憂鬱な朝 6

yuutsu na asa

憂鬱な朝 6
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神396
  • 萌×242
  • 萌18
  • 中立4
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
32
得点
2206
評価数
463
平均
4.8 / 5
神率
85.5%
著者
日高ショーコ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
シリーズ
憂鬱な朝
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784199606472

あらすじ

久世家の跡継ぎ問題を賭けた森山侯の夜会──。
その駆け引きの一夜が明けると、状況は一変!!
桂木の策を潰した暁人は、肺病で療養することが一斉に報じられる。けれど、思惑通りに事が進む中、何も言わず沈黙を続ける桂木が、暁人を戸惑わせることに…。
一方、暁人を想う孤独をかみ締め、新規事業に没頭する桂木は、嘉代子からの手紙で暁人の留学話を知って…!?

表題作憂鬱な朝 6

久世暁人(久世家当主・学生・子爵)
桂木智之(久世家元家令・石崎家大番頭)

その他の収録作品

  • あとがき(描き下ろし)

レビュー投稿数32

今回も神でした☆

待ちに待った6巻。
まず厚さがすごい。絵柄の美しさはもちろんのこと、ストーリーの緻密さにも圧倒されます。そして密林さんで特典としてついてきた(つまり作家さんの読者に対するサービス)ペーパーもしっかり描き込まれててすごい。日高さんの、プロとしての心意気にいつもながら惚れ惚れします。

桂木と暁人。お互いに大切なものを守るために策を講じて出し抜きあう二人。現代とは異なり、「家」を守らなくてはならなかった時代であり、そして時代が急激にうねり、変動を遂げようとしていたあの時代。そのバックボーンが存分に生かされ、二人がどうなってしまうのか、ページをめくる手が止められません。

今巻は、暁人の成長と、自分の気持ちに気づいてしまった桂木の戸惑いが描かれ、今までとちょっと趣が異なっていたように思います。

すべてが桂木を中心に回っていた暁人。今でももちろんそうなのですが、桂木によって人としてのベースを造られつつも、それをもとに桂木を取り戻そうとし、さらに「家」を守るために奔走する、大人になった暁人に萌えました。
身辺を整えるために荷物を整理する彼が、着れないのにどうしても手放せなかったものが、桂木が指示を出して誂えてくれたシャツ。
そして、そのシャツが、体が大きくなったために着れなくなった、だから桂木に着てほしいと渡す、そのシーン一つで、暁人の桂木に対する想いや時の流れ、そして暁人の身も心も成長したのだと分かる描き方に、思わず唸ってしまった。

一方桂木もこじらせてますねえ。いや、良い。すごく良い。今まで「家」のためだけに生きてきた男。それがいつの間にか暁人がすべてになっていて。
表紙の桂木の表情がね、良いですよね!今までしれ~っとした表情だったのに、何とも切ない表情に妄想を掻き立てられます。彼の内面の葛藤を表現してるのかなあ、と。
家を守るために時にシビアに動いてきた彼が見せる弱さに、萌えMAXでした。

あとエチシーンの描き方が何とも言えず良い。直接的な表現が多いわけではないのに、相手を思う気持ちが溢れていて何ともエロい。あと褌がまたいいよねえ…。

桂木が自分の気持ちを認め、そのうえで再び暁人に対して辛辣な意見をズバッと言えるようになるといいな。対等な(気持ち的にも立場的にも)二人を早く見たい気もしつつ、終わってほしくない気持ちもありつつ、今回も文句なしの神作品でした。

20

桂木のぼんやりっぷりがすごい

日高ショーコ先生が「桂木のぼんやりにつきあって」と言っていますが、予想以上にぼんやりしていてびっくりしました。
弱々し過ぎてもはや別人のようです。
表紙も今にも倒れてしまいそうな弱々しい桂木と、それをなんとか支えようとする暁人様に見えるような?

桂木は実は自己評価の低い人なのかなと思いました。
産まれた後すぐに母親に捨てられ、桂木家では厄介物扱い、先代にも見捨てられ、そのままの自分を愛し認めてくれる人に出会えなかったので暁人様を憎むことや先代の望んだ陞爵を叶えることを心の拠り所にしてきたけど、その両方がなくなったいま自分は何をすればいいのかわからない状態なのかな?
暁人様を守ろうと森山家の夜会で画策したらまさか暁人様に策を覆されてしまい、桂木の中で何かが壊れてしまったような感じがします。当主の座を譲ってまで自分の人生を生きて欲しいと願ったのに、今の桂木は抜け殻のようで…。
暁人様も桂木が変わってしまったことを心配しているのだし不安や寂しさを暁人様に打ち明けて甘えればいいのに、それが簡単には出来ない頑固なのが桂木なのだろうな。

こんなにこじらせた桂木を暁人様はどうフォローするのだろう?もうすぐ留学するのに?と続きが気になります。
暁人様は桂木から自立して一人で立つことが2人の未来に繋がると考えているのに、それが桂木を追い詰めているような感じが切ないです。

産まれたときから疎まれて育つことは暁人様を含め普通の両親に愛情豊かに育てられた人の想像も及ばないくらい精神に暗い影を落とすのかもしれません。憂鬱な朝は桂木の生き直しの話でもあると思うので、6巻は「桂木の自我の再構築」の巻なのかなと思いました。
この葛藤を乗り越えたら、ずっと暁人様が夢見ていた「桂木と肩を並べて歩く」姿が見たいです。

それにしても、日高ショーコ先生の絵があいかわらず美しい!
特にベッドシーンの桂木は色っぽすぎました。
「もっと強く、もっと」と桂木がねだるシーンに身悶えました。
煽られた暁人様の切羽詰まった感じも良かったです。
日高ショーコ先生は選ぶアングルやセリフが本当に上手ですね。

憂鬱な朝は私の漫画に求める要素が詰まっていて、人生で読んだ漫画の中で一番好きです。
なので幸せな終わりを早く見たいけど、終わって欲しくない。ぼんやりしたままスローペースで進んでくれてもいいよ〜と複雑な気持ちです。

19

相変わらず厚い!

この作者さんの本はまず、手に取った瞬間の嬉しさがありますね。
厚い。内容も厚い。
(某作者さんの某人気シリーズの8月発売の新刊は薄くて薄くて、相変わらず作画も粗くてがっかり度合がハンパなかったので、余計にそう思うのでしょうか。10巻まで購入して次は買わないと決めてしまったので・・・。。)

作画が丁寧ですし、美麗な扉絵。どのコマも、どの角度からも美しい殿方の姿に惚れ惚れいたします。
そしてどの年齢の人物もあざやかに描かれます。

6巻発売情報の後、手元に届くまでにやはり1~5の復習は必要でした。(あんなに何度も読んでいるのに(笑))
コミックスになる時にかなり追加修正される作者さんですが、今回はなんとお布団シーンを追加してくださったとのこと!!たぶんあのシーンだと思うのですが、それがまたゾクゾクしました。
桂木から「部屋に戻りましょう」と言った後からはもう次のページを貪るように読みました。
日高さん曰く、「桂木がぐるぐる悩んでめんどくさいターン」だということでしたが、このお話はふたりがお互いを思い過ぎて近づけない・重なれないところがメインだと思うので、良いのです。めんどくさいくらいでちょうどいい(笑)
経営を任された工場の工場長?に桂木が「自分には能がない」という旨の話をするんですね。
暁人さまの成長を好ましくは思っているけれども、自分を超えて離れていってしまうのではないかという不安にも駆られていて。自信を失いかけている。
愛するが故の淋しさも感じ始めるんです。
それでも暁人様を愛していることを更に深く自覚する。
しかし、逆に暁人様がいつからこの「自分(桂木)を愛するが故の淋しさ」を味わってきたのか・・・とも考えさせられる。

相変わらず暁人様は我が道を進んでいましたが、最後にまた逃げようとする桂木とちゃんと向き合おうとしました。
そして、「俺がこの手を離すわけない」と。
爵位のことや家督のこと、目先のことだけでなく、ずっと先のことを考えているみたいです。どんどん成長して素晴らしい男性になっていきますね。
そして桂木になにをプレゼントしようとしているのか。

花は咲くか が終わってしまったので、このシリーズにはもうちょっと引っ張ってほしい(^_^;)
電子書籍購入が多い私が、新刊でコミックス購入し本棚に並べたい。
何度でも読み返したい。
そう強く思う作者さんです。
今後も追いかけていこうと思います。

12

大いなる萌えが攻めてきた

自分の心境として、
1巻で体育座り、2・3巻でそのまま後ろに倒れて、4巻でその姿勢からブリッジ。
5巻でまた体育座りしようと思ったら6巻で勢い余って倒立してしまった。

そんな感じでした。

もう、圧巻の一言です。改めて。

11

待ってました!!

待ちに待った6巻!
何度今までを復習したことか...
届いて分厚さを見た瞬間、感極まりました。嬉しい!
本当に作品と読者のことを考えていらっしゃるなと思います。

桂木のぼんやり...
でも、石崎の ‟…なあ久世 お前が思うよりあいつは普通の男だと思うぞ” という言葉に、弱いところを暁人に見せたくない見せたくないとつよがる面もなんだか桂木を愛おしく思いました。
桂木、純粋すぎるよ...
暁人よ、早くその脆さを埋めてあげて...

なんかもう、早く二人に平和に幸せになって欲しいです。
読んだら辛すぎて重すぎて当分読み返せません。
でも、日高さんの ‟桂木と暁人(周囲の人たち)が幸せなラストに向かって…” の言葉を希望に辛抱します!本当、皆幸せになって欲しい!

石崎父が桂木を死ぬまで自分の許で働かせると言ったことに対して、暁人が ‟死ぬまでか...バカらしい そんなことさせてたまるか” と言った場面には、もうかっこよすぎてかっこよすぎて。
暁人、逞しくなったなあとしみじみ。

留学行って新しい力付けて、優秀な学生育てて仲間増やして、誰も何も言えないくらい、誰も桂木を取れないくらい強くなって、桂木を取り戻してほしい!頑張れ暁人!
それまで桂木も暁人も辛いけど耐えて頑張ってほしいです。

そういえば、直継さまの息子はどこで出てくるのか。
桂木は、本当は桂木家と血が繋がっているのか。
話はどう転ぶんだろう。

石崎父、怖いなあ。留学前なのに荒波たてないで欲しい。笑
安心して留学行けないではないか。
何をしたのやら桂木。笑

それにしても、石崎はどこまでもええやつやなあ。
子ふさと幸あれ!!






10

とうとう読んでしまいました。

私はどうも好き過ぎると後回しにしてしまう・・・。
ご飯も好きなものは最後に食べる派です。

とにかく、せんせの絵はとっても綺麗ですね~。
丁寧に描き込まれていてうっとりしてしまいました。
追加のエチシーンありがとうございます!!

内容は他の姐さんがたくさんしてくださってますので、感想のみにします。

夜会後のお話で、桂木と暁人との微妙なバランスが崩れて、桂木の方がかなりショックを受けているのかなぁ~と。
今まで自分が育ててきた飼い犬に手を噛まれてしまった感満載ですよね。
でも、それが暁人への気持ちを自覚せざるおえない状況になって、今まで言えていた事も言えなくなってしまったんですよね。

これから二人はどうなっていくのか・・・。
暁人は、桂木を取り戻すことが出来るのか・・・。
あぁ~ん、モダモダします!

二人にとって幸せな結末になります様に。

7

もう大河ドラマにしてしまえっ!

時代と家に翻弄されながらもお互いの手を離さないと約束した2人の美男のお話。子供だった暁人ももう18歳。当主の風格も出てきて、そのいで立ちはまさしく王子様のよう。一方、名だたる権力者の間で激しい奪い合いを巻き起こした桂木は、まるでお姫様のよう。大河ドラマ出来るでしょう、これ!!

お互いに「自分にはこの人しかいない」と気付いて、気持ちを確かめ合って尚、平行線をたどり続けている2人がじれったい。生まれ、家柄、先代との約束。大きく変わろうとしている貴族社会、経済、そして世界そのもの。激動の時代に家や従者を守り抜き、いつか身も心も1つになれる日が2人には訪れるのだろうか・・・7巻プリーズ!!

この作品はBLではなく普通のコミックとして読んでるのでエロとか期待してないんですが、さすがに桂木が初めておねだりしたのには私のBLセンサーが反応しましたねww 「もっと強く...」だって♡ ふとBL目線で考えてみると桂木はツンデレ黒髪美人受けっていう一番エロいやつだもんね。こんなに素晴らしいお話で、しかもBL萌えまでさせてもらえるなんて日高ショーコ 先生には頭が上がりません!みんな読むべき!

6

pickie

snowblackさま、はじめまして
コメントありがとうございます^^

これが実話だったら本当に大河になって良いレベルですよね!確かに配役決めは泥沼化しそうですけどww BLをBL好き以外の人に勧めたいと思ったのは「憂鬱な朝」が初めてです。ほんとみんなに読んでもらいたいです♡

snowblack

pickle様、初めましてこんにちは。

ちるちるを開いて、新着レビューのところに
この「もう大河ドラマにしてしまえっ!」という見出しを拝見し、
「そうだ!そうだ!」と思わず声に出して言ってしまいました。
本当に、NHKでやってもらって、全国の人に知らしめたい!
でも、誰がやる……?というところでは、色々意見が分かれそう(笑)
少なくとも、BL好き、マンガ好きには、みんな読んで頂きたいですね。


桂木ファンにはたまらない一冊

どのページを開いても美しい桂木がいっぱいです。Hの時に「綺麗だなあ」とつぶやいちゃう天然暁人坊っちゃんの気持ち・・わかる!本当にキレイだもん。

前巻にはイチャイチャが足りなかったので今回は発売日を遅らせてまでラブなシーンを追加して下さった日高先生、編集者さんには本当に感謝です。眼福なシーンがいっぱいです。個人的には暁人に迫られて最初は「駄目です」って拒んだのに抱きしめられてしまうと自分からもギュッとしてしまう桂木のシーンが最高でした。12歳年上って嘘だろ可愛すぎる!と思います。

この作品の魅力は12歳差も(確かその位ですよね?)の年下攻めなのに主従関係も入っているから、なんと受けが敬語、攻めからはお前呼び&名字呼び捨てって所です。出会った時には攻めはまだ子供だったのに、下剋上というか逆源氏物語の紫の上(受けが攻めを自分好みの男に育てる)みたいな色んな萌えがあります。本当にすごい作品だと思います。

そして石崎パパがすっかり悪役キャラ化してしまいました。息子はあんなにいいヤツだというのに。雨宮さんと石崎息子は暁人と桂木が言い争っているのも仲睦まじくしているのも見たくないそうです。いや後者はめっちゃ見たいだろ?!というのは腐女子(私)の意見ですが、結構二人の仲は周りにバレバレなのに案外温かく見守られている感じです。

日高先生は二人を幸せにする気満々みたいなので安心ですが、これからどうなっちゃうのか。かなり年上の桂木としては暁人の英国留学に「連れてって」とも「行かないで」ともそりゃ言えないよなあと思います。でも待っているのも可哀想だし。やっぱりさらっていってくれないかなあ。読み終わった瞬間からもう次の巻が気になってたまりません。

5

紆余曲折あっての中休み的な感じ。
別の場所で仕事はしていても、空気の流れはゆっくりで
ふたりの逢瀬は甘い。
睦ましい二人の姿がすごく愛おしく見える1冊。
ただ、これまでの展開が展開だっただけに
ここから先、何が起こってくれるのかソワソワが止まらないのも正直なところ。
暁人の留学の件もそうですが、
自分の弱さを自覚してからの桂木が少々おかしい。
本当の意味で幸せな二人が近々見られるといいなと思いつつ。
桂木がもっと幸せに生きられたらいいと思いつつ

どうか幸せな顛末を。

5

再読してみて初めて気付く。桂木智之にとっての憂鬱な朝。

再読して、私はおそらく初めて気付いたのだと思う。これは、桂木にとって『憂鬱な朝』だったのだと。どうしてこれまで見落としていたのだろうか。
「共に夜を過ごしても、目覚める度に鬱々とした気分になる。いつも昔の夢ばかり見てしまう…。」桂木の台詞の中に、それはさりげなく潜ませていた言葉。

一夜で覆させられた森山邸の夜会の後。暁人さまは兼ねてからの予定通り、療養を装って石崎家が手配した豪奢なホテルに滞在して、時期を見計らっておりました。その間、石崎を連れて牛鍋屋に出入りしたり、活動写真を見に行ったりと、庶民の生活を垣間見たり。身分を隠して、雨宮と旧領地を視察したり。桂木高之と今後の事業について策を練ったりと、精力的に仕事をしておりました。暁人さまは、桂木に教育されて来た様に、久世家の未来を見据えて、今成すべき事をしていたのです。そして、あの夜会の後、桂木が桂木で無くなってしまったかの様に、おとなしくなってしまったことを寂しくも思っていました。
桂木は、自分の脆さ、弱さを。暁人さまへの愛を自覚してしまったので。もう争いたくは無かったので、逃げている。暁人さまを失いたくない。
「暁人さまが好きだ。今の私にはもうそれだけしかわからない。」
二人は別々に動いている様に見えて、その実、同じ行動をしておりました。久世家の後見人に石崎家を立ててはいるが、このままでは石崎総右衛門に全てを奪われかねない。そう危惧したからこそ、旧領地に産業を興そうと奔走する暁人さま。一方で石崎総右衛門の企みに気付く桂木。「この御方は…私の忠義や能力を欲しいというよりも。恐らく“久世家”を従わせたいのかもしれない…。」
時代は産業革命とも言える時期に差し掛かっており。次代の産業として、紡績や縫製工場に目をつける桂木。総右衛門から、買収した工場のリストラを命じられる桂木ですが、出向いた先で桂木はアメリカ帰りの工場長を見込んで、多額の費用をかけ、縫製の向上を務めさせる。総右衛門の命令とは逆のことをやってしまうのです。
桂木が先代の影響を受けていて、シャツ一枚にもこだわりが強く、本物を見る目が養われている事が見て取れます。それは工場で作られた製品を検討するところもそうですが、暁人さまと過ごした朝、暁人さまのシャツを羽織ってみるさまを見て、(彼シャツ‼︎)暁人さまが指摘するのです。「僕が頼む時はそんなに細かくボタンの位置まで指示しないよ。お前は贅沢だ。」細部にまでこだわっていたのは、先代からの教えです、と答える桂木に「父上のことはどうでもいいよ。僕には関係ない!」とヤキモチを妬く暁人さまが可愛いらしいです。(その後、彼シャツを着た桂木の腰を抱いて甘える。ここ、萌えます!)奇しくもこの桂木の先見の明は現代に通ずるところもあって。いい加減なファストファッションにノーを突きつけた日本にとって。全ての人がそうではありませんが、沢山安いものを消費するよりは、確かなものを少しだけ持てればいいという価値観。そういったところにまた洋服産業は価値を見出してもいるのです。桂木のこの時代においては、テーラーから量産品へと向かう過渡期ではありますが、だからと言って、いい加減なものを作っていては競争に負けるという原理に早くも気づいていたのでしょう。現代に繋がる考え方を桂木がしていたという描写に唸らされます。

桂木が西園寺重之さまを訪ねるシーンもとても好きです。かつての情人であったこの優男は、桂木の魅力に翻弄され、利用されただけであったのに。彼の方ではとても桂木を愛していた事が分かる。とても切なくて優しいエピソードです。重之さまは、何もかもを悟った上で、穏やかに、「どうか幸せに。」と桂木の為を想って見送るのです。泣けます。

いつもの様に、暁人さまと桂木の、二人が抱き合うシーンもまた素敵です。桂木が言葉に出来ないだけに…激しく、強く、求めていて。暁人さまはそれに応えるという、切なくも情熱的なシーンです。この時だけは、先の事など何も考えられなくなる様に、と願う桂木。また、最初の方のホテルでのシーンも甘くて良いです。最中に暁人さまが桂木の美しさに見惚れるんですよね。「いや…キレイだなって…。」
この美しい男の身体中に痕を付ける暁人さま。この痕を雨宮に見咎められるという恥ずかしいシーンは次巻へと持ち越されます…。
激動の時代を生き抜く恋人たちの行く末を見守りながら、クライマックスへと進んで行きます。

5

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