憂鬱な朝 8

yuutsu na asa

憂鬱な朝 8
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神431
  • 萌×225
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない5

--

レビュー数
40
得点
2282
評価数
472
平均
4.9 / 5
神率
91.3%
著者
日高ショーコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
シリーズ
憂鬱な朝
発売日
価格
¥720(税抜)  
ISBN
9784199607714

あらすじ

亡き先代の面影が残る鎌倉の地で、思い出す確執と擦れ違いの日々──暁人の渡英が迫る中、過去と向き合った桂木は「二年間は長すぎます」と本音を吐露してしまう。そんな真摯な桂木に、暁人は「一緒に英国へ行かないか?」と旅券を渡して…!?久世家を守り、未来を繋げるために、二人が歩んだ恋の軌跡、ついに感動の最終巻!!

表題作憂鬱な朝 8

久世家当主、子爵
久世家元家令、29→31

その他の収録作品

  • Last scene
  • あとがき
  • epilogue「Life is just biginning」

レビュー投稿数40

全巻まとめての感想

凄かった……!長ーく積んできた憂鬱な朝をやっと読んで胸がいっぱい。1巻の頃の桂木は取り付く島もないみたいな感じでしたけど…長い年月で変わったねぇ暁人が成長するにつれ、子供で何も見えていない世間知らずな状態から…

大人の男になって変わっていく。先を見据えて色々と手を打つ様はかっこよかったです…周りの人も巻き込みながら…すごかった。家とか血筋とか、色々なしがらみとか…あれだけ絡まりあってほどけない糸みたいな関係が…あんなエンドを迎えるとは、素晴らしい物語でした。

桂木と暁人の触れ合いも後半は全然違うんだよな。目線も触れる手も…2人の関係の変化を沢山感じられて好きでした。スペシャルブックも最高だった!!!

個人的には高之さんがキャラとしてめちゃくちゃ好きです登場人物みんな強かさある人ばかりなのと人間としての厚みがあって色々な表情を見せてくれたのがとても魅力でした。

1

素晴らしい作品

日高ショーコ先生の絵柄、

最終巻で桂木と暁人、それぞれ苦しんできた二人だからこそ穏やかで幸せな姿が見られて感無量です。

執着攻めが好きなので暁人の桂木への想いが良いです。
時代背景と着物と洋装が素敵すぎで、フンドシがまた萌えます。
桂木の色気がすごいのでこれまた萌えます!

暁人と桂木の心情が丹念に描かれた大作で読み応えたっぷり、再読をよくしてます。

暁人に対して厳しい表情だった桂木が少しずつ気を許し、認め、惹かれるうちに柔らかい表情になっていく微々たる変化が尊いです。

ドラマCDを一緒に聴くとすごく良かったです!

1

ついに最終巻!

当主:久世暁人×従者:桂木智之です。
とうとう最終巻です。
本当に!最初から最後までややこしい話で、1回読んだだけでは私の頭では理解出来ず、改めて1巻から読み直しました。それでもややこしい!そして最終巻は分厚いです。でもすごく読み応えがありました。

とりあえず本当にハッピーエンドで良かったです。
1巻から読むと、仕方がないとは言え、桂木の暁人に対する態度が冷たすぎるので、よくそこから良い方向に迎えたなと…。

元々は桂木が当主になる予定だったけど、跡継ぎである暁人が生まれてしまい、跡取りから外されるわ、桂木の出自で先代から冷遇されるという、桂木は何も悪くないのに大変な目に合ったとはいえ、暁人のおかげで最後は並んで歩いているのは本当に良かったです。

それまでに紆余曲折がめっちゃありましたが…
そして何度も言いますが、本当にややこしいw

結局のところ、登場人物たちの腹の中に隠し事が多くて(特に桂木)それで余計にややこしいことになるのでは?と思ったり…。
総一郎が華族社会の中では本当にわかりやすくて良い奴なんだなーとw

正直、2人で直矢をどのように育てるのかが見たかったりしますが…。

2008年から描き始めて最終回が2018年とのことで、10年間本当にお疲れ様でした!!

1

神以外ない!

全巻通してのレビューですが、みう完結していてよかった…
これは単行本のコミックスを待つってことが出来ない、一気読みして世界観に浸りたい作品でした。

日高ショーコさんの作品は、受け攻めお互いに自分をしっかり持った主人公が多いので安心して読めます。この二人も攻めは幼少から始まるのですが、しっかり自分のやりたいことをやりながら、受けの桂木と一緒にいられる道を切り開いていきます。
桂木の方は、暁人に対する当初の思いが巻を進める毎に変化していきます。
ついに暁人の思いを受け入れて相思相愛になるも、不器用な彼は何年も信じて生きてきたものを変化させるのに苦渋します。
表紙の色合いが桂木の心を表しているのでは?という話に日高ショーコさんもそうだと答えられていました。
(ドラマCDのフリトで会話されてました)

脇の石崎も良い友人として登場します。
お見合いシーンはもう何とも言えずニンマリしました!

この物語の時代設定、世界観と日高ショーコさんの綺麗な絵に文句の付け所が有りません、この先の二人の活躍も見たい!!!
と思わされる作品でした。大河ドラマでも耐えられるストーリだと思います。主演は選ぶでしょうけどw

1

完結

◾️久世暁人×桂木智之
最終巻です。穏やかでありながら、全ては分かち合おうとしない2人が、ある意味対等だと物語っています。桂木がそちらを選択するしかこの作品の完結はない。鎌倉に再度訪れた桂木と暁人の表情、重なる舌…一コマ一コマが良すぎてめまいが…涙が出ちゃう…
濡場も舐めるように見てしまいます。素直になった桂木の破壊力たるや。「私も…いい…」「中に…」「好きです」…涙はおろかなんかもう色々出る!!眠る桂木は美の化身!あぁ「憂鬱な朝」!!!

この2人にリバを求めることはないけれど、桂木の腕枕で暁人が眠っているのは萌える…双方が明確に雄であって欲しい。

桂木はまだ29歳か…!ということは暁人に至っては18歳?此奴らににおっさんどもが軒並み手玉に取られていたと思うとホント恐ろしい。

10年…先生は当たり前ですが、この物語を完結させてくださったあらゆる方に感謝です。

2

総じて

一巻での二人の関係性は最悪だったはずで、それこそ幾度とない憂鬱な朝を重ねていた序盤。それから八巻という膨大な巻数によって、二人の関係性の変化や成長が紡がれ語られてゆくことで、堅固な説得力が生まれている。最後になるとただただ鬱陶しいだけであった憂鬱が、朝を迎えることで離れなくてはいけない憂鬱へと意味合いが変化していく。層をかけていくような題名の意味の変化、その響きあう美しさには感嘆させられる。

あと、黒髪つり目好き受けが好きな人間にとっては最高に好みでした。

1

神よりよりの萌×8

電子書籍のお得パックで購入。
ちょうど自分がBL復帰あたりに完結してくれた&ちるちる評価が高かったので、ずーっと読みたかった作品でした。
実は作者様の別作品ではそれほど刺さるものがなかったので、迷ったところもあったのですが(だって最近の書籍ってお高いですもんね~)えいや~っとポチリ。結果、大正解!!

一気読みした感想は、BLというより、主人公の一人、久世暁人という男の成長物語として、まことに秀でた作品だな、と。これは、数少ない私の読書量を思い返してみても、あんまり思ったことなかったんですよね。大体漫画とかは、主人公が平凡ながらも特出した事件や挫折または成功で、豁然大悟したようにぐうぅんと成長する。まあそれが物語ゆえの醍醐味なのですが、この暁人は、時間をかけたワインのようにゆっくりと、でも「育まれた」というよりは自己を持った綿のように吸収しながら、「成長」していくのですよ。

正直、途中までの当主の譲り合い攻防戦は、愛のためとはいえ「どうぞどうぞ」の〇チョウ倶〇部のギャグかな?と思ってたんですが、第三の後継者である直継が登場した当たりから、暁人の「華族とは、家督とは、そして未来とは」の問いと挑戦が始まります。時は明治、大名から華族へ、旧藩を治める立場から経営する者へ、と変化を余儀なくされた時、青年は一つの愛に囚われることなく、かといって諦めることもなく、確実な一歩を歩み始めるのです。

明治期の華族の生活のみならず、その苦悩も不遇も丁寧に描かれており、それだけで十分な読み応えがあります。もう一人の主人公である桂木も、ありがちなオムファタールではないところがいい。登場人物の一人一人が、その時代を生きる「人」として命を吹き込まれています。こういう描き方、ほんと個人的に好きですし、作者の視野の広さを感じさせます。最近の漫画って、ピンポイントか登場人物総主人公化で、極端なんですよね。ちょうどよい塩梅が絶妙なんですよ、この作品。

良き物語でございました。未読の方は是非!

1

物凄い漫画に出会ってしまった

「花は咲くか」を読み、おもしろかったし絵の雰囲気が好きだったので同じ作者である日高ショーコ先生の話題作を読みました。

結論から言うと、これは神です。いや神以上。なんと言葉に表せればいいのか…いろんな名作を読んできて、素晴らしい漫画にたくさん出会いましたが、それを悠々超えるおそろしさ…(汗)
絵のタッチ、どちらも美青年で計算高く品行方正、だけど恋愛に関してはお互い執着しているところ、そしてたまに出てくるエロシーン…私のツボばかりを集めた漫画…!!と思っていたのですが、私と同じ意見の方はたくさんいらっしゃるようで、やっぱり…神ですね。
桂木が久世家を出ていき、2人とも忙しくてあまり会えないけどちゃんとお互いを思い合っているところ…特に桂木は普段クールで無表情なのに、暁人様の事になると感情的になるところが一番好きです。あと攻められてる時の顔!!あの恋愛している桂木の顔!!!とにかく良き!!!!!!
エロの度合いであれば多くはありません。というか、ずっと一緒にいるわけじゃないですからね、でもたまーに出てくる好き好きの感じが堪らないです。とにかく全部ドツボなんです…イチオシです…もっと早くこの作品と出会いたかった!!!これから良いblに出会うことはたくさんあっても、この作品以上に好きになる作品はないと思います…たぶん。今読み終わって何日も経っているのですが、ひたすら余韻に浸っています。

最高これを見るために生まれてきたと言っても過言じゃないでしょう。

7

感謝感激

もう二人には憂鬱な朝じゃないなぁ…
幸せな朝だね。良かった…ㅠㅅㅠ

ついに完結ですね…
嬉しいような寂しいような…
BL作品で一番大好きな作品です。
最高の作品。
憂鬱な朝って作品で、日本のBLに今までもハマってます。
ストーリーは終わりましたが、これらかもずっと二人を
応援して続きます。
私の心の中にはいつまでもingです!

先生。今までありがとうございました。

2

不朽の名作といったら、本作品!

読後の幸福感が尋常じゃありません。終わるのが寂しくもありましたが、これ以上に素敵な終わり方はなかったかと思います。暁人様も桂木も幸せになれて良かった・・!

桂木と共にあることを絶対に諦めなかった暁人様は強くて格好いいし、暁人様を好きだと自覚して弱さを隠せなくなった桂木はとても可愛いし・・・これが11歳差のふたりで、桂木が暁人様を育ててきたというのが個人的な萌えポイントです。

壮大で素晴らしい物語を最後まで素敵なままで描き上げてくださった先生方に、最大級の感謝です!

4

これ以上ない最高のストーリーでした。

最高のストーリーでした!タイトルの憂鬱な朝が嫌で重たいものから、甘い意味に変わってくるなんて!凄すぎます。最終回まで、自分の思いも桂木の思いも、家の事も未来も諦めなかった暁人さまに私もやられました!ここまで来るのに、全然ご都合主義ではなく自分の力で切り開いていきます。このシリーズは暁人さまの成長物語だったと言ってもいいほどです。

4

すべては、

1~8巻まで読み返しても、どの感想を書いたら良いものか‥‥。

終わってしまって悲しいと思うのと、読み終えることが出来た満足感がせめぎ合っています。

お互い自分の道を進む(一緒にいるために)と留学しないことを決めた桂木を見て、夢でも良いから一緒にいたいと言って欲しいと暁人が言っていたのを思い出して、ただただ現実でふたりが同じ道(というか肩を並べて歩ける関係)を歩むことが出来たことが嬉しいです。

素敵な作品との出逢いをありがとうございました。

3

史诗一般的长篇作品欢庆完结

历时多年的长篇作品、波澜壮阔、新旧变革时代曲折反复、激动人心的故事,令人依依不舍、却又功德圆满。作为肩负起家族责任的久世晓人和桂木智之,二人一方面想要拥抱新时代,另一方面却又难以与过去彻底一刀两断。因为家族责任心、彼此之间的关心,在错综复杂的环境变化中,自觉或不自觉地被卷入时代洪流。完结卷让人如释重负,给这个故事画上了圆满的结局。哪怕思想有分歧、前路也有所不同,但是想要携手并进的心,却不会改变。无论为自己还是为对方,都想变成更好的人。这样互相支持体谅的爱情理念,永远都难能可贵。无论是爱情、友情还是工厂、个人前途、爵位继承人,全都各得其所、得偿所愿。日系故事中主人公身为社会人超强的责任感、主角人道主义的善良理念、除旧迎新、革除旧弊的创新精神,都让人耳目一新。以明治、大正间的历史时期为背景,日高老师认真细致的考据工作,呈现出大气庄重而又含蓄内敛的写实风格,这样别具一格的作品,不光是爱情,对于了解过去、风俗、经济等历史画卷,也是很好的科普作品

2

彼らに出会えて良かった

書きたいことは7巻のレビューに全て詰め込んでいるのでひとつだけ。憂鬱な朝に、彼らに出会えて本当に良かったです。この本に出会わなければBL漫画を読まない人生を送っていたでしょうし、私の人生はもっと味気ないものになっていたでしょう。全8巻を通してふたりには幾度もの憂鬱な朝が訪れたわけですが、その中に潜むたくさんの感情の機微に私はいつも胸を躍らせていました。
今や年間とてつもない冊数のBL漫画を読むようになった私ですが、やはり憂鬱な朝は他のBLとは一線を画す存在です。これほどのスケールでふたりの人間の人生の分岐点を描く作品はそう現れないでしょう。シリーズは完結してしまいましたが、これからも定期的に盛り上げて新たなBLファンがこの作品と出会ってくれることを願っています。

4

わたしのベストBL作品

暁人が変わらずに桂木のことを思い続けた結果、桂木があんなに甘く可愛くなるなんて、想像していませんでした。
途中はツライ話が続くけれど、最後まで読めばとても幸せな気持ちになれる素晴らしい作品です

3

憂鬱な朝に出会えて、終わりに立ち会えて良かった。

こんなにステキな終わり方になるなんて一巻読んだ時には思わなかったし、今までの大きなことから小さなことまで全部が詰まってて最高に幸せだった。
桂木が暁人様のことを思っておおいう顔をするようになるなんてもう…
桂木が暁直様に出自を知らされた時に「なぜ、驚かない?」って言われたところで胸が締め付けられた。桂木を縛ってきたのは今まで明かされてきた言葉だけじゃなかったんだね。
暁人様が桂木の寝顔を見て驚いていたけど、それだけ出会ってからの長い間ずっと隙を見せずにいたっていうのがすごいし、今はそんなこともせずただ一緒に居るっていうのが幸せだった。
桂木の幼少期に心も体も縛りつけた先代の呪いが暁人様の言葉によって溶けていくのが見えた。
最後の直矢様を久世家に迎える準備をするところで最初の二人の出会いを回収するなんて思わなかったし、暁人様が久世本家に入られた時とは全然違う暖かな空気が漂っていてすごく素敵だった。
直矢様を迎えるときに暁人様が屈んだのを見て、昔とは違うんだなってハッとした。しかもそれを桂木と暁人様2人で迎えるなんて。この時代に2人で恋人として一緒になることは出来ないけれど彼らのなかの一番の姿なんだろうなって思った。

4

お見事です

読めば読むほど理解が深まる。感情の変化や揺らぎ、愛目の芽生えや痛いほどの思慕が手に取るように。ラストまで読んで、再読最初から読み進めると、様々な伏線や布石の見事さ、描かれていた表情や言葉の本当の意味につい唸りたくなる。間違いなく傑作。評価は、ぜひ最後まで読んでからに。

4

ああもう記憶を消してもう1回読みたい

悶えに悶えました。こんな作品あったのは初めてで、試し読みをしてすぐに全巻買うことを決めました。BLには珍しいストーリー重視の作品では無いでしょうか。

久世と桂木、二人の関係が巻数事に変わって行くところが特に萌えます。萌えるんです。
最初はあんなに久世のことを憎み恨んでいた桂木が、久世と共にいることによってどんどん変わっていく様子がたまらないです。特に「好きだ」と言われた時の表情。言われる度に顔を赤らめ、桂木のデレの一面を見ることができます。うふふ。
また、二人を取り巻く時代、背景、人物などなど...、話に手が込んでいてひじょうによい。
ときに久世と桂木のすれ違いにもやもやしながら、愛し合う姿に悶えながら。ページをめくる手が止まりませんでした。続きが読みたい。ああ、だけど終わっちゃう。ええどうしよう...おわってほしくないいい。あぁああ。みたいなかんじで。

この作品に出会えてよかったです。どうぞ皆さんもみてみてくださいね!

6

対極的だからこそ補い合えた2人

 凡人であれば何もかも放り出して逃げてしまいたくなるような立ち位置にいながら、2人はよくここまで耐え抜き1つひとつのことに向き合えたなぁと、感服せずにはいられませんでした。相当時間はかかったけれど、久世家をどうするか、自分達の身の振り方はどうするか、石崎家・桂木家との関係はどうするか、そのすべてにこの最終巻で答えを導き出した2人。どちらかだけでは絶対辿り着くことはできなかったであろう終着点でしたね。保守的で根回ししながらしっかり地盤を固めていく桂木と、革新的で先導する力に長けている暁人。なるほど、どちらも当主としての資質があるというのは本当にその通りですね。でも、この終着点には間違いなく2人の考えが両方必要だったのでしょう。

 桂木がなぜ自分はいつも最後まで考えを言わないのか暁人に語るシーンでは、理由が稚拙で思わず目が点になりましたが、これは彼の育った経緯に原因があるのかもしれませんね。でも、彼はようやく先代の柵から解放されました。自分の出自を知ることによってではなく、暁人の言葉によって。先代の思惑というのはもう誰も知り得ないけれど、少なくとも彼が幼い暁人に桂木のことを穏やかに語ったのは事実。ならば良い方向に考えようという暁人の言葉は、きっといとも簡単に桂木の纏っていた殻を溶かしたんじゃないかと思いました。

 そして、2人は久世家に新たな可愛らしい当主を迎えます。最終的に桂木はどのような立ち位置からこの当主を支えるのかよく読み取れませんでしたが、彼は最早何家のものでもないということなのかな。これくらいは読者が都合の良いように解釈してもいいかもしれませんね。2人が共にいられる未来を手に入れたことももちろん嬉しいけれど、何よりも桂木が救われたことを嬉しく思えた最終巻でした。

4

是非読んで欲しいです!!

終わってしまいました…はぁ、終わってしまいましたね。
毎度のことながら8巻を手にして、既刊ぜんぶ引っ張り出して読み返しました。早く続きが読みたいはずなのに、その時間さえ至福に感じられる本は数える程しか知りません。

本当によく話が作り込まれていて、原作と作画の二人体制ならではの完成度でした。
本当に良く練られたお話で、まだ読んだことのない方にはまっさらな状態で読んで欲しいのでネタバレ的なことは我慢します。
私は4巻から読み始め、新刊が出る度に全て読み返していたのですが、今から読める方は久世と桂木と、それをとりまく時代背景やしがらみ、周りの人間の思惑や、思いやり…それを一気に読めるのが正直羨ましくもあります。
特に時と共に変わっていく桂木の想いと、大人の男へと変わっていく久世の姿が他を探しても見つけられない程に魅力的でした。
「憂鬱な朝」というタイトルも読後は染みます…。

BLというジャンルに深さ、ストーリー性を求める方はハマると思います。
桂木も久世も大好きです(*´꒳`*)

14

唯一無二の作品

私に悶えるという感情を与え続けてくれた作品が遂に完結…!!
日高先生10年間大変お疲れ様でした!そして、こんなに素晴らしい物語を、本当にありがとうございました!
最終巻をやっと読み数日経ち、想いが抑えきれず、初レビューさせて頂きます。

私は4巻発売少し前から憂鬱な朝を読み始め、約6年間この作品を追いかけてきました。3巻まで一気に読んだ当時、時代背景やお家騒動もがっつり話に絡み、憂鬱感溢れるこの作品を読んだ時は衝撃的でした。
こんなに苦しいBLがあるのかと…。
いや、もうこれはBLじゃない。
2人の素晴らしい歴史物語だと思いました。
そして、4巻で桂木が暁人様に想いを告げた時は、暁人様になったかの様に歓喜しました。
周りの腐友人の多くに、今すぐ読め!と全巻セットで貸しまくり、友人が「自費で漫画全て買った」という報告を受ける度に、営業で成績を上げたかの様な満足感を感じる程、作品にのめり込んでいました。褌萌えを教えてくれたのも、この作品です。

そして、憂鬱な朝の新刊が出ると知り、調べると最終巻の文字…
ずっと、終わりに近づいているとは思っていましたが信じられませんでした。実際に購入した後も、数日ページをめくる事が出来ずにいました。1巻から読み直し、気持ちを整え、遂に8巻を読み終わりました。

今までお互いの事を想うがあまり、行動がずれまくっていた2人でしたが、お互いの為ではなく、自分の信念の為行動し、自立していく2人にじわじわと感慨が溢れてきました。
また、暁人様が桂木を渡英に誘った事には少し驚きました。
鎌倉で蜜日を過ごした後は静かに別れるのだろうと思っていましたが、私の予想など遥かに超えて2人は好き合っていました…。桂木はやはり残る事を選びましたが、銀時計を貰った時の表情や、暁人様が出立する前のベッドでじっと見つめている目から、未練というか、暁人様と離れたくないという想いが溢れていて…ありがとうございます。

海で2人でじゃれ合っている時も、外でやろうとする暁人様に手を払う桂木…その冷静さというか、つれなさ。とても好きです。日高先生もあとがきで言っていた通り暁人様好きすぎてしまった桂木ですが、どこかつれなさを残して頂ける所がとっても好きです。
暁人様の手紙読み切れてない所も好き…。暁人様のいつか外でやってやる、という台詞に期待してしまった人は私だけじゃないはず。

2年後、暁人様が帰国してきた時に2人が再会するシーンはありませんでしたが、暁人様は一直線に桂木に飛び込み、桂木は伸びた髪に苦言を言いながらも嬉しそうに抱きしめるのでしょう。妄想すみません。
あと、石崎の成長した姿、カッコよかったですね。

そして最後には、手を繋ぎ肩を並べて歩く2人…
暁人様が願っていた姿そのままな事に、感激しました。2人が明るい朝を迎えられている事が何よりの幸せです。

言いたい事は沢山あるのですが、漫画を読まなければ分からない魅力が多く詰まったとても素敵な大切な作品です。
今までこんな素晴らしい物語を届け続けて下さった事に、憂鬱な朝に関わった皆様に感謝感激です!!
毎秋の楽しみがなくなり、とてもとても寂しいですが、この作品はずっと忘れません。
まだまだスペシャルbookも発行される予定との事で、とっても楽しみにしています!
素晴らしい名作に出会わせてくれて、ありがとうございました。

19

光り輝く朝。堂々の完結編‼︎そして、これでさようなら。(涙)

終わってしまうのが、本当に嫌で…。読んで仕舞えば、終わってしまうので。買ったはいいものの、読むのを躊躇っていました。私が読まなければ、いつまでも終わらないのだと思ってみたり。また、その終結にガッカリさせられるのではないかと、恐ろしくもあったのです。それほど、この物語は特別でした。これまで、じっくりと読み込んで来たと自負している読者のひとりとしては、やはり全てが想定内だったと申し上げるほかありません。桂木は自身の立ち位置を得、暁人さまの渡英には着いて行かないだろうし、暁人さまは、桂木の心の不安、不信の元となっていたその出自を明らかにするだろうし、直継さまの遺志を受け、その子供、直矢さまの後見をするんだろうし、未来の久世家とそれ以上の発展の為に、書生として受け入れた若者たちの指針になるであろうことは容易に想像し得るものでした。
ただ一つ、驚いたのは、総一郎の縁談‼︎ 何、このミラクル⁈ さすが、桂木‼︎ 総一郎は、自身が悔やんでいた様に、その初恋を苦い想い出として終わらせるのだとばかり思っていました。桂木が諭した様に、総一郎には暁人さまの様に選び取り、責任を取る覚悟は無いのだと。ここでも桂木の奸計と愛情深い結末に涙させられます。『あなたの味方は、この私だけです』と桂木の言った言葉。涙腺決壊です。ハリボテの身分など、意味を成さないが、それを装ってさえすればまかり通る。その馬鹿馬鹿しさを逆手にとって、一石を投じた策略だとも思いました。総右衛門殿はもちろんカンカンでしたが、この先、総一郎が覚悟を決めて進んで行きます。そして、遂には総右衛門殿も桂木とは和解するのでした。

暁人さまが桂木に贈る、揃いの指輪ならぬ、揃いの銀時計というのも素敵でした。これは、学院の首席が代々贈られるという曰く付きのものでしたが、桂木は首席であったに関わらず、先代の暁直さまに「平民出が首席を取り続けると、余計な敵を作る」と指摘され、最終学年ではワザと首席を取らず、賜われなかったもの。そして、暁人さまにとっては、やはり首席であったのに、隠遁生活を余儀無くされた為に、首席を続けることが叶わなかったもの。そして、この時計は二人の「これから」を刻む時を象徴するもの。暁人さまが渡英する際に互いの名を刻んだ時計を交換するという桂木もロマンティックです。あの律して崩すことの無かった桂木の甘い甘い願い。着替えて見送る事をせず、ベッドに突っ伏したまま、見送る桂木は色っぽかったですね♡ そのしどけなさに暁人さまも相当後ろ髪を引かれたに違いありません。

暁人さまの渡英、2年後の帰国まで描かれていたのも嬉しかった。表紙の暁人さまの髪がなぜ、そんなに長いのかと思っていたのですが、あまり整える事もなく、ただ伸ばしていたのでしょう。 epilogue で、台詞は無いですが、「髪を切れ」と言っている様な桂木が微笑ましい。私も、暁人さまは短い方が好きです。

また、桂木が先代の暁直さまに認められたいと願い、叶わなかったと思い続けて来たこと、幼ない暁人さまと過ごした『悲観的だと思って来た』状況を『今、思えば、私は…。幸せな処に身を置いていたのだ。』と思えるまでになれた事。桂木の心を救った物語にもなっていて。とても幸せな気持ちになれました。願わくば、渡英はハネムーンでは無く、桂木にとっても学ぶことがあったとも思うので、行かせてあげても良かったのに、とか。この2年の間に「時間はありません。来週には紡績工場の役員会に出るので。」と、(昔の船旅だから無理⁈ どれくらいかけて行くのかしら。)突然慌しく会いに来る桂木、とか。そういうのも見てみたかったです。二人のあまあま後日談は、来年刊行予定の特別版を期待して。やはり、読めて良かったと思うことにします。
でもやっぱり寂しいな。寂しくてたまらないよ‼︎(涙)

12

他に類をみない名作中の名作です!!

連載から10年…長いようであっという間に過ぎて、いや…長い10年でしたね。日高ショーコ先生本当にお疲れさまでした!!そして、何より心から感謝申し上げます。こんなきれいで素敵な世界、私は知りませんでした。

8巻というBL作品の中では長い巻数で、時代は明治…現代とは違う制度や価値観の中ですすむ内容には正直難しさもあり、なかなか意図や考えがわからずに、何度か読み返して理解することもありました。言葉や制度の意味がわからず、調べた事も何度かありました。
だからこそ、「憂鬱な朝」という世界にどっぷりとハマり、8巻を手にした時は読む前から胸に熱いものが込み上げました。

鎌倉で過ごした日々は「憂鬱な朝」の中では驚くほどに穏やかでゆっくりとして、お互い身体だけじゃなく心に触れ、ゆっくりとしっかりと強く繋がってゆく様が温かく心地よく伝わりました…暁人さまじゃないけど、本当に夢の様でしたね。そして、私も高之さん雨宮と同様、絶対に桂木は暁人さまと英国には行かないと思っていました。夢の中では生きていけない、現実で…その言葉通り己の足で立ち歩んでいけるよう、先を見つめながらも今をしっかりと生きていくふたりが輝いて見えました。二人の選んだ各々の道は、何度も曲がりぶつかり遠くなりながらも、最後は真っ直ぐ太い一本道になったように感じました。

8巻を手にとって、表紙の銀色に輝く「憂鬱な朝」の文字と二人の手をとる姿に胸が熱くなり、読みながら暁人さまの桂木を抱きしめる手の強さに桂木の表情にぐッときて、出港前に身体を重ねる二人に顔がほころび、船内で泣き崩れる暁人さまにもらい泣き、ラストの笑顔で手を繋いで肩を並べ歩き始める暁人と智之にもう…もうもうっ、胸が痛くなりました。終始、涙で視界はボヤけっぱなしでした…心が感じて動いて感動ですもんね、本当に感動しっぱなし。

銀時計に刻まれた通り、名にも生にも家にもとらわれない、何ものにもくくられない従わない「暁人」と「智之」は本当に眩しいくらいでした!!

あと、脇勢のそれぞれもしっかりと描かれています。総一朗とこふさ…予想的中し、やはり嬉しい結末でした。

日高ショーコ先生、完結おめでとうございます!!
私の中に、ずーーーっと暁人と智之は生きております。

15

全部完璧です。ありがとうございます。

この作品に出会えて幸せです。

2人とも強くて男らしいのが大好きです。
遺言書を託して旅立つ暁人と、旅券を渡されてなお付いては行かない桂木。
まさに夫婦の中に男が2人、リーダーが2人と言う感じ。
守り守られる関係、また主人と従者の関係ではなく
肩を並べて歩く関係。これが2人の苦悩と努力によって
達成されたのだと思うと本当に感慨深いです。

ハピエンで良かった!
えっちしてる時に桂木が好きって言ったし、気持ちいいって言った\(^o^)/
何かもうそれだけで泣けるぐらい2人ともよくここまで頑張りました。。
あと、「2年なんて短いよ」と強がった後に
1人でガン泣きする暁人がどこまでも尊いです・・・

2年後も書いてくださってありがとうございます。
感謝しかないです。

10

これ以上なく好きな作品でした。

二人の葛藤とか思慕とかが入り乱れた作風が大好きな作品でした。最後は今までの伏線が回収され綺麗にまとめられていました。

桂木の渡英に関する展開も良かったし、これまでにないくらいの蜜月関係もあったし、新しい当主を受け入れる事ができた結末も良かったです。

だだ、既刊での複雑な心理描写を加えた展開が好きだったせいもあり、そして大好きな作品なだけあって最終回に対するハードルが上がってしまい、8巻の足早な展開に少し物足りなさも感じました。

既刊で終わりがどんどん伸びているというあとがきを読んでいたせいか、この巻はどうにかして終わらせるために描いている印象を受けたせいもあるのかもしれません。

また、日本に残った桂木も好きだと思ったのですが、なんとなく元々視野の広い暁人よりも桂木にこそ渡英して広い世界を見て欲しかった感も残りました。

この気になるところは好きだからこそ気になったところなので、最終回にここまで綺麗にまとめられた作品はやはり神作品だと感じます。

3

明けない夜の果て 特別な朝

「朝が来なければいいと思いました」

 いよいよこの長く壮麗な物語も終章を迎え、この桂木の台詞で、タイトルの意味がようやくストン、と胸に落ちました。「憂鬱な朝」って、相愛の恋人同士が甘い一夜を過ごしたあとの「後朝(きぬぎぬ)の別れ」のせつなさを指していたんですね。

 物語序盤の桂木は、昼は子爵家の家令職と暁人さまの教育係を完璧にこなしつつ、夜は男女問わず上流階級の情人たちのベッドを渡り歩く、かなりやさぐれた日々を過ごしてました。
 「たった一人で…明けない夜を、ただ彷徨って 朝の光を浴びることもなく…」
 美貌の芸者として数多の浮名を流した挙げ句、父親の分からない子として彼を産んだ実母に自らの姿を重ね合わせて。この頃の彼にとって朝の光は憂鬱じゃなくてむしろ救いだったかもしれない。情事の後の身体は怠く、重くても、職務に追われる日中は、底なしの孤独を忘れていられたから。
 
 曲折の末、暁人と想いを通じ合わせてからも、桂木はいつもどこかしら身構えていた。全身全霊で恋に溺れるのを自らに禁じていた。決して寝顔は見せない。本音も言わない。まるでいつか訪れる破局を見越しているかのように。暁人の愛が信じられないというのではない。恋と当主の責務の両立も困難には違いないが、ふたり力を合わせれば、越えられない壁ではなさそうだ。それでも、末永くふたり共にある未来を無邪気に思い描けるほど、おめでたい生き方を彼はしてこなかった。「僕はお前を幸せにしたいんだ」繰り返し暁人は言ってくれたけど、誰より桂木自身が、自分が幸せになる未来を信じ切れていなかったのだ。

 桂木のトラウマの根源、それはやはり、先代暁直子爵との因縁抜きには考えられない。桂木のため良かれと思って、きくが暁直氏に差し出した蓄妾届。それが彼の運命を大きく狂わせた。理不尽極まりないようだが、誰かにことさら非があるわけでもない。それでも、信じていたものが一瞬で覆ってしまうことは、確かにあるのだ。

 だから今回、すべての始まりである鎌倉の地を訪れて、自分の歩いてきた道と向き合う時間が、どうしても彼には必要だった。桂木を裏切り者と決めつけて、冷たく突き放したまま逝ってしまった暁直氏。でも暁人の目を通してみると、違う一面も見えてくる。何より彼は最期に、自分の一番大切なものすべて、子爵家の全権と最愛の一人息子の教育を、桂木一人にゆだねて逝ったのだ。傲慢だけど聡い暁直氏。桂木が過去の自分の仕打ちを恨んでいて、お家を乗っ取り暁人に害をなす可能性に思い至らなかったはずはない。それでも彼は桂木に託した。桂木が結局、自ら手塩にかけた暁人を裏切れなかったように、暁直氏もまた、最後の最後には自分の育てた子どもを信じたのだ。その重みはきっと桂木にも届いたはず。ずいぶん時間はかかったけれど、自分ももう一度自分自身を、未来を信じてみてもいいんじゃないかと。

 鎌倉から帰還した桂木は、いつも以上に彼らしさを取り戻していて(暁人いわく、「目が覚めた」んだそう)とても彼らしい決断をします。寂しさ半分、でもやっぱあいつならそうするよな、そういうあいつだから好きになったんだし、と納得顔の暁人。そこからは逢えない2年分を先取りする勢いで怒濤のお別れエッチになだれ込みます。ふたりきりでホテルの一室にこもって、誰か来ても追い返して(気の毒な高之氏)、残された時間のぎりぎりまで… 最後の夜明け、桂木が暁人に初めてさらした無防備な寝顔。そして冒頭の一言… そう、憂鬱な朝は、身も心も満たされた幸せな夜を過ごしたからこそ、恋人たちに訪れる特別な時間だったのですね。憂鬱だけど、せつないけれど、この朝はまっすぐふたりの未来に続いている。孤独を抱えて明けない夜をさまよう日々にはもう戻らない。新しい一日が始まる。


 日高先生、そして作品の制作に関わったすべての皆さま、桂木と暁人をこの世に生み出してくれたことに感謝します。おそらくふたりは、BL史上最も美しい(その生き方も含めて)カップルとして永遠にその名を刻まれることでしょう。10年分の眼福をありがとうございました。

29

完結おめでとうございます!

まずは十年もの間、連載を続けてこられた日高先生、出版社様、読者の方々に、完結おめでとうございますと申し上げたいです。

一時は愛憎が複雑に絡み合っていた二人が無事に二人で生きていく道を見いだしたことには深く感銘を受けました。が、一つだけ物足りなさを感じたのは、養子を取って二人で育てていくという無難なラストに収まったことでした。結局、二人とも久世家の呪縛からは逃れられなかったのだなと。あれだけ桂木が紡績業で手腕を発揮し、暁人が留学までしたのだから、産業面で自分達や使用人達の居場所を作り、久世家の爵位を返上して完全に身分差のなくなった二人で生きていくのもあの二人らしいなと思っていたので。

何はともあれ、素晴らしい作品をありがとうございました!

2

拍手喝采を贈りたい

素敵な物語を有難う御座いました
ずっと追いかけてきた作品なので寂しくもありますが物凄く満ち足りた気分です
その後の二人とかいつか見られたら嬉しいな…と思います

4

皆様お疲れさまでした。。。

とうとう終わってしまいましたね。。。
日髙先生はもちろん、読者・出版の皆様(登場人物たちにも!)、憂鬱な朝にかかわった全ての人々に、ここまで頑張ってくれて、最高の物語をありがとう!と心から御礼を言いたいです。
最終巻ではデレた桂木のどんな姿も色っぽくて、くらくらしましたし、暁人様がまた一段と大人になった姿はとてもまぶしかったです。

BLというベースがありながらも、とりまく歴史的な環境や文化、人々のドラマが物凄く濃厚で、本当に読みごたえがありました。
今まで日髙先生の作品は全て現代のBLしか読んだことがなく、またこんなに重厚な作品も読んだことがなかったので、はじめは衝撃的でした。重厚すぎて、読むときはかなり体力気力が必要な作品でしたが、BLという枠でくくっているのは勿体ない!
聡明な登場人物たちが織りなす、激動の時代を真摯に生きていく物語は、本当に多くの人に読んで欲しい作品です。

最後は最高の大団円でしたが、もっとその後のいちゃいちゃしている2人を見たいです。別人のようにデレてる桂木なんて、ずーーーっと愛でていられるし、歳を重ねて男くさくなった暁人様や、直矢くんが美しく育って、暁人様を好きになる、なんていう美味しい状況を妄想して、、、その後の番外編が読めることを待っています。

10

今まで萌えをありがとう!

壮大な明治ロマンがついに完結しました。美しい桂木にもう会えないのは寂しいけど彼が幸せになってよかった!

最終巻で桂木の年がわかった。なんとまだ29歳!私勝手に32歳位と思いこんでました。暁人とは10歳差位で思ったよりちょっと年が近くてよかった。

桂木は帝大を卒業せずに家令になったので暁人と出会った時まだ20歳位だったのですね。少しでも年上に見せようとしてあのオールバックの髪型だったと最終巻で知り、さらに愛おしく思います。

私はこのお話の最大の萌えは桂木の暁人育成というか、狙ったわけじゃないのに自分の育てた子供が超いい男に育っちゃった!みたいな所です。将来のパートナーになるなんて完全に想定外だったと思いますよ。桂木は。

ちょっと嫌な奴になりかけてた石崎パパですがやっぱりいい奴でした。息子もめっちゃいい奴だもんね。小ふさも最後に登場。あの「優しい小ふさと桂木を一緒にするな!」の小ふさ。結局桂木の優しさのおかげで一緒になれてよかったね!総一郎。

初期には険悪な関係だった桂木家、石崎家、久世家の三家も最後には良い関係になって、日本を背負う大企業になっていった予感。暁人坊っちゃんの人徳がなせる技だったと思います。

家というものに縛られていた桂木を大きな愛情でもって解き放ってくれた暁人。出来る男桂木は暁人の後ろをついていくより、肩を並べて共に歩いて行く方が似合う。最後のイラストのように。

留学中一日も欠かさず手紙を書いていた暁人…それってもはや日記じゃん(笑)婚約指輪ならぬ婚約時計のエピソードも素敵でした。色々な名シーンが頭に浮かびますが、一巻からまたじっくり読み直したいと思います。

最後に…桂木の可愛い寝顔が見れて良かったね。暁人!

13

美しい物語

ふぅぅ(額の汗を拭う)
やっと、やっと!
落ち着きました。。。
詳細忘れてたので1巻から読み返しました。


暁人と桂木を10年応援して来た身としては、早く2人に穏やかな日々を迎えて欲しいやら、何だかんだ揉めていてほしいやら、なんにせよ、まだまだ読んでいたい…。
しかし完結してしまった。
しかも理想的に。美しく。

これからの2人を想像すると様々な困難が待ち受けているだろうけど、過去のようなすれ違いを乗り越えた2人ならきっと大丈夫。幸せ。

2人の未来は憂鬱ではない朝、なんだろう。

8

憂いのない、心からの「好きです」に、感無量

私がこの作品にはまったのは、4巻で暁人の「僕はあいつ(桂木)を幸せにしてやりたいんだ。」という一言を読んだ瞬間でした。それまでは、「誰にもわたさない」と、ただ桂木と一緒に居たい気持ちでいっぱいの暁人が子どもっぽく、久世家に囚われて暁人への気持ちに素直になれない桂木が重くて、心が動きませんでした。暁人の桂木への気持ちは恋から愛に変わったのだな、と感じたこの時から、二人の行く末を見届けたいと強く思いました。

互いのことを想いながらもすれ違い、ときに離れそうになりながら、共に生きる道を探し続けた二人。暁人は久世家の産業を興す準備のために英国に渡ることを決意し、桂木は一人の実業家として立つため日本に残ることを選びます。愛すればこそ、対等でなければならない。未来を共に生きるために、離れ離れの試練を越えていかなくてはならない。この希望ある切なさを描くために、作者の日高さんは、明治という激動の時代とままならない華族社会を選んだのだと、最終巻にして深く納得しました。

一緒には行けません、と桂木が告げた後、二人が舌を触れ合わせるのが、まるで互いの熱い想いを確かめ合うようで美しく、尊く感じました。
そして、私の心を一番震わせたのが、暁人と体を重ねながら、桂木が告げた「好きです」でした。4巻で夜会の前に初めて告げた時のような憂いはなく、心からの愛しさがあふれていました。自分の進む道を思い定め、暁人のおかげで出自を知ることができて、桂木はやっと素直に暁人への想いを口にすることができたのですね。感無量です。

初めて桂木の寝顔を見ることができて嬉しそうな暁人と、愛おしそうに暁人の唇に触れる桂木に、二人の憂鬱な朝はやっと終わったのだと思いました。別れの朝であっても、二人の口づけは幸せに満ちていました。
暁人の帰国後、久世家に幼い直矢を迎えた時の、暁人と桂木が交わした穏やかな笑みに、二人のこれからの未来が見えるようです。

暁人と桂木に関わった全ての人との出会いが、確執や葛藤があったとしても、二人にとって何一つ無駄ではなかったことに、心救われる思いがしました。
特に、暁人の父は誤解から桂木に冷たくしましたが、桂木の紳士用シャツを見る目を養い、結果、それが桂木の紡績工場改革の基になっているように思えてなりません。6巻の最後で触れられていた小さなエピソードなのですが。
嘉世子様の聡明さと強さも、とても好きでした。彼女がいなければ、暁人は英国に留学することはなかったでしょう。

暁人と桂木の幸せな結末を知った後で1巻から読み直すと、一つ一つのエピソードが胸に響いてきます。二人の関係の変化を表す表紙も素敵なのですが、私は口絵で素直に触れ合っている二人を見るのがとても好きです。
素晴らしい作品に出会えて、心からよかったと思います。

8

作品との和解を果たす。

…とはおかしなレビュータイトルでしょうか。
しかし、私にとってはそうとしか言いようのない読後感です。
というのも、私はこの完結に至るまで1巻と2巻は順当に読んだ、しかし3巻からは暁人と桂木の恋愛関係に関しては違和感を持ち続けてきたわけです。
暁人はともかく、桂木が何を考えながら暁人に抱かれているのか、そこがハラの底に落ちてこなかった。
身は委ねて、しかし視線は冷たく…
しかしこの8巻では、何か全て吹っ切れたように穏やかな桂木を見ることができた。
この彼の姿は、8巻での桂木が本当で、これまでの冷たく見える表面は自分で自分に色々な縛りを課していたのかと思わせます。
この桂木を見て初めて、暁人と桂木の間に流れる空気が暖かく、柔らかく、甘い事が目に見えたような気がしました。
少年期に先代に受けた仕打ち、自分に非があると解釈されて情の糸が切れた瞬間。幼い暁人にそれと同じことをしてやろうとするその恩讐の彼方。
この8巻では、キスシーンが何度も出てきますね。
ここでの桂木はいつでも暁人を受け入れ、これまではあまり聞こうともしていなかった暁人の考えの聞き役にもなっている。
暁人の方も、桂木に聞いてもらえるのが嬉しくてたまらないよう。緊張感も解けて子供っぽいとも見えるくらい。
だから暁人は「攻め」というより、桂木に構って構って、とまとわりつく小さな子のよう。
一度は英国に共に行こうとも思う桂木。
でもやはり2人の対等性のためには、ついていかない2年間が必要でした。
帰国後は、幼い直矢を2人で当主として育てるという。
久世家には戻らない桂木と一緒に、とはどういう形で?とは思うけど。桂木は通いですかね?
7巻まで、整合性に引っかかると感じていたこの作品。しかし、ラストシーン、2人手を取って未来に歩んで行く姿に素直に祝福の感情が湧いてきました。
そしてどこか疑って見ていたこの物語に対して、心が解けていくように感じました。

10年間、お疲れ様でした。

6

完結おめでとうございます

本当に本当に大好きな物語です。
BLという枠に収まらない時代劇だと思います。

暁人様と桂木、二人の生き方を丁寧に描きながらも萌えるポイントはしっかり抑えてある…というよりも、丁寧に描いているから自然と二人の行動、そこから滲み出る思いが萌えとなっている…という気がします。
私の陳腐な言葉ではこの物語は語れません。
また1から読んで、この感情を整理できたら改めてレビューしたいです。

5

至高の一冊。

素晴らしいの一言に尽きます。
日高先生の絵はどの作品も美しくてとても好みです。ストーリーもよく練られていて何度も何度も読み返したくなります。
ラストは涙無しには拝読できませんでした。
長期に渡る連載お疲れ様でした。
多幸感をありがとうございます。

5

“神”以上の評価があれば、それ・・・

どうしましょう…時間がたてばたつほど押し寄せる余韻の波に感覚が支配されてしまっています。素晴らしい、文句のつけようのない完結で、ここまで読むことができて幸せです。控えめに言って、最高オブ最高です!

前半は鎌倉でのゆるやかなひとときと、桂木を捉えて離さない過去のフラッシュバックが交互に描かれているのですが、ここにきてやっと桂木は過去を俯瞰して省み、囚われていた思いから、徐々に解放されていくような印象を受けます。誰か(暁人)と寄り添って過ごす時間がもたらす効果(安定)というか、心の奥にある冷たいものが溶けていく、それはきっと桂木一人では解決できなかった問題だったと思います。一緒にいればいるほど、離れがたくなる二人!
(そりゃね!)

でも、この二人は好き好きなんだけど、さらに高次でお互いのことを考えているところが本当に“尊い”です。8巻では、好き好き大好き感が駄々洩れて、ちょいちょいキスする、ちょいちょい触れ合う(手の表情!!)、現代BLに比べたら控えめなスキンシップな気がしますが、“ちょいちょい”ゆえに気品ある色香があふれ、それを嗅いで萌え転げるのです。

暁人がいなければ桂木は再生しなかった、桂木がいなかったら暁人は成長しなかった、二人がいなかったら久世家は変わらなかった、二人が変わったから周りも変わった、円のように循環する本質的なラブストーリーとして、暁人の成長と桂木の再生の物語が主軸となり、それをとりまく状況の面白さ、構成もタイトルも本当に“神”だと思います。

そして、桂木の寝顔をやっと見ることができた暁人様、おめでとー!ここは最高にニヤケます。愛する人と向き合って迎える朝は憂鬱じゃないけれど、離れ離れになる朝は来なければいいと言う甘々な桂木の姿は眼福でした。支度をする暁人を、枕に半分顔を埋めて見つめる桂木が殺人的に色っぽいです。
なにその表情!!!!!

パーフェクトな帰結ですが、描き下ろしの2Pを見たら、ぐぁ!この二人が並んで歩むこれからも見たい、、と名残惜しい気持ちでいっぱいになりました。

39

集大成の萌え

神評価を一度しか押せないのが残念なくらい最高で大好きな作品です。
そして10年間読んできて良かったと思えるようなラストでした。(終わらないで欲しかった気もしますが)

4

♯10年続いた物語

憂鬱とは、気持ちがふさいで、晴れないこと。また、そのさま。

憂鬱な朝とは、どういうことなのか?


憂鬱という言葉には、もう一つ意味があります…

「草木が暗くなるほどに茂ること。また、そのさま。」

暗くなるほど茂る…辛いことや苦しいことがあったからこそ、2人の今がある。
明けない夜がないように…
止まない雨がないように…
夜の暗闇が必要な花があるように…

雨降って地固まる…まさに、そんな感じの結末です。
カラーイラストも、素敵の一言。

BL云々だけではなく、一つの物語として素晴らしい。
読者は、決してこの2人のことを忘れないでしょう…

14

未来へ繋がる美しい完結

人生を潤いあるものに変えてくれた神様のような、抜け出せない沼に引きずり込んでくれた悪魔のような、ものすごい吸引力と存在感をもって私の中に君臨し続ける唯一無二の作品。
とうとう完結しました。

鎌倉での2人の穏やかな日々から始まる8巻。
これまでの激動の数年が嘘のように、静かに流れゆく時間。
渡英に纏わるエピソード、石崎家や桂木家の事業の行方、総一郎と小ふさの物語などを挟みつつ、暁人と桂木の互いを想い合う関係が深く描かれている最終巻でした。
1巻からはとても想像がつかない2人。
桂木の貴重なデレ(表情は微笑む程度ですが、それがまたいい)がキラキラと散りばめられていて、心踊りました。

「本音を言えば…二年は長すぎると思いました」

ああ、桂木の口からこんな台詞が聞ける日が来るとは。
そのあとのキスシーンのなんて美しいこと。
この2人のキスシーンは本当にため息もの…

シリーズ通して、暁人の成長と揺るぎない桂木への一途な想いが一貫して太い柱となっていたのが素晴らしく。
家柄や身分差など困難が多い時代の中、それを打ち破るために戦い続けた2人の姿はとても眩しいものでした。

この「憂鬱な朝」に出会ったのは約2年前のこと。
幼い頃から本が好きで、それこそあらゆるジャンルの小説や漫画を読み漁ってきた人生だったけど、BLに関してはビの字も知らぬほどに無縁であり、無知でした。
それがあるキッカケでこの作品を知り、手に取ったが最後、気付けば巨大な沼に沈んでいく自分がいました。
BLという枠をこえて、作品の方から私をこの世界に手繰り寄せてくれたのです。
美しく緻密な絵で紡ぐ壮大なストーリー。
そこに突然出てくる濡れ場。(当時は、え、突然何!?こんな綺麗な男の人たちが?え、え、キャー!って心底びっくりした…)
カルチャーショックなんて言葉では表せないような衝撃でした。
桂木ショック。桂木事変。
男性に美人という形容を使ったのも、抱かれる側の男性に凄まじい色気があるのを知ったのも、すべて桂木が初めてでした。

その愛すべきシリーズの最終巻。
それはいろいろなものに縛られてきた2人が、新しい時代を共に生きていく未来を感じさせる素晴らしい結末でした。

思い入れが強すぎて無駄に長くなりましてすみません。
最後に。
先生方、この作品を生み出し世に送り出してくださり、本当にありがとうございました。
10年という長きに渡る連載、お疲れ様でした。

38

暗かった憂鬱な朝に、光が射しこんで、輝く未来につながっていく…

10年続いた物語の完結。
表紙は真っ黒だった1巻から真っ白な8巻まで、暁人と桂木の関係性を暗示するように、色が少しずつ明るくなっていくんですね。
日高ショーコ先生とタキエ先生は連載を始めた時から、表紙をこうしようって考えていたのかな?
『憂鬱な朝』の連載の重みと、完結に想いを馳せます…


私にとって、暁人と桂木のクライマックスは7巻です!
桂木は、工員を路頭に迷わせないように、縫製工場の買収に暗躍する。
そして全てを終えて桂木は暁人に会いに行き「ずっと あなたならどうするか考えていました」と…
桂木にとって暁人は爵位を奪われた忌々しい子どもだったのに、全て自分が教えたはずの暁人をお手本にして行動していたって、暁人が自分を超えたのだと、最大の賛辞で最高級の告白じゃないですか!

8巻はそんな二人の関係にエンドマークをつけるエピローグです。


「華族は消えても興した産業は残る」
未来を見据えて激動の時代を乗り切ろうとする暁人は、書生を連れてイギリスに渡ろうとしている。
この時代の欧州渡航は船で何か月もかかるから、一度旅立ってしまえば二年は会うことができない…

目指すものは同じでも、それに辿りつこうとするやり方が違うから、今まで話し合うことを避けてきた二人。
でも桂木は ”暁人ならどうするか” をお手本にし、違う考えも受け入れられるるようになり、自分の信念のままに行動することを決める、本当の意味での強さが備わったように思えます。

そして桂木は「二年は長すぎる」と本音を…
こんな本音を言えるのは桂木が暁人に甘えてるってことじゃないですか!
暁人と桂木の関係はこんな風に成熟したんだなって感慨深いです。

いままでの桂木は暁人に抱かれて感じても、どこか暁人の欲望を受け止めてあげてる風なところがあったと思うんです。
でも欧州渡航を前にした桂木は、暁人を全身で求めているように見えて、それまでの確執とか葛藤とかぜんぶ溶かされて、ただ普通に恋人同士が愛し合ってるだけに見えて、なんか泣けました。

そうして二人は共に生きていくためにある決断をする…
旅立ちの朝の桂木は、連載全巻通してスペシャルなかわいさです!
あぁぁぁ、あの桂木がこんなことを言ってしまうなんて!
過去の暁人に見せてあげたい。


あとがきで日高先生は、「暁人と桂木のことを考え続けてきた10年、これからも二人のことを考え続けていく。読者の心の片隅にも二人のことが残ってくれたら幸せ」と仰ってました。
この重みがある物語が残らないわけがありません!
プライドが高くて、それに見合う能力もある美しい桂木が人を愛せるようになるまで、子どもだった暁人がここまで桂木を変えた物語、ずーっと心に残っていくと思います。

違いがあっても受け入れ愛することができるようになった二人は、これからどんな憂鬱な朝がやってきても、光る朝に変えていけるはず。

日高先生、タキエ先生、10年の連載お疲れ様でした。
そして重みある素敵なお話を読ませてくださってありがとうございます。
また素敵なお話を読ませてください。

27

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