散る散る、満ちる(文庫)

chiruchiru michiru

最遙遠的距離

散る散る、満ちる(文庫)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神77
  • 萌×248
  • 萌17
  • 中立7
  • しゅみじゃない12

--

レビュー数
17
得点
635
評価数
161
平均
4.1 / 5
神率
47.8%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
海老原由里 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥638(税抜)  
ISBN
9784778112455

あらすじ

美形だが人のよすぎる如月春水は、部下である里見幸一に密かな想いを寄せていた。叶わぬ恋だと諦めていた如月だったが、皮肉にも、里見もゲイで片思いに苦しんでいることを知る。ヤケ酒に付き合い里見を送り届けた如月は、勢いに押され彼と一夜を共にしてしまう。しかし翌朝、何も覚えていないと焦り謝る里見に対し、如月は傷ついた心を押し隠し彼の恋に協力することを申し出るが…。書き下ろし番外編も収録。
(出版社より)

表題作散る散る、満ちる(文庫)

里見幸一,25歳,大柄で笑顔の可愛い部下
如月春水,27歳,美形で人が好過ぎる営業主任

その他の収録作品

  • 秘密の箱の中~榎本の場合~
  • call my name
  • あとがき

レビュー投稿数17

満ちて、良かった

作家買いです。

作家買いですが、凪良さん作品の中でもかなり好きです。内容は皆さま書いてくださっているので感想を。

受けの如月が良い…!美形で、仕事もできてかなりハイスペックな彼なのですが、そういうことを鼻にかけるでもなく性格もかなり良い。両親を相次いで亡くしていることから大切な人を失いたくない気持ちが強く、ゆえに大切な人を作ることに消極的で、「良いな」と思う人ができても積極的にアプローチすることができない。
自分の事よりも人のことを優先してしまう性格なので、一歩間違えるとネガティブすぎたり自虐的すぎたりして嫌な奴になりかねないのですが、さすがの凪良マジックで、かなり好感度の高い青年です。

対して攻めの里見もいい感じです。家族に大切にされ、愛情豊かな家庭で育った彼は人に対しても優しい。ちょっとニブチンなところはあれど、いろいろなことに一生懸命な男性で、不器用ながらも如月に対して気持ちがどんどん傾いていく姿にきゅんときました。

あと脇を固めるキャラが皆さんいい味出してます。高橋くんなんて当て馬的存在なのに妙に可愛くて応援したくなりました。元カレなんて目じゃないくらい素敵な彼を見つけてください。テンに至ってはぜひともスピンオフを出していただいて、幸せになってほしいと思いました。テンがいなかったらこのお話は成り立たなかったんじゃないでしょうか。彼には「クロゼットの中の幼馴染」を超える、素敵な人を見つけてほしいです。うん、私も高橋くん推しです☆

あと忘れちゃいけないキンピラ。治ってよかった。如月の「寂しさ」の象徴でもあるのですが、キンピラの存在ゆえに、ともすれば暗くなりがちなストーリーにほっこりとした優しさがプラスされていたような気がします。

今までは自分が我慢すればいいと思っていた如月が、欲しいものは欲しいと素直に言える相手を見つけられて、そして最後に大きな愛で満たされて本当に良かった。

これからもずっと幸せな二人でいてほしいです。

11

切なくて号泣した

読んだら号泣したんだ
どうしてこんなに切ないんだろう
受け様ずっと片思い相手は他の人が好き
いつも円満な恋と縁が遠い
しかも好きな相手を手伝ってカップルになる
どうしてこんなにお人好しですか!!?!?

受け様は会社に入った以来ずっと攻め様が好き
不意に知っていた攻め様は他の人が好き
がっかりしたけど
攻め様は好きな相手に追求したいと聞いたら
手伝おうかと攻め様に応援した
なんでこの展開(泣)

ある日攻め様は好きな相手が恋人をもっている時酔っぱらって失望する際受け様とセックスした
でも受け様は自分が誘うから悪いのは自分と謝って普通の日に戻ろうと笑いながら誤魔化すんだ
このところを見て心がめっちゃ痛いよ(T_T)

受け様の愛は本当に偉いと思う
好きな人に迷惑をかけるのはいけない
攻め様は受け様の優しさと真面目なところ少しずつ心の中に注いだ
どんどん愛情になった

最後は二人打ち明けてラブラブで生活してるんだ
これは最高のエンディングわひゃひゃ♪

凪良先生は切ない系が得意と思います
この本本当に大号泣しました
ドラマCDも楽しみにしてます♥

8

切なくて切なくて・・・

主人公に感情移入してしまって涙がちょちょ切れました。(ToT)
凪良さんの作品の中で一番グッときたお話かな。

天涯孤独な受け様。
寂しさを紛らわすのは、たくさんのおもちゃと
母が亡くなった時、父が買ってくれたおもちゃのロボット犬。
もうなんかそれだけで切ない。
でも、ちゃんと前向きに生きている。えらいよ!

それでも、失うことが恐くて、好きな人に想いを素直に言えない。
まあ、よくあるシチュエーションなんだけど、
受け様の境遇とか、攻め様との立場や関係を考えると、そうなるのかな~。
とにかく、自分より人のことを考えてしまうのです。
天国の両親はよくわかってらっしゃる!

後半、ほんとにギリギリのところで二人の気持ちがつながった時は、
私の気持ちも「散る散る満ちる」でした・・・!(なんのこっちゃ)


7

とにかく如月が好きでした。

如月の生い立ちからくる孤独感、失うことへの恐れなど感情移入しました。
辛いことがあっても決してひねくれたりせず、周りの人間を気遣い自分の気持ちより里見の幸せを優先する健気さに何度も泣きました。
でもそんな如月だから心から幸せになって欲しいし、書き下ろしの仲睦ましい2人にほっこりしました。

高橋くんに、如月のお父さんお母さん、里見の家族、榎本のお母さんなど、登場人物みんなが温かくて魅力的で。

巻末の書下しの榎本少年の「俺がハルをずっとずっと守ってやる」はきました。また泣きました。榎本にも幸せになって欲しいし、人を幸せに出来る男だと思います。

5

月並みだけど・・・

切ない・・・切な過ぎる・・・

ハルのもってるすべてが切なくて、涙なしでは読めません。
世間でいうところの『貧乏くじ』を自ら率先して引いちゃうタイプ。
幼い頃から、ずいぶん辛い思いしてきたのだから
そろそろ自分の幸せを、他人を蹴落としてでも手に入れてもいいころなのに
それができない、他人のことを先に優先してしまうところが
ハルのいいところなんでしょうね。
そんなハルを近くでずっと見つめ見守り続けていた榎本。
最初、ひょっとしてこの人と・・?と期待してました。
番外編を読むと、榎本の中にも少なからずハルを想う気持ちがあったはずなのに
恋人という選択肢を捨て、あえて親友という二文字にこだわった榎本。
この人がいたから、ハルも今までこうして生きて来られたこと気づいて欲しかった。
途中からだんだん、榎本がかわいそうに思えてきました。

里見にしても高橋にしても、自分の気持ちにまっすぐで素直で
ハルのように自分のことは置いておいて、まず他人・・
とはちょぅと違って。それが悪いわけではないけど
せめて里見には、もっとハルの心の奥の奥の声を早く聞き取ってあげて欲しかった。
あんなに愛し合っていた二人だったのに、すれ違い始めると早くって
ハルさん、自分のことを優先することに気付くのが遅すぎ。
里見の前で泣くの遅すぎ・・・
そして榎本が言う通り、お人よし。
二人の気持ちがすれ違うたびに、読んでいて悲しくて鼻の澳がつーんとしっぱなしでした。
だから、里見とハルの気持ちが一緒になった時嬉しかった。
最後の最後の番外編で、今まで主任とか里見と読んでいたのを
お互いの名前で呼ぶようになるところ、これで一区切りのような
これで本当に恋人というか夫婦のような存在になれたのかな・・・て感じました。

それにしても、何度も言うようですが榎本さん次はあなたの番です。
必ず幸せになって欲しい・・
なんなら、高橋くんなんかどうですか?(笑)



5

大好きです!

主人公ハルは幼くして母を亡くし、仕事に忙しかった父はほこりでは死なないと言っていたのに、事故で突然亡くなってしまします。
そんなハルがひかれたのは里見です。おおらかな彼とその背景の暖かな家族にひかれます。
でも、里見の好きな人は高橋くんで
ハルの里見への思いも、里見の高橋君への思いも正しくは伝わらないのですね〰
ずっと孤独をかかえて、キンピラというもの言うロボットを抱えて
ボーっとしているのが切ないです。
最後は気持ちが通じてハッピーエンドでした。
よかったです。

5

孤独だけど温かい、切なくて、でも終始幸せ。

評価が高いの知っていたので買った後もじっくり読めるタイミングを待っていたら、待ち過ぎて後で購入したものたちに埋もれかけたり、読めば読んだで絶対に神評価なのに、どうレビューを書いたらそれが伝わるのかを考えてしまって長い間『書きかけてはやめる』を繰り返したり、私には色々ハードル高い作品でした(^_^;)
ハルは亡くなった両親と住んでいた家に一人で暮らしていますが、とりあえず孤独を埋めてくれる存在を求めたりはしません。
たくさんのオモチャに囲まれて、榎本という口は悪いが自分のことを心配してくれる(想ってくれる)幼馴染が居て。
自分よりも人のことを優先してしまう優しい心とかロボットのキンピラとの生活とか、ほんのり切ない片思いとか。心の中は実はずっと温かいんでじゃないか、と。
凪良さんは孤独と温かい心を同居させた素敵な主人公を、どうやって幸せにしてくれるんだろう、と読みながらも期待感しかありませんでした。
里見がキンピラに初めて会った時、優しく頭を撫でてあげるところとか、どんなに傷ついて絶望して帰宅しても『ハルチャン、オカエリ』って言ってくれるキンピラとか、恋と一緒にキンピラが壊れてしまう・・・・・・すぐに思いは重なり合うんだけど・・・・・・とか、とにかくキンピラが絡むとなぜか涙を誘われました。
他の人は違うのかもしれないけど、私は読みながらせつないけど終始幸せでした。恋人ではないけど、体の関係もあって、穏やかなふたりの休日を過ごせる関係。ふたりが裸で布団に包まっているところに榎本が遭遇したときも、里見を起こさないようにすることを優先しちゃうハルとか。生々しさを感じさせない描写はさすがだな~と。
里見の性格上、まさかそういう告白の方法を選択してくるとは思わず、ちょっと?な部分もあったけど、遠距離を乗り越えて一緒に住み始めてからは、『オカエリ』の声も2つになって、やっぱりロボットの言葉がじんわり心に沁みました。
榎本に対しては読んでるこちらも感謝しかないです(笑)彼があらゆる意味で一番高スペックでしょう!!
高橋くんもライバルなのに予想外にいい人で、悪者が出てこない。改めて考えたら、こいつらみんなイイヤツだな!なんか悔しい!(笑)
最後にいい大人が『名前の呼び方』に悩んでアタフタしているのも、この2人らしくて良かったですね。
もし未読の方がいらしたら、少し時間の余裕のある時にゆっくり読んでいただきたい。夏の話も寒い時期の話や鍋の話もあるから、季節も選ばないと思います☆

5

や、やられた(涙)

文庫化が早すぎでしょ?と思いつつ、
凪良さんだし、読んでみたかったし・・・と思い
何となく購入。

いや~。なんか心にしみてしまいました。
つい、涙してしまいました。

攻め:部下
受け:上司

両親を早くに亡くし、一軒家に1人住む受。
部下の攻めを好きなってしまうも、その攻には好きな人(片思い)がおり、
好きなくせに、大人なふりして、攻の恋を応援してしまう。

健気と表現してしまうと、なんとなく違うのですが、
不器用で孤独な受に心を揺らされました。

まったりと読んでいただきたい作品です。

4

恋を伝えるタイミング

とっても素敵なお話でかなりグッときました~
上司と部下の恋愛もので、上司の受け様は密かに部下の攻め様に片思いしてる
それもほんの少し傍にいられて見ているだけでも幸せだって思うような乙女な
心も持ってるような、仕事は出来るし他人への気遣いも完璧で出来る大人に
一見するとみられる受け様、でもほんとはかなりの寂しがり屋で臆病さん
母が小学生で亡くなり、大学生の時に父までなくなり古い一軒家に一人暮らし
でもそんな受け様を唯一待っているのが母が亡くなった後に父に買ってもらった
犬型ロボットで受け様の名前を呼んでお帰りを言ってくれるんです。
もう、この受け様の生活を垣間見た時には抱きしめてあげたいくらい庇護欲を
そそられるタイプです。

でもそんな受け様の真実の姿は片思いの相手にも見せない、逆に頼れる優しい
上司になってしまう哀れな展開です。
ノンケだと思っていた攻め様がゲイだと偶然知って気分が高揚したと同時に
失恋しちゃう受け様、攻め様はなんと受け様の幼なじみの部下の男性が好きで・・・

そして酔って正体を無くした攻め様と一夜の関係を持ってしまうが
相手は覚えていないし、逆に自分から忘れようと言い挙句攻め様の恋が叶うように
協力までしてしまういい人状態なんです。

受け様の片思いの相手には好きな人がいる、攻め様の好きな相手にも彼がいる。
彼氏がいない者同士くっ付けば簡単なのに気持ちは簡単にはいかない
でも、攻め様も受け様に恋の相談をしながら、次第に付き合いが深くなって
受け様は、片思いしてる相手に彼氏がいた事で落ち込む攻め様を慰めたくて
そのご流れでセフレ的関係になってしまうんです。
こうなると、余計に思いを告げるなんて出来ない、それに受け様は大事な人を
亡くしてしまう辛さを知っているので恋に対してかなり臆病です。
例えうまく行っても別れることや離れてしまう事を自然と考えてしまうのです。

でも恋のタイミングは難しいですね、互いのベクトルが噛み合うかと思えば
チョットした誤解や遠慮でズレて行ってしまうんです。
このお話の主人公二人もそんな感じでした、うまく行きそうで行かない!
読んでるとああ~違うからぁ、なんて思ってしまう。
それでもラストギリギリで思いが重なりあってホント良かったって思うお話です。

そしてショートが2編入っているのですが受け様の隣家の幼なじみの回想には
泣かされてしまいました。
幼い時の二人の話で、心がじんわりしてくる。
幼なじみと受け様でも有りだったんでは?と思うストーリーです。
友情なのか恋だったのか、恋って難しいとまたまた思うのです。
とてもお勧めしたい1冊になりました。

4

経験が人を強くする、嘘だよね。

凪良先生にまた胸の中を掻き回されました。
主人公の如月の言動が、とても寂しくて切なくて優しくて、そして、他人にとって美味しいくて、文中の殆どが、主人公・如月の対外的な諦めと自問に費やされていました。
こういうの読むの辛くなるんだけど、如月が入り込んできて、もうダメ、読んでしまう!

愛しい人達を亡くしていく辛くて痛いくだりの、幼い・若い如月の1つ1つが琴線をふるわせ続けます。
幼い子が静かに悲しみと戦っている姿に、「もう我慢するな!」って、そこにいたら誰でも抱きしめてしまうと思うんです。
病弱の母に強がりの笑顔を向け、母の死には、残る父親の負担にならないようにと。
そして将来の兆しが見えてきた頃の突然の父の死には後悔を残し。
健気に頑張ってきた如月に残ったものが、一人ぼっちの思い出の家と応答ロボット犬のキンピラ。そして2度と経験したくない恐怖感で。

如月の恐怖、それを回避する為の術は、愛しいものを作らない・奥に入り込まない事。
これって不自然じゃないと思います。
だけど、自分を守る為の術は、自分を正直に出せなくなる厄介な盾で、それを固持し続けてしまったんですよね。
身に沁み過ぎてしまったんです。
昔の人が言った「経験が人を強くする」とか、如月を見てソレって違うなと思いました。
経験は、弱点を回避する術を覚えていくって事で、決して頑丈になったわけじゃないって思うのです。

恋の方は、憧れの里見と気持ちが通じ合って良かったです^^
だけど、如月と里見には悪いけど「今の恋」って気がしちゃっています。
もっと深い所で繋がっている、幼なじみで親友で兄代りで仕事仲間の榎元が如月に向けるものは「愛」に思えるんです。
自分は、死ぬ時に絶対傍にいてくれそうな榎元押し。
近過ぎて見えなかったのかな?
恋は気持ちの振れ幅が派手だから榎元のこと気付き難かったんじゃ?と思ってしまうあたり、如月の小舅みたい^^;
里見は、爽やかで優しくてハンサムで本当に王子様なんだけど、若さが目立ってたから、数年後の彼の方に期待です。

9

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