春の修羅

haru no shura

春の修羅
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神28
  • 萌×29
  • 萌8
  • 中立6
  • しゅみじゃない8

--

レビュー数
19
得点
206
評価数
59
平均
3.7 / 5
神率
47.5%
著者
miso 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
電子発売日
価格
¥700(税抜)  
ISBN
9784865896459

あらすじ

異彩を放つオトコ、皆がその光に群がる。

母親の再婚で田舎町へと引っ越してきた春生(はるき)。
恋愛に奔放な母に振り回される形で彼は何度も転居を繰り返してきた。
場所にも人にも愛着はない。ただ流れのままに生きるだけ。
そう信じていた篝(かがり)に会うまでは。
周囲を燃やし尽くすように生きる篝に付き従う春生。
特別なのは誰か、ひりつく学生時代を描くボーイズ・ラブ。

デビュー作の「egg or chicken?」も収録

その他「epilogue」
おまけ漫画「ダメな男①」「ダメな男②」

表題作春の修羅

樋村篝,高校二年生,地主の家の次男
丹川春生,高校二年生

同時収録作品egg or chicken?

アジアシ
リョウ

レビュー投稿数19

賢治オマージュ

宮沢賢治の詩集「春と修羅」をオマージュにしている点がおもしろかったです。
・ハルのモノローグがポエム
・ハルがガラス玉のような目をした空虚な存在
・彼岸(死)への憧れを持つ
・篝はハルの神様(修羅)になりたかった。その姿が修羅(暴力)
・ハルの心の中にも修羅がいる
・篝の唯一の理解者である兄が死んだ(賢治で言うところの妹の死)←と見せかけて兄は死んでおらず、理解者でもなく支配者だったというのがなんとも…
・宮沢賢治が同性愛者だったかも説があるのも関係しているのかな
他にもあると思いますが。

春と修羅からの詩の引用もあり、キャラの心情を詩的に描かれていたように思うのですが
でもどうも他があまり刺さらなかったのは
・2人とも地に足が着けられないのは生い立ち、境遇、思春期、生き急いでいる、恋をしている…からなんですよね
・あとがきで説明がありましたが、いろいろ複雑に絡まっているように見えて結局は恋だったと。春(ハル)は恋。シンプルでいいと思いますが、信仰とか支配とか呪いとか大層なことを見せられてそれか〜と拍子抜けしたのが正直なところです
・篝、ハル、恒…そういうお年頃か性格なのか、こそばかったです。前髪が長すぎ、流し目、うっとりお芝居チックなところが入り込めず、ずっと引いて見ていました

0

あとがき

『鵺の啼く夜に』が最高で、この作品途中まで読んでちょっと不安になって寝かしちゃってました。あれ?意外と普通なのか?と。miso先生が好きなあまり普通だぞと思いたくなくて。最後まで読んだら、好きだなと思えたので本当に安心した。読んでて信仰の話だな、と思うBL作品もままある(そんな作品も大好き)けど、恋愛の話と言い切ってるのが面白い。攻めと見せかけて受けが修羅への案内人であるって構成がうまい。
本編を読んで抱いた感情があとがきで答え合わせ出来る作品が好きで、『鵺〜』もそうでしたけどあとがきのmiso先生の語り口がツボです。

0

何度も楽しめる。

miso先生の描くストーリーは本当に面白い。独特で、他では味わえないものがある。
闇を抱えて底で蠢く、どこかで諦めていなが
ら熱い何かを探し求めて狂っていく様子が素晴らしい。
最後は、大団円。
ネタバレ無しでおすすめしたいな。

主役のハル・篝以外だけではなく、恒・母・ピアノの後輩と、登場する意味がきちんと描かれていて、最後には全てきちんと回収されて物語が終わっている。

miso先生、デビュー作もとんでもなく素晴らしかったけど、今後も目が離せない作家さんの1人です。


0

BL版シド&ナンシー…か?

…と思いながら読んでたんだけど。
途中までは篝の「live fast, die young」な病んだ疾走感が凄かった。
隣にいるハルは巻き込まれている体で実際はうつろに眺めてる。
その事で篝がより破滅的になっていくところが読み取れて、2人の行き先は破滅・自爆・消滅…とにかくそんな悲劇的結末しかないように思えてザワザワしながら読んだけど。
後半急に光側に舵を切るような展開で。
読後感から考えればその方が良いけれど…
前半あれだけヒリついてたのに、後半立ち直っちゃうの?みたいな。
バランスが取れてないような気もする。
篝の持つコンプレックス、兄に操られていた事、そこからくる無力感、恐怖感。
それらが篝の行動の元だったわけだけど。
そこに現れた大人しいハルの方が篝の暴力性をより引き出してしまった…
ハルの側の空虚さ、実は炎を求めている心の内の方をあらわにしていく。
篝側からハル側に焦点が変わり、物語の見え方もガラリと変わる所が本作のキモなのかな。


「egg or chicken?」
同時収録作はデビュー作だそうです。
同じ施設で育ったニコイチのリョータとアジヨシのストーリー。
要は離れ難い2人が育てる優しい共依存、みたいな?
お前とオレと。
体と心と。
たまごとニワトリと。
もうどっちが先でもぐるぐる愛が回るだけ。意外な面白さがあり、コレ好きです。

0

ドメスティックバイオレンス

唯一無二で異彩を放つストーリーに圧巻!!
情報も文字もキャラクターも過多なのに不思議と自分が透明人間の様に物語に入り込んで読んでいる。そして、いつの間にか身体中がヒリヒリ灼かれているのが後から気付く。

派手に暴れ回る子のがパッと見、悪い子認定しやすいが、中には虫も殺さない様な美しい
顔の下に修羅を上手く隠して、いつの間にか自分自身すら騙して、流されて生きてるよに見える子のが、きっと『コレ』と思う修羅を見つけた時、共依存か、女郎蜘蛛か雌の蟷螂様になりそう。

自分で読んでいても、言葉では説明するにはとても不思議な作品。

Cモアさん、修正、ライトセーバー。

0

あなただけの神様でいるための魔法

何もかも失って透明な存在の男の前に現れた、全て持ち合わせた神様みたいな存在。それを失うことがこわかった。ずっとそばにいてくれると思っていた。何も無い僕に色をつけたのは、あなたのせい。
この世はみんな、狂っている。
解釈がめちゃくちゃ難しい。まじで映画見てるみたい。2人の共依存がえぐい。
あとこれ表題作以外にももう2作入ってて、そっちはなんかセックスメインって感じ。わんこ攻め。世界観のギャップに殺されそうになる。でも作風が同じだから作者の独特な世界観のまま浸れるから良きです。

0

修羅の美しさ!!!

青春・少年時代特有の痛々しさ、脆さと危うさ、そこからしか生まれない美しさが圧巻で、なんとも言われぬ共依存がグサグサきました。

無謀で痛くて鮮烈で破滅的で、どっちが修羅でどっちが焼き尽くすのか。
触れちゃいけないのに触れたくなる。どうしようもない引力で、支え合ってるようで壊し合ってる2人。何も無いのが恐くて強い力に巻き込まれてくのが青くて痛々しかった。

補い合っているようで、焼き尽くしてしまうかのような関係性。矛盾と暴力の塊だけど、篝が春に、春が篝に見ていたものや求めていたものが、どこか詩的で純粋な気持ちも感じて、こういう疾風みたいなヒリつきに嗚呼…ってなる人間には堪りませんでした。


暴力描写やモブ姦もあるので、万人には進めづらいけど、青春の苦さと清らかさ、人間の豪を感じられる美しい作品だなと思います。


同時収録作も、ちょっとイカれたところもあり、あっけらかんとしたところ、懐の広さもあり、どうしもない2人で面白かったです。

1

表紙の美少年の珊瑚色のふっくらした唇がなんとも艶かしい…

暴力描写の多い作品であまり読まないタイプのBLなのですが表紙絵の美少年にひかれてしまいました第1話の扉絵も素肌に舞落ちる桜の中に横たわる虚無な表情の美少年ハルにそそられます
篝に最初虐げられていいように扱われているのかと思っていたのですが、読んでいくうちにそれは違うことに気がつきます。
篝の暴力性を加速させていってるのは、実はハル自信だった
あのガラス玉のような瞳でもっともっと激しく燃えろとあおっていたのはハルだった…なかなかの魔性ですでもそこが素晴らしいのです。
自覚あるなしに関わらず純朴なふりして攻を振り回す受は大好物です
全てを魅了し惑わす受はすごく好きです。めったにお目にかかれないですが

0

鮮烈かつ苛烈な恋

 すごく病んでいるようで読後は案外さっぱりしていた印象が残るような、そんな作品でした。存在感の大きい兄の面影に囚われ、そこから解放されることを望みながらいつの間にか彼と同じように振舞っていた篝。他の誰とも違い、ハルだけは兄を通さず純粋に自分だけを見てくれる。嬉しいことのようで、いざそうやって見られると、むき出しの自分を見せることに慣れていない臆病な心が戸惑ってしまう。相手に恋していることを頑なに否定する心。たくさん時間をかけて、誰かの影に重ねられたり、他人に付き従ったりすることでしか自分を確立できなかった2人が、初めて己の意思で恋に向き合っていく。痛々しいシーンが多いけれど、本質は爽やかな青春だったとも言えるのかなと想いました。

0

しんどかった。。

なかなかなかなかしんどかったです。
自分自身、こういったジャンルが苦手だったのがかなりありました。 
ネグレクトに、暴力に薬に乱交。
買わなきゃよかったとくじけながらも最後まで読了。
共依存で、刹那的な2人の物語でしたが、やはり1番の毒は受けだったな。
そういったこと理解していても、イチャラブハッピーが好きな自分が手を出すべき漫画ではありませんでした。
よき勉強となりました。

3

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