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人間×サイボーグBL
sabi no yume
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
上巻発売時の作家さんインタビューの「育成メルヘン」がピンと来ず。
仄暗さが下巻への不安となり、本当に?メルヘンなの??と思ったのですが…。
本ッ当に育成メルヘンに練り上げられてた!
すごく可愛かったです。
「ただただ、いっしょにいたい」と願う聡夫くんの純粋な想いと、
聡夫くんに寄り添い大切にする進藤にキュンキュンでした。
もちろん事が事なので下巻でも闇は見え隠れし、腹の中の鉛は消えないけれど。
それでも聡夫くんが幸せそうに笑う姿がめいっぱい見られて嬉しいです。
最初は赤子同然のまっさらで、感情もなにもかも消え去ったセクサロイドでした。
しかし「まっとーにしたいと思っちゃう」という進藤の想い通り、覚束ないながらも言葉を覚え、羞恥心を覚え、進藤への好意・勉強疲れ・抵抗 etc.…様々な人間らしい感情を取り戻していきーー。
その状態で性玩具にされる描写がなかったのは、読み手としても救われたかな。
(まだセクサロイドだった時の回想はちょこっとありましたが…)
サイボーグではなく人として接し、教える。
進藤の姿勢は一貫したもので安心だったけど、進藤以外の人間はというと。
汚いモノだの、試作品だの、鉄と肉の塊だの…(怒怒怒)
非常に胸糞悪い話だけどココではそれが普通で、割り切れない進藤が「気持ち悪い」んだそう。
周囲との温度差が腹立たしく、悲しかったです。
進藤自身も変化があったのにはジンワリしました。
無気力・無表情で何の興味もないという体だった進藤。
聡夫くんのことで少し熱い部分がチラホラと…。
表情も柔らかくなって自然と笑いかける進藤にキュンキュン(∩´///`∩)
で。ぶっちゃけて言うと、進藤と聡夫くんは最後までしてません。
聡夫くんはしたそうにしてたけど進藤は戸惑いの色が…。
人間らしさを取り戻しても性玩具となった体内は変わる事なくそのままで。
好意を持つほど聡夫くんを性対象で見るのに抵抗があるように見えました。
好きだからこそ大切にしたい、という気持ちの現れでもあるのかな?
進藤のストイックな価値観に救われたので、愛情のこもったチューだけで萌えた(∩´///`∩)
…とはいえ、正直なところ見たかったなーという本音もあるw(腐女の業…)
いつかストイックを超えて聡夫くんと自然に抱き合える時が来たら読者にも見せて欲しいです!(熱望)
聡夫くんはもぅもぅ…(^///^)
ひたすら可愛かったです!!!
表情が豊かでコロコロ変わるのにキューってきた///
顔のベルトを外して。
理解して話せる言葉が少しずつ増えて。
痛々しかったサイボーグの手も義手に変えてもらって。
うさ耳は取れなかったけれど、それでもグンと人を取り戻せて良かった(;ω;)
進藤へのひたむきな愛情と一心に慕う姿が幸せそうで、胸がいっぱいになる。
で、上にも書いたけどチューが萌え禿げるのですよー!(੭ु ˃̶͈̀ ω ˂̶͈́)੭ु⁾⁾
「ちう(チュー)したい」ってお願いしたり、ドキドキなキス待ち顔のだったり。
最初のうちはキスすらも戸惑い気味だった進藤だったけれど、
季節が冬から夏に変わる頃にはキスする時に恋人手繋ぎしてたのが最高!!!(∩´///`∩)
あー堪らん。キスだけで幸せ満足度ハンパないわ…。
あと進藤が「としおさん」と呼び敬語で話すのツボでした♡
ダーク寄りだった上巻から一気に育成メルヘンへと舵が切られた結果となり。
研究所の目的や、生身を使ったセクサロイドをどこまで本気で考えてたのか、製品化というワードが出てたので聡夫くん以外の被害者がいるのか?などなど、謎を多く残したままダークな部分には蓋がされました。
細かい部分が気になる方、ダークな世界観を気に入っていた方にはモヤモヤするかも??
個人的には聡夫くんの幸せを見ることが出来てホッとしてます。
ただ、聡夫くんの妹はちゃんと幸せに暮らせているのかは気になる。。。
お話はここでは終わったけれど、もう少し掘り下げた続編・その後のイチャイチャな日常・2人が自然に求め合う姿など、まだまだ読ませて欲しいです゚+.((人д<o))゚+.
『錆のゆめ』の下巻。上巻がとってもツボだったので、発売を心待ちにしていました。
ネタバレ含んでいます。ご注意を。
「下巻」なので、上巻が未読だとサッパリ理解できません。上巻未読の方はまずそちらから読まれてくださいね。
表紙が可愛いです。
セックスのためのサイボーグとして改造された少年がドアップで描かれています。でもよく見ると、腕の付け根とか、tkbの所とか、改造を施されたのであろう場所の皮膚が引き攣れていてなんとも哀しい気持ちになる。
そして、それを彼自身哀しいことだと思っていなさそうなのが、これまた哀しい。
下巻はサイボーグの少年が、進藤に懐き、一生懸命勉学に励むシーンからスタートします。
言葉を教え、文字の読み書きを教える進藤と、進藤に褒められたくて一生懸命な少年とのやりとりが何とも微笑ましい。
そんな中、彼らを取り巻く職場の面々の冷たさが切ない。
セックスのために作られた、ロボット。
そう称し、「人」としては接しない面々のなか、そっけない態度を取りつつもセックスの道具としてではなく人として接する進藤に、少年がどんどん信頼を寄せていく。
少年がまだサイボーグとしてではなく、少年として生活していた時の名が聡夫だと知った進藤が、彼を呼ぶときには必ず「としおさん」と呼ぶ進藤の優しさが胸に迫る。
進藤が、としおさんに、どんどん恋愛感情を抱いていく過程に激萌え。
進藤は飄々とした青年なので分かりづらいのですが、そこかしこににじみ出るとしおへの愛情が垣間見れ、とっても温かい気持ちになる。
としおはセックスのためにつくられているので進藤に触れられ、やさしい言葉をかけられ、ふとした瞬間に欲情のスイッチが入ってしまう。
けれど、そんなとしおを進藤が抱くことは一切ない。
そこに、進藤の愛情が透けてみえてくるのだけれど、その気持ちがとしおにも伝わっていそうな雰囲気がこれまた良い。言葉にはしていないけれど、そこにたしかにある愛情と信頼。少しずつ距離を近づけていく彼ら。
そんな中で、進藤が下した決断は―。
会社の社長であり、としおをサイボーグにした張本人の進藤のおじさん。
彼からの妨害や迫害がもっとあると思ったのだけれど、そういったシリアスな展開にはならない。
進藤は左遷こそさせられるものの、としおさんと穏やかな毎日を過ごす。としおに生活を教え込み、見守るさまが男前です。進藤のいう事を素直に聞き、少しずついろいろなことを覚えなおしていくとしおが、めちゃんこ可愛いし。二人でなんともない、ごく普通の生活を過ごすシーンにほっと一安心。
なんですが。
いや、過酷な過去を持ち、サイボーグにさせられてしまったとしおさんにとっては良かったと思うんです。進藤ととしおの二人には幸せになってほしいと心の底から願っています。
のだけれど、あっさり終わってしまった感がぬぐえない。
終わりも、え、これで終わり?という。
もしかしたらまだ続きがあるのかな。
としおさんは手元にいるけれど、彼をもとにつくられるサイボーグたちはいそうだし、おじさんからの迫害も受けてほしいし、もう一波乱欲しいな。
タイトルも『錆のゆめ』という、受け取り方によっては不穏なタイトルだし、このまま終わっちゃうのは不完全燃焼というか。
という事で、ぜひとも続編を描いてほしいです。
上巻を読んだ後からずーーーっと下巻を心待ちにしていました!
勿論それは上巻をすごく楽しめたからなのですが、
「しゅみじゃない」に評価を入れてしまった方の気持ちもわかるのです。
「としおさん」の生まれた背景、本当に胸糞ですよね。
フィクションとはいえぞっとするおいたちです。
上巻を読んだだけだとバッドエンドなのかなあなんて思いもしたのですが、
下巻を読んだいま、最高ーーーーにハッピーです!!!!
バッドエンドを心配して読んでいない方には、
幸せな読後感なので恐れず読んでいただきたいとだけお伝えしたいです!
以下ネタバレです。
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「無垢なとしおさんと絆されていくしんどお」
の構図でストーリーは進んでいきますが、
としおさん以上に可愛い受けを知らないなというレベルで可愛いです!
これは絆されないわけがないですよね!!
「くろいひ いっぱいある…」でしょんぼりするとしおさん。
しんどおの些細な言動に一喜一憂するとしおさん。
嬉しい時に素直にしあわせそうにするとしおさん。
どれを思い出しても本当に萌え萌えしちゃいます!
こんな子がおうちで待ってたらそれは好きになっちゃいますよね。
としおくんの可愛さを思い出すだけで涙がでてくるくらい愛しいです(笑)
胸糞施設とのやりとりもさらっと描かれていて、
大きな問題なく不快な気持ちにならないままストーリーが進んだので、そこも○でした。
ただししんどおの同僚のことは下巻になってからの方が
嫌な奴で好感度下がりましたが、、、
久間先生の可愛らしい絵柄と、かなりの確率で登場するメルヘンワールドもすごくマッチしていて可愛かったなあ(*>Д<)♡
アンドロイドものは、最終的に人間に先に死なれてしまって生死による離別がつきものだと思うのですが、
そういう場面が全くなかったことは、きっと久間先生が描きたかったのは無垢なアンドロイドと1人の青年が幸せになったお話だったんだろうなと思います。
(とはいえ、2人の最後を勝手に想像しては悲しくなってしまうのですが笑)
ずっと手元に置いておきたいBLです。
上下巻セットで読了、2冊合わせてのレビューになります。
性的な慰み者にされるために作られたアンドロイド受けと、その研究施設の研究員である人間攻めのお話です。
上下巻ともにもうかなりのレビューが書かれているのでざっくりと。
ヘビーな状況のほのぼのした話でした。
身寄りのない少年の弱みに付け込んでセクサロイドに作り変えちゃった胸糞悪い研究所。そこの研究員である攻めと、セクサロイド受け。身体も脳も作り変えられてしまったのでもはや人間ではない受けは、物事の善悪の判断もつかず、自分の置かれた状況のひどさもわからない。その受けの世話を任された攻めは、最初は押し付けられた仕事で嫌々、でもだんだんほだされていきます。
攻めはクールというか、感情をあまり動かさないタイプなので、受けを甘やかすわけではないし、優しくするわけでもありません。なのに、そんなつれない攻めに懐く受けがとても可愛い。ついでにつれない攻めもまた可愛い。もうちょっと優しくしたれよ、とは思わないでもないのですが。
受けは言葉がカタコトで、個人的にカタコト萌え属性があるので、ちょっと滾りました。
受け攻め間の本番はなし。いつかそういう関係になれるといいな、と思います。
完結したから買ったのですが、これ続きはないのかなぁ…。いろいろ片付いていない問題とか、本懐とか、本懐とか(笑)すごく読みたいんですが。
上巻に引き続き、下巻もとてもかわいらしい作品でした。絵が好き。ほんとうに好き。
胸をキリキリ痛めつけるような不幸は起こらず、強いて言えば進藤の会社内での地位が下がったくらいで、ストーリー後半は幸せでよかったよかった、と言えるようなハッピーエンドを迎えます。
設定については、一貫してまったく現実味がないのですが、としおくん(受け)の脳内がファンタジーなこともあり、なぜだかそういうもんかと受け入れられました。読んでいるとどこか違う地球の話でもしてるんだろうな的な気持ちがわいてきます。
そういう漫画です。
現実から逃げて幸せをどこかから分けて欲しくなったら読んでください!
上巻も読みましたが、下巻もすごく面白かったです。
最後があっさりとしていたので続編がないのかな?とおもって調べてみたら続編でるらしいので単行本化したら絶対買おうと思います。
下巻の内容をざっくり言うと ほのぼの ですかね!
としおが義手をつけるとき、としおが喜んでた顔が凄く可愛かったです。あと、としおが進藤似のうさぎを描いたシーンとか可愛くて個人的に好きです。
あと、上巻にも出てきたけど瀬野が割と性格悪いなって思いました。瀬野の言ってることは正論だけど笑いながら進藤に文句言ってるところがちょっと怖かったです笑
とにかく、上巻も下巻も最高でした。何回も読みかえしてます。
前半はやはり胸クソで。読み手側からしてみれば、些か早急にも見えるのだが。
とにかく。進藤は、「としおさん」を引き取る決意をする。進藤は、性的にとしおさんを見ていないし、そういう「使われ方」をすべきでは無い、と主張する。
「それ」に憐憫が湧いたのか、そういう感情は良くないよ、所詮少年は「鉄と肉の塊」なのだから。と、進藤を押し留めようとする、叔父や医師、同僚たち。
この、同僚のクズ感が凄い。進藤が一晩、自分の部屋に「としおさん」を泊めた事を下衆の勘繰りも甚だしく。「それ、そんなに良かった?」と、言い放ち、進藤の目の前で「としおさん」の股を開こうとする。これまでなら、「としおさん」は素直に脚を開いたろうに。しいつの間にか情操が育っていた「としおさん」は、必死で抵抗をするのだ。それは羞恥。強い拒否。
進藤が「としおさん」に教えてきた事。それは、「としおさん」も一己の人間であるという権利。
叔父は「そんなに気に入ったのなら新しいのをくれてやるのに。」とほざき。
医師は進藤に「失望した」と言い。
同僚は、「そればっちいから、新しいのを貰えばいいのに。」と言う。
研究所は狂っているので。第二、第三の「としおさん」を作るのか。
医師は、「私たちの罪」と言っているので。今後はそれを辞めている未来を期待したいのだが。そこは詳しくは描かれていない。不穏なのだ。
物語の当初、やはり「としおさん」を肉塊扱いしていた為か。以降、進藤は、「としおさん」に丁寧語で話す。「としおさん」を人扱いしているという表現なのか。
ここでハタと気付く。「人でなし」から人になったのは、進藤だという事を。
およそ表情の乏しい進藤もまた、「としおさん」と過ごす内に、自分の中の「人間」を見つけた事を。
進藤は決して。「としおさん」を性的玩具として扱わない。「としおさん」は雛鳥の様に、初めて優しく接してくれた「しんどお」に懐く。そういう風に作られたからなのか、多分「しんどお」に抱かれたがってもいる。ただ、哀しい事に、進藤は決してそれをしないだろう事を私たちは知っている。進藤は人だから。
時々、進藤がキスをする。小さなギャグ絵から、そのシーンだけが、美しくて。生々しくも見えて、泣きそうになる。「としおさん」にとって、それは「ご褒美」で、進藤にとっては、それはまぎれも無く「愛情」なのだ。
このあと、延々と続く可愛らしい2人の、何気ない日常が。錆びた夢なのか。
私にはとても考察し切れない。
気付いた事が一つある。絵は1巻に比べて、この後に続く「右」と「左」に続くものに近く。柔らかく、優しくなっていて。その事に私はなんだかホッとする。
間違えて下巻から買ってしまいました。
しかし、下→上もなかなか悪くない読み順だったかもしれないと思いました。
上巻はちょっと重いので、せっかくおいしい下巻を見ても引きずる可能性もあると思うので
先にデザートみのある下巻で二人の生活を垣間見てから事情というか馴れ初めを見に上巻に行くというのも良いような?
可愛くてちょっと笑えて好きなんです下巻。
としおさんの心象風景というか世界観がミニキャラとかでファンシーに描かれています。
これが可愛くて好き。
暗い事情も嫌な奴もこれのおかげで少し中和されます。
としおさんにはちっちゃいケモミミがついています。
左手は義手(ちょっとサイボーグっぽい)です。左胸には何か埋め込まれているように見えます。
下巻から見たので「そういうものか」と思ってしまいましたが、上巻を見た後だと結構痛々しく感じるかもしれません。
舌ったらず、字が汚いのも、かわいいんです。
表紙の絵のように鼻の上のベルトを通しているんですが、デフォルメ絵でそこがパペットの口みたいに見えてなんかかわいい。
新藤の事が大好きなとしおさんと淡々としてるんだけどたまに笑う新藤。
二人はどうなるんでしょう続編読みたいなぁ。
「錆のゆめ右・左」を読んでからのレビューになります。
聡夫の可愛らしさと進藤の献身さ、プラトニックな関係性が絵本の世界のようなメルヘンさでやっぱりいいなあと思います。
消費されてしまった本来の「聡夫」のことを考えると切ないです。
この時点では進藤からの感情は愛なのかなあ、それとも同情だとか憐憫なのかなあ、とか色んなことを考えさせられる……。
人間を一人消費して作ったセクサロイド、かなり科学の進んだ現代ではないどこかで行われるえげつない行為の中にも救いがある、どういう童話のような物語が好きです。
上巻を読んだ段階で聡夫には幸せな生活を送って欲しいと願ってしまうのに対し、下巻できちんとそこが叶えられていてスッキリ。
聡夫が進藤の手によって義手や拘束具のようなもの、胸の金属、痛々しかったセクサロイドの姿からきちんとした人間らしい姿になって楽しそうにしている姿にほっこりします。
ここからさらに続編に続くかと思うとにんまり。
設定はエグいのに二人を結んでいる関係性は優しくて柔らかくて、癒されます。
切ないけど、愛おしい。
また、右左を読みたくなります。
上巻からー
どうか聡夫が救われて欲しいと願いつつ、
救われる道なんてあるのかと怖れながら読んでいたので
この下巻で迎えた結末が嬉しくて仕方なかったです。
進藤との出会いを経て、少しずつ“心”を取り戻してゆくサイボーグの聡夫。
たどたどしくも言葉や表情も豊かになり、名前を呼ばれて照れたり、
恥じらいながら「いっしょにいたい」と告げる姿は恋する少年そのもの。
人の体をもちながら人の心を持たない残酷な人々と
身体は人でなくても、その中にある心は人と変わらない聡夫。
人と物を分かつものは何なのだろうと考えてしまいました。
だって、聡夫はこんなにも人間なのに…
そして、聡夫と同じ時を過ごし、その成長を見守っていた進藤も
絆されることで変わり始め、自然な笑顔や聡夫に触れる手、
どこか無機質だった男に体温が宿ってゆきます。
そんな進藤の中に聡夫への“独占欲“を見た同僚は
進藤のことを「気持ち悪い」と切り捨てます。
確かに聡夫を人ではなく“物”として認識する彼らからすればそうなのかも。
聡夫の中に残る人の心を見つけ、彼を救いたいと願う進藤とは
互いにわかりあえる筈がありません。
少なくとも聡夫はそんな進藤によって救われていたのです。
今後の話が出たときにも進藤は聡夫の意思を尊重しようとします。
けれど、「どうしたい?」と問われても、聡夫には決めることができません。
ただ、進藤と「ずっといっしょにいたい」という願望だけは明確で、
それだけは最初からずっと聡夫の中でも揺らぐことのない願いなのでした。
そして、研究所の中では聡夫の未来はないと知った進藤は
葛藤の末に自分が聡夫を引き取ることを決意します。
誰が何を言おうと、聡夫と生きていくことを決めた進藤が男前でした。
進藤に連れ出された初めての外の世界は見るもの、触れるもの
全てが珍しく、目を爛々と輝かせた聡夫がただただ嬉しそうで、
良かったねという思いでいっぱいでした。
そこからの進藤と聡夫、二人だけの生活は幸せの極致でした。
聡夫の「ちうしたい」の破壊力ったらもう…///
まだまだ外の世界に不慣れながらも、進藤に一生懸命尽くす聡夫の新妻感!
お見送りから、お料理にお風呂の準備、就寝前のイチャイチャタイムに
休みの日にはデート…その新婚さんっぷりに以前聡夫が見た夢の世界を
思い出してしまいました。
ただ、体を寄せ合って、手を繋ぎ、キスをするようになった二人は
恋人同士のようでありながら、どこかぎこちなさを残していました。
それ以上を受け容れられない進藤と、それ以上も求めたい聡夫。
人間らしさが育っても尚、セクサロイドとして植え付けられた
性欲が消えることのない聡夫に複雑な思いに駆られました。
進藤も研究所での記憶がまだ鮮明なだけに心の整理がつかないのだろうな…
でも、その分、進藤が言葉できちんと伝えてくれるところが良かったです。
相変わらず言葉少なで愛想の欠片もないけれど、
聡夫への想いだけはいつでもまっすぐ口にしてくれる進藤。
そんな進藤の言葉に触れる度、びっくりしながら、
とろけるくらい嬉しそうに、はにかむ聡夫が可愛らしかったです。
最後は進藤に寄り添う聡夫の口から出た「しあわせ」に涙ぐんでしまいました。
読みながら常に感じていたのは幸せで嬉しいのに、
それがこわくもあるという矛盾する感覚でした。
それは研究所で仲村が残した言葉のせいかもしれません。
「聡夫くんは君と出会えてよかったかもしれないが…
君は聡夫くんと出会わない方がよかったかもしれないね」
聡夫を愛したことで失われた進藤の未来、二人の生きる時間の長さの違いなど、
人間とサイボーグという恋には儚げな感情が付き纏いました。
でも、それでも、二人が互いに出会えた奇跡を大切にしながら、
この先も共に生きていけますように、と祈るような思いで読み終えました。