緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

ryokudonasu ougon no ou to tsue to haiiroookami

緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神153
  • 萌×227
  • 萌12
  • 中立5
  • しゅみじゃない18

34

レビュー数
24
得点
914
評価数
215
平均
4.4 / 5
神率
71.2%
著者
みやしろちうこ 

作家さんの新作発表
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イラスト
user 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
シリーズ
緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼
発売日
価格
¥1,300(税抜)  
ISBN
9784799732687

あらすじ

◆誰もが認めるWEB発BLノベル屈指の傑作がついに書籍化!◆
山奥で野人のように暮らしていた〝足弱″は、生まれて初めて上京した都で、
千年続く王朝の最後の王である今世王レシェイヌの
庶子の〝兄上さま″だと発見され、宮殿に保護される。
国土に緑をもたらす奇跡の力を持つ王族は、血族しか愛せない宿命。
しかし、十数年前の流行病により、今や生き残っているのは
今世王レシェイヌただひとりだった。
孤独のために死にかけていた今世王は、
足弱に夢中ですがりつき、ひたすら愛を捧げる。
そして、王族命の家臣一族「灰色狼」もまた、
真綿に包むように足弱の世話をし、尽くそうとする。
自分が王族だとは思えない足弱にはそのすべてが困惑のもとで、
耐えられず、ついに宮殿をあとにしようとするが……。

【書き下ろし】宮殿に来たばかりの足弱を、
侍従長の灰色狼<命>の視点で描く「いつもお側に」を収録!

表題作緑土なす 黄金の王と杖と灰色狼

今世王(レシェイヌ),26歳,異能を持つ最後の王
足弱(ラフォスエヌ),36歳,今世王の庶子の兄

その他の収録作品

  • いつもお側に

レビュー投稿数24

弟→兄への溺愛、ここに極まれり

もうめちゃくちゃ面白くて、試し読みをして即購入、ページをめくる手が止まりませんでした。

こちら、ずっとずっと「読みたいな〜」と思いつつ、シリーズものだし一冊がものすごい厚さだし(1巻は全594P…)、何より今まで”WEB発”小説で刺さった…!と思えるものがなく、読んでこなかった作品。

…ですが!

コミカライズ版が出版された、ということでそちらから入ろうかどうか迷ったんですが、文字で読むのが好きなので、小説を買ってみました。結果、大正解◎

も〜〜もっと早く読んでおけば良かった!!!!めちゃくちゃ面白いよ。。「灰色狼」たちの忠誠心・献身っぷりに感動だよ!あとお兄ちゃんを無理やり襲っちゃいかんよ!(最初の、出血して「ぎゃあああああ!」のくだりはちょっとね、辛かったです)…と、色々大興奮の一冊でした。何度も言うけど、なんでこれ今まで読んでこなかったのか、、

二人の最初の交わりこそ辛っ…と思いましたが、その後の弟王の溺愛っぷりには、頭が下がりました。「怖くないですよ」「大丈夫です」「愛しています」「大好き」…囁く言葉が常に全て完全に、愛!!!!

で、そんな攻め→受けへの激重感情にも萌えたんですが、それ以上にじーんとしたのが、灰色狼たちの献身…もう涙が出そう。書き下ろしの、「命」目線の足弱への思いが優しくて熱くてある意味の愛に溢れてて、読んでいてたまらない気持ちになりました。

…ということで、夜中だけど迷わず続刊にゴー!してきます。

2

最高です!

一年ぐらい前に読んだのですが、
いまだに余韻が残っていて、醒めません。

斬新な設定と、壮大なストーリーで、
先の読めないワクワク感と、
スパダリな攻めが、純真な受けを溺愛する様が
尊くて、始終、悶えました。

かなり厚みのある本で、一瞬怯みましたが、
余裕で読破できました。

物語は、ほぼ受け側の視点で進んでいくので
攻めが登場し、驚くほどの執着心で、
愛を告げてくる場面はドキドキしました。
 
枯れかけていた国が、
復興していく様も描かれていて、
とても幸せな気持ちになりました。
とても素敵で心に残る一生ものの作品です!




1

生き生きと描かれる灰色狼たち

面白かった!王に仕える灰色狼たちがとても好き!主人公二人には、彼らのために幸せになりなさい、と思ってしまうほど。モブの範疇に納まらない描写量のキャラが大勢いるが、その全員が生き生きとしており、読むのが楽しかった。

主人公の足弱は、他人から見れば不憫で哀れまれる存在なのかもしれない。だが本人にとっては何の不備もない人生で、野人であることに満足していたのが良かった。いかにもな同情を誘う、か弱さが無いのが良い。そしてわりと頑固でわりと失礼で、感覚のズレ具合が分かって面白い。

老人と出会ってからの経緯は、幼少期からの教育という名の洗脳とかそういうのが描きたかったのかな。それにしても今世王の察しの良さはすごい。王族は賢いとフォローされているものの、見えていない情報を脳内補完して正答を導く。おかげでとても読みやすくなっている。

今世王はひとりぼっちの王族という同情を誘う一面がとても良かった。仕えられることにしっかり慣れていて、都民の習慣に疎いとはいいながら、足弱を理解する能力は異常に高い。理由はともあれ兄一筋なのが可愛らしい。ただの色ボケ王でないのが良い。

灰色狼たちは全員が王族大好き仕えたい!な状態で、本気でそれが彼らにとっての幸せであり人生であると伝わってきて、とても微笑ましかった。コードネームのような独特の呼び名がこの一族の特殊性を受け入れやすくしていると思う。

登場する人数が多く名前と役割全ては覚えられないが、各々が書き手からの愛情を惜しみなく与えられていると感じる。そこもとても良かった。今世王だけでなく、足弱の味方になる者もいてほっとしたり。

ストーリーは最後にやっと動いたかな、という感じ。それでもキャラクターに愛着を持てれば、世界観に浸れるだけで楽しい。タイトル回収シーンは素晴らしかった。たくさんの伏線が今後どう活かされていくのか、次巻に期待。
書き下ろしの命視点のお話にはちょっと泣けた。

気になったのは眼底が湿るという表現。他で聞かないけど普通に活字になるんだな、と思った。欲を言えば、ファンタジー小説につきものの地図イラストが欲しかった。
元はWeb小説ながら紙でも読みたいと思える作品。

1

美しく孤独な最期の王

登場人物説明の「足弱」や「灰色狼」で???な感じだったのですが、読み進めていくと「足弱」というのは名前がなかったからだったんですね。老人はなぜ名前を付けなかったんでしょう。「足弱」ではなく、もっと名前らしい名前で呼べば良かったのに。
いずれ別れると思い、余計な愛情は持たないようにしていたのかもしれません。
自分の考えを後に残すために、豊富な知識を与えたのかもしれません。

私が心惹かれたのは王です。
異能の持ち主。財産も沢山あるし、多くの人に慕われている。
でも、ずっとひとりぼっちだった。
足弱は倫理に反した愛情だと言うけど、血族しか愛せないって、なんて苦しいの?こんなに多くの人がいるのに、血族以外は愛せないって。
一種の呪いのようにも、契約のようにも思えます。
足弱に尽くす王を見ていると、灰色狼ではないですが、応援して何かしてあげたくなります。

病に侵されてしまった王。
ひとりぼっちにして欲しくないです。
足弱と一緒に過ごして欲しい。
まだまだ1巻なので、これから波乱が起きるのでしょうがハピエン信じて読み進めます。

0

痛かったが、甘かった

モンスターBLと噂に名高い今作をようやく手にとりました。
なぜ今まで積ん読しておけたのか…もっと早く読んでおけばよかった。。。

ファンタジーですが、複雑すぎず、けれどもしっかりと構築された世界観がお見事でした。
事前情報をほとんど入れず読み始めましたが、どんどん引き込まれました。
え、主人公けっこうお歳なのね。。。
こんな汚い野人でよいの。。。??
不安にかられたのも束の間、まっすぐで素朴なお人柄に好感をもちました。

そして今世王の魅力的なことといったら・・・!!

はじめての営みがあんなことになってしまうのはびっくりしました。
ひどいレイプ描写が苦手なもので、いったん読むのを中断して深呼吸しました笑

しかしその後の甘々な褥には毎度毎度感心させられました。
本当に言葉巧みで。

灰色狼たちの忠義にも何度も感動させられました。
休むことなく続き、読みます!

0

指定図書推薦

タイトルだけは知っていた作品。長編ものを読みたくて手を出したら、なんなんだ、この強烈に面白い話は!!小学校の図書館で外国の児童文学を借りて夢中で読んだ、あの感覚を思い出す。

主人公カプ(兄と弟)に限らず、「灰色狼」たちが何とも魅力的。長編だからこそ可能な練り込まれた世界観。好きな作品はこれまでもたくさんあるけど、「面白さ」では本作品がピカイチ。学校指定図書にしたいくらい(笑)…BLでもエロエロでもね。紛れもなく傑作です。

0

溺愛超えてます

ずっと気になっていたけど、ついに手を出してしまったシリーズ。
やはり良かった、、、
何が良かったって、まず攻めからの受けへの溺愛を超えた溺愛(笑)
受けの葛藤、灰色狼の忠誠具合、、、
最高か!!
個人的に受けが普通の人より背が高い、見た目普通(内面は色々複雑な生い立ちの方、自分自身それを知らずにずっと一人で生きてきた)の30代後半の男というところが好みでした。
世界観がしっかりしていて、一気に引き込まれました。
そしてこういうファンタジー系の話って、第三者視点がとても楽しいと思うのは私だけでしょうか。
それをいい具合に刺激して満たしてくれるのが灰色狼達。
会議の論点がずれ過ぎてる時もあるけど、彼らはたった2人の王族(攻めと受け)のために必死なのです。
私も灰色狼に混じって主役2人を見守りたい、、、
多少長いかなと思いますが、第三者視点が好きな方は大好物のストーリーだと思います!
1冊目から2冊目は内容がとても重たい話になるけどたまに力が抜けるシーンもあり、丁度いい感じになります。
これはずっと読み続けたい小説でした。
叶えばまた長編のお話を、、、
結婚後にも何が事件は起こるでしょう!と信じてます。
2021年初春にまた新刊が出るそうなので、楽しみに待ちます!

5

この一言

バイブルの一言につきます。今まで沢山の作品を読んできましたが、その中でもバイブルです

0

WEB小説が原典という事は念頭において読んだ方がいいです

一冊読んでみて、惜しく感じる点が多かったです。作者の方の文章構成力は非常に秀でていて、淡々とした描写の中にも味があり、大変魅力があるのですが、商業小説に慣れている自分には戸惑う事がありました。

作者の細かい世界観の作りこみや文章の並び方や、何気無く描かれる日常に時折描かれるユーモラスなエピソードに惹きこまれる部分が多く、半分くらいまではとても楽しめていました。

半分くらい読んだ所で「あれ?あれ?」となりだしました。そう、小説を読んで通常ある「アレ」がいつまでたってもこないんです。起承転結の「転」が・・。気になりつつも、もう「転」もなく進むのか覚悟で読み進めました。それでも流石に作家の方に読ませるだけの力量があるから、そのうち気にならなくなり、この作りこまれた世界観を嗜んでいるうちに最後の最後で「転」がきたという・・。

よくよく調べると、もともとWEBで公開されていた人気BL小説が8年くらいの時を経て目出度く出版に至ったようです。つまり作者が執筆されている時は、「読者」の意識や本として出版という事も想定されていなかったんだと思われます。好きな世界観を思うままに表現してひっそりWEBで公開されていたんだけれど、文章能力が非常に高くて、評判に評判をよんだのかなーと推測しました。

商業BL小説に馴染んでいる者には、例え上下巻に分かれている小説でも、上巻の中にも起承転結の起伏があるのが通常なので、戸惑ってしまいました。この小説は上下巻に分かれて発行されているけれど、上下巻で一冊と考えたら一つの物語としてしっくりいくのかなーと考えました。世界観や文章が好みなので下巻も読みます。

この小説の主人公の足弱がBLもので珍しいタイプの素朴系の主人公で味があり、とても良かったです。灰色狼と同じように、読者も暖かく見守るスタンスですね。弟の兄への異常な執着も血族愛からくるものだという事でスルーできましたし、やっぱり足弱はLOVELYですからね〜。世界に残されたたった二人の王族を取り巻く風物詩として楽しめました。

今後この作者の方が、どういう活動をされていくのか分かりませんが、才能ある方だと素人にも感じられるので、編集者がついて物語の起伏に磨きをかけられれば、強いもの無しだと思います。
ただこういうシンプルな小説の形態も大きな個性であり、味でもあるので、商業的な部分(読者にどう魅せるか)をどの程度取り入れていくのか難しい部分もありますね。




7

世界観の作り込みはすごいけど…

評判通り、架空の国の設定は細かい所までつくってあり、他にはいない作家さんだと思います。
ただ、個人的に文章のつくりが好みではありませんでした。

ストーリーの大筋としては山あり谷あり、メリハリがあるはずなのに、読んでいると驚くほど単調に感じるのです。一つのシーンを際立たせようと思ったら、それ以外のシーンをあえて曖昧にしたり、省略したりするものかと思います。でもこの作品はどんな些細なシーンもすべて事細かに描写されていて、それゆえどのシーンを際立たせたいのかわからない…抑揚がないと感じてしまいます。
端的にいうと、読んでいるうちに飽きてきて、どうでもいいシーンは読み飛ばしたくなります。
私がせっかちなのかもしれませんが、「今のそのシーン、誰が何をしたとかって必要!?」といらいらしてしまうのです。”描写されない行間の趣”がなく、ひたすら起きた出来事がつらつら書かれているという印象。
歴史を忠実に記録するために、2人のことをそばで見ていた従者が書いた歴史書、とでもいいましょうか。

きっとWEB小説で1話1話噛み締めながら読み進めるのであれば、また違った感想になったと思います。
なにせ一気に読めてしまうので、どうしても濡れ場などの描写はどれも似通っていて退屈に感じてしまいますし。

ただ、この作品にファンが多いのは納得できます。
細かい描写のおかげで、架空の国の風景や食べ物を思い浮かべながら読むことができますし、なによりこの作品で二次創作をする方には、この上ない設定資料集になると思います。笑

WEB小説からではなく、最初から商業で書いたら、また違った感じになるんでしょうか…今後の作品が楽しみです。

8

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