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僕に全てを与え、捧げてくれた人。
haruka tooki ie
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
絵もストーリーも、全てにおいて美しい1冊です。読み終わった後は、胸がいっぱいでもう一度読み直したくなりました!タイトルも相まって本当に感動でした。(なんで今まで読んでこなかったのかなと思いました!)(←気になってたけど買う買う詐欺してたのでw)
他の映画に似てるという意見もあるようですが、確かに罪を犯して逃亡してからの結末や電話で怒鳴られる的なところは既視感ありますが、全くの別物です。なんならこういう結末被っててもおかしくないよね、というぐらいにしか私は思いませんでした…また、途中過程も全く別物です。(そんなこと言ったら世の中に結末だけ見れば同じ物はいくつもある)批判している訳ではありませんが、ものは捉えようだし、感覚は人によりけりだとしか言えません…その映画を見たことあっても思い浮かばなかったので。
単なる2人の間の恋や愛の物語ではなく、過去のしがらみから解き放たれて、2人で見たい景色を見る、そのための道すがらで起こる、様々な出来事、それによる心情の変化が、とてもリアル且つ詩的に、そして繊細に描かれている作品で、とても惹き込まれます。
心情描写が丁寧な上に絵のテイスト・タッチが写実寄りなため、登場人物の感情がダイレクトに伝わってきます。思わず胸が締め付けられる程感情移入してしまう場面もありますが、そういうシーン(の描写)は殊に美しいと感じています。
【以下ネタバレ気味!】
これ程までに重く暗いものを背負って2人だけで生きていくには若過ぎた2人が、何を感じ、何に突き動かされ、最後に2人は何を思うのか。
2人が2人で生きた時間は激しくも温かく、目頭に熱いものを感じました。
上記の映画の大ファンなので…
同タイトルをかなり意識して描かれた作品なのだろうと、終始思いながら読んでしまった。
雰囲気が近い程度ならまだ分かるのですが、ラストシーンまで同じとはいかがなものかと思います。
『テルマ&ルイーズ』のファンとしては、トレースされているようであまり気持ち良く読めるものではなかったです。ごめんなさい。
血が留まらぬ持病のあるアランは、狂信的なカトリックの両親の元窒息しそうな生活を強いられていた。自由も優しさもなく絶望的な日々の中出会ったヘイデン、彼もまたひどい過去を背負い孤独と苦しみの中にいた。そんな2人が共に生きるために逃避行を始めるけれど…。
身勝手な大人の犠牲になってきた2人、ただ幸せになりたいだけなのに運命に追い込まれてもう悪い予感しかせず。切なすぎる最後に静かに涙が流れて止まらなかった…。
お互いがお互いの居場所でありやっと見つけた心安らぐ家。羽ばたいて全てから解放され楽になれたのだろうか。映画テルマ&ルイーズのラストを思い出した。
八田てき先生の作品のため、普段よりじっくりと時間をかけて読みました。ラストに近づくにつれ涙が出そうな感覚になりながら、改めて思ったことがあります。やっぱり先生の作品って難しい…… 一本の映画のような世界観ですごく好きなのですが、私の理解力のせいで全てを理解しきることはできませんでした。もう一度時間があるときに読み直そうと思います。
前評判でどんな読み味の話かは知っていたので、
先にラストシーンをチラっと見てから読み始めました。
一体どんな罪を犯してあんなことに…と思いましたが、あれ?意外と大したことはしていないんじゃ…?
土地柄とか時代背景とか宗教観とか、色々あるのでしょうけど、天国にいかないと幸せになれないほどだったのかはちょっとよくわからなかったです。
あの瞬間の二人にとっては、あの結末はこの上ないハピエンなのだろうな~とは思うのですが、
うっかり生き残ったとしてもそれで絶対に幸せになれないってことはないと思うので、逃げてんじゃねぇよ悪あがきしろよって思います。
あとは…アランは死ぬほど絶望してたのは分かるのですが、ヘイデンは…?
彼はどうもアランに出会ったせいで巻き込まれて転がり落ちていったように思えてしまいます。
絵もとても綺麗だし、一冊でよくまとまっているとは思いますが、結末が美しすぎて作者の影を感じてしまうのであまり心は動かされませんでした。
(「アラン」という存在をあらゆる不幸の元凶として読むと、色々としっくり来るし読み方として面白いと思うのですが、そうなるともはやBLではなくなるので作者の意図とはズレるんだろうな…)
「I know」
この言葉がこれほど重く、深く、そして優しい意味を持つとは思いもしませんでした。
これさえ無ければ、と思わざるを得ない出来事が多すぎて……読み終えて非常に日が経ちましたが、未だに涙を流してしまう程です。
特にあの父親との電話のシーンでは、あの刑事さんと同じように頭を抱えてしまいました。どうしてアランの両親はああなってしまったのか。
子供の為に神を信じ、願うのは良いと思います。
けれど、神の為に子供を「こうあるべき」「こうあるだろう」と抑圧・期待して信じるということがあってしまうのは、本当に悲しく思います。
言い過ぎかも知れませんが、子供にとっては、親は本当にすべてなのです。
親がどう接してくれるか、何を教えてくれるか、それらが本当に大切なことなのです。
アランが電話口で、一体どれだけの勇気を振り絞ってあの出来事があったことを伝えたか。
求められているのはこんな自分ではないんだ、と直接、はっきりと言われた時の悲しみが一体どれだけであったか。
マリアのことは、誰も責めてはいけないと思います。
読者としてアランとヘイデンに感情移入してしまっているのもあるかとは思いますが、それでも、マリアのことも、アランとヘイデンのことも、誰も責めることは出来ないと思ってしまいます。
もし神様がいるとしたら、きっと二人の選んだ道に涙を流しているだろうと思います。たとえ神様が、ユダの裏切りを予見したように、未来予知が出来たとしても、人の思考や行動を完全に制限することは不可能でしょう。
キリスト教系学校に通った程度の浅識ではありますが、唯一確実と思って言えるのは、神様は人を尊重し、どんな人でも愛してくれる存在だということです。
聖書から、一節だけ引用します。
「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」
by 日本聖書協会『新共同訳 中型聖書』マルコによる福音書 10章14節
彼らが、彼ら二人の家に帰ることが出来ていますように。
※このレビューは、引用箇所以外すべて私個人の意見によるものです。
まるで映画。私はこの漫画を読み終えた後、脳内にエンドロールが流れた。
私の人生のBL観を変えた最高の一冊。
大好きで大好きすぎて大好きだからこそ辛すぎて1週間くらい引きずった。
圧倒的な画力と映画の様な怒涛の展開や言葉遣いで一冊のボリュームが凄い。ここまで一冊で満足感を得られる漫画は早々ないと思う。
2人のそれぞれの過去と現在を取り巻く全てから逃げる様に海を目指して旅を始めた2人。まだ大人じゃない2人には限界があって……。帯の「世界中敵に回して、愛した。」が似合うそんな崖っぷちに追い込まれた2人の逃避行に涙が止まらない。理解者がお互いしかいない、この狭い世界で「2人だけの家」を探し大人達に最後まで争い続けた2人。本当に最後が辛くて辛くて思わず漫画を抱きしめて声を出して泣いた。
2人の姿を沢山の人に見守って欲しい。そして沢山の人の記憶の中でずっと生き続けて欲しい。
BL好き以外にも薦めたい最高傑作。
いつの世も2人がずっと幸せでいられます様に。
うぅ~ん、ワシにはちょっと難しかったかも (^^;)
あっ、エンディングが不満ってことじゃないっス。
メリバは別に嫌いじゃないし、アレはアレで良かったと思います。 (←何様)
でもキャラがね…
ヘイデンはなんとなく掴めたけど、アランがずっと謎でした。
行動がいつもズレてるっていうか― 会ったばかりの人につらつらと我が家の状況を明かしたり、名前が「マリア」というだけで知らない女性に執着するし…
あんな辛い過去があったのに、警戒心ないの、この子⁇って思いましたね。
実の親の愛情すらも感じた事がないっと言いつつ、どうしてそうやすやすと他人を信用するの?そこの感情の変化をもう少し現実的にして欲しかったです。
あと、せっかくの漫画なのに、なんか小説を読んでいる感じがしました。
表情とか細かい描写でキャラの心情を受け取りたいのに、ぜ~んぶ言葉で説明されてて楽しくなかったです。
ずっと辛口ですみません。
絵 (特に瞳と海の景色) は非常に美しかったです。
こちらのレビューで知り読みました。
ページを開き、すぐに引き込まれてしまいました。瞳の描き方が綺麗で印象的でした。
熱心な教会の信者である受けの両親と幼い頃の受けをレイプした神父。祈っても祈っても救済なんかしてくれない神。それらに反発して逃げ出すも、結局は拠り所として神に縋ってしまう受け。
攻めは父と母の死を引き摺り続けており、どこにも居場所がなく孤独で、街から街を渡り歩いている。
2人の逃避行の結末はそれほど悪い終わりではなかったと思います。
救いのない展開ですが、2人が出逢えたことは非常にドラマチックで尊いです。
圧巻の画力で、物語の重たく切ない雰囲気にマッチしています。ぜひ読んでみて欲しいと思います。
鬱エンド、読んだら立ち直れないなどと言われている作品ですが、まぁ映画などでありがちな話に思えて私の琴線にはふれませんでした。
あぁ、そうなのふーん、へー、と流れていきました。私の倫理観が人を殺めたらそれなりの罰を受けなければいけないと思っている部分があるので、いくら不幸な生育環境だと言えども逃避行でハッピーエンドは都合が良すぎるのでこうなるしかないなエンドでした。
この先詰むやろ描写がちょっとずつ小出しに出てきて最後追い詰められてわーーーー!って感じで終了。私的には洞窟の中でひっそり二人で心中して何故か白骨化せず死ろう化した二人だけの世界完成みたいなのでも良かったなー。
あのあたりにそんな洞窟あるかわかんないけど。
絵はとても美しいけど、ほぼモノローグで話が進むし、受け視点かと思うと攻め視点だし、ちょっとどっち視点なの?ってわかりにくくて読みにくいところもありました。
私の感受性の問題なのか、悲しいお話として描きたかった作品だなとしか受け取れませんでした。
大体の展開を知った上での購入。
読了後、皆様のレビューも大まかに読ませていただいて、のレビューとなります。
どうしても空気感にも触れないレビューにはできないので…
まっさらで読みたい方は回れ右でお願いします。
↓↓↓↓
いわゆるバッドエンド、というか、メリバともいうか。
しかし、これはやはり「耐性」がものを言うのではないでしょうか。
若くて、楽しい話ばかり読んでいた方なら。耐えられない悲しい話なのかも。
でも私のように、年の功もあり、またBL以前に悲劇系に慣れた人間なら。
ひと昔ふた昔前によくあったよな…
…という感想になる。なってしまう。
昔…って言うのも癪ではあるが、実際「昔」って小説でもTVドラマでも映画でもかなり死エンドとかお別れエンドが多かった。そんなのばっかりだった時代もある。
だからこういうの既視感だし耐性があるんです。
また他の方のレビューにもある通り、まんま「○ルマ&ルイーズ」とも感じました。
この映画も1990年くらいの作品なので、本作きっかけに映画を見るというのもありですね。
というわけで。
私としては逆に。
本作を読んで衝撃‼︎悲しすぎる‼︎涙しかない‼︎という反応が逆に羨ましいですよ。
バッドに慣れずに、いつも登場人物たちの心情に寄り添って新鮮に心を動かせる読者でいてほしいです。皮肉じゃなく本心から。
身も蓋もない言い方をすればBANANAFISHの○中バージョン。アッシュ一人でひっそり逝く位なら英二と一緒がよかった、と思った読者には刺さる。
立ち直れないほどダメージ受けるか否かはひとえに読者の免疫にかかってくるので何とも言えず。
自分はBLに限らず鬱作品が大好きで、小説・漫画・映画から大量に摂取している為、さほどショックは受けなかった。ありがちといえばありがちな話運びだし……重松清の「疾走」のが鬱。
90年代のアメリカを舞台に狂信的カトリックの親に抑圧された病弱な少年と、劣悪な家庭で育ち、母を見殺しにした罪悪感に苛まれる青年の逃避行を描いた漫画。
アランは症状から察するに血友病かな?
カトリックの宗教観がベースにある話なので、普段ライトなBLを読み慣れてる層には敷居が高い。交互に挟まれる受けと攻めのモノローグも言い回しが詩的哲学的。
美点として作者の画力がとても高い。
BLでは受けと攻め、あるいはイケメン以外ちょっと……って漫画家が多いのだが、老若男女全年代を描きこなしている。白黒なのに人種までわかりそうなリアルさ。背景や車も全部上手い!クライマックスの風と光の表現が素晴らしかった。
アランとヘイデンの外見も睫毛の質感や唇の肉感のリアルさとデフォルメの配分がよく、シリアスなストーリーにちょうどいいリアリティーを付与していた。
映画「テルマ&ルイーズ」に似てるらしいと指摘があるものの、生憎そちらは観てない為、先入観抜きで楽しめた。見ていたらまた感想が違ったかも。
個人的には1時間30分位の尺で映画化してほしい。もちろんハリウッドで。漫画より映画向きの題材な感触。
神に救済されず孤独を抱えた少年が、唯一にして最大の理解者と出会い逃避行を繰り広げる話であり、二人の関係性や宗教観の変化に終始焦点が絞られる為、ロードムービー感は控えめ。
道中絡んだ人ってマリア位だし。神父はアレだから除外。
導入から重たい雰囲気でシリアス。ギャグはほぼないので息が吐けず疲れる。
自分は絶望、鬱というより、本作に登場する大人のどうしようもなさに胸糞悪さと怒りを覚えた。
少年時代のヘイデンを救おうとし、最後まで気にかけていた警部は別として、アランとヘイデンを取り巻く大人たちがほぼクズ。特にアラン父は最低。
息子が勇気を振り絞ってかけてきた電話へのリアクションにはあっけにとられた。母親も怒れよ警部は殴れよ!!
比較的マシかと思われたマリアまで亡き息子とアランを混同して暴走するなど、大人になりきれないが故に純粋であり続けたアラン&ヘイデンとは対照的に、子供に依存する大人の狡さ・弱さ、愚かさが炙りだされたのが印象的だった。
「子供が死んだのがお前のせいだろ」発言を踏まえるに、客をとってる間に留守を任せたダニエルが死んだのか、薬や酒に溺れてネグレクトしたのだろうか?
冒頭、未成年を誘拐しただけで射殺?と疑問に思った伏線も、のちのちちゃんと回収される。
あんだけ罪を犯したらなー……あっちは銃社会だし……。
神とは?許しとは?罪とは?罰とは?居場所とは?
上記ヘヴィな問いが作中何度も繰り返されるため、軽い気持ちで読めないのは確か。「萌え」を求めるならよそに行った方が賢明。感動を求めるならどうぞ。
濡れ場は控えめなものの毎回ちゃんと意味を持たせており、ヘイデンが行為中に泣いたシーンは少しうるっときた。
ラストはバッドエンドかハッピーエンドか意見が分かれ賛否両論。確かにメリバっちゃメリバだが、個人的には悪くないラストだと思った。他でもない本人たちは納得してるしね……
あの結末しか選べなかった道程を考えるとやりきれないものの、アランにしろヘイデンにしろ、最後の最期に自分がいるべき場所に辿り着いて光を見れたのだから。
海に突っ込むシーンでスケッチした絵をばら撒いたのは、「美しいものも醜いものも見てきた」ヘイデンの視点を共有し、その全てを包む世界に光を見い出せたからかなと考えた。
「彼さえいればいい世界」を唯一の居場所として選んだよりは上記の解釈の方が好みだが、このあたりは読者一人一人の感性に委ねられる。
アランが教会で神父をアレして、磔刑象に銃弾を撃ち込むシーンはぜひ映画で見てみたいが、欧米で実写化すると色々問題あるんだろうな……。
惜しむらくは時代背景が生かされなかった事。1990年代舞台なら湾岸戦争と同期するが、その辺の社会情勢が絡んでくる事は一切なく。
神父に虐待された苦しみや教義に背いた同性愛者の罪悪感にフォーカスするなら、もっと前の時代でもよかったはず。
作中人物のビジュアルをとっても三十年以上昔とは思えず、設定が設定だけで死んでいた。
逆に現代に合わせても良かったのでは?我が子の持病がきっかけで宗教に傾倒した親は世界中にいる。
余談だが八田てきはKPOPにハマったヤクザが主人公のギャグ漫画「ヤクザの推しごと」の作者でもある。
本作の後に「ヤクザの推しごと」を読んだ人はテンションの落差に驚くはず。ダメージ中和に最適。
「表紙が綺麗だな」と思いなんの心構えもせずに読みはじめました。読み終わったあと全てを後悔しました。
こんなに泣くとは思っていなかった。途中途中でポロポロ泣いて、最後は……察してください;;
とても辛くて重くて、でも考えさせられる作品です。
宗教は人を救う為にあるけれど、それによって苦しんでいる人もいて。2人の家は2人が出会っていなかったらバラバラだったのかな。世界は暗く汚かったけれど、最後一緒に2人が帰れた家は明るく綺麗だったね。よかったねとは言えないし、2人ともが幸せな環境で生まれていたらきっと最後は違ったのだと思うけど、遠い遠い場所から、2人で本当の帰る家へ行けたことが読者の私としては嬉しいです。
文句なく神作品です。
すごい作品だと何となく評判は知っていましたが、こんな話だったとは。
罪とは、救いとは…と考えさせられます。
2人にとってお互いが救いであり居場所であり神だった。
それが私の救いにもなりました。
アランの「苦しんで苦しみ抜いて…そこで初めて生きていこうと思えることがある」の言葉が刺さります。
(余談ですが、仏教でも四苦=生老病死、生まれること、生きることが苦しみの一つだと言ってますしね)
にしても、元々の2人は何も悪くない。
被害者です。
なのに自分は罪を背負った人間だと思って生きている。
この理不尽たるや。
しかし、悲しいかな現実の世界にはヘイデンやアランが大勢いる。
アラン父も神父もマリアも刑事みたいな人も世界にはいる。
そんなことを思ってしまいました。
苦しみの中でも、救いとなり居場所になり神となる存在はいるよと八田先生は描きたかったのでしょうか。
それが破滅のような未来でも。
彼らが破滅したように見えるのは周囲の人間であり、そこで自分たちの罪に気づくとよいのですが。
そうはならないかなぁ。
少なくとも刑事さんは良き大人であり、こういう人もいるってことですよね。
本人たちにとっては破滅ではなく、記憶のない海に消えていくことこそが救いでありしあわせなのでしょう。
まるで浄土や解脱のようです。
それでも、ラストは胸が詰まりました。
冒頭から引き込まれましたが、言葉の使い方がいいですね。
特に、ヘイデンのモノローグが好きです。
アランの内面をおしはかりながら、自身の心境の変化の表現にハッとすることが多かったです。
はぁ〜読んでよかったです。
内容が難しくて理解出来ない部分もありましたが、本当に読んで良かったです。数ヶ月前に書店でこの作品を見かけた時、キラキラ青春モノかと思ってスルーしたのが悔しいです。もっと早く読みたかった!しかし、ラストにもう少しインパクトが欲しかった!
この作品を読んだ後、漠然とした喪失感を感じ、しばらく黙りこんでしまいました。
なんというか、泣いてしまう以前に情報の処理が追いつかなくなるほど悲しいと私は感じました。アランはまだ未成年でありながら全てを受け入れるようにヘイデンの罪の告白を聞いていて、まだ子供ながらも苦しい体験をしているからこそこんなに冷静でいられるのかと少し悲しくなりました。互いを本当に愛してたからこそ、この結末は2人にとって幸せなのだと思いました。
大好きなお話です。ぜひ映画化してほしいです。大きなスクリーンでヘイデン、アランの2人の"家"を観たいと思いました。とっても綺麗で、読みながら私もしばらく目が離せませんでした。アランの描く絵が、2人でいることの幸せを物語っていて心が温かくもなり苦しくもなりました。でも2人が幸せそうで、、
BANANA FISHが好きでアメリカということもあり、彼らと少し似通った部分もあるなぁと楽しみながら読み進めていました。
大人の醜さがとてもリアルでした。
事前に大まかな情報知る方が良い
はっきり言って、好まれる話ではないです。しかし、求められる話だとおもいました。
私は何の情報もなく、絵の雰囲気で読み始めました。裏表紙に逃亡劇と書いてありましたが、本当に逃亡劇でした。「明日に向かって撃て」や、「テルマアンドルイーズ」と、同じようなラストシーンに向かって行く二人の話です。こういうラストが苦手な方は避けた方が良いかもです。
もし、少しでも興味ある方は、絵が素晴らしく綺麗でドラマチックに場面が展開していきますし、
人の心と宗教の関わり、宗教は人の心を救うのか?罪を犯してしまった人の心はどうすれば赦されるのか?心の自由と、身体の自由。自由になりたい、許されたい。けど、宗教に、罪に縛られて生きる苦しさ。そういう難しい問題を絡めて、苦しくなりながらも、美しいラストシーンに向かって行く二人を見届けて欲しいです。
逃走劇は良くあると思いますが、こういう話が読んだ人の心を救ってくれると感じる人がいるので、多くの逃走劇は映画やドラマにも表現されるんだと思います。こちらの作品もそういう映画を観たような充実感がありました。
読んで損はないですし、名作だと思います。
一つ、付け加えるなら、攻めのヘイデンが二人の逃走資金を稼ぐ為に、女性相手に売春していたシーンは、、私は苦手だったので、、そういうのが地雷な方は気をつけてください。
探して探してやっと見つけた“遥か遠き家”。
メリバだと知って購入して、買ったことに後悔はしてないけど…
家族の前で大号泣したことは後悔してる。
声を上げて嗚咽が出る程の作品で出会えてよかった…
幸せになってね…
この作品が楽しみすぎて、出先から一度家に戻って取ってきました。それほど読みたかったんですっ。メリバというのは、最初の試し読みでうすうす気づいたのですがまさかあれほど切ないとは……。漫画や小説で滅多に泣かない私の涙腺が崩壊しました。電車の中で待ちきれずに読んでしまったのですが、最後のシーン、涙が止まりませんでした/// 二人にとってはハッピーエンドだったんだろうな、って。最後の、アランのセリフが一つ一つ心に刺さります。
非常に絵が綺麗で、作風や年代にあっていると思いました。涙が、美しすぎる……。二人が抱き合うシーンが、本当に好きです。何度も見返してしまいます。あまりエロもなく、上手い感じにカットされているのがまた良いです。ストーリーが最高です。なので、私の好みのジャンルでした。
個人的にはすごく心に刺さる作品で、自分にとってBLとかジャンル関係なく過去最高の作品でした。もう、何回読み返しても涙が出てきます。ただ、シリアス、切ない系が苦手な方はちょっと注意が必要かも……。でも、本当にお勧めしますっっっ!
すごい作品を読んだな…という一言に尽きます。
ダークな雰囲気と彼らの心の闇に引っ張られそうになったけれど、ものすごく暗いお話というわけではなく。彼らが辿り着いたその場所がふたりだけの安息の地であるのがわかる結末は、悲しいけれどとても美しくて彼らにとって幸せな最期になったのだなとストンと納得できました。
彼らが出会って終わりまで進んだ道はすべて彼らが選択したモノで。だからこそ迷いなくお互いを求め合うことができたのだろうなと思いました。
それぞれに囚われていたのは違うものだったけれど、それでも一緒にいることで"今"を生きることが出来たふたり。
丸く収まることだけが「終わり」ではないのだなとしみじみ考えてしまうようなお話でした。
そしてとても綺麗な絵がお話の物悲しさを引き立てていて、本当に素晴らしかったです。
次作が出たら迷わず買おうと思える作家さんだなと思いました。
私はBL作品の中でも、あまり萌えを追求するタイプではないので、最高にタイプの作品だったなと思いました。
もともとBANANAFISHが好きで、読んだ人におすすめの漫画として取り上げられていたので、彼らにどこか似てるような感じはしました。(儚い感じが、、、)でもアランに関しては、本当に狭い世界で生きていたのだなと思いました。心のどこかが欠けてるような2人だからこそ求め合うことができたんだと思います。
物語とは関係ありませんが、めっちゃ絵が綺麗です!!まつげバサバサ!!美しい!!!この絵によって、儚さが倍増しましたね!
初めてBLを読んでガチ泣きしました。最後に近付くにつれて泣きそうではありましたがまあ泣くことはないだろうと思ってたらラストの展開でもう耐えられなくて号泣しました。
BLにしておくのが勿体ない。腐女子以外の人達の目にもとまって、もっとたくさんの人にこの2人の愛の終着点を見て欲しいと思いました。
私はメリバが大好物なので、この作品の結末にとても満足しています。いや、この2人を救うのにはあの結末しか有り得なかったと思います。
ずっと自分を縛り続ける子供の頃の嫌な記憶やどうしようもない苦しみと隔絶するにはこれしかなかったと思います。
綺麗で切ない愛を見事に描ききっている作品です。
苦手な人は苦手だと思うし、後味がとても悪いと思います。
でも、1個の作品として一読してみるのを是非オススメしたい作品です。
こちらの作品に出てくる「記憶の無い海(ジワタネホ)」は映画「ショーシャンクの空に」が題材。作中でも昔の映画と書かれている洋画です。
(ショーシャンクの空にでも、男2人、事が片付いたらジワタネホで落ち合おうと約束の場所に描かれています。)
私はこの作品のキリスト教色の強さ、罪や依存・DV・宗教観に圧倒されてしまい、BLとして萌えることが出来ませんでした。
物語自体は映画を見ているようで楽しめました。BL読んで萌えたーっ!ではなく、青年達の儚いお話しを読んだな〜って余韻です。(BANANAFISHを読んだ時と似た感覚...?)
自分の年齢が上がると共に、見方が変わり楽しめるタイプのお話しだなと思いました。
世界から見放されたふたりが目指す場所を探した逃避行。最初から不穏な空気しかなくて、不安定なふたりを見ててどうしようもなく胸が張り裂けそうになる。
こういう物語ってだいたいセックス描写なかったりするんだけどちょっとだけあってびっくりした。とても好きです(突然の告白)
帯とか装丁の雰囲気から結構大変な目にあってきたふたりが安寧を求めて世界にたったふたりだけの居場所を作っていく、みたいな話かと思ったら全然違った。クソほど重い。どうしようもなく救われないふたりが哀れで可哀想でどうしようもなく尊い。あなたしかいない、世界にはあなたとわたしだけ。そんな世界観が大好き。結末的に絶対このふたりが報われることは無いし、世界から背いたふたりの結末はこうするしかなかったにしても、ふたりだけの世界で幸せになって欲しいって思った。
ガチで泣いた。闇の腐女子大歓喜漫画です。←
がちがちのがちで泣きました‼️
こりゃ本当に感慨深いお話です
アランがヘイデンに全て忘れていいよみたいなこと言ってたのがはぁ、。となりました(ここで泣きそう)
そんで旅の途中はめっちゃ2人で楽しそうだった!!かわいい!!
マリアが出てきてから結構状況が一変します
海見に行くところが最高に泣けます
アランから見えるエイデンは美しくて儚くて一生続いて欲しいと私も思える絵でした。
警察に迫られてる時のアラン本当に楽しそうだしエイデンは必死に逃げようとしてるけどアランを見て笑っちゃうところも全部愛おしい
最後2人で海に落ちるところまで全部美しい
生まれ変わったら二人の世界で楽しく生きて(TωT)
BLアワード2022の受賞作品から真っ先に買いに走った1冊。
こちらがデビューコミックスということで、素晴らしい得票数でのランクインおめでとうございます。
複数のレビュアー様が「映画のような」と評されている通り、表紙をめくった瞬間から主人公の語りが肉声を伴って美しい海と空の映像と共に頭の中に流れ込んでくるような作品でした。
どんなお話なのかざっくりと察した上で読みましたが、まんまと泣きに泣かされました。
時代は1990年冬。
狂信的なカトリックの両親の歪な祈りが充満した家で息苦しさを感じながら生きている〔アラン〕と、根無し草のように街から街へ放浪しながらも家に囚われ続けて生きている〔ヘイデン〕。
アメリカテキサス州の街ダラスで出会った青年2人が一台の車で旅に出るロードムービーもの。
普遍的なテーマだからこそ、彼らは果たして何処に辿り着けるのか、完璧な楽園でなくとも彼らなりに息がしやすくなれる場所が見つかればいい、安らげる場所が見つかればいいと願いながら読むのですが、描かれていくストーリーはリアリスティックで辛いものでした。
家を捨てたところで「家」から出られるわけじゃないということ。
そういう人種が2人で一緒にいても本当の意味でお互いを自分の居場所とするのはとても難しいということ。
きっと解る人には解り過ぎるほどに解るでしょう。
そのことに気付きながら旅を続ける2人の旅路の心許なさが胸を抉ります。
作者曰く「主人公たちに赦しと罪を同時に与える役割」のマリアというキャラが中盤に登場するのですが、彼女が私達読者にもたらす光から絶望感への叩き落とし方といったらなかったです。
救われたいと願う人間の救われ難さ。
真摯に生きようとする人間ほど苦しめられる罪と罰と赦しの問題。
涙なしにはとても読めない、重く、苦しい物語でした。
この結末が彼らなりのハッピーエンドだとしても、私は全否定でこう思っています。
「「「このラストがハッピーエンドであってたまるか!」」」
読み返す事が出来なかったです。
本当に綺麗な絵柄で緻密に描かれていて、映画のようでした。
メリーバッドエンド、っていうんですよね、こういうのって。
とてもそう思えません。
2人が死んでメリーってないでしょ、それ。
私はBL歴短くて、フツーの少女漫画、少年漫画他を長く読んできましたがこんな後味悪い結末はそれほどないです。
ジョリーンや承太郎の最期や風と木の詩のジルベールの最期とか春抱きのラストとか明日のジョーの最期とかアッシュの最期とか
こんなにも悲しくないです。
八田先生に罪はないけれど、悲しくて読み返せないので処分しました。
ごめんなさい。
ゆるしてください。
ずっとずっと欲しくて、でもなかなか書店に置いていなくてやっとこの前買えました。
凄く絵が儚くて涙が綺麗でストーリーも凄くしっかりしていて涙が止まらなかったです。
余韻が凄いです。是非沢山の人に見て欲しい。
絵画のように美しい絵に感性を刺激され、重たくも切ないストーリーに心を揺さぶられました。
人物像、時代背景、異国の情景と訴えかけるテーマ……どれをとっても土台がよく練られています。
BLに求めているものは人それぞれ違いますが、誰しも自分のバイブルのような作品に出会ったことがあると思います。
私にとってはこの漫画がそうでした。
神評価を選びましたが、正直自分の価値観を揺るがすほどの作品に客観的な評価などつけられません。
心の拠り所の一つとして、これからも大切に読み返していきたいです。
語り過多だし、作者さんの好きそうな作品や元ネタがチラついて、始めは斜に構えて読んでいたのです。それでも読んでいくうちに狂気すら感じる程、このテーマにかける熱に打ちのめされました。
宗教や帰る場所については昔から散々問われてきたテーマであるし、宗教への執着(敬虔さ?)や病への考え方は90年代よりも前じゃないかなと思います。両親の叫びはリアリティに欠けると思ったけど、救いの無い環境に子供が絶望する事は時代場所関係なくある。
私達も災害やコロナで、神様がいない事が当然と思って生きてる。でも大切な人の無事を祈らずにはいられないですよね。
髪の毛や瞳孔の細部に至るまで神経と熱量を張り巡らせた八田てきさんの描く紙面だからこそ真に迫った、胸を叩いてくる感動がありました。
撃ち抜いた像に覚悟を感じます…
彼ら二人の逃亡劇は、若いからこそとも言えるが、無謀で無敵な様が羨ましくもあります。
言葉少ないベッドシーンは昨今のBLコミックでも群を抜いて美しいし、こういう描き方が見たかった人は沢山いるはず。
脱帽しながら「神」を捧げます…
個人的BGM You ow/e me once - Var/qa Bue/hrer
とても絵が綺麗なのでより切なさが増します…
アランが車に乗ってきてくれて嬉しそうなヘイデンが可愛かったし、頭を撫でられて嬉しそうにするアランも可愛かったです。最後の警官さんが見届けてるように海を見てるのも切なかったです……
この作品でメリバにハマったのでとても感謝です!!
初めてレビューを書きます。ずっと気になっていたのですが中々機会が無くやっと読むことが出来ました。
まず驚いたのは作画の美しさ。表紙から綺麗なのは分かっていたのですが、それ以上に中身の細さに驚きました。このような作品はあまりお目にかかれないのではと思います。
内容ですが、読んでいる途中でも思わず涙が溢れる作品でした。私自身、最近宗教について調べることがあったので、余計に痛いほど彼らの苦しみが分かるような気がしました。
ラストは賛否両論別れると思いますが、これ以外の結末は無いと思います。私にとってはハッピーエンドです。
読み終わった後に改めてタイトルを見てみてください。彼らの出会いからラストまでのシーンがエンドロールのように流れていくと思います。
ぐっさりと刺さりました。
「二人だけの逃避行」というキーワードが刺さる人なら買いだと思います。
既に言われている通りメリバなので、そこだけは要注意。
お話自体はありがちといえばありがちだと思います。
でも、二人の感情が抜群の画力で綺麗に表現されていて、読み終わったあと(電子購入だったのですが)本棚からこの本を消してしまいました。褒め言葉です。もう表紙を見るだけでも思い出してしんどくて。
私自身ゴリゴリの光の腐女子なので(この作品がメリバであることはもちろん承知の上で読みましたが)かなりダメージを負いましたが、すごく心地のいいダメージだった…と書いて伝わりますかね…?
心臓がギュッとなる良質な辛さが表現された作品を読みたい方に是非おすすめしたいです。
良かったです!ほハッピーエンドBLが圧倒的に多いなかで、良質な暗い作品を見つけることが難しかったので知れて良かった作品でした!
この作品のように異国が舞台のものを読んだことがなかったので、まさに洋画をみているような感覚になりました。お互いに辛い過去や現状があり、その度に支え合い、、でもうまくいかない。もどかしいですが、お互いの抱えるものがパッと解決できるようなものではないから辛いですね。エッチシーンはあったもののよくあるエッチな感じというより、心の繋がりや二人の想いの方が伝わる表現で良かったです。
あと、なんと言っても作者様の画力に引き込まれました!!美しすぎます!風景はもちろんのことですが、圧倒的に顔が良い!!!美!!目がキレイです!これから推し作家さんになりそうです。
ふたりの未来はあれしかなかったのか、、、
あれがふたりにとって幸せだったのか、、、
何度読み返しても、何度自問自答しても、きっと答えを見つける事は私には出来ません。
時は1990年冬のアメリカ
ふらふらと根無草の様な生活をするヘイデン・スチュチワートと敬虔なカトリックの家庭で育つアラン・サヴェリオの二人の短くも濃い人生からの逃避行。
幸せとは何か、、、
愛とは何か、、、
彼らふたりの周りに彼らのホントの幸せを願い手を差し伸べる大人が一人でもいれば、、、
何度も、『たられば』を考えてしまうお話。
『遥か遠き家』で彼らが幸せになる事を願わずにはいられない。
のきなみ神評価なのが頷ける、美しい作画と劇的な物語でした。物語に関しては正直多くの人が"思いつくことのできる"ものだとは思いますが、これを"描くことができる"となると高い画力を持った一握りの作家さんに限られる。
如何せん自分にはカトリックに関する教養や知識が豊かではないので、アランに心を寄せがたいところがありますが。
2人が女性を轢いて、それを置いていったところで心中エンドが避けられなくなったのが残念でした。自分はロードムービー好きであり、ハッピーエンド好きなので。
世代なこともあり、ヘイデンを青年期レオ様で想像してしまう…
歌詞が流れるPVのような数ページから始まる物語。信じられるものはなにもなく、救いの無い世界です。自分が生まれる前に作られた映画を観た後のような、独特の読後感でした。
後半はもうずーっとしんどいです。ラストは辛いんですが、もうそれしかない選択で、彼らはやっと解放されるのか…と安堵にも似た気持ちで見守りました。
萌える恋のお話ではなかったけれど、愛を知らなかった二人が最期に愛し愛されを知った話と言えるのかなあ。
印象的な両腕を拡げるシーンや「ジワタネホ」というところから「ショーシャンクの空に」を思い出しました。解放感の意味でも。
風景の描き込みがすごく、見るだけでも楽しめる作品です。二人にとってはきっとハピエンでした、と私は思います。
商業本を買うようになって3年ほど経ちますが、BL作品にレビューしたことがありませんでした。
この作品にはどうしても想いを伝えたいです。
こんな素晴らしい作品を作り出してくださりありがとうございます。
どんなジャンルを好きなかたでも、もしどこかでこの作品を見つけ、少しでも気になったなら、ぜひ読んでみてください。
太古腐女子的には、何というか、懐かしいような、故郷に帰ったような気持ちになる作品でした。
二人とも、最初に逃げた瞬間からもう帰れる場所はなくて、でもそもそも今いる場所が、帰れる場所だったのかと問われれば甚だ疑問で。
二人は二人のための「帰れる場所」を探して、探した結果があそこだったのだと思います。
幸せを求めるには、二人とも自分のことを許せていなくて、だから出来ることは逃げ出すことだけで。
救いは、お互いが出会えたこと。孤独な二人がやっと寄り添える相手を見つけられた。そこでまた、許されない自分に苦しんだとしても、それ以上の幸せがそこにはあったと思うので。
黄昏作品はいいな、と久しぶりに思わせていただいた名作です。
この作品以前から色々なところで話には聞いていましたがやっと買うことができ、またこの本には宗教の考えが節々にあり何度も噛み砕くように読みました。
ほんとうにどうしようもない。
こうならざるを得なかった無念も心に残りつつこれが唯一の正解だった気もして最後のページを読むたび涙が出ます。
アランが過去自分をレイプした牧師を殺し、キリスト像に向けて銃を放ち2人きりで生きる決意をしたと分かった時からヘイデンはもう犯罪者になってしまったお互いが2人で生きる道は死しかないと覚悟していたんじゃないかなとも思います。
へイデンもきっとアランがいなければあの海に行くことは無かったのだと考えるともう何とも言えない。2人の今世での心残りが全て消え初めてお互いだけの世界で生きたあのほんの数時間、お互いがお互いを滅茶苦茶にしてしまったと後悔し続けてきたその気持ちをお互いがお互いのために払拭し初めて愛しいと言う気持ちだけで触れ合った瞬間が彼らの人生の始まりで終わりで全てだった。どうしようもなく悲しくて切ない。
非常に読み応えのある、どこをとっても良質な作品でした。映画のようなBLが読みたい、同性愛が前面に出てないBLを読みたいという方にもオススメです。ドラマチックで一歩間違えれば要素を詰め込み過ぎ、とも評されそうな展開ではあるのですが、押し付けがましくない温度感、自然な表情、台詞などですっと心に入ってきました。
メインキャラの過去や家庭環境に問題がある作品は山ほどあるわけですが。この作品の面白さの1つはヘイデンとアランの生い立ちが真逆な所だと思います。ヘイデンは分かりやすく恵まれなかった子供。定まらない父親、暴力や酒や薬に塗れた家と母親。今となっては孤児。一方で、アランは両親とも健在でありながら、幼い頃から敬虔なクリスチャンとして深い信仰を強要され、神を通してしか自分を見てもらえずに育った。過保護は愛ではなく抑圧と支配の結果。ヘイデンが母を愛していたのとは対照的に、アランは両親を愛したことがあったのか、最後まではっきりとは描かれないのが印象的でした。
赦し、救い、罪、罰という言葉が何度も出てきますが、本質はそこではないと思っています。結局自分の気の持ちようなのだということを、2人はそれこそ己の人生から嫌というほど学んできたはず。わずか4歳の時に神に裏切られたアラン、子供でありながら母の共犯者になったヘイデン。人生はあまりにも酷。分かっていても、何かに縋りたい、赦されたいと願うのは人間として当然の感情ですから、そういう言葉を使うのは一種の儀式というか、並の人間らしく振る舞うために必要な心の一時的な治療みたいなものなんだと思います。
ただ、何の心配もなく心から安堵して帰れる場所が欲しかった2人。本質はそれだけだったんじゃないでしょうか。互いにそれを得られた今回の旅はけっして過ちではなかったし、ハッピーエンドと言うのに不足はないのでは。最後まで大人の手を借りずに救われることができた2人。もちろんすべてが褒められる行為ではなかったけれど、まだ大人になりきれていない子供たった2人だけで、絶望や柵だらけだった人生から抜け出すことをやりきったのだから、これ以上の救い、結末はないと感じました。この旅はこれからも私の心に残り続けるだろうと思います。
久々にバッドエンド作品読みました。はぁ泣けた~
心が苦しくなります
でもセリフひとつひとつにメッセージが込められてて、本当にひとつの映画を見ているようでした
何より画が素晴らしい外国の風景やモーテル建物ひとつひとつにとっても細やかで何より人物が夢のように綺麗で、特にアランが儚げで清らかで見とれてしまう
ずっと見ていたいような画風です!
八田先生は他にBLは描かれてないのでしょうか?他の方が書かれていましたが、非BLは描いていらっしゃるようですね
ぜひもっとBL書いてほしいです!
今回のお話しはBLにとらわれないいろんな社会問題も含めて考えさせられるお話しでした
この二人は生まれ変わって再びどこかで出会ってほしいです
セツナイ…
アランとヘイデン
結末が…
皆さんが書いているように
本当に、映画を観ているような
そんな作品です。
アランもヘイデンも
悪くないのに
周りの大人たちが悪い
大人たちが
少しでも
普通なら
あの2人の結末も違ったのかもしれない
色々と考えさせられる問題もありますし
今もその事で苦しんでる人たちも
いるだろうし
BLの枠にとらわれず
沢山の人に読んで頂きたい。
アランとヘイデンには
2人の世界で
誰にも邪魔されず
幸せになっていて欲しいな~
pixivで読んでいて本誌を買ってみました。
最初はとても絵が綺麗だなとか思って見てただけだったけど、だんだん海外独特の雰囲気や2人の過去が見えてくる度に胸が苦しくなったり、色々な感情が自分の中で生まれてきてとても映画を見ているようでした。
感動と捉える人もいればバトエンと思う人もいるでしょうし、とにかく自分がどう物語を捉えるかによって見応えが変わってくる作品だと思いました。
えちえちとかって言うよりは2人の生き方や感情が読み取れる素敵な漫画をざがしている人にオススメかもしれません。
私はこういった作品が大好きなのでお話の隅々までも楽しめました。
表紙なども特にBLっぽい雰囲気では無いので初めての方にもオススメです。
1冊丸々表題作になっています。
1冊で1本の映画を見ている気分になりました。
読み終えた時にすごく悲しい気持ちになりましたが
二人にとってはきっとこれがハッピーエンドで
二人を救う結末はきっとこれしかなかったんだろうなぁと思いました。
二人ともそれぞれ心に苦しみを抱えて生きてきて
お互いに出会えたからこそ救われて
最後のシーンできっとこれが二人の幸せなんだ…と思いました。
が、基本的に死ネタが苦手なのですごく心が苦しくなりました。
でも嫌な死ネタではないのでなかなか難しいです。
個人的にはなかなか読み返せそうにない作品なのですが
言葉に出来ないぐらい素晴らしく大切にしたい1冊です。
アメリカのルート66を題材にしたロードムービーのような、重厚感とストーリー性のある素晴らしい作品でした。主人公の2人、共に家族には恵まれず中々厳しい環境の中で生きてきました。お互いが出会ったのは必然かもしれません。本当に魂で結ばれた2人なのでしょう。恋の怖いところって側から見れば自己犠牲と思うけど、それに本人は気付かず行動を起こしてしまうところだと思うんです。まわりに頼れる人や信じれる人がいないこの2人なら尚更、お互いにお互いしかいないのです。タイトル通り、本当に良質な映画を観た気分になりました。余韻がすごいです。
余談
八田さき先生、今非BL作品で『やくざの推しごと』というヤクザが韓国アイドルにはまるストーリーの作品を連載されてるのですがこちらは腹よじれるほどのコメディで本当に面白い。『遥か遠き家』からのいい意味での落差がすごすぎて驚愕でした。すっごくおすすめです。
先生の名前、八田てき先生の間違いです。大変失礼しました。
昨今のBL作品の中でも異質な存在なのか、各所で特集やおすすめ書籍として紹介されていますね。絵は美しいし、何より読後の切ないような寂しいような感覚がすごく新鮮でした。手放しのハッピーエンドではないのですが、昔のBLが好きだった身からすると懐かしい感じがします。逆に発売日が最近でびっくりしたくらいです。
話としてはあらすじ通り、ヘイデンとアランの逃避行です。道中に起こる数々の事件、凄惨な過去を受け入れ愛し合う二人にとって、何が幸せだったのか・・・奥が深いなと思いました。でも、ヘイデンは一人で残される人生は受け入れられなかっただろうし、アランは病気がある限り長くは生きられない。交わらない二人にとってはあれが最高の幸せだったのかなと思いました。
昔マイプライベートアイダホと言う映画があったのだが
この作品を読んで思い出さずにはいられなかった
多くの方が言っていらっしゃるが上質なロードムービーのような
懐かしいJuneを思い出す様な
冒頭あるように湿気を含んだ雨が降り出す直前のような空の様なお話だった
ある意味ハピエンと思うが昨今のBLのハピエンに慣れた方には少しきつい終わり方かもしれない
自分では抱え切れない辛い過去を抱えながらも毎日を積み重ねていた2人が偶然出会い
歩み寄り共に歩く事を選び旅に出る
自分が傷を抱えているからこそ他人の傷に敏感で思いやることができるならば
傷は傷でもいいと思うけれども
この2人が抱えている大きな傷は本当にかわいそうであまりに切なかった
偶然が偶然を重ね彼らの旅は終わるのだけれども
彼らが出会い旅をして
2人が最後辿り着きたかった場所に辿り着き
曇った空と遠い向こうで混じり合った海に無数のエンジェルラダーが降り注ぐ様は美しく
2人は許されたと思うことができたかもしれない
階段を登って2人だけの天国で揺蕩ってほしい
せめてあの刑事が2人の足跡と2人の気持ちに寄り添ってくれますように
これがハリウッドで映画化されたとしても多分私は驚かないで逆に当然と思うかもしれない
ハッピーエンドだけじゃないのがBLの懐の深さだと思い出させてくれた作品です。号泣しました。ラストははっきりしていないのでメリバという言葉であまり括りたくないのですが、系統はそっちだと思います。かつてのJUNE作品のような雰囲気がお好きな方なら合うと思います。
些細なきっかけで魂が結びついてしまうこの姿こそBL愛好家が求めるもの。それをしっかりと描き切っています。2人が追い込まれていく様は他の方の言葉通り映画のようでした。
もしこれが今度のBLアワードになかったら失望してしまうかも。それくらいみんなに読んでほしい作品です。
1本の映画を見終わった気分です。
90年代のアメリカの青年2人というシチュエーションがBFに似ていたこともあり、本作を手に取りましたが素晴らしい作品だと思いました。
絵が繊細で綺麗で、登場人物たちの話も深く、一コマ一コマに惹き付けられました。最後は涙が止まらなかかったです…
素敵な作品をありがとうございました。
BANANAFISHが好きな方や切なくて考えさせられる作品が好きな人におすすめしたい作品です。
こちらの作品は作家インタビューを読んで、ロードムービーのような漫画を描きたかったとおっしゃっていたように、アメリカ各地を旅しながら進んでいくお話です。
絵も綺麗で美しくて1コマ1コマじっと眺めていられるくらいに描きこまれていて、それだけじゃなくてストーリーもアメリカの小都市が舞台で、厳格なカトリックの信者の両親のもとで信仰を大事にしている父親にそれに従う母親のもとで窮屈な環境の中で育ったアランがふとしたことでヘイデンと出会うことで、この町で生まれて多分一生町から出ることもなく一生を過ごすんじゃないかと思われていた自分の未来が、もしかするとヘイデンと一緒なら変えられるんじゃないかと希望を持ったんだと思うんですよね。
ヘイデンは各地を転々として1か所に長くとどまらない生活をしていて、アランと出会った町もしばらくすると出るっていうところで、アランを見かねて連れ出す。
2人が出会ったことで旅が始まるわけですが、アランは病気持ちで体が弱いせいか、ヘイデンは身体を売ったりして旅の資金を調達していて、旅の途中でマリアという女性に出会ってアランは交流を持つんだけど、そこでことがまた思わぬ方向に転がってしまって。
罪をおかしてしまった二人は警察にも追われる身となってというストーリーなんですが、二人の心の距離は縮まっていくのに、周りの状況がどんどん二人を追い込んでいくところはハラハラドキドキの展開で、最後はちょっとショッキングでした。
2人にとっての幸せって、ああいう結末しかなかったのかと思うと切ないですが。
終始美しくて、苦しい。そんな中でも一緒に過ごしていた時間はアランがあの町にいたままだったら得ることのできない幸せな時間だったんでしょう。
作家インタビューで先生が参考にしたと言っていた映画すべては観ていませんが、ラストどこかで見たことあるな、と思ったら テルマ&ルイーズのオマージュだったのかと。
そしいて登場人物には実際の俳優さんとか役を参考にされたと語っていたので、勝手に予想するのも楽しいかも。いつか正解を知りたいですが。
読み手によって、このお話はハッピーエンドだったり違うのかもしれませんが、彼らの境を考えると、他の道はなかったのかなと。
読後もズシーンと心に残る作品でした。
元々pixivで冒頭を読んでいて、コミックスに纏るのを心待ちにしていました。
今でも八田先生のTwitterのメディア欄で一話を試し読みができます。
読んだらまず絵の美しさに見惚れること間違いなし!!
リアル寄りの絵柄で、とにかくメインの二人が美しい…!!それだけでも見る価値があるのですが、絵の美しさがストーリーの儚さを際立たせているなと感じます。
90年台アメリカ、二人の若者の逃亡劇という点でBANANAFISH 好きの私にはたまらないお話でした。
(二番煎じというわけではないです)
複雑な家庭環境で育ち、孤独を抱えた少年二人が出会い、それぞれの闇から逃げるために一緒に街を出ます。
2人一緒であれば大丈夫…というわけでもなく、お金もないし、持病もあるし、厳しい現実が待っています。
でも、幸せな時間は間違いなくありました。そしてお互いが唯一の居場所と思い合うところに涙…。
とにかく上手な漫画なので、だからこそすごく辛かった……美しくて切ない。
序盤から不穏なエンドを感じさせるのですが、二人がいま幸せでありますようにと願わずにはいられません。
物語の大筋とは直接関係ないのですが、敬虔なクリスチャンだった受けが、攻めになにそれ?と聞いて「マリファナ」と答え、「君はなんでも知っているな」というやりとりのシーンがなんか好きでした。
ちるちるの作家インタビューで紹介されていた本。
ピクシブで試し読みして、これは紙で買おうって、勢い込んで発売すぐに買ったくせに埋めちゃっていたのをようやく発掘。
絵も内容も、紙の本でページを行きつ戻りつしながらじっくり読み込みたい作品でした。
この絵で初コミックスの新人さんだなんて末恐ろしい。
ストーリーも結構重めで、アメリカの映画にあるような、宗教観と向き合ったったお話を、日本のBLとしてわかりやすく落とし込んでいて、
もう、古の腐女子の琴線を鷲掴みにして殴ってくるような、大絶賛の神です。
セルフツッコミ
私がこんなに感激しちゃうと、エロこそBLなお若い方々はドン引きしちゃうだろうな。
心の脆いところを抉り取られたようです。
皆様のレビューにて覚悟はしていましたが、それでもやはり辛い。
互いに愛を抱き、側から見ればほんの些細なことで幸せを見出していることが。
若いふたりがこの結末を選ばざるを得なかったということが。
決して物語として重複している部分があるわけではありませんが、確実に BANANA FISH の時と同じ心の部分を持っていかれました。
切ない、苦しいけれど尊いです。お好きな方はぜひ!
居場所に疑問を抱き続けた少年たちが、旅路の終わりに見つけた彼らの「帰る場所」。
泣きたいくらいに儚く暖かい。
彼らに今安寧がありますように。
何度でも読み返したいですが、ハッピーゆるふわBLのチェイサーがマストです。
いつか作者様のハッピーエンドが読めたら嬉しいなあ。
『居場所』とはどこか。
『神』とはなにか。
2人きりの旅。
2人きりの世界。
罪と赦しについて考え、自身を責め悩むアレンを解放してやりたいと考えるヘイデン。
そんなヘイデンにも暗い影を落とす過去。
互いの罪を、闇を償うべくして2人の安息の地『居場所』を探し求める旅。
正反対なようでいて、似ている
それでいてまったく似ていない2人が心を通わせていくその過程にすら涙ぐんでしまう。
ずっと箱庭(父)のなかで生きてきたアレンに世界を見せたくて連れ出したヘイデン。
世界を見ぬままに世界を捨て、ヘイデンを愛し共にあろうとするアレン。
そんなアレンの想いを汲み、ただ彼の傍にいようと望むヘイデン。
互いが互いの全てであり委ね寄り添う…簡単には愛と呼べないこの感情には、なんと名前をつけるのか。
決して明るいストーリーではないはずなのに、なぜか心温まる不思議な作品でした。
まるで絵画のような美しい扉絵をみるのが楽しみで、ページを捲る手が先走ってしまいそうなほど。
仄暗くも美しいストーリーと
美しいイラストのマリアージュに終始心を打たれまくること必至。
この作者様の他の作品がはやく観たいと切実に願っています…
言葉にできないくらい素晴らしいの言葉でしか表せられない。切ない映画を見ているような作品でした。
例えるならBANANA FISHのアッシュと英二のようなお互いがいなくてはならならい存在のような淡く切ない関係。二人の少年の短くて濃い恋愛物語でした。
ラストは悲しい結末でしたが、二人にとってはあれが一番幸せな選択だったんだと感じました。
久々にこんな心に響くような作品に巡り合いました。余韻でしばらく動けませんでした。
もし、二人が生まれ変わり再び出逢えたら今度こそ幸せになってほしいと思います。
「素晴らしい作品をありがとうございました」と作者様にお礼を言いたいです。
凄まじい画力の作家さま。絵を眺めているだけでうっとりします。
けれど物語の方は、ごめんなさい。
やはりどこか強引に悲劇に持っていこうとする感じがします。
萌えのためにわざとキャラクターをどん底に落として、彼等を俯瞰しているような不快感を感じてしまう。
悲劇に持っていくためだけの、設定のコラージュのような、、
その強引さが気になり、ラストまでいまいち没入できませんでした。
作家さまの熱量や描きたかったものはわかるような気もします。
しかし、最初から最後まで没入できなかったのは、映画風、悲劇風、可憐で切ない、報われない少年たち…から萌えを感じさせようとする謎の不快感があったからなんだと思います。
画力が高いからこそわざとらしさを感じてしまい、没入するのがなかなか難しい作品でした。