イキガミとドナー 二人のイキガミ 下

ikigami to donor

イキガミとドナー 二人のイキガミ 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神145
  • 萌×225
  • 萌6
  • 中立6
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
16
得点
849
評価数
182
平均
4.7 / 5
神率
79.7%
著者
山中ヒコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784396785628

あらすじ

【滝編】元官僚・柴田に恋した二人目の戦神

最果てまで逃げても。

柴田と春人の時間から10年。  

柴田をずっと好きだったイキガミの滝は
防衛省を辞めて無気力になった柴田に
情熱をぶつけ、体だけの関係を許された。

そんな滝は春人の存在を知り、苦悩する。
柴田には人生の歩みを
進めてほしいと気持ちを注ぐが、
姿を消されてしまう。

地方を転々と逃げる柴田と、
それをひたむきに追いかける滝。
出会うたびに体は重ねる二人の
旅路の終わりは―――。

ドラマチックSFラブストーリー。

表題作イキガミとドナー 二人のイキガミ 下

滝 湊(イキガミ)
柴田 直純(春人のドナー),防衛省イキガミ班職員

その他の収録作品

  • Epilogue「送り火」
  • ショート劇場「10年」
  • イキガミとドナー番外編「もっと早く、もっと遠く」

レビュー投稿数16

全部じゃなくていい。

※前作『イキガミとドナー』のネタバレを含みます

(上巻のレビューからの続き)

失踪を繰り返すわりに、なんか中途半端に滝を受け入れる柴田。本人は無自覚だけど、滝に甘えきってるんだろうな。滝ならきっと追いかけてくるって、知っているから逃げる。
考えたら、二人にはすでに7年もの歴史があるわけで。滝に想われ続けて、絆される下地はとっくにできていたんですね。
この10年、柴田は復讐に取り憑かれていたようで、やっぱりちゃんと人間らしく生きていたんだなって思います。鬼道のことも、復讐に利用する思惑もありつつ、孤独な彼を守りたい気持ちもあったんじゃないかな(もちろん無自覚で)。あの鬼道が感じ取れるぐらいには、そして滝が嫉妬するぐらいには、鬼道を気遣ってきた。
悲願を遂げたらもう空っぽなわけじゃなくて、この10年で新しく築いたものもある。それが滝や、鬼道や、吉野との関係。
鬼道といえば、前作では「オレ バナナ スキ」レベルだったのに、「今はこんくらい溜まってる」なんてね……成長したよね。グッときたよ、鬼道。

柴田にお店のものを「全部」あげたいと言う滝に、おばちゃんがくれた「うちで一番」のりんご。全てを捧げるんじゃなくて、自分の一番のもの、ただひとつでいい。柴田は滝からそれをちゃんと受け取ったし、自分から伝えることもできたんですね。春人には渡すことができなかった、「好き」という気持ち。

エピローグは、斜め上の展開に面食らったけど、やっぱり泣きました。
春人と遠慮なしにギャンギャン言い合ったかと思えば、目の前で抱き合われても同情の眼差しで見守っちゃうし、仲良く3人で海に行っちゃう滝が好き。今、柴田の隣にいるのが滝で良かった。
読む人によって解釈が分かれるところだと思うけど、私は、来年はもう春人は来ないんだろう、という気がします。
柴田がまだ春人に想いを残しているのをその目で見て、しかも今回のことを柴田は覚えてはいないのに、それでも「来年もおいでよ」と呟くような滝だから。最後の春人の微笑みは、そういう意味なんだと私は受けとりました。

シリーズ通して辛い話ではあったけど、辛くて可哀想だから泣くだけじゃなくて、人を想う心の深さに泣かされる作品でした。

2

晃子

「来年はもう春人は来ないんだろう」という解釈に、なるほど、とハッと気づかされたというか、すごく納得できました。あなたのおかげです。
私はあのほのぼのとしたエピローグが好きです。
レビューにその解釈を書き込んでくださってありがとうございます。

俺の優先順位の1番………(*˘︶˘*)と鬼道の恩返し

シリーズ読み切りました…!

「二人のイキガミ」はストレートなBLというより柴田さんの済生物語ですね
上巻で知った柴田さんの「闇」
この闇はきっと復讐だと思っていた行動を遂げた後もスッキリしない想いや、失くした春人の痕跡を抱えていたりって所もあっただろうけど、、、1番の闇の根源って「春人に想いを伝え、応えきれなかった」と思っている後悔なんだろうな。。。

でも、ちゃんと2人はパートナーとして愛を誓い合ったのだから「出来なかった事」ではなく「して来た事」をちゃんと忘れずに思い出して過去に囚われず逃げずに進んで欲しい

そしてどんなに柴田さんが逃げても必ず追いかけてくれる滝くん
ここまで真っすぐに手を差し伸べていくら振り払っても追いかけ続けてくれる。。。
圧倒的な光ですね
優先順位は自分(柴田さん)だと言い切り、俺でいいじゃん、と縋って来る圧倒的な光のワンコ

「たられば」を言い出すと人生はままならない
なので春人が「いたら」、、、は考えない
でも過去の春人を忘れない
春人との時間を過ごした今の柴田さんを全力で求めてくれる滝くんと春人の思い出を抱えたまま幸せになっても悪い事ではない
きっと滝くんはそんな柴田さんの想いごと寄り添ってくれるんだろうから

1番グッと来たのは鬼道の柴田さんへのメッセージでの恩返し
甘過ぎない、前向き過ぎない、でも1番素直で嘘のない言葉
きっと鬼道は恩返しだなんて思っていない
だかこそ届く真意
鬼道と柴田さんの過去に実は1番感動した下巻でした

そしてちょっとした間でも吉野にちゅってしちゃう鬼道…♡
萌えちゃいました(ღ˘͈︶˘͈ღ)

2

柴田頑張って生きて欲しい

柴田さん、これらを抱えて生きていくってしんどいね
目のことがあって、春人が失ったのは柴田の左腕だって思っちゃうもんね
イキガミとはいえ子供を殺すって、春人ってそんな人柄じゃないのに、本当残酷だよ〜
強いイキガミは本当気の毒
柴田や吉野は救うのが自分の愛するイキガミだったけど、全く巻き込まれただけのドナーの人らはたまったもんじゃないよね
自分のしたことの報いですらなく、自分の生きていく体をパーツ扱いされるの死にたくなるほどストレスでしょう
イキガミはSDGs的にダメだし世界的になくなる方向に、当然に治すようにならなきゃだよね
なくなったから物語にできるってくらいになってくれ

3

意外な感動

前作とあわせて購入し、一気読みしました。
正直言って、前作を読んだ段階ではそれほど心に響きませんでした。
イキガミの設定がなんとなくふわふわしてるし、絵柄が古くてクセが強いし、戦闘シーンに迫力がなくて緊迫した状況のはずなのに動き止めて長々話してるしでリアリティがない…
大事なところはそこじゃないんだと思いますけどね。

ところが、本作上下巻を読んでみたら、いい意味で裏切られました。
読みやすくてキレイな絵柄になっていて、柴田さんは色っぽくて、こんな人だったっけ⁉︎ってなりました。
あと、時々出てくる鬼道は超美人。
戦闘シーンは、少なめだからか違和感なく読めました。

柴田さんの過去、つらいですね。
自分の言葉に縛られて、春人に応えてあげなかった後悔が切ない。
きっと滝にはちゃんと気持ちを伝えたんでしょうね。
賛否両論ありそうなエピローグは、本編というより書き下ろしのおまけマンガ的な気持ちで受け止めました。

柴田さんをめぐる2人のイキガミのストーリーではありますが、私が1番グッときたのは吉野の言葉でした。
鬼道と吉野を復讐に巻き込んだと言う柴田さんに対し、吉野がパートナー兼ドナーとしての「喜び」を語るんですが、愛が深くて尊い…
柴田さんも、左眼の提供の時きっと同じこと思ってたでしょ…
じわじわと心に沁みるお話しでした。

5

二人のイキガミ

本作はスピン元より戦闘シーン少なく「二人のイキガミ」だから、柴田メインのお話ねとふむふむ読んでいき。
再生できる?と心配になるくらい重〜い十字架を背負った柴田だけど、意外とスムーズに滝に素直になってよかったねと。

そしたら春人の幽霊が出てきて3人で過ごすエピソードが長めで、ここで「二人のイキガミ」てこと?!とちょっとビックリしました。

でも柴田、春人にとって思い残したことが体験できてこれまたよかったよかったとなりました。

ショート劇場でまたまた吉野を迎えにくるドヤ鬼道が見られてテンション爆上がりしました。
スピン元でも激萌えだったシチュエーションがまた見られて大満足です。

4

色々な人の思いを知って

春人を失ってから柴田がひとり抱えてきた苦しみは、時間が解決してくれるものではなくて。
想いを寄せてくれる滝の手を取りたい気持ちはあるけれどそれもなかなか簡単ではないので、ハッキリしない関係がずるずる続いてしまうというなんとも歯がゆい展開に。

イキガミに殺されそうになっても抵抗しないままの、どこか諦めたような柴田の表情を見てすごく悲しくなってしまったけれど。
目を逸らしても真っ直ぐに想ってくれる滝のおかげで少しずつ柴田は前を向いていくので、たくさんのツラい思いをした過去ごと救われたのではないかなと感じました。

他のイキガミやイキガミに関わる人達との問題も一緒に描かれているので、滝と柴田の恋愛の部分にはちょっぴり物足りなさもありましたが…
柴田の内側を知るためには、色々な人の思いを知ることが必要だったのだろうなと納得できました。

これから先、彼らの住む世界はどんな風に変わっていくのでしょうね。その未来までも想像して楽しめる作品だったなと思いました。

5

スッキリしないけど、心にずっと残る作品

読み終わってから、なんとも言えない気持ちになりました。
「え?ここで終わり?」「ん?これは現実なの?」「どういうこと??」と、正直、どうやってこの作品を消化したらいいのか、どうしたら自分の思いがまとまるのか、わかりませんでした。
今でも、どうレビューしたらいいのかわかりません。

イキガミは本当に特別なんですね。死んでも終わりじゃないんですね。
柴田にとって亡くなった春人以上にはなれない切なさをずっと滝は背負っていくんですね。
ただの想いだけじゃなくて、それが1年に1度でも帰ってくるなんて。亡くなった人への想いにはぜったいに勝てないのに。

スッキリした終わり方ではありません。ハピエンなのかメリバなのか、読む人によって感じ方が違うかもしれません。
何度も読んで、その時の自分の年齢や状況によって感想や考えが変わっていく作品だと思います。
この作品は前作を通して、ずっと何度も繰り返し読む作品になりそうです。
きっと何度読んでも、自分の思いはハッキリできないような気もします。でも、心に残る作品です。

12

全てが詰まっている

ついに終わってしまったか...と寂しい気持ちでいっぱいです。

常にハッピーというわけにはいかず、柴田の過去と現在からしてどこか悲しく静かに進んできた上巻。
柴田の周りは陽だったけれど、彼自身は鬱々とした陰の雰囲気をまとっていて、真意を読み取ることが難しかったです。

下巻では柴田の気持ちはどこにあるのだろうか、と読み進めていった最後。
こういう展開にするのか!と驚いたのは事実ですが、「ずっとこうしていたい」という言葉に全てが込められていると感じました。
ここがあることにより柴田の素直な言葉を聞くことができます。
彼の気持ちを考えて、じんわりと涙がでてきてしまいました。

イキガミに翻弄されてきた柴田が、2人のイキガミと関わることにより愛を知る。
まだまだ不安定さも見られますし、どうしても春人の影はちらつくと思いますが...
滝が全てを払拭するのだろうと思っています。

エピローグだけを何度も読み返してしまうくらいには、このエピソードがお気に入りです。
眠ってしまった柴田へ呟いた春人の言葉が彼を的確に表していて、切なく堪らない気持ちにさせられました。

物語的にハッピーエンドなのかはわかりませんが、柴田と滝にとってはこれからの明るい未来が待っていると信じています。

12

やっぱりするめ系

ヒコ先生のご本って、何回でもよんじゃう本なので「するめ系」。柴田の様子に安堵するところもあり、引き続き切ない気持ちにもなり、そして「わーーーーーここで終わるんですかい!」と思う気持ちにもなり。既に5回は読んだ気がするのですが、すごーくハッピーな気持ちになれるという訳でもないので、神に近い萌2にします。雑誌掲載分を加筆修正したもの+あとがき。

滝の前から姿を消した柴田のもとに、あるイキガミが尋ねてきて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
鬼道+吉野、老いたイキガミ数名、諸事情により引退したイキガミ、官僚、イキガミの妻ぐらいかな。鬼道の、ある1Pがすごく好き。そう、こんな風にすごく刺さるところがあるからするめ系になるんだな、って今ようやくわかりました。

++すごく好きだったところ

滝の前から姿を消そうとするんだけど、柴田が持っていくんですよね。滝からもらったリンゴを。たった1個のなんの変哲もないリンゴなのに。心をとっても残しているじゃんか、とリンゴで分かる、そこが好き。

あと好きだったところは、鬼道が「柴田に優しくしてもらった」ことを話すシーン。この1Pも沁みたなあ・・・鬼道じゃないですか。すんなり柴田に感謝を示す訳ではないんです。ちょびっと。指と指の間の5センチぐらい。ちょびっと優しくしてくれたって。毎年。だからこれぐらい溜まっているって。だから何かあったら呼べって。沁みて心がいっぱいになる感じでした。好きなんです、このシーン。

人生、まっすぐ、その時にやれることをやっていれば、良いことがあるかもしれないって思えて、嬉しかったです。

滝は頑張って柴田さんと一緒に居られることになりますが、最後の最後にあらまあ、春人再び!なんです。びっくりしたなあ。私は春人が好きなので、ネガティブな印象は無かったですが、「こうきたか!」とちょっと驚いた展開でした。先生はなんでこういう展開にしたんだろうな?とちょっと心持ちをお聞きしてみたいわと思いました。

誰におススメすればいいのかなあ?前作好きな方だったらおススメできると思いますが、うーん。単純なハッピー話って感じではないので、ヒコ先生ワールドがもともと好き!って方だったら安心しておススメかなと思いました!

12

消化できない ずっと心に残る作品

この数日この作品の事ばかり考えている気がします。上巻のレビューが全てなんですが、瀧くんと生きていく柴田さんを応援しようという気に少しずつなれた気がする。

春人と幸せになって欲しかった気持ちはなくならないし、柴田さんから喪失がなくなることはずっとないと思うんだけど、「なんでもあげたい」って言った滝くん「来年も帰っておいでよ」って言った滝くんを読者も受け入れようって気になってきました。

柴田さんが可哀想で、可哀想で、自分を許せなくて、春人がずっとずっと好きで、春人と一緒にいた時間をずっとずっと忘れられなくて辛くて「助けて」って滝くんに言ったのが可哀想で可哀想で‥幸せになってほしい、少しでもって思いました。

BLじゃなかった。BLとして読んでなかったって今気づきました。こんなに第3者目線じゃなくて物語にがっちり掴まれて理性的でいられなくなったのは初めてかもしれません。

すごい辛いけど出会えてよかったです。

12

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