない恋愛。
突然終わるまで、終わらなさそうな戦争。
amase先生の画力が凄まじく、特にペン遣いや表情が非常に上手い。ぜひ今後も先生の作品を楽しみにしたいと思う。特に続編を…
メリバ好きには刺さるんじゃないですかね……いやきっと刺さります!
個人的に、エッ…シーンの汁感、肉感、濃さ(?)が大優勝でした。軍モノが好きなので、エロエロしくもきちんと戦時中なのが良かったです。戦争や特攻隊という題材をここまで飼いならしているのは本当に…amase様の性癖が出ているのではないかなと。
あと、どのキャラもお口がとてもキュートでした………かわいいうるるんくちびるはずっと見ていられます。
生々しさとやるせなさ、きゅんきゅんが入り混じって、読了後は不思議な気持ちになりました。決して嫌な感じではなく、かといって清々しさもなく、本当に今まで読んだことのない系統の本だなと思いました。ふらっと立ち寄った本屋でたまたま発売日に手に取れた作品。私はきっと、この本が一生好きです。
ぜひ読むべき1冊!下巻も楽しみにしています!
素晴らし過ぎる
エロエロエロでエロだけどちゃんと内容あるんですよ
最高
なんだこれ
半端ないって
戦争モノって切なくなりがちだけど切ないだけじゃなくてハイパーエロモリモリMAXありがとう
そして、どの受けも可愛すぎる
個人的には2話目の橋内和中尉がドささりました。「はしうち かなう」って名前が可愛過ぎる。やってることも全部可愛い。何事ですか?
特攻ホント辛いです。でも儚さがある、、、とはなれなくて辛いですねやっぱり。
軍側の人の生存ifがあったら最高に嬉しいですよ
カメラマンさんの執着のキモさがやばかったですね。おもしろかったっちゃあそうですけど志津摩には八木さんがいるからなって思っちゃったりして笑
みんな生きて幸せになって欲しかった。
ほんとうにその思いに尽きます!
ちるちる様記事内のamase先生のコメントを読んで、購入を決意しました。
しんどい事の多い生活を送る彼らに1分でも1秒でもいい「気持ちいい」と思って貰いたかった、という先生の気持ちにとても共感します。
読後にものすごいカタルシスを感じました。
戦争を描いた作品を読んでこんな気持ちになるのは不謹慎かもしれませんが、、、
特に塚本太郎整備兵に拍手を送りたいです。
彼は年下攻めの鑑です涙
そして25歳にして自称年増受けの橋内中尉!
「こんなに頼んでるのに!」って言うのが可愛過ぎました。
和さん呼びの破壊力すごかった。。。
塚本整備兵は読者の分身でもあると思います。
とにかく彼らに1分1秒でも安らぎの瞬間を、と、私も願わずにいられませんでした。
下巻も絶対買うので、先生と出版社には頑張っていただきたいです!
気にはなっていたのですが
私好みのタイプではなく避けてましたが
やはり
気になり勇気を出して購入!
結果購入して悔いはなしです。
BLとは違う括りにしても
アレなら小説にして一般書に列べてあっても
私、買いますけど。
上ということは下があるはず
楽しみにしてます♪
散華された英霊たちについて、著者が妄想した「IF物語」。
戦後70数年たった今だから、許される腐妄想だと思う。
タブーかもしれない若い兵たちの性的なコトの妄想は、
逝く事を覚悟していても、実は、生きたいという生きる事への執着があった
ということにつながるんじゃないかと、読みながら思った。
8月に発刊されたことも、意味があると思う。
本当は、戦後復興を担うべきだった大切な若者を
肉弾攻撃とか玉砕とか、麻薬を飲ませてまで出撃させた
命を粗末にする大人のエゴ丸出しで暴走した戦争を二度と繰り返さないようにしなければいけない、
と読みながら思った。
★「振武寮」の存在にも触れてほしかった。
ずっと気になっていましたが購入には珍しくも慎重になっておりました
気になり過ぎてとうとう購入前なのに先週はレビューもじっくり先に読んでしまいました|д゚)
背中を押された気にもなりましたし、やっぱりまだ早いかな…と思ったり結局先週は月曜からの事も過ってしまった為また更に延長で悩む事に……。
そして、今週の週末のお楽しみ気分で読んだ他作品で結構考えさせられるモードに期せずして突入
このモードを切り替えるのかどうしようかと思った時にふとこの作品が頭をよぎりました
勿論同列のお話しではないですが「生の尊さ」に関しての違いなんてないはず、と思いこれはきっとこの作品へと導かれたと解釈して長きに渡り悩んだ今作を拝読させていただきました
……早い、遅いはきっとそれぞれのタイミングがあると思います
でもいつでもいい、いつかでもいい、気になった人には読んで欲しい……
と、おすすめはしにくい作品である事は承知の上でもおすすめしたい、と思える作品でした
私自身が読んで良かった、と思えたのはやはり普段の生活では全くと言っていい程考える事の少ない(出来たら私は戦争関連は映画なども含めて避けてしまう方です)その時代の先人達に少しかも知れませんが想いを馳せる事が出来た事
そしてその事により今の日常が個々、日々色々あるにせよとんでもなく恵まれている事を改めて実感させてもらえました
あ~…明日仕事行きたくないなぁ…なんてレベルじゃない
「特別攻撃隊への志願」が志願ではなく強制されるような日々を送っている…
怯んでその足を一歩前に踏み出せない時には上官からの叱責が飛ぶ
勿論時代が違うので仕事に行きたくない、と思う気持ちに軽い重いもないとは思う所もあるのですが、そもそも比べるレベルでは無くて……。
その「明日」が来ないかも知れない中で生きていた彼らの本能の時間を見て、何も触発されないなんて事はやはりなかった
激しい絡みも性行為であり生行為でもあり精行為でもあったと思います
命を絡ませ合う事でお互いの存在を感じ、自身の生と精の存在も感じるかのような激しさがありました
明らかに今まで私が読んで来た作品とは違います
でも、これは遅かれ早かれ読んでいたに違いない作品で、私は「今」読めた事に感謝しています
「明日がある」事は当たり前じゃない
今週はとてもDeepだけれど充実の時間を作品を通して感じています
そして充実の時間にしていきたい!と思えました
下巻も待ち、最後まで読みたいです
別名義でいろいろ活躍なさっている作家さんとは知らなかった。
戦争BL、軍隊BLが好きだが、もともと子供の頃から第二次世界大戦の日本や他の国の読み物が大好き。
名を馳せたゼロ戦乗りの手記も読んで印象に残っている。
言っておきたいので言っておくと、映画化して大ヒットしたベストセラー作家のあの小説は小説に過ぎない、ノンフィクションに近いとも思わないでほしいと思う。
「蛍火艶夜」はそれ程暗くならない、時々クスクス笑いながら読める良質なマンガだった。
2度と読みたくないと思わせるものは私はもう苦手。
専門的な知識がある人にとってはどうかは分からないけれど、きっちり勉強されているな、スゴい絵だった。
便所の木枠の便器までちゃんと描かれていた!
上巻という事は淀野や八木の話は続くのだろうか。
八木の息子が登場したのは戦死した田中の姉の孫に出会う為? 知らんけど。
そんな陳腐なお話にはしないでね、それじゃあの小説みたいだから。
淀野が「取られた」「田中志津摩を取られた」と感じたのはよく分かる。
八木の情報を大事に懸命に追ってきたのは志津摩の為、それと志津摩との思い出を独り占めしたいからであって、八木の想いを補完させる為じゃない。
悔しいだろうな。
でもあの夜、淀野のカラダを使って八木の名を呼び、果てた志津摩を思うと「取られた」のも致し方ないのだろう。
電子の特別なお高いコミックスがあるんだ。
買います。
なにせ絵柄がお話と時代設定と似合いすぎて魅力が二割増でした。
戦時物ってあまり好みのジャンルではないのですが、そんな私が読んでもとてもお上手で読みがいのある作品たちです。
“不謹慎な内容”と頭を掠める題材ではあるのですが、amase先生もそれはご理解の上で描かれておられます。
表紙を捲った所のよく著者近影がある場所に書かれていたお言葉を見た瞬間、確かに......と思ってしまいました。
明日が死にに行く日かもしれない身の上の性事情は想像しても分かりようがないのですが、人の温もりや愛情を求めてしまうことと同じくらい気持ちいいことを求めるのもありえるのでは...辛さや恐怖心からどうにか現実逃避しないと潰れてしまいそうです。
話が逸れますが、死が身近にある病気を罹っていらっしゃる余命幾ばくの人の中には、本能的に子孫を残さないといけないという状態になり、すごく性行為がしたくなるケースがあるというお話を思い出しました。
若き特攻隊員さんたちが蝕まれるのは心の方でしょうからまた話が違うかもしれませんが、それと近いものもある気がして、尚更amase先生のお言葉が腑に落ちました。
BLとしては初単行本でいらっしゃいますが、人気作家さんでいらっしゃいます。
絵柄に馴染みのある人は、この太い線で熱く描かれた汗や体温が伝わってくるような熱量ある絵柄の魅力を既にご存知でお手に取られていることかと思います。
とても魅力的な訴えかける絵を描かれる作家さんとして私も大好きですが、好みが別れそうな絵柄ではあります。
初めて手に取った人の中には、画面の濃さに怯まれる方もいらっしゃるかもしれません。
濃いですよね、内容も濃い(深い)んですよ。
実は私は先生の作品でキャラ萌えというものをしたことはありません。
でも、なんて言ったらいいのかな、人間味萌え?をするんです。
好みのキャラに出会って浮かれるのと同じくらいの満足感があります。
かつての私がそうだったのですが、読み終わる頃には好きになっていた作家さん。
表紙やあらすじが気になった方、とにかく最後まで読んでみてください。
どのカップルもよかったのですが、1番好きなのは八木×志津摩でした。
でもこのお話、三角関係も面白いので淀野の存在も不可欠。
淀野×志津摩のお話で感じた志津摩の印象と、八木×志津摩のお話から感じる志津摩の印象はまた少し違って感じます。
見せる表情が違うんです。
結局のところ淀野は八木の代役なので蚊帳の外なんですけど、執念に駆られる程に志津摩に感情を囚われてしまったあのリアルな不器用さ...。
上手く言葉を掛けてあげられないけど、八木を探し続けてくれてありがとう。
電子では通常版とうす消し特装版がありまして、どちらを買うか悩みました。
後で後悔するくらいならと修正も金額も大人仕様(笑)の特装版を購入。
特装版は修正が黒短冊で18禁仕様の400P越えのボリュームとなっています。
「修正具合の違い」・読み切り「どうして波瀬は笑ったか」(学生運動のお話)・「ネーム、下書き、カラーイラスト」がついていることが通常版との違いです。
400P越えって凄い!と思うのですが、ネームと下書きの割合が多いので、これを必要と感じるかで満足度が違ってくる気がします。
ネームは見開きで描いた横長の物を縦長の画面に回転させて収録されていた為、読みやすい角度で見るのが困難なのが残念でした。
傾けて読むしかないのですが、傾けすぎると電子の難でアプリの画面の方が回転してしまう。
そういう意味で読みづらかったのもあって、下書きの方が見応えがあって楽しかったです。(下書きは問題なく読めます。)
やはり、特装版の特別な楽しみになるのは「どうして波瀬は笑ったか」が読めるか読めないかかと思います。
ざっくり作品を説明すると、蛍火艶夜と似た湿度を感じるハッピーエンドと言えない強姦作品です。
え?ここで終わり?という終わり方をしていて、タイトルにもある波瀬が笑った意味は考察して楽しむ感じです。
因みにamase先生曰く、「男同士の激しく異常な感情、恋なんて生温いものではない性行為や暴力行為を含んだ複雑な愛憎関係」→ 「BL」って呼ぶのはちげーよな...→「地獄と呼ぼう」だそうです。(blogから抜粋)
なるほど、確かにBLと思って読むとなんか違うのですが、野郎同士の地獄漫画だと思うと腑に落ちます。
地獄BLは大好物なので是非またご執筆願いたい。
「蛍火艶夜」と「どうして波瀬は笑ったか」どちらが好みかと言われると、私は蛍火艶夜が好みです。
個人的な感想となりますが、人さまに薦める際は、絶対に特装版!とは言わないかな。
特装版を買って後悔してはいませんが、修正に拘りがないなら通常版を買うのもありだと思います。
一般向けの漫画では有名な作家さんなのでご存知の方も多いと思います。
大ファンの作家さんのガッツリBL、しかも特攻のお話ということで間違いなく神作品だろうと信じて疑いませんでした。
作者様が太い線で描かれる、この肉感的で動きのあるタッチが私は大好きなので、熱が溢れる彼らの交わりに圧倒されっぱなしでした。素晴らしかった。
国のために成し遂げなければいけない大義を持つ彼らの様々な感情、絶望、恐怖、その中でただ快感を貪り、欲望のままに過ごす短い時間。
物語は田中志津摩一飛曹のお話から始まります。
彼がどんな青年だったのかあまり考えずに読み進めていたのですが、描き下ろし含め、読み終わる頃にはこの青年をとても愛しく感じました。
彼もまた生き辛い中で、本懐を遂げた人でした。
散り急がなければならなかった事が辛いです。
彼の話の後に橋内中尉の話があります。
橋内中尉のお願いを聞いて彼を抱く塚本太郎整備兵。
中尉がプライドを捨てても得られたものは、きっとずっと欲しかったものだったんだと思います。
その後に、1話目の志津摩と過去の相手である八木との話があります。
彼らが望んだのは愛ではなく行為に過ぎないのかもしれませんが、その行為が与えた影響は計り知れなかったと思います。
極限状態にあり、死と隣り合わせの毎日の中で何が彼らの救いとなるのか…
ただ、彼らの生命はエネルギーに満ちて凄まじく輝き、大きな光を放っていた、と強く感じました。
ラスト、実はそうだったのか、と思えるような内容になっていますのでぜひ読んでいただきたいです。
下巻も控えていますので楽しみに待ちたいと思います。
1945年3月、第二次世界大戦末期「神風特別攻撃隊」の物語です。
ほかの方がレビューしてくださっている通り、かなり好みが分かれる設定ですが、私は出会えて良かったと思える作品でした。
個人的には後半になるにつれ、胸がぎゅっとなる場面が多かったです。
フィクションですが、こんな青年たちのぶつかり合い、命の確かめ合い方、きっとあったんじゃないかな。
やはり良い意味で、BLというジャンルには括りきれないです。
軽々しい言葉は使いたくないし、安易にオススメするポップなお話ではない。
けれども日本人として、少しでも通読後のこの感情を共有できる人が増えて欲しい。
下巻も必ず購入して読もうと思います。
新刊情報からずっと気になっていて目に飛び込んだレビューの熱に素直に感動しました
これは…心して読まないといけないタイプの作品だな、と感じ手軽に手を出していいのかどうかを数日悩みに悩みました
悩みましたがやっぱり試し読みで見た普段読んでるBLとは一線を画す作風や作画のタッチ、そして何よりも作品から漏れる独特な空気感に完全にあてられ購入を決意
購入をしたもののやっぱり即読む気になかなかなれずでしたが、8月というこの月にこの新刊が出た事も何かの啓示なのでは?と思いいざ読んで見ました
そこから今度はレビュー…
今回のレビューはとても難しい
今もどうこのレビューが着地するんだろう?と思いながら書いています
なので忘れないうちに絶対伝えたい事を書いていこうと思います
戦争下、しかも今の現代だから分かってはいる終戦直前の真っただ中にいる齢幾何もいっていないであろう青年たちの心中とは一体どのような精神状態だったのだろう…
先も終わりも見えない戦況、帰らぬ同士を乗せた特攻機を見送る日々
その中で繰り返される生と逃れられない性
この余りにもリアルな喫緊とした緊迫感と正常であろうとする異常な日々の切り取り方が訴えかけて来て、世界観に取り込まれていきます
決してドシリアスな陰鬱としたトーンが終始続く訳ではないのです
どちらかと言うとコミカルなセリフ回しなどで「日常感」を出しています
でも、読者としては彼らの置かれた状況は察して余りある訳なので、その日常が非日常である、という事を知っています
だからこそ彼らの軽快なやり取りすら苦しくなってきます
果たして彼らの重ねた日々はBLか?と問われれば答えには困ります
でも、彼らの重ねた時間の濃密さを言葉にするならば『絆』であり『魂の触れ合い』だったと思います
不確かな日常の中だからこそ確かな感触や痛み、匂いなど自分自身が感じる事が出来る事だけが【確かなもの】だったのだと思います
それが襟巻であったり匂いであったり時には噛み跡であったとしても
今の自分にとっての【確かなもの】とは?を考えてしまわずにはいられない
そんな読後になりました
『蛍火|蛍の出す光。また、そのようなわずかに残った火』Oxford Languageより引用
└特攻隊としてではなく、1人のその時代に存在した青年としての本能の時間
その火が艶やかに輝けば輝く程、彼らが飛び立つ空の陽の光が目に染みます
上巻という事なので下巻ですね
下巻、心して待ちながら自分の日々と時間を出来る限り慈しみ大事にしないと……と触発される1冊でした
作者は『今日はここから倫理です』の雨瀬シオリ。そちらを既読の人なら納得、イマドキ風のライトなBLとは一線を画す骨太なストーリーや濃厚な人間関係、ヒューマンドラマが展開される。
連載時はテーマがテーマだけに賛否両論だったらしい。舞台となるのは第二次世界大戦中の神風特攻隊、カップリングは従軍記者×特攻隊員、整備兵×下士官、上官×下士官など様々。
特にツボだったのは25歳で年増と自嘲する経験豊富(ただし無理矢理で受ける方だけ)の橋内。
出撃が決まり、お国の為に散る前に一度でいいから絶頂を経験したいと思い詰め、自分を抱いてくれと巨根の整備兵に懇願するシチュが熱い……!
濡れ場もまた濃厚で、これまで興味がなかった褌のよさにうっかり開眼しかけた。ヒューマンドラマに比重が傾きすぎてるわけでもなく、ちゃんとエロいからBLとしてバランスとれてる。
登場人物の大半が特攻隊員なので、死別を運命付けられているのも切ない。一方で生き延びてしまった者の罪悪感と悲哀、傍観者として彼等を記録する事しか許されなかった記者の苦悩や葛藤も描かれ、恋人たちを引き裂く戦争の悲惨さや生々しさが伝わってきた。
本作は特攻隊員を冒涜・侮辱する漫画にあらず、むしろその逆。
戦争で散華した兵士を英霊として盲目的に祀り上げるのではなく、死に恐怖し性欲に滾る一人の人間として、ある意味卑近な人間として描き切ることで感情移入を促し、当たり前に恋する彼等に死に征く義務を強いた時代の残酷さをひしひし痛感させられる。
家族や大事な人を守る為出撃する決意の崇高さを尊ぶのと、恐らくは当時もあり得た隊内部の同性愛関係を否定するのは違うと思った。臭い物に蓋してたんじゃまた同じ過ちを繰り返すだけ。
癖強めの絵柄なのでぶっちゃけ好みは分かれるものの、筋肉描写にただならぬこだわりがあり、ストイックに引き締まった裸はセクシー。
キャラクターとしては死に怯えて周囲に当たり散らし、下士官を性欲の捌け口にせざる得なかった八木も好き。
実際いそうだな……いただろうな……と思わせる人物造形がリアル。
特攻隊の志願兵を募る時、自分だけ踏み出せず俯くシーンは痛々しすぎて直視できなかった。
第二次世界大戦末期の最中にいる特攻隊員…と、題材的にも内容的にもとてもセンシティブなものなので読む人を選ぶ作品だと思います。
フィクションとはいえ好悪は分かれるでしょうし、良いものだからぜひ読んでと気軽におすすめは出来ません。
ですが、どうしようもなく惹き付けられるものがあります。
自分はどうしてもこの題材で描きたかったのだと、描き手のこだわりと熱量を強く感じる作品でした。
いつ命を落とすかも分からない、死と隣り合わせの世界で日々を生きる、時代に翻弄された特攻隊員達のオムニバスストーリー。
一編毎に主役を変え語られる彼らの人生は、あまりにも切なく、儚く、愛おしく、胸が締め付けられるものばかりです。
閉塞的で極限とも言える状況に置かれた中での繊細な人物描写と心理描写が素晴らしく、生々しくもある人間ドラマの数々。そして、まるで登場人物達の感情が乗り移ったかのような勢いのある見事な筆力で描かれる物語に否応なしに一気に飲み込まれます。
なんという作品を読んだのかと、読中読後共にただただ圧倒されるばかりでした。
一部濃厚な性描写も含まれますが、こちらの作品に関しては必要不可欠なものだと思うのです。確かな生を感じました。
恋や愛など、簡単な言葉では表現が出来ない濃密な関係が描かれています。BLというジャンルの枠には収まらない作品かもしれません。
上手く言葉になりませんが、彼らの人生を読めたことが嬉しいです。記憶に残る素晴らしい作品でした。
引き続き下巻が発売されることを切に願います。
全てを読み終えた方はぜひカバーを捲ってみてください。
(以下、紙本と電子版2種の違いについて)
紙本:全228P(特別描き下ろし:淀野と八木,if収録)
電子:2種類有り
◎通常版(紙本と同内容収録)
◎うす消し特装版(全428P/電子配信のみ/成人向※倍額)
・成人向け加工(黒短冊)が施された本編(紙本は白抜き)
・描き下ろし:淀野と八木
・学生運動を描いた読切「どうして波瀬は笑ったか」
・本編第4話~第6話ネーム/下書き/ifの話/カラー他収録(ネーム下書きの割合が多いです)