セキュリティ・ブランケット(上)

security blanket

セキュリティ・ブランケット(上)
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神66
  • 萌×233
  • 萌10
  • 中立8
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
19
得点
500
評価数
123
平均
4.2 / 5
神率
53.7%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
セキュリティ・ブランケット
発売日
価格
¥640(税抜)  
ISBN
9784199009006

あらすじ

ハシバミ色の瞳にウェーブの巻き毛──異国の血を引く華やかな容貌と裏腹に引っ込み思案な高校生の宮。幼い頃母を亡くし路頭に迷った壮絶な過去を持つ宮は、新進の陶芸家で叔父の鼎が親代わりだ。のどかな田舎町で暮らす二人を訪ねるのは、鼎の長年の親友でカフェ店主の高砂に、面倒見の良い幼なじみの国生。宮にとって掛け替えのない男達は、それぞれ人に言えない秘めた恋情を抱えていて!?

表題作セキュリティ・ブランケット(上)

高砂沙耶花、鼎の友人でカフェのオーナー
宮龍之介、叔父の鼎と暮らす高校生

同時収録作品セキュリティ・ブランケット(上)

十階国生、鼎にベタ惚れの宮の友人
小林鼎、甥を育てる高名な陶芸家

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数19

群像劇~

大人組がとても大人で歯がゆい!

四者視点、五角形+α、恋模様も家族愛の入り組み方も見事。
運命?タイミングの無慈悲さ、
好きな人を守りたい、幸せになって欲しいからの心情や行動、すれ違いが切なくて、愛って偉大!!となりました。

気丈に振る舞う宮の健気や優しさには胸を打たれるところがあり、サヤの包容力も分かる。
なんといっても、鼎の強くて強くて脆いとこ本当に魅力的すぎました!
そして、それを支えてた万ちゃん!

矢印があっちこっちしてて、どうなるどうなる?な物語り運びではあるけど、
表紙を見れば、サヤカナ、万ちゃんがないことは予想できるので、
大人組派な私は途中でトーンダウンしてしまったのですが、
下巻からスピードアップして読めました。

0

上巻読了後もメインのカップルが判然としません

ネグレクトの末に母親が事故死して孤児になった龍之介。
龍之介を引き取り、固く閉ざされた心に愛情を注いで彼を育てた陶芸家で叔父の鼎。
鼎とは高校時代の同級生で、カフェを営むフランス帰りの高砂。
鼎に恋をし続け身を焦がす、龍之介の友だち国生。
陶芸家としての鼎と、愛人としての鼎を包み込む既婚者の万座。
恋にうつつを抜かす実父に愛想を尽かして家出し、高砂の家に転がり込んだジェシー。
というように、やたらに情報量の多いキャラクターがたくさん登場し、恋愛の矢印があっちこっちへ飛び、章立ても4人の視点で次々に語られます(龍之介、鼎、高砂、国生の4人)。
また、本当は他にも、鼎を好き過ぎて龍之介の腹を包丁で刺した女性や、龍之介の実父を名乗る外国人がいますが割愛します。

読み始めた当初は面白かったんです。上下巻だし、まだ先は長いし、どうなるんだろうとわくわく読んでいたのです。
実際、著者の文章は読みやすく、ページ数の割にメインキャラが多いですが、色分けされるように個性的で混乱はしません。会話が続いても誰の言葉か分かりますし、章ごとに視点が変わっても自然に読み取れます。
ですが、上巻を読み終わった段階で、カップリングがいまだ判然としません。
もしかしたら、この群像劇こそがこのお話の主眼で、カップリングを敢えて外しているのかもしれませんが、いわゆるカップルが二組とかではなく、片思い矢印があっちへこっちへ飛び交っているので、誰の恋愛に寄り添って読めば良いのかよくわからないのが正直なところです。
鼎と高砂は、学生時代にお互いに恋していたものの相手がゲイと思わず気持ちを隠して友だちづきあいを続けています。大人が本気の恋を巧妙に隠した、両片思いです。
一方で、鼎は年上の万座とセフレといっていい関係にあり、年下の国生からは熱烈に恋い焦がれられこちらもセフレみたいな関係にあります。
また一方で、龍之介は高砂が初恋の相手で、高砂も龍之介に好意を持っています。
鼎と龍之介は恋愛関係ではないですが、お互いを大切に思い合っていますし、ジェシーは高砂を好きで、龍之介を敵認定しています。矢印が多すぎます。
お好きなカップリングを好きなように応援してくださいね、という感じなのでしょうか。一冊読んでこんなに戸惑ったのは初めてです。というわけで、下巻の展開も読めない状況です。

1

セキュリティ・ブランケット=ライナスの毛布

泣けるBL
セキュリティ・ブランケット=ライナスの毛布=子供が抱いて安心する御守り、抱き毛布
タイトルの「安心毛布」が指す意味は、下巻の最後尾にある情景。
・・・ 龍之介がおたふくかぜにかかったとき、龍之介の吐瀉物にまみれながら、吐き続ける龍之介を抱きしめて背中をさすり、子守歌を謳うように「ヘーゼルナッツ王子」と語り掛けた人がいる。
龍之介が時々夢に見る「愛されている、生きていいのだ」と満たされる情景の記憶。龍之介は、その人は鼎だと思っていた。
・・この場面、凄く泣けた。

幼い龍之介は、夜の仕事に就くシングルマザーの母と二人暮らし。
仕事に行く前に「いい子にしててね」といって母親は行く。
時々帰ってこない日があり、毎日帰ってくるわけじゃない。
「いい子で・・」といって出かけて帰ってこなくなった母。
母の仕事場に探しに出るが、母はいない。
飢えてゴミ箱の果物を漁っているところを警察に保護される。
母は事故死していた。保護者として引き取りに来たのは、母の弟・鼎。
叔父の鼎に「いい子にするから捨てないで」と泣く龍之介、
・・・この場面も切なくて泣けた。

★鼎が龍之介の保護者となり、龍之介が飢えることは無くなる。だけど、心は癒えてない。

★「いい子に・・」の母の言葉と飢餓体験がトラウマになり、呪文のように龍之介をずっと縛り付け、感情を表に出せない。
「いい子でいること」の魔法を解除する人は、下巻に登場。

★高砂も鼎も、十分に愛されない家庭環境に育ち、心に傷を持つ。

★普通の家庭に育った国生は、思いやりに欠け、強引で幼い行動が鼻に付く。

0

つくづく、他人の恋の盲目さって痛いな

上巻、2017年刊。
やっと凪良さん作品を読んだ。
あとがき曰く、登場人物四人交互視点との事だが、ややこしさは感じずに各キャラの個性を掴み易かった、とは思う。
ただ、各章ごとの格言めいたサブタイトルにはピンとこなかったが。

メインの四人だけでなく全ての登場人物がおしゃれで、脳内ではトレンディドラマを彷彿とさせられるものがあった。
主人公・宮から見ての叔父さんの鼎(かなえ)もおじさん(笑)呼ばわりされちゃった高砂もそれぞれモテモテですな。
特に高砂の、無自覚に相手を射止める粋な伊達男ぶりは堪らない。
大人の中で一番紳士然としていたし。

宮が唯一人周囲に気を使い過ぎて委縮する性格が尋常じゃないってのもあってか、周囲の自己主張の強さが目立つ。
良く言えば皆キャラが立っている訳だが。
そこにドロドロしたものは無くとも、どうして我を持った大人達が自身の為に毅然と振る舞っていても縺れが生じるのだろうかね。

それにしても、花房は地雷女級だし、ジェシーは自分が可哀想だからと宮を攻撃してウサを晴らそうとするわで、のどかな生活を引っ掻き回してくれちゃって…
未成年という盲点に気付いていない故、年上の想い人に負担をかけるのに気付けない国生もちょっと苦手かも知れない。
つくづく他人の恋の盲目さって痛いな…なんて感じてしまった上巻だった。

周囲の意図しないところで誤解したり傷ついた宮が、下巻ではちゃんと癒されるのか心配になってくる。
どうも自分は受けが可哀想になってくる展開が苦手なので、早く高砂と宮がくっついて落ち着いてほしい。
鼎が過保護を卒業しても、そもそも宮との叔父・甥関係は変わる事がないから問題はないはずなのだけどね。
そんな鼎も自身の恋愛には踏ん切りがついていないようで…
ま、肝心の自身の三角関係をささっと決着付けて。
 

0

登場人物がみんなイイ

当初は登場人物とカップリングの多彩さに頭の整理が追い付きませんでした。
ちよっと落ち着け自分。一回整理しよう、
と何度立ち止まって読み返した事か…
複数キャラがここまで絡んで進行するお話ってなかなかない気がします。
キャラ一人一人がどれも際立っていて、うるさくなりそうなのに上手く絡み合っていて。
今後の関係性がどう展開していくのかがとても気になります。
あー早く続きが読みたい!
上巻しか買ってなかったのをとても悔やんでます。

0

下巻は情報を入れずに読むことをお勧めします!

上下巻読み終わってからの感想です。

とにかくまずは、上巻はまだしも、
下巻はこのちるちるの感想や情報など入れないで、
まっさらの状態で読むことをお勧めします!

上巻だけでもなかなかショッキングな展開で、
あぁぁぁぁ〜( ;∀;)と何度叫んだことやら!

四人の登場人物のそれぞれの視点で、
代わる代わる物語が語られ進んでいくのですが、
その展開でも、
読んでいる読者の気持ちがバラバラにはならず、
ちゃんとそれぞれの心情が染み込んで来ます。

それぞれにそれぞれの強い想いや、
過去や今の溢れ出る感情があって、
それをぶつけ合ったり、ひたすら我慢して隠したり。
それを登場人物それぞれの視点で描いて、
一つの物語としてまとめられるのは流石です!

前半は宮くんの過去に泣かされます。
その過去あっての鼎との繋がりなのですが、
ホント、切ない!

出来ることなら、
私は万座さん視点の章も読んでみたかったです!

上巻の評価としては、
絡まりすぎた感情のもつれ具合に「萌×2」!

1

恋って本当にままならない

発売してわりとすぐ拝読した時は
え、嘘、そこでまさかのあー待って待ってどうなるんだ!?と
だいぶ落ち着いていられなかったので
久しぶりに再読させていただきましたら
やっぱり落ち着いていられませんでした。
龍がどれだけ不憫なんだろうと涙無くしては読み進められませんし
鼎の深い愛情にまた泣いてしまいますが
自身では白黒はっきりさせられない想いがあったり…。
見習いたいくらいの高砂の忍耐力と優しさ、
国生の若者らしい一途で怖いもの知らずな恋心、
万ちゃんのこれぞ大人の男という懐のでかさなど
交差する気持ちがめっちゃスクランブル!!!
それぞれがもちろん真剣で想いを遂げたいけど
わがまま放題でいられるわけがないし(一部を除く)
相手を慮るのも人として当然なわけですよね。
自分の気持ちですらわからなくなったりするんだから
他人の気持ちなんて知りたくてももっとわからないのに
愛が深いがゆえに「きっとこうなんだろう」という前提で考えられる面々がとてもいとおしいのです。
気遣いあうのも大事だけど本音をぶつけあるのはもっと大事。
色んな事情がありながら、みんなに幸せになってもらいたいと心から思える上巻でした。

ちなみに私はどうしても年下攻め×年上受けが好きなので
やっぱり国生のかたを持ちたくなってしまう…。
どうしようもなく好きなのに打っても響いてくれないようなあの感じ…。

2

期待しすぎました

帯に「凪良ゆう先生の作家生活の集大成」という煽りもあったため、期待しすぎたかもしれません。登場人物が沢山出てきて、複雑に絡み合う多角的なラブストーリーに期待を膨らませていました。いつ面白くなるのかと読み進めましたが、物語に起伏が乏しく、全体的に単調に感じました。登場人物や世界観に没頭までいきませんでした。タイトルは所謂「ライナスの毛布」の様な感じでしょうか。。

オシャレ系なストーリーですが、ディープだったりマニアックなものに惹かれる傾向にある自分には、テイストが合わなかったみたいです。こういう視点が次々別の登場人物に移る小説も色々読んできましたが、どこか表層的な人間関係が繰り広げられられている様に感じ、余り作品に入り込めなかったです。主要な登場人物同士の呼び方や思考回路が女性っぽいのも気になりました。ゲイというのが影響されているのは分かるんですが、あまり萌えなかったです。

また章ごとに洒落た格言的なタイトルが付けられているのですが、エピソードが短いので、その格言を味わうまでに至れなかったのも気になりました。テーマや構成的に難しい試みをされたんだと思います。何だろう…。作家さんの安定の筆力は感じるけれども、自分の感性に合わない事に、奥歯に物が挟まった様な感じでした。好みの問題もあるので、こういう作品が好きな人は好きだと思います。

4

強そうなのに、脆い

一度読んで、胸がいっぱいすぎて感想が書けなかったので、再読。

18歳の龍、国生。37歳の鼎、高砂。4人の視点で進んで行きます。


18歳の龍は、叔父の鼎と2人で暮らしています。幼い頃に母を亡くし悲惨な辛い思いをした龍を、鼎が20代で引き取ってからは大事に大事に育ててきたのです。そんな龍と、鼎の友人の高砂。鼎と、龍の友人の国生、パトロンの万座。5人の複雑に入り組んだ恋と、家族の話です。

龍の優しさは強いけれど、頑張るほどその容量はオーバーしてしまう。鼎も、美人でクールで情に厚くて、強そうに見えても脆いところがある。2人のエピソードを読んで、2人の愛情の深さを知ると、愛おしく思えます。龍を思い切り抱きしめたくなります。

複雑なところで後編に続くので、これから購入をお考えの方は前後一緒に購入することをオススメします。

1

愛情に恵まれなかった子供が成長してままならぬ恋愛にじたばた

叔父の友人 高砂に思いを寄せる高校生 宮
(宮は高砂は叔父が好きなんじゃないかと思って半ばあきらめている雰囲気)

その宮の叔父 鼎を密かに想う宮の友人 国生は望み薄ながらも諦めきれずにいる

高砂と鼎は両片思いっぽい

鼎と友人の万座がセフレらしい

と最終的には誰と誰がカップルになるのやら??みたいな感じで話が進みます。

国生以外は幼少時代親に愛されなかった子供ばっかり
そして複雑で面倒な大人になってしまうんです。

格言みたいな章のタイトルがおもしろいです
なるほどと思わず感心してしまいます。

3

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