心を半分残したままでいる(1)

kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru

心を半分残したままでいる(1)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神149
  • 萌×253
  • 萌11
  • 中立1
  • しゅみじゃない10

105

レビュー数
25
得点
991
評価数
224
平均
4.5 / 5
神率
66.5%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
心を半分残したままでいる
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784403524523

あらすじ

記憶喪失の静良井は、かつての恋人を探していた。
行きつけの喫茶店のマスター・中上と共に恋人探しを始めるが?
3ヵ月連続刊行スタート!!

表題作心を半分残したままでいる(1)

中上衛・カフェマスター
静良井真文・記憶の無いカフェライター・27歳

同時収録作品心を半分残したままでいる(1)

久遠光彬・カフェチェーン社長・35歳
静良井真文・会社員・28歳

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数25

なるほど、多くの方がおすすめするわけだ!

先生の「言ノ葉ノ花」が好きな作品。
こちらは談話室で何度もおすすめされていて、ずっと気になっていた作品。とうとう読み始めました!
ネタバレ少なめでレビューします。

1巻のあらすじだけ読んで、レビューなどは読まずに読みました。謎のあるお話なので、ネタバレなしで読まれた方がいいと思われます。

このレビューを書く前に、2巻の試し読みをチラ見したのですが、冒頭から物語のヒントが出てきました。
1巻を読み終わる前に、2巻を読むのは避けた方がいいと思います。

私は作品の世界観に入り込むのに時間がかかるので、初めの方はなかなか読み進まなかったのですが、静良井と中上の距離が近づいていくにつれ、どんどん引き込まれました。

そしてACT2からは、夢中になってしまいました!
特に終盤、あることが明かされる場面には驚かされました。う〜ん、面白いです!
なるほど、多くの方がおすすめするわけだなぁと思いました。

前半、静良井と中上が惹かれあっていくのにはキューンとしました。
後半は切なさ多めで、胸がギュッと苦しくなるシーンが多かったです。

濡れ場は2回、とても丁寧にエロチックに描かれていて素敵でした。後半は切ないんだけど(泣)

結局Mは誰かという謎を残して、1巻は大変気になるところで終わりました。
それで2巻冒頭をチラ見したら、頭からそのヒントが出てきたので、わーーー!となりましたw
1巻の読み途中で2巻見ないでよかった〜。

ちなみに1巻はずっと受け視点です。


【マスターの恋人を探せ】
中上のお店のバイト佐藤くん目線の短編。
さすが一つ質問したら5倍の返事が返ってくる佐藤くんらしい文章。読みたいのは、中上と静良井のことなのに、どうでもいい話が7〜8割くらいはあるので、少々読むのに一苦労でしたw
中上の可愛い姿がちょいちょい読めて楽しかったです。読後はほっこりでした♪


さて我慢できないので、すぐに2巻を読もうと思います!
また素敵な作品に出会えて嬉しいです。
おすすめされていた方に感謝です!


シーモア 挿絵付き(葛西先生の挿絵、素晴らしいです!こんなイメージピッタリな挿絵は久々でした。素敵です〜♡)

0

続きが気になりすぎて

こちら、3巻まであるんですよね。
今1巻を読み終わったところですが、今晩、眠れそうにありません。寝落ちするまで続きを読んじゃいそうです…

ちょっとした衝撃で記憶喪失を繰り返してしまう真文。自身が日記に過去残していた恋人「M」を探し出そうと奮闘します。そんな彼を取り巻く2人の男性との三角関係ストーリーに、文字通りハラハラドキドキし、切なさに少し涙ぐみました。

著者の砂原先生があとがきで「洋ドラのような続き物を書いてみたかった」と書かれていますが、まさにアメリカドラマを見ているようなスリルと臨場感でした。

愛を交わしたことを覚えていてもらえない中上の絶望、嘘をついてでも真文を自分のところに繋ぎ止めておこうとする久遠の執着と苦しみ、そして何より自分自身のことが分からない真文の不安と孤独感、、3人が3人ともそれぞれ苦しんでいて、読んでいるこちらまでぐっと苦しい気持ちになりました。

この先に明るい未来が待っているはず…!と信じて、次巻を心して読んできます。

0

続き…続きを…!

挿絵買いです。

記憶喪失モノって辛いかなぁ…って思い
なかなか読めてなかったのですが
いざ読んでみると、うん。辛いです。


記憶を失っている静良井視点でお話が進んでいくんです。
カフェのマスターである中上といい感じになっていって
あれ?もしかして彼が静良井の探していた人なのでは…?と思うのですがー…。

とにかく先が読めず、途中から久遠さんまで入ってきて
胸が痛い痛い…。
久遠さんの気持ちを考えても辛いし
中上の気持ちを考えても辛いし
自分のことがわからない静良井の気持ちを考えても辛い。

そこに辛さしかなくて、胸が痛くなりました。

続きモノなので、これからどうなっていくのかわからないのですが
最後まで彼らの物語を見届けたいと思います。

0

まだ謎が多く、ミステリーを読んでいるよう

記憶をなくし、自分が何者か分からない静良井。自分の素性よりも、自分の日記に残されたかつての自分の恋人「M」の手がかりを探しながらライターとしての仕事を細々と続けていた。

偶然見つけた坂の上のカフェ、カナリー。そのオーナーの中上。毎日のように通っても常連扱いをされず、毎回決まった接客を受ける静良井。ある時から自分の記憶の手がかりを探る手伝いをしてくれることになり、静良井は中上に惹かれていることに気付く。そして一夜を共にすることになるのだがその夜、また静良井は記憶をなくしてしまう…。


複数巻出ていて、まだ1巻なので謎が多いです。何故静良井は自分の素性を探ろうとしないのか、静良井の脚に残された火傷の痕は一体何があったのか、静良井の所持している大金は何なのか、それからもちろん中上と静良井の関係は…?カナリーで静良井好みのコーヒーが出るのも何か過去が関係しているのでは?気になるところが沢山あります。

久遠と静良井の出会いは1巻の最後で久遠が語っていますが、果たしてそれが全てなのか、まだ謎は多く残されています。1巻でここまで引き込まれてしまったらすぐに2巻を読まずにはいられません!

1

切ない

3巻と電子の単行本未収録集全てを読み終わっています。

全編通して心が痛くなったり、大切に思っている人の言葉に救われたり、そして?と!の展開にページをめくる手が止まりませんでした。

0

教えて

 展開構成すべて綿密に練られてて、伏線と伏線回収がすごいとしか言葉が出てこない。
 中上衛と久遠光彬と静良井真文のやり取りで、何度も騙される。
 章が変わってから、時間軸がわからなくなってめちゃくちゃ悩みます。
 もしかして真文と同じ気持ちを味わわせているのか。
 後半は心臓ドキドキどころがずっとバクバクしてた。三角関係で取り合いの規模がすごい。
 Mの正体は、久遠に見せかけて衛でしょwマスターと衛のMだし! って思ってたら、あれ本当に久遠だったの? ってなってまた、あれやっぱり衛!? って混乱。砂原先生に振り回されてるー!

 3つ目の『マスターの恋人を探せ!』という、カナリーのバイト・佐藤一男視点の話。
 序盤で心掴まれた。佐藤エピソードがわかりみ深すぎて。
 一巻目でこの凝縮加減。ボリュームもすごい。

2

読んでいて涙が止まらない、本当の名作。

間違いない名作です。
買うかどうか迷っても絶対にネタバレを見ずに読むことをおすすめします。

記憶喪失になった青年がカフェのマスターとともに、過去の恋人を探すお話なのですが、少しづつ過去が明かされるたびに衝撃でした。
どんでん返しの応酬で、読み返すたびに伏線の多さにビックリしました。

ストーリー展開の素晴らしさもさることながら、キャラクターの心理描写やセリフ選びも秀逸で、何度読んでも泣けます。

文章も美しくて読んでて心地が良いです。本当に名作です。

3

ミステリアスな耽美

タイトルが意味深で気になりすぎて、1巻だけ買っててずっと積んでました…(1年くらい)。そしていま、コミコミさんのD+フェアで2-3巻をポチったタイミングで、読み始めたら、、、

めっちゃくちゃ面白いです。好き。。

続刊あっても巻毎にまぁまぁまとまってるんじゃないかな、、と思ったら、
続刊を渇望させる終わり方…、3巻まで揃えてから読み始めたほうが精神衛生上いいと思います(笑)。

寡黙、男前攻が好きなので中上が萌です。海が見える丘の上にある喫茶”カナリー”でカウンター越しに男前眺めながら美味しいコーヒー飲みたいです。もう、本当に切なくて、Act2の展開は悶絶でした。(要所要所で転倒する静良井をもどかしく思いながら…ww)ここまで耐えて見守る中上の目的ってなんなのー?この愛のモチベーションはー?ってすごくしんどかったです。

静良井が抱える謎(過去)に近づいたと思ったら、また遠のく、というじらしプレイが続くんですけど、そのドラマが最高に面白いので、小説好きな方全員にお勧めしたい作品でした。コミカルほのぼのパートの砂原先生もいいんですが(書き下ろしで楽しめます)、個人的には断然シリアスクールな作風のほうが好き!と確信しました。

失った記憶、過去の自分に翻弄される主人公の行動にハラハラし、ときに恐怖さえおぼえるのですが、その有様をみて、自分を自分たらしめているものとは?という深遠なる問の答えを探しながら、、砂原先生の繊細で美しい、そしてちょっとひんやりとしたような文体に暑さを忘れるようなお耽美なひとときを過ごしました。葛西先生の絵がこれ以上ないくらい世界観を表現しています。

(追記) 3まで読了してから、改めて読み直すとまた違う視点で読めて面白いです!切なさともどかしさがプラスされて、1回目より細部の描写の印象が強くなりました。

1

名作ですよね

1〜3巻。そして「心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~」まで一気読みしました。

正直言うと何を書いても陳腐になってしまう気がして、レビューに何を書けば良いか分かりません。

自分の中では中上も静良井もそこで生きていて、彼等の生涯の物語を見た思いなんです。


砂原糖子先生って凄い作家さまだと思いました。

内容に戻りますが一巻はまだまだ謎も多くて、久遠が静良井に秘密にしていた内容が分かってさえも、まだまだ疑問が残っています。

全部読んだからこそ言えますが、構成の見事さに唸りました。

まだ読んでいない方がいたらもったい無いとしか言えないです。

1

最高の一冊

三冊で完結している続刊ものですが、私は1巻目が一番好きです。

本当にただの気まぐれでちるちるを開いて、気まぐれで小説のランキングを覗き、この作品の2巻目が目に入り、あらすじを読んだ途端に柄にもなく衝動的に全巻買ってしまいました。全てはこの一冊に出会うためだったのではないかとか思ってしまうほど、気まぐれの積み重ねで購入に至りました(笑)。


読み始めるとグイグイと話に引き込まれ、砂原先生の圧倒的な表現力で静良井の心にスッと入っていけたような不思議な感覚でした。静良井の住む町の情景といい、カナリーの雰囲気といい、中上の人格といい、なんか全てがすごく懐かしく感じられるような文章で書かれた、いい意味で独特な雰囲気の物語です。読んでいる最中のあの不思議な感覚を表せるほど自分に語彙力がないのが残念です(笑)。

ストーリーもとてもしっかりとしていて、常に先が気になり率直に面白かったです。1巻目では、Mであろう中上の気持ちを考えると本当に泣けてきました。

とにかく、めちゃくちゃ好きでした。この作品を完読してから私はbl小説にハマり、色んな小説を買っては首をひねっています。多分、この作品(の特に1巻目)のように好きになる作品にはもう出会うことはないんじゃないかな、と思います。今はまだ実家暮らしなので電子書籍しか購入できていませんが、いずれは紙の書籍を買いたいです。

3

記憶喪失ものです。
3冊あるのわかってたので読み始める腰がおもかったのですが
読み始めたらいっきに読んでしまいました。
最近涙腺ゆるゆるすぎて困ってます( ノД`)シクシク…

さて、視点は受。
出会って、結ばれて、幸せ絶頂期に記憶喪失
っていうのが大概のパターンなのですが
主人公が最初から記憶喪失なところからのスタート。
ふらっと入った喫茶店がすごく好き。
コーヒーが好み。
喫茶店の特集記事を書くライターなのに
秘密にしておきたくてかけないままでいる。
マスターはまだ若そうだがクールな印象。
そんなマスターとの距離が突然ちかくなって、
思ってた印象と違うとおもうと心がときめいて。
それがすごく可愛いのです。
不愛想なイメージだったマスターもプライベートだと
少々子供っぽいくみえるのも好印象。

失った記憶、残されたノートに記された
恋人のMを一緒に探し始めるものの、
惹かれたのはMではなく・・・

さてさて、私もマスターがMかな路線が濃厚だったのですが
違うのかどうなのか。
気になるところで次回

0

大切な部分が欠けた恋の行く末は

BL AWARD 2019年・ベスト小説トップ10にランクインの本作。遅ればせながら読んでみました。

記憶障害を起こしやすい青年・静良井は、日記に綴っていた恋人『M』を探しながらも、喫茶店のマスター・中上と恋に落ちます。そして、再び記憶を失ってもまた、中上に惹かれていきます。薄幸な静良井が二度も同じ人に恋しては、その大切な記憶を失う、切ないお話です。
でも、静良井は中上との思い出を失いはしても、中上の温もりや匂い、抱かれた時の快楽を忘れてはいません。そして、中上の淹れるおいしいコーヒーの味も。恋とは、相手を思う気持ちのことなのだと思っていましたが、体が無意識に記憶するさまざまな感覚も含めた複雑なものなのかもしれません。
思い出という恋の大切な部分が欠けたとしても、思い出以外の何かが二人を強く結びつけていたとしたら。欠けたものを埋めて、再び結ばれることができるのでしょうか。思い出だけが失われる記憶障害というユニークな設定に、切なさだけでなく、未知の面白さも強く感じてしまいました。

静良井が、性格はだいたい経験でできあがるものだろう、とパトロンのような久遠に話す場面があります。確かにそういう部分もあるけれど、どんな暮らしをしても変わらない、その人の根っこのようなものも、確かにある気がします。記憶を何度失っても変わらない静良井のひたむきさや、肉親に恵まれなくても真っ直ぐに生きている中上のように。
二人の行く末がどうなるか、今は全く予想がつきませんが、一生懸命に生きている二人が幸せになってくれたら、と願わずにはおれません。

3

切ない……

とりとめのない感想を。
記憶障害持ちの主人公・静良井が、過去の日記に登場する恋人「M」が誰なのかを探す……というお話でしたが。

はぁ……つらぁ………辛すぎる。
思い通じあったのに、記憶をなくしてしまい他の男の傍らにいる静良井の姿を見なくてはいけない中上。
だから、静良井がせっかく赤いUSBに気づいて、いいぞ!と思ったつかの間……
中上の「(昔の恋人は)死にました。」という言葉に、思わず泣いてしまいました。

記憶を失った静良井を目の前にして、好きだった人は死んだと言う辛さ…
これ、もし自分だったら胃に穴があいて胃がいくつあっても足りないし、心がいくつ壊れても足りないくらいだと思います。

多分「M」は二人いて、高層マンション住まいでパーリー好きでホクロ持ちのMと、学生時代のMは違うんだろうなぁ……とか
静良井が記憶を無くしても、闇夜を照らす灯台みたいな存在でありたいと思って、静良井の好みそのもののコーヒーを用意して、じっといつか彼が訪れるのを待ってるのかなぁとか…
少なくとも静良井は中上のことを最低でも二回、忘れたことがあるんだと思うの……

あぁぁ…想像するだけで切ない…。

砂原さんはこれで二作目なのですが、この方の比喩表現ってやっぱりいいなぁって思いました。
初めて読んだ作品は、「恋はドーナツの穴のように」で、過ぎ去った恋をドーナツの穴を例えるのを読んで、なんて素敵な表現をするんだろう!!と感動したのですが、この作品でもいいなと思う文章がいくつもありました。
特に、記憶を河原の石に例えるところ。
なんかしみじみと、自分もどれだけの石を捨ててきたのかと思うと切なくなります。

色々散りばめられている謎が知りたくてページを捲る手が止まらないのですが、このセンシティブに綴られた文章を気が急いたまま読み進めてしまうにはあまりにも勿体無くて、はやる気持ちを抑えつつ味わうようにして読みました。

本編が切なさに満ちている分、バイトの佐藤くん視点の「マスターの恋人を探せ!」はクスッとできて楽しかったです。
「俺としたことが」とようやく何かに気づいた佐藤くん、と思いきや、どーしてそーゆー結論を導き出しちゃうのよ…。
そして剣道の防具袋を彼女に見立ててキスの予行練習をしていたというくだりには大いに笑わせていただきました。


4

続きが気なる謎だらけ

記憶喪失もの

静良井 記憶喪失 ライター
中上 喫茶店マスター
久遠 カフェチェーン経営者

記憶喪失で1年半以上前のことは記憶にない静良井が、親しくなった喫茶店マスターと一緒に、日記に記された恋人『M』探しをして行く過程で時別な感情が芽生えて行く。
そして、また記憶喪失を発症し気付いた時には同棲中の恋人 久遠がいた。

何があって記憶喪失?それも初めてじゃないって?
いやそもそも記憶障害になりやすい人って?
訳あり気な中上の様子から静良井の思い出せない恋人は中上?それともその兄弟とか?
などといろいろ想像しつつ読み進めて行くと、中上じゃないっぽい、でも何か関わりがあるような…
っと謎が謎を呼ぶ展開で静良井同様読み手側も混乱してきます。
なんだかみんなが何か知ってて黙ってる隠してるみたいで不安を誘います。

1巻め本編の最後で暴走した久遠の場面で終わったけれど、3巻まとめて買っておいてよかったです。
初出は、1年に渡って連載された作品ですから、次が気になって待ち焦がれたでしょうね。

相手の幸せを第一に考える中上
自分の感情に走った久遠
記憶をなくしてしまった恋人に対する思いや行動が正反対の二人の男の間で彷徨う静良井の今後は第2巻に続く。。。

5

切ないなぁ

 雑誌掲載時よりとても続きが気になっていて、最終話を読んだら読んだで、早く文庫化してくれないかなー、と心待ちにしていました。

最後まで読んだ身としては、1巻のみのレビューはなかなか難しいし、ついうっかりなネタバレをしちゃならいし…。
 やっと最終巻の3巻まで出版されたので、ちょっと安心してレビューさせてもらえます。
ストーリーはすでにレビューしていただいているので、好きだー、と言いたいだけですが。


 記憶障害を起こしやすい真文が、なんだか気になって訪れた高台にある喫茶店「カナリー」
雰囲気もよく、寡黙なマスターが入れるオリジナルブレンドコーヒーが好みで常連となる。
とっつきにくいと思っていたマスターの中上衛は知り合ってみればいい人で、記憶をなくす前の恋人゛M゛探しの手伝いを申し出てくれて、一緒に日記にある場所を訪れていく。
 いろんな所に一緒に行って、いろんな話をしていく内に、記憶にない日記の中の恋人`M`がマスターであればいいのに、と思うようになっていく、真文のどうしようもない今の恋心に、もう素直になってもいいんじゃない、と見守っていました。
やっと気持ちを通じ合ってよかったねー、と思う間もなく真文はまたしても記憶をなくして。



 雑誌2話目のお話は切なくてたまりませんでした。
読者である私には真文と中上が恋人同士になったのにってわかってるだけに、真文の記憶がないまますれ違っている2人に歯噛みする思いです。

やっと恋人になったはずの人は、記憶をなくして別の人と幸せそうに過ごしている姿を見せつけられる中上の気持ちを思うと切ないし。
でも、以前の恋人だった真文とは別人だって言われる真文の気持ちも、真文視点ですすんでいるお話なだけに切ないんですよね。
どっちも切なくて切なくて…。

 とっても2巻が待ち遠しい1巻です。

 そうそう、書き下ろしの「マスターの恋人を探せ」では、自分の腐女子ぶりにビックリです。

`カナリー`のバイトの佐藤君が、常連客の奥様方にマスターの恋人の有無を聞かれて探るお話。
マスターに好みの質問をしていくと、マスターの好みは、常連客で最近親しくなっている静良井にあてはまる。
そして、マスターと静良井は日曜に2人で動物園に行って、お揃いのメモブロックを買ったようだ。
 ここまで読んだ時、私は゛あぁ、佐藤君に2人が恋人同士だって思われちゃったな゛と思ったんですよね。
ところが、佐藤君は全くの逆、マスターに恋人はいない、と判断していて…。
その根拠が、マスターは好みのタイプの静良井とデートの真似をするくらいもてないんだな、と。
えっ!!佐藤君、そうきたの?一緒にすんなよー。
ってか、ごく普通の男の子はこーゆー結果になるのか。これだけで2人が恋人同士だってバレるんじゃないかと心配してしまった私がすっかり腐女子思考なのか…と笑ってしまった書下ろしでした。
 


 


 

9

Mとは誰か

砂原糖子先生が3ヶ月連続で長編を販売ときいて、早速購入。そして、我慢してました、読むのを。だって読むと続きが気になって1ヶ月が辛いの分かっているので…。ということで、3巻販売の少し前、ようやく読みました。そして、やっぱり置いておいて良かったと思いました…!これから購入される方は、3冊まとめて購入されることを強くオススメします。



主人公の静良井は、記憶喪失に繰り返しなるという病気の持ち主。そして、日々日記をつけ、それを持ち歩く事でその情報を得て来ました。そして、その日記に記された恋人M。実名が書かれていないMを探す中、お気に入りの喫茶店でオーナーをしている中上と親密になっていく。日記に書かれた場所を一緒に訪れ、記憶を探していくが…。


Mは誰なのか?過去の静良井はどんな人物だったのか?記憶喪失の静良井をベースで進む為、謎が深まっていく。そして、後半、思わぬ展開に引き込まれました。ミステリー要素はもちろん、恋愛の部分は切なく楽しめます。美しい挿絵の葛西先生。このお話の繊細さにぴったりです。
静良井の繊細さも、中上の落ち着いたような不器用さも好ましい。また、久遠の事をどうしても憎めません。彼の気持ちを考えると、そうしたくなるだろうなと思ってしまいます。
気になるところで終わる為、続きを手元に置いておきたいところ。

4

切なくミステリアス

三ヶ月連続刊行との事で、全て揃ってから読もうと思ってたけど我慢できずに手を出してしまいました。
読後、うぅ…やっぱり続きが気になりすぎる…といった感想。
詳しくは先の方がレビューされてますので、思いつくままの感想で失礼します。

記憶喪失しやすい体質というのが本当にあるかとかは私は無知なため分かりませんが、主人公の静良井は今巻で分かる限り二度記憶を失ってます。
記憶が無いので、過去何があったのか、Mという人物は誰なのかと謎が沢山。
そのミステリアスさが、ページを捲る手を早めてました。

静良井の過去に中上が関わっているのか否か、今巻ではまだ分かりません。
そんな中上の静良井への想いが非常に切なかったです。
同じ人物なのに違う人物として扱われる静良井も不憫…(;ω;)

静良井はまた記憶を失うのか、はたまた記憶を取り戻すのか、そして中上との関係がどうなるのか。
次巻が楽しみな作品でした。

5

続巻があるのは嬉しい!非常に続きが気になります

3カ月連続刊行という事で興味を持ち、1巻目を購入しました。テーマが記憶喪失ものという定番中の定番の素材であるので、この先生はどのように料理されるのかなーという気分で読み始めました。

主人公が記憶喪失を何回か繰り返すという持病を持ち、その都度にMという恋人がいるという設定が面白かったです。恋人二人とも主人公への想いの深さが感じられるので、とても切なかったです。
記憶を喪った主人公が、その都度記憶を喪う前の恋人を本能的に探そうとする所も皮肉な巡り合わせで、何とも言えない気分になりました。

記憶は失っても、街並みの中から自分にとって印象深く感じる場所に再度行ってしまうという設定は、あり得る話でありロマンチックだなーと思いました。確かに過去の経験(メモリー)は喪っても、その人の生まれ持つ感性まで消えない気がします。高台の街並みの中に一際目立つ店を頭に思い浮かべるのも楽しかったです。情景等細かな描写を大事にされる作家さんという印象を受け、ファンになりました。

ディアープラスの小説は、設定や世界観は地味目ですが、起承転結がしっかりし、恋愛を大切に描かれているように感じます。最後は大ドンデン返しがあり、印象深い終わり方でした。主人公の真の相手は想像が出来ますが、まだ2巻あるのでこれからどう展開されるのか非常に続きが気になります。
この1巻で終わってもおかしくないくらい、内容が詰まったストーリーでしたが、まだまだ続きがあるのは正直嬉しいです。


7

読む前にコーヒーを用意して!

できたら喫茶店でまったり読みたい作品でした。

受の静良井くん、ドジっ子過ぎます~。何回転んで頭うってるんでしょう・・・( ;∀;)
いや、作品自体はシリアスなんですけど、ドジっ子ぶりにちょっとツボってしまいました( *´艸`)

3ヵ月連続刊行の1巻目。
語り口は静かだけど主人公が記憶喪失者ということもあり、謎な部分が気になりぐいぐい引き込まれていきます。
色々気になる伏線や状況もあり、火傷の痕もそうですし、久遠との出会い、「M」が誰なのか、中上との本当の出会いはいつなのか等、色々気になります。
気になったまま・・・・1巻ラスト、なんてこった!
来月迄続きが読めない!待ち遠しい!

続きなので感想も中途半端ですが・・・とにかく読み応えのある作品なので気になったらぜひ!

本編のシリアスさとは反対に書き下ろしは、バイトの佐藤くん視点でのコミカルな掌編でとても楽しめました!
佐藤くんの人間性が余すところなく堪能できるとても楽しめる掌編でした!

8

珈琲のような苦みもある話

タイトルが素敵だと思います。
表紙はきれいな男性達が割と写実的なのに、コーヒー豆が踊っていて不思議な印象です。
こんなイケメン2人に会えるのなら、私はこの喫茶店に行ってみたいです。
3カ月連続刊行の小説なので、私にはとてもレビューが難しいです。

静良井真文(しずらい・まさふみ)には過去の記憶が1年半前からしかなく、それ以前のことはわかりません。
記憶喪失で、家族もいないらしくアパートで質素な一人暮らしをしています。
コーヒーが好きで喫茶店の記事を書くフリーのライターをしている27歳です。
自分が付けた日記には、6年程前にも記憶を無くしている事、「M」という男性の恋人の事が書かれています。
静良井は行きつけの喫茶店「カナリー」のマスター・中上衛(なかがみ・まもる)と会話をするようになり、「M」を一緒に探すと言ってくれた中上と日記に記された思い出の地巡りをします。
静良井は自分自身のことがわからないまま、新しい恋におちていきます。
中上は「M」なのではないだろうか、と静良井は思い始めます。
静良井は唐突に「M」と行った旅館へ中上を誘い、一泊旅行をして確かめようとします。

BL小説でありながら、読んでいる間は静良井の自分探しの推理小説のように感じます。
歩道橋から見える、坂の上にぽつんと目立つ洋館の喫茶店「カナリー」。
初めは不愛想だと思っていたマスター・中上と、おしゃべりなアルバイト・佐藤。
静良井の好きなオリジナルブレンドのコーヒー。
次の記憶喪失に備えてつけるPCの日記と、日記のデータを記録しペンダントにしている赤いUSB。
日記帳に登場する男性の恋人「M」の存在。カナリア。
消えて忘れてしまったものと、意識せずともどこかに残っているもの。
それと日記が補うもの。

1巻では、まだまだ序盤な気がして、あれ?表紙の2人の話じゃないのかなと思いました。
「自分探し」と「恋人探し」。
ただ「恋人探し」は、「自分探し」と必ずしもイコールにはならないというか…。
でも「M」が誰なのか気になって、どうしようもなく悶々とするばかりです。
この1巻で3回くらい心の中で「わぁーーーっ」と叫びました。
2巻と3巻が出る前に何度も読み返して味わいたいと思います。
私は紅茶のほうが好きなので、レビュータイトルはちょっと背伸びしました。

10

とにかく面白い。

雑誌『小説Dear+』で何話か読んでいて、1冊にまとまったら買おうと思っていた1冊。

が、なんてこった…!
1冊完結ではありません。

でも、めっちゃ面白い…!
BLという観点から読んでも、謎解きという面から読んでも、とにかく圧倒的な面白さ。「記憶喪失もの」はよくあれど、斬新な切り口で紡がれていくストーリーに初っ端から引き込まれました。

「全生活史健忘症」という病を抱える静良井は、ふとしたきっかけで記憶をなくしてしまう。
自分が何者だったのか、何をしていたのか。
ある朝起きたときに、今までのことがすべてリセットされ、新しい自分になっている。

何という恐怖か。
自分で病気を認識している彼は、日記をつけ、USBメモリーに様々なことを記録させている。

もともとコーヒーが好きだった彼は、おいしいコーヒーを出してくれる「カナリー」という喫茶店を知り、そこのマスターをしている中上という男と知り合いになる。記憶喪失を抱える静良井の記憶を取り戻し、そして彼の恋人「M」を探すために、共に行動してくれる中上だが…。

この作品の面白さは、静良井が何度も記憶をなくす、という点かと思われる。
積み重ねていったものが、一瞬でなくなってしまう。

そんな静良井を支えるのが二人の男。

二人の男のどちらを静良井は選ぶのか。
それとも恋人「M」は、この二人のどちらでもないのか―。

「M」探しというミステリーの側面を持ちつつ、二人の男に愛され大切にされるというBL的な面白さもある。

静良井が過去に書いた日記。
喫茶店「カナリー」でバイトしている佐藤くん。
過去に結びつくためのファクターを上手に使いながら、過去、そして今が繋がっていく。

決して薄い本ではないのだけれど、面白すぎて一気に読んでしまいました。

で、続きが来月とか…!
ええ、首を長くして次巻を待ちたいと思います。

そして特筆すべきは、葛西さんの描かれた挿絵。
イメージにぴったりで萌え度は確実に上がりました。

11

切なさ全開

3ヶ月連続で刊行される長編の第1巻です。

全生活史健忘を患う静良井真文は、ちょっとしたきっかけで記憶を喪失してしまう。突然自分の顔にも馴染みがなく、年齢すらもわからなくなってしまう彼は、それまでの経験から身体に残っている反射的な自身の反応を頼りに、自分を探しながら生きていくしかない。

何度目かに記憶障害を起こした静良井が通いつめるようになった喫茶店「カナリー」は、彼の行動範囲内にある歩道橋から際立って見える小さな洋館。美味しいコーヒーを入れてくれるマスターの中上衛が、どうやら静良井の過去と未来の鍵を握る人物のようです。

静良井の記憶喪失がもたらす残酷さが、彼に好意を寄せる周囲の人間を切なくさせます。さらに切なくさせるのは、静良井が自らの障害が彼の関係者や仕事にもたらす弊害をよく自覚していて、きちんとフォローしようと陰ながら努力していること。そこにBL要素が絡むものだから、最初から最後まできゅんきゅんしっぱなしで、この先の展開が気になって仕方ありません。でも、このドキドキ感を持続させたい気持ちもあって、悩ましいです…

巻末に「カナリー」のバイト、佐藤くんの書き下ろしが収録されていて、コミカルな幕間の役目を果たしてくれています。短いけれど、笑わせてもらいました。今後の佐藤くんの活躍も楽しみです。

砂原先生のお話に出てくる色彩感覚と、キャラクターのシンプルなファッションセンスが好きです。葛西リカコさんの繊細なイラストがストーリーを引き立ててくれて、どことなく耽美なイメージが素敵です。

砂原先生ファンに限らず、切ないお話がお好きな方にめちゃくちゃおすすめしたいです!!

16

窓月

まりぽん812さま

コメ返しのために、わざわざこちらにお知らせいただいて恐縮です。
本当に素晴らしい作品ですので、ぜひお手にとってみてくださいね!
ありがとうございました♡

まりぽん812

コメントをありがとうございました。いただいた記事の方に返させていただきました。作法がよく分かっていなくて、間違っていたらごめんなさいね。
こちらの作品、気になりながら未読だったのですが、レビューを拝見して読みたくなってきました。

続きが読みたくて辛抱たまらん!

何故か新書館刊行の小説は届くのが遅いのです。今回はディアプラス文庫でしたけれど、大好きなモノクローム文庫もそうなんだよね。でも、新書館さんの本はお気に入り率が高い事が多くて、ジレジレしながら発売を待った挙げ句、
……どうもこのお話は『ジレジレして次巻を待て』というコンセプトみたい。
「続きは来月、そして再来月を待て」なんて、どこまでいけずな企画!(笑)
でも、あとがきによれば、洋ドラに填った砂原さんが「続きが観たくて辛抱たまらん!」という思いを知り『続く』がある話を書きたくて小説ディアプラスで連載したとのこと。
おかげさまであと2ヶ月は、このお話の先が気になって仕方がないと思います。
狙い、大当たりです。
でも、砂原さんの狙い通りにはめられる快感をいたく感じておりますので、普段は『続き物は一気読み』という姐さま方も、毎月一冊ずつ読んで「辛抱たまらん!」となるのもよろしいのでは、と思ったり。

急展開が数度起きますので、あらすじではなく、概要でご紹介いたしますね。
主人公の静良井は記憶障害を引き起こしやすい体質。頭部への刺激で、今までの生活を全部忘れてしまうことを何度か繰り返しています(らしい)。記憶をなくすことは、それまでの自分をなくしてしまうことで、静良井は今の自分もどういう人間なのか時折分からなくなる様な気がしています。彼は、記憶をなくした時のために自分について記録している『日記』を付けています。その日記の仲には、自分の恋人として『M』という男性が登場しています。自分のことを知るため、静良井はMを探しています。しかし、過去と切り離されている『今の静良井』も、仕事をし(少ないけれど)人と関わって生きている訳で、その中で、惹かれる人も生まれます。でも『今の静良井』の生活が安定的になろうとした時、また記憶障害が襲ってくる。

私はこの1巻をサスペンスとして読みました。
時折、静良井には記憶の断片が現れるのです。
また、生活をしていても「これじゃない感」があったりする。
日記に登場するMは誰なのか?
また、静良井の探しているのは本当にMでいいのか?
推理するには若干ヒントが不足しているのですけれど、この可能性もある、いや、ああいうことも考えられると推測するのが大変刺激的でした。

経験が人を形作ると言われれば「その通り」と答えると思います。
では、全く同じ経験をすれば、その人はそっくりになるのかと聞かれると「違う様な気がする」と思うのです。
記憶を失う度に静良井は一回死んで、また生まれ変わるのでしょうか?
違う性格になって、違う人を愛するのでしょうか?
私なりの答えはこの巻を読んでほぼ決まりつつあります。
で、砂原さんはどんな回答を与えてくれるのか。
ストーリーテラーの砂原さんのことですもの。私の考えを凌駕する驚きを与えてくれるだろうという予感に、実に続巻が楽しみで、楽しみでしょうがない!
(見事にコンセプトに填っちゃっていますねー。だってお上手なんですもの)

11

人をその人たらしめるのは何なのか・・・?

こちら3ヶ月連続刊行の1冊目。記憶喪失ものです。
「記憶喪失ネタて、萌えるよね~」と軽~く読み始めたのですが、あまりの切なさにもう涙腺崩壊。
恐ろしい事に、これでまだ1巻目です。

内容的には序章と言った所で、まだまだこれから一波乱も二波乱もありそうなのです。
が、切なさと痛さがハンパない・・・!!

人を、その人たらしめるのは一体何なのか。
共に分かち合い、共有した時間。触れ合った肌のぬくもり。重ねた会話。
じゃあ、その記憶を無くしてしまった時、それは同じ人物だと言えるのか?
テーマが重い! テーマが重いのです・・・!!


内容です。
こちら、推理サスペンス要素の入った記憶喪失ものです。
2章に分かれており、前半が1年半前に記憶を無くして、質素なアパートで一人暮らしをする青年・静良井。
彼が自身の無くした過去と向き合いながら、行き付けのカフェのマスター・中上と親しくなり、惹かれて行く様-。
後半が、5ヶ月前に記憶を無くした静良井。裕福な恋人・久遠との満ち足りた生活のハズなのに、どこか違和感を覚え-・・・と言ったものです。

主人公である静良井ですが、強く頭をぶつける等で簡単に記憶を無くしてしまう青年です。元々、記憶障害をおこしやすい脳の作りなんですね。
そのため、自衛として常に自分の現在の状況や、起こった出来事を記憶媒体に保存。その「情報」を元に、自分はどんな人間かと探って行く。
そこで、自身の恋人であろう「M」を探し・・・とストーリーは展開していきます。

ベテラン作家さんだけあり、このグイグイ引き込まれるようなストーリー運びがとてもお上手です。
一つ謎が明かされると、それによりまた新たな謎がと言った感じで。
終始、この簡単に記憶を飛ばしてしまう静良井の視点で語られる為、読者側は非常にもどかしく切ない気持ちにさせられると申しましょうか。

今の「愛しいと言う気持ち」を忘れたくは無いのに、否が応でも奪い去られてしまう記憶。
また、身体は同じ人間なのに、自分の事を綺麗に忘れてしまった恋人。
切ない! 切ないのです・・・!! もう、ここぞと言うときに出て来る静良井のモノローグがホント哀しくて( ノω-、)

作者さんがあとがきに書かれていますが、海外ドラマにハマられたそうです。
で、海外ドラマをお好きな方ならお分かりでしょうが、各話が終わる度、強烈な引きで続きを見るように仕掛けてくるんですよね。
その「続きが見たくて堪らん」と言う続き物の楽しさみたいなのを書きたくなられたそうです。
そう、まさにそんな感じ。
衝撃のラストで、「ここで続く・・!?」と悶絶しております。

まだ残された「M」の謎。
静良井はあの後、どうなってしまったか。
そして最後に見せた「恋人」の反応。

いっそ3冊揃えてから読んだ方が、精神衛生上良かったかもと悶絶しつつ、1ヶ月後を待ちたいと思います。

12

大変だっ

砂原先生×リカコ先生でとても楽しみにしていた本。読み始めたらもう大変、止められなくて、今、ちょっとまってーっ状態です。まとまった時間がある時にお読みいただくことを推奨します。3か月連続刊行とのこと、寸止めは嫌よというお姐様は、3冊まとまってからの方がいいかもしれない。続きで神になると思うので、出し惜しみの萌2です。せつなさ満点、どうなるどうなる???と気になるタイプのお話が大好きな方にはオススメ、記憶喪失ものです。2017年ディアプラス掲載の2話分と書き下ろし「マスターの恋人を探せ!」というカフェバイト視点の短編20P超+先生のあとがき でした。ああ早く続きが読みたい。
それと、なんかペーパーがいいらしいです。私は手違いでペーパー無い所で購入してしまったのですが、これから買われる方はペーパー有無を確認した方がよいかも。
もう一つ追加。帯にある応募券を3冊とも集めるとSS応募できるらしいです。帯真面目に見てなかったので危うく見過ごすところだった・・・

お話は2部構成になってまして、前半は静良井が27歳の時のお話。後半は28歳の時のお話となっています。前半、お気に入りの喫茶店「カナリー」でコーヒーを飲んでいるシーンから始まります。2階建て住居の1階がカフェになっているこの住宅地の高台にある店を気に入っていて10か月ほど通っているけれど、店のマスター(25歳ぐらい)は「中身がロボットだと言われても納得する」ぐらい愛想がなくて・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物 前半はバイト君(SSの主役)、受けの住むアパートのご近所さんぐらいかな。後半は勤め先の同僚や友人 等々。嫌な奴はいませんでした。

*************以下は 詳細には書いてはいないけど、
かなりまずい ので 読む予定の人は避けた方がよい感想

とにかく大変なんです、泣きそうなほど。act1(前半)は過去の自分を取り戻そうとするけど、別の幸せを見つけて、あら良かったじゃない と思っていたら!!!!!!!! 


なんです。
うわどうなるのこれ と思っていたら。
act2は、その5か月。静良井が28歳になっていて。横にいる人が別になっていて!!!!


でも違和感あるんでしょうね。無意識にカナリーに到達する静良井。
(もうこっちの心臓もバクバクです。キツイです)

静良井、頑張って、なんとか自分の気持ちが落ち着く、良い方向にならないかと試行錯誤してたら!!!!
またとんでもないところで終わってしまって、きゃーーーーーーーーーーーです。

ろくな感想になってなくて恐縮ですが、(内容を詳細に書くのはちょっと躊躇われて)
とにかく まってーーーーーーーーーーと絶叫すること請け合いです。
ハラハラするのは平気さっ というお姐様方、是非一緒に1か月首を長くしましょう。

10

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