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今日からあんたは俺の伴侶だ
bakeneko katatte sourou
主人公の地に落ちたメンタルが化け猫に引っ張り上げられるストーリー。
主人公が十八連勤お疲れサラリーマンで冒頭からプラットホームの下に吸い込まれそうになっていますが、職場での出来事など深刻すぎる描写はありません。
全体的に優しい雰囲気の作品なので、しんどい話が苦手な方でも問題なく読めると思います。
登場キャラクターは全員善人(善化け猫)。
波乱は起こりますが当て馬や敵対するようなキャラクターは登場せず、最後まで平和で安心して読めるストーリーでした。
全体的に独特の空気を持った作品で、恐らくそれがこの作家さんの持ち味なのだと思います。
しかし、私は作家さんの癖に慣れておらず読み進めるのに若干苦労しました。
地味ですが化け猫の登場シーンが怪談テイストで良かったです(可愛い猫なので特に怖くはありません)。
どうでもいいですが十八連勤は労基違反だと思うので主人公の職場が労基に罰則を科されているといいなと思いました。
早寝電灯先生の持つ、独自の世界観・空気感が大好きで先生買いしています。”ストーリーテラー”とは、早寝先生のような先生のことを言うのだろうなあと。
こちら、化け猫講談師 × 自殺を考えてしまった社畜リーマンの異種間結婚ストーリーです。
このカップリング設定だけでももう面白くてワクワク…
疲れきった家路、ふらりと入った寄席で講談に引き込まれていくも、なぜか講談師が化け猫に見える。
正体がバレてしまったからには、”秘密を守るための契約”として結婚するしかないと、結婚を強要されてー!?
と続くお話です。
不思議な空気とコメディタッチな部分が絡み合い、「分からずやだとチュウするぞ」「誅(ちゅう)する!?」なんてささやかな掛け合いコメディがおかしくて!
化け猫族のばあさんの手によってキジトラに変えられちゃう草太も、可愛い ฅ^•ω•^ฅ
尻尾も生えてきて、たしんたしんと揺れちゃってます。
そんな中に、「俺(講談師)が語るのはフィクションだが お前の人生はノンフィクションで一回きりだ」と沁みる一言がさりげなく出てきたりして、、胸がじーんとしました。
中でも特に刺さったのが、「物語みたいに生命維持に直接関係のないものを真に迫って面白いと思えるって 生きてる証だ」という草太の一言。
BLを楽しむことも含め、”娯楽”の意義って、ああそこにあるんだなあと、ストンと胸に落ちてきました。
寿命の違う者同士で添い遂げることの不安と恐怖、自分の語る物語が誰かを救うこともあれば、それが別の誰かにとっては悲劇になることもある…
そんな不条理をそれぞれ抱えつつも、前向きに生きていこう、生きていきたいな、と背中をそっと押してもらえたように感じる作品です。✨
ぐっと引き込まれる導入で、2人がこれからどうなっていくのかドキドキしながらページを捲りました。
受けの人となりは生活に追われる現代サラリーマンで理解しやすいのですが、同じく攻めも人外(化け猫)ではありながら言動が人間らしく、どちらも共通して優しくて他者に思いやりがあります。
だからこそ種族の違い等の障壁に、より一層ハラハラしてしまうのですが...2人がお互いに歩み寄っていく過程が穏やかで優しくて、とても好きです。
ドタバタで始まった関係からゆっくり愛が育まれていく展開は癒されますし、ヒヤッとする展開も、切ない展開も、キュンとする展開もあって、強く感情が揺さぶられます。何度も読み返している一冊です。
先生の『52ヘルツの共振』『See you later,Mermaid』が好きです。こちら試し読みして面白そうだったので読んでみました。
攻めの喜八は講談師で実は化け猫、受けの草太は社畜リーマンで、疲れ切っています。二人が出会って、結婚を前提に?同棲を始めるが…というお話。
喜八のキャラデザが好きです。少し長めの黒髪にあごひげで色気を感じます。草太も可愛らしいけどちゃんと男性という感じが良いです。
これまで読んだ作品と違い、コミカルな雰囲気でお話が始まり、ファンタジーでもあり、どう展開していくかワクワクしました。
受けはかなり重度の社畜で、死を匂わせるほど生き辛さを感じている様子。
そんな草太に慈愛に満ちたまなざしを向け、「雀」と呼んで慈しむ、喜八の優しさにキュンとします。
「生きるために働きな 働くために生きるんじゃない」
喜八のこのセリフ、沁みました。
そんな喜八の優しさに絆され、次第に惹かれていく草太。しかし両片想いのような、気持ちのすれ違いが起こります。
後半攻め視点となり、喜八の草太への深い想いが描かれて、とてもキュンとしました。
色々ありましたが、最後はお互いの気持ちを伝え合うことができ、無事に大団円。
途中化け猫の宴会や、最後は百鬼夜行が描かれて、妖怪BLといった風情で楽しいです。
また脇役の化け猫、山吹がちょいちょいちょっかいを出してくるんですが、それがとても面白くていいキャラでした。
初めは結構コミカルな感じかと思ったのですが、やはり早寝先生、大いに切なさのある、また読み応えのあるお話でした。
本作は自分には少しモノローグやセリフが難しいなって思う部分がありました。でも素敵なお話だったので、また読み返したいです。
書き下ろしは初夜のお話。短めで描写もあっさりめだけど、草太は可愛くて、喜八は雄みがあって良きでした♡
キスシーンは何回かありますが、濡れ場は書き下ろしのみです。
(タイトルの「かたって」は語ると騙るを掛けてるんですね、読み返して気付きました。)
電子(シーモア)購入 濡れ場は修正不要な描き方です
いい!!
早寝先生作品の中でいちばん好きです。
なんてったって喜八がいい。
草太を「雀」と呼ぶのがかわいい。
前半、抑えながらも草太のことがかわいいんだろうなというのが見て取れたのが萌え〜。
この堪えながら、草太の言葉や表情にぐっときている喜八がめちゃくちゃどストライクでした♡
草太も疲れ切ってはいたけど、素直なところがいい。
喜八に惹かれていく過程が全部きゅんきゅんしました。
かと思えば、喜八が突き放した時はめちゃくちゃ切なくて。
この辺の描き方もすばらしい。
切ない展開の後の、第五譚の扉絵の草太の「はーー……」に、私も同じく「はーー」と言っていたので笑いましたw
早寝先生は作品ごとにモチーフがあり、それをストーリー展開に織り交ぜられるのがめちゃくちゃお上手ですが。
本作では「物語」がうまくリンクしていました。
に加えて、本作では前述したように、2人のキャラ、距離の縮まり方の描き方がすんごい好みだったので、私にとって神作品です。
更に、再生物語でもあるのがいい。
好きなんです。再生モノ。
草太はもちろん、喜八にとっても救われましたもんね。
喜八が自分の名前をそうつけたのもぐっときて。
子どもたちが死んでいくのを見てきた喜八が、喜びを末広がりに…と望んだんですもんね。
早寝先生は、モチーフとのリンク、セリフ、コマ割りがお上手だと思ってきましたが、場面転換がいいんだわ!と今頃気づきました。
回想(よく用いられる)、心象風景、夢などと、現在の場面転換がスムーズかつドラマチックなので、気持ちがいいし、めちゃくちゃ引き込まれる。
触れ合うシーンの描き方も好きです。
人外には興味ない私でも、内容がよければそんなの関係ないので、その点もよかったです。
逆に、かわいかったし。
耳が出たり、猫目になるタイミングが絶妙でおもしろくて、こういうところ大好き〜となりました。
旅館猫さんもナイスキャラでした。
あとがきもよかったです。
「物語」をモチーフにした内容ならではで。
読者の想像力が膨らみますね。
ただ1点気になったのは、表紙から受けるイメージがコメディぽくて。もっと軽いのかと思っていました。
もちろんコメディ要素もありますが、それよりきゅんきゅん切ないラブストーリーで、しかも救済モノだと匂わせる雰囲気のある表紙だったらずいぶん印象が変わるのになぁと。
完全に好みですが(5☆満点)
すごい ☆☆☆☆
面白い ☆☆☆☆☆
内容が好き ☆☆☆☆☆
絵が好き ☆☆☆☆
キャラが好き ☆☆☆☆☆
萌える ☆☆☆☆☆
ストーリーが飛び飛びでなくしっかり進んでいくので読み応えのあるお話です。
一冊読み終えた後映画を1本みた気がしました。平凡な(過酷な)社畜生活を余儀なくされている人間と人間界に生きる化け猫、本来ならば関わり合うはずのなかった2人が出会うべくして出会ってしまった……講談に初めて触れた時の主人公(受)草太のシーンがとても印象的です。あやかしや人ならざるもの系が好きな方にはぜひ読んでもらいたいです。
テンポもすごくいいので、一気に世界観に浸れること間違いなしです。
すごくすごく好きなお話でした!
実は、最初バーっと斜め読みした時は何とも思わず。(すみません)
でも数日後にゆっくりと読み返した時は、涙が勝手に出てきました。
仕事に疲れた主人公はよくあるけれど、電車に飛び込もうとする、その一瞬の魔が差した感じがリアルで・・・。
その他にも所々にさりげなく入る、現実の世界の何処かにいるだろう、疲弊した、怯えて、やるせない人達の姿に、気持ちがぎゅっとなります。
だからこそ、主人公達に幸せになって欲しいと強く思いました。
可愛いだけではない、(もちろん、ものすごく可愛い猫耳ですが)切なくて幸せな物語でした。
猫耳好き、百鬼夜行好き、そして今すごく疲れている人におすすめの物語です。
いや〜ほんとに面白かった!そして最後はホロリとさせられました。
人間界では講談を生業としながら生きている化け猫の喜八と、人生に疲弊しまくり死のうとしていた草太の物語。
まずストーリーのテンポが軽快かつせりふも粋でそれこそ講談を生で聴いているような感覚で、マンガでこんなこと経験するのは初めてだったので結構びっくりしています。
BLという枠に囚われず色んな方に読んでほしい!異種間のよさって、元々フィクションなのだから、誇大された描写でも、同性愛だとしても違和感なく読めるところだよなと最近思い始めました。
ほんっとにおもしろかったです!
きっと深くて良いお話なのに自分にはそれを受け取る読み取る気力や読解力がなくて申し訳ない。
喜八からいきなり伴侶になると言われて戸惑う草太。
強引で良いな、草太も命を救われて価値観もひっくり返されて、このまま喜八と暮らすのもいいかなと。
化け猫の集会や掟や喜八の過去など色々あり。
出た!寿命問題!
喜八は草太に一目惚れだったし、いつか置いていかれるのが怖くて。草太だって後になって離婚すりゃいいと言われて怖くなって。
夢を辿るなんて素敵な力ですね。
好きなら一緒にいりゃいいじゃん!
明日を楽しみに生きるお話を作ったり聞かせたり話したりして生きていこう!
初夜をもっと詳しく読みたかったな。
いわゆる社畜の草太は、連勤残業の日々に疲れ果て、楽になるため無意識に死を考えるほどだった。
そんな時、入り口の提灯の明かりに誘われ
講談小屋へ立ち寄る。
そこで喜八の講談を聴き、すっかり惹き込まれていたらなんと…喜八の姿が化け猫に見えてしまう!という、かなり衝撃的な始まり。
ファンタジーだけど、現実社会とのリンクもあって
非現実的なのに馴染み深いような…
そんな不思議なお話でした。
結納の宴会の場面で
桔梗さんから話を聞き、化け猫の世界に触れた後
草太の気持ちが変化していったのがすごく印象深かったです。
それは喜八との幸せな日々へ向かうだけの変化ではなかったから。
自分の気持ちがわからなくなるほどに喜八への想いを感じていたんだろうと思います。
ホテルに迎えに来てくれたとき、心の内を明かすことになりますが
喜八も化け猫と人間の寿命の違いを案じて臆病になっていたのだから、お互い様だったんだなとなんだか安心しました。
このままふたり一緒に暮らして、未来はどうなるのか?
それは化け猫である喜八にさえもわからないこと。
でも今を生きて、ふたりで過ごせる日々があって。
そんな"当たり前"な幸せを
このふたりはきっと噛み締めて生きてくれるだろうなと思いました。
そして、早寝電灯先生の作品は本当に奥が深いなと改めて感じました。
物語に厚みがあって、また何度も読み返したくなり、読むたびにまた新しい気付きがあったりして。
本当に大満足な一冊でした。