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shiawase no joken
好意の始まりは爽やかな感情ばかりではないことや表面上では見えない人間のドロッとした部分の表現が、説明的ではないのにしっかり伝わってくるのが本当に素晴らしくて。
コンパクトにまとまっているけれどもとても奥深くて、なんともクセになる作品ばかりでした。
特に好きだったのは「銀杏のはなし」。
擬人化した銀杏同士が一緒に成長していくなかで、はっきりと恋だとは言えないような気持ちが芽生えていくけれど。
出会ったのも偶然なら別れもまた突然で、ひとりになってからは時間が過ぎるのを待つしかできない切なさに胸が締め付けられました。
その後の再会がとても運命的で、もう生き別れることのないカタチで再び一緒にいられるようになって本当に良かった…!と感動しました。
短編集だけれど物足りなさなんて感じないほど、ものすごく濃密な一冊でした。
短編4本。
表題作は、諏訪が謎めいていて、根岸と距離が縮まるにつれ、真実が明らかになっていくという草間先生らしいストーリー。
いつもながら、先が読めないドキドキと、萌え的なワクワクを感じつつ、盛り上がりと共にタイトルを回収しての終わり方がお見事としか。
これが短編で、しかもBLあるあるやご都合主義なしに、毎作オリジナリティ溢れる作りなのが、改めてすごくて。
絵、構図、背景がどストライクだし、あとがきも大好きです。
キャラも皆チャーミングで。必ず愛らしいところがあるのが好みです。
根岸は拾ったカメを助けてあげようとあたふたしているところがめちゃくちゃかわいくて。そんな根岸を見かけた諏訪は好きになっちゃうよね、と思いました。
諏訪の秘密を知った根岸は、引くどころか受け止めてあげる心の広さ。それがタイトル回収なんですね。
しかも諏訪の女装も引かずに逆に興奮しちゃってw それも女装だからではなく、本来の諏訪がかわいいと確認した!とめっちゃいい奴。
諏訪はテンション低いながら、根岸のことが大好きで、根岸はストレートに気持ちを伝えて、お互い大好きな2人に萌え萌えしました。
「されど美しき日々」は読んだことある、と思ったら「夢見る星座」に収録分の再録なんですね。
山口のことが好きだからと、イジメをたきつけたり、紙袋を被っている姿が辛かったんですが、続編が読めるとは!
瞬へのあてつけ、自分から離れないために山口は紙袋をとらなかったり、周りもそこまで本気でイジメていなかったようでちょっとほっとしました。
記憶が失くなっても瞬は山口が好きで。山口のことは皆がかわいいと思っていると言う瞬に山口が「ねえわ」と言うのが笑いました。
「銀杏のはなし」は草間先生の童話ぽいお話でよかったです。絵が雰囲気にピッタリ合いますもんね。
「根岸の誕生日」は諏訪のヒモパンに根岸がテンション上がりまくっているのがおもしろかったです。
本作で、草間先生のBLマンガ既刊単行本を全部読みました(新刊「いろいろつれづれ」含め)。うれしい〜〜(BL歴浅いもので)
上にも書きましたが、草間先生の世界観が大好きです。
私は基本長編にハマるので、マッチ売り〜やぎさん郵便が好きですが、先生の場合は短編もすばらしいので、短編の良さを教わりながら楽しんで読んでいる感じです。これからも作家買いする漫画家さんの1人です。
数年前に読んだきりなのに、どの話もものすごく記憶に残っています。
不思議な魅力に溢れております。
【幸せの条件】【カレシの習性】 萌2
お人好しのリーマン・根岸が住んでいたアパートが全焼して、「うちに泊まれば」と言う向かいに住む諏訪の厚意に甘えることに。
根岸が隣人の飼い猫だと思っていた猫を「ムル」と呼ぶ諏訪に「あれ?」と思いつつ、根岸は諏訪を意識し始めて…。
火事こそ偶然だけど、ストーカーも報われることってあるんだなという話です。
おおらかな根岸と心配性な諏訪のバランスが絶妙で、良いコンビ。
諏訪の姉や兄のキャラも濃いので、この2人を絡めてもっと読みたくなる2人でした。
【おかしな男】 萌2
高校生の斉田は、母親が単身赴任の父の元へ行く度に宅配ピザを頼む。
月に2回のピザの日は、ピザ屋でバイトする同級生の橘とピザを食べて勉強を教えて…。
男子高校生とピザ、似合い過ぎます。
相手が好意を持っていると思っていたけれど、もしかして逆だったんじゃ…?と気付いてしまう話。
橘が斉田を意識し始めた瞬間の回想で終わるラストが短編映画のようです。
【されど美しき日々】【あらかじめ消える世界】【愛と秘密の記録】 萌2
小学校である日突然いじめられるようになった山口。
急にひとりぼっちになった彼に手を差し伸べてくれたのは委員長だけだったが…。
策にはめても欲しいものは欲しい。
小学生だから、余計に欲望に忠実なのか。冷静に考えると恐ろしい。
中学入学直前に姿を消した委員長に、偶然再会するものの、恨みよりも嬉しかった記憶の方が先立つ山口が単純だけど可愛い。
そして交通事故で記憶喪失になっても、山口への恋心は急速に蘇る委員長もいい。
ほんとに冷静に考えると酷いんだけど、終わりよければ全て良し。
嫌な感じが一切しないのは、草間マジックなのかなあ。
【銀杏のはなし】 神
大好きです、この話。
街を見下ろす山の上にある神社に植えられた2本の銀杏の雄株。
共に成長し、同じ時間を過ごした2人が、死によって分たれるまでが情緒たっぷりに描かれています。
そして素敵なラストに、運命ってあるんだねと目頭を抑えてしまうはず。
時間の流れと重みを感じられる、素晴らしく素敵な話です。
策にはめる系が多いけれど、好きだからこそ。
いじめは良くないけど、家まで着いて行くとかって中学校の頃とか、周囲の女子たちはよくやってたよなあ、なんて懐かしい記憶が蘇って来ました。
銀杏の話はたくさんの方に読んでほしいなあ。
草間さかえさんの作品は結構読みましたが、この短編集は読み返す頻度が高い作品です。
表題作の受けのりくがミステリアスで、アンニュイな良い雰囲気の持ち主です。
攻めの根岸さんは年上ワンコって感じなのですが、りくは魔性ネコとでもいいましょうか。
根岸さんのことを好きになり、ストーカーな行動をするのですが、根岸さんのアパートに火をつけたのがりくなんじゃないかとハラハラさせられましたね。
何の予告もなしに女装で根岸さんを迎え入れたり、根岸さんの誕生日に女性物の紐ショーツを履いて仕事に行ったりと、攻めを翻弄する魔性体質のりくがお気に入りです。
他の短編もとても良い作品揃いです。
されど美しき日々のカップルも好き!
あと草間さんの描く子供はめっちゃ可愛いです♡
草間先生は「マッチ売り」シリーズの長編しか読んだことがなかったんですが、短編集も素晴らしいですね。
カプの組み合わせで4作品収録されてますが、いずれも結末に一捻りあって、やはり実力ある漫画家さんはうまいなぁと感じました。
内容については他の方がたくさんレビューされているので割愛しますが、印象的だったのは1番短いお話「銀杏のはなし」。
人外・擬人化ものってあまり読んだことがないんですが、穏やかな気持ちで萌えを感じることのできた素敵な作品です。
草間さんの甘々ほのぼの系大好きです。
しかもなんというか余白があってこちらに考えさせるような。そして余韻が残りいつまでも心に残るような。しかもちょっと不思議な感じがするような。
これは根岸がいい人でしょう!
なんというポジティブシンキング!こりゃ幸せになるよ。
そしてそんな根岸を見かけて好きになっちゃう諏訪。後を尾つけて自宅を見つけ向かいのアパートに引っ越し。大胆だね!
しかも根岸の隣の空き部屋に忍び込んで飼い猫を連れていき、根岸の部屋へ遊びに行かせてなつかせる。徐々に策士なんだとわかるんですけど読み手に嫌悪感は全くわかず、逆に健気にそこまで頑張ったんだと愛しく思えます。
根岸の夢の中の出来事も不思議でしたが諏訪と本当にあれやこれやしてたんですね。
諏訪の女装に可愛い!と驚いて単純に喜ぶも、女装に萌えた訳ではなく猫がいないから張り切っちゃったわけで。
それに諏訪が猫の飼い主で火事に居合わせ皆を助けたことも知っていて。
アパート全焼で何もかも失っても信条を貫いて。
二人ともとっても魅力的です。
いいお話でした。
私もこんなに前向きに生きられたらいいなあ。
草間さかえ先生の作品がとにかく好きです。
◾︎幸せの条件
諏訪(受け 表紙右)は草間さかえ先生の中でも結構不思議なキャラだと思う。あまり可愛い受けを描く印象がない草間先生ですが、諏訪は可愛い系。しかし性格というか中身は割とぶっ飛んでる。
◾︎されど美しき日々
「夢見る星座」収録の短編の再録と、その続篇です。「夢見る星座」では、すこしもやっと感が残っていたのですが、続篇まで読んだらじわじわと全員の思惑が伝わってきて、より好きな作品になりました。
◾︎銀杏のはなし
ファンタジー系はそんなに好きじゃないんだよな〜と読み進めたら、自分の馬鹿野郎!と。大好きです。読めてよかった!この作品だけでも神!!たった16頁の作品で涙がじわじわと。寂れていく社、時代の移り変わり、短いからこその表現の妙が溢れています。
※電子書籍 ひかり
カバー裏あり
執着を感じさせるものから爽やかなものまで、4作品で様々な恋模様を描かれていたように思います。表題作と『されど美しき日々』は前者、『おかしな男』と『銀杏のはなし』は後者といったところでしょうか。私は『されど美しき日々』と『銀杏のはなし』がお気に入りです。
◆されど美しき日々
昔いじめられるようになった受けと、そんな彼に手を差し伸べてくれた委員長の攻めの話。久々に再会したら委員長は事故で記憶喪失になっており、その時のことを忘れてしまっていました。しかし、委員長がつけていた日記などから当時のことを辿っていくと、子供ながらに彼が必死に受けを手に入れようとしていたことが分かります。純粋な好意が高じて執着一歩手前のところまで足を踏み入れてしまったという感じ。ただ、記憶喪失とか執着というワードがちらつくものの、そこまで暗さを感じさせるような話でもなく、笑えるところもありながらさらっと読める作品だと思います。
◆銀杏のはなし
銀杏の木を擬人化したもの。攻めも受けも着物に髷という姿で古風な雰囲気が漂っています。短い話だからこそ、逆に印象深かったです。幼少期に出会いずっと一緒に過ごしてきたのに、片方が先に枯れてしまいます。そこから時間が流れて、2人は思わぬ形で再会します。その描き方が粋だなぁ、と思わずぐっときました。1人は現代風になっており、でも先に枯れてしまった彼は昔と変わらぬ姿のままで、というところもすごく素敵でした。銀杏のお皿が欲しくなりますね。
2話構成+αのお話が2篇と読み切りが2篇、計4つのお話が入っています。
読み終わったらまたすぐもう一読したくなる巧みなストーリーラインはとても草間さんならではという感じがします。
言葉では説明し難い、独特の浮遊感も草間さんならでは。
草間作品の魅力を美味しいとこどりしたような作品群で、初読みにも良いんじゃないかと思いました。
前作「ワンダーフォーゲル」のような読み取りにくさはないので、気負わず手に取ってOKかと思います!
【電子】シーモア版:修正○、カバー下○、裏表紙×、シーモア限定特典(メッセージ入りカラーイラスト)付き
幸せの条件、おかしな男、されど美しき日々、銀杏のはなし、計4作品のカプを楽しむことができます!!どの作品も"神"です!オススメです!!勿論BLとしても面白いんですが、物語がすごく素敵(^^)!!
☆幸せの条件&カレシの習性☆(表題作)
火事で家を無くす根岸(攻)と、向かいに住む諏訪(受)の、純愛です(^^)まさか諏訪が根岸のストーカーだったとは笑!でも素直に告白し、根岸になぜ惚れたか伝えるところがいいなって思いました。根岸も諏訪に惚れてるって薄々分かっていたのかもなー。根岸の隣の部屋から聞こえて来た猫や人の気配、でも3ヶ月前から空き部屋…諏訪が(不法侵入だけど笑)そこにいたから、家事が最小限にとどまっていた事実。読み始めに疑問に思っていたことは、読み進めていくと色々繋がって分かっていくんですけど、それが面白いですよ(^^)!!女装した諏訪を可愛いと思う根岸が、でもいつもの諏訪が1番だって思うのが、私も嬉しくなっちゃいました!
☆おかしな男(攻めと受けはハッキリ分かりませんが、同級生カプです!)☆
きっかけは注文したピザを橘が斉田宅へ配達…以降勉強を教えてもらう代わりにピザを持ってくる橘に、"こいつ俺が好きだろ"と思い込んでいた斉田は、ある日それは勘違いで自分のが執着していることに気がつくお話です(^^)
お気に入りシーンは、橘が斉田に告白したら斉田がうろたえるんですが、その時橘が"斉田のハッキリした所が好きだけど 俺の事で迷ってくれるの嬉しい"と伝えます(^^)すっごくキュンとしました!あと、斉田が、自身の気持ちに気がついて逃げるように去る所も可愛いー!!
☆されど美しき日々&あらかじめ消える世界&愛と秘密の記録☆
小学校時代、見た目をいじられイジメにあっていた山口(受)の唯一の味方だった委員長 瞬(攻)は、ある日別れも告げずに転校します。高校生になって偶然再会した2人…交通事故で記憶喪失となった瞬は小学校時代の事を覚えていませんでした。実は味方だった瞬こそが山口にフラれた腹いせにイジメを煽った奴だったこと、転校を嫌がって家を飛び出して交通事故にあっていたこと、山口をいじめていたことを悔いていた日記を親が見つけて逃げるように転校したこと、次々と山口は事実を知る事となります。記憶が無くても山口を変わらず好きだと伝える真っ直ぐな瞬と、本当はずっと前から好きだった山口の、両片思いが無事実るお話です(^^)
まさかのお前か瞬…笑!!好きだからフラれて恥ずかしくて、いじめのきっかけを作っちゃって、でも山口の唯一の味方となって、小学校時代を過ごす瞬…うーん複雑ですねぇ。しかも!のちにわかる事実!山口と離れたく無くて転校を拒絶して家を飛び出したら事故とか…しかも記憶喪失!!不運重なりすぎ(/ _ ; )母親も瞬のノート見つけちゃったら、悪いと思いつつ何も山口に告げて逃げるように転校。。。こうして高校生になり再会できたことは奇跡だと思います!!明かされる事実が山ほどあり、すっごく面白かったー(^^)"(山口をいじめていた)昔の僕は嫌い"や"(記憶がないから)他人だ"と、自身を責めつつ現実から目をそむけようとする瞬に、"別人じゃないよ お前だよ"とハッキリ伝えた山口が素敵だなと思いました!
☆銀杏のはなし☆
涙が止まらなくなります…ヤバイ(/ _ ; )ある山に植えられた2本の銀杏の木が、枯れても、お皿として生まれ変わって、再開するお話です。切なくて、でも最後に、温かい涙が出ます。あ、また泣きそうだ。
☆描き下ろし 根岸の誕生日☆
表題作の描き下ろしです(^^)根岸の誕生日を女性物下着を履いて祝おうとする諏訪のお話です!早退宣言する根岸が可愛い笑!
今回は読みやすい作品が揃っていて、ちょっと安心v
それでも表題作は、つい途中で最初に戻って読み直しちゃいました。
相変わらず説明不足な感じですが、
草間さんの場合、すでにそれがデフォルトになっていて、
読者ももう驚かない!
さらに読者の方がその辺を色々自分で引っ張り込んで、
織り上げていくのがまた楽しくなっちゃっている!
今回のお話はちょっと病んでる系の人が多かったですが、
お相手の方がそこを全く気にしてなかったり、
嬉しく思っちゃったりしているので、
相殺されてハッピーエンドになってしまう。
そこが草間ワールドなのかと!
少し毛色の違う銀杏の木のお話は、
雑誌掲載時に読んでうるりとした覚えがあります。
よかったねってv
どこか少し物悲しさを感じつつも、
最後はいつも綺麗にハッピーエンドで、
収まるところに収まってくれる。
その安心感は健在!
ちょっと迷いましたが、
銀杏のお話に背中を押されて「神」評価で!
草間さんの作風と絵柄は本当に個性的で
独特の雰囲気をお持ちなんですが
大好きな要因はやはり攻めが受けを好き過ぎるところでしょうか。
あとがきでお書きになってましたが
そこもまたいいんですよ!!!!って熱弁したくなりました。
『幸せの条件』『カレシの習性』
お人好しリーマン・根岸は自宅のアパートが火事になって困っていたところ
向かいのアパートの青年が助けてくれて…。
無害そうな青年・諏訪くんが実は…というのに多少驚きましたが
それだけ好きって事で全然問題無いです。
眠ってる間に何かした感覚がある設定を
草間さんはお好きなようですねww
私も好きです!
無意識に触ったりってエッロいですもんね。
受けの女装は似合わない方が好きなはずだったんですが
諏訪君はめちゃくちゃ可愛いので文句ありませんし
いつもの諏訪君が一番可愛いと言ってくれる根岸さんは
やっぱり素敵な攻め!!
『おかしな男』
ピザ屋でバイトしている同級生・橘の好意を感じつつ
安くしてもらっているお礼に勉強を教えている斉田。
最初は面倒だと思ったのにいつしか…。
宅配ピザって美味しいけど本当にお高いですよね…(そこじゃない)
読みきりだけど満足感を得られてしまう健気ワンコ×ちょっとクールな秀才ツンでした。
『されど美しき日々』『あらかじめ消える世界』『愛と秘密の記録』
まさか続きを読めるとは…!!!
でも『夢見る星座』のコミックスに収録されていた当時、
いじめられていた描写が可哀想であんまり読み返せなかったのです…。
今でもやっぱり悲しいけど、甘い二人が読めて嬉しかったし
山口くんを好き過ぎる委員長イケメン。
『銀杏のはなし』
表紙を含めて16ページ。
何度も何度も繰り返して読みました。
擬人化やファンタジーはあまり得意じゃない私ですが
読み返す度に涙がこみあげて来て
言葉にならないほど胸がいっぱいになりました。
お陰様で週末は草間さかえ祭りを開催させていただき
(所有している既刊を読みまくり)
どっぷり草間ワールドに浸り幸せでした。
とにかく物凄い漫画家さんだとしかもう言いようがない!!!!!
草間さんの作品は友人が好きで、よく借りて読んでいました。
今回の単行本は短編も含まれており、色々と読めるなぁと思い購入しました。
感想としては、すごい、良かった。
私の語彙力が低いのもありますが、草間作品の感想はだいたいコレです。
安定感はんぱねえ。
話の構成もそうですが、読後の空気感がなんとも心地よい、、
なんかBL読みたいな〜読後の心は平和でいられて適度にエロも楽しめるやつがいいな〜〜
はい、コレェ!!草間作品!!!!
とりあえず草間作品押し付けとけば間違いないですよね。
とくにこの本は読みきり短編ばかり!
気持ちよくすっきりとなんか読みたい欲が解消されます。
また、草間さんの作品の攻は、だいたい身体が大きく顔がよくお人好しで一途でかわいいです。めちゃくちゃかわいい。
かわいいワンコ攻が好きな人は読むべし。
しかもタイプはいつも同じなのに話は全然違うから、いつでも新鮮な味わい…すごい…BL市場ですか…
というわけで、とっ散らかってしまいましたが、買って損はないぜ!という私の思いが存分に伝わったと思います。
ぜひ読んでみてください。
一番最後に収録されていた【銀杏のはなし】が一番好きでグッときたので、真っ先にレビューします。
【銀杏のはなし】
神社に植えられた二本の銀杏の木(雄木)の擬人化。
植えられた当時は小さな株だった彼らもぐんぐん根を生やし大きく育ち、仲良く時を過ごしていたけれど、ある年、片方の木は枯れてしまい…。
長い年月を経ての思わぬ形での再会に泣けてしまいました。
こんな短い話なのに、読み手の感情をここまで揺さぶってくるなんて凄いなぁと思いました。
【幸せの条件】その続きの【カレシの習性】【根岸の誕生日(描き下ろし)】
サラリーマン根岸と、その向かいに住んでる青年・諏訪くん。根岸の住むアパートが火事で焼失したことをきっかけに諏訪の家に住まわせてもらうことになります。
火事の原因、根岸の隣の部屋の謎、隣で飼われていたはずの猫といった小さな伏線がやがて繋がって、一連のお話になるという草間さんらしい作品。
女装した諏訪くんとのエッチがいつになくエロかった…。
【おかしな男】
男子高校生もの。
たわいない会話をしながら一緒に勉強しつつ、内心では、多分あいつは俺のこと好きなんだろう。毎回毎回そんな態度でバレないと思ってるのかよ…と思ってる斉田。
単なる自意識過剰なのか、それとも本当に相手が自分に恋してるのかを見極めようとしたり…と勝手に一人でグルグルしてるところが好きです。
【されど美しき日々】
2007年に出版された「夢見る星座」にも収録されている作品で、今回こちらの本に収録し直すにあたって「ものすごく手直しをした」とあったので、どう変わったのか「夢見る星座」に収録されている作品と見比べてみました。
その結果、セリフ、筋書きに関しては一切修正がなかったです。仕草なども一切変更なし。
変わった点は、古い方は委員長が頭がちょっと小さくて、肩幅がその割には広いといったアンバランスさを(でも比べて見ないと解らない程度の)更に良好なプロポーションに変更したり、顔の表情がより的確に描かれていたり(顔の表情の変更そのものはなし)…委員長の目元が少しだけ睫毛が濃くなってイケメン度が増したかなという程度で、逐一見比べないと解らないレベルでした。
「夢見る星座」には【されど美しき日々】しか収録されていなかったけど、この新刊にはその続編【あらかじめ消える世界】【愛と秘密の記録】が収録されています。
草間ファンです。
草間作品は読者を選ぶというか、読み手に親切ではないです。
セリフも独白も最小限で哲学的。私は一度では理解できないことが多いので、何度か読み返して納得するという作風です。とくに「ワンダーフォーゲル」はなかなか理解できなかったなぁ。
でも今作は違います。人柄のいい男とそれに恋するかわいい男の 猫がらみファンタジー。わかりやすくトントンと話が展開します。ゲイとノンケの問題をサラっと超越して話が進むのも草間作品の特徴です。湿り気がなくとても乾いてる感じもします。さらに言うと草間さんは絵がいいのです。キラキラしたアニメ絵風でもおしゃれイラスト風でも少女マンガ風でもない粗いタッチで、デッサン画に近いです。でもキャラをその設定年齢の見た目に描けるのは BL界では草間さんが一番だと私は思っています。若い美形もダンディな中年もサラリーマンも学生も見事に描き分けてくれます。
同時収録の「銀杏のはなし」は人間ではなく木の話ですが、時を超えての再会にグッときました。しみるおはなしです。
作家買い。
独特な絵柄と世界観は草間さんにしか描けない作風だなといつも思っているのですが、草間さんの新刊も草間ワールド満載な作品だったように思います。
4つのCPのお話が入った短編集です。
表題作『幸せの条件』
主人公は人の良いリーマン・根岸。
お人好しで常に思いやりを持って行動するナイスガイ。
そんな彼ですが、彼の住むアパートが火事に遭うという憂き目に。自分の家が燃えて無くなったしまったというのに、彼が真っ先に心配したのはアパートの隣人の飼っていた猫。無事に逃げられただろうかと心配していた彼ですが、その猫はお向かいのアパートに住む諏訪のもとにいた模様。
家がなくなってしまった根岸は、猫をきっかけに諏訪の家に居候させてもらう事になるが…。
アパートが火事になった理由。
猫の元々の飼い主である根岸の隣人の存在。
そして諏訪との接点。
読んでいるときにちょいちょいと小骨が引っかかるような違和感を感じつつ、けれど、それらが最後にぱちんとパズルのピースがはまるように謎が解けていくストーリー展開はさすが草間さんというべき素晴らしさでした。
『おかしな男』
主人公は両親が不在のため(不穏な理由ではないのだけれど)一人で暮らしているDKの斉田くん。
ピザのデリバリーを取ったときに、バイトとして持ってきたのがクラスメイトの橘くんで、そのことをきっかけに急速に距離が近づく二人だが―。
DKらしい、というのか。
青く、若い、グルグルする彼らの恋心に萌えが滾ります。
『されど美しき日々』
あとがきで草間さんが書かれているのですが、この作品が描かれたのは2006年だとか。
手直しした、とは書かれていますが、それでも古さは一切感じない。
主人公はDKの山口くん。
小学生の頃、「ヘンな顔」という理由でいじめに遭い、孤独な日々を過ごすことに。
ところが、そんな彼に常に手を差し伸べ、共にいてくれたのは「学級長」。彼の存在だけが、孤独な山口くんの心の支えであったのだけれど、ある日、突然何も言わずに学級長は転校してしまい…。
草間さんらしい、というのか。
ややシリアスな展開のストーリーです。「いじめ」という人によっては地雷感満載な題材なのですが、このストーリーのキモは、単純にいじめというだけではない。読み進めていくうちに、少しずつ見えてくる彼らのバックボーンだったり、内面だったり、そういうところの描き方が非常にお上手で、一気にストーリーに引き込まれます。
全てを知り、そのうえで彼を受け入れる山口くんの男気にほれぼれしました。
『銀杏のはなし』
銀杏の木の、擬人化のお話。
遠いところから、とある神社に連れてこられた2本の銀杏。正反対の性格の彼らですが、ともに過ごし、幸せな時間を過ごします。ところがそんな彼らに襲った出来事とは…。
孤独に耐えつつ、それでも「彼」を忘れられない銀杏の想いに胸が詰まりました。すごく短いお話なのに、ここまで萌えを盛り込むことができる。さすがだぜ…、としみじみ思ったりしました。
短編集は短いがゆえに作家さんの技量が端的に現れると個人的には思っているのですが、この作品は草間さんの魅力と萌えがたっぷり詰まった粒ぞろいの短編集だったと思います。