自殺した兄の弟×遺骨泥棒

遺骨の旅路

ikotsu no tabiji

遺骨の旅路
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神16
  • 萌×215
  • 萌8
  • 中立5
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
10
得点
169
評価数
45
平均
3.9 / 5
神率
35.6%
著者
こん炉 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
プランタン出版
レーベル
Cannaコミックス
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784829686577

あらすじ

兄が灰になった夜。
弟・時生の前に現れたのは――兄を持ち去る男。
追いかける時生に男は、兄の友人・漣と名乗り「遺骨と旅をさせて」と泣きわめく。
時生は自分の同行を条件に旅を承諾したが、道中で漣の兄への、友情以上の熱を知ってしまい……。
旅は、「三人の恋路」へと進み出す――。

兄を抱えた旅は、
2人の救済と
3人の恋路へ

表題作遺骨の旅路

春日時生,23歳
畔木蓮,25歳

その他の収録作品

  • 二人の旅路
  • カバー下イラスト

レビュー投稿数10

兄の心残りが切ない

結局、兄の元が自死した理由ははっきりとは明らかにされていない。

小さい時から全てに於いて優秀な兄と比べられて育った弟は兄や周囲、環境から逃れて生きてきた。
兄のことを疎ましく思ってきた弟、時生。
漣というのは兄の親友。
実は元に恋していた。
さらに実は元も蓮のことを好きだった。

蓮に突然告白されて走って逃げたけど、思い直したのか温泉旅行に漣を誘う。

なのに直前死んでしまう。

元にはその先が見えていたのかもしれない。
好きな人と両思いになっての、その先。

同性とは後継ぎは作れない。
病院を営む父や家族の失望。
周囲の視線、噂。
弟とは今や疎遠ともいえる仲。
誰も頼れなかったんだろう。

漣と2人だけで恋愛と情欲の巣に閉じこもるには大人過ぎたんだろう。

2人とも長い間気持ちを隠し過ぎた末の悲劇。

兄の想い人をかっさらってしまった形の弟。
5年待ったって、つまり時生が漣と肉体的に結ばれるのは兄の死後5年ってことで、、、
いや、5年なんてあっという間に過ぎます。
長い時ではありません。

とにかく時生のいいとこどりはないわー

あ、エッチシーンは最後のみです。
私はエロエロ大好物なんですが、なくても大丈夫。ぜんぜんなくてもOKなひとです。
こういうお話には不要と思います。
いえ、あってもOKです。

8

向き合うための旅路(ネタバレ有り)

漣と時生と元(遺骨)の短い旅の話。
突然の肉親、友人の死に、各々がどう向き合っていくのか。
その中で、それぞれが秘密にしていたことを少しずつ打ち明けて漣と時生の距離が縮まっていきます。

はられた伏線の回収が面白く、ノートのメモ書きにはドキッとしました。

最初は元の死の真相を明らかにするための話なのかと思っていましたが、違いましたね。
元の死に関して、漣は幻影を見、時生は肉親の立場から想像することしかできなかったように思います。
死者は語ることはなく、残された生者同士が必死に寄り添って生き抜こうとする話だと思いました。

漫画としては、元の死の真相が明かされた方がスッキリするのでしょうが、語られないというのまた一つの面白さだな〜。

時生がボロボロの漣と5年間もどうやって過ごしたのかは妄想で補います!二人が上手くいったのは素直に嬉しい!!

好みが分かれる作品だと思いますが、私は凄く好きです!

4

読み手を選ぶ作品かもしれませんが

こん炉さん作品て、いつも表紙がとってもきれい。
そしてこのタイトルに、このあらすじ。いやー、つい買っちゃうよね、という素敵さを秘めています。




主人公は時生。
優秀で、子どものころから「優等生」だった兄・元が自殺した。
その兄の葬儀の晩、兄の遺骨を盗もうとしている男と時生は出会い―。


兄の遺骨を盗もうとしていたのは蓮と名乗る兄の友人だと名乗る青年。蓮は、元と行く予定だった旅行に元の遺骨とともに向かいたいと言う。優等生だった兄の死をこれほどまでに悼んでくれる蓮の存在に興味を引かれた時生は、蓮とともに、兄の遺骨をもって一緒に旅に出ることにするが。

ストーリーとしてはかなり王道って言うんですかね。
予想通りというのか、そういう展開だよね、という部分を大きく覆すことはない展開です。

が、時生と蓮という心に大きな穴を持った二人が、「元」を介して繋がり、そして大切な人を喪ったという共通の心の痛みを抱えて少しずつ心を通わせていくストーリーに心が大きく動かされました。

キズを舐めあうのではなく、二人の心の穴の形に、お互いがぴったり嵌まった。
そんな感じがしました。

今作品は時生×蓮のお話ですが、元という青年が不憫でしたね。
彼は自分自身に枷を嵌めてしまった。
蓮を愛し、一緒に生きてくこともできたはず。けれどそれができなかった。
だから蓮を、一緒に連れていきたかった。

そこが蓮と共に生きることを選んだ時生との違いだったのかなあ…。

人の死を描いた作品なので全体としてはダークでシリアスなお話なので、もしかしたら読み手を選ぶかもしれません。が、決して「死」をメインにとらえたストーリーではなく、「生」へのエールのような、そんな作品だったと、私はそう感じました。

4

悲しくも美しい、読ませる

死人が出る話とかシリアスな話とか悲しそうな話は基本読まないのですが縁があって手にとって読んだところすごくよかったです。引き込まれる、努力しなくても話に入り込ませてくれる。確かに辛く悲しい内容だけど終わり方に救いがあって嫌な気分になりませんでした。絵も綺麗。映画のような話で実写化したらいいのではないかと思いました。

1

兄の優し過ぎる優しさに包まれたふたり

私は主人公2人以上に、ほんの少ししか登場しない兄の『元』の偽りのない優しさが全編を包み込んでいて、彼の思い残しを残された2人が知ってゆく、まるでロードムービーのように感じました。

兄の『元』は何もかもに恵まれているようでいて、実際には彼の望むものは何ひとつ手に出来ないでいるどこまでも優しい男です。彼は両親や地元、先生や同級生といった周囲の全てに見えないレールを敷かれ雁字搦めになりながらも、そこから外れる事は多くの人を傷つけると考えていたように感じます。

比べられて卑屈になり疎遠となった弟の事も心から心配していたと思うし、好きな人とずっと一緒に居たかったと思います。彼は“我”をはらず“争い”を避け懸命に生きていた事でしょう。彼が示すサインは図書館の落書きのように細やかでした。

誰も傷つけたくなくてどうしていいか分からなくなって追い詰められた彼の選択は最悪の形に思えるのですが、彼はそうまでしないと解き放たれなかったのかと思うとその健気さに愛おしささえ覚えました。

亡くなってもなお、兄の『元』は弟と好きな人を見守り続けます。2人は別々の角度から見ていた『元』を共有しあう事で、初めはまるで別人のように感じていたそれぞれの『元』像がパズルのピースのようにはまって、『元』の本心と優しさを知る事になります。

優等生で誰にでも優しい『元』の弟に対する愛情、好きな人に対する恋情。片方は語り合う機会を拒まれ、片方には遠い旅館のノートにこっそりと想いを綴るに留まりました。

もし、漣の想いに答えて両親や家や地元の人達の医師としての自分への期待を裏切る事が出来るのか。閉鎖的な田舎町の期待と好きな人の側で生きられない悲しみ。傷つける事が分かっているから打ち明けられなかった恋心。彼の細やかな他者へのサインは生きているうちには届く事はありませんでした。

彼がなぜ、ああいった最期を選択したのかは明確には描かれていません。ただ2人が『元』の記した細やかなサインを見つけても、5年もの間好きな人を側で見守り続け、漣がひとりぼっちにならない事を確信してやっと旅立てたのです。漣には他ならぬ大好きな弟がいてくれる。『元』は最後まで大事な人の幸せを優先してしまう哀しくて優しい人でした。

余談、もし音声化して頂けたら元と時生の兄弟を阿座上洋平さんの2役で聴いてみたいと思いました。素晴らしい演じ分けをされるのではと期待してしまいます

1

しっとり

兄を亡くした弟×兄をひたむきに想う人
って、組み合わせを意図したわけじゃないのに立て続けに3作読んでしまったせいもあり、他2作は兄が健在の時から意識してたんで、ひっかかりも少なかったけど、故人をひたむき熱烈に想い続ける人に何故惹かれるのか!?兄のことを強く想っていながらも、兄と比較することなく個人として見てくれるとこや、情の深さに惹かれるのかな…今作に関しては時生も5年間想い続けて世話焼いて少しづつ気持ちを解きほぐしていった点が良かっです!ただ、その肝心の両思いになる過程は飛ばされて濃縮されちゃって、兄と漣の悲恋に心持ってかれたので素直に良かったね!!と言いづらい…。漣が思い返して好きな気持ちを自覚するシーンはじんわり沁みわたり、兄が何を考えてたのかを思い至るまでの魅せ方、漣が兄を想う気持ちや過去のやり取りなどの盛り込み方が素敵で、兄の死にお互いに責任を感じながら焦燥感切なさいっぱいの旅だったので、5年間のことももう少し見たかったかな。このぼわーんと余韻ある感も味わい深いですが…しっとりした雰囲気に浸りたい時に読み返したいです。

3

旅路の果て

時生が自殺してしまった兄の元との最後の会話を思い出し、ひとり項垂れていると元の遺骨が盗まれそうになっていることに気付く。
骨壷を抱えて走る男を捕まえると彼は元の友人の漣で元の一部と旅をしたいので遺骨をひとつ分けてほしいと言い出し…
時生が旅に同行するのを条件に遺骨を貸し出して旅をするところから始まっていくお話でした。

切なく悲しい雰囲気で話が進んでいくなか、自殺の真相を知りたいと願う時生がこれまで元と向き合ってこなかったことを悔やんだり、漣が元との過去のやり取りを思い出しては涙したり。
その中で少しずつ元の遺した想いを回収していくような部分には美しさも感じました。

元も漣のことが好きだったけど、その気持ちを受け入れてしまったら周りからの期待や将来はどうなってしまうのか?
思い詰めるあまり自ら命を断ってしまった元が本当に不憫で切なかった。

ですがその余韻の中、急に5年も時間が経っていること、晴れて恋人同士になりセックスするという展開が唐突すぎてチグハグな印象になってしまったかな、と。
身体の絡みはなくても心の繋がりだけで十分満足出来そうな流れだっただけに
急に現実に引き戻されたような気がして浸りきれませんでした。

1

いい!題材が萌える

そうなんです。題材が良すぎて、一巻で完結させるのは難しかったんじゃ無いかな。
時生は田舎の医者の息子。次男で優秀な兄の元といつも比べられ、閉塞感を感じていた。兄からのたまには二人で飲もう、の誘いを冷たくあしらった後、兄は自殺してしまう。

遺骨を前に物思いに耽っていると、いきなり現れた畔木蓮という男性が「元の遺骨が欲しい」という。一緒に旅するはずだったのに、と涙を流す。
時生は遺骨を旅行の間、貸すと言い、自分も行くと言う。

二人は元の思いや苦しさを思いながら、時生は蓮に惹かれ始めて…

ちょっと駆け足になっているんですよね。蓮に惹かれているところが。
もったいない。めちゃくちゃ萌えるシチュな気がするんですが、さらっと流れていくストーリーになっていて、あれって言う間にくっついて終わってしまった。
元の思いが蓮を連れて行こうとしているシーンとかも良いんですが、そこで時生の想いを告げて終わっちゃう。(ちゃんとその後結ばれますが)
数年後の彼らも好感をもって読めました。流石に直後に付き合うとかは萎えそうだと思っていたら、時間をかけながら二人の距離を縮めてたんで、これまた素敵な話じゃ〜とは思うものの。あっさり結ばれちゃうんで。

非常に勿体無い!!!と思う作品でした。

1

生きていてこそ報われるんだよね

某会社のポイントを交換したら思いの外賞味期限が短くて 何かないかと焦ってタイトルだけで買っちゃいました

ちょっとミステリアスで気をひかれません?【遺骨の旅路】だなんて


そんなこんななんですが 実を申せば こん炉さんも数冊読ませていただてるわりにしっくりハマれずにいたりします

読んだ時の自分の状態やら年齢やらがダメなんですかね?
いいな 好きだな とは思うんですけど最後でまくられるというか
あとを引くような感覚がいまいち持てなくて 大概に失礼な話なんですが

なので これ以上失礼にならないようにしっかり読み込んでいきましょう ←自分でハードルあげてるよね?


いやぁ 紙が薄くて持ちづらい
ぺろんぺろん ←やめろ そういうの



自分の中にいる疎ましい存在の兄を慕うその男に自分の知らない兄を感じ 叶わなかった約束を果たそうとする彼に興味をもった

あの なかなか込み入った話なんですが 弟と兄の友人の部分だけ見ていれば 何にも囚われていなかったものに囚人が救われていく話なんですよ

囚人って聞こえ悪いな 囚われ人ってやつなんだけど

兄と比べられることに囚われてた弟と
家に縛られ 誰かの理想に囚われていた兄

自分にとって大事なことだけあればいい
自由であるものから投げつけられた言葉が そう強く訴えかけてくる


自分を生きるために 自分らしく生きるために選ぶもの
選んだ結果傷つけ打ち砕いたもの

友人への恋心を打ち明けた途端にお話はデリケートな部分をえぐるようになってくるんだけど 故人の思いが明かされてないままだからこそ 自分こそが って自責しあって 互いを慰めることすらできない

囚われたことから逃げることしか出来なかった兄弟
兄が手にした唯一の安らぎが 兄自身の首を絞める存在になっていく

ツラい 辛すぎる がッ!だからいいッ!
いいんだけど んんん やっぱり最後のこのまくった感
だらだら間延びするよりは綺麗に終えたのかな?
いやぁ その5年の歳月の歩み寄りの部分が欲しかった

忘れられない人をひきずって それでも諦めず側にいてくれる人の存在を噛みしめるのに

いや悪くないです 
悪くないからこそ 幻覚か幻影か妄想か 自由を求めた兄の想いを見たところから 弟自身が彼を失いたくないと思う行の『堕ちる』瞬間が欲しかった ←だから落ちたじゃん 屋根から

彼を知ることで 兄を知った弟はいい
失った彼を大事にしながら前にすすめた彼もいい

じゃあ 死ぬことでしか自由を手にできなかった兄はどう報われたの?
ほんとは連れて行きたかったんじゃないの? 哀しいかな連れてはいけなかったけど

なんかすみません このお話もヒネくれ大魔王のあたしが読むには百億万年早いやつだったみたいです

兄の幻影が出たところまではほんとよかったんですよ……

3

なんか兄があわれすぎて、、

購入予定じゃなかったんだけど
メイトで見たら青緑のカバーがあまりに綺麗だったので購入。
こん炉先生の絵はクセが強いので苦手だったんですが
ずいぶんと見やすい絵柄になりましたね。
タイトルが「遺骨の旅路」と
すごく興味をひかれるし自死した兄の遺骨と遺骨を
盗もうとした友人と兄の自死をめぐる旅が
三角関係に発展?と
すごくすごく掴みはOKな感じ。。
しかし結構出おちでミステリー感を期待しましたが
地元の有力者の後継なのに男を愛してしまい〜
押し潰されたとわかりやすい
ありがちと言えばありがちなお話でした。
生きてる弟と恋仲になる最後も
思った通りなんですが
最後に5年後って場面が変わって
蓮が弟を愛する過程が全然わからないんですよ、、
そりゃあ一途に5年思われたらなんだろうけど
なんか全然感情移入ができませんでした。
お話の中心のはずの兄の元は結局2人のキューピッド?
いやいやこん炉先生だから
2人のセックス描写はしっかりあるのですが
それも見たくなかったです。
必要なのかなって現実感がないと思いました。
プラトニックな2人ならまた感想は変わったと思います。
なんか2人が幸せになりめでたしとはあまり思えなくて
終始暗かった物語の書き下ろしも
サービスエッチみたいなので
なんだかもやもやしてしまいました。
こん炉先生にはこんな思わせぶりな暗いお話より
バチくそエロを見せて頂きたいかも。
まりぱか先生の「みのりの森」もですが
自死した人を中心にしたお話は
難しいですよね、、
重厚な物語なはずがすっすとあっというまに
読めてしまうのもなぜだろう。。

7

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