渾名をくれ

adana wo kure

渾名をくれ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神30
  • 萌×212
  • 萌20
  • 中立7
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
19
得点
265
評価数
76
平均
3.7 / 5
神率
39.5%
著者
新井煮干し子 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
価格
¥650(税抜)  
ISBN
9784396783921

あらすじ

ジョゼは
おれの
神様だった。

おまえを独占するなんて、
どんなに望んでも叶わないと思ってた――。

有名イラストレーター・天羽(あもう)と超人気モデルのジョゼは同居中。

天羽は美しいジョゼを愛し、ジョゼが他の男と寝ても、帰らない日が続いても、召使いのように従順に受け入れる。
「愛されるより愛したい」。それが天羽という男だった。
しかし、ジョゼの恋心が自分に向かっていることを知り、天羽の心中は――。

愛されることを望まない絵描きと、
対等な恋人になりたいスーパーモデルの
純粋すぎるラブストーリー。

表題作渾名をくれ

天羽崇人 有名イラストレーター
ジョゼ 人気ファッションモデル

レビュー投稿数19

まるで文学作品

この作家さん本当に好きです!!なんといっても絵がとても綺麗です。アート作品のようで、あまりBLらしくない絵柄です。人物がとてもリアルに描かれています。BL漫画で人物の鼻をこんなにリアル寄りに描かれる方は珍しいのではないでしょうか。それがとても良いです。
この絵柄も相まって、本作の読後感は文学作品を読んだような感じでした。一言では言い表せないような、ふたりの関係は今後変わってもっと深いものになるのだろうけど、そうとは言い切れないような危うさもあって。きっとハッピーエンドなんだろうけど、とても現実味のある世界観だから、現実的に考えるとこの先ふたりがどうなるのかは想像がつかないような。
1冊のマンガだけど、200ページの小説を読んだような気分です。

ふたりが暮らしてる空気感がとても好きでした。天羽のジョゼに対する愛が重くて深くてすごかったです。その愛は天羽の世界の中だけで完結している。そして最後その愛に向き合おうとするところで話は終わってしまいます。

ライトにBLを読みたいって方にはお勧めできませんが、じっくり読んで作品に浸りたいって方には激しくお勧めしたいです!

5

愛のはなし

圧がすごい。
作品全体からの圧、キャラクターからの圧、絵柄の圧、ぎゅうぎゅうと迫られる感覚のまま最後まで連れて行かれます。

決して万人がBL漫画に求めている雰囲気ではないと思いますが、好きな人は癖になる。むしろ表紙も特徴的なので好きな人しか手を出さないかも知れない。新井煮干し子先生の絵柄、自分は大好きです。

あまり講釈をたれたい作品ではないのですが、剣の2人への関わり方が絶妙でした。これ以上踏み込んでたらヤメテクレって感じだった。
途中まで、天羽はジョゼのガワだけ好きなのかなと思ってましたが、むしろ真逆でしたね。

1

顔買い

元々作家さんの別名義の漫画を読んで好きになってBLも読み始めたのですが、その中で最初にとったこの本が私の理想のBLでした。
気難しい黒髪短髪強面画家とイケメン天真爛漫金髪モデルのどちらも私のドタイプ一直線です。
そして黒髪が金髪を信仰する。これはド真ん中です。
全てを理解しようとするなら何回か読み返す必要があると思いますが、私のように好み〜!って感じで読み進めるならそんなに難しい内容ではないと思います。この加減が素晴らしいと思います。一生読めます。ありがとうございました。

1

思い出してはつい考えてしまう

天羽の部屋に入った剣は特におかしな物を見たような反応はしていなかったから、ジョゼが見たところできっと同じなんだろうと思う
しかし、天羽にとってはその全てがジョゼに対しての独りよがりな萌え語りだからジョゼには見せられないってことなのだろうか
中学生の頃のジョゼ本人を描いていた秘密の意識が強く残ってしまっているのだろうか
この作品は読むたびに何か気付いたような気がしては(違うかな)と思い直し、繰り返し思い出しては考えてずっと面白い
黒髪で本名に戻しモデルを続けることにした理由などもグルグル考える
元々金髪でジョゼと名乗っていたことはよくある「元から地元の友達に呼ばれていて」とか「目の色これなら似合うと思って渾名に寄せた」程度だったのではないか
それで戻した理由は…
散々考えた後に再び読むと自分の浅さにビックリしてまた何か考えてしまうのだ
天羽のモノローグを理解したい
理解したとできる日が来るまで何度も読むだろう作品だ

1

究極の愛の物語

画力の凄さに驚きました。
セリフが無くて、コマ送りの描写が続くところが、多々あり〜圧巻です。
素晴らしい作品でした。
2人だけの世界で、2人じゃ成立しないけど、そこには2人しか理解出来ない究極の愛が存在するんだと解釈しました。
攻めが受けに対して
「月までだって迎えにいくよ」
受けが攻めに
「生まれ変わらせてほしいんだ」
攻めが受けに
「愛している。おまえは骨になっても美しい
」その後の、攻めの告白。
受けが、攻めだけにジョゼと呼ばせて〜最後のページで、攻めがジョゼの画を描いている描写を見ると、2人が纏まったんだな!と。

ハア・・・難しいかった。けど、癖になる面白さ。何度も、読みそう。そして、読んだ後の感想が、毎回違うと思う。

1

表現者が描く表現者

お初の作家様。

ここまで濃ゆい作品にはなかなか出会えないので衝撃でした。

一見して粗いようにも感じられる画風は物凄く表現に富んでいて、台詞やモノローグと完璧に調和していて素晴らしかったです。
画力だけでなく、あらゆる表現力に長けている作家様だと感じました。

これは個人的な好みですが、BL作品にありがちな美形キャラ同士ではないのもとても良かったです。
ジョゼと同じく、天羽の目が好きだな。
鬼才の男性イラストレーターがいたら天羽みたいな感じかもなと思いました。(見た目とか話し方とか)

0

美しさが失われても、愛してくれますか。

ストーリーとしては実にシンプルなテーマを軸に描かれているのだと思います。「信仰」のお話を描きたいという作家さまの希望が叶って作り上げたお話だそうですが、とっても壮大なテーマですよね。ある意味究極の愛のカタチなので、BLでどのように表現されるのか非常に興味深いところです。

天羽(あもう)とジョゼは中学の同級生。天羽は私生活が謎のカリスマイラストレーターとして、ジョゼは人気モデルとして生計を立てながら同居生活をしている。ジョゼの同業仲間でモデルの剣(つるぎ)が住むところに困り、彼らの所に一時的に同居することで、二人の秘密の関係が明らかにされていきます。

物理的にも精神的にも閉塞的な状況下から抜け出せない天羽とジョゼの日々は、二人が中学校の入学式で出会った頃に留まったまま。ジョゼは恋人として愛されたいけれど、天羽にとってはジョゼの美しさが全て。お互いに思い合っているのに、芸術家肌な天羽の愛し方はちょっと特殊だし、ジョゼは天真爛漫過ぎるし…。その、次元の落差が切ない。

独特な絵柄は健在で、時々ホラー漫画かと思うくらい怖いコマがあります。マジで。(先生ご自身も作中で言及しちゃってるし。。)その暗さや先生の描く世界観がムチャクチャ好きなので、本作も煮干し子ワールドを存分に堪能できたのですが、…なんとなく物足りなさが残ったのはなぜだろう。

割とコミック・リリーフ的な要素が盛り込まれていて、わたしの感覚ではシリアス過ぎでもないし、重過ぎでもないんですよ。最も重いのは絵柄でしょうか。。ジョゼが家出中(?)に身を寄せていた後輩の女の子がツボではあったし、メゲないジョゼの前向きとも言えるキャラに救われるのですが、正直いうともっとダークなものを期待してしまいました。ま、その登場人物に対する情け深い優しさが先生の作風で好きなところではあるんですけども。

それにしても突拍子もないタイトル。これはジョゼに纏わることかと、妙に深読みしてしまいますよね。「ジョゼ」はモデルとしての芸名でもありますが、もともと中学時代から天羽がそう呼んできたもの。ジョゼは天羽だけにその渾名を許すことで、他の誰のものでもない、天羽だけのものでありたいと望む。ジョゼがその芸名を捨てた時、二人の関係性は決定的に変化します。きっと他にも深い意味が込められいるのでしょうねぇ。

どちらかというと定まった作風の作家さまなので、初読みの作品としてはどうかなと思うのですが、サブカル風味なのがお好きならば全然イケると思います。ジョゼのまつげバッサーが美しかった。

8

光と陰と

恐らくこの内容を帯で要約する事は不可能なんだろう、
と一読後長い溜息が出ました。
それこそこの物語にはゴールなんざ存在しないんでしょう。
ゴールらしき地点は置いてあるにしても、それは解釈次第で
一里塚にもなる代物で、そして解釈の為の理は一貫したもの
でもなければ整然ともしていない。
乱暴に突き放してしまえば、タイトルに対する疑念こそが
最大のネタバレではないかと評者は愚考するのですが、
それだけで済んでしまえば読んだ後に変なしこりなぞ
感じずに済んでいるのでしょう。

理解を放棄してただ感じていれば、パライソの気配を
感じる事ができるのでしょうか?

1

「おまえは骨になっても美しい」

なんて素晴らしい愛の告白。
これ以上の愛の言葉が見付かりません。
文学作品を読んだかのような後味。

新井煮干し子先生これが初読みで良かったのかな。衝撃的過ぎて言葉が消えました。

有名イラストレーターの天羽と人気モデルの美しいジョゼ。
2人の関係性は恋人?友達?奴隷?もはや人間同士とは思えない。神様と人間と言われて頷くしかない。あまりにも盲目的で絶対的な愛。
天羽からしたらジョゼ以外は全て同じ。全てはジョゼの為。

実際、天羽にジョゼは同じ人間と思われてないのが可笑しすぎる。

天羽の愛が深すぎて凡人の私では理解が出来ないんですよね。いつ帰ってきても、いつ居なくなっても、目の前で他の男とセッ クスしていようが全てを見守り赦す天羽。
ジョゼが自分を愛そうと愛すまいと裏切ろうと何をしようが愛してる。
存在だけ有れば良い。


それを自分の美しさに惚れているからだと思い込むジョゼ。
お互いに思い合っているのに、普通に愛し合いたいのに、叶わないジョゼの心情を思うと何て絡まりに絡まった2人なんだと同情を覚えます。

ジョゼが名前はこれが本名だ。とはどう深読みしたら良いんでしょうか?難しい。

恒星と惑星の例えが言いえて妙。
あまりにも絶対的な関係で太陽だけど人間のジョゼは寂しくて堪らないだろうな。
さて、太陽が自ら動いたら惑星はどうなるのか?
惑星は消えるか、離れるか、違う形に変化するか。

とても普通な感覚の剣君が居てくれて良かった。
同じ空間にいるのにも関わらず、自身を存在されないってどれ程の恐怖なんでしょうね。
どうして天羽は心を許したの?あの話で同情した?ただジョゼが剣を気に入ったから?

ジョゼが鼻を骨折してから2人の距離が変わる。
見た目の美醜じゃない。愛してる。骨になっても美しい。
言葉にすれば簡単な事だったのに。

2人はこれから変わると思ったが部屋には入らせない。全てを許した天羽がジョゼから求められた事を出来ない。
ジョゼと言う渾名をつけた瞬間から、彼のパンドラは開けられない。
信仰とは根深いですね。

最後の…かもしれない。で希望が見えた気がします。
一見普通であり、凄まじい狂気的な愛に痺れました。
いやー本当に難しい。
もっと私に知識や経験が有ればまた違った見方が出来たかもしれない。

1

愛の語り方

 崇拝、心酔、聖人化。愛と呼ぶには少し躊躇われるけれども、愛と紙一重なそれらの感情を淡々と描き出している秀作でした。ジョゼに出会って人生が変わった天羽。才能あるイラストレーターである彼にとっては最も創作意欲を掻き立てる存在。裸のジョゼに触れながらも逐一欲情しない天羽を見ていると、ああ彼は本当にジョゼの美しさを愛し、一線隔てた所から観察しているのだなぁと感じます。

 一方で、彼にとってのジョゼの美しさとは、けっして外見だけではないのです。内に秘められたいじらしい感情も、奔放な振る舞いも、天羽に甘えているところも、すべてが愛すべき対象。ジョゼは自分が今の美しさを失えば、天羽は興味を失うだろうと考えていたけれど、天羽は芸術家でもあり一般人でもあったんですね。彼は普通に恋をする男だった。内面が伴っていれば、天羽にとってジョゼの見た目はどんなであろうときっと愛おしいものなんでしょう。長い年月をかけてそれを理解したジョゼの一途さも愛おしい。天羽の信仰心はゼロにはならないだろうけれど、年月が2人の距離を少しずつ縮めていくのではと思います。もどかしい2人の間に剣が入ることで閉鎖的な世界に客観的視点も生まれ、良い脇役でした。

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