パブリックスクール-檻の中の王-

public school ori no naka no ou

パブリックスクール-檻の中の王-
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神435
  • 萌×2103
  • 萌32
  • 中立17
  • しゅみじゃない33

117

レビュー数
68
得点
2700
評価数
620
平均
4.4 / 5
神率
70.2%
著者
樋口美沙緒 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
パブリックスクール
発売日
価格
¥570(税抜)  
ISBN
9784199008160

あらすじ

唯一の肉親だった母を亡くし、天涯孤独になった礼を引き取ったのは、
父の実家のグラームズ家。なんとイギリスの名門貴族で、礼は全寮制
パブリックスクールに通うことに。けれど、そこには寮代表で監督生の
義兄・エドワードが学園に君臨していた! 引き取られたばかりの
幼い頃は可愛がってくれていたエドは、礼が入学した途端、なぜか冷たい。
「俺が卒業したら、おまえは日本に帰れ」と言い放ち!?

表題作パブリックスクール-檻の中の王-

エドワード・グラームズ,18歳,イギリス貴族,学生
中原礼,16歳,日英混血,学生

レビュー投稿数68

美麗なイラストとストーリー

この作品、設定が盛りだくさんで説明が難しいのですが、パブリックスクール、両片思い、すれ違い、身分差ラブが好きなら読んで損はないと思います~
巻数表記はありませんが続き物の一巻にあたります。表紙は攻めのイギリス貴族であるエドワード。

物語の冒頭は全寮制のパブリックスクールに通う礼(16歳)と義兄であるエドワード(18歳)の歪んだやりとりから始まります。
学内では人当たりもよく人気者、カースト頂点に君臨するエドワードは義弟の礼にだけすごく厳しく当たり、学内では誰とも話すな、人の目に触れるような場所に行くな、などと無茶な制約を強いります。そして礼はどれだけ冷たく厳しくされても、エドワードが好きなのでその言葉を受け入れて学校生活を送っています。
前半は現在と過去の回想をいったりきたりという構成なので読んでいる内に、エドワードが礼に対してなぜそんな態度をとるのか、礼がなぜエドワードの一方的な命令を聞いているのか、そして彼を好きになったのかなどの理由が分かっていきます。

冒頭から引き込まれて読みました。
礼は幼い頃から、自分が向ける愛や他者からの愛、伝わらない愛についての意味をずっと考えている子どもです。
誰かを愛することを心の支えにしているので、母親を亡くして幼い頃に優しくしてくれた唯一とも言える存在のエドワードを愛したいと思い、16歳になっても盲目的で献身的な愛情を向けています。
一方エドワードは家族からの愛情は存在しないものと考えていて、自分の家系での立場や今後の社会的な立場を理解し、理解しすぎているからなのかすごく窮屈に生きているように見えました。
そこにわんこのように自分に愛情や好意を真っ直ぐ向けて来る礼が現れて、救われている部分もあったのかと思いますが、自分が守れる範囲にいてくれない礼に怒り、冷たくしているのかなと感じます。

エドワードはパブリックスクールを檻の中と表しますが、その表現をする場面がすごく孤独で切ないです。
檻の中の王とはまさにエドワードを表す言葉なのだと思います。

そして物語が進むにつれてエドワードと自分だけの閉鎖的な世界でしか物事を見ることができない子どもだった礼が変化していきます。
世界がどんどん広がって周りに居場所が出来て、精神的にも成長していく様子は見ていて応援したくなりました。
そんな礼にエドワードは焦りと嫉妬、独占欲を分かりやすく滲ませていきます。
エドワードは礼への感情に自覚はあるけどその気持ちを認めていないふしがあるので傲慢さが目立ちます。
第三者目線で話をしてくれるナイス脇キャラのオーランドと親戚でもあるギルの言葉から、礼を守ろうとピリピリしているのだなと分かりますが、後半は色々拗れてエドワードが礼に手を出してしまいます。

エドワードと礼の最初のセックスは無理矢理です。でも礼がエドワードを好きで半分許しちゃっているように見えるのと、エドワードの礼に対する独占欲が強姦に行き着くまでに他のキャラ、本人からの言及で分かっているのでそんなに痛くないです。
むしろ礼は翻弄されて聞いてないけどエドワードが礼に対して本音を漏らしている場面もあるので、甘さすら感じます。

ただ最後のエドワードは大事にしていた礼に手を出して我慢というタカが外れてしまったからなのか、ハーフタイム休暇中の寮に2人っきりになった途端、膝の上に礼を乗せてごはん食べさせようとするし、色んな場所で自分を忘れることがないようにヤリまくる宣言もでるしで少し心配になりました笑
最中の礼に言う言葉のほとんどが辛辣で礼は傷ついてるのですが、行動が礼に対する執着と愛情からなのが見えているので、なんか読者としてはエドワードのタカの外れ具合に笑えばいいのか執着っぷりに萌えればいいのかよく分からない…という状況で続編に続きます。

世界観もキャラクターも脇役含めてすごく魅力的で素敵なので神評価ですが、最後のエロに色んなものを持って行かれたのが少しだけ惜しいかなと思います。
でも続編刊行の決まっている一冊目なので綺麗にまとめるよりはこういう終わり方もありかな?
伏線もまだ色々あるし、礼の成長と2人の関係性の変化の続きはすごく気になるので、来月に出る予定の続編も楽しみにしています。

48

イギリスに1ミリも魅力を感じない女子なんていない。

先生のおっしゃるとおりです。英国に魅力を感じない、興味が1ミリもない女子なんていないとおもいます。
はっきり言って、想像以上のお話でした・・・!!
個人的に大好きな設定が夢のように詰め込まれた世界観でした。
エド・・・!気高く、傲慢な、パブリックスクールの王。なのにどこか寂しげな美しい貴族・・・
最高です!!!!!!

礼にもエドにも感情移入しすぎて胸が何度締め付けられたことか・・・!
エドの言葉、仕草、ちょっと触れられた表現だけでこっちまでドキッとときめかされる。
yoco先生の美しい気品ある挿絵がまた、なんともいえない・・・!
読者を英国舞台に連れて行ってくれるような、パブリックスクールの世界にどっぷり入り込むことができました・・・!
すべてにおいて高評価です(泣)
そして最後の展開は個人的に意外で、予想外だったので、それもまた、夢中でページをめくらせていただきました。
進みたいけど、進みたくない・・・葛藤しながら読ませていただきました。
だって、これを読んでしまったらこれ以上の作品に巡り合えるのかな、満足出来なくなるのではないかなと、そんな気持ちがあったからです。
外国舞台ものは確かに想像しにくく、入り込みにくいものもありますが、この作品は読んでいて頭のなかでその情景が浮かぶというか・・・とにかく美しい作品でした。

ホントにこれ以上のものに今後出会えるのかな・・・と、それが心配。笑

24

続きが気になる1冊。


私は元々、yocoさんのイラストがとても好きだった為、この本を購入しました。

最近は、BL漫画ばかり読んでいたので、大丈夫かなー?っと思っていたのですが……。

見事に買ったその日に読み終わってしまいました。
この本は2巻目が来月(11月)に出るのですが、とても続きが気になります。

礼が、パブリックスクールに入る前の話もきちんと書いてありますし、心理描写がとてもわかりやすいです。

そして、yocoさんの美しすぎるイラストがこの本に合っていて引き込まれる作品です。

続き物なので2冊目が出た時に1冊目と一緒に買うのをおすすめします。

続きが気になってウズウズしちゃいますので……。

21

大満足の一冊。

雰囲気的には、同じく樋口先生著の「愛の蜜に酔え!」を思わせるような内容でした。
身分違いで引き離される2人。昔は優しかったのに突然冷たく当たってくる攻め。それでも健気に攻めを思い続ける受け。
どっかで見たな…と思いつつ、この作品の方が満足度は高かったです。
虫の擬人化じゃない分現実味があったのも理由の一つですが、それ以上に、話の深みが違います。

元々、攻め←←←受けの作品って苦手なんですよね。
特に、健気で無垢ゆえに思い込みが強くて、周りへの迷惑も考えず愛に突っ走るような受けってすごく苦手。
この作品の受けはまさにそういう感じなんですけど、不思議なくらい面白く読めました。
一見受けの一方通行な愛に見えて、実はそれ以上に攻めの方が受けに執着しているっていうのが、行動や発言の節々から垣間見えたからでしょうね。
実は限りなく攻め→→→受けなんだな、ということがよく分かりました。
だからこそ、すれ違うばかりの2人に切なさがこみ上げてきます。
すれ違いが嫌いな腐女子なんているんですかね?!
あまりにも不憫で可哀想で、幾度も涙がこみ上げてきました。

エロは最後の最後までありませんが、むしろそれが良かった。
あんまりアッサリそういう展開になっていたら、これだけの深みは出なかったでしょう。
あれだけ溜めて、溜めて、最後の最後でぶち切れて…という展開がとても自然で、無理がなく、共感できました。
冒頭にも言ったように、とてもリアリティのある作品なんですよね。
しかも、全女子の憧れの英国貴族。
描写がどこもかしこも御洒落で煌びやかで、それでいて陰鬱とした雰囲気もあって、これが面白くないわけがないというか。

もうすぐ後編が出るということで、心待ちにしています。
エドとレイの今後がとても楽しみ。

21

少しネタバレ

上下巻、一緒に購入することをお勧めします。
上巻は辛すぎて辛すぎて…わなわなしてきますが、
しっかり読んでから下巻に続くと より感動出来ます。
私の中で樋口先生の作品は、登場人物達の想いが通じるまでは修行だと思っています 笑

ぜひ同時購入してから楽しんで下さい。

21

ドSな王様 vs 穏やかな策士

購入から一週間が経ちますがもう何周してることやら……。
好きすぎて苦しい。
ジャケ買いした本にまさかこんなにハマるとは思いませんでした。

本屋さんで表紙のエドと目が合い一目惚れ。
着こなされたスーツに鋭い流し目、ホワイトブロンドの髪、エロティックに噛まれた手袋……と、しばらく見つめた後であらすじを読むとあまり読んだことがないジャンルでした。

既知のBLのイメージは「ダメダメ」言いつつ数ページ後には行為に至っているというものでしたが、
この小説はむしろ禁欲的と言ってもいいくらい描写が少ないです。

少年時代の穏やかな二人の関係はリーストン入学を機に一変。
エドは礼に「自分(エド)を含め他者との一切の関わり」を禁じます。

そんな礼の救いはストーリー中盤で登場するオーランド(オーリー)。
孤独な学生時代を送る礼の世界を広げるきっかけを作る人です。
拒絶と抑圧で礼を傷つけるエドに対し、
穏やかな態度と心に踏み込む言葉で礼を解放していくオーリーが対照的です。
終盤の二人の対決で、礼を掴みながら
「これに触れるな」
というエドに対し、オーリーの反論は……

「一人の人間を物扱い? そうやってずっと、恐怖で彼の意志を抑え込んできたわけだ。実にお貴族様らしい、傲慢なやり方だ。でもね、それを人は暴力と呼ぶんだよ!」

これぞ紳士!!
エドがどれだけ礼に圧力をかけてきたか分かるからこそこの一言は重い。
(風呂入ってる時に執拗にバスタブ蹴ったりするところとか見ちゃうとね、うん)

その後激情に任せてエドが礼を犯すところは、エドの雄々しさにドキドキしつつ切なくもあります。
礼への想いを素直に認められず、かといって手放すこともできずに揺らぐ18歳が唯一取れる策が
「強姦」
という最悪の結果だったわけで。

ただ、強姦の最中泣きじゃくる礼に「泣くな」と抱きしめながら囁くエドの姿に彼なりの不器用な気遣いが垣間見えて愛おしくも感じるのです。

礼以外に自分を深く愛してくれる人間がいないため愛情が裏返しになってしまう。
エドが知っているのはいかにして人の上に立つかだけ。
血統や人種、性別という障壁の前で悩み続けてきたエドの苦しみを読んでいて痛感させられました。
――だからって食堂で飯食ってる時に犯すのはさすがにやりすぎだと思うけどね。

……あなたはレイ様のことになるとどうしてそうダメ男に(ロー○リー風)。
注)この人はこの巻の時点では登場しません。

とにもかくにも片想いの少年「二人」と、彼らを取り巻く魅力的なキャラが描かれている
閉ざされた男子寮の世界。

お気になった方は覗いてみて下さい。

21

2巻が本当に楽しみです

攻めのエドワードは、礼に対して、学校で空気になれ!一人でいろ!とにかく目立つな!と命令する「王様」です。その命令の理由はまだ明言されていないのですが、それが礼を守ることにつながっているとエドは信じているのだろうなーとなんとなく読み取れます。
受けの礼は、エドに嫌われないように上記の約束(命令)を守り、エドを愛することに人生を捧げているような少年です。
礼は、礼の世界の中にはエドしかいないと思い込んでいたために、エドに嫌われることはそのまま世界の終わりでした。たしかに、12歳で見知らぬ土地で味方もいない中暮らさなければならないという過酷な状況下で、心の支えを必要としたのは当然です。ですが、礼はエドの望むように振る舞うことで、礼自身を「エドがいないと何もできない無力な子供」のままにしてしまっていたのです…。
エドは礼をいつまでも、混血で全面的に立場が弱く、それゆえに守られる対象のままにしておきたかったのだろうと思います。でも、礼は16歳で、自分の足で歩くことができます。エドの命令に逆らうことになっても、礼は自分の決めた道を歩くことができる、とようやく気づくのです。そして、出自に基づく「支配する側」「支配される側」の構造が壊され、二人は初めて個と個で向き合い始める……のだろうと、わたしは信じてます。
1巻は、礼が淋しさからエドに依存していることを自覚し、かつ自立したいという気持ちを持ち始めるお話でした。
どうしてエドはストレートに礼を大事にできないのでしょう。エドなりの葛藤があるのだと思いますが…これから礼とちゃんと会話してくれますように…。エドの葛藤は2巻で描かれるところだと思うのでドキドキしながら待とうと思います。

20

パブリックスクール!

作家様×作画様買いです!

パブリックスクールが舞台のこの作品。受けの礼の生い立ちから、イギリスに行くまでの経緯。攻様のエドワードとの馴れ初め(?)が緻密に描かれていて入りやすかったです。

もうエドワードも礼もお互いがお互いを大事だけど不器用で上手くいかないところがじれったいです!!

エドワードは体裁があるからと礼に周りと話さないようにとか、お風呂に入るときは脱衣所で脱がない様になど言いますが裏を返せば周りに礼を奪われたくない(見られたくない)独占欲丸出しの執着攻様でした!

続きものなので一気読みされたい方は来月まで我慢です!!(笑´∀`)

言葉や態度の端々に見え隠れする執着心にドキドキしました!

19

血の壁

英国の全寮制パブリックスクールを舞台にしたお話し。
評判通り面白くて一気に読んでしまいました。

12歳にして母親を亡くしたレイは天蓋孤独になりますが、親族だと名乗るクグラームズ家の人間が現れてイギリスで暮らすこととなります。
新しい家族に愛されることを期待していたレイを待っていたのは「貴族以外の血は穢れている」とののしられる差別といじめの日々。

レイは当初自分に優しく接してくれたエドに、すがるように執着していきます。
でもパブリックスクール進学後、エドの理不尽な命令にひたすら耐え、抑圧の生活を送るレイに対し、最初は若干イライラしました。
(純粋を超えて鈍感すぎる気が・・・)

一方のエドは何を考えているのかよく分かりません。
ひどい態度をとりながらも本当はレイを気に入っているのは感じるけど、レイへの執着が思った以上にすごくてびっくりでした。
でもその不器用さと弱さが好きです(笑)

後半、オーリーの登場でレイがかわり始めたあたりから、話がどんどん面白くなりました。
二人がどう変わっていくのか気になります。

19

いい。

いや、いい…!!


い、いいですよね!イギリスとか寮監とか、しきたりとか、家族のしがらみとか。
そういう設定があって、それでいて健気な礼くん。
不器用なエドワード。

…ほんと、そこまでやる?!と突っ込みたくなるほど!

というか途中で出てくるシャワー室のシーンが絡みというよりホラーっぽくてすごく素敵です。

脳内で鮮やかな映像が。
なんとなくできることならば
映画とかゲームで、いろんな角度から楽しみたい!!
と思いました!!


最後まで性的な関係にはならないっ?!
それもアリか!
とソワソワして読みましたが、
(セクシーなお話は大好きです)

いや、……いいですね!!
これは後編は買わざるをえない!
小冊子も雑誌も買わざるをえないですよ!!


読んだ後にまだ続編があると思うと世界がすこし楽しみになりました。

18

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