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Dear, My GOD
朝田先生の最近の「スリーピング・デッド」が素晴らしすぎて心に刺さりましたので、過去の作品も読んでみようと思って本作を買いました。
何よりも心理描写が上手い!傷ついた、哀れな人にとって、自分に手を差し伸べて助けてくれた人という存在がただの人間、恩者などではなくて、まして拝むべき神様になる傾向を繊細で丁寧に描かれています。
カルトという非常に興味深いテーマを用いて、結構不気味な雰囲気を作れたと思います。最初は、もっと見せて欲しいな、もっとこの場所や信者を見たいと思っていましたがやはり知らないものが一番怖い、ということですよね?囚われる神父と同じく、狭くて感じて息苦しくなります。
二作目はまあまあ普通ですが、表紙作のインパクトが強すぎて神にさせていただきます。
『スリーピングデッド』を読んでからというもの、朝田ねむい先生の虜となってしまいました。
先生の作品で私が二番目に読んだのがこちら『Dear, My GOD』。
『スリーピングデッド』を読んで感じたことですが、やはりこちら収録の二作品も同様に、ストーリーの運びやシーンの捉えられ方などとても映像的に感じられます。
読後の余韻が映像作品を見た後のような感覚です。
ひとつひとつの絵やコマの連なりから、色や音や匂いがして来るのがよくわかります。
表題作『Dear, My GOD』では北米の片田舎の太陽が感じられました。暖かくてちょっと黄色くて眩しい。例のカルトの溜まり場では澱んで饐えたような臭いもします。そんな、息をするのもためらわれるような場所で無邪気に笑うリブの様子が痛々しい。
救済と言うよりは人の業に潜む闇や何かを盲目的に信ずることの恐ろしさを感じました。
同時収録の『はなばなし』こちら、かなり好きです。擬人化した花も可愛いけれどハナも可愛い。花に近寄ると、冷たくてしっとりとした水気を含んだ土と葉、そして清らかで仄かに甘い花弁の香りがするのではないかなと想像します。ハナが思わず吸い寄せられてしまうのも道理というものです。
この『はなばなし』の二人については、その後の話を読みたくて仕方ありません。少なくとも一年はあのままの感じで、接触したりしなかったり、したらしたで何かのせいにしてみたり…と、もだもだしていて欲しいところです。
表題作ともう一つの作品が収録されています!
表題作のDear,myGODは主人公ロース神父がカルト宗教に心酔している若者を救う話です。
後半のはなばなしは、拾った植木鉢が人間になる話です。
個人的に後半の話がすごく好きで、花が人間になるっていう発送が素敵なんですが、それ以上に、この人間も主人公の知ってる顔でして、、それがまた面白いことになるんですよ……
まじでよかったです
苫米地先生の、カルト洗脳浄化シリーズを読んでいるので、
この作品で取り上げるテーマに興味を持ち、だいぶ以前に読んだけど、
後味悪い作品なので、レビューを書く気になれなかった。
リブ(あばら骨)と ロース(背肉、「ローストに適した肉」)
非道なカルト教祖の名は、タン(舌)
カルト信者 と 神父
ネーミングは、訳肉シリーズのおふざけで、特にカルト用語ではないみたい。
カルトの洗脳は、潜在意識まで食い込むものなので、離教は強い恐怖を伴うので、カルト洗脳を受けた人は強く拒む。
・・信じてきた事の否定は、自我の崩壊を起こす。
薬物で洗脳を施し、信者に窃盗や犯罪を行わせて金を稼ぐ教祖。
教祖は、かなりの悪党。
ロース神父は、カルト教祖の悪行から、リブを救い出そうとするけど失敗。
不潔な室内で、タン導師の命令を受けて、
リブが麻薬を飲み、ロースにも飲ませて「番にする、天国に行ける」と話す場面は、とても気持ち悪い。
結末は、あっけないような耽美風なハッピーエンド
『はなばなし』
二作とも、幻覚幻聴が含まれている。
2つの作品が入っており、両方共良かったのですが、前半の表題作が素晴らしくて何度も読み返しました。
「Dear, My GOD」
不幸な生い立ちのリブと、ロース神父の話です。キャラクターの心情表現が素晴らしくて引き込まれてしまい、何度も何度も読み返しました。ロース神父のリブへの思いと迷いに心を揺さぶられました。
「はなばなし」
攻めは酔っぱらって花屋の前で鉢植えの花を拾って帰るのですが、朝起きると花が喋りだします。とても不思議なお話でしたが面白かったです。
神様をテーマにした二つの中編が収録されています。どちらも渋い作風。『世にも奇妙な物語』の怪談じゃない作品みたいな趣があります。
『Dear,MY GOD』
表題作です。
神父のロースが、怪しい新興宗教にハマっている青年リブを救おうとする話。
単にリブを救えてハッピーで終わらず、結局リブは依存先を変えただけだったり、ロースもリブにのめりそうになるのを必死に抑えているという、苦味の残るエンドなのが、味があって良かったです。
『はなばなし』
泥酔して拾った花が喋る花で、しかも何故か人化……よりによって嫌いな奴の姿に変身してしまう、という話。
もしかして、朝田先生ってお漏らしを書くのがお好き? またしても性癖をつついてくるお漏らしシーンがっ!
ともあれ。
謎に気があってしまうハナと花の交流にほっこりしました。
この作家さん、
なぜ今まで読まなかったのだろうと、
ちょっと後悔した。
確かに絵柄……というか、線に特徴のある作家さんで、
見た目に好き嫌いはありそうですが、
朝田ワールドとでも申しましょうか、
独特の雰囲気と世界観で、
読んでおいた方が良いよ、と
つい他人に薦めたくなります。
二つのお話が入っていますが、
どちらも共通点は『神』
最初の話は『神』という束縛から解放されるお話で、
もう一つは『神』に翻弄される。
どちらも読み進めると
後半不穏な空気に包まれてくるのですが、
読後感は意外とすっきり爽やかです!
どちらも描き下ろしに救われる。
作者さんのペンネームもそうですが、
キャラクターのネーミングセンスも独特w
作中で名前を呼ばれるたびに
ちょっと笑いそうになってしまった!
迷いましたが、
他人に薦めたくなるのと、
「はなばなし」が特に印象的な作品で、
評価は「神」で!
好きすぎて軽々しくレビューできない作品です。ちなみにユーザー名と先生のお名前、意図せず似てしまってますけど全く関係ないです。
収録作どちらも一筋縄なBL作品ではなく、朝田ねむい先生にしか描けないことが伝わります。
◾️表題
◾️リブ(カルトの狂信者)×ロース(神父)
大好きな信仰の物語でした。ロースがリブからの熱烈な信仰に取り込まれそうになってからがこの作品の本番とも言える。盲信は双方を狂わせるんですね。ロースがリブを突き放して終わり…という作品もアリはアリですけれど朝田先生このダークっぷりにも関わらず、他の作品にしても意外と救いを残すところが面白いよなと思います。
リブもロースも、そしてどうやらタンも、何かがきっかけで人生が大きく変わったようです。どう変えるかは自分次第。
焼肉にでも行きたかったのか先生。
◾️はなばなし
◾️ハナ(会社員) ミキ(花屋)
これもまた短いながらに超一級の作品。オチが堪らない。世にも◯妙な物語に採用されても良い。
描き下ろし部分…もう少し!もう少し見せてください!!
よかった!
表題作は、ロース司祭がカルト宗教に騙されているリブを助ける話。
リプの悲惨な生い立ちや無垢な所がくる
カルトが薬で洗脳していることや、リブの背景をすぐ察したのはロースも相当の過去があり今があるのがわかる。
針を使って足錠を開けたり。
だからリブを救いたいロースの気持ちが伝わってくる。
リブは子どものようにロースを慕うのが健気で。
家族のように好きなのとは違うと、自分の言葉で伝えるのがまた可愛くて。
ロースも葛藤しつつリブの支えになり力になろうとするのがいい。
「はなばなし」は不思議なお話でよかった。
ハナが花屋の鉢植を預かると、鉢植の花が喋りだす。
驚くハナだけど、次第に意気投合して一緒にテレビを見て笑っていたとこがツボw
神さまに喋ることを許された…と花は言うけど、それには理由があって。
ハナが泣きながら真剣に願う表情がよくて
よくできたお話。
こういう設定でひきこませるのすごい✨
2本ともラスト感動!
良質な映画を観たような読後感でした。
『Dear, My GOD』
神父のロースは買い物に行った店で強盗事件に巻き込まれてしまう。
犯人の少年を追い、店を襲った理由を問うと、
神の教えに従ったとカルト宗教の存在をほのめかす。
少年の周囲に不穏な存在を感じたロースは少年を
家まで送り届ける体を装ってカルト教団に乗り込む。
しかし、教団の存在を外に知られることを怖れた教主の指示により
逆に拘束されてしまい、リブの「つがい」となり、犯されてしまう。
リブは小さい頃から宗教の中で生きてきて、
いつも目の前の神を崇めることで救われてきました。
それでも、神は絶対ではなく、裏切られる度
前の神を捨て、次の新しい神に依存します。
それに併せて、リブの身体に刻まれた神を描いた
タトゥーも潰され、未だに消えない傷痕たちが痛々しい。
ぐしゃぐしゃっと乱暴に掻き消すような痕が
まるでリブの心の傷を表しているようでした。
荒んだ環境で生きてきたからなのか、無垢なままで、
年齢よりも幼く、何かに怯えた表情のリブでしたが、
ロースと話すときだけはそんな怖れからも
解放されていたように安らいでみえました。
ロースもひどい仕打ちを受けながらも、
神父の使命とリブへの憐みから全てを受けいれます。
本当は拘束具の鍵だって外れて、一人で逃げ出すことだって
出来たのにリブを救うために残ったロース。
清廉なロースの人柄にリブも次第に心をひらいてゆきます。
だけど、ロースの中には神父としての使命であると同時に
一人の人間としてリブに特別な感情が芽生えてもいたのだと思います。
自分を新たな神として崇拝しようとするリブに戸惑いながらも
仔犬のように一心に自分を慕う姿にほだされ、
使命と愛情、2つの感情の中で揺れ動くロースが
そのときだけは年相応の一人の青年の顔に見えました。
ようやく人並みの平穏を手に入れたリブですが、
ロースとの関係はまだまだ発展途上を感じさせる終わり方。
数年後の2人がどうなっているのか気になります…。
『はなばなし』
朝起きたら、鉢植えが喋っている。
鉢植えにはどんどん自我が芽生え、そのうち人間の姿になり、
本を読み、テレビを見て、食事をし、成長してゆく。
どんどん人に近づいてゆく鉢植えの行く末は…。
はじめは人間×植物という新手のBLに身構えてしまったので、
鉢植えが人の姿になったあたりで少しホっとしました(笑)
悲しい結末かと思いきや、おとぎ話のような
ロマンチックな結末が待ち構えておりました。
出てくるのは魔法使いではないけれど…。
神を求め、神に救われ、両作品ともに神が絡んできたお話でした。
俗っぽさが抜けてしまうような、不思議な読後感…。
相対的な特徴の二人のお話で、2作品どちらも面白かったです。
入信しては傷付く狂信的性格のリブの、こうして解放された・こうしなければ救われないと固執する様子がリアルで素晴らしかった。また身体に彫ったハートの造形も良い。対するロース神父はリブを救おうと諭す。
誠実に向き合うロースの硬い表情を見ているとリブがのめり込んでいく気持ちはわかる!
無邪気さすら漂う変えられない性質と、少しだけ人間性が表れたラストが静かで良かった。
もう一つの作品は花が喋り出し遂に人間になり一緒に暮らしてみるという、奇妙なファンタジー味のあるお話。
朝田ねむいさんの1頁2コマの演出が好きです。リブがロースに神を感じるページ、話しかけた花が人間になった衝撃のページ。背景もごくシンプルで効果音もなく、表情だけで魅せる印象的なシーンでした。
まだ続きのあるような話の終わり方もセンス良いな〜と思いました。これからも作品を追いたいです。あとカバーイラストも良い。
カルト教団、ドラッグ、神……
すごくディープな世界観なのに、なぜか美しいと思ってしまう。
カルト宗教の導師に心酔している若者・リブ。
ひょんなことからリブと知り合った神父・ロースは、
リブを放っておけず教団に単独で侵入しーー…
自分の人生が不幸なのは神のせいとばかりに、
信仰する宗教を次々と変えていくリブ。
本当は信仰心が強いのではなくて、ただ自分の人生を生きていない、人生を神に委ねている主体性のない人間のように感じました。
ただ、信じやすく騙されやすい素直な青年で、
そんなリブにロースも絆されていきます。
神父であるロースも、かつてはドラッグに溺れた過去があり、
リブに自分を重ね合わせた部分もあるのかな?と思いました。
次第にロースに信頼を寄せ、
依存していこうとするリブには恐怖を感じる((((;´・ω・`)))
リブの絵の才能を伸ばそうとするロースは、
リブに夢と希望を与えたかったのだと思います。
神がいるなら守って欲しい……
そう思うほど立派な人間にも不幸は訪れます。
神にすがるだけでは幸せになんてなれない。
やっぱり自分自身を信じて、自分の意思で人生を生きていくことが大切なのかなと思います。
リブには依存じゃなく共存していけるように強くなって欲しい!
ダークだけど、決して絶望的なストーリーではないです。
希望を残すラストは、ポッと胸が温かくなるような余韻を残しました。
同時収録作は、神が登場するファンタジー作品。
こちらも独創的で面白かったです。
二作とも神がキーになるお話で、タイトルに偽りなしです!
素晴らしい‼︎
ボロボロのジャンキーカルト信者の少年×黒髪かっちり生真面目神父。
好きなタイプのCPというのもあるのですが、物語の力がしっかりしてて何度も読み返してしまう作品でした。
内面の心理描写、いわゆる心の声をあまり使わず、映画のような3人称視点の距離感で描かれてます。
なのにリブがロースに、ロースがリブに気持ちを寄せていく心の動きが伝わってくるのでそれがすごくソワソワします。
リブといっしょにロースを好きになってしまうし、
ロースといっしょにリブを憐れに思ってしまう。
キャラ名を連呼すると焼肉屋さんみたいですね。
リブがカルトでジャンキーをやっている時よりも、本当にロースを好きになってしまってからの方がハラハラしてしまうのが面白い。
リブの純粋さはある種のホラーで、彼のその気持ちに惑うロース神父にドキドキしてしまいました。
人ひとりの人生の責任というか、そういう重さを丸投げされる恐怖。それを突き付けられた時どうすればいいんだろう、と考えさせられます。
ロースが逃げてしまうのかタン導師になってしまうのか。すごくワクワクしました。
しかしながらこのテーマと関係性を祝福されたハッピーエンドで着陸させている、この終わり方がとても素敵だと思ったので神作品と評させていただきました。
個人的にはロースは身体を張ってリブを引っこ抜いてきたメンタルも肉体も強いマンなので今後も困りながらも頑張ってくれると思っています!何を?育児?
読んだ人の数だけ様々な感想が生まれて、読んだ人と感想を語り合いたくなるタイプの作品で、そんなところも好きです。
そういうシーンは控え目な方の作品ですが、露骨じゃないエロスがすてきで楽しいです。
個人的にはボタン直して待ってるロース神父がすきです。あとリブの俺も指…のところでのロースの対応をみて「コイツすげえヤツなのでは…」と懐の深さにビックリしました。
ちるちる情報で監禁、ダーク、メリバ、不明エンドといったワードが並んでいたので、ちょっと不安だったのですが、いい意味で想像を裏切ってくれました!
表題作
Dear, My GOD
カルト教団に心酔する少年(リブ)と、それを救いだそうとす神父様(ロース)のお話。
ロースが買い物に来た店でリブが強盗未遂をおこすところから物語は始まります。
店を襲った理由について人間を惑わす悪しきもの(金)を神に献上して浄化するためと語るリブ。
そんな彼を救うために教団に乗り込むロースですが、あえなく見つかり、監禁されてしまい、、、
リブは道を間違えただけで、根本は純粋でとても可愛い。だからこそ可愛そうで痛い。
最初は憐みから、次第に神父としてではない感情の芽生えに葛藤し、戸惑うロースが非常ツボでした。
私的にはめちゃくちゃハッピーエンドにしか見えなかったんですが、何故にメリバ不明エンドに設定されてるのだろうか(・・;)
はなばなし
しゃべる花が人間になる。と書くと、かなりファンタジーな印象ですが、日常描写にリアリティがあるので、すっと話に入ることができました。ストーリー展開が予想外でとっても面白かった。
2作品共にもう少し余韻を!と思わせる終わり方でしたが、読後は徐々にこれはこれでドラマチックでよかったかもと思えてきました。
◆Dear, My GOD(表題作)
怪しげなカルト集団へ1人で乗り込んでしまった神父。物々しい雰囲気が漂っていますが、読む人を選ぶような恐ろしい展開になることもなく、イメージしていたよりはずっと読みやすい作品でした。薬漬けにされてただの犯罪者である教祖を信じているリブと、そんな彼を救い出したいと願う神父・ロース。リブがロースを犯した時、たとえ薬で脳が麻痺していたとしても、きっと既にロースに囚われていたんだろうなぁとなんだか切なかったです。
どんな神であろうと信仰すること自体は悪くない。ただ、その教義が守るべき価値があるものかどうかは見極めなければならない。それができないほど、憔悴していたリブは本当に痛ましかったです。ロースに救い出されたことを裏切りだと感じ声を荒げていたリブが、出所する頃にはすっかりロースに気を許していて、彼は自分を顧みてくれる人に本当に弱いんだなぁと思いました。そんなリブが自立できるよう、自分の感情と切り離して彼に新しい世界を教えようとするロース。誰かに縋るしかなかったリブが、これからは自分の足でしっかり立ちながら、ロースと愛し合えるようになることを祈ります。良質なヒューマンドラマでした。
◆はなばなし
表題作と同じく、神の登場する作品。神の気配など一切なかった途中まで、これは主人公の妄想か夢なんだろうと思っていて、ここからどんな展開になるんだろうとまったく先が読めませんでした。でも、瀕死の人間が花になり、その花が再び人間となったのは神の思し召しによるもので、本当のことだった。一気にファンタジーの世界になるわけですが、あくまでも2人の男達の感情がベースになっているので、現実離れし過ぎているようには感じませんでした。むしろ、神が登場することで、切なさも温かさも増し印象的な作品になっていたと思います。後日談で楽しげな2人を見れて、とても穏やかな気持ちになれました。
傑作。
今まで見たBL漫画の中で一番良かったです。
私が黒髪オールバック寡黙受けが好きだからというのもありますが、それを差し引いても神評価。
ドラマチックな展開で切なく、心が締め付けられるような話。BL漫画というよりは、社会派映画の中にラッキースケベがあったくらいの感覚です。
攻めがまた可愛くて…。ドラッグだったりレイプだったり監禁だったり、まあ散々なことを受けにするんですが、根は素直な子なので本当に悪気がないんです。救われたくてやってるんです。まあ性欲はあるんでしょうけど…。
だいぶ病んでるけど、ありがとうもごめんも言える良い子です。
攻めは幼い頃から宗教の世界しか知らず、昔信仰していたタトゥーを消すために肌を傷つけた痕が多数あります。
受けの神父さんも、そんな攻めに同情して憐れみから受け入れます(本当は宗教上の関係でそういうことは禁止されているのですが)。
受けは優しい聖母み溢れる人物ですが、昔ワル(?)だったようで…ドラッグを嗜んでいたという過去が。だからピッキングしたり相手を気絶させたりすることもお手の物、明らかに怪しい導師に会っても物怖じしない度胸があったんですね。惚れる。
本当は攻めと監禁場所で添い遂げようと思ってたけれど、攻めの人生を救うことに決めた神父さん。心情の変化が見てとれます。見れば見るほど男前すぎます…。最高。神父さんを受けにしてくれてありがとうございます…。
受けの背後から光が差し込むシーンは本当に圧巻でした。攻め視点で、本当に神に見えました。ああ、リブ(攻め)、ここで救われたな…と。
どうなるんだろうと不安になりながら読み進めましたが、最後はハッピーエンドで良かったです。今まで受け入れる側だった神父が、自らキスをするんです。泣きそうになりました。
攻めの純真さがぞっとするくらい深く、可愛い。攻めは言われたことをまっすぐ受け止める子です。言われなきゃわからないタイプ。
受けもあまり思ったことを言葉にしないタイプなので、たくさん好きと言ってあげてほしいなあと思いました。
これから二人の行く末が気になります。どうか幸せであってほしい。
エロなくても全然素敵な作品なんですが、欲を言えば逮捕されて更生した後のエッチも見たかった…っ。
同時収録のはなばなしも面白かったです。大抵、表題作が好きだと同時収録はイマイチってことが多いんですが、これはどちらも良かった。
花屋の前で拾った花とのお話。
二作とも「神様」がキーワードになってるのかな…。不思議な世界観でした。こんなBLは見たこと無いってくらい奇抜で、素敵。
次からは作者買いしてしまいそうです。
宗教って苦手意識が強かったけど、ロース司祭の誰かを救いたい。って思いが、宗教の教えからくるものでは無くて痛みを知ってる者としての救いである事に胸が熱くなった。
リブにとって、何が救いなのか。
そして、リブを救うために自らも共に同じ道を選ぼうとする。
でも、それはリブに対する愛情ではなくて神に仕える人間としての行動。
だけど、リブにはロース司祭は特別な存在で、ロース司祭は神に仕える身としてリブの気持ちに応えれない…って葛藤があったり。。
数年後、この2人がどうなったのかすごく気になります(>人<;)
うーん。
良かったか悪かったかで言うと、良かったです。
買って損はしないと思います。
ですがテーマに対して結構あっさり終わるなあ、
というのが私の印象でした。
確かに私が勝手に皆仲良く闇堕ちエンドを想像していた私がいけなかったのも、否めません。
しかし、宗教や神が絡むにしては、そこまで深くはなかったと思います。
(個人の感想なので、深いと思う人もいるかもしれませんし、自分があまり考えずに読んでしまったから、そう感じたのかもしれません )
表題作に惹かれて手にとったこの書籍ですが、
自分は同時収録の『はなばなし』の方が好みでした。
不思議でちょっとほんわか、ちょっと切なく。
やはり神がガッツリ絡みました。
こちらの神は人の心がつくる神ではなく、実際存在している神様なので、
表題作の重くシリアスな雰囲気と違い、
ファンタジー要素の方が多かったりします。
楽しんで読めました。
追記
あと、名前がお肉なんですね笑笑
確かにミンチが出てきた時は「あれ?」と思いましたが、よくよく考えれば全部お肉に関係してますね笑
表題作、『Dear,MY GOD』は
宗教が絡んで来るのであれこれ不用意な事は言えないのですが
やっぱり生きていく上で心の支えというか
“信じる者は救われる”というところがあるんでしょうね。
(私は無宗教ですが無神論者ってわけでもない…のかな…)
これまで凄惨な日々だったリブにとって
ロースが本当の意味で神のような存在になった事、
リブがちゃんと救われた事に安堵しました。
例え間違った思い込みにより回り道しても
誰しも幸せになりたい、愛し愛されたい。
そうして相手を心から信じられたなら
きっと苦しさから解き放たれるのでしょう。
BLという枠では収まりきらないような深いお話でした。
リブの体が痛々しかったです…。
それにしても、ロース、リブ、タン導師、ミンチさんww
相変わらずキャラのネーミングがシンプルで
シリアスなのにちょっとだけくすっとしてしまいましたし
なんといってもロースが色っぽい!!!
リブの最初にした無理矢理な行為は良くないですけど、
抱かれる度にロースだっていけない事だとわかっていながら
忘れられなかったって意味で…合ってます…??
『はなばなし』
お花がまさか人間に…!?という
擬人化とも違うユニークなストーリーですが
ミキが馴染んじゃってるしなんだか違和感が無いのです!
私はファンタジーは得意ではありませんが
何回読んでも楽しい!!
戸惑いつつ情が移っていくハナとか
ミキの進化していく様子とか。
表情も豊かでこちらまで同じ表情になりそうww
ハッピーエンドで何よりですけども
その先が知りたい!!
朝田先生、続きが読みたいです……。
ハナ×ミキっぽいけど
案外ミキ×ハナかもしれないなー。
リバってくれたらそれはそれでありがたいです!!
『はなばなし その後のこと』のオチも最高ですが!!
『その後の』後のことまで……読み゛た゛い゛!!!!!
表題作・同時収録共に、設定や舞台が宗教・ファンタジーなどの要素を含んでおり、物珍しさに購入しました。
表題作「Dear,MY GOD」は、神父とカルト教団の一員である青年の物語であり、重い印象を読む前に感じていましたが、読み味は意外にさっぱりとしていて、しっかりBLとして楽しむことができました。
キャラクターの純粋さや2人の恋愛の育み方がまっすぐで、強い背景に負けないだけの魅力があったのだと思います。
おすすめは同時収録の「はなばなし」。これに関してはあまり語ってしまうとネタバレになるところが大きいので、ぜひ読んで確かめていただきたいと思います。オチが気になって一気に読んでしまう、漫画としての楽しみも強い作品でした。
漫画の絵柄もBLには珍しいタイプかなと思うので、表紙の絵柄が気に入った人にはお勧めです。
町で出会った若者・リブをカルト教団から救おうとするが、逆に捕まり監禁されリブのつがいとなり犯されることになった神父・ロースの話、『Dear, MY GOD』
酔って拾った鉢植えが喋りだし、ついにはその鉢植えが人間になり・・・そんな植物人間?と一緒に暮らすことになった男の話、『はなばなし』
2つの物語が収録されています。
どちらが好きかと問われれば、比べて明るい『はなばなし』の方が好みです。
実は・・・の部分も、その後も含めて、疑うことなく希望が持てて明るくて、安心出来るので。
もう1つの『Dear, MY DOG』は、読めば読むほど、朝田さんの作品は奥が深いな、と唸ってしまいます。
『Dear, MY DOG』は監禁陵辱を期待して読む作品ではないです。エロはほぼ無いです。
リブは本当に救われたのか?タンをカルト教団の導師として暴走させたのはもしかして・・・等と深読みしだすと、なんて恐い話なんだろう、と。
リブがロースに依存することなく、リブ自身の世界を広げてくれることを祈らずにはいられません。
読後感は悪くないので、軽いBLに飽きた方にオススメしたいです。
収録されている2作品とも、朝田さんの世界観がしっかり発揮されていました。
どちらもキャラが魅力的だし設定もユニークで、まだまだもっと続きを読みたい〜!と思わせる面白さでした。
とはいえ、もちろんお話はきちんとしっかりまとまっていて密度高いです。笑
表題作の『Dear, MY GOD』が特にツボでした。
まず私、朝田さんの絵がとても好きなんですけど、外国の舞台設定のこの話の雰囲気にすごくぴったりだと思いました。
攻めのリブのビジュアルは歯っ欠けで目の下にクマもあるのに、とにかく可愛い!
ある意味純粋すぎる姿に胸打たれます。
ロース神父は、背も高くてしっかり男の人って感じの見た目がとても好みなんですが、それなのに受けなのが最高にキュンとしました…笑
えっちなシーンは少なめというか露骨な表現はあまりありませんが、2人のふとした表情とかがえろい。
あと、頬へのキスで最中のキスを思い出すロース神父がよかったです。笑
リブがタトゥーを彫ってもいいかと尋ねたときは一瞬ぞくっとしてしまいましたが、その後きちんと人として関係を結べている様子が見えてほっとしました。
愛し方・愛され方が分からなかったリブが、ロース神父の愛によって人として再生していくのが心に沁みます。
面白いだけに、もっと続きが読みたくなってしまいますね。
朝田ねむいさんの作品は、甘めのいわゆる少女漫画風BLとは少し違った感じの作風です。
カルトに心酔しているリブを見捨てず、救おうとしたロースの優しさに心うたれます。独特の雰囲気なので、好みが分かれるかもですね。
さて、私が気になったのは「はなばなし」の方です。
酔って持って帰ってしまった鉢植えの花が突然しゃべりだす、というこれまた変わった設定です。こちらに登場するカップル?はまだ発展してはいないので、続きがきになる。
体格下克上が好きなので、神父受けと聞いて購入しました。
攻めのリブが本当に可愛くて可愛くて……っ。
ジャンキーらしい粗暴さも有りつつ精神的な幼さの目立つリブが、喜んだり驚いたりする様がどんどん愛しくなります。
受けのロースが、どんどん慈愛の目を向けるようになっていくのも納得です。
可愛い攻めがお好きな方で、表紙にグッときたのであれば間違いないと思います。
魂の救済かと言われると、個人的には首を傾げます。
沢山の人の感想を読みましたが、救済としている人も居れば、本当に救われるのはこれからだとする人も居るし、ぞっとしたという人も居ます。
けれど、総じて読後感は良かったと口にしています。
淡々と洋画のように物語が進み、静かに着地した場所でほっと息を吐いて、読後感に浸りながら、さて結局どういった話だったのか自分なりに考える。
そういう楽しみ方が出来るBL作品は、まだ余り多くはないと思います。
噛み締めるほどに見方の変わるお話です。是非、自分なりに「これはどういった結末なのか」答えを出してから、もう一度読んでみて欲しいと思います。
尚、同時収録の「はなばなし」とは同ボリューム程度です。
両作品とも書下ろしが入っていて、それがとても良いので雑誌で読まれた方も損はしないと思います。
神父のロースは、強盗を働いていた青年・リブを家まで送り届けた際、そこが薬によって信者を縛っているカルト教団だと気付く。リブを救い出そうとして逆に囚われの身となるが、教団内でリブと過ごすうち、リブに「つがいになれ」と言われ犯されて…。
まず主役の名前がリブとロースで、しかもリブが攻めだもんで頭の中ではリブロースという単語が回りっぱなし。カルト教団の教祖はタン導師だし、他にもミンチさんとか出てきたし、なんで肉の部位縛り? と思いました。
話は萌えはしなかったけど、アングラな感じが良かったです。今後は受けが攻めにとっての神になるんでしょうね。
ロース神父のビジュアルがとても好きでした。
表題作と同じくらいページ数のあった同時収録作、『はなばなし』。
個人的にはこちらのほうが断然好きでした。サラリーマン・ハナが酔っ払って花屋の前から持ち帰ってきた鉢植えが喋りはじめて、驚愕しつつも世話をしているうちに、やがてその鉢植えが花屋の店員の姿になる、という話。
あらすじを詳しく書くとネタバレになってしまうので書きませんが、人間の姿になった鉢植えが可愛くて健気できゅんとしました。オチもよかった。続きが読みたかったな。
鉢植えと楽しく過ごしながらもちょっと持て余している描写がやけにリアルでした。そうですよね、鉢植えが人間の姿になっても、病院にも連れて行けないし、仕事があるから平日は部屋に残しっぱなしだし、持て余して困っちゃいますよね。
評価としては、表題作が萌×2、『はなばなし』が神です。
もう、何回も読み返してます。素晴らしい…!
表題作の「Dear,MY GOD」
カルト信者×神父の話。
こ、この二人どうなるの…ってもうドキドキしながら読みました。
読めない展開、そしてラストは美しい映画のワンシーンのようです。
それにしても攻のリブがかわいすぎる…!目のクマ、髪はぼさぼさ、体のあちこちにある傷痕、歯は抜けてて、でもすごくかわいい。そして何より盲目的なほどの純粋さ、一生懸命さ!
その純粋さ、ワンコさにロースが舞い上がっちゃうのもわかる。
Hシーンは、多くないというか抑えた表現ではありますが、リブが「あ¨ーー」ていいながらするところ、ジャンキー感出てて好きです。えろいです。
「はなばなし」
サラリーマンの「ハナ」と拾った鉢植えの話。
拾った鉢植えがしゃべり、さらには人間に変身してしまって、戸惑うハナ。しかも見た目は、ハナの苦手な花屋の「ミキ」そっくり。
ラストはそうきたかー!と唸らせられます。あまりBLっぽくないなあと思ってたけど、描き下ろし「その後のこと」では、二人の関係に進展が…?とてもニヤニヤできます。
朝田ねむい先生の話は展開が読めないですね。あと、キャラクターの背景を説明しすぎないというか、想像の余地があって、何度も読み返してしまう。ハマると抜け出せないです。
書店でお試し小冊子があり、面白そうでしたので購入しました。
神に絡んだお話が2編入っています。
『Dear, My GOD』
不遇で精神的に何かに縋らなければ生きていけない少年と、神父のお話。宗教、ドラッグなどが絡み、ちょっとダークなテーマではあります。まるでミニシアター系の映画のような雰囲気があります。
リブがロースのタトゥーを入れたいと言ったシーンではぞっとさせられました。
神父にも何か訳アリの過去があったと思わせる感じがありますが、最後は綺麗にまとまっています。リブもまだ若いですし、ぜひ続編が出たらいいなーと思っています!
それにしても二人の名前はご愛嬌なんでしょうか。
『はなばなし』
こちらはなかなかぶっとんだ発想だなあと思いました。
本当に神様が登場してしまうとは…
二人の幸せそうなその後が見られて良かったです!
BLという枠に留まらない、ストーリー性に富んだ面白い作品を描かれる方なんだなと思いました。今後も楽しみにしています!
こういう作品好きです。
外国のお話だけど、対抗なく読めました。
読むほどスルメのように味わいが出てくるタイプだと思います。
草間さかえ先生のような雰囲気もあるけど、どこか
排他的なような雰囲気もあるけど、モノトーンな印象は
ペン入れの独特さからかなと思いつつ
そこはかとない人情が好き。
世界観も、
素敵だなと思います。
後半の植物の話のが好きです!
これで終わりだと物足りなさがあって、
どちらの話も続きが読みたいです。
初めて読んだのが雑誌掲載の日常話で、とても好みだったのでコミックスを買ったら絵は大好きなんですが、ちょっと地雷なネタでションボリだった事を思い出しました。あの職業、駄目なんですよ。
なので今回はそんな事もなく、ほぼ同時発売のもう一冊の新刊共々素晴らしかったです!
題材はカルト宗教でかなり重いですが、そこまで鬱々する事なく読めました。
しかし、まあ司祭もリブの事は少なからず好きなのだろうけれど、救済だけの為だったらかなり重いですね。
ほだされ受けになるのだろうか。人生かかってて、ちょっと怖い。
個人的にはもう一作のお花の話が、現代のおとぎ話で好きです。
話せる花と主人公のお話。
花が本当に可愛い。
正直、人型になる前のが好みなのは置いておいて(BLにならない!)オチもよかったです。
本当、絵も話も上手い作家さんなんで、今後も追っかけていきたいと思います。
雑誌はハマるのが目に見えているので手は出さず、コミックスで完成版にお目に掛かるのが常なのですが、色々な作家さまに出会えると思うと雑誌購読したくなっちゃいますね。朝田先生はインパクトのあるカバーだったデビューコミックス既読で、地味に織り込まれたユーモアのセンスとツボを押されるストーリー展開で次作が気になっていました。
二作収録。ほぼ同程度のボリュームです。
『Dear, MY GOD』はロース司祭が町に買い出しに行った先で、少年による強盗現場に居合わせたことから始まる物語。少年は十七歳のリブ。彼はその悲惨な生い立ちから救いを求め、怪しげなタン導師が率いるカルト教団に囚われている身。ロースはリブの極端な傾倒ぶりを不審に思い、彼を車で送りがてら様子を窺おうと教団の拠点へ向かう。リブが盲信する導師の教えに従い二人は「つがい」となるが、ロースは教団から彼を保護しようと目論んでいた。
リブの身体にはこれまで彼が信じてきた「神さま」のタトゥーが入っていて、そのどれもに裏切られてきたとロースに告白するシーンが切ない。そんなリブに心を懸けながら神に貞節を誓っているロースの葛藤に胸を打たれます。目に見えない神の姿を身体に刻むという行為が、捉え難い愛というものをセックスという形で相手の存在を身体に刻む行為と呼応する。自らを痛めつけるような暴力的な身体の扱いは、却って生きることに対するフェティッシュな執着を思わせ、その背反性がエロティックに感じてしまいます。リブもロースもとても純粋で、信仰をテーマに盛り込みながら重くもグロテスクにも転ばず、あまつさえ清潔感すら感じさせる作風に完全にヤラレてしまいました。しかもリブとロースって肉の部位ですか?人物のネーミングにも遊び心があって、そういったところに軽妙さが生まれるのかもしれません。
「はなばなし」。飲みの帰り、酔っ払った勢いで近所の花屋の店頭にしまい忘れていた鉢植えを持ち帰ったハナ。家に帰ると植木の花が喋り出す…。シュールな展開ですが、エンディングでそういうことだったのか、とちゃんと落としてくれる寓話のようなお話です。泣けました。(涙脆いのでアテにはなりませんが…。)
どちらも不思議と無理にBLにしたような不自然さがないのに、愛があってラブストーリーしています。最初のページを繰った途端、世界に没入。独自の路線を突っ走っていらっしゃるなぁという印象が強くなりました。で、こういう作家さまに実に弱いのです。