パブリックスクール ―ツバメと監督生たち―

public school tsubame to kantokuseitachi

パブリックスクール ―ツバメと監督生たち―
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神119
  • 萌×229
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない6

122

レビュー数
22
得点
725
評価数
160
平均
4.6 / 5
神率
74.4%
著者
樋口美沙緒 

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イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール-檻の中の王-
発売日
価格
¥750(税抜)  
ISBN
9784199009891

あらすじ

名門パブリックスクールの監督生として
最上級生となった桂人。
寮の運営や大学受験の準備と、忙しないけれど充実した毎日を送っている。
唯一の気掛かりは、想いを伝え合ってから、恋人のスタンが一度も「愛してる」と言ってくれないこと。
自分との将来をスタンはどう考えているんだろう──。
そんな不安を抱えていた矢先、初めての寮代表会議が開催された。そこで顔を合わせた他寮代表のアーサーは、どうやらスタンの顔なじみらしい。
けれどそれ以来、なぜかスタンの様子がおかしくて…!?

大人気「パブリックスクール」シリーズ第6巻! !
「ツバメと殉教者」のスタン&桂人、書き下ろし続編が大ボリュームで登場!!
デビュー10周年記念、4冊連続刊行の最後を飾る待望の最新刊! !

表題作パブリックスクール ―ツバメと監督生たち―

スタン・ストーク,17歳,ウェリントン寮の監督生・桂人の恋人
桂人・ヴァンフィール,17歳,ウェリントン寮の監督生・スタンの恋人

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数22

No Title

もうべっしょべしょに泣きながら読んだ……乗り越える為にスタンが向き合うべきものはやはり母との問題なわけですが…。 スタンの弱さが私は好きだけどねぇ桂人の胸中を思うと泣けてたまらない瞬間がいくつもあった… 桂人が寮のことにしてもスタンにしても覚悟を決めて発言する時はいつでもかっこよくて美しかった。そして彼の言葉には魂を揺さぶる強さがあるよなぁ。いったいどんな大人になってどんな仕事につくのか彼のこれからも気になりました

0

ラブは少なめ

前作で結ばれた二人がどうやって付き合っていくのか、楽しみでページを捲っていきましたが、なるほど今回はこういう話か……となりました。

内容は文句なしに面白かった。
でもそれはBLとしての面白さではなく、人がどうやって成長していくかということから目を離せないという意味での面白さだった。

スタンが過去のトラウマでどれほど傷ついているかもわかる。
桂人がどれだけ愛が深くて、優しいかもわかる。
でもいくらスタンが今のままの自分じゃダメだとか、ダメな自分を桂人に見られたくないからと言って、言っていいことと悪いことがあるし、あんなに酷いことを言ったのに「いつか完璧な自分になれたらまた桂人と一緒になりたかった」的なことを言っていたのには少なからずショックを受けました。
でもまぁ彼も17歳。言ったそばから後悔はしていたのでしょう。

とはいえ、内容のほぼ9割はもやもや、ジリジリという感情にさせられて、できればもっとスタンと桂人、二人の話が読みたかったし、今回は桂人の愛が深く大きかったからスタンと最後大団円でしたが、言ってしまえばあんなに自分勝手に桂人から離れようとしたスタンには一度痛い目を見て欲しかった、というかスカッとした気分にさせて欲しかった。

でもそもそもずっとスタンは一冊を通してずっと痛い目を見ていたといえば見ていたと思うので、桂人に一度でも拒絶されてしまったらもう二度と立ち直れなかったのでしょうから、それは仕方がないのかなとも思います。

シリーズ通してどれも神評価したくなるほどの面白さですが、今回は物足りなさを感じたので萌×2です。
ぐるぐるした場面ばかりが多く、その割に爽快感がないような。
とはいえ大好きなシリーズなので、次回作がまた出ればいいなと心から思います。
パブリックスクールシリーズで、新たなCPも読んでみたいです。

0

ボリューミーで、感動で泣ける

2作前のツバメと殉教者のスタン桂人CPの2作目のお話。前作でも親からの虐待に心に傷を負った2人の相互救済に泣けましたが、今作はそれを上回りました。

前作で相互救済したかに思えたものの、スタンは自分を虐待した母を許せず、そんな母が自死したときに喜んだ自分を許せないでいた。その贖罪から、スタンは"それなりの幸せ"があればいいと思っていた。そんな中、スタンの双子の兄アルバートは母親が死ぬ前のスタンを取り戻してほしいと母親の死後きちんと練習をしていなかったバイオリンを再開することを勧める。バイオリンを再開することに難色を示すものの、周囲からの策略で桂人を巻き込む形で再びバイオリンを手にするスタン。そしてバイオリンを再開するためには必要だと桂人に別れを告げる。

しかしいくら3年のブランクを埋めるための猛練習をしても、技術を高めるだけでは音楽に感情が乗らない演奏になってしまう。桂人はスタンが母親の死を乗り越えないとスタンの持つ感情豊かな演奏はできないと気付き、嫌われる覚悟で母親の死と向き合うよう強く迫り…というのが話の本筋ではありますが、それと並行して(というか絡み合って)本来の自身の寮ではないブルーネル寮で過ごさねばならなくなる桂人。

メンベラーズに見出され、ウェリントン寮で寮の運営の才覚を発揮した桂人は内部分裂をしているブルーネル寮の問題点をいち早く見つけ、ブルーネル寮が再び結束するための一石を投じる。

ここであらすじを書くだけでも話の主軸が2つあり、かなりのボリュームの今作(厚さは今までで一番だと思います!)。やはり今回の見どころはスタンが母の死を乗り越えられるのか、乗り越えるとしたらどのように乗り越えるのか、そしてスタンと桂人の未来はどうなるのか。一番泣いて感動したところは見どころに関するところなのであえてここでは言いませんが、自分が作り上げた居場所があれば、未知の場所でも真実を知ることも怖くないということ。いろんな表現で樋口先生が何度も何度も説いて下さっていて、心が洗われるようでした。

そして桂人をあえて内部崩壊しているブルーネル寮に送り込んだのはやはりメンベラーズでした。前作に引き続き、メンベラーズ、恐ろしい子。

1

愛情深い、紆余曲折ありながらも最後は感動できる作品


【ツバメと殉教者】の続きものです
今巻もとても良かったな、んも〜泣きました。やはり樋口先生は『愛とは何なのか』を追求されるような作風の先生ですねこの【ツバメと監督生たち】も各々の家族や友情、恋人との関係性や自分自身がどうありたいかを、生温いところで有耶無耶にせず自分にも他人にも向き合う事で一歩大人になるようなこれぞ2作品目!といえるクォリティでした。
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サブタイトルに監督生たちとあるように主人公の桂人が他寮の監督生達にも影響を強く与える存在になっていて、ウェストン寮だけじゃなく、異動で行くことになったブルーネル寮まで状態を立て直した桂人は今まで以上に男前でカッコよかったなぁそれもこれも、桂人の真っ直ぐな愛情が周りに影響を与えていて、でも桂人がそうなれるきっかけを作ったのがスタンだということがいいよね、
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読み返したくなる作品であり、カップルです。

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愛情深い、紆余曲折ありながらも最後は感動できるBL小説をお探しの方はオススメです。

1

ぜひ続編を!

樋口先生の作品の中で一番好きな作品です。けど本当に何度読み返しても辛い…。ツバメシリーズの前巻を読んだところで、桂人は救われたけどスタンは?あんな経験をしたのなら、あれだけで救われるとは思えない…と正直思っていたので、今回丁寧にスタンの心の傷について描いてくれてとても良かったです。

今回は桂人とスタンの差異がよく書かれているなと個人的には思ったのですが、何度も読むうちに、桂人とスタンって、やっぱりちょっと似てるかも?と思いました。スタンの、臆病さゆえの言葉足らずな言動によって桂人を傷付けているのは勿論ですが、桂人も桂人で自己肯定感の低さからスタンからの愛を低く見積もって傷ついたりしてるんですよね。スタンより桂人の方が健やかな強さを持ってはいるけど、どちらも自分の評価が低くて、自分に向けられる愛の程度を上手く把握できない、不器用な、似てないようで似ている二人だなと思いました。また、おそらく前回の話で(違っていたらごめんなさい)スタンが成長するアルビーや桂人に対して、焦りや自分だけ置いて行かれたような気持ちを抱いていたように、桂人もアルビーに対して今回似たような気持ちになっている記述があったりと、細かなところで2人の似ているところが書かれているなと何度も読み返してから気付きました。

何度読み返しても、スタンが音楽に取り憑かれたように練習している描写が本当に辛くて。桂人を置いて、スタンは音楽の国に行ってしまうのだろうか。音楽といった、魂が呼ぶものにはどんな人も勝てないのだろうかと考えると、本当に苦しくて仕方ありませんでした。凡人の私には才能ある音楽家の見えている世界がまるでわからないし、音楽に没頭する姿を見ると、美しいと思う反面、神様がその人をどこか遠くへ連れていってしまうような、そんな危機感と寂しさを抱いてしまいます。これは以前から思っていたことなのですが、今回この小説を読んで、まさかこの複雑な思いに対する回答が得られるとは思いもしませんでした。桂人の見つけた、ステージを下りた先にも、人生は続いているという答えに、私自身も勝手に救われました。スタンが音楽の中に桂人を感じたように、ステージの下での人生が、ステージ上での演奏に関わることもある。音楽とは単に孤独で閉ざされた世界のことではなく、多くの人と繋がることが出来る素晴らしいものだと、読んでいて気付くことが出来ました。また、桂人にとって音楽とヴァイオリンは競うものではなく、桂人が愛するスタンそのものという考えも本当に素敵で、この考えに辿り着けるのは桂人の強さだなーと改めて思いました。本当に桂人は凄い。強い。美しい。

スタン、桂人に「それなりの幸せ」って言った時はおい!!なんだその言い方!!と思いましたが、それは桂人の存在がその程度っていうよりも、スタンの中でヴァイオリンが、スタンが自分らしく生きるために必要不可欠なもので、ただ単にその部分が欠落してる状態ってことなのかな〜と思いました。一口齧られた林檎みたいに、一部分だけ足りない状態というか。うまく言えないけど。桂人もヴァイオリンも、どちらもスタンには必要不可欠な存在だと思います。2人が別れたら、桂人はなんだかんだ生きていけそうだけど、スタンはボロボロになるんじゃないかな。

今回、スタンは大きな山を越えたけど、桂人もスタンも、彼らが抱えた傷が完璧になくなるなんてことはなくて、この先人生の思いがけないところでも、彼らの抱えた傷が影を落とすこともあるかと思います。けど、精一杯傷と向き合って、互いに愛して欲しいと縋りつけるようになった2人なら、乗り越えていけるんじゃないかと思います。本当にこの話の先の二人が見たい!続編が来る日を楽しみに待っています。小説charaに載せられた後日談もいつか読めるようになりますように…。

2

続編あるのかな

前巻からの推しキャラであるメンべラーズが相変わらず暗躍してました。ただ最早"彼の寮生"ではないので、やや放置気味。

正直に前作のまとまり方が好きだったなぁと思ってしまう。今回どうも桂人が説教くさいんですよね。選ばれた才ある者の人生を導くにはそら説法も必要でしょうが、凡庸な自分は"それなりの幸せ"もいいもんじゃあないかと思ってしまう。スタン程の天才に出会ってしまったら、周囲はそうも言ってられないのも分かる。
ブルーネル寮での桂人も説教くさくて…前作の陰で動く彼が好きだったもので。

それでもまだ桂人のことは好きなので、スタン以外ともっと素晴らしい恋愛経験が出来るのではと思ってしまった。スタンとは「何年も経ったころには、忘れられている青春の思い出」で終わらせても全く構わなかった。商業BL作品のセオリー的にそれはないと分かりつつ。それ程スタンがカッコよくないんだよ…少なくとも自分には。かつて「愛されるなら、体も差し出せるのか……っ?」と激昂した彼の桂人に対するレイプにもガッカリした。暗がりの路地裏に放置して桂人が二次被害に遭ってたらどうするつもりだったのかスタンは。取り返せないものがこの世にはある。

これを読んだ時点でもう一冊発売されていて、そこに自分好みの2人がいたら神にしていたかもしれないけれど、単体では萌2にしちゃう…続きがあるなら絶対読みます。

1

引き込まれるようだった

桂人がとてもいい

0

・・・

読了記録。
幼児虐待のPTSDを扱う、単に恋愛を描いた作品と言えない、難しい課題を抱えた作品。
著者が理解した範囲で、対PTSDの対処法を述べているんだな、と(萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」と比較しながら)読みました。

メンベラーズの策に嵌って、素人の手探りを、ケイト君が物語の中でスタンに対して一生懸命に行います。誰にも相談できない状態で、ケイト君に一生懸命考えさせて、ケイト君なりの思惑で動いた記録、といった印象です。
心に心的傷 PTSDを持つ二人の共依存のような関わり方は、三歩進んで二歩下がる、それでも一歩前進しているからいいのかなーと思ったり。「共依存恋愛」という視点で読むと構成に不足を感じます。
離れた方が良いのに、戻ってしまう。無理に引きはがすと心の傷からどくどくと血が流れるみたいな二人。

★こうなる切っ掛けを作った策士メンベラーズ。物語の中で、誰も専門家に相談をしていないけれどメンベラーズだけが相談していそう。

こういう生殺しは、「しゅみじゃない」
どれもこれも中途半端で終わっているのは、まだ続きを書く気持ちがあるからかも。完結していません。

2

シリーズ集大成のような作品

 桂人とスタンが結ばれた後のアフターストーリーの様な位置付けと思っていたら、全然違いました。内容が素晴らしかった…。前作は内容の理解が難しかったですが、今作はストーリーに入りやすく、読み終えた時にこみ上げる物が大きかったです。
1ページ1ページの内容が深いのと、ボリュームが多いので、読むのに時間がかかりました。この内容が現実に起これば、心身共に消耗しそう。スタンと桂人凄い。。

 読み出した時には、ピンとこなかったスタンの母という壮絶なトラウマ。想像するのが流石に難しくて。。人は自分で経験した事ければ、本当の意味で理解することはできないと言います。それでも、このボリュームのある一冊の後半まで進んだ頃には、スタンの母への複雑な想いに胸がいっぱいになりました。スタンは母への想いを桂人への想いと共に墓場まで持っていくんだろうな。

 スタンが葛藤しつつも音楽に一心不乱にのめり込む姿が良かった。今作では、非常に人間的な姿に共感できる部分が多く、前作よりずっとスタンが好きになりました。
 私は昔の少年漫画の主人公の様な受けが好きなので、樋口先生が描く女性的な受けはどちらかというと苦手なのですが、今作の桂人はカッコ良かったです。時々荒治療な行動もあり、読んでいてヒヤヒヤしましたが。。
スタンのライバルのアーサーも憎めないキャラでいい味出していました。彼の開き直り方がイイわ。

 音楽をする人は、他の演奏者と楽器を合わせて奏でる時間は、他で経験する事が出来ない魂の共感ができるので病みつきになると耳にします。その為に日々の鍛錬も生涯続けられると、、。スタンが自らの魂を震わせてヴァィオリンを奏でる事により、それを聴く人の世界に干渉し、多かれ少なかれ日常に影響を与える。。これからのスタンの人生はかけがいのない物になりそう。それを支える桂人の人生も。

 パブリックスクールの日常や演奏者の音楽との向き合い方や世界との関わり方についての描写についても非常にリアリティがありました。何度も樋口先生はイギリスに留学されていないの?昔音楽されてたんじゃないの?と疑問符があふれました。力量ある作家さんは分野外の事もまるで経験した事があるかの様に描くのが、流石上手いなーと感心しました。余談ですが、樋口先生が沖縄出身と知り、作風のイメージとのギャップにビックリしました。

1

NoTitle

序盤に多少いちゃつく場面はあるけどスタンと桂人は早々に距離を取るので甘い展開は期待しない方がいいかも、メインはスタンとアーサーのバイオリン対決。

あとエドが本当に少しですが登場します、yocoさんの挿絵付きなのでエド好きな方は一読の価値あります。新キャラのアーサーは6年生でありながら寮代表となりやたら黒い感じで登場しますが、根はバイオリン大好きなお坊ちゃんで最後は桂人と友人に。地雷の心配は無いです。

1

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