CANIS-Dear Hatter- #2

CANIS-Dear Hatter- #2
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神37
  • 萌×27
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
7
得点
225
評価数
49
平均
4.6 / 5
神率
75.5%
著者
ZAKK 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
シリーズ
CANIS Dear Mr.rain
発売日
電子発売日
価格
¥740(税抜)  
ISBN
9784801972063

あらすじ

ファッションショーに参加するため、
ニューヨークに降り立った沓名とスタッフたち。
ショーは大盛況のまま成功したものの、
リョウの昔なじみの男・チェイスから
死んだはずの元ボスが生きていることを知らされる。
自らの過去に決着をつけるためリョウはアメリカに残ること選び、
ふたりは離れ離れになることに。
東京に一人戻った沓名は表面上は平静を装っていたのだが…?

描き下ろし「例の日から約一ヵ月後の夜」を加え、
新装版『CANIS-Dear Hatter』完結!

【収録作品】
CANIS-Dear Hatter- Chapter.7~11
CANIS-Dear Hatter- extra.1~2
例の日から約一ヵ月後の夜(描き下ろし)

表題作CANIS-Dear Hatter- #2

柏葉リョウ,20歳,DANTE元スタッフのワケあり青年
沓名聡,30歳,帽子店・DANTEの店長 

その他の収録作品

  • A handshake understands a human touch from A to Z(旧版描きおろし)
  • 例の日から約一ヶ月後の夜

レビュー投稿数7

side リョウ

新装版の表紙は(1)と同様とてもカラフルで対になっている。
旧版は優しげに笑うリョウの顔のアップで、こちらも♯1と♯2は対になっていた。

一度は離れた沓名とリョウ。
でもやはり。
運命は2人を分かたず。

一般的な「後悔」に悩む沓名に対して、本作はリョウsideな訳で。
かつての友人・裏社会を縦横無尽に覗き/暴くハッカーと再会し、死んだと思っていた組織の人間とまた接触するリョウ。
マフィアの鉄砲玉としてのリョウを強調し、マフィアと決別して沓名と共に過ごす一般人側に立てるのかどうか。

シリーズ全編を読んでからわかる事ではあるけれど、組織はリョウを決して縛ってはいない。逆に。

だけど、続編が無かったこの段階だけで読むと、なんか唐突に沓名の元に飛び込んだかのように読めますね。
でも当時は2人のラブシーンが始まった事で色んなバックグラウンドはどうでもよくなり。
しかも2人が試し始めるけどなかなか出来ないという名シーン。これ良かったなぁ‼︎
新装版の描き下ろしで遂にデキたシーンを描いて下さってるんだけど、嬉しいんだけど、嬉しすぎるんだけど、秘めててもいいんだなこの2人は。

さて。リョウの安定を見届けて、次は誰この3人?というトーンの違うお話へ。

1

鳥肌と震えが止まりません

傑作としか言いようがない。2人の人間の間を流れる情や愛をスタイリッシュかつ暖かく描いていて漫画としての格が違うというか衝撃を受けました。外国の漫画?みたいな感じですっごく劇画的?なのに嘘っぽさがなく地に足がついた人間の葛藤と再生と愛を描き切っている感じがしてちょっと鳥肌と震えが止まりませんでした。絵もすごすぎて上手いでは言い表せない凄みがある、目だけで視線だけで笑顔だけで読者をコロス威力がある。BLという枠には(そういう枠があるかどうかは置いといても)収まりきれない、でも男性同士の間に確かに流れる熱情がたっぷりでもうちょっと自己ベスト作品更新した感があります。THE SPEAKERを先に読んでましたが、THE SPEAKERより内容はマイルドでもハル、サム、ノブも出て来てノワール感にもドキドキします。雨の日のあの出会いが二人の運命を変えた、素晴らしいもの読ませていただきました。あのシャワー室のシーン一生忘れられません。

2

最高の帽子職人

Mr.レインの方から一気読み。読み出したら止まらない面白さです。丁寧に作り込まれた設定とストーリー。もうセンスの塊です。2人の出会い編のRainの方の「聡の人生の大事なシーンではいつも雨が降っていた」という演出が良かった。Mr.レインだもんね。教会でのキスシーンとか映画的で美しい演出の数々に感動しました。

レインから数えて3巻目にやっとリョウと聡はBLカップルになれたけど、BL以外の部分も面白すぎて全く気になりませんでした。2人がお互いに惹かれあって離れられない存在だというのは1巻から充分匂ってましたから。

帽子屋さんのお話がこんなにカッコいいとは思ってもみませんでした。英子やB男や後藤という仕事の関係者も仕事ぶりが格好良くて魅力的なキャラばかり。特に親友陽介は短髪黒髪でビジュアルも好き。英子とくっつくには惜しいくらいです。英子も好きだけど。

リョウは文字通り年下ワンコ攻めですね。最初の出会いで聡にはわんこに見えてた位ですから。2人の成功しなかった初夜エピソード大好き。聡さん男前でカッコいいのにあんなに可愛いなんて犯罪だと思う。理想の受け。

3人の不穏で不気味なイケおじ達のお話も楽しみに読みます。期待しかないです。

0

大好きなシリーズです

旧版を所持しているので、正直に言うと新装版を買うかすごく悩みました。本棚のスペースにも限りがありますし、既に手元にある本を新装版とは言え新たに購入するのかと。

結果、レヴューを書かれている皆様の仰る通り、買って良かったです!

描き下ろしで加えられているその後の二人、その後のDANTEが見ることができ、とても満足です。
そもそも、絵も物語も作品の雰囲気もすごく好きなので何度繰り返し読んでも最高だなと思ってしまいます。
旧版をお持ちでも、リョウとサトルが好きな方、A子ちゃんやB男がいるDANTEの店の雰囲気が好きな方は購入して損はないと思います。

0

「その後」も読めるしあわせ

本当に好きである。
作画の好みに左右されがちですが、、基本ストーリー重視派です。
好みの作画に、説得力あるストーリー、目と心を直で鷲掴みしてくる演出。
これが全部揃ったら、「神」をつけざるを得ません。

(1)でサトルと日本に戻らないと決めたリョウ。
リョウのいない空間で、ふとしたことからリョウを思い出す。
そこにいたのに、今はいないことがこんなに寂しい。
リョウが置いていった物を見ては、リョウの不在を思い知る。
自分が遮ったリョウの言葉を思い出しては後悔する。
アーティストというものは、ひとつのことに集中し過ぎるから素晴らしいものを作り出せる存在だと思うのですが、帽子に集中できないくらいリョウ、リョウ、リョウ…なサトルが、英子やB男に八つ当たりするのも虚しい。
全然サトルらしさがなくなってしまって寂しい。

一方のリョウは、自分を捨てたハロルドを追って、旧知のチェイスのところに居候中。
ようやく接触のチャンスが来たときに、サトルと似た髪型のひとに気を取られて見失うシーン、リョウの方もサトルに頭も心も占領されているのが伝わって来て、すごく好きです。

ハロルドの件は、未読の方のために多くは語らないでおきます。
タイトルの“CANIS”が意味するように「犬」でしかなかったリョウが、誰かの命令ではなく、自分で選んだひとと「一緒に」生きていく道を選ぶ。
たった20年の人生だけれど、あまりに過酷な半生だっただけに、彼の幸せが嬉しい。
自分を拾ってくれたハロルドに「何か」を期待したけれど、結局彼にとって犬は「道具」でしかなかったわけで。
その点、小太郎を家族として愛し、自分の右手を犠牲にしてまでも守ろうとしたサトルは、リョウ自身をしっかり見て、向き合って、愛をくれる存在だったんだなあ。
サトルと離れてまで、ハロルドを探したことで失望もあっただろうし、絶望もしただろうけれど、また会えたことがとてつもなく嬉しい。
飼われてこそのリョウを「自由」と表現したサトルだからこそ、リョウを縛っていた鎖を解くことができたんだろうなあ、としみじみ思います。

その後の穏やかだけど賑やかな日常もいいんです。
一度は手放して、諦めようとした2人だからこそ、こういうふつうの日々がたまらなく愛おしい。
『ーDear Mr. Rain』で4年前の回想のとき、サトルの帽子を被って泣いていたバイヤー、覚えていますでしょうか。
あのひとの正体がまさかのあの子!という回収の仕方もいい。

そして描き下ろしの【例の日から約一ヶ月後の夜】ですが。
これは、絶対に読んだ方がいい!!!
前の2冊に関しては、作画至上主義の悪い癖が出てしまって、「この作画は…、うぐぐ…」となって、すでに古い方を持っている方には強く購入をおすすめしなかったわたしですが、こーれーはー、買った方がいい!
損はしません。
むしろこの描き下ろしを読まずに、英子目線のストーリーで終了している方が損。
こちらの描き下ろしでは顔にトーンが使われることなく、本編の作画と差がないので違和感なく読めます。
さらにあの瞬間のリョウの表情がッ!!!!!
左目に伝っているのは涙でいいんだよね?そうだよね?このコマ、すごくいいいいいい!

というわけで、古い方持っている方にも強くご購入をお勧めいたします。
いやはや、痺れました。

3

伏線を回収しつつ進むストーリー展開が秀逸すぎて。

『CANIS-Dear Hatter-』の2巻目、というか下巻。
「CAINS」シリーズの3冊目にあたりますが、前2冊を読んでいないと理解できません。未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。




NYでリョウと別れ、一人帰国した沓名。
その沓名を、再び悲劇が襲う。愛してやまなかった、祖母の死。

リョウを失い、祖母を亡くし、沓名は少しずつ壊れていく様が、実に緻密な描写で描かれています。

凄くお上手だなと思ったのは、沓名とリョウの対比。

愛犬・小太郎を失ったこと。
祖母を亡くしたこと。
そして、リョウに去られたこと。
すべて「失ってきた」沓名。

一方のリョウは、両親に捨てられ、信じていた組織のボスが亡くなり(ここが伏線になっているのも良き)、いつも「捨てられてきた」青年。

そんな彼らが出会ったことは運命だったのかも。

いつも失う側だった沓名は、自分のもとから去られることが怖い。
捨てられる側だったリョウは、「いらない」と言われることが怖い。

だからこそ、彼らは心に鎧をまとって生きてきた。いつ去られても、捨てられても、傷つかないように。

が、お互いという存在を得て、それがいつものように失っていい存在ではなくなっていく。NYの出来事があったからこそ、彼らは自分の想いに気づくことができたんだな、って。自分の殻を破って、想いを告げることができた二人に、もう萌えがストップ高。果てしなく、どこまでも萌える。

今巻の表紙はリョウが描かれていますが、リョウが抱きしめているものにご注目。ぎゅっと抱きしめて離さない「ソレ」がね、そしてその時のリョウの表情がね、もう反則級の可愛さです。

英子ちゃんやB男くん、後藤といったサブキャラも魅力的ですが、今巻を経て、次巻へと続くそのストーリー展開にも圧倒されます。ハロルド。彼は一体…?

不穏な空気感も漂いますが、新装版になるにあたり描き下ろされた「例の日から約一ヵ月後の夜」が、甘い…。甘々だ…。

エロ度は決して高くないZAKK作品においてのあの描き下ろしはヤバい。
リョウの涙にも、ぐっときました。

『CANIS THE SPEAKER』も新装版が出るのかなあ。
そろそろ、『CANIS THE SPEAKER』の続きが出てほしいと切望しているのですが。

3

とにかく神

今まで読んできたBLの中で、1、2を争うほど大好きな作品です。
旧版も所持しておりますが、出版社が変わっての新装版が刊行されるということで、買わない手はありませんでした。この先もCANISシリーズは主人公を変えて続きますが、前作の『CANIS Dear Mr.rain』から始まったサトルとリョウの物語は、『CANIS Dear Hatter』の2冊で一旦閉幕となります。
書き下ろしは言わずもがな、『CANIS Dear Hatter#2』にはOPERAコラボカフェ記念小冊子に収録されている番外編も入っており、旧版をお持ちの方にもおすすめです。


まず表紙ですが、新装版の鮮やかな配色に一瞬で目を奪われました。旧版の表紙が帯の台詞を含めロマンチックで大好きなのですが、新装版もまた違った意味で素敵だと思います。表紙をめくった時のおっ、という嬉しい驚きといい、ひとつひとつがツボを刺してきますね。

内容については、ネタバレになるため詳細は伏せたいと思います。
とにかくZAKK先生の画力が高く、そして表現力が天井を突き破っています。キャラクターの表情で読ませてくる。コマを目で追うだけで映像が脳内で再生され、まるで洋画を鑑賞しているかのような臨場感に溢れています。

ストーリーは恋愛中心ではなく、仕事や夢といった人生におけるテーマが取り扱われており、いわゆるBL的な絡みを求めて読むと、がっかりする人はいるかもしれません。
日本で帽子屋を営むサトルさんと、彼が雨の日に拾った青年リョウ。生まれ育った環境が全く違う二人の出会いは突然ですが、惹かれ合う過程は丁寧に描かれており、説得力があります。
二人とも魅力的な人物で、ナヨナヨしていない点にも好感が持てますね。「いい男」同士だと思う。
サトルさんの仕事仲間である英子ちゃんやB男くんも、物語を形成する上で欠かせない存在で大好きです。


つまり何が言いたいかというと、とにかく最高だということです。迷っている方がいらっしゃるならば、是非読んでほしい。

3

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