雪解けの恋

yukidoke no koi

雪解けの恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神122
  • 萌×275
  • 萌29
  • 中立4
  • しゅみじゃない3

--

レビュー数
22
得点
1001
評価数
233
平均
4.3 / 5
神率
52.4%
著者
itz 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
三交社
レーベル
Charles Comics
シリーズ
雪解けの恋
発売日
価格
ISBN
9784879197313

あらすじ

高校3年の春、先生に恋をしたーー
電子書店Renta!殿堂入りの大人気作、待望のコミックス化!
生徒×先生の切なく甘い青春BL。
コミックス創刊第3弾! 初版限定描き下ろしペーパー付! !

澄人(すみと)はある日、公園で泣いている男性を見かけた。
それはなんと、自分が通う学校の国語教師、染谷(そめや)だった。
染谷のことを知れば知るほど惹かれる澄人と、澄人のことを知れば知るほど近寄れなくなる染谷。
頑に澄人を拒む染谷には苦い過去があって…! ?
純粋で一途な生徒×過去にとらわれた先生の切なく甘い青春BL。

表題作雪解けの恋

高田澄人 高校3年生
染谷美幸 32 現国教師

同時収録作品ルアーノート

山下 大学生・瀬戸の職場でアルバイト
瀬戸 サラリーマン

同時収録作品ファイナルチャプター

その他の収録作品

  • 雪解けの恋in東京(描きおろし)

レビュー投稿数22

儚げ黒髪の先生と、頑張る年下ワンコ攻め

スピンオフ作品を読み返したら、スピン元のこちらも読み返したくなり、久しぶりに再読。スピンオフの主人公・おーちゃんの高校生姿がなんだか新鮮でした。

itz先生の作品の世界観と、キャラの表情が本当に好き。。
こちらは高3ワンコ系男子 × 真面目で線の細い印象の美人系教師のお話。

しっとり黒髪美人の儚げな先生が美しい…
ノンケの攻めのことを考えて距離を取ろうとするんだけど、粘る攻め君、グッジョブ。

表題作以外の2作は、一応カプとしてはくっ付くけれど、どちらもかなり不穏な空気を醸し出して終わる、ダークめな雰囲気のものです。

特に「ファイナルチャプター」は”背徳BL”って言葉がピッタリの不倫&浮気もの。
個人的には”香り”がテーマの「ルアーノート」が好みでした。身代わりの恋の行く末が気になる。できれば続きが読みたい…!

表題作もそれ以外の収録作も、しっとりした魅力&読み応えたっぷりで、大満足の一冊です。

0

真っ直ぐな年下の攻め!生徒×先生という関係に萌え!

切ない、、、キュン……!!

男子高校生×先生の好きになったらいけない存在、先生は過去に友達に裏切られて傷ついたトラウマ過去持ち。
生徒の澄人がめちゃくちゃまっすぐで振られても振られても何度もしょげないで気持ちを伝えてくれるのが見ていて気持ちが良いです。最後卒業する時まで先生への気持ちを変えなかった澄人の一途さに拍手をおくりたいです。

自分と同じ思いさせたくない先生の気持ちも痛いほど伝わりました。
澄人が友達にカミングアウトする瞬間、自分と重ねるのに澄人は違っていて友達にも支えられててほんと良かったし、そう言える澄人が強いと感じたんだろうな。

作中、澄人が先生に自分の気持ちを真っ直ぐに伝えるシーンはセリフにも描写にも感動します。

最初のページは桜が咲いてるのに雪が降る、途中大雪の中でのキスシーン、最後桜はないけど雪はとけてるこの流れとタイトル回収が最高に良かったです。
セリフにモヤかけたり、セリフの裏に気持ち隠したりの表現が今迄にない感じでみせるのが上手いな、と思いました。
性描写はほとんどありません。
絵に透明感があってきれいです。

0

美しさと切なさとあたたかさと

表紙の美しさとタイトルが好みだったので購入!
本編も表紙同様、繊細なタッチで、「雪解けの恋」というタイトルに相応しい切なさと温かさを感じました。
エロほぼ無しのストーリー重視が好きなので個人的にそこも良かった!
すれ違いもあるけど最終的に超ハッピーエンドでめちゃくちゃ好みの作品でした!
一緒に掲載されている「ファイナルチャプター」という作品は、雪解けの恋のようなあたたかさはないけれど、なんとも言えない切なさで好きでした。

0

スト重歓喜

「感動BL」「泣ける」と言われる作品を読んでみても泣けないドライ野郎が、この作品では気づいたら泣いてました。
1巻完結の作品は登場人物の心情に寄り添う間もなく話が展開してしまうことがありがちですが、この作品はそういった不満が全くなく、物語に集中して読めました。
ストーリー重視で、2巻以上の作品でないと読まない、といった方(私がそうです...)にもぜひ読んで頂きたい作品です。
個人的にはあまり癖のない作品だと思いますし、少女漫画に近い感覚で読めると思います。

1

春を連れてきたのは

桜が咲いているのに季節はずれの雪が降っていて…
そこで涙を流している染谷の姿がとても印象的でした。
涙を流す染谷がとても綺麗に見えて、その姿を見てハッとなった澄人の気持ちがよくわかりました。

染谷に恋をした澄人はいろいろアピールするもなかなか響かず…
でもそんな日々すら楽しんでいるように見える澄人がすごく眩しかったです。

ふたりは早い段階で両想いだったと思いますが、染谷は教師と生徒だからという理由だけでなく
実らなかった恋をしていた時代の自分と澄人の姿を重ねていて
大切に想っているからこそ傷ついてほしくなくて好意を受け取らない、その選択が切なかったです。
でも最後にはしっかり幸せになってくれるので
そうなってから振り返るとそれまでの切なさもなんとなく温かみを感じられるところが素敵だなと思いました。

澄人に染谷のことを打ち明けられた時、おーちゃんとコバが受け入れ難い気持ちがあっても澄人自身を否定しないでいてくれたおかげで
きっとふたりは前に進むことが出来たんだろうな。3人の友情も素敵でした。

何度読み返しても新鮮に萌えることができて、本当に大好きな作品だなと改めて思いました。


そして同時収録の「ファイナルチャプター」が最高に好きです…!
感情のいち部分だけしか読み取れないですが、短編の限られているページのなかで朝哉と夕の複雑な気持ちが痛いほど伝わってくるのです。
ふたりはこの先、どうするのかな…。
きっと続きを知れることはないでしょうが、叶うならふたりのもっと長いお話を読んでみたいです。

1

幸せを奪ってしまうことが怖い

単話で購入していたのですが
今更ながら紙で購入しました。
表題作だけかと思っていたのですが
表題作以外に2つお話が入っています。

表題作は生徒×教師のお話で
こちらが単話で読んでいてすごく好きだったので購入しました。
エッチなシーンはほぼほぼないのですが
絵が繊細で独特の空気感のあるお話です。
優しくて切なくて胸がぎゅっとなりました。

【ファイナルキャプター】というお話もこちらに入っているのですが
このお話がとても切なくてハピエンが好きな私には辛かったです。
メリバになるのかなー?
お互い彼女と奥さんがいる中で
当時に気持ちが引き戻されて、でもどうにもならないんです。
悲しい。
どうしようもなく悲しい気持ちになったあとに
表題作の描き下ろしは心が癒やされました。
先生が甘えてるのがたまらなかったです。

1

泣いてしまう

私はBLで泣くことはあまりなかったですが、結構泣かされました。苦しくなったし、2人のこれからの事を考えた発言などが多く、色々思わされることがありました。
甘くて苦くてという感じで、キャラもとても好きになります。また、絵がとても綺麗だなと思いました。一つ一つの線が細かくて、どことなく冬を感じさせられました。
本編以外にも2つ短編が入っているのですが、そちらもそちらでなんというかむず痒い、やるせないような作品で、短いのに面白かったです。

5

この恋で誰が幸せになれる?

「苦しいほど人を好きになったことがありますか?」

美しい表紙、帯に惹かれて購入しました。

【雪解けの恋】
先生と生徒の禁断の恋。王道中の王道ですが、切なさが少し残る作品でした。
高田澄人(高校三年生)×染谷美幸(国語教師)
純粋で一途な澄人と過去にとらわれている先生。

染谷は高校時代に、付き合っていた人(男)とキスをしている写真を写真部に撮られ、その写真をクラスメイトに見られてしまった事がありました。その場は誤魔化すことが出来たのですが、怖気付いた彼氏に「普通の友達に戻ろう」と言われてしまいます。
本気で彼の事が好きだった染谷は、大きなショックを受けると共に、「男である自分を好きなことで、相手や、その周りの人が傷つく事になるかもしれない」と、相手に向けられる世間の目を気にし、恋愛に臆病になります。
でもどこまでも真っ直ぐで、純粋な愛を伝え続ける澄人のお陰で、先生の凍った心は少しずつ溶かされていく...そんな不器用で甘い、そんな2人のお話です。

他の方も仰っていますが告白のシーンや、「雪の中2人で閉じ込められたよう...」といったシーンが何処までもに美しく、そして切なく一度読んだら忘れられません。作中に何度か出てくる染谷先生の泣き顔、赤く染った顔がとても好きでした...!
澄人が東京の大学に進学することで、遠距離恋愛になってしまいますが、その距離さえも2人には関係無いのでは...と思います。

【ルアーノート】
この作品は表題作の雪解けの恋とはまた違った切なさでした。飲み会で酔ってしまった先輩(瀬戸)を、家が近いアルバイト(山下)の家で休ませる。
これもよくある設定ですが、瀬戸が山下の付けてる香水の匂いを嗅いで「メグミ」と誰かの名前を読び、泣き出してしまいます。そのままキス&フェラ...しかし途中で寝落ちてしまい、酔っていたので次の日には何も覚えていない瀬戸。
この後「メグミ」というのは同じ会社で働いている、瀬戸の高校の同級生で、瀬戸がずっと片思いしていたのだと分かります。その思いを伝えることはなくメグミは結婚してしまい、もう一生自分とメグミが結ばれることは無い...。そんな悲しさを埋めようとして、あの日は飲みすぎてしまったのです。

山下は瀬戸の事を気になり始めているが、瀬戸はメグミの事を十何年も思っている。2人の結末は描かれませんが、切なさが残るお話でした。

【ファイナルチャプター】
高校時代仲、の良かった夕と朝哉。
互いに自分の事を好きなのでは?と思ってはいるけれど、関係を壊すのが怖くて言い出すことが出来ない、そんな2人が東京で再会するお話です。
夕には彼女がいて、朝哉は結婚している...これで良かった筈なのに互いの事を忘れることが出来ない。

「こんなに何も生まれない自分勝手な欲望で一体誰が幸せになれるというのか」
何が正解だったのか分からない、どうすれば良かったのか...そこで終わる、余韻が残るお話です。

まさか自分がここまで長々と感想を書くとは思いませんでした。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

5

奥手な先生と、ワンコな高校生の恋

桜舞い散る春うららの中、涙する先生を見てしまう。
そんな映像美のシーンから始まる物語。

どこかで見たと思ったら、それは先生だった。
質問をしに行ったりと、先生に懐く高校生、澄人。だんだんと恋愛感情だと気付く。
一方の先生は、恋をしていた幼なじみの結婚で、恋に臆病になっている。
でも若くて屈託のない澄人の一途なアプローチで、心を融かされ、春を迎える。
まさに雪解けの恋でした。

他に、テーマアンソロに収録されていた2つの短編を収録。
1つは発情BLに収録された”匂い”がテーマの作品。相手が好きな人の香水をつけて迫るというちょっと策略的な、でも切ないゲイのお話。
もう1つは背徳BLだそうで、高校生の頃、お互いに想いがありながらも打ち明けず分かれた二人が再会し、片方が結婚、もう片方が彼女がいるという現在。でも10年越しの思いがあふれて。。結論は描かれないけど、どうなるのかな。。
今の生活を捨てるのも難しい選択だけど、この恋を捨てることもできない、と思うのだけど。。
印象に残るお話なので、もう少し長く読みたいなと思いました。

0

高校3年生×国語教師

高田(高校三年生)×染谷(国語教師)
ストーリーは生徒×教師の王道ですが、登場人物に過激さがなく、過剰ないじめシーンや口論がなく、軽い当て馬的存在も落ち着いているので、逆に現実味がありました。絵柄やタイトルの雰囲気にあっています。

王道の中でも記憶に残る作品でした。
これが初コミックスと思えないほど演出がうまい!
それ故に印象にしっかり残るんだろうなと思う。

雪の中の告白はかなりの名告白シーンです。演出がいい。白さと冷たさと、赤くなった染谷と2人の熱が想像できて非常に美しいシーンでした。もっとページ数使っても良かったなぁ。
高田は本人も言ってる通り本当に何度も告白するんだけど、中庭のシーンの染谷の涙もかなり好きです。
高田が今後の人生決めるほど染谷に執着した理由がしっかり分かるわけではないのですが、BL漫画らしい綺麗なお話でした。

同時収録の短編もかなりいいです。
ルアーノートかなり好き。でもファイナルチャプターは表題の後に入ってると、複雑な気持ちになる。どう転んでも誰かが不幸になる世界がある。背徳BLかーそうかー

神よりの萌2

1

背徳BLに収録されていた短編が好き

三つのお話が収録されてます。
どれも絵が綺麗で繊細な印象を醸し出していて、お話にとっても合ってる。

【雪解けの恋】
私の好きなワンコ物語なのに、なんか読後に安心感を得られなかった。
先生がそのうち「別れたほうがいい」とか言い出しちゃいそうだなぁ……という気持ちをどうしても払拭できない。

だって先生は一言で言えば気持ちを引き摺りがちな人。
高校時代の恋を、32歳になった今でも完全に過去にすることができずにいる。

ましてやゲイである自分に後ろ向きな人なので、自分のせいで攻めを同性愛に引き込んでしまった罪悪感やら、いずれこいつも女と結婚するとか言い出しそうだ…という事をどうやっても消し去ることができずに攻めと付き合いそうだなぁって。
終始俯いている印象が強いせいかなぁ?

くっついてからのほうがドラマがありそうな気がします。
別れを告げても攻めがガシッと手放さず、先生が観念するところまで見届けないと本当の意味で安心できない……。

【ルアーノート】
酔っ払った先輩を連れて帰ったら、「メグミ」「懐かしい」「この匂い」と泣きつかれ、オレを誰と勘違いしてるの?というところからお話が広がっていきます。

受けの片思いしていた相手が高校時代の同級生かつ既婚者ということで同時収録作とどうしてもイメージ重なる部分があり……。

【ファイナルチャプター】
これ『背徳BL』で読んでいて、すごく印象に残っていた作品。

高校時代、両思いだったのに気持ちを確かめ合うのが怖くて逃げ出した朝哉と夕。
12年経った今も、ふと思い出すことがある……。

そんなある日、朝哉を見かけた夕が声をかけてしまい、それから……。
再会したときは朝哉は既婚者でもう動きの取れない状況だけど、二人の心だけがどんどん動き出してしまう様子が苦しくて切ない。

八方塞がりの現実の中、抑えきれない気持ち。

最後の一文が余韻を漂わせるこの短編が一番好き。

1

同時収録作の方が捻りは効いてるかも

 3作品収録されていて、どれもしっとりとした雰囲気のものばかりでした。同性愛に悩む王道系の話が揃っています。1つでも毛色の異なる話があれば、もう少しメリハリが付いたんじゃないかなと思いますが、同じ系統で揃えて欲しいという方は十分満足できると思います。表題作以外はアンソロジーに収録された作品なので、ぶつ切りに感じる方もいらっしゃるかも。私はこういう終わり方も割と好みでした。

◆雪解けの恋(表題作)
 生徒×教師ものの、王道ストーリーといった感じでした。公園で泣いている教師の染谷を見かけた澄人は、それ以来彼のことが気になるようになります。染谷には学生時代両想いだった同級生がいましたが、周りに関係がバレそうになり、やっぱり同性との恋愛は無理だと関係が消滅してしまった過去があります。染谷は澄人を拒み続けるけれど、時々ガードが緩んで受け入れてしまうことも。卒業式の日、澄人に「先生がいない世界がオレにとっての不幸」と言われ、染谷はようやく心を決めます。最後まで王道展開だったので、私の中で強く印象に残る作品とはなりませんでしたが、卒業式の日の澄人の言葉は1つひとつが素敵でした。

◆ルアーノート
 『発情BL』に収録された作品。匂いによって欲情するのがキーになっていて、泥酔した瀬戸は、自分が失恋してしまった男性と同じ香水を付けている山下に迫ってしまいます。ゲイの山下はそれを利用して、後日瀬戸をお持ち帰り。他人に未練があるままの瀬戸を抱く山下が、ちょっぴり切ないストーリーでした。でも、山下が強かそうではあるので、意外と上手くいきそうな予感もしました。

◆ファイナルチャプター
 『背徳BL』に収録された作品。学生時代両片想いだったのに、結局どちらも想いを告げずに大人になってしまった朝哉と夕。朝哉は既に結婚もしています。夕がうっかり声をかけてしまったことにより、傷を掘り返す羽目になった2人。朝哉は結婚して夕のことを忘れようと努めていたのに、当時の熱を思い出し、夕を連れ出してキスしてしまいます。学生時代どうすれば良かったのか、後悔する2人が切なかったです。

0

普通の幸せ

男同士、たとえ愛し合っていたとしても、その先の二人の関係に、どんな未来があるっていうのか。
一時の恋愛感情の高ぶりで、普通の生活、普通の幸せを相手から奪ってしまうことなんてできない。

表題作は、過去の恋のために、そんな考えに囚われたままでいた教師を、生徒が若さのパワーで押し切るお話。
このお話は、ちゃんと先生の方が押し切られてくれたのでよかった。

同録の短編もテーマは大体同じ。
「普通の生活」「普通の幸せ」から逸脱することを恐れて、友達でいることを選択したはずなのに、それでも…。なお話。
短編なので、この先どうにかなるのか、どうにもならないのか、結末までは描かれていないのでこちらはちょっと物足りなかったかも。
全体としては、絵が印象的できれいだったので、かなり神寄りの萌2です。

1

もう一声欲しかった

スピンオフである『ぼくらが恋を失う理由』が発売になったので、こちらも併せて購入。電子書籍サイトのRenta!で殿堂入りと書かれている帯や、表紙のきれいさに、どんなお話なんだろうなと期待度アップでの状態で読み始めました。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。


主人公は高校生の澄人。
彼視点でストーリーは進んでいきますが、このお話は澄人の恋の成就のお話ではなく、澄人の高校の学校の教師である染谷先生の魂の救済のお話だったと思います。

染谷先生が抱える、ゲイであるという葛藤。
恋心を抱いていた「友人」に対する失恋。
そして、まっすぐに自分に好意を寄せてくれる澄人に対する贖罪の気持ち。

それらを、澄人が染谷先生に惜しみなくあたえる愛情によって昇華されていくという、まさにBLらしいお話でした。
はっきり言ってしまえばよくある話で、テーマとしては出尽くした感のある題材。
なので、そのテーマをどう展開していくのか、が問われる部分だと思うのです。

綺麗な絵柄。
澄人の、高校生らしくまっすぐでひたむきな愛情。
そして染谷先生の、澄人に対する愛情。
どれもツボなのですが、もう一声欲しかったな、というのが正直な感想。

ノンケさんだった澄人が、同性の、年上の、しかも先生に恋心をいただくようになる過程が甘い、というか。染谷先生は健気さんですし、男前のナイスガイだとは思うのですが、澄人の気持ちが『恋』になっていく過程が分かりづらいし共感しづらかった。

表題作のほかに短編が2つ収録されています。
こちらも、ゲイであることの葛藤を描いた作品で、短編ゆえに結末や二人の恋の行く末が描かれていない。
その分余韻があって素敵でした。

こういう描き方のほうが、この作家さんには合ってるような気がしました。

6

涙はすごく綺麗なのだけど…

絵がすごく綺麗です。
桜が咲いてるのに雪が舞う公園で泣いてる男の涙も印象的です。

高3の澄人が見かけた公園で泣いてた人は教師だった。
泣いてた理由が気になって、近づくうちに好きになって、
ゲイで過去にトラウマがある教師は最初は頑なだし
生徒の未来も奪っちゃいけないと引くけど気持ちは抑えられず…
って、ストーリーはテンプレでどこかで読んだような既読感。

教師が泣いてたのは、高校の時に付き合ってた男の結婚式の後。
周りにバレそうになって、「普通」に戻っていった友人。
教師は32歳で、その間、なにもないまま友人を想っていたとも思えず
「普通」になれない自分の置いてかれた感みたいなものに涙したのかな?
あと教師が生徒を好きになった理由も共感できるところがなかったかな。

大雪で休校の校庭で、気持ちが抑えられなくなった二人、
教師の言葉が風と雪で遮られて聞こえないのを、漫画の台詞もかすれていて
こうゆう絵・漫画としての演出はすごくうまいなーと思いました。
だからストーリーの物足りなさがもったいなく感じてしまいました…

「ルアーノート」『発情BL』
昔の男を引きずってる男を、同じ香水の香りで手に入れようとする。

「ファイナルチャプター」『背徳BL』
高校の時、両想いだったのに踏み出すのが怖くて逃げた。
社会人になって見かけてつい声をかけたら彼は結婚していて
自分も彼女がいて、でも二人とも気持ちが抑えられなくて…
最後の一文に想像力を駆り立てられました!

同時収録の短編二つは、始まりだけでハッキリ結末が書かれてないけど
どちらも余韻を残す終わり方で、表題作よりも印象に残りました。

3

秀逸

とにかく絵が綺麗で、電子で途中まで連載を読んでいたのですが、1冊になるのをずっと待っていた作品です。
でも、電子で連載していたのに、電子で1冊になるまですごく時間かかりましたね・・・・・・。最近自分は作者買いの作品以外電子がメインなので紙でコミックスになった後も実際のところ辛抱強く待ってた感じです。新人の作家さんの作品をこんなに待ちわびるってことはあまりなかったのですが、この作品はとても気になっていました。
勿論期待を裏切らなかったとは思うのですが、予想以上に最後はあっさりしていたかな~と思いました。
でも内容・作画ともに初コミックスとは思えないレベルの高さです。
雪の中のシーンとか、映画を観ているようでした。一コマ一コマの表情とか、動作がとってもドラマチックです。
コバとおーちゃんが好きでした。この二人に読者も救われてる感じ。
短編が2つ入っているのですが、それも秀逸でした。特に『ファイナルチャプター』は背徳BLでデビュー作とのこと!驚きました。
正直、BLとして盛り上がって実ってラブラブという王道ではないので、フラストレーションが溜まる人もいるかも。実際私もBLにそういうのを求める部分が大きいので(^_^;)
それでもイイ!と思える作品だったと思います。次作以降で、ぜひ王道を描いてくださらないかな~・・・・。そして人物の表情や動作だけでこれだけ色っぽく描ける作家さんなので、もっとイチャイチャシーンを見てみたい・・・・←本音。

3

美しい涙が見物です。

こんなに涙が美しいと思う作品、久しぶりです。
心の底から流れ出るしっぽり美しい涙が見物ではないでしょうか?!
悲しみの涙から始まって、嬉しさの涙で終わる。
胸を熱くする涙の描写。
とにかく涙の持つ意味が素晴らしかったです。
コマ回しも独特で、吹雪のシーンとかはとても効果的な演出もあり、全体的に美しい作品だったと思います。
強いて言えば、先生のトラウマが浅かった気がします。別に付き合っていた訳でもないので、もっと深い傷の涙であってほしかった。
そして、お色気シーンが全然なかったのでがっかり。先生のあの表情。もっと見たかったです。

〈ルアーノート〉
完全なる序章的な話だった?!ここから話を始めて欲しい。
〈ファイナルチャプター〉
切なーい。
『実らずに根を張り続けるなら、実らせて終わりを迎えよう』凄い一言だ!!
そこで終わりにできる程人間は美しくないんだぞ。と、思ってしまうが・・・
まさに青春だ!

3

すごく丁寧に

好きになるきっかけから二人が結ばれるまでの過程が
凄く丁寧で、すぐ引き込まれました。
過去の恋愛がきっかけで臆病になってる先生。
その先生が愛しくて。
後日談はそのぶん甘くて良かった。

他二編は素直に好きだと言えばいいものをむだに拗らせてる感、
三作どれも女と結婚して・・・というのが根底にあるのだが
正直あんまり気持ちのいい展開ではないなと思いました。
あんまりBLでは描かれない切り口なので、好きな人は好きなのかな。

6

男の涙、意味深です

好きな作品です。
根っからのゲイとノンケとの恋やまっとうな生き方とは何かなど、切なめのテーマの作品ばかりがぎゅっと詰まってます。

表題作は、攻めの男子高校生が友達も多く、顔もなかなかなのに、女子からは残念な子と言う扱いなんですが、先生になついて、先生、先生とじゃれつくところが可愛いです。でも、仲のいい友達に先生が好きだと言うことをばらすところとか、男気を感じますし、揺るぎない友達との関係だからできることだろうなと思うと、やはり澄人の人柄に惚れますね。

最後に収録されていた「ファイナルチャプター」は、そのあとどうなるの?!とどうにもならないことを承知で気になってしまう切ない作品でした。あのときの選択が正しかったのか、どうなのか、最後まで誰にもわからないのですね。

3

とてもきれいなお話、だけど

150ページ弱の表題作のほかに、26ページの作品が2つ収録されています。ボリュームたっぷり。この作品は電子の試し読みで始まりの部分を読んでいたのですが、イラストが好みだったので楽しみでした。あらためて、紙のページをめくって読んでも、あぁ、きれいだなぁ...すでに切ないものを期待させるイントロがいい!

おそらくよくあるワンコ生徒とメガネ教師(ゲイ)の組み合わせだったからというのもありますが、展開がどこか容易に感じました。丁寧に描かれているお話なのに、見たい部分が省かれているように感じるというか(Hシーンのことではないです)、もうちょっと内側まで入って読みたかったというか。なので個人的には、え?もう終わりなの?というのがエンディングでの感想でした。いっそ嫌ってもらえたら楽になれるかと思ったけど、やっぱり嫌われたくない~~~という攻めの子の思考が彼らしくて、可愛かったな。

短編2作品について。先のレビューではるぽんさんも書かれていますが、特に受けの心情や背景が表題作を含め似ている印象だったのは残念。ストーリーが似ているわけじゃなくても同じような話を読んだ気になってしまった。引っかかりばかりの感想になりましたが、美形男性がたくさん出てきてシアワセでした。次回作も読んでみたい。

それにしても帯がもったいない気がします。
Renta!殿堂入りの文字は、目に留まるかもしれないけれど…。

4

高校生×高校教師

高校生の澄人(攻め)は、ある日公園で泣いている国語教師の染谷(受け)を目撃する。以来染谷のことがなんとなく気になって、本を貸し借りしたり、休み時間にまとわりつくようになった澄人だったが、いつしかそれが恋だということを自覚する。染谷もまた、自分に懐いてくる澄人を可愛く思っていたが、澄人の想いに応えられない過去のトラウマがあり…。


じっくり丁寧に描かれた、高校生×高校教師の年下攻めものです。
教師受けは、かつて付き合っていた男の保身のために捨てられたゲイ。その元彼の結婚式の後に泣いていたところを攻めに知らず目撃されていた、という始まりです。
そして攻めにまとわりつかれるようになり、知らずしらずのうちに惹かれ合うようになります。でも受けは、元彼に「女と付き合って結婚するのが普通」と振られたトラウマで、どうせ攻めもいつかは自分から離れていくのだと思っています。

ワンコな攻めは、男を好きになってしまったという葛藤はあるのですが、基本は一直線。好きになったのが男だっただけで、性別は恋を諦めるための枷にはなりません。ぶんぶん尻尾を振りながら猛アピール。
そんな若さあふれるワンコパワーが、凍りついた傷心ゲイの心を開かせられるか、という話です。

押せ押せ×ウジウジカプではありますが、どちらもなかなか純情奥手なキャラで、とても可愛かったです。「どうせお前も俺から離れていくに決まってる」という先生に、攻めが「それ、先生から離れていくという選択肢はないの?」と聞き、秘めた自分の想いがバレてしまった先生がカカカーと赤面するとこなんかすごく可愛くて微笑ましかった。
エロは、卒業式が終わってからほんの少しだけ。ちょっぴりだけなので、BLにエロエロ必須、という方には向きません。


同時収録短編が2本、アンソロジーの『発情BL』と『背徳BL』に収録されていたものだそうです。
表題作、同時収録作、どれも受けの片想い相手が女と結婚しちゃう話でした。そこから別の攻めが現れるルートと、結婚している相手と再燃しちゃうルートに分かれはするんですが、やっぱり3つそれが続くと…。もっと違う雰囲気の話を収録されたらよかったのにな、とは思いました。

6

変わりゆく季節

紙書籍での発売待ってました!嬉しいです!
ありがたやありがたや゚+.((人д<o))゚+.

表紙が内容にマッチしててとても良いです。
紆余曲折あるものの、2人の間に流れてる時間はこんな雰囲気。
あらすじと表紙が好みドンピシャな方は是非是非〜(﹡´◡`﹡ )

ちなみに表題作以外に2作品収録されていました。
本は厚めで読み応えあります。

◆雪解けの恋

高校教師(受け)と教え子(攻め) 2人の出会いから徐々に変わっていく関係を季節を通じて描れているのがとても良いです。
互いの存在を認識し出会った春。
親しい話をするようになった夏。
心の距離がどんどん深くなる秋。
それぞれの想いがすれ違って凍てつく冬。
そして季節が巡って、雪解けの春。
読み終えてから表紙を眺めてタイトルを見ると胸がじんわり。

攻めはとっても真っ直ぐなワンコ高校生。マイノリティであると世間から侮蔑される恐怖も知らず、キラキラ輝いてます。先生に一生懸命尻尾振って、懐いて、めいっぱい愛情オーラを放つワンコっぷりには癒されます。ちょっとアホっ子な一面はあるけど、前向きでひたむきな姿はとっても頼もしく男前です。

受けには高校時代に友達に恋をして、触れ合って、なのに「普通じゃないから」という理由で拒絶された過去があり、今でも引きずっています。
悲しい経験がある先生には、壊れる瞬間や「普通の幸せ」を奪うコトに怯えていて、攻めから真っ直ぐ向けられる好意に向き合うコトが出来ず…。
そうなる原因である過去の回想と、片思い相手から言われたとどめの一言がとても痛い。それを1人で受け止めて耐える受けが切ないです。

そんな受けが本音を零した雪の中のシーンが最ッッッ高に良い!!
シンシンと降り積もる雪の中で途切れ途切れにしか聞こえないセリフが、印刷をところどころ薄くしていて、読者も読みづらい(聞こえずらい)という表現になってます。
そして一番重要なセリフが完全にかき消されてるー!
でも読めなさそうで読めるニクい演出が非常に良いです。
そんでそんで!すごく寒そうな雪の中、交わす舌の熱が伝わる…。
このキスシーンはとても印象的でした+゚。*(*´∀`*)*。゚+

そんなこんなで1年経った雪解けの春。
ボロっボロに泣く先生の涙にもらい泣きです(´•̥ ω •̥` )
真っ赤になって俯く攻めと受けにはキュンキュンするー!!!

描き下ろしは8Pのラブラブ後日談です。初回限定には封入ペーパーも挟まれてますので、電子で既読済みの方も楽しめる仕様になってました♪

楽しいばかりじゃないけれど、流れる時間があったかいです。
買ってよかったと思える1冊でした。

◆ルアーノート
「発情BL」に収録されていた作品です。
大学生の攻めがバイト先の社員さんと…というお話。
個人的には、受けが黒髪・メガネ・友達に片思いと3コンボ揃って表題作の先生と被っていた部分が残念かな。でも片思いの相手の名を呼びながら泣きじゃくる姿には萌えました///

ページ数的に短めで、これからどうなるんだろう!?と気になるところで終わっているのが悲しいです(´×ω×`)続き欲しいよー!

◆ファイナルチャプター
「背徳BL」に収録されていた作品です。
高校時代、お互い恋心を持ちつつも、怖くて一線を超えることが出来なかった2人。大人になって再開して、再び距離が近付くーーーと思いきや、片方は新婚・片方は同棲中の彼女持ち。

戻りたいけど戻れない
一線を越えたいけど越えられない

臆病な2人の切ないお話でした。
メリバなラストは苦手だけど、このお話は一線を越えられなかった2人のもどかさしさが伝わって良かったです。あと泣き顔にグッと惹かれました。

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