「拝啓、泣きたくなるほど恋しいあなたへ」

罫線上のカンタータ

keisenjo no cantata

罫線上のカンタータ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神100
  • 萌×237
  • 萌11
  • 中立3
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
17
得点
684
評価数
152
平均
4.5 / 5
神率
65.8%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
電子発売日
価格
¥750(税抜)  
ISBN
9784834265040

あらすじ

漫画家を目指している大学生の葉治は、ひとつ上の先輩である爽人に初めての恋をした。

爽人は人当たりがよく穏やかな性格をしているが、いつも手袋をしている理由を誰にも話そうとしない。

「手紙を書くのが苦手」だと言う、彼のその手袋の下に隠された秘密とは——…。

早寝電灯が紡ぐ、『手紙』で繋がるオムニバス・ラブストーリー。

・コミックス描き下ろしあり。

表題作罫線上のカンタータ

坂上葉治,大学生で漫画家→漫画家
古賀爽人,大学生→会社員

同時収録作品罫線上のカンタータ

皆戸蒼爾(港),大学生,二次創作のBL小説書き
周防あける(スオ),美容師専門学生,二次創作の絵師

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • 時系列(カバー下)

レビュー投稿数17

いつもながら読むのが楽しくて❤︎

2組のラブストーリーをオムニバス形式で
描かれています。
この2組にも接点で交わる裏設定があります。

モノローグが多めの作家さんですが、
台詞がないコマでも魅せる描き方が素敵で
読み応えというか、好きだわぁと毎回思ってしまう。読むのが楽しくなる作品を描かれるなぁと思います。

今回は、手紙がキモになってますね。
タイムラグが生じるのもそうだけど
筆の跡みたいなところから、差出人がバレるかバレないかという萌えが素敵なアイテム?
作中のテキストも、遊び心のある書き方をされていて楽しいです。

内容については、なんといっても、
キャラにぐっときました。
1組目のカプは、私好きです〜

普段は思ったことをはっきり言うけど
大切にしたい人の前では、発揮することなく
彼の方から話すのを待つ攻め。
当たり前っちゃ、そうなんだけど
ラブストーリー上にあってはときめかないわけないのですよ。

正直、描かれる心理描写に惚れぼれしてしまって、
読み終わったあと、ちゃんと内容を理解するためにもう一回読み直したりはしたんですけど、素敵な気持ちにさせてもらったのは間違いなくて、良かったら読んでもらいたいです〜

1

手紙にまつわる切なくも優しいオムニバス

先生の『52ヘルツの共振』に感動し、他の作品も少しずつ読んでいます。先生の作品に流れる、優しさや切なさが好きです。

こちらは世界観のつながった2CPのお話が、交互に描かれています。実質中編2話といった内容です。
攻め視点、受け視点が交互にくるのも面白いです。

【葉治×爽人(1・3・5話)】
大学の後輩と先輩の二人。
葉治は、爽人に恋している漫画家の卵。爽人はいつも手袋をつけていて、少しミステリアス。
そんな二人の数年にわたる恋の話。

中盤はかなり切なさもありつつ、収まるところに収まってよかった。5話では葉治が、あることで悶々と悩んでいる様子が可愛かった。健気で可愛い年下ワンコくんでした♡

最後に少し濡れ場あり。爽人がすごく可愛くなっちゃうけど、葉治がそれにのまれず、男前なのにキュンとしました♡

【港×スオ(2・4話・書き下ろし】
葉爽編のだいぶ後年のお話。
港は葉治の漫画の二次創作をしている大学生。スオは葉治の漫画に刺激を受け、絵を描いている専門学生。
SNSで交流していた二人が、偶然リアルでも出会い仲良くなって…というお話。

受け視点の2話のスオも可愛かったんですが、攻め視点の4話、港の気持ちにめちゃくちゃ萌えてトキメキました。

この港スオCPがツボで、すごく刺さりました。
ピュアなスオと、少ーし腹黒執着でムッツリな港が大変良きです♡この二人のその後をもう少し読みたかった!(濡れ場も欲しかったw)


二つのCPのお話が交互にというのは斬新な描き方なんですが、前のシーンを読み返したい時には、少々不便でした。先生の作品は読み返したくなる内容なんですよね。

どちらも優しさや切なさのある、いいお話でしたし面白かったです。先生の他の作品も読んでいきたいと思います。

紙本購入 白抜き修正

1

流れも良い

作家さまのコミックス今までで一番好きかも!
2カップルがかかわってくる(?)お話の流れも告白の後の流れも良い。
あの短編のメッセージがめちゃ気になる。

1

変なアカウント名にしてなくてよかった

早寝電灯先生の長編が読みたいななどと思っていましたけど、先生はコンパクトな作品の方が得意なのかな?

同じ世界観の2つのCPで、手紙を軸にした1冊です。相変わらず巧みな構成で魅了してくれる。最近先生の作品に対する"巧い"の気持ちが先立って萌えは得てない気がしてきました。大好きなんですけどね。BL漫画より一般漫画読んでる感覚に近い。

5話で急に葉治と爽人の顔と身体がふっくらした気がするのは私だけだろうか。幸せ太り?

漫画や小説などの創作物も時間を超えられる手紙だなぁと。それも一度に多くの人にメッセージを伝えることもできる優れもの。

4

手紙で繋がる恋のお話。

2組のカップルの物語が交互に収録されてゆく
オムニバス・ストーリーでした。

全5話中、それぞれのカップルのお話が2編と3編。
1話目が攻め視点ならその続きでは視点が受けへと移り、
後ろの話が前の話のアンサー形式として綴られてゆきます。

1組目は大学の先輩と後輩。
集団の中で生き辛さを感じている葉治とある秘密を抱える爽人。
各々の事情から人の中に溶け込めない葉治と爽人ですが、
二人でいるときだけはありのままで、心地よさを感じられる存在でした。

同じ時間を過ごすうち、二人は互いに恋心を抱くようになりますが、
ほんのわずかな言葉の足りなさからすれ違ってしまい…。

抱く想いは同じなのに、相手を思いやりすぎて、
行き違ってしまうのがもどかしく、切なかったです。

一見明るいのに、過去の出来事が原因でその内側に繊細さを隠す爽人。
だけど、そんな爽人の痛みも不安も丸ごと受け容れてくれる葉治が男前でした。
はじめは葉治の一方的な恋慕に見えますが、話がすすんでゆくにつれて
爽人の葉治への想いも描かれてゆき、二人がちゃんと同じ質量で
想い合っているんだなぁとじわじわと伝わってきて良かったです。
甘え、甘やかし、少しずつ心を委ね合ってゆく関係がすごく素敵でした。


もう1組は二次創作活動がきっかけで出会った二次絵師と二次小説書き。
同じ漫画作品のファン同士でSNSを通じて知り合ったスオと港。
ネット上だけの繋がりだったのに、ある日、偶然リアルで遭遇し…。

同じ作品を愛するファン兼二次創作の活動者同士として出会った二人。
はじめは互いの才能への憧れだったものが、相手自身に惹かれ合ってゆき…

けれど、あるときスオは自分が港に向ける気持ちは
恋であることに気がついてしまいます。
港への想いを自覚し、恋しいと涙を流すスオに胸がぎゅっとなりました。

素直で感情がだだ漏れなスオに対していつもクールな港でしたが、
後編では彼の中に燻る作品への、スオへの熱が感じられました。

こちらの二人もまた言葉足らずですれ違いかけるも、
繋ぎとめてくれたのは手紙に綴られた“言葉”でした。

葉治と爽人、港とスオ、彼らのお話に共通するテーマは“手紙”です。
彼らの間には好きだからこそ伝えられないこと、聞けない繊細さがあって、
手紙は口では伝えることのできなかった大切な想いが込められ、
彼らを繋ぐ糸として重要な役割を果たします。
恋人になる前も、恋人になってからも、言葉を重ねて
絆を深めてゆく彼らに改めて言葉や伝えることの大切さを感じました。

2つのお話は登場人物が接触するなどの直接的ではないものの、
港とスオ編で葉治の描いた漫画が登場するなどの繋がりがあります。
その漫画『岸辺の手紙』は作中作として所々で差し込まれるのですが、
その描写がまた彼らの気持ちにリンクしていてぐっときました。

決して派手でも、劇的な展開があるわけでもないけれど、
読めばしん、と心に静かに響き、浸透してゆくような1冊でした。

6

第一印象:芸術点が高そう

第一印象は芸術点が高そうだなーっていう作品。タイトル、2カプを交互に描く形のオムニバス構成、各話に付けられた副題など、堅実なこだわりで凝ってます。あと少しでも高尚な匂いを出してたら苦手意識が芽生えたかも…っていう絶妙なラインを保ってる気がしますが、深い考察ができそうでちょっと敷居が高いところもあるかも。一つの作品として、いろんな角度から語れそうだと思いました。
最初のカプは漫画家とファン。出会い編として描かれた大学時代のお話がとても好きでした。二人が友人として関係を作っていく様子がとにかく魅力的。すごく良い!この一話で終わりでも満足ってくらいの内容でした。
次のカプは絵描きと字書き。港のキャラが好みすぎてハマりました笑。とっても可愛いカップル。
全体のテーマは「手紙」だけど、スオと爽人が書いた手紙の具体的な内容はほぼ出てきません。出てくるのは名もなき差出人のラブレターと、作中作の石に彫られた手紙です。作中作の方は内容が先出しで、読むシチュエーションを後出しにして泣かせてくるという、これもまた凝った構成ですごかったです。
個人的に港×スオが最高すぎて、カプの萌え度に差が出てしまいました。2カプ交互構成なので、葉治×爽人にも同じくらい萌えられていたら神でした。

2

手紙をキーワードにした恋物語

今回は大学の先輩後輩のお話と趣味で繋がった2人のお話です。

本カプは攻様が惹かれている秘密もちの受様との恋の顛末、
他カプは二次創作で知合った2人の恋の顛末と続編短編収録。

巻頭作をご紹介します♪

攻様は子供のころから
自己主張が強く、皆が良しとする行動しない事で
我が強いと批判されてきます。

そんな攻様ですが今、ある先輩に恋をしています。
その先輩こそ今回の受様になります♪

攻様が受様と出会いは大学の何かの飲み会でした。

気分の悪くなった攻様を受様が介抱してくれたのですが
礼を言った攻様に返した受様の笑顔が
さびしげだった事が攻様はとても気になります。

それ以来攻様は
大学で顔を合わせれば少しずつ話をするようになり
どこかふわふわした受様とは張り合う必要もなく
徐々に惹かれていったのです。

受様はいつもニコニコで人当たりの良い人ですが
自分の事をあまりしゃべず、
実は人付き合いもあまり良くありません。

それは受様がいつも
手袋をしている事と関係があるようですが
攻様は受様が話してくれるまで聞くまいと決めています。

そんなある日、
攻様が書いた漫画が雑誌に載る事が決まり、
報告した受様はとても喜んでくれます。

「ファン1号になる」という受様に
攻様が照れ交じりで「じゃあ、ファンレターをくれる?」
と言うと、なぜか受様から表情が消えてしまいます。

受様は慌てて手紙は苦手だからと言い訳しますが
攻様はもどかしい思いにとらわれることになります。

果たして攻様の恋は成就するのでしょうか!?

WEB雑誌連載をまとめての紙書籍化である本作は
2組のカプのオムニバス短編集になります♪

時系列にそうと1話→3話→5話→2話→4話なので
2組は1回り違う年代となりますが、世代差を感じさせず、
それぞれ別話ながらも微かにつながる構想で
とても楽しく読ませて頂きました。

受様を傷つけることはしたくないと思いつつも
恋した人の全てを知りたいと思う攻様の葛藤、
秘密を抱える受様の懊悩が切なく

そんな2人が心を添わせていく様に
たいへん萌えさせて頂きました (^-^)v

他カプは同じ趣味を持つ2人理お話ですが
主カプの漫画の同人活動で知合うという設定でまず萌え、
ネットから実世界に飛出した事で深まる想いに
さらにきゅんきゅんさせられました♡

カバー下に
キャラクター紹介と上記した時系列が載っています。
忘れずにペラッとしてみてください。

2

良い影響は連鎖する

 早寝先生らしい、優しい空気が充満した作品でした。2組のカップルが登場しますが、間接的に関わりのある同じ世界での話になっています。1組目は後輩×先輩。ゆったりと構えているように見えるけれど、実は繊細だったり、何か抱えた事情の裏返しだったり、という先輩に惹かれがちなので、爽人はまさにそういうタイプで私にとっても気になる存在でした。彼は過去をすごく引きずっているわけではないけれど、それがきっかけで少し歪んでしまった部分を恥じている。責めも問い詰めも、自分を取り繕うこともせずそっと寄り添い続けた葉治の存在が、じわじわと爽人に良い影響を与えていったのだなぁと感じました。

 もう1組は、葉治の描く漫画に影響された2人の読者の物語。二次創作に励む者同士、SNS上の繋がりがリアルになって…という導入には、親しいものを感じますよね。スオの素直さがとても好印象で、彼を嫌いな人なんている?というレベルなんです。彼が神と崇めている港は、そんなスオに徐々に惹かれていく。お互いゲイではないけれど、段々相手を恋愛対象として見るようになる流れが自然で、すっと心に入ってきました。恋人になったら港はきっと、もう少しSな部分を露わにしそうで、この先がもっと見たいなぁなんて思ったり。早寝先生の優しい世界観を存分に堪能しました。

1

素晴らしかった

2組のカップルのお話が交互に収録されているというのは珍しいカタチの作品だなと思いました。
手紙や漫画などどちらにも共通する部分がありながら、まったく別のお話になっているのが面白いところでした。

葉治と爽人は大学の先輩後輩。
長い時間を経て恋人になるまでが描かれています。
ひょんな出会いから親しくなり、距離が近付き爽人への気持ちは恋になり。
でもその想いは交わらずに気持ちだけが燻ったまま数年、友達の関係は続いていて。
その時々、それぞれの心境が叙情的に表されているのは
早寝電灯先生の作品ならではの美しさだな、としみじみ感じました。
葉治と爽人カップルのほうは
切なさとほんのりミステリアスな雰囲気を感じる部分もあったりして
大人なふたりの恋のお話だなという印象でした。

港とスオは同じ趣味を持つ者同士。出会いがネットというところは今どきだなと思いました。
ネットでの繋がりは手軽なのが良いところだけど、希薄な関係にもなりがち。
でもお互いが想いを伝えあうようになるまでの
その時間がとても尊くて、運命的な出会いだったんだなと感じました。
港が女の子と歩いているところを見てスオは逃げてしまったり
衝動に駆られるように港がスオに気持ちを伝えていたり…
フレッシュさがとても眩しくてキュンとしました。

港スオカップルは葉治たちの過去が少しでも違うものになっていたら、きっと出会っていないんでしょうね。
そんなところにも繋がっていくのも本当にすごいなと思いました。

5

手紙がいいアイテム

このお話を読むと手紙を書きたくなります。オムニバスですが、どれも手紙がキーになっていてほっこりします。
最初のお話は1つ上の爽先輩が好きで、いつもおごってもらう坂上。いつも手袋している先輩の秘密を知りたいけど聞けない。坂上は漫画家で昔ファンレターをもらったことがあって嬉しかったこと。先輩は離婚した母親が自分に手紙を書いてくれたけど読まずに燃やしてしまって何が書いてあったのかわからずじまい後悔してること。ずっと隠していた手の秘密を話した先輩。

もう一つはネットにBL小説を書いている港さんと、読者であるスオ君。
偶然カフェで出会って。お友達に。イベントに出る港さんに手紙を書いてきたスオ君。港さんのこと好きになっちゃたスオ君がかわいいです。

2CPとも手紙がお話の中でいい役割を果たしていて、メールとかで済ませがちなところ手書きの手紙いいなと思えます。それだけじゃなくてどちらのCPの恋の行方も楽しめる素敵なお話でした。

3

もう尊い!

作者買いをしました。
早寝電灯先生の作品はいつも切なくて、優しくて、雰囲気に合った美しい絵に圧倒されます。
今作も期待を裏切らず、切ないいい話でした。

一話毎に時系列と登場人物が代わり、一つの作品と手紙で繋がっている。

事前知識を入れないまま読んでいて、同じ世界線の話だと分からないまま読み進めていて、同じ本の話してるなぁとか分かってきて、最後に時系列の表見てうわぁ凄い!となりました。

爽先輩と葉治の話は本当に切ない!爽先輩の手の傷のエピソードや葉治の優しさが沁みる。

湊とスオの話は甘酸っぱいです。二次繋がりの2人がリアルで出会い、少しずつ惹かれていき、「岸辺の手紙」の内容に背中を押されて気持ちを手紙にする。

恋愛模様はとてもゆっくりで、丁寧に描かれています。創作活動についてや、アナログの手紙の力についても考えさせられました。

こんなに優しい話が読めてよかったです。上手く説明できる語彙力はないのでとにかく読んでみて欲しいとだけ言いたいです。

7

説明できないけど感動

感覚的に神だと思いました。
でもその説明が言葉ではできない感覚です。

一番最後にある時系列を読んだときに、トドメを刺されました。

二組の男の子たちが漫画で繋がっていて。

爽人の手の秘密や母の手紙を読まなかった後悔、手袋で人と深く関われないこれまで。
好きだけどとっさに言ってしまった断りの言葉。
でも繋がっていたくて苦手だった手紙を書き続けて。
何年もそばにいて…。
攻めの包容力にバンザイ!

港とスオ、ネット?メッセージで繋がって、お互い好きで好きで。好きの意味は…。
港が抱えているもの、救われたもの。

時系列を見たら、ぐわっと感動しました。
そんなにずっと一緒にいたんだー!

4

読めば読むほど

素敵なタイトルと表紙に惹かれて購入しました。
小説や漫画を創作している登場人物を含む2カップルのオムニバスでした。

葉治×爽人(1話、3話、5話)
大学の先輩後輩で、漫画を描いている葉治が密かに恋をしている先輩の爽人は何故か常に手袋をはいているのだが…というお話。
好きだから知りたいけど、訊けないという葉治の心の機微が繊細に描かれていました。
手袋の謎や、手紙が苦手な訳などを爽人が語り出すのですが、葉治には知って欲しかったんだよね。
3話は数年後、漫画家になった葉治と社会人になった爽人で、1話での葉治の告白の返事が上手く出来ずにすれ違った後にまた友人に戻った2人のその後でした。
数年後にやっと言えた率直な気持ちが温かく、ずっと耐えていた葉治の涙にも胸が熱くなりました。

湊×スオ(2話、3話、描き下ろし)
ある漫画のニ次BL小説を書いてる大学生と同じジャンルの漫画を描いている専門生のお話。
その漫画というのが葉治の作品だという世界線です。
SNSでの繋がりしかなかった2人がひょんなことからリアルで出会って…な始まりです。
伝える事の大切さ、言葉の力を感じさせられる作品でした。
描き下ろしのスオがめっちゃ可愛い&湊がエロ良いので皆様にも読んでいただきたい!

電子限定漫画は2組のカプがニアミスするお話です。
それと2組とお話の時系列が横軸で記されているのが良かったです。

1度目より2度目、2度目より3度目と、読めば読むほど良さが増していくスルメ作だと思います。
理解も深まって、また違う感想も浮かびそうな作品でした。

8

すばらしい!

既存作を読んだ時も思いましたが、先生はお話づくりがとてもお上手で本作も唸りました。

独白が文学的だったり。
モチーフとなる手紙や言葉の使い方がさすがで。
葉治の作品(漫画)を通して、港とスオがつながる構成とか。

さりげなく、さらっと読めるんだけど、いろんなものが込められていて濃い。心に残る。

それでいて、恋模様がしっかり進展して引き込まれるし、ハッと魅せられる描写に萌えるし。読後感最高です。

ただ甘いだけでなく、苦味辛味成分の織り込み方も秀逸。
爽人の手の傷は、たいていの人は共感できるだろうし。
そんな爽人の気持ちをおもんばかる葉治のことも理解できる。
やさしい気持ちになれる。すごい。

語彙力ない私はうまく表現できないので、箇条書きにて失礼します。

・各話タイトルがいい
・独白がいい。特に葉治の「俺は〜恋をしている」が好き
・葉治が爽人のことを妄想してペンが「めぎょ」となるとこw
・「きかなかったのは ききたかったからだ」
・スオが描く絵を見てスオだとわかった時の港の目と顔〜ww
・キスシーン(2組とも)
・4話の終わり方
・爽人の涙(かわーーー)
・葉治の恋とか愛とかエゴとかのモノローグ
・温泉での葉治の告白内容(重さが…好き)
・爽人さんがエロいです
・「足ひらいてるし」×2回のスオ(かわー)
・2組ともかわいい

最後に、絵も好きです。
カンタータは「声楽作品」の意味なんですね。罫線上の〜ということは、手紙、てことか。おしゃれ〜!!

4

感傷的。エモーショナル

いや、素晴らしく沁みました。
こういうのを「エモい」というんだろうなぁ。
凄く繊細。センチメンタル。詩的。

内容は、2組の友人たち。(から恋人へ)
その2組が微妙に関わりつつの、オムニバス作品です。

①マンガ家を目指す大学生・葉治と、先輩大学生の爽人。
②DMで繋がってる同じ作品のファン同士。二次絵師・スオと二次BL作家・港。
③1の2人のその後。葉治はマンガ家になっている。爽人視点。
④2の2人のその後。港視点。
で、この2組には思わぬ繋がりがある。

それぞれの恋心の高まり、恐れ、不安。
「手紙」という名の決意。
一つの秘密を明かしながら、もう一つの秘密を言えずに近づけない爽人も。
もう仲良しなのにファンレターをくれるスオに恋をたぎらせる港も。
あ〜…もう。
萌えて萌えてしょうがない。

正直ちょっと少女マンガっぽさもある。みんないい子すぎるような気もする。
でも読後感はまさに「心震える」だった。
キーとなる作中作『岸辺の手紙』も素晴らしく。
大おすすめです。

7

神です!

作家買いであらすじも見ずに買ったので、1話目を読み終わった時に、これって短編集なのか?と思ったくらい。
というのも第一話も第二話も、それぞれが短編の一つとしても楽しめる完成度だったから。

私は早寝電灯さんの短編が好きなんです。
見せ方とか、切り取り方とか、緩急がすっごく巧みで。
そういう短編としてでも読めるような「手紙」をモチーフにしたお話が集まって、一つの長編となっているというところが嬉しさ100%。

もうね、言いたいことはいっぱいあります。
まず、あえて「手紙」というところが、まず最高。
手紙を選んだ意味や、手紙でしか伝えられない気持ちがある。
そういうところが、繊細に描かれているんですね。

そして手紙だけではなく、「小説」や「漫画」そして「文字」そのものにもスポットが当てられている。
ちなみに1カプ目の葉治が描いた『岸辺の手紙』という漫画。
これは文盲の少年が主人公なんだけど、この漫画が通奏低音のように全編の基盤を支えていて、時折顔を覗かせて、やがて遥かなるところへ着地する。
ここが本当に泣けました。
ブラボーです。

文字って、言葉って、気持ちを誰かに繋げるために、届けるためにあるんだなぁってそんな当たり前のことに改めて気づかされる、そんな作品でした。

あと、何と言っても伝えたいのは、私は早寝電灯さんの描く「涙をこぼす」シーンがとてつもなく好き!!!
ものすごくハッとさせられるんですよね。
この作品にもそんな印象的なシーンがいくつかありました。

というわけで、この作品の魅力が少しでも伝わりますように……。







ーー

1:あい言葉は手紙にかいておいた
漫画家志望の後輩・葉治と、手袋を常にしている先輩・爽人の大学時代のお話。


2;突然のDM失礼します。ファンです。
ネットで交流していた同人BL小説家の港と、同人漫画家のスオがリアルで出会ったお話。

3:手の甲への訪い。幸いの足音
漫画家になった葉治と、会社員となった爽人。
いまだ恋人関係ではない二人だけど……。

4:遠方にいるあなたから。愛をこめて
港視点のお話。

5:書いた手紙はもう出してきた
恋人同士になった葉治と爽人のお話。

12

何が言いたいかっていうと、とにかく最高!

はぁ〜、素敵でした。
もともと心理描写がお上手な作家さんだと思っておりましたが、ストーリー運びの巧さと構成の面白さに引き込まれました。

「手紙」というアナログな手段で繋がるオムニバスで、言葉が文字が繋ぐ想いの数々に胸がいっぱいに。
二組のカップルが交互に描かれ、時系列もバラバラなのにしっかり連作として成り立っています。
しかも、ごちゃつかずストンと入ってくるからすごい!

・漫画家兼大学生・葉治×訳あり先輩・爽人
・二次創作BL小説家・港×二次創作漫画家・スオ

葉治が描いた漫画『岸辺の手紙』がキーポイントになっており、ストーリーに深みを与えています。
この漫画のラストにも泣いてしまった。
手紙じゃなければ伝えられない言葉があるのだと。

綺麗なだけじゃなく人の弱さやエゴも表現されており、登場人物一人一人に光が当てられています。
派手さはないけれど、表情の一つ一つが切実でグッとくる。
各話のタイトルも秀逸で、アニメのエピソードタイトルみたい。
エモーショナルで繊細なラブストーリーになっており、ものすごく読み応えありました。

電子の描き下ろしには、時系列の説明があります。
これがあるのと無いのとでは違う気がする。
ありがたかったです。

15

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