陰と日向のボーダーライン

kage to hinata no border line

陰と日向のボーダーライン
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神29
  • 萌×246
  • 萌14
  • 中立6
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
12
得点
377
評価数
97
平均
4 / 5
神率
29.9%
著者
大島かもめ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
海王社
レーベル
GUSH COMICS
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784796409834

あらすじ

ゲイであることを必死に抑え込んで生きてきた新人サラリーマンの柴村。
憧れているのは会社の出世頭である上司の丸山課長だ。
スマートで仕事ができて格好いい大人の男。
そんな完璧な丸山が夜の公園で行きずりの男とセックスしている場面を目撃してしまう。
お互いゲイであることがわかり付き合うことになるが、
逢瀬を重ねるごとに会社での丸山と違う顔を見せるようになる。
人前でいたずらされ、冷たい言葉に辱められ、乱暴なセックスを要求され…。
柴村の歪んだ顔を望む丸山に、心は乱されてしまい――。

表題作陰と日向のボーダーライン

受けの上司
新人サラリーマン

同時収録作品街角のプロローグ

勤勉なイタリア人,25才
ロベルトの家に下宿中の留学生

その他の収録作品

  • 描き下ろし「雪の夜」

レビュー投稿数12

ギャグ封印で、なおかつトラウマ絡み、しかも年上○○ですと…?

去年の10月に読破。
表題作は全編ギャグ封印シリアス路線、しかもちょいダーク系なので、かもめさんのギャグが大好きな私には合わないかと思い、買うつもりはありませんでした。
でも「恋ときどき、焼きサバ定食」よりもこちらの方が評価が高かったし、2日間限定半額セールだったのでポチリ。
下記2作品が収録されています。

①表題作、107ページ+描き下ろし:
リーマン同士「トラウマ持ち上司x健気ワンコ新人」(えrは他著作よりやや多め)
みなさんのレビューを読んで攻めはどんなひどい奴なんだと構えていましたが、全然大丈夫でした。
それに受けが本当にいい人!
自覚があるのかないのか、攻めよりも一枚上手で、結局は攻めをうまく手のひらで転がしてめでたし。
毒親のせいでトラウマを抱えた攻めの凍り付いた心を、描き下ろし最後のページで受けの「俺が溶かす」。
これがすーーごく良かった。

②短編:「イタリア人x日本人留学生」(えrなし)
私もたまたまこういう「マンマミーア!」って絶対言わなさそうな(というか言わないw)物静かで真面目なイタリア人(しかもイケメン)が友人にいるので、すごく親近感わきました。
かもめさんの絵柄は白人さんに合う!
語学あるあるも日本人あるあるも「そうそう」と頷きながら、たっぷりと堪能できました。
てゆーかDVDが進撃ー!ww

<こんな方にオススメ>
・かもめさんのギャグ封印シリアス作品にご興味ある方
・年上攻めお好きな方

0

気持ちはわかるが試すのはやめて

「陰と日向のボーダーライン」
いかにも愛されて来たであろう明るく正しい柴村。そんな柴村から憧れられている課長の丸山。柴村を試す気持ちはわかるけど…。
まあ憎んだりひがんだりよりはまだいいか?
こんな丸山を受け止めて真剣に考えて守ろうとしてくれて。良かったね、丸山!
ちなみに試す系の攻めは苦手です。

どこかで読んだのですがビートたけしさんが、30過ぎても親のせいにする?親を恨むのはバカだ。みたいなことを言ったそうで、それ以来自分に何度も言い聞かせてます。
30も超えたら自力で人生を建て直さないと。

「街角のプロローグ」
ユースケ偉い!差別に折れず前向きで努力して明るくふるまって。
ロベルトは生き辛そうですね。共感しかない。許せないんだよね…。

ユースケとの暮らしが楽しくて良かった。
最後も良かった!

1

心重い系攻で2作品

◾️影と日向の〜
『最後まで手放せないものになりたかった』

表題作は、重めの社内恋愛

一見完璧だけど、相手を試して愛を確認しないと安心できない上司と、明るくて人好きのする部下(自分はゲイかもしれないと悩む)。憧れの上司には暗い過去があり、今は今で実の母親に金を無心されている

一応ハッピーエンド?だけど、最後の最後まで仄暗い。そもそもメンヘラ系のキャラクターが得意でないので、ちょっと好みとは違いました

◾️街角のプロローグ
イタリアの真面目リーマンと、イタリアに語学留学に来た大学生(?)がルームシェア(というか居候)する話

日本人だからではなくて俺だから、イタリア人だからじゃなくてあなただから

カタコトのイタリア語で一生懸命に話しているのがこちらにも伝わってきて、思わず脳内変換しながら読んだ(伊語はわからないので英語で)

真面目なイタリア人のメールが可愛い

2

トラウマあるからこそ受け入れられた関係

表題作
クールな丸山課長がいい。
幼少期の親からの仕打ちでのトラウマの描写が辛かったけど。
素直な部下・柴村のカミングアウトを受け止めたの、自分がそうしてもらいたかったことをしてあげたのかなと。

丸山は柴村を試すようなことをしてしまうのわかる。
柴村は戸惑って一時、距離をとったけど、丸山に応えてハピエンになってよかった。

柴村が丸山の母親へ、丸山のことをもう傷つけないでと言ったのが、ただのいい人ではなく、ほんとに誠実な人で丸山を大切に思っているとわかった。
それも、丸山も過去、ゲイだと隠さなければならなかった辛さがあったり、辛い人の気持ちがわかる人だからなんだろうなと。

丸山はそんな柴山と出会えて、お互い必要で、必要だと思ってもらえてよかったなと思った。

描き下ろし「雪の夜」で
きっと課長(この人)は凍えたままだった
俺が溶かす
の柴村の独白がかっこいいもんね。

「街角のプロローグ」
イタリア人と日本人留学生の話。
イタリア人気質ではなく、マジメで無愛想で実はシャイなロベルトかいい。

日本人は勤勉と言われたユースケが「俺が 頑張ってる」と言ったのもよかった。

最初はユースケが下宿するのを嫌がっていたロベルトが、ユースケ帰国後、孤独に耐えられない姿がかわいい。
送ったメールもよかったし、返信のメールを怖くて読めないのもどんだけー!とw

ラストもよかった。

1

クールに見えて、実は臆病。未熟だけれど、きっと物凄い大器。

大島さんの作品だからと迷わず手にしたのですが、
なにやら不穏な表紙。
そしてタイトルも、『影』と『日向』。

「仕立て屋ー」を読んだ時にも、
微かにどこか物悲しさを感じたのですが、
今回はそこを前面に押し出した感じ。

試しながらも、終わりを恐れる。
それはきりきりと痛いけど、理解できる心理。
そしてそれが分かるから、なおさら胸の奥が痛くなる。

相手が柴村君で良かったね。

肉体的には丸山×柴村なんだけど、
精神的には柴村×丸山なのかな。


もう一作も好きなお話。
派手ではないけれど、とても、とても印象に残る作品。


暗いイメージなんだけれど、
読後感はじんわり幸せ。
なので、評価は神よりの「萌×2」!

3

できる上司の裏の顔は…

偶然、憧れていた上司がゲイだと知ってしまった柴村は、自分もゲイなのではと悩んでいたことを打ち明けて、その勢いのまま付き合うことになったのだが…、
付き合おうって言ったなり、いきなり初回でセックスになだれ込む展開だと、性急すぎてなんだかなぁって感じることが時々あるのだけど、この作品はここまでの展開の前に、朝、通勤電車の中で妊婦さんに席を譲る、その対応の違いっていう導入が描かれていて、そこでこの二人の心の中で考えていることが理解できるので、この展開に無理なくついて行けて、うまくできているなぁって感心しました。
その後の展開も自然で、絵もお上手だし、同録作も含めて、かなり神寄りの萌2です。

5

現実的にはこんなに上手くはいかないのかな…

初読みの作家さん。シリアスっぽい表紙のものをあえて選んだのですが、思った以上にシリアスでした。

デキる上司を演じながら、仕事中、純朴な部下を脳内で犯している攻めは、最初はちょっと変態チックなキャラなのかと思っていたら、その部下と付き合い始めてから、どれだけ酷い仕打ちを受け入れてもらえるかで相手の愛情の深さを推し量る、という更にその歪さが垣間見えてきます。でも、それと並行して、攻めの育った環境…実の両親に突き放され、養子先では成績のみで評価され、あげく再び接触してきた実母に金の無心をされ…も明らかになっていき、攻めの歪んだ愛情表現がすとんと腑に落ちました。結果的に、同情されたくないと思っていた受けからもらったのは、これまでずっと欲し続けていた愛情で、それでようやく、攻めが救われるんですね。
そんな攻めを受け入れる包容力を持つ受けはたいしたもんだと思いますが、ゲイかもしれないという悩みをずっと一人で抱えていて、その悩みとゲイである自分自身を受け入れてもらって救われたのは、彼も同じだと思います。
漫画なのでそれ程酷い描写はなかったですが、現実的にはDVなどに発展しかねないケースで、こんなに上手くはいかないのだろうなとは思いました。

もう一作は打って変わって恋のとっかかりの爽やかなお話で、一作目が重かっただけに余計に癒されました!

5

萌えをすっ飛ばして、真面目に考えちゃった

長いことBLを読んでいると「作品の良し悪しと萌えは必ずしも正比例しない」ことを何度も思い知らされます。「萌え」って、本当に個人の経験によって発動したり抑えられたりするものだなぁ……

表題作は大変興味深く読ませていただきました。面白かったです。
読み進めるうちに「あ、これって心が動く前に、頭が考え込んじゃうタイプのヤツだ」と気づきました。
以下、あらすじではなく、お話のキモをネタバレしますので、ダメな方は回避してください。










「丸山さんのやってる事って愛着障害の子どもがやる試し行動だよね」と思った瞬間、真面目頭に切り替わってしまいました。
そういう目線で見ても良くできたお話です。専門家じゃないから詳しいことは解りませんが、柴山くんは実に正しい姿勢でケアしている様に思います。
柴山くんの誠実さから考えて今後も上手くいく様に思いますが「柴山くん自体にゆとりがなくなってしまった場合、ちょっと大変かな」などと思ってしまったりして……
私は、一生懸命ものを考え始めると萌えられません(涙)。
繰り返しになりますが大変面白うございました。友人に勧めたい本です。

収録の別作品「街角のプロローグ」は楽しく読みました。
まさしく恋のプロローグ!
爽やかなだけじゃなく、粋を感じるお話でした。

8

一冊で二度美味しい

大島さんのシリアス
でも、欲望解消のためのお相手とのアオカンシーンでは攻め様の引いちゃった感じに笑ってしまいました
表情筋が死んじゃってます でも、頭の中じゃいろいろ妄想したり悲しんだりしてます
受けくんが正反対に心の中がダダ漏れです
こんな屈折した人にはわかりやすいこんな人の方が受け入れやすいのかも
まっすぐに自分を思ってくれる恋人を得て、攻めさま心の雪が溶けますように

もう一つのお話もとても好きです 攻めさまはこっちの方が私は好みでした

甲乙つけがたい

3

心の奥まで愛して

表題作、大島さんの作品がシリアスというギャップ!!
これに尽きるのではないでしょうか…!!
会社ではスマートな物腰で人格者の課長が
まさかの歪みっぷり…意外です。
それこそ誰も想像していない事でしょうね。

課長の裏の現場を見てしまった部下の柴村が
憧れていただけではなくてソッチだったと
疑惑からいっぺんに覚醒させられる姿がエロかったです。
課長の強引さと薄暗い支配欲、
普段との差があればある程萌えます。
柴村の望むように恋人らしい事だってしてあげて欲しかったものの、
歪んでるから普通の恋愛にはたどり着けなかったのもわかります。
幼い頃手に入れられなかった愛情、
普通なら当たり前にあってもいいはずなのに切なかった…。
自分への気持ちを確かめずにはいられず、
柴村まで離れていきそうなシーンがツラかったです。


『街角のプロローグ』前後編
イタリア人でありながら全くイタリア人らしくないロベルト、
冒頭からもう面白くて「やっぱりコレだ…!」となりましたww
ロベルト母ちゃんの威圧感!
日本人なのにやたら陽気なユースケ!!

他人と時間を楽しむことを知らないロベルトが
ユースケの人柄に触れていくことで
豊かな気持ちになっていく展開、すごく好きです!!
生真面目なイタリア人にとても好感を持てましたし
頑張ってるユースケを素直に応援したくなりました。

お互いノンケだったのかな、
それでも、ずっと変わり映えの無かった日々に
鮮やかに色をつけてくれたようなユースケの存在、
情以上の感情が芽生えるのも不思議ではありませんでした。

別れ際の車中キス!!!!
その前後の表情や雰囲気が最高!!!!
何度読んでもドキドキしてしまいます!!

描き下ろしの『雪の夜』、
柴村の愛が深くて、課長おめでとうと言いたいです。
もう気持ちを試す必要もなく、
お互いを見つめながら生きていけますね…。

贅沢を言わせていただければ、
ロベルト×ユースケの描き下ろしも読みたかった…!!
…ユースケ×ロベルトなのかな…
いや、全然アリです。むしろアリです!!

8

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