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kimi to unmei ni tsuite no hanashi ga shitai
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
この世がオメガバースであったら、こんなこともあるんだろうなと思える不思議と現実的なお話でした。
【高校時代から付き合い始め、今は一緒に住んでいる響と幸史郎。2人ともベータであるが故の『運命』や『番』への憧れや諦めを抱えている。響は、過去にバース検査の誤診があったニュースをきっかけに再び感情が揺れ動くが…】
オメガバースに関しては作品によっていろいろな設定が存在しますが、こちらはベータ同士は妊娠しない設定のようです。今のところ同性ベータ同士の婚姻制度もないみたいです。その辺りが話の筋にも大きく関わってくるので、そこは序盤ではっきりしておいてほしかったですね。
アルファとオメガであれば、いわゆる『運命の番』だったり同性間でも妊娠可能であったりと、カップルが深い絆を結ぶことが可能です。しかし主人公2人はベータであり、男性同士であり、公的な繋がりも持てない状態。そこに様々なジレンマが生じるわけですね。
…つまりこれは、確かにオメガバース世界のBLなのです。男女間のカップルで認められていることがゲイカップルでは認められていない。そのギャップに悩む展開はオメガバースでなくとも良くあります。それが『男女』だけでなく『バース性』にも及んでいるのがこのお話のテーマかと思います。
アルファやオメガであれば番になれたのに、男女なら家族にすんなり紹介できるのに、ベータの男同士だからままならない。葛藤がつらいです。響が再検査したい気持ちも良く分かります。そこを幸史郎が妊娠問題へと繋げてしまうのは少し短絡的ではありますが、きっと幸史郎自身がそれを望んでいるのかもしれませんね。切ない。
どの世界観でもジェンダー問題というのは難しいものだなぁと、真面目に考えてしまいました。ええい、こうなったらみんな妊娠できる世界であれ!(笑)
前情報無しに読んだので、最初オメガバースの世界観だと知りおっ!?となりました。
……が、よくあるα、Ωの二人の話ではなく、
β同士のカップルの話です。
高校時代の同級生でもある響と幸史郎は卒業してから同棲をするラブラブなカップルです。ただしそれは家の中だけ。
αでもΩでもない男二人が外でイチャつくわけにもいかず、Ωの後輩が堂々と『彼氏』と同棲同士の付き合いを話しているのを羨ましく思う…という流れです。
オメガバースの世界ですが、話自体は同性同士で付き合うことに対する世間の目や自分達の将来、家族との関係……など、リアルさがある内容です。
自分がβでなければ、お互いにα、Ωだったら運命の番として周りからも受け入れて貰えたかもしれないのに……と悩む姿が見ていて切ないです。
また、αの真似事をして相手に噛み付くところも意味が無いのにしてしまうところが痛々しいです。
ただ、お互いに話し合える二人で、周りと比べる事無く自分達にとっての幸せを見つけていける明るいラストで良かったです。
何か大きな事件がある訳ではなく、淡々と日常が過ぎていく静かな、しっとりとしたお話でした(*^^*)
えちシーンもありますが、サラッと描かれています。
オメガバースの世界でのβ同士、つまり普通の男性同士のカップルのお話です。
αΩなら男性同士でも番えて子供も持てるのに、β同士は違う。両者が同じ世界線にいれば色んな感情が渦巻くのは当たり前。盲点だったなぁとある意味感心してしまいました。
終盤の2人の会話にそんな正直な気持ちが表れていてすごく切なくなりました。2人の幸せを願わずにはいられません。
オメガバの世界であるのにαやΩじゃなくてβ同士の恋愛を描くことに意味はあるの?と思う人もいるかもしれませんが、それは大間違いです。
オメガバの世界の中のβの男同士だからこそ、より切ない物語になるんです。
相手がβの男だということを家族や友人にさえ伝えられないやりきれなさ、このままでも愛し合っているから大丈夫と思いながらも、もしかしたら誤診かもと思ってしまう迷いに、互いにため込んでいる悩みを伝えることへのためらい。未来への不安から確かなものが欲しいと思ってしまう願望、ずっとまとわりつく運命という言葉。
ふたりの切なくて苦しい想いが溢れている1冊になっています。
でも、第一の性も第二の性も関係なく、結婚や子どももできないけど、ただひとりだけを愛するふたり。相手の為に自分のすべてを差し出したい思い。
もう運命なんですよ、これこそ運命なんですよ!!
αとΩだけが運命で真実の愛じゃないんです。
それがこの作品には溢れています。
オメガバの世界だからこその「君と運命」なんです。
青梅あお先生の作品はどれも優しさに溢れていています。
比較的さっぱりとした絵柄なので、エッチなシーンも官能的とは言えないかもしれませんが、その中でも愛し合うふたりの顔、肩や首元が赤くなるところや幸せそうに抱き合う姿はとても愛があり丁寧に描かれています。
2023年のBLアワードでディープ部門にノミネートされました。
ぜひこの機会にたくさんの方々に読んでもらいたい作品です。
オメガバースの世界でのβ同士カップルのお話は珍しいなと思い手にとった作品でした。
高校時代から付き合っていて変わらずに幸せな日々をおくっているけれど、β同士なので番うことができない苦しい気持ちをずっと抱えている響と幸史郎。
「運命の番かも?」と思ってしまうくらいの素敵な出会いの記憶が結果的に彼らを縛り付けてしまっていたのでしょうか…
どうやっても変えられない現実と向き合い続けるふたりの思考が微妙にズレてすれ違ってしまうのがすごく切なかったです。
でも、目に見えないモノでの繋がりに少し臆病になっていたふたりがお互いの心を明かすことができたあとのスッキリした顔を見て、ふたりにとってはこのすれ違いも必要だったのだな感じました。
結構重ためなお話でしたが最後にモヤモヤを残すことのない結末で良かったなと思いました。
はじめましての先生でしたが大変よかったです
出会った時から運命を感じ運命の番に違いないと思っていたのにβ同士で自分たちが惹かれあったのは運命の関係ではなくただの一目惚れだったと分かる
惹かれ合う気持ちに運命とか関係ないはずなのにそう名打った存在がある事で弾かれた自分達の存在が頼りない受け入れられないものだと感じられて…
オメガバースの世界だからこそ同性同士でも惹かれ合うと言うことが当たり前。でもそれはあくまでαとΩだけに起きるもの、という世界感です。αとΩの関係があるからこそ同性同士全般に対して寛容な世界観のお話もありますが、このお話の世界観はよりリアルです。
証を持つ存在がいるからこそ、そこから弾かれた人間はやはりマイノリティに過ぎないのか。
当事者の抱える認識されないと言う寂しさや不安をとても丁寧に描いていらっしゃいます。
誰かは証があるのに自分にはない
と言う事はオメガバの世界だけでなくどこにでも感じられる題材だと思う
例えば結婚、例えば子供、あるいは仕事、誰かができているのに誰かは持っているのに自分たちにはない。それは決して不幸ではないと思うけれども何か自分を不安にさせる。こんな感覚はとても身近な気がします。
たった1人で大丈夫と言い聞かせるにはとても切なくていつか折れてしまうような気がするけど、2人は互いの手でお互いを支えているし時に波は起きるけど彼らは難破船に乗っているわけじゃない。
ゆっくりオールを漕いで進んでいってほしいと願ってやみません。
物語の素晴らしさに震えながらも、彼らを優しく見守る視線が増えますようにと本を閉じました。
穏やかな物語の中に先生の描こうとしたものがはっきりと伝わってくる素晴らしい作品だと思います。
神作品とさせていただきます。
β×βって珍しいなと興味が沸いて、うっかりあらすじを読んでしまい(ネタバレ回避で普段は読まない)
「そう思っていた矢先、性別検査の誤診がニュースになって…!?」
これめちゃくちゃネタバレじゃない!?先が読めるやつでは?と斜めに構えて読んだら、斜めに構えてごめんなさいな展開でした。
穏やかな日常のちょっとした不安も「運命の番」という確約がないために、不安が芽生える。その不安も長年連れ添った恋人同士なら一般的なことだし、普通のカップルなのに、オメガバ界ならではの要素が加わると不安も増してくるのか葛藤が興味深かったです。
個人的には片方がβなわけじゃないから、相手に運命の番が出現する心配がないのにβ×βの何が不満なんだろう??自分はαだと思ってたの?と心無いこと思ってしまったんですが、目の前の相手と一緒に生きることを見つめ直す物語としてはじんわりくるものがありました。
初っ端からネタバレですが、最後に「思ってたよりあっさりだ…」ってセリフがあるんです。この作品も思ってたよりあっさりで、その地に足ついてるリアルさが好きです。オメガバースの世界だからもうその時点でリアルから遠ざかってるところ、オメガバースの世界で普通に生きてるβふたりを普通に描く中に見えるリアルさ。色々飾り立てたくなるところ、あえてシンプルに出来る潔さが好き。再検査して違ったとか、αやΩが間男的に絡んでくるとか、泣いたり叫んだりエロエロだったりそんな激しさはないのが良い。
強いて言うならこの流行りもとうに過ぎて発酵しかけたパクリみたいなタイトルだけ、これじゃなけりゃよかったのになと。
萌〜萌2
表紙は早朝に仕事行く前かな?まったりした時間黒髪のコがもうひとりにもたれかかってる様子がなんかいいなと思いました
オメガバースの世界ながらお話は地味めです。この世界ではベータ同士はただのゲイカップルになってるんですね~でもオメガバースの世界だから少し寂しくて切ない
だってひょっとしたら、結婚できて祝福されて子供もももてるかもしれないから…諦めきれない
周囲に認められて家族として生活できるならと思ってしまうのがよくわかります
いままでベータとオメガがくっつくお話は読んだことありますが、ベータ同士はなかったな~新しいです
運命の番だと思ってた2人は実はベータで、響の一目惚れだったのですが、実はそこにこそ本当の純愛ががあるような…アルファ性やオメガ性に振り回されることなく
一生懸命恋愛してる2人は素敵です
作者さんも作品にも予備知識無く、たまたま検索に引っかかって高評価だったので購入。
結果、とても良かった!!
表紙でオメガバースっぽさ(?)を出して無かったので、ほんわかした甘め作品かなと勝手にイメージして読んでいたら、どうやらオメガバースだし、しかもメインはβ同士のゲイカップル。
「運命の番」なんじゃないかと思うほど惹かれてるのに、どうしたって「運命の番」にはなれないし、結婚や子供を産むことすらできない2人が、大人になるにつれてお互いの将来に不安になりながら、第二性別を気にしないようにって言い聞かせてる感じがとても切ない。
オメガバースじゃなかったらただのBLで済まされそうなテーマなのに、オメガバース世界だと捉え方や感じ方が変わるんだな~とすごく新鮮な気持ちで読めました。
男同士への偏見は無いけど、第二性別重要な世界が「俺たちにとっては少しだけど淋しい」ってところが本音でとても大事なことなんだよな。
でも実は性別に左右されない自由な状態で想い合う2人が一番運命の相手なんじゃないかな~。
私が読んだことあるオメガバースはドラマチックになりやすいα×Ωが鉄板だったので(それはそれで好きですが)、比べたら平凡になってしまうかもしれないβにもスポットをあてたこの作品や、オメガバースを描くならこーゆー話が良かったっていう作者さんにとても好感が持てました。