心を半分残したままでいる(3)

kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru

心を半分残したままでいる(3)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神139
  • 萌×225
  • 萌12
  • 中立2
  • しゅみじゃない9

200

レビュー数
24
得点
833
評価数
187
平均
4.5 / 5
神率
74.3%
著者
砂原糖子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
心を半分残したままでいる
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784403524585

あらすじ

日記の内容について久遠を問い詰めた静良井は、すべてをリセットしようとした彼に池に突き落とされた。それから数週間、静良井は車椅子生活ながらも、久遠の元で穏やかに暮らしていた。そこへ、ひどい別れ方をして以来静良井のことを気にかけていたらしい中上が様子を伺いに現れる。日記の恋人「M」が誰であったかを知らないまま、再び顔を合わせた二人だが……? ひたむきな愛が胸を打つ、感動の完結篇!!

表題作心を半分残したままでいる(3)

中上衛、カフェマスター、26
静良井真文、記憶障害を持つ青年、28

同時収録作品心を半分残したままでいる(3)

久遠光彬、カフェチェーン社長、35
静良井真文、記憶障害を持つ青年、28

その他の収録作品

  • カナリー
  • あとがき

レビュー投稿数24

辿り着く場所。

久しぶりに読み返してます。
どうなるのかとハラハラドキドキの最終巻。
読み終えた時、心からよかったと思い、この2人の幸せを願わずにはいられませんでした。


記憶障害を患い、数年おきに自分を忘れてしまい、まっさらになってしまう真文。
幼なじみとして、恋人として過ごし、真文が自分を忘れてしまっても、傍らに居続けてきた衛。
真文が失踪した後は、探し続け、待ち続けてきた。

2人の気持ちを思うと、たまらなく切なくて苦しいです。
夜の公園でのシーン。
初めてあかす、悲鳴のようや衛の本音や弱音。
衛の慟哭が苦しいのですが、その激情がきゅんであり、めっちゃ萌えた( *´꒳`*)
とっても好きなシーンです。

そして、そ知らぬ顔して真文を送り出してくれた久遠に感謝でした。
彼の傷に寄り添える相手が出来ることを願います。


2人が同棲を始めて、真文が「忘れたくない」と涙をこぼすシーンも好きです。
そりゃそうですよね。
大事なものができる度に願わずにはいられないでしょう。
そんな真文に新しい約束をする衛。
きっと、喫茶カナリーがあそこにある限り、衛がオリジナルブレンドコーヒーを入れ続ける限り、真文が帰る場所はあり続けるのでしょうね。

真文の病気が完治した訳ではないけれど、未来が明るく感じる、幸せで美しいラストでした。
いつか喫茶カナリーへ行ってみたい。
衛の手引きコーヒーを真文にサーブしてもらって味わってみたいな、としみじみしました⃞⃛୭ᐝ

1

心に沁み入る神作品としか言えない。。

電子で番外編集まで読み、ちょうど昨日からコミコミさんの文庫フェアが始まっていたため3冊まとめてカートに入れ、注文しました。
紙でも保管し、何度でも読み返したい本です。。
絶対に泣いてしまうと分かっているけど、読み返さずにはいられない作品。
読んだら絶対に誰かと語り合いたくなってしまう…

なんだか色々言いたいことはあるような気がするのですけれど、心が揺さぶられすぎてうまく言えないため、箇条書きします。

・久遠は久遠で幸せになってくれ…
→ひと昔前の自分だったら久遠のことは絶対許せなかったんじゃないか、と思うのですが。今は久遠の気持ちも痛いほどよく分かってしまう…どうしても一緒にいたくてついてしまった、大きな嘘。それを覆い隠そうとすればするほど、嘘が積み重なっていって…静良井を騙した久遠の罪は重いけれど、だからといって単純に憎むことはできない。。ひとり残された久遠がどこかで誰かと新たに出会い、救われてくれたらいいなと思わずにはいられませんでした。

・静良井くんお願いだから雪道を一人で歩かないで…!
→これ本当に転倒すると思いヒヤヒヤしながら読み進めました。中上が迎えに来てくれて心の底から安心しました…!リスクを冒してでも、どうしても一刻も早く会いに行きたかったんだよね。涙涙涙。。

・静良井がこの先何回記憶を失ったとしても、そしてそのことでお互い二人が傷つくことは避けられないとしても、その度に新しく出会い、惹かれ合い恋に落ちるのは変わらない。たとえ糸が切れてしまったとしても、新しい糸はまったくの無から生まれているわけではなく、記憶はなくとも過去までの糸としっかり結ばれていて…
だからこそ、静良井は昔言った台詞を一言一句違わず何度も言うのですよね。
そこに、悲しみや切なさを凌駕する愛と救いがあると感じました。

こんな素敵すぎる作品に出会えて、BL小説を読んでて良かったなあと心から思いました。ああ。。〆がうまくいかない、、

コミコミさんから紙本が届いたら、また1巻から泣きながら読み返すと思います。

1

ちょっと泣けた

感想なのでネタバレしています
未読の方はもったいないので、このレビューは読まずにどうぞ

真文の夢の描写で思いがけず泣いてしまった
思い出す部分に障害が起きているって、そう言えば言っていたもんね
記憶自体はあるんだ
お母さん、よそのお子さん巻き込んで大変な事故起こして本当危なかった、似たような人に会うこともなかっただろうし、理解されてるって思うことのない育児期間の末に亡くなって本当気の毒だったな

いい人なんだか無神経なんだか、佐藤とか茂木みたいな、相手がどんなでもお構いなしなタイプの人がいて、真文が打ち明けることができたのは良かったな
言ってしまっても大丈夫なんだって、そんな経験もしたこともあるんだってだけでも、なんか良かった

久遠は真文を手に入れるって風に関わって、叶わないから諦めた
日記も読んで利用したんだもんね
死んでしまう可能性だってなくはないことをして
でも、真文は久遠の弱みや自分を好きな気持ちを認めて、それならばと一緒にいることにした
衛を自分に巻き込んで傷付けることから開放して次のリセットからは久遠と…次に忘れてしまうまで保ったかな
次まで保たせればその過去がなかったことになって、性の問題を記憶障害の面倒みさせる負い目で誤魔化してやってくんだったのかな

初めから前払いの集合住宅に引っ越していたこと、旅館での以前一緒に来たって話とで久遠のこと怖い人かと思って読んでいたけれど、やっぱり、やっぱりそうだったよね
でも、日記についてはさすがに、信じていたわ

衛はさ、カナリーで待って待って、初めて来たときどんな気持ちだったんだろう
待つって、来ることが分かってなかったら待っていることになるんだろうか
ただとにかく待つのってなんとなく忘れることの正反対なような気がする
同じ場所から動かずに忘れることをしないでいるって感じ
衛はメモリの日記も読まずにいて、同級生のからかいと同じ様になる記憶を植え付けることは絶対にしない
けど、けどさぁ
本当のことなら植えても良かったんじゃないの?
きっとここに来るって思って待っていたんじゃなくて、来ないことは前提で、その上で万が一真文が来たらって淡い期待すら持たないようにしてやっていたんじゃないかと思うんだ
来たとしても、もし連れがいたら話しかけるつもりすらないんだ、ハンカチのときみたいに
子供のときにまともに愛されないって、ひどいことだよね
本当、真文が何度も何度も恋してくれて良かったよ〜

2巻で金色の記憶のことが判明したり、カナリヤの色のこととか、真文は色については思い出しやすいみたいよね
忘れても積もるものが数えていければいいのにね

0

久遠…

「心を半分残したままでいる」3巻です。
こちらで完結となります。

1巻のとても気になる所からの続きになり
どうなっていくんだろう…!と緊張して読み始めました。
あらすじに書かれているので書いちゃうのですが
久遠さん…静良井のこと池に突き落としたの!?と
とてもびっくりしました。
私の中で久遠さんって紳士なイメージがあったので
静良井のことを、ここまでしてまでも手に入れたいのか…と。

池に突き落とされてどうなっちゃうんだろう…って思ってたんですけど
そこからの展開は私が想像してなかった方に向かいました。
とにかく良かった…!!!!!

中上との関係もきちんと進展するし
私が一番望んでいた形になったものの
やっぱり久遠さんのことを考えると胸は痛くなります。

久遠さん、酷いことをしたことに違いはないのですが
彼も幸せになって欲しいな…。

読み終わった後に、久遠さんのスピンオフがないか調べたんですけど
スピンオフ作品はないんですね…。
いつか、彼のお話も読みたいです。


静良井の記憶障害は今のところ治ることはないのですが、
こんなに色んな事があったのに、最終的には中上の元に静良井が戻ってくるってことは
きっと何回記憶障害が起こっても戻ってくるんじゃないかな…って
勝手に期待させられるんですよね。
静良井の帰る場所は中上の元なんだろうなぁって。

心の霧がはっきりと消えることはないのですが
一日一日、二人の思い出が積み重なっていきますように…と思う作品でした。

0

回想を経て、未来へ

1巻で中上と約7年振りの再会を果たした静良井。とはいえ中上は静良井とは初対面を装い、静良井の日記に残されたMとの足跡を辿る。

2巻では静良井が失った記憶、2人がまだ学生時代の出会いから恋人同士になり、静良井が記憶障害を起こして失踪するまでの回想。

そして3巻。1巻の終わりでMは久遠ではなく中上ではないかと久遠に告げた後、静良井はライター時代(1巻の時)の時分を知る、カナリーの元バイト佐藤と出会う。そこでライター時代の住居、高校時代に中上と出会った時に住んでいた自宅を訪ねる。

自分の過去を自分で辿り、静良井が決断した今後の生活とは…。


やっと自分で自分の過去を手に入れた静良井。それは自分の記憶にあるものでは無く、不完全なものではあるかもしれないけれど、それでも中上の幸せを願わずにはいられなかった。自分の中途半端な記憶では、そしてこの先また再び記憶を無くすことを考えれば、中上の元を去ることを決意した静良井。

静良井は当事者だからもちろん過去のない自分がとても所在なげで辛いだろうけど、中上は幼少期から待つことに対して耐性が強く、でもそれって逆に不安が大きくなって…決して表には出せないけど独占欲とは執着につながるのでは?何もかもを諦め、内に秘めるように過ごす中上の辛さはどれだけのものだったろう…と思うとやりきれませんが、その点についても静良井はちゃんと気付いてあげることが出来て良かったなと思います。

正直、カナリーでの短期バイトの時に静良井が気付いてしまった記憶障害を発症する頻度から、今後も記憶障害を引き起こすことが察せられて、また次のページでは静良井が中上に「君は誰」と言うのでは無いかとずっとヒヤヒヤしながら読んでいました。ですがこの3巻に収録されている「カナリー」を読むと未来に対して絶望では無いなと思えました。

その「カナリー」。ライター静良井のカナリーの紹介文。中上へのラブレターですよね?そしてこれから先、記憶をなくしてもまた帰る場所はここだと宣言文でもある。すごく綺麗に纏まっていて泣けました。そして最後にタイトル回収。ここまでの2人のストーリーを読んでいるだけに鳥肌でした。

まとまりのない感想しか書けないのがもどかしいですが、ここまで3巻を通して中上と静良井の長い、遠回りの旅を見届けることが出来て良かったと思います。記憶をなくしていても体は覚えていて、じゃあ記憶を無くす前の自分と今の自分は別人なのか…?じゃあ自分を形づくる自分はどこにあるのか?面白いけど難しいテーマだなと思います。

1

しんどさの治まらないハピエン(メリバではない)

 表紙と見開きイラストで既に泣きそうになった。
 
 久遠は、真文を騙して横取りしたようなものだから、いい印象はなかったけど、ちゃんと罪悪感を覚えるいい人間だった。幸あれ。

 記憶のノートが衛に宛てたラブレターみたいで切ない。

 自分からは行動を起こさずただ待ってるだけの衛に、真文が爆発して気持ちを言ったおかげで無事にまたくっつけたのでほっとした。

 二章目(?)の「カナリー」が超絶幸せ。
 でも鈴原は辞めさせて、二人でカナリーを経営して欲しかった……。
 衛が、ずっと自分の傍に置いておきたいって本音を零すシーンに首がもげそうな程同意。
 欲を言えば、監禁でもして真文を何処にも行かせないようにしてほしかった……。(安心したい)

1

感動!

ネタバレ、、っていうかもうこれ表紙がネタバレてる気がしたので、
読み始める前からホッとしてました。時系列的に2→1→3で、いままでの流れを受けて、切なさも甘さも、ほろ苦さも楽しさも含まれてて、ずっと心全部、震えてた気がします。

が!冒頭、「え!?そうなってんのか?」とドキドキしまくったことを白状します。久遠という人物には最後まで、同情できないのですが、もし、噓偽りなく静良井をサポートしたら、2人の関係性は変わったのかもと思わずにはいられないと同時に、このシリーズにおいて彼の内面を考えることは(どこまでが真でどこまでが偽で、なにをしたかったのかetc)、意味がないと思いつつ、どうしても引っかかってしまうキャラでした…。(受だと解釈したんですけど。)

いろいろあって、、中上が抱えていた罪悪感と後悔を吐露する場面があるのですが、読んでて抉られました。だからか~、、と今までの彼の行動がしっくりきました。抑えても湧き上がる独占欲と、相手の幸せを考える気持ちとがせめぎ合う苦しさもしんどくて切なかったです。その後、2人が同棲を始めるにあたって、”離れる理由がなくなった”という表現がとても好きでした。

あと、1からずっと思ってたんですが、静良井って性欲強い受ですよね。貪欲に中上を求めるスケベシーンが熱くて大好きです。3では、彼がいままであまり表に出さなかった気持ちが随所にみられました。特に、書き下ろしの”カナリー”で、自分のことをなかなか話さない中上に対して、”もっと君のことが知りたい”と涙するシーンが印象的です。聞いても忘れる、だから忘れることをたくさん教えてもらうのは心苦しいけど、でもなんでも知っておきたいという葛藤、否が応でも記憶が喪失されてしまう近い将来があるからこそ、いまこの瞬間のすべてのことをおろそかにしたくないという気持ちが、なんとも胸に迫りました(;;)

何度も悶絶しながら、たどり着いたラストが、ひたすら優しいんです。タイトルにかかるラストがかっこよすぎて、いつまでも余韻が残りました。

葛西先生の絵も神がかってます。大大大大正解。これ以外のイメージないわ~ってくらい、特に、しっとり感が半端ない!泣いている人物の描写が好きでした。

2

中上の思いに涙

3巻を読み始めてとても驚いたのは久遠との関係が、そう揉めて長引くことが無かったことでした。

1巻ではあんなに静良井に執着して池にまで落として記憶をリセットしようとしてたのに。

久遠は静良井の過去を盗んだことにずっと罪悪感を感じていたんですね…。そして静良井の記憶が消えて無いのを怪しんで試したりしてました。
既にMが中上だと気付いてもいました。

何度忘れようと静良井が中上に惹かれるのは、もう本能のようなものだと思いました。

ようやく静良井が無くした過去を取り戻して中上に会いに行っても、すんなり事が運ばないのがこのお話の醍醐味でした。

まさかの中上の拒絶?静良井は中上を諦めちゃうの?って焦りました。

もう駄目かと思っている所で、中上が静良井に会いに来て本当の心の内を話してくれてジンと来ました。平静を装っていながら、本当はどんなに苦しかったのかを知った時は切なくて涙が出ました。

そして「カナリー」では、静良井の新たな夢と中上との幸せそうな生活を読むことが出来ました。

でもこのお話って電子版の「~未来を半分残したままでいる~」までがひとつの話だと思うんですよね。

2

1-3巻の感想 合本にしてほしい

ジリジリと苦しみながら読みました。
1巻から読んで2巻までは、過去の真文の説明です。
出口が見えない構成なので、まどろっこしくなって、もう読むのを止めようかと積読に。想い直して続きの2巻の半分からやっと3巻まで読了。
・・・この作品は1-3の三冊で一つの作品、1-2は3巻の為の説明。3巻で謎が解き明かされる。
だから3巻一緒に全部読まないと意味がつながらない構成になっている作品です。
やっと3巻全部読了して思ったのは、「合本にしたらいいのに。」
---
4年ごとに記憶が殆ど消えてしまう記憶障害を持つ真文。
母が生きて居た時は、母が失った記憶を上書きする役をしていた。生活の記憶が消えても、学校の学習は忘れないらしくて、勉強の遅れはないようです。
その母が、事故で亡くなった時と重なる時期に真文の記憶が喪失してしまう。そして失踪。=静良井真文には一年半以上前の記憶がない。
記憶の上書き役の母が死亡して、自分が分からなくなった所から1巻が始まる
→日記にある、恋人『M』という男は、誰なのか?喫茶店カナリーのマスター中上衛と二人で、自分が書いた記憶(日記)を辿って、過去の自分探しを始める。
---
感想。
真文は、母似の美人。完璧すぎる美しい容姿を持っている人。
もし真文が暴力性を帯びた歪んだ素地の性格で、魅力的な容姿ではなかったら、どうなっていたのかな?
記憶喪失で挙動不審な状況でも、誰も振り向かなかったんじゃないの?と、読後にタラレバの仮想展開をつい考えてしまいました。
真文が魅力が乏しいキャラだったら、記憶喪失で彷徨しているところを誰かが見つけて助けても、恋人にしようと囲わなかったし、あれほど深く執着して愛した人を探してもらえなかったと思う。
美しい人であることが原因で、よくも悪くも人生を翻弄される主人公。

記憶を失うことは、一つの生涯の中で「4年ごとに死んで復活」を繰り返すことに等しい人生を送るということ。
記憶をなくしたとき=生れ変った白紙の状態の時に、誰かの都合で偽りの過去の記憶を上書きされても、真文の過去を知る人と出会わなかったら、そのままの人生を送ることが可能なので、久遠に良心の呵責がなければ、また違うシナリオになっていたかもしれない。

ずっと探して、真文が考案したカフェを経営しながら、真文が質問してくる迄何も言わずひたすら待ち続けた衛。衛は、真文が疑問を抱くように仕込みを仕掛けている。諦めきれず住まいの傍に夜訪れて、見つめ続けて待っていた。

誰が一番深く真文を想っていたかを考えると、不器用で歪んだ表し方だけど、淋しい生き方をしている久遠の愛の方が深かったんじゃないかと思いました。最後は、久遠が身を引く形で押し出しちゃった・・ホント不器用な役をさせられて気の毒。

1

再び記憶を失った受、マスターからの拒絶に傷ついて
行きついた先。
なんでそんなところに・・と思ったらなるほどなお話でした。
久遠さんにも新しい恋人をお願いしたいわ。
なんやかんやこの人も可愛そうな人なんだなと思ってしまった。

失った過去を取り戻せないまでも
知りたいと辿る回ですね。
失ってしまったものと、失っていなかったもの。
失ってなお繰り返すもの。
どんなに突き放しても一途(執念?)なマスターには泣いてしまう。
大人になった今ではなく、15歳だったあのころから変わらない
そんな行動に思わず胸が痛くなる。

「自分のことも好きになってほしい」

ここが一番好き。
記憶をうしなって、自分のことが分からなくなってしまった
相手でさえなお、愛しいと思う重すぎる愛をささやく攻も好き。
記憶をうしなっても、何度も初恋の相手は君がいい。
結局同じ人間、同じように同じ人を好きになる。
運命ってこういうことをいうのかなとちょっと思いました。

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