ノット ロンググッドバイ

not long goodbye

ノット ロンググッドバイ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神43
  • 萌×223
  • 萌26
  • 中立9
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
14
得点
394
評価数
103
平均
3.9 / 5
神率
41.7%
著者
緒花 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784199608261

あらすじ

無口×わんこな同級生同士の、
不器用な恋のリマインドv 

この春に専門学校を卒業し、
近く社会人になる北斗。
同い年で同棲中の恋人・至は不愛想だけれど、
なんだかんだ優しい。さらには、
二十歳の誕生日を明日に控え、
十代最後の日を至と二人で穏やかに過ごす――
はずだったけれど、二人にはある約束が…。
それは、“二十歳になったら別れる”というもので!? 
別れることはわかっていても、
今だけは傍にいたい――
不器用な少年たちの、3年間の恋の記録v

表題作ノット ロンググッドバイ

黒澤 至,高校生〜院生
佐倉 北斗,高校生〜社会人

その他の収録作品

  • 後日談

レビュー投稿数14

色褪せない青春の物語

表紙の印象を裏切らない甘い切なさに満ちたラブストーリーでした。
いきなり期限付きとは切ないな〜と思いつつ、心地よい切なさに引き込まれました。終わりの日から始まって、ふたりの出逢いから別れ(?)に至るまでの物語がテンポよく語られ、構成もとてもよく練られていて読みやすかったです。

この作品の持つ切なさは、成長痛のように将来に向かって必要な痛み、振り返っていい思い出として輝く種類のもののように見えました。全体を通して”青春”独特の物哀しさが流れていて、喩えとか表現が繊細で美しくて、小説好きの人に刺さるのではないでしょうか。

人物描写もとても丁寧なので、そこから出てくる彼らの行動や発言がとても自然にみえます(なぜ期限付きなのかーとか)。健気で明るい受けと出会って一緒に過ごす日々で、過去にうけた心の傷を徐々に癒やしていく攻めの浄化の物語としても読めると思います。終わりの日から始まる物語ではあるのですが、離れたら終わりじゃないし、一緒にいるからうまくいくわけでもない人間関係(恋愛)の機微がうかがえるのです。

しばらく欠席していた前の席のクラスメートの首筋の日焼け痕からはじまる恋。何気なく見過ごしている日常の風景から構成されていて、時々読みながらハッとさせられるものがあり、折々に読み返したくなる作品だな〜と思いました。

1

表紙のイメージを裏切らない切ないお話

初読み作家さんです。小説挿絵を沢山されているだけあって絵が綺麗。
表紙からしてエロ少なめシリアスな雰囲気。
普段私が率先して読まない系です。
キャラバースデー2022小冊子貰う為に買いました。毎年キャラバースデーで買うからどんどん買いたい作品が無くなっていくんだよ〜。

厳選して買ったコチラの本。大当たりでした。
とても良かったです。
ハタチになったら別れる条件付きでお付き合いって何だ?
この作品、ネタバレ無しで読むのをオススメします。



2人のお別れカウントダウン最終日1日前からお話が始まり、出会いに戻ります。
高校三年生同じクラス、1ヶ月無登校だった出席番号ひとつ前の苗字「カ行の人」が、登校してきて彼の事が気になりワンコの様に付きまとう北斗。
彼の名前は「黒澤至」。
どこか冷めてて一線を引きたがる。
それでも、至のいろんな表情をもっと見てみたくて絡みに絡む北斗。
至は、両親の離婚時の母親からの仕打ちにずーっと囚われていて、自由の象徴である鳥に想いを馳せどこまでも自由にしがらみを感じたくないと思い続けるあまり人間関係を煩わしいと想いがち(思い込みも)
ずーっと心を開いてくれない至に対して惚れた弱みとして、明るく接し続ける北斗。
もう、健気だよ。心に土足で踏み込んだりせずずっと見守ってるんだもん。
それなりに楽しく、2人の心の距離も近くなったし、ハタチの約束は反故になるのでは?と期待するものの。。。

この先はご自身で2人の行末を確認して欲しい。

ストーリーがしっかりしていて面白かったです。
あと、私は攻めの救済ストーリーが好きなんだ。
包容力のある受け様最高かよ。



紙本で購入。
エッチシーン少なめ、完全白抜きです。

3

本編、ほぼ切ない。後日談でハッピーに。

高校からの恋人の至×北斗。
でも、20歳の誕生日を迎えたらお別れをする約束。
期限付きの恋人。同棲生活。
「約束」「行ってきます」「おかえり」「ただいま」の言葉と一途な気持ちが繋ぐ二人の切なくも心救われるお話。

タイトルにある通り、本編ほぼ切ないです。
「約束」という言葉が地雷の至には、純粋に一途に想って付いてくる北斗が過去の自分を見ているようで疎ましくて。でも、それだけじゃない気持ちもあって。

正直、途中まで至の傲慢自己中な考え方、北斗に対する態度が個人的にイライラしました。北斗、切ない。
徐々に至の過去が分かっていくと、何とも言えない気持ちになりました。至、切ない。

この恋を通して強くなった北斗が至の帰る場所になった最後に泣きました(T^T)
北斗七星は至にとっての道標でもありました!
最後はハピエンです!

後日談でハッピーな二人が見れます!
たくさんの人に読んで欲しいと思った作品でした❣️

2

心の複雑さ

別れの場面からお話は始まり、そこに至るまでのふたりの心境や少しずつ変わる関係が描かれていて、わりとずっと切なくて胸がギュッとするような展開が続いていました。

母親の無責任な約束のせいで幼かった至の心はひどく傷付き、それは癒えることはなく。
北斗があたたかな想いを伝えても彼は真っ直ぐに受け取ることが出来ないのです。
過去の記憶に縛られてそれを「乗り越えられた」と自分自身で線を引けるまでは
好きになった相手の言葉を信じきることすら出来ないなんて、こんなに悲しいことがあるだろうか。
父親に引き取られたあと、自由になって色んな世界をその目で見ても消えない傷。子供にとっての母親の存在はこんなにも大きいものなんだなと考えさせられるようでした。

ふたりの恋は北斗の想いに引っ張られるようにして始まったようなものですが、徐々に惹かれていたのを至も自覚していたはずなのに。
突き離すでもなく受け入れるでもない日常で
ふたりの間に縮めるのが難しい距離があるのが切なかった。
反応を探りながらそれでも寄り添いたいとアレコレ頑張る北斗からは至への想いの強さをすごく感じたけれど
同時に至の心の壁もはっきりしてしまい、なんとも言えない気持ちになりました。

そんな切なくて感動的なお話なのに、涙が出そうになるその寸前でスッと冷めるようなところがあってその世界観に浸りきれなかったな、と。
至の言葉、北斗の行動。ふとした時に切ない感情がぷつりと途切れてしまうような言動が引っかかってしまいました。

描きおろしではどうにか自分の気持ちを伝えようと頑張る至に焦れた北斗が、何故か女の存在をチラつかせて無理矢理言わせようとしているのがすごくモヤっとしました。
何の為に切ない日々を過ごしたのか、何故好きなのに離れたのか。
4年の月日はお互いを成長させたのではないの?と、最後の最後でスンッ…となってしまったのがすごく残念でした。

2

期限付きの約束

「ハタチになったら別れるから」と約束が嫌いな至くんと至くんのことが好きな北斗くんのお話

なんで20歳まで??と疑問に思いましたが読んでいくと、至くんの約束した理由がかなり衝撃で北斗くんの立場になると相当キツいのでは???って思いました。
でも北斗くんは、責めるどころか前向きに期限まで頑張るところや至くんを救い出そうとしてくれる健気さに涙が出ました。
「今切るのも後で切るのももう一緒だから」という言葉と覚悟で涙ポロポロでした(涙脆い)

北斗くんの一方通行だった感情が後半につれて変わってくるのも読んでて面白かったです!

3

ずっと泣きながら読みました

やっと…やっと読んだ…
結構前から購入リストに入れておいたけど『悲しいのかな泣くのかな』と気持ちを固めてから読もうと思ってずっと読めずにいた作品
けど広告?で見た緒花先生の『ハッピーエンドだよ』の吹き出しに心押されてやっとの思いで読んだ!読んだけども…ハッピーエンドとわかっていても大体最初から最後まで胸ギューッてなって泣き通しでしたわ
また絵がキレイすぎてもうほんと表紙見るだけで今は泣ける
北斗の気持ちが強くて優しくてこんなにいい子をこんなに待たせて!って気持ちにもなったけど至は至でまた愛おしい
至にとっては必要な時間だったのだよね…けど健気な北斗を思うとほんと切ない
ハッピーエンドでもちろん安心したのだけどこんなにも頑張った2人のもっと糖度高めな後日をもっともっと読みたい!!!
2人をもっともっと幸せにしたい!!!
思いよ届け!!!

8

これでいいのだ

桜が咲く頃に戻ってくる、傷ついた渡り鳥と同じように
佐倉くんが魅力的な大人になってお客さんから連絡先をもらったりなんかするような頃に戻ってきた

至は北斗にじっくりと癒やして、育ててもらっちゃって好きになれて良かったけれど社会人と学生でも同じようにやってはいけなかったんじゃないかと思う
待っていても同じように帰れるとは限らないし

でも、至から一緒に行くか誘ったときについていっても良かったとも思う
どんな風にしても想いがあるのならどうにかなるんじゃないかとBLだしと期待したいけれど、やっぱりそれぞれが人生を生きて、その上で相手を求めて一緒にいるってのが良いから北斗が至の過去に吸収されてはいけないと思う

お話は別れの前日の二人から始まったけれど、あの階段のところなのが良いんだな
院を出たところでどんな生き方をするのかイマイチ想像できないけれどほっとかれたとき北斗が文句を言っても良い関係になれたんなら、北斗のところに帰ってくる日の約束ができるのなら、幸せになれそうかな

勝手に印象だけで見ると至はほっといたりするくせに多分北斗が他の相手を作ったらめちゃくちゃ傷つきそうなので、北斗には友達がたくさんいた方が良さそうに思う

6

健気ワンコ受けは案外男前

お初の作者さんの作品でした。絵がとてもキレイ。
大学生と専門学校生の同棲ストーリーか?と思いながら読み進めたのですが、1話の最後で不意打ちに切なくなり驚きました。タイトルに別れの言葉が入ってるし、察しろよっていうハナシなのですがね。

2話からは2人が出会った高校時代から、付き合うに至って、何故離れる事になるのかが描かれています。
受けの北斗からの好意が煩わしく、約束は守られるためにあるのだと信じて疑わない事も自分の幼い頃と重ね合わせて見てしまう攻めの至…地味にヒドイ泣
そんな風に言われても、自分が至を傷つけたから自分が傷ついてもおあいこと笑える北斗が切なかったで
す…。

至は大人になれば何処へでも行けるって思ってるけど、とらわれている過去から自分自身を解放しなきゃ本当に自由になんてなれないのになぁ…と思ってしまいました。
拗らせてるし、放浪癖あるし、至と居て幸せになれるのかなぁ…っていう心配が消えないw
でも北斗は結構男前な大人に成長してたので、大丈夫かな?至の手綱引いててね、って気持ち。

すごくキレイなお話で、切なくてそして最後には報われてという、好みのお話なのですがモノローグの情報の多さに頭が少し混乱した感がありました。
もっとシンプルに読みたかったかな。
2人の別れから始まるという、お話の作り方には引き込まれました。

作者さんの他の作品も読んでみたいと思っています。

2

約束

とにかく明るいコミュ強の陽キャワンコ系男子北斗(受)と、“約束”を嫌悪し、早く”大人”になりたいと変化を望んでいた訳ありスレちゃった系無口男子至(攻)の、出会って別れて、そしてまた違う形になる、救済ラブストーリーです。

あらすじを先に読み、お別れが前提で付き合ってる二人のお話だというのは把握していたので、その上でタイトルの「ノット ロンググッドバイ」にどう繋がるのか、どうして二人は別れなければいけないのかと、色々と心の準備をしてから初回読みました。…が!心の準備など何の役にも立ちませんでした…切なさに号泣でした。

物語は主に北斗目線で語られています。至への恋を自覚する瞬間から幸せをかみしめる瞬間、そしてなにより、至の事情を鑑みて受け入れて、想いを殺して諦めてそれでも尚、終わりに向けて精一杯、後ろ向きに前向きに愛する本当に健気な気持ちが…もう切なすぎて切なすぎて。「至コノヤロウ!なんてやつなんだ!」と北斗sideで憤ってしまうこともありましたが、至にも至のそうなるべくしてなった理由がありまして…それがまたしんどい。

両親の離婚時に引き取られた母親にさんざん”約束”を反故にされ、捨てられ、父親の元に戻り、”約束をする事される事”を嫌悪するようになってしまった至。
無邪気に一心に”約束をすれば必ず守られる”をぶつけてくる北斗を至は、幼少時の自分とダブらせて、愚かで疎ましく思うわけです。だからこそ衝動的にしてしまった「20歳になったら別れるなら付き合おう」という”約束”。

物語は二転三転し、冒頭へとつながり、”約束”の別れが来ます。
でも、最後の最後まで物語は終わりません。

私は電子で読んだので電子限定だったのかもしれないですが、最後の最後の北斗のセリフがもうすべてを語ってるなぁと思いました。

一度読み返した後、心が落ち着いたらもう一度読み返してみて下さい。
さりげない何気ない描写に、また違う意味を見つけることができますよ!

8

幼稚なのは誰か

期待以上に面白かったです。
1話最初のページのセリフはどこに持ってくるのかな、と思ってたらここか〜
この2人の終わりから始まり、2話以降は出逢いに遡ります。このドラマチックな構成が、最終的に構成だけの作品だったな…で終わったらいやだな〜と思って読んでいました。「過去にトラウマがある高校生モノ」という自分としてはそこまで楽しめないことが多い設定では、最後しっかり「よかったね〜」と思って終えることができて満足。

至が北斗のことを幼稚と表現しますが、自分には至の方がよほど幼稚に見えました。身の丈を、自分がまだ子供なことを分かっていて、人当たりがよく友達も多く愛想もいい北斗は、ある意味で至より大人だと思います。
終盤の至はもうそのことに気付いていたかもしれない。ほんと、至がポンコツなばっかりに〜(カバー裏)

至の父の雰囲気が好きです。この数ページの登場で、母とは相性が悪そうな感じが露骨に分かるのに、どうやって結婚して子まで設けたのだろう笑

萌〜萌2

4

大人になる

切なげな表紙を裏切ることなく、受けの子の優しさに中盤からずっと泣いていました。

20歳で別れるという約束で付き合っていた二人が別れの瞬間を迎えてから、なぜそういう約束をすることになったのかを振り返る構成になっています。
『約束をする』ということがテーマになっている話ですが、とにかく受けの子がずーっと優しくて、その優しさが宙に浮きがちだった攻めを地上に繋ぎとめてくれたんだなと思いました。
ほとんど八つ当たりのようなことをされたり、時にはひどい言葉を投げられても、「自分が先にお前を傷付けていたんだ」なんて悲しんでくれる受けの心の美しさは思い出しただけでも泣いてしまいます。
攻めが大人びた子どもで、受けが子どもらしい子どもとして描かれていますが、結局攻めがずっと子どものまま身動きが取れなくなってしまっていたのに気付いて手を引いて、抱きしめてくれる受けの方がずっと大人に見えるのも良かったです。

二人の感情のバランスや距離感が徐々に変化していくのも、その変化に本人たちが気付く展開もなにもかもが良くて、好きなシーンを上げていくとキリがありませんが、最後、別れが近づいてきた時に、今までずっと受けが一方的に「一緒に行こう」と言うばかりだったのを初めて攻めがその言葉を受けに投げかけるところがもうたまらなくて、どこへでもついていくよと答えていた高校時代に別れを告げて、「行かない」と答える受けに涙が止まりませんでした。

物語も終わり方も本当にめちゃくちゃ良くて、良い以外の感情がないんですが、二人の名前にまつわるエピソードや「友達」の意味など、約束以外にもストーリーを通じて綺麗にまとめられていたと思います。
これから先何度でも大切に読み返したい1冊です。

11

有効期限つきの恋が切ない

緒花先生らしいお話だなあ。というのが第一印象。

表紙絵も儚くて綺麗で透明感があるんですが
お話もとっても切なかったです。

でも切ないけど悲しくはない。

高校三年の春、いつまでも出席してこなかった前の席。
登校してきた彼に話しかけたのは、ほんの少しの好奇心。
そういうきっかけが積み重なっていって、興味は恋に変わっていったけれど、恋の期間には期限があった。
北斗の二十歳の誕生日、3月30日で別れるという至との『約束』

なんでそこまで…と私は思ってしまうんですが
別れるコトは二人にとっては必要なコトだったんだろうなあ。

物語が過去と現在行ったり来たりするので
読解力のない私は時々???ってなってしまったので
もう一度、しっかりと読み直そうと思います。

9

雰囲気は良かったけれど

余りに遠回りの恋が成就したのは、北斗の至を想う気持ちひとつだったと思います。

至は子どもの頃の出来事に縛られていて、とても生き辛そうです。北斗を傷付ける言葉を吐いた事を謝って気持ちを伝えるチャンスは、至と一緒に暮らしていた時に何度でもあったと思うのです。
 
北斗は自分で自分を縛って不器用な至に、過去の至を北斗に重ねるのでは無く、他人である自分に恋してへ欲しいと告げて離れる事にするのです。

北斗は就職して至は休学して旅に出ます。仕事で辛い時に電話して良いかという北斗に、いつでも何処からでも駆けつけると約束して、さよならでは無くて「行ってきます」と告げるのです。

世界中を旅する鳥達が迷わないで帰って来れる目標のような存在が、至にとっては北斗なんです。

後日譚で至は旅から帰って来た後に、北海道の大学に編入して更に院に進学してました。
そして北斗の24歳の誕生日前日に東京に戻って来て、ようやく好きだから過去にしたくないと告白してました。

これっていくら何でも待たせ過ぎだし、北斗の気持ちに胡座をかき過ぎていると思いました。

世界中旅しながら大人になり切れてなかったのかなと残念でした。雰囲気は素敵な作品なんですが、たまに何を言いたかった?って置いてけぼりになってしまいます。

12

ユーリマインドミー

高校の同級生二人の出会いから20歳までの3年間と、
その1年後の後日談を描いた作品です。

「ハタチになったら別れる」
……そう約束して付き合いだした北斗と至。

出会いは高校生。サ行の人とカ行の人。
寡黙で時々見せる意外な表情が可愛く、自分の知らない世界を知っている男ーーそれが至。

わんこで押し付けがましくて独善的、それでいて素直でお人好しーーそれが北斗。

正反対の二人。
だからこそ惹かれるし、だからこそ憎い。
母親に捨てられた北斗の過去……
守られない約束に縛られてどこにも行けず、待ち続けることしか出来なかった幼い自分。

至は幼き頃の自分自身に北斗を重ねてしまうんですよね。
だからイラつくし、傷付けたくなる。
信じさせてポイ捨てするつもりが、いつしか天真爛漫で優しい北斗にどうしようもなく惹かれていく。
決して約束を反故にしない、必ず至に「ただいま」を言う北斗。
きっと、小さい頃の至も北斗が救ってくれたんだろうな。

大人になったら何にも縛られずに自由に生きたいから、
ハタチまでの期限つきの関係。
それなのに、本当はもう至の方が北斗から離れられなくなってるんですよね。
でも、自分の存在が至を傷付けてると思う北斗は、自分から至の元を離れる決心をします。

好きなのに離れなきゃいけない。ここが切なかった。
北斗は、ポラリスを探す目印になる北斗七星なんですね。
至は、ポラリスを目印にする渡り鳥なんだな。
必ず帰ってくるの。
距離が離れても、決して心は離れない。
必ず至の帰る場所は北斗の隣。

後日談での至からの告白にニヤリ。
やっと言ったかと。北斗やったね!と。
ハタチで止まったままの至の時計もやっと動き出すんだろうな。
至は北斗の尻に敷かれたらいいと思う(笑)

なかなか深い話だし、とてもエモかった。
物凄い遠回りの恋だったけど、ここに至るプロセスが大切だったんだと思います。
好きな人が当たり前のように日常に溶け込むって、とっても幸せな事なんだと思わせてくれる作品でした。

Hは、ほんの少しです。
自然に繋がるようになった流れが素敵でした♡

17

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