「ろくでもない」が「いとしい」になってから――。

やたもも 2

yatamomo

やたもも 2
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神278
  • 萌×254
  • 萌22
  • 中立7
  • しゅみじゃない6

--

レビュー数
21
得点
1679
評価数
367
平均
4.6 / 5
神率
75.7%
著者
はらだ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス Qpaコレクション
シリーズ
やたもも
発売日
価格
¥660(税抜)  
ISBN
9784801959200

あらすじ

生活能力ゼロ、ビッチでクズでろくでなしだったモモと
オカン系男子で人のいい絶倫青年、八田ちゃん。

おさまるところにおさまって一人暮らしを始めたモモの薄壁安アパートの部屋、
おはようからおやすみまで盛りっぱなしな八田ちゃんのせいで
騒音に迷惑して壁ドン(ときめかない方)を繰り出してくる
小説家志望の隣人・栗田を容赦なく巻き込んで新生活スタート。

栗田にやさしく接する八田ちゃんにもやもやするモモは、
初めて抱く感情に戸惑う中、生き別れの母が現れ衝撃の出生の秘密が明らかに!?

須田の歪んだ愛を描いたサイドストーリーも同時収録。

表題作やたもも 2

八田,オカン系男子
モモ,生活能力ナシのビッチ

同時収録作品すもも

須田,モモの元飼い主
モモ

レビュー投稿数21

袖が濡れた。

気がついたら泣いてた、というくらいすーっと感動が胸いっぱいに広がりました。読む前は前巻のような、なんでも吹き飛ばしてくれるポジティブ!を予想していましたが、二巻では胸にぐっとくるお話になっていました。
ももが暗い過去を持っているというのは一巻でも分かっていましたが、その全容が明らかになります。その壮絶さには言葉を失いました。でも、それ以上に、ももはあえて明るく振る舞い強がって心を殺していたという事実が、なによりも心に残りました。それだけではなく、母親との過去も悲しく辛いもので、どっときました。だからこそ今のももなんだ、と思いました。
ここまでだと、まるで救いのないお話ですが大丈夫です。最終的にはハートフルです!上手く文章にできないのですが、本当に気がついたら泣いていました。これ泣く本だったんだ!?って後から気づきました。親子愛って?家族って?と考えさせられましたし、親子っていいな、と(3巻の内容も含めて)改めて思えました。
やたちゃんがももに温かい言葉をかけるシーンも本当に、胸が熱くなりました。やたちゃんにしかできないことですし、それによってももの心が氷解するのが、今までの全てが報われた気がして涙が止まりませんでした。
でも、(良い意味で)やっぱりハラダ先生でした。うわーって泣いたのですが、その後いきなり濡れ場突入で泣きながら笑ってました。楽しかったです。泣いて笑って楽しめる最高の一冊でした。

12

切ないけれど、温かい。

待望の『やたもも』の2巻。2巻と3巻と同時発売でした。今回も表紙が可愛い!2巻ではやたちゃんのオカンぶりがいかんなく発揮されている絵柄だったように思います。

ネタバレ含んでいます。ご注意を。






1巻の終わりで、エチしているときに「ドン!」と壁を叩いてくる隣人がちょびっと出てきますが、2巻・3巻とこの隣人くんが重要なキーを握る人物でした。

壁をどんと叩くとか、ちょっとクレイジーな人だったらどうしようかなあと思いつつ読み始めましたが、この隣人・栗田くんがめっちゃいい人…。はらだ作品てあくの強い人が多い気がしますが、この栗田くんは掛け値なしの良い人でした。

ラノベの作家を目指しているという栗田くん。
ひょっとして当て馬か…?と思いきや、そんな展開にはならずほっと一安心。
やたちゃんと仲良くなって、モモがちょびっとやきもち焼くシーンが!
めちゃ可愛い。
というか、きっとモモ本人は「焼きもちを焼いている」という自覚はないんじゃなかろうか。

そういう、「人として」持っていて当然の感情がモモには欠落している。

それがなぜなのか。
それが少しずつ見えてくる巻でした。

モモのお母さんの登場によって。

モモがまだお母さんと暮らしていた時。
過去の回想がちょびっと出てきますが、これがまたなんというか胸が悪くなる。
個人的に「親に売られる子」が地雷なのでちょっと斜め読みしてしまったほど。さすがはらださんというべきか、そういう描写が容赦ない。

母親と再会し、彼女に告げられた事実に打ちのめされたモモ。
過去に出会ったことがあるクズたちに再会したときのモモ。
どんなに悲しいことがあっても、蓮っ葉な態度で自分の気持ちを出さないモモにに、やたちゃんがかける言葉が胸に刺さる。

子どもの頃、母親に愛してほしくて、でも満たされなかった過去。
抱え続けた孤独を満たしてくれる人に巡り合うことができなかったモモだけれど。

モモは、やたちゃんと出会えたことで、人として再生してるんだなと思って思わず泣けた。

終盤に「すもも」の過去編が。
雑誌で読んだことがありましたが、これを読むと須田ちゃんが可哀想で。彼もまた、不器用で、モモに囚われた男だったんだな。

2巻では「モモの母ちゃん」という爆弾が落とされたところまで。

続きが超絶に気になるところで終わっているので、2巻3巻とまとめて購入することをお勧めします。

8

相変わらずな二人に♡

私は、はらだ先生の作品の中でやたももが一番好きです!

だからこそ、発売は楽しみにしていたのですが、トラウマになりそうな描写があったら…と2日程あらぬ心配をしてました…汗
やっぱり発売日に購入すれば良かった!笑 今では思っています!

ビッチなももと、おかんな八田ちゃん、相変わらずの二人が見れてとても嬉しかったです!
ももはビッチで可哀想と悲壮感が出過ぎる事が無く、ギリギリのところで愛着が沸く微妙なバランス!
はらだ先生は凄いですT^T

7

誰か 誰か…

モモちゃんの過去と、隣人登場ではじめての感情が芽生えるおはなし。
モモちゃんは、昔から色々なことがあって、やりきれないことがあっても、笑って、笑って流してきてしまったから、自分は幸せだって思い込ませて。愛が足りなかったんです。人にあって当たり前の感情さえ欠落している。人間が歌う愛も怒りも、悲しみも、愛を受けてこそ無償で与えられるものなのに。
甘えたい 泣きたい 慰めてほしい
     誰か   誰か

              愛をくれ!
モモちゃんの本音なんです。でも、本当によかったなと思います。確かにろくでなしビッチかもしれないけれど、そのぶんたくさんのことをこらえてきたもの。それでも、愛をくれて、愛せる八田ちゃんに会えて、
        幸せなんだな…
今回は声をあげて泣いてしまいました…発売当日購入して、ずっと考えていました。はらだ先生さすがの人間ドラマだと思います。

7

胸を引き絞る慟哭と、八田ちゃんの清廉なまでの愛情に涙。

八田ちゃんが良い男過ぎて涙。涙です‼︎
八田ちゃんに寄生しているだけでは駄目だと一人暮らしを始めたモモですが、
会えば抱き潰さんばかりに盛ってくるのは相変わらず。
毎度毎度、喘ぎ声が煩いと隣人から壁ドンされる始末。
文句を言う筈の隣人の栗田くんは、行き掛かりでモモたちに関わる事になる。
ロクな生き方をして来なかったモモにとって。彼は初めての友達になって行く。
この2巻では、モモと絶縁状態になっていた母親や、須田とモモの出逢いなど、
周りの人々を描いていくことで、モモの生い立ちや、彼の生き様、堕ちていくまでを浮き彫りにしていく。彼が、どんなに苦境に遭っても、ただその苦しみや辛さ、哀しみをヘラヘラと
可愛いその笑顔でかわして来たことが明らかになります。
誰にも甘えることが許されなかった。幼ない頃からそのやり切れない孤独を抱いて
生きていたモモが初めて。初めて、その思いを吐き出すシーンは号泣です。
それをただ、そのままに。抱きとめる八田ちゃん。
八田ちゃんが良い男過ぎて。涙。
そして、隣の部屋で聞いていて、自分の無力さに泣いている栗田くん。
『見ないふりしてた方が楽なのになー。』
栗田くんも心ある子なので。モモの為にとその一歩を踏み出す。
自分は部外者で、余計なことかもしれないけれど。それでも。
「見て見ぬフリなんて、できないんです!」

須田をして「母親がまたクズで。」と言わしめた、モモの母親の壮絶な生活。
高校生でレイプされた上、周囲に守られる事なく、家を出て、モモを一人で産み、
水商売をしながら、子供に手を出すような男に寄生して生きていた母親。
母親の男を寝取る事になってしまうモモ。
母子にとっては業としか言いようの無い、縁。それでも母子で。
モモが母親と会っても、互いに憎しみ合ってまともに会話出来ないことを知った
栗田くんは、八田ちゃんと共に、モモの母親の話を聞きにいく。
栗田くんがボイスレコーダーに録音したという、その会話を聞き終えて。
「女の話は長い」
たった一言だけ。そこにモモの気持ちの全てが込められているようで。
とても切なくて。やっぱり涙。

モモが八田ちゃんという恋人や、栗田くんという友達を得た事で、
失くしていた心を取り戻していく、そんな物語でもあると思いました。
辛いことも何もかも。気にしないフリして、期待しないで生きてきたモモが、
八田ちゃんと栗田くんが親しくしているのを我知らず嫉妬して、その初めての独占欲に
自分でドギマギしている様子も可愛いです。

巻末には、「やたもも」ならぬ、須田モモこと「すもも」。
須田が歪な執着で、ぶつけていたモモへの気持ち。モモを失ってから気付く愛情。
醜悪だったけれど、やはり愛情だったのだと、とてもやるせない気持ちになります。
いや、私は痛いの無理なんで、大嫌いですけどね。
須田もまた、哀しい。寂しい人なのだと、作者の優しい目線を感じられます。

5

八田ちゃんの「いとしい」があふれてる

このシリーズに泣かされる日が来るとは思いませんでしたよ!!!
はらださんは今でこそ紙と電子をダブル買いしてしまうほど好きな作家様ですが、「やじるし」でドハマりするまでは「やたもも」の人気っぷりを少し斜に構えて見ていたところもあったくらいで・・・もーめっちゃ土下座したい!!

八田ちゃんの愛情にめっちゃ泣かされた2巻でした。
嫌な気持ちも悲しい気持ちもぜんぶ笑ってごまかすのが癖になってるモモに、八田ちゃんが注ぐクサいほど分かりやすいまっすぐな愛情は涙が出る。
そんな八田ちゃんにまっすぐ愛されて、嫌なことは嫌なことで悲しいことは悲しいことだとちゃんと認められるようになったモモにも涙が出る。

ちっちゃなモモがちっちゃな文字で吐き出す
「甘えたい
泣きたい
慰めてほしい
誰か
誰か
愛をくれ!」
涙が止まらなかったなぁ。

はらださんの作品には私いつも長めのレビューを書きがちだけど、この2巻はなんだかもう言葉として上手くまとまらない。
実際に読んで、泣いてと。
ただそれだけです。


【電子】レンタ版:修正○、カバー下○、裏表紙○、特約店ペーパー(1p)付き
※2巻と3巻のペーパーは同じものです。

4

ももの過去の話

今回はももの隣人の栗ちゃんや、ももの母親が出てきたりと新しい展開で、ももの過去は辛すぎてかわいそうで、子供の時に一番愛されたい母親からの愛を受けられずに育ったももが荒れた生活をしていたのも納得です。

八田ちゃんと出会えてやっと普通の人らしい生活を送れるようになったももですが、愛に飢えていたのですね。
本当に面倒見の良い八田ちゃんに出会えていなかったら今でもすさんだ生活を送ってそう。

ももの隣人の栗ちゃんも、ももの友達になってくれて出会いは最悪だったけど、やっぱり栗ちゃんも良い人で、ももは新しい出会いで変わっていけたのだと思えました。

母親との再会にも八田ちゃんと栗ちゃんついてきてくれて、和解できないにしても会おうと思ったのは二人がいてくれたからかな。

ももの母親はひどいけど、こうして会いに来たのは多少の愛情はあったのかもしれない。須田とももの母親の過去の出会いの話もあり、辛いけどとにかく八田ちゃんいい奴すぎてずっとそばにいてあげて欲しいです。

4

切なくて…♡♡♡♡

やたももの2巻目ですね。
1巻目に引き続き、ヤッておりますよォ~♡
開始早々ですからねー。
モモの隣人のクリちゃんの気持ちも十分分かります。
そりゃあ、毎日何回もヤってたら流石にうるさいですよね~(^_^;

そして、そのクリちゃんもいい味出してます!真面目なメガネ君らしい立ち位置ですね。

そして、モモがクリちゃんと八田ちゃんに嫉妬!!
モモの八田ちゃんへの思いの成長具合が分かります!


今回のメインストーリーはモモの過去のお話だと思います。
八田ちゃんと向かい合い、抱きしめながらモモが辛かった過去の気持ちを吐露するシーンなんか、こちらまで泣けてきてきまいます…(泣)
モモだってなんの事情もなく、今のようになった訳ではないとは思っていましたが、こんなにも辛く切ない過去があったなんて。
能天気な性格は、辛さや惨めさを隠して自分をそんな酷い環境に慣れさせるため。八田ちゃんも言っていますが、そんなモモは強いです。。。
これを知ってから1巻を読み返すと、また違った風に感じました。

でもでも、そんな沈んだお話ばかりではなく、ちゃんとコメディらしい雰囲気も健在です!

やはり、やたももは1~3巻までの合体作ですね!

4

表情に先生の込めた熱を感じる

 幼い頃から愛を切実に求めていたけれど与えられなかった、というキャラクターはBL界隈にたくさん存在すると思いますが、この描き方は非常に新鮮味を感じましたし、さすがははらだ先生です恐れ入りました。もうただただキャラクターの表情に込められた凄まじい熱量に圧倒されるばかりでした。モモという人格がどのように形成されるにいたったのか、本当に丁寧に描き上げられています。1巻でモモの魅力を十分に理解できなかった私ですが、2巻を読みこの世界観にどっぷり嵌まることとなりました。

 冒頭はモモの部屋の隣に住む青年と八田モモが知り合い、3人でわいわいコメディを繰り広げたり八田とモモ両方に嫉妬の種が蒔かれたりと、1巻の延長上のような展開です。しかし、途中でモモの母親が登場する辺りから、これまでよりずっとディープな方向へ話が進みます。モモとの関係を清算したいという身勝手な母親と会い、売り言葉に買い言葉で告げられた、モモはレイプされて嫌々産んだ子だという事実。それを聞いてからのモモの表情の変化が秀逸でした。直後の無表情、帰ってからの普段通りに振る舞う表情、俯きがちの表情、そして堪えていた感情が溢れ出す表情。「にくしみはらんだツラでみてくるわけだ」という台詞には胸が抉られました。

 産んだ子供の面倒を見ない親や虐待する親が許されるべきでないのは当然です。でも強姦されて中絶するお金もなく犯罪者の子供を産み、片親で必死に愛そうと育てていた息子に恋人の男が皆手を出してしまう状況に、母親に全く同情しなかったかといったら嘘になります。もちろん嫉妬も大いにあったでしょうが、モモをまともに育てられない不甲斐なさで自己嫌悪しているようにも感じました。モモの方は子供らしくゲームを買うお金をくれる人、父親代わりの愛をくれそうな人という存在を受け入れていただけだったんですね。気付いた時には母親に憎まれ見向きもされなくなっている。モモがなぜここまで諦観しているのかよく分かる回想でした。男の汚いモノを挿れられるのも嫌だった、という言葉でとてもビッチ受けというカテゴリには入れられない受けだと思いました。

 モモと須田との関係も、モモの幼少期から須田目線で語られます。須田もまた寂しい人間。モモの気持ちを見誤ったことですべて失ってしまった須田がとても哀れに思いました。決して根っからの悪人ではなくて、きちんと人を愛することができる人なんですよね。幸せを願わずにはいられない背中でした。

 2巻を通してモモの麻痺した感覚を溶かしてくれる八田ちゃんが本当にモモと出会ってくれて良かったと思いました。母親との関係、須田との関係がどう清算されるのかが今後の見所となりますね。

3

モモの過去のお話

モモの母親が登場し、モモの過去が 初めて明らかになるお話です。
今までのお話の流れから「過去に何かあったのだろうな……」とは思っていましたが、実際作品の中で描かれていたモモの幼少期は僕の想像を遥かに超えた悲惨なものでした。
愛を受けられなかった子供が歪んだ大人になってしまう、とても胸が痛みました。

この巻ではモモの隣に住む「栗ちゃん」が登場します。
栗ちゃんが八田ちゃんとはまた違ったタイプの良い人で……
モモが普通の暮らしを送れるように、過去と向き合えるようにサポートしてくれます。

ネタバレは避けたいので、あまり多くは語りませんが……
2人にはこれから先もモモを見守っていてあげてもらいたい、そんな思いでいっぱいになりました。

1

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