あゆむくん

ayumukun

あゆむくん
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神39
  • 萌×221
  • 萌3
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
14
得点
289
評価数
64
平均
4.5 / 5
神率
60.9%
著者
村上キャンプ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
シリーズ
スクリーン
発売日
価格
¥820(税抜)  
ISBN
9784801969162

あらすじ

マイペースな変わり者俳優・歩と成り行きで恋人になったマネージャー・鴨志田。
ワケありスタートだったけど彼に向ける愛は本物。
ほんの少しでもいいから気持ちを自分に向けて欲しい――…という想いをよそに、
歩はヤることヤったら即シャワー!!??
甘い空気どころか彼氏(…なはず)への対応はペットのアーニー[深海魚] 以下!!??

歩のライバル俳優・基と彼氏の仲むつまじさに羨ましさを覚えつつ、
歩が異常な懐きっぷりを見せる男・一ノ瀬が現れ、もやもやは加速する一方で――!!??


「スクリーン」でメイン以上に人気を博した男の物語が堂々登場!

一途に尽くすマネージャー×マイペースで変わり者俳優、
一方通行に見える関係は…ふりまわされシーソーラブ!?

表題作あゆむくん

鴨志田誠,33歳,歩の恋人兼マネージャー
及川歩,25歳,若手実力派人気俳優

同時収録作品あゆむくん

野々宮和央,25歳,サラリーマン・基の恋人
夏目基,25歳,若手俳優・和央の恋人

その他の収録作品

  • アーニーのひとりごと(描き下ろし)
  • カバー下:あとがき

レビュー投稿数14

最高のスピンオフ!

『スクリーン』のスピンオフ作品です。
主人公たちより存在感があり、誰よりも漢をみせた実力派俳優・歩のストーリーです。
元作は既読の方がいいと思います。


『スクリーン』で、基とカズを守った歩。
全てのキャリアを捨て、ペットのアーニーと郊外で引きこもり生活を送っています。
マネージャーの鴨志田とは相変わらず続いているものの、
鴨志田に歩の気持ちは読めないまま。
Hの後はダッシュでシャワーに行かれ、アーニー以下の評価、下の名前すら覚えられていないーー
鴨志田よ……不憫すぎるわ^^;
〝不憫萌え〟好きの村上先生の期待を一手に担った鴨志田が、魔性の歩に振り回されます(笑)

本作は、鴨志田視点で展開していきます。
鴨志田が刺されるという衝撃的な幕開け!
鴨志田の命は?歩の本心は?

恋人同士なのに、片想いのような鴨志田。
歩の気持ちに自信がなくて、自己評価が低いです。
歩をこのまま終わらせたくない鴨志田は、誰よりも歩のことが好きだし、俳優としての歩を信じています。

そんな時、恩人・一ノ瀬が現れ、歩と基の2人舞台を演出します。
あっという間に表舞台に戻っていく歩。
どんなに頑張っても歩を復帰させる事が出来なかった鴨志田は、
喜びと同時にショックも受けるんですよね。
そして、熱烈なファンから別れるよう脅され、歩に対しての自分の存在価値に疑問を持っていきます。

歩が好き過ぎる鴨志田が切ないよ……
でも、ちゃんと歩の愛情は言動の端々から感じることができるんです。
意外と照れ屋な歩には、歩なりの愛情表現があるのよ!
それなのに鴨志田は歩のそばを離れる決心をした挙句、熱烈ファンに刺されてーーと、展開していきます。

危機に陥って、やっと気付いた想い。
恋人だからこ、そばにいられる、そばにいたい、そう言っていいんだよ!
実際、歩の中にはいつも鴨志田がいます。
分かりにくいけど、これが歩なんだよ!

恋人同士が片想いと違うのは、何でも1人でしなくていいところだと思います。
恋人同士なんだから、信じてそばにいて、そして少しわがまま言ってもいいんだと思うんです。
身を引くよりも強くいる事を選んだ鴨志田と、ツンデレの歩。
鴨志田はこれからも小悪魔な歩に振り回されるし、また同じ悩みを繰り返しそう。
でも、その度に戦ってほしい。
それで、ふたりで乗り越えてほしい。

コミカルHなのにとっても素敵で、心にグッと迫る作品でした。
やっぱり村上先生大好きだわ♡
それにしても、歩のデッドエンドにならなくて良かったよ。
編集さん、ありがとう〜

レンタの修正はグシャ塗りです。

6

『スクリーン』のスピンオフ

作家買い。

村上作品の『スクリーン』のスピンオフ。前作未読でも理解できないことはないと思いますが、今作品の主要CPの状況を理解するためには前作を読まれていた方が良いかと思います。

今作品は『スクリーン』の受け・基の俳優仲間のあゆむのお話。
が、視点はあゆむではなく、あゆむの恋人、というかセフレ?あるいはマネージャー?の鴨志田さん視点で描かれています。

『スクリーン』で、基と野々宮くんを守るために自身のスキャンダル(=男の恋人がいること)を世間に流出させたあゆむ。それが原因となり、売れっ子俳優だったあゆむは現在仕事から干されている。

が、あゆむ自身は飄々としたもの。
意に介している様子はない。
彼の生活は、アーニー(彼が飼っているナポレオンフィッシュ)を中心に動いていて、アーニーがいてくれればそれで良い。

ように、見える。

そんなあゆむを、鴨志田さん視点で描いています。

これね。
あゆむ視点ではなく、鴨志田さん視点で描いた、というのが実に素晴らしい。
『スクリーン』では、あゆむの添え物的に描かれていた鴨志田さんですが、彼のあゆむに対する深い愛情ががっつり描かれていてめっちゃ萌えました。

仕事に干されている状況のあゆむを、マネージャーとして正面から、そして精神的な面を恋人として陰から日向から支えている。ひとえにあゆむを愛しているから。けれど、歩にとっての自分はー?

報われなくても良い、あゆむに愛してもらえなくても良い。
あゆむが、再び俳優として脚光を浴びることができるのなら。

鴨志田さんは、あゆむによって彼自身も「男の恋人がいる」=ゲイだ、というレッテルを張られてしまっています。そのことによって周囲から見られる目も変わった。けれど、鴨志田さんにとってそんなことは些末なことでしかない。

そんなわんこな鴨志田さんですが、あゆむはというと常にクール。

自分が歩の踏み台になるのは構わない。
けれど、自分の存在があゆむの枷になってしまうのなら―?

村上さんと言えばキレのあるギャグ、テンポよく進むコミカルな作品、を描かれる作家さま、のイメージが個人的に強いですが、今作品はコミカルさは健在なまま、鴨志田さんの深い愛情もきちんと描き切っています。

そんな鴨志田さんの愛情は、あゆむに伝わるのか。

そこを軸に進んでいきますが。

うーん。
村上作品はおそらく全部読んでいると思いますが、今作品が一番好きかも。

コミカルと、愛情と。
そのバランスが絶妙です。

あゆむに振り回されつつ、けれど一途に想い続ける鴨志田さん。
飄々とした風を装いながらも、鴨志田さん一筋なあゆむ。

良い!
めっちゃ良い!

序盤は鴨志田さんの不憫さに萌え、けれど読み終わった後はあゆむの小悪魔的な可愛さにKOされている。非常に味わい深い作品でした。

作中、『スクリーン』の野々宮くん×基も登場しますが、まだまだ彼らのお話が読みたい。そんな風に思わせてくれる、非常に魅力的なストーリーであり、キャラでした。

5

大好きな「スクリーン」のスピンオフ!

「スクリーン」で主人公カップルをかばって、男性マネージャーとデキていると自らマスコミにスキャンダルを売った俳優、歩のお話。

「スクリーン」は受けと攻めがすでに付き合ってるところからから始まるお話で、両想いカップルのイチャイチャに目がない私は激しく萌えたんだけど、この作品も最初は二人の間に温度差があるものの、最後は容赦のない甘あま&イチャイチャを堪能できて、すっごく良かったです。

そもそも歩と、マネージャーの鴨志田とのなれそめは、歩が仕事で男を誘惑する役をすることになって、その役作りに協力するために肉体関係を持ったのがきっかけ。
思いっきりカラダから入った関係だから、エッチが終わればとっととシャワーを浴びに行ってしまう歩を見ると、鴨志田は本当に自分のことが好きなのかな?と心配になってしまう…。

この冒頭の鴨志田を見て、不憫ながらもちょっとほっとした。だって「スクリーン」では鴨志田は勢いと流れで歩を抱いたようにも見え、読者としては本当に歩を好きなのかな?と思わなくもなかったから。

でも、鴨志田はすっかり歩にメロメロで、スキャンダルのせいで仕事が減った歩の才能を、なんとかもう一度世間に認めさせたい一心で支え続けている。
どうしたら歩にとって一番いいのか悩み過ぎて、マネージャーを辞めることまで考えちゃったのは行き過ぎだけども、なんかこの真面目な攻めならわかる気がする。
そんな真面目で誠実な鴨志田を歩も必要としていて、段々と態度も甘くなっていき…後半にいくにつれてデレが炸裂! 最後の方はもう、歩の小悪魔な可愛らしさに、ニヤニヤしっぱなし…。

「スクリーン」の基&カズの相変わらずのラブラブぶりも拝め、非常に満足度の高い一冊でした。
電子版のおまけは鴨志田による裸エプロンの妄想。最後のページまで愛に溢れてます。

5

どんなにすきでもわからない

今まで書かれた方のレビューを読んで「ああ、みなさん『スクリーン』が大好きなのだなぁ……」と思いました。私も好きです。
その『スクリーン』で鮮やかな印象を残した及川歩くんが主人公のスピンオフ!
そりゃあ大好きなお話になりますよね。私もなりました。

村上キャンプさんのお話を読む度に、私はひれ伏しつつ言いたくなるのですよ。
「はい。仰る通り、人とはわからないものでございます~ぅ」

恋する相手って、勝手に解釈しちゃいがちなのかもしれない。
わかった気になりやすいものなのかもしれない。
好きになっちゃうからこそ、バイアスがかかっちゃうんだよね。
で「あれ?ちょっと思ってたのと違うくない?」って思ってから、相手の考えていることも、どんな人なのかも、実はわかってないってことに気づいたりする。

この『わからない』ことから生まれる苦しさ、切なさ、怖さ、驚き、そして喜びや満足感とか多幸感 etc.そういうのがお話の中にぎっしり詰まっているんですよ。
だから、読んだ感想が一言では言い表せないの。
ホント様々な感情が刺激されました。

「すごいなー」って思うのは、それが言葉で書かれている訳じゃないことなのね。
この『エロ可愛くて、面白おかしくて、キュンキュンしちゃうお話を読んでいく中で、そんな多彩で複雑な感情が私の中に勝手に巻き起こって来ちゃう』のね。
「これぞ物語を読む喜び!」なんだと思ったんですよ。

またしても思いました。
村上キャンプさんってすげぇなぁ。

4

は〜、面白い

作家買いです。村上先生の作品は読む前からもう想像を掻き立てられるというか、期待値が上がって仕方ないという状態で読んでしまうんですが、あゆむくん、はぁ、面白かったです…
正直なところ前作のスクリーンは自分としてはそこまでハマらなかったんです。なので今回そのスピンオフということで、あーあの子の話なのか程度にしか思わず、配信された直後には読まなかったんですが、そこはやっぱり村上先生でした!さすがです!

魔性でマイペースな受けに振り回される不憫攻めのお話なんですが、話の導入から鴨志田さん刺されてるんです。どんだけ不憫なんだって期待するじゃないですか。そしたらそれはもう不憫なんです(笑)歩があまりにも鴨志田さんにそっけなくて(笑)
話はすべて鴨志田さん目線で進んでいくので、読者も鴨志田さんと同様に歩が何をどう考えているのか歩の表情や行動などから読み取るしかできません。ペットのアーニーや恩師の一ノ瀬さんにはあんなにわかりやすくキラキラしてるのに…
でも1話目で歩たちが前作カプの基たちと飲むところで歩が「鴨志田さんの文句聞いてもらおうと思ったのに」って冗談を言うんですが、そのセリフを見て、あー、歩の中にもちゃんと鴨志田さんがいてちゃんと考えてるんだなって感じさせられます。というのも歩ってすごくわかりにくいんです。愛情表現とかってほんと人それぞれで、正解もないからこそ確認したり人と比べたくなったりもするけど、でも端々にちゃんと出してるんですよね。たま〜に歩の思考も入るんですが、歩には鴨志田さんをそんなに振り回している自覚がないんです。自覚がないから鴨志田さんのリアクションに対して沈黙したり、また照れて生返事したりしてなんか噛み合ってない(笑)だってわかりにくいもん、そりゃ伝わらないよ。1周目はこちらも鴨志田さんと同じ気持ちで読んでるから、見返してようやくわかったよ。でもわかって読んでみると歩ってやっぱ魔性なんですよね。
個人的にすごく好きな受けです。もっと二人の話が読みたい…なのでとりあえずデッドエンドにならなくてよかったです。

3

笑顔

丸々一冊が鴨志田さんとあゆむくんカップルのお話です。

一見すると淡白で釣れない態度に見えながら、エッチの時はとても気持ち良さそうなあゆむくんです。鴨志田さんが自信なさ過ぎて、疑り深くなってて気の毒になりました。

あゆむくんの才能を信じていて、自分を卑下する言葉を吐くのさえ許せなかった鴨志田さん。側から見れば相思相愛なのに、鴨志田さんだけが置いてけぼりのようです。

2人のエッチが激しくて、あゆむくんの表情がとても色っぽいんです。

アーニーさんの名前を語るストーカーに鴨志田さんは狙われてしまうのですが、大事に至らなくて良かったです。

あゆむくんの役者魂に火を付けた鴨志田さんが、人生のパートナーとして幸せになる事を願います。あゆむくんの笑顔が素敵でした。

読んで良かったです。

2

愛情表現、かわいさの権化

前作『スクリーン』は既読ながら、内容ははっきりとは覚えていない状態で『あゆむくん』を読みましたが、問題なく楽しめました。

俳優のあゆむは、マネージャーの鴨志田と付き合っています…が、そもそも付き合い始めたきっかけは、良きライバルである同業の夏目基のスキャンダルを隠すため。あゆむにゾッコンの鴨志田と比べて、あゆむからのデレはなく、鴨志田が恋人らしいことがしたいと言えば「セックスはめちゃくちゃしてるじゃん」とあっさり(何が問題なの?的な)。鴨志田は、あゆむは自分のことをどう思っているのか?と常に複雑な気持ちです。

ですが本当は、、、あゆむには情緒がない(笑)だけで、ちゃんと鴨志田のこと、好きなんです!!わかりにくいだけなんですよ!!!!

あゆむは「気を遣う」類のことはしないので、今さらになって鴨志田に下の名前なんだっけ?と聞いたり、演出家である一ノ瀬にめちゃくちゃ懐いてる姿を惜しげもなく披露したり…うわ、鴨志田かわいそう(笑)。あとがきにも書かれていますが、さすが村上キャンプ先生、今作も不憫萌えが炸裂しております。

でも実は、あゆむが名前を聞いたのは、誕生日プレゼントに鴨志田の下の名前を入れるため。基にわざわざ相談して、プレゼントを選んでいたんです。さらに悩んでもう一つプレゼントを渡す始末…かわいい。
一ノ瀬にも、一ノ瀬が恋人にして喜ばれたことを聞いて、それを鴨志田に実践してるんですよ…かわいいいい。

鴨志田と付き合っているというスキャンダル以降、表舞台から遠ざかっていたあゆむですが、一ノ瀬が演出する基との二人芝居の舞台で、復帰することを決めます。稽古場で演技に真正面から向き合う、イキイキとしたあゆむの姿を見て、鴨志田は、もう自分があゆむについていてあげる必要はないと悟り、退職願を書きます。

その後、あゆむが描く将来像に、当然のように自分が存在していることに気付き、退職は思い留まるのですが…書いたからには必ず誰かに見られるのが退職願ですよね(笑)。あゆむに見られるのかと思ったら、一ノ瀬でした。この一ノ瀬が、鴨志田があゆむの側を離れない決意をするための背中を押してくれるんですよね。飄々とした良いおじさんって感じです。既婚です。

ちなみに退職願を一ノ瀬に見られたのは、鴨志田があゆむに執着するファンに刺されて(!)、現場に残されたカバンからはみ出た退職願を、一ノ瀬が回収したからなんです。人が刺されたのに「ちなみに」とか言ってしまいましたが(笑)、あゆむが誕生日にあげたコートのおかげで、鴨志田は軽傷で済んでいます。

こういう、コートが後々役割を果たすとか、あゆむが鴨志田の名前を聞いたこともそうですけど、伏線を回収する描写が、村上キャンプ先生はお上手だな〜と思います。

基との二人芝居の千秋楽を終えたあゆむに、鴨志田はこれまで遠慮して言えなかった言葉をついに伝えて…ハッピーハッピーエンドです。

あゆむのわかりにくい愛情表現が最高でしたし、あゆむとの関係に自信が持てない鴨志田にも共感でき、とても良かったです!

最後、あとがきの「オ◯ブルーさんじゃないんですよ」は、私も笑いました。

2

予想以上にエロかったー!

愛のある可愛いエッチですよ。村上さんのキャラってコメディータッチで可愛い顔なのに以外と生々しくて良い。最近の作品は健全なのが多かったけどエッチな方の村上さんです。レーベルによるのかな?

でもエロだけじゃなくストーリーもちゃんと面白いのが竹書房。結構分厚くて読み応えあります。歩くんは美しいけどちょっと不思議ちゃんなので一般人の鴨志田には理解できない部分もある。でもさー、最初から最後までめっちゃセックスしてるよね?歩くんにいい思いをさせてもらってるくせに贅沢だぞ(笑)でも怒った時の関西弁は私もちょっとカッコいいと思いました。

色々事件はあったけど雨降って地固まるって感じで。歩くんは演技は得意だけど素を出すのがちょっと苦手なだけの天然小悪魔ちゃんでした。「スクリーン」の2人にも会えるし、アーニー目線の書き下ろしも最高でした。読者は皆アーニーになりたいって思ったに違いない。

カバー下にあった死にネタ案にならなくて本当に良かった。止めた担当さんは偉い。オン◯ルーさんは私も笑った。他社の勉強もされてるのですね。腐女子のお勉強は楽しいですからね。

1

あゆむくんが好きだ

「スクリーン」のスピンオフ作品。
サブキャラクターとは思えないほどの抜群の存在感と、同時収録作ではマネージャーの鴨志田さんを小悪魔的に翻弄していた歩くんのお話ですよ!
とにかく歩くんが可愛くて仕方がない。
村上キャンプ先生の歩くん愛に溢れたアツいコメントの数々に頷いてしまう。BIG LOVE。

攻めの鴨志田さん視点で描かれている今作。
世間に公表済みの恋人で、あれだけえっちもして、一緒に居て。
けれど、始まりが体の関係からな事、元々淡白な歩くんからの直接的な好意の言葉がない事、自分の立場とは?と、関係の危うさに不安を感じている鴨志田さん。
ここがですね、鴨志田さん視点なのが効いているというか、村上先生マジックというか、これだと鴨志田さんの不安な気持ち分かるなあ…なんて、可哀想だとか不憫に思ってしまいがちだと思うんです。
でも、じっくりと読んでみると鴨志田さんも脳内で思っているだけで、直接歩くんに対してきちんと言葉にしていない事が分かります。
下手をしたら「好き」の一言すら言っていないのでは?
ようは2人とも言葉足らずで不器用。
側から見ればどこをどう見ても相思相愛なのに、言葉にしないだけでこうも拗れそうになってしまう。
やっぱり言葉に出すのって大事ですね。

演技力は抜群だけれど、素の部分がとても分かりにくい歩くん。
かなり風変わりで、胸の内が超が付くほど分かりにくい人なのですが、作中のあちこちで本当にさり気ない鴨志田さんへの愛情表現が見られます。
名前の件といい、たこ焼き屋の件といい、伏線回収が上手過ぎて読み返した。キャンプ先生すごい。
自然と鴨志田さんと一緒に居る未来を思い描いていたという…
鴨志田さんには照れからか全く言わないのに、本人が居ないところでは惚気のように鴨志田さんの話ばかりしている歩くんが可愛い。
うーん、この不器用な愛情表現が可愛くて好き。
ラスト付近のころころと変わる表情がまた愛らしい。
巻き込んで振り回して、それってある意味すごく分かりやすいと思うと言った一ノ瀬さんの言葉がまさに歩くんといった感じ。
どうでもいい人にはそんな事しないですもの。
歩くんという名の魅力的な嵐に出逢ってしまった時点で、鴨志田さんも私たちもすっかりと飲み込まれてしまったのでしょう。

今回も俳優のお仕事描写が絶妙に絡んでいて良かったです。
歩くんに火を付けたのは一ノ瀬さんじゃなくて鴨志田さんのあの一言なんですよね。
稽古中から芝居への熱量がたっぷりだった、基との2人舞台も観てみたいなあ。
アーニーも可愛かったし、サブキャラクターも魅力的で、隅々まで楽しめる作品でした。
あゆむくん、大好きになってしまったな。

それから、カバー下のあとがきの「ネームが通らなかった数十年後の歩くんの最期」まで描かれた版も読んでみたかったかも。
「長生きしてね」の言葉もありましたし、それくらい末長く2人で一緒に過ごすって事じゃないですか…?
NGが出たのも分かりますし、当然賛否はありそうだけれど、そういう幸せな最期の描き方はすごく好きかも。

0

魔性の男「あゆむくん」振り回される鴨志田さん

あゆむくんのお芝居にかける情熱と、不器用だけれど確かな愛を感じる1冊でした。

鴨志田さん、不憫ですね……
振り回されても、あゆむくんに着いていく。
最終場面では、何よりも強い覚悟を感じました。

『スクリーン』のカズ&モトキくんカップルも、前半にたくさん登場しております。
相変わらず(?)ますますラブラブになった2人の姿も、見どころの1つです。

『スクリーン』と『あゆむくん』
2冊並べると、2組カップルの違いがよく分かる装丁になっていますね!!


キャンプ先生、面白いですね!!
作品は勿論のこと、先生ご自身がとてもユーモアに溢れている方なのだと、容易に想像出来ます。
カバー下のあとがきで、吹き出してしまいました……

0

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