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この体に墨を入れるのだと思うと――…高揚感が襲ってくる
utsukushii karada
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
鹿島先生初読みです。この後もう1作読みます。
絵が美麗ですね。日本人離れした美しさ。
日本画の巨匠の作品も納得のオーラを感じるほどのすばらしさで圧倒されました。
物語も美しい。芸術とそのモチーフであるミチルと夕路の心情が織り交ぜられ流れるように自然に読めました。
クールで完璧に美しいミチルの一人称が「ぼく」だったり、表情や言動が意外に幼いのは世間知らずだからなのだとわかってくる。
最初の印象とのギャップがかわいらしくて夕路がやられちゃうのもわかります。読者の私もそうでした。
惹かれ合うのが自然だしキスするくだりもスムーズでよかったです。
順調に両思いになったのがうれしくなると同時にこの後波乱がくるよねと少々不安になりましたが、ミチルのかわいい逃避程度でホッとしました。
泰泉が邪魔してこなかったのが、ミチルへの執着がそこまでではなく真に芸術家として自己のことしか考えていないエゴイストなのだろうなと解釈しました。
冒頭、あれだけクールビューティーだったミチルがだんだんかわいい表情になったのが個人的に少々残念でしたが、精神年齢が低く夕路に甘えられるのであれが自然なんでしょうかね。
夕路が溺愛過保護なのもわかる〜だしかわいかったです。
タイトルどうりのとても美しい体、そしてミチルの顔がパッツンな前髪から覗く視線が時に艶めかしく、時に少年の様に感じました。
著名な画家泰泉の絵を、彼の専属モデルの背中に彫って欲しいという依頼を受けた夕路。大金に目がくらんで引き受けます。
最初、ミチルの背中が本当に真っ白で美しかったので、正直ここにタトゥーを入れるの勿体なくない?と思って読んでいました。
でも、夕路が苦痛を伴う作業に対して、ミチルに優しいんですよね。泰泉はミチルを作品の素材としか見ていなかった所が、夕路はミチルを普通に自分が楽しかった映画を見せて苦痛を逸らせたり、気分転換に現代的なギャラリーに行ってみたり、そして、何よりミチルの体が辛くなかったかとても気にかけてくれたり。ミチルには未知の体験を夕路は与えてくれて。最初にミチルが少年のような面差しも持ち合わせている様に感じたのは、このあたりの閉ざされた空間でしか生きてこなかったミチルの幼なさから来ているのかな?と、思ってしまいました。
タトゥーの作業が進むにつれて、背中の傷だけでなく、心も疼くのはどうして?ってなっているミチルがとても初々しい美しさでした。
ミチルはそれまで、人間ではなくただの作品だったのに、夕路によって人間に生まれ変わったんでしょうね。泰泉のタトゥーが完成すると夕路に会えなくなると思ったミチルはタトゥーを傷だらけにしてしまいます。美しい人が傷だらけなのが見ていて痛々しかったですが、それがミチルが人を愛したいって気持ちを表現する為に必要だったんでしょう。
ミチルを受け入れた夕路ですが、契約が破談になり、泰泉との芸術的な格差に彫り師として自信を失ってしまいます。
好きになった二人が一緒になれたのいうお話だけでなく、芸術家としての苦悩が夕路目線でうまく描かれていたと思います。
最初は真っ白で作り物のような美しさのミチルですが、ラストはとても明るい笑顔を見せてくれる、美しい人に変化しています。
どうやって笑顔を取り戻したのかは直接読んでみて欲しいです。
最初から最後までミチルの絵の美しさに圧倒されますが、芸術家としての心、仕事へのプライドがあるのに、抗えない魅力に苦悩する夕路の心理描写もとても素晴らしかったです。
タトゥースタジオを開いたばかりの夕路のもとに、驚くほどの美形の青年が訪ねてくる。
日本画の巨匠である花田泰泉の専属モデル、ミチルに導かれて花田の屋敷を訪れると、花田から自身の作品である「創生」をミチルの背中に彫るよう依頼を受ける。
むかし彫師の映画があったなあと遠い目になりながら読みました。
白い柔肌に墨を入れるのは、真っ白いキャンバスに唯一無二の絵画を描くかの如くであり、キャンバスが生きているだけに凄みも増します。
針を刺して顔料を入れる技術は、彫り師と受け手の共同作業。その行為は当然痛みを伴ったり発熱したりするので、体調が悪ければ休憩したりこの日の作業を終えて次回に持ち越すなどゆっくりやっていきます。
本書でも、気を散らせるために映画を見る場面や、親睦を深めるために一緒に出掛ける場面がありました。
痛みに耐える仕草が色っぽいし、容易にエロスにつながります。文学、映画、そしてコミックへ。BLでは少ないですが様々な媒体で彫り物が描かれるのも道理だなと改めて思いました。
気になるのは、墨を入れればもう、元の肌には戻りません。
本書において、夕路も花田泰泉とミチルにそう確認をとっています。
先生の作品になれるなんてこんなに幸せなことはない、とミチルは心から嬉しそうでしたが、どうしてそこまでアイデンティティを喪失しているのか、背景が描かれないので余計に気になりました。この美貌なのにそこまでの自己肯定感の低さはどこから来るのか。
夕路を好きになることで、ミチルに自我が生まれるのですが、逆にそれまでまったく感じたことが無かったということです。
虐待されていたのか、軟禁されていたのか。描かれていないので想像でしかないですが。
それに、花田先生がミチルの背中に自身の作品「創生」を刺青で施す、という決断をしたことも気になります。
一度入れたら戻らない。つまり、ミチルをモデルにした作品を作るのはもう限界だったのかなと。
もってあと数枚とか。モデルの容色も衰えるし、あれだけ何作品も描いていたら、飽きてしまうのでは。
実際、ミチルを追い出した後、さっそく新しいモデルがいたので、本当にそうなのかもしれない。
ミチルの自己肯定感は気になるものの、夕路と甘々な日々を送ることで解消されることでしょう。
過保護な夕路は滑稽なまでに可愛くて、二人の今後には安心感しか湧かないのもよかったです。
デビュー作「あなたはいやらしい人」が面白かったので、こちらも読んでみました。
とにかく絵が美しいです!デビュー作も綺麗でしたが、さらに磨きがかかってますね。
美人受けミチルの登場シーンは、美しさにうっとりします。ミチルをモチーフにした日本画や、攻めの夕路(ゆうじ)のタトゥーなど、芸術的な美しさに魅せられます。画力の高さを感じます、素晴らしいです!
夕路はミチルの体にタトゥーを彫ることに。
ミチルは初めはクールだったのが、夕路と打ち解けて徐々に可愛らしい性格が出てきます。
夕路は美しいミチルに初めて会った時から惹かれて、ミチルも夕路と過ごすうちに気持ちに変化が。
二人が惹かれあっていく様子は、すごく王道な展開ですね。
二人の初めては、紙面を割いて丁寧に描かれます。美男×美男の濡れ場が美しく官能的です。
そして夕路に恋して自我の芽生えたミチルが、衝撃的な行動を取ります。ここでは驚いて思わず声が出ました!
その行動を取った理由を夕路に語るシーンは、健気さにキュンとします。
両想いとなった後も、夕路の過去と葛藤が出てきたり、海外から声かけがあったりと、展開にひねりがあって、読み応えがありました。
最後は才能のある夕路と、美しいミチルにぴったりの展開で、書き下ろしも含め、素敵なラストでした〜♡
BLとしては王道な展開で、逆に萌えは少なかったのですが、とても美しくて目の保養になりましたし、波乱の展開を楽しめました♪
電子書籍 白抜き修正
Q.美しい体の受けは好きですか?
A.はい。(ポチ)
ぐらいの単純脳で、レビューもあらすじすら読まずに表紙に惹かれてれポチった記憶。(こたる先生の作品だからというのもありますが…)美人受けを摂取したい時に何度も読み返している作品です。
【感想・好きポイント】
◆受けのミチルについて、あらすじにも(傲慢)(純粋無垢)(少年のような愛らしい一面)と書いてある通り、美し過ぎるが故に、常人とは少し違う世界に生きてるような、擦れてなくて純粋な心を持った美しい人…ミチルはまさにそんなコでした。
(傲慢な部分はきっと、子供のように純粋すぎるが故のものなのかも)
最初の印象が、どちらかというとザ・強気美人受け!って感じなので、その強気で傲慢な部分をメインに期待して読んでしまうと中盤からちょっと違うな…と、なってしまうかもしれません。
個人的には、好きなタイプの美人受けでした。浮世離れしてて、ぽやぽやした感じの守りたくなるような美人受けは大好物です。
◆攻めの夕路は派手な見た目のわりに落ち着いてていい男です。外見も内面も。タトゥースタジオを経営するぐらいですから、しっかりした大人です。
元からゲイのようですが物語後半の回想で、画家をしていた時の昔の姿と、現在の姿が結構違うので、画家からタトゥーアーティストになるまでの間に一体何があったのか気になります。
◆とにかくどこを読んでも美!耽美!絵柄はもちろん物語の雰囲気も美しいです。
タトゥーやピアスを開ける瞬間の痛みを伴う行為って、どうしてこんなにエロスを感じるんでしょうか。
暴力ではなく、望んだ上で合法的に生身の皮膚に傷をつける。
その対象が美しければ美しいほど湧いて来る背徳感や高揚感。
夕路がミチルの体に針を刺す度に感じる興奮が、しっかりと伝わって来ます。刺されている時のミチルの表情も色っぽい。
◆泰泉とミチルの関係が、想像していたより純粋に画家とモデルでよかった。
泰泉に対してあまりに従順なミチルを見て、コレは体の方の調教もされてるんじゃ…と、ビクビクしながら読んでたんですが、違いました。
泰泉は自分の作品のモチーフとしてミチルを尊び、ミチルは泰泉に絶対的な尊敬の念を持ち、作品として側に支えている。
この作品の主軸は、15年間そうして生きて来たミチルが夕路と出会った事で、新たな感情が芽生え、心と体を通わせる行為から愛を知り、夕路と共に外の世界へと飛び立つ話しです。
◆ミチルの美しさに、何度も理性を手放してしまいそうになる夕路。手を出さないように耐える攻めってイイですよね。
またミチルも初めて知った快感に興味深々で、純粋無垢に煽って来るんです。
初めて結ばれたシーンの前にミチルが言った「続きがみたい 映画の」っていうセリフには『続きが知りたい セックスの』って本音が隠れてると解釈しました。セックスシーンもそれはそれは麗しく美しいです。
いつも思うんですが、こたる先生の作品って喘ぎの後に"♡"が付くんですよ!この画風でハート喘ぎって、意外なんですけど、エッチで好きです。
ただ、タトゥー彫った直後って激しい運動や体温が上がる行為は厳禁らしいので(汗で色が抜けちゃったり傷の治りが遅くなる)読んでてちょっと心配になりました(笑)
◆タトゥーが完成に向かい、夕路との関わりの終わりが迫っている事に心を痛めたミチルは、自分の体に傷をつけてしまいます。それは泰泉の作品に傷を付けるのと同じ事…
このまま陽が昇らないで欲しいと願いながら、朝を迎え、泰泉に作品としての存在意義を否定されるシーンは、胸が締め付けられました。
力いっぱい爪を立て、引っ掻いたミチルの背中は、皮膚が抉れるほどに深く傷ついていて…(結構痛々しいので苦手な方はご注意を)
ミチルが、夕路を思って付けたその傷跡を、新たな作品として昇華させる事を誓った二人。
そして完成した作品が
はぁ……ため息が出るほど、美しい。
どんなタトゥーかは、ぜひ作品を見て欲しいです。
【最後に】
ミチルは環境の変化により、少しずつ社交性や常識を身につけながら人として成長して行き、夕路はそんなミチルを見守り、支え合いながらアーティストとして成長して行く事でしょう。(溺愛しすぎて過保護拗らせてますけど/笑)
もう少しミチルの生い立ちや、夕路のバックボーンを深掘りして欲しかった気はしますが、圧倒的美を集中的に打ち出した作品にするなら、このぐらいが丁度いい塩梅なのかもしれません。
とにかく美しい耽美な作品を読みたい方はぜひ読んで欲しいです。
とにかく先生の『美』への拘りの高さが伝わる1冊!!
きっとARTに造詣が深いのではないでしょうか・・・?と勝手に思っています。
そんな美しい世界で紡がれる愛の物語♡
これは買って良かったなぁーーーー!!
世界観がしっかりしていて作者様ならでは!のお話しに出逢えるって本当に幸せです。
ありがとうございます!!
表紙の受け様の体のライン、そして目線に釘付けになった方は是非読んで欲しい・・・!!!
尚作中でTatoo施術シーンがありますが刺青ではないので洋彫=マシーンでの墨入れです。もしかしたらこの表現がトーンでの「痛い」表記なのでしょうかね?
他はあまり「痛め」なPointはなかったと思います。(主観ですが。)
作品として生きてきた愛もしらない受けが、攻めの優しい愛情で報われていくお話でした。
受けの過去はあまり出てきませんが、身寄りもなく先生の作品のインスピレーションのために家に囲われています。
最後の作品に背中に彫り物してほしいと崖っぷちだった彫り士の攻めに依頼。
最初は警戒していた受けですが、優しく接してくれる攻めにだんだんと距離が縮まっていきます。
恋を初めて自覚した受けですが、彫りが終わったら会えなくなってしまうと受けが背中を傷だらけにした時は痛々しかったです…。
攻めも決してお金持ちというわけでもないし、危なっかしい受けと共に生きることを選び、二人で幸せになるのが良かった…。
日常ではない、どこか海外っぽい…日本離れしている感じの印象を受けました。
ハピエンなのですが、妖艶さとダークっぽさのある雰囲気でした。
ミチルはもちろん、夕路もタトゥーも
何もかも美しくキレイで
はっと心を奪われる場面が幾つもありました。
美術界の巨匠・泰泉に囲われているミチルは
泰泉に対して絶対的信頼を寄せていて
彼のためなら何でもやるという、ある意味純真な青年。
タトゥーアーティストの夕路を訪ねたのも泰泉の作品をミチルの体に彫ってほしいという依頼で、そこにミチルの意思はないのに抵抗も疑問もないのがふたりの関係を物語っていました。
夕路が惹かれてしまうのも無理はなく、ミチルは本当に美しかった。
泰泉のために存在していて、そこにミチル自身の"生"が感じられなくても
そう在ることで美しさが際立つという不思議。
そんな純真なミチルが人の肌の温もりや愛を知って変わっていき、自分を傷つけてまで夕路を求めるという展開。
途中儚げな雰囲気もあって、どんな風に転がるのかドキドキしましたが
最終的に甘々ハピエンで大満足でした。
まるで純文学のような美しい物語となっています。
おそらくあまり関係ないとは思われますが、谷○潤一郎の『刺青』と似た世界観を感じます。
よって、彼の作品が好きで、かつBLがお好きな方はかなりお好きだと思います。私もその口で、かなりときめかせていただきました。
芸術的です。官能的ですが、下品さはないです。ですので、無垢な受がほんの少し危ない目に遭うシーンや、悲しい場面もただただ魅了されます。
すごい作家さんに出逢わせていただきました。
野暮な話ですが、作家さんの素顔が気になってしまうほどの耽美さです。素敵すぎて何度も読み返しては物語の世界に浸っています!!
感謝の合掌
ファムファタールのお話です。
男だから運命の男、オムファタール?かな。
いや最高に美しいお話。
初読み作家さまでしたがすごく魅せられました。
絵も独特だけど超絶うまいしなぜ今までスルーだったんだろう、、
彫り師と美青年モデルなんて恋に落ちるに決まってますよね。エロいというより官能的といっていいレベル。ページもたっぷりで読み応えありました。
他の方もここのレビューで言ってましたが
もっと評価されていい作品だと思います。
ただ評価を上げるには美しすぎるのかな?
もっと淫靡な方がみんな好きなのかしらとも思いもする。。攻めは彫り師といって情欲に流される悪い男ではなくてほんとにいい人でもちろんアーティストとして獣のような目をもってるんですが
全体を見て悪い人が出てこない。受けも画家のお手付きでもなくビッチとかじゃなくて純粋な人でそれが魅力です。
悪い男とビッチの話なら逆にありきたりになった?
ようにも思う。
この主役の2人が純粋に惹かれ合って愛し合うのがよかったと思います。ほんと映画化されていいような素敵なお話です。
このクオリティの作画で、このボリューム。
どれだけ時間をかけて作り上げられた作品なのでしょう。
画集を見ているかのように、どのページも耽美です。
アーティストにとってミューズとの出会いは運命の宝物。
才能に恵まれていても、出会えるひともいれば出会えないひともいる。
そんなミューズを中心にした話です。
巨匠と名高い画家の泰泉が15年もの間モデルにしてきたミチル。
その美しいからだに泰泉の代表作を彫ってほしいとの依頼を受けた夕路。
からだを見つめ、見つめられ、触れて、触れられていくうちにふたりの間には…。
というストーリーです。
夕路との出会いで、ただ飼われて、そこに存在しているだけのようだったミチルの中に、激しく燃え上がるような想いが生まれて、自らの手で泰泉との絆を文字通り壊していくさまが痛々しくも美しかったです。
夕路の方もミチルがそばにいたことで、自分の中に勝手に作り上げていた限界の壁をぶち壊すことができた。
まさに運命の出会いですよ。
夕路がいたからミチルは強くなって、ミチルがいたから夕路は前へ進めた。
理想のCPでした。
しあわせなラストと夕路の溺愛っぷりも必見です。
芸術家の征服欲・所有欲が上手く絡んだ作品でした。作中の二人の芸術家の作品もかなり凝っていて(著名な絵画のオマージュもあったり)魅惑的で本当に楽しめました。
作者の半端ない画力が遺憾なく発揮されているので、試し読みで美しいと思ったならこの世界観に飛び込んでください!設定資料も濃い!
美しい体のミチルに自分の絵を挿したいという欲をもった二人の芸術家、泰泉先生と彫り師夕路。
綺麗な白い背中が良いじゃんと個人的には思うのですが、それを自分の色に染めたいという男の欲と芸術家という設定が絡み合って最高にエロティックでした。体の線も少年的細さではなく、適度な男性の肉があるのが絵画的な感じがして雰囲気があります。
モデルとしてずっと生きてきた箱入りのミチルは専属だったためか鬱陶しい高慢さもなく、大衆映画に夢中になったり意外と素直で、外見の美しさは心から滲み出ているようでした。
彫り師の夕路を惑わし心を寄せ、先生以外の人や新しい世界に出会ってのめり込んでいくのが、読んでいて面白いです…!
先生放任過ぎだよ、恋で変わっていくのバレバレでしょう⁉︎それでいいの⁉︎と勝手にハラハラしました。
この作品ではミチルが恋をして、嫉妬や焦りから自らを傷つけます。何も知らなかったお人形が心を持ち、欲に汚れるよう。
人として何を美しいと思うのか考えさせられるようでした。知らぬが花とも言いますし。
泰泉先生はミチルの人間とかけ離れたような完璧さや未知を“芸術家として”愛していましたし、夕路は本人への愛を伴ったことで背中の傷も愛し、より美しく描きました。
この、欲や傷までも愛するというのが人間的でホッとするといいますか、綺麗なだけではないものを隠さずに認め、より昇華させるポジティブな展開は胸が熱くなりました。そしてそのタトゥーが素晴らしくカタルシスを感じました。
基本的にみんな優しく、ちょっと上手くいき過ぎな感じは否めません。
そんなに短期間で重ねて彫れる(しかも傷)のかなとか。
色んな人が回りまわって誰かを助けるなぁ、という見方で見れなくはないところも、結局お店畳むギリギリだったよなとか(コロナの今余計に考えちゃいます)
先生がミチルにいくら愛想を尽かし興味がなくなったとしても、長年モデルをしていた体のメンテ代諸々は相当であろうし、ポッと出(夕路)に易々と渡せるなんて気が知れません。執着や所有欲がなさ過ぎる。そして背中の最終形を塗り替えられ、芸術家として喜ぶとこちゃうやろ!って思いました。
先生はミチルの心まで浸したい(画家として崇拝されるのではなく男として人間として)とは思っていなかったのだろうなと、その人間性は尊く感じました(そんなことある?刺青注文しといて?もっとドロドロでしょうとは思うのですが)。ただ、求めている美しさが世俗とはかけ離れ常人には理解出来ないのかもしれません。
囲い込み何も教えず、無知なミチルの美しさしか知らなかった先生だからこそ傷付いたミチルを潔く手放し、彼自身が選び背中に残したものを見て、彼の成長・新しい美しさが更に次の絵のインスピレーションに繋がったのでしょうか。
そうだとしたら人間として仕事と線引きの出来た人、夕路とはまた違う意味でミチルを思う人、そしてBLにはならない人だったのだなぁ…最後の笑顔可愛いけどちょっとガックリ。
行為のシーンも素晴らしく割と長めで、対面座位好きな人は特にご査収頂きたい。絵や全体の美しさの割に台詞が陳腐な感じがしますが、体の美しさも相まって演出も素晴らしくて興奮。彫った背中を見ながらとかそら最高でしょう。
耽美〜〜〜
芸術家の独善さを強く押し出しした作品です。自分の作品が至高だと確信を持ってる芸術家はやはり強い。
前半が特に好きでした。ミチルの肢体が美しい…鹿島先生の絵柄だからこその美しさ。細い黒髪も、うろんな表情も、日本画の世界にもタトゥーの世界にもマッチしています。
ミチルの息を飲む美しさと、時折見せる子供っぽさが無垢さ。こんな作品好きな方もっと沢山いるはず!!
後半、傷をつけるところまでは許容できましたが、電話を勝手に切ってしまうシーンや、夕路の作品をみての泰泉の反応なんかは好みではなくちょっと失速。
萌〜萌2
電子で安売りしてたので購入したら衝撃でした
後追いで作者さまの初コミックも拝見しましたがこの作品が素晴らしいすぎて満足できませんでした
少し昔風な画風がバナナフィッシュ とか好きな人にはグサグサ刺さると想う
タイトルを裏切らない絵の美しさで最高
無垢なミチルも可愛いし優しさの中に厳しさも垣間見える夕路(最後は超過保護化)マジでベストカップル
2人だけの世界で生きてる感じが堪らないです
なんかもう芸術作品として評価されてほしい一冊
欲を言えばミチルと夕路の共作タトゥーを
特典カラーで見たかった…。
表紙だけではちょっと物足りないというか。
終わり方も最高に好き
大満足
この作家さんは絵が美しいですね。
題材も、大画家のモデルと、彫り師というだけあって、壮絶に美しいミチルとそれを題材にした絵画が美しく眺めるのが楽しい。
お話の方は、先生に尽くすと決めていたミチルが、夕路に掘られる(スミの方よ)ようになって恋を知る、というストーリー。
若い頃に挫折した夕路が、彫り師として成功する物語でもある。
ミチルは、背中に入れられた先生の絵を自ら傷つけ、先生のところを追い出される。それは、始めて自ら先生を否定しこれまでの巣を飛び出すという行為。そして夕路の元へ。
NYで成功してハッピーになった二人が微笑ましいです。
絵がきれいで、これからの作品も楽しみです。
日本画の巨匠・泰泉から、専属モデルを務めるミチルという少年の背中に、彼の代表作を彫るように依頼された、彫師の夕路のお話。
彫像めいた完璧なまでの美しさを持つミチルの、時折見せる人間らしさに夕路は惹かれていき、ミチルのほうも、彼の作業中の真剣なまなざしや、包みこむような優しさに初めての恋心を抱く。
その感情に戸惑うミチルは、刺青の完成間近、もう夕路には会えなくなってしまうことや、他の人に彼が墨を入れることが耐えられず、自分で背中をボロボロに傷つけてしまい、泰泉から見放されてしまう結果に。
ここから一気にふたりがラブラブモードになっていき、それはとてもよかったのだけど……。
うーん、自分が腐りすぎてるからかもしれないけど、泰泉先生と肉体関係まではいかなくても、もうちょっとなんかあると思ったし、その方が盛り上がったんじゃ?と思っちゃった。
あらすじから、ミチルが衣食住すべてを先生に依存してそうなニュアンスを感じてしまったんだけど、どうやらそこまでではなさそう?
モデルになった経緯が不明だし、ミチルの、先生の作品に対する思い入れもよくわからないのがなんとなーく物足りない。先生もあっさり突き放してその後なにもないって、随分とビジネスライクな関係だったんだなー、と。
序盤で「僕とセックスしたいの?」なんて夕路に訊いたミチルは小悪魔っぽくて、ある程度性的なことに慣れてそうな雰囲気に見えたんだけど、そうではないっていう。うーん…やっぱり腐りすぎかな…。
お互いに早い段階で恋愛感情を持っているのがわかりやすかったので、「先生の作品としての自分」をミチルが自分で傷つけてしまい、それで先生との関係が駄目になってしまっても、夕路との時間を失いたくない、と思うほどの激しい感情というのは、残念ながら私にはあまり理解できなかった。
あと絵がとても繊細で緻密さもあるので、刺青や作中に登場する絵画は本当に美麗なんだけど、背中についた傷の描写が痛々しすぎた…。
綺麗だったー
彫り師の夕路と日本画家モデル・ミチルのカップリングです。
表示通り、ミチルの体が美しいのですが、
そこにタトゥーを彫っていきます。
このタトゥーが白黒なのが何よりも残念……
夕路もたくさん彫ってあるのですが、
カラーで見てみたかったですね。
お話としては、日本画家の巨匠の専属モデルだったミチルに、
その泰泉の作品を彫っていくのですが、
夕路とミチルが惹かれあっていき……という展開。
純真無垢なミチルが美しく、夕路が惹かれていくのも納得です。
自分の進むべき道を決め歩いていこうとする夕路と、
夕路の枷になりたくないと悩むミチルの葛藤が見所です。
全体的に美しく流れのある作品で、
ラストはハッピーエンドなので読後感も良かったです!
こちらのレビューで評判が良かったので購入してみました。
皆さんおっしゃってますが、本当に美しい!
うつくしい体ってタイトルなので、ハードル上がりますが、タイトルに違わず絵が綺麗です。
そして、美しいのです。
刺青を入れるのって白い体に映えますよね。
最初は尊敬する先生の作品として墨を入れにくるんだけども、何度か通ううちに彫り師の夕路に恋するミチル。
最初は泰泉のミューズだったのが、そこから飛び出して夕路のところに行くミチルが始めて恋を知ったみたいで、夕路に溺れていくのが素敵でした。
夕路も漢気があってかっこいいし、二人はお似合い。
泰泉のもとを飛び出してからは、夕路のパートナーでもありミューズになったミチル。
本当に美しいので、読んで欲しいです。
最初表紙はあんまり好みではなかったのですが、中身の絵がどれも美しくて、凄く綺麗なんです。
初めて鹿島こたる先生の作品を読んだので、別の作品も読んでみようと思います。
美しいだけでは、なくて色っぽいしセクシーなミチル。夕路が夢中になるわけだ。
受けのミチルの美しさには本当に見惚れました。彼をモチーフにした絵画の作品の展覧会があったら、心から行きたいと思えるほど。才能ある芸術家のミューズになるべくして生まれたと言っても過言ではないでしょう。私自身は人の体に何かを刻みたいというような趣味がまったくないため、彼の滑らかで真っ白な背中に初めて傷が付けられた時は、本当に残念に思いました。ああもう二度と、何にも傷付けられたことのない、生まれたままのミチルの姿を見れないんだなぁと。でも、背中が傷だらけになっても、刺青が彫られても、彼の美しさが消えることはありませんでした。
中盤ではミチルの今まで抑えていた感情が爆発し、勢い任せに自傷行為に走ってしまう痛ましいシーンもあります。が、メインの夕路とミチルの関係性は、最初から最後まで安定していて、特に不安を感じるようなことはなかったです。自傷した途端先生に突き放されたのも、先生がミチルそのものを愛しているようには感じなかったので、想定内の出来事でした。今まで先生の作品のためだけに生きてきたミチルが、そこから脱出し、夕路の傍で自分の意思を持ち始めるようになったのが嬉しかったです。欲を言えば、先生のミューズになったきっかけや、彼の元での生活ももう少し知りたかったですが、ストーリーと絵には十分満足です。
うつくしくてうつくしくて、終始美しさに見惚れながら読了しました。
耽美さのある絵で描かれる世界は、美しくてどこか背徳感を感じます。
甘くて幸せなお話でした。
ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
表紙のしなやかで美しい体。この体に墨を入れていく背徳感は堪りません。
受けのミツルの身体に墨が入れられていくだけでなく、その体を自分自身で傷つけてしまうところもどこかぞくっとした美しさがあります。
ただ、身体の皮膚がえぐれるほどに自分自身の身体をひっかくという行為はとても痛々しくて...最初見たときは直視できませんでした。個人的にはちょっとグロく感じています。
実際に皮膚がめくれている描写ががっつりあるので...
こういうのが苦手な方は注意が必要だと思います。
登場人物の背景(とくにミチル)が濃くは描写されていないので、そこで物足りなさを感じたのは事実ですが。終始甘くてお互いに大好きだという気持ちを感じることができたので満足しました。
甘い溺愛ものが読みたいかたにはおすすめです。
彫師と日本画壇の巨匠のモチーフを15年間続けてきた美しい男のお話。
日本画家花田泰泉の依頼で、彼の作品である【創生】を長年彼の作品のモチーフとなってきたミチルの背中に彫る事になるけど、彫師夕路に惹かれたミチルが彫り終わってしまったら夕路と会えなくなると思い背中を自分で傷だらけにしてしまう。
”作品”をダメにされた泰泉の怒りにふれ屋敷を追い出されてしまったミチルは夕路と暮らし始める。
長く泰泉の元にいて、タトゥーを入れることのリスクも厭わない程泰泉に心酔していたミチルが後が消えない程の傷を背中に入れたのには興奮してしまいました。
夕路と一緒になってからも夕路の仕事依頼を「自分と離れてしまう」という理由で勝手に断ったりと、夕路への依存のような想いが重いけどそれがまた似合ってしまう程に妖艶で美しいミチルでした。
先生の美しい絵と耽美な世界観が見事にマッチした素敵な作品でした!!!!
初読みの漫画家さんです。
極道モノが好きというところから、入れ墨に惹き付けられるようになり、その経緯でこの作品に出会いました。
ミチルくんのさらりとした髪と、滑らかな曲線を描く身体がとても魅力的で……思わず溜息が溢れました。
「耽美とは正にこのこと」というような雰囲気のイラストに、惹かれぬ者はいないでしょう。
美しい身体に墨を入れ、自分を刻み込んでしまいたい……
夕路くんの気持ちがひたひたと伝わってくる感じが、とても良いです。
自分の大好きな文学作品の1つでもある、谷崎潤一郎の『刺青』を思い出しました。
ストーリー面ではもう少し掘り下げてほしいと感じる部分もありますが、イラストの美しさがこの上ない為、神評価です。
既刊も読ませて頂こうと思います。
「うつくしい体」のタイトルに恥じない、非常に美しい絵のコミックス。
ミチルがとんでもなく美しいのはもちろん、夕路も美しいし、なにより泰泉が美爺。
ストーリー的にはもうちょっと泰泉とミチルの間に何かあってもとも思ったけど、夕路がミチルを人間として意識して欲したのに対しての、泰泉は人間としてのミチルに何とも思ってないって所がお話のポイントなのだろうから、これでいいのだと思う。
それにしても泰泉先生、こんなきれいな子たちをどこから仕入れてきていたのかしらね。
あんまり需要なさそうだけど、泰泉先生のお話とか読んでみたい。
鹿島こたる先生のスーパー美麗絵柄で!
大大大好きな刺青もので!
コレは期待しかない!
…と前のめりで読む。
絵、最高、神。
刺青のデザイン、最高、神。
物語は………前半、とても良かった。だが次第に…
ん〜ちょっと好みとズレた。
花田泰泉に心酔して、言われるがままに刺青を彫る事を承諾しそれを歓びとするミチルの姿には一種の凄みがあった。
だけど、実際のミチルはどうやら学校にも通わず、その心の中はまだこどものような無垢だった。
泰泉に心酔する事を自分で選びとっていたわけでは無かった。ただその生活、その世界しか知らなかっただけだった…
そんなミチルは確かに可愛いのかもしれない。でも私の欲しかった世界観とはずれていた。
知らなかった外の世界の優しいお兄さん。彼の手によって優しくイけたから、彼の方が好きになっちゃった。なんかそんな感じにも読めて。
自ら背中に傷を付けた時の激情のシーンもあっさり流されて。
泰泉に捨てられた後のミチルはいかにも弱々しく、眉毛も八の字になっちゃった。
巻末のおまけでミチルのもう一つのキャラデザ案が載っていて、私はこちらの方が良かったなぁ。目ヂカラのある意志の強そうな。
絵柄、刺青は神x3くらい好き。ストーリーは萌で、総合「萌x2」です。
作家買い。
電子で何話か拝見していましたが、紙媒体での発売を心待ちにしていました。
鹿島さん作品の魅力の一つは、鹿島さんが描かれるお耽美な絵柄だと思います。ちょっと癖があり、また、いわゆる「今時」な絵柄ではないのでもしかしたら好みが分かれるかも。が、この耽美な雰囲気が溢れる絵柄で紡がれていく独特な世界観は、鹿島さんでなければ生み出すことが出来ない魅力に満ち溢れている。
内容もお耽美。
日本画家の巨匠と言われる男性の専属のモデルとして生活を共にしているミチル。
美しいビジュアルを持つ彼は、巨匠の作品のインスピレーションを生み出すミューズ。巨匠に心酔しきっているミチルにとって、巨匠の意見は絶対であり従順であり続けている。けれど、その関係は他人からはいびつ、に見える。
巨匠が自分の「作品」の一つとして、ミチルの背中に入れ墨を入れるために接触したのが、彫師の夕路。
一人の人間を「アート」と言い切る巨匠に対し複雑な思いを抱く夕路だが、ミチルも入れ墨を入れることを納得していることもあり、ミチルの背中に墨を入れ始める夕路だけれどー。
鹿島さんはエロ度の高い作品を描かれる作家さま、というイメージがありますが、この作品もそのイメージを損なうことのないエロ度高めの作品です。
美しく、そしてミステリアスなミチルにどんどん惹かれていく夕路。
そして、巨匠に「飼われていた」(という表現がぴったりだと思う)ために世界が狭かったミチルにとって、夕路という青年の存在は、少しずつ、でも確実にミチルを溺れさせていく。
そんな二人の恋愛感情は早々に成就し、早い段階で体の関係も持つに至ります。その為、エロ度も高く、糖度も高い作品でした。美しく、けれど性的にまっさらなミチルが、夕路によって開かされ、そして開花させられていくさまは非常に美しく、そして萌えました。
が、ミチルが巨匠に飼われるに至った経緯とか。
そして何より、ミチルと夕路が恋に堕ちる過程とか。
そういった部分の描写があまりなく、その為ストーリーとしてはややあっさり目。それが個人的には非常に残念でした。
けれど、今まで「先生」のために生きてきたミチルが、夕路と出会い、人として生き直していく過程にはめちゃ萌えました。
ミチルだけではなく、「ミチル」というミューズを得た夕路が、アーティストとして名をあげていく。
お互い唯一無二の存在であり、相手のために身を引こうとする二人の想いに激萌えしました。
終盤にミチルと夕路のキャラデザイン案が収録されていますが、このミチルのビジュアルが本誌と全く異なります。このミチルが主人公だったら、作品から受けるイメージは異なるものだったのでは?と思いました。
ストーリーとしては目新しいものはあまり無く、バッサリ言ってしまうと「よくある話」なのですが、鹿島さんらしさにあふれた独特の世界観を放つ作品でした。
とにかく受のミチルがめちゃくちゃ美人です。
無垢な美人受ってかんじです。
題材的にアウトローな感じかなと思いましたが、
そうではなかったです。
あらすじの、
泰泉が囲い育てた専属モデルのミチルは……、
という箇所が気になり購入を決めましたが、
上記のことは詳しくは描かれておりませんでした。
個人的評価
ストーリー ★★★☆☆
登場人物 ★★★☆☆
エロ度 ★★★☆☆
こちらの作者さんのご本は初めて拝見しましたが、
絵がものすごく綺麗で繊細ですね。
登場人物もそうですが、服の柄や小物、背景などにも
注目して読んでしまいました。
【耽美】ってキーワードしか浮かんでこない作品。
絵がものすごく美しいです!
私も、ちるちるの作品紹介に出てきた、中性的で美しい男が登場したシーンに見惚れて「読もう」と思ったので。
一冊まるごと、タトゥーアーティスト・夕路と、日本画家の専属モデル・ミチルのお話。
夕路はタトゥー・スタジオを構えたものの客入りが悪く、この先どうしようか悩んでいた。
そこに突然、恐ろしく美形な男・ミチルがやってきて、日本画家の巨匠からの仕事を2千万の報酬で受けて欲しいと依頼。
ミチルは日本画家の専属モデル。
画家の創作インスピレーションの源であり、晩年を迎えた画家は、最後にミチルに自作品「創生」を刺青して、ミチル自身を作品とすることに決めた。
「創生」は炎が燃え上がっているような印象的な絵。
これがミチルの背に入ったらどんなに綺麗なことだろう。
夕路が彫ることでミチルは夕路の作品となる
ミチルは画家に心酔していて、今まで描かれているのはミチルでも画家の視線はミチルを媒体としてしか見ていないのが歯がゆかった。
今度こそ、自分自身が画家の作品になれる。
二人は違った目的を持ちながら、タトゥーを彫り、彫られていく…
人形みたいだと思ったミチルは、彫られる痛みで色っぽい表情も見せる。
緊張を和らげるため、映画を見せると子供のように楽しんでいる。
夕路は初対面から?以前に画家の絵を見ていた時から?ミチルにどうしようもなく引き寄せられている。
そしてミチルも優しく気づかってくれる夕路に惹かれ、夕路が他の客にタトゥーを彫っていることに嫉妬して…
ミチルのバックグラウンドは謎です。
15年の間、画家のモデルしかしてこなかった世間知らずだとしても、そこまで画家に尽くす理由が私には読み取れず…
夕路と触れ合うのは新鮮だったのだと思うけど、いきなり「ぼくとセックスしたいの?」と誘うのも…
初めてっぽいし、まだ夕路との信頼関係もできあがってないのに、どうして突然そうなる?
そしてタトゥーが完成したら、夕路との関係は終わってしまうと思ったミチルは、爪で掻きむしって背中と顔に傷をつけてしまう…
夕路は画家に見放されたミチルを受入れ、背中の傷を活かしたタトゥーを彫り、ミチルの背中に新たな花を咲かせる。
ミチルを理解しようとすると迷路に迷い込んでしまいます。
猛獣がつけたように深く鋭い爪痕が首筋から背中一面についていたのに、夕路の新たなタトゥーは傷痕はまったく感じられない、まっさらな背中に新しく彫ったようにしか見えない。
キャラの行動理由、物語の整合性という点で、私はつまづいてしまいました…
でも絵は本当に綺麗です。
全裸のミチルに黒豹が覆いかぶさる絵、ミチルの圧倒されるような美貌、耽美の象徴のようなタトゥーは本当に美しい。
作中に出てくる絵をそのまま油彩画にして、美術館に展示して欲しいと思うほどです。
「物語を読む」のではなく、「【耽美】を鑑賞する」のがこの作品の楽しみ方かもしれません。