gift (上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、

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gift  (上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神275
  • 萌×258
  • 萌15
  • 中立4
  • しゅみじゃない7

--

レビュー数
32
得点
1656
評価数
359
平均
4.6 / 5
神率
76.6%
著者
一ノ瀬ゆま 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション
シリーズ
gift
発売日
価格
¥680(税抜)  
ISBN
9784344834798

あらすじ

宥は美しく獰猛な青年・勁をボクサーの道へと誘うが、性的指向を知られ奇妙な共犯関係に陥る……。邂逅と宿命の物語、上巻!!

表題作gift (上) 白い獣の、聞こえぬ声の、見えない温度の、

白石勁,ボクサー,19歳~
御子柴宥,ボクシングジムトレーナー,23歳~

レビュー投稿数32

2巻は来年冬です(涙)

前作『JITTER BUG』でその評価を新たにした作者さんの新刊!
いや、何これ!!
めっちゃ惹きこまれます。
ボクサー設定という男臭い世界を意識してか、白黒の使い方に変化が。
若干青年誌っぽい作風(?)も取り入れて表現しているような~
しかし少女漫画っぽい部分もかすかに残し、尚且つ、主人公の一人である脳内の表現がユニークで。
そういった表現方法の変化も注目ですが、設定と主人公たちの関係においても単純でない複雑さがあり、ただのボクサーとトレーナーの物語で済まない展開を見せて、またしても目が離せないものが。
この作家さんにはもう、やられた!としか。。。
まだ1巻なんですよ(涙)来年冬まで2巻をまたなくちゃいけないんですね~
この1巻の段階で神評価してもいいのか、悩むほどに気になる。
予想しうる一番安易で甘い結末にならないことを願わずにいられないのだが・・・

ボクサーの家に生まれ、ボクサーになったもののその力に早々に見切りをつけて父親が会長をしているジムのトレーナーをしている宥(ゆたか)
そうした親への負い目から、ゲイであるということをカムアウトできず秘密にし誰にも知られたくないと思っている。
彼が恋人ともめているところに出会ったのが銀髪に青灰の瞳に白い肌の美しい男、なのにとても獰猛な勁(けい)だった。
彼の反射神経と強さに思わずスカウトすると、彼はジムにやってくる。
それは宿を求める為のボクシングへの興味も何もないものだったが、宥の説得に勁はゲイであることを取引材料にし、身体を奪う強迫に出る。
そんな関係をつづけながら、勁はプロテストに合格しボクサーとして歩み始めるのだが

ざっと主人公の関係の始まりはそんな感じなのではあるが
勁という人間!彼が一体どういう人物であるのか。
彼の生い立ちからくる感情のない冷徹な姿は、彼の子供の姿を模した脳内のシーンでそれを推し量ることができます。
彼がおいやった”感情”の部分が宥によって揺さぶられ、無感情の彼と葛藤している姿が、彼の変化だと思うのです。
宥はなんてスれてない人なんだろう。
まっすぐでまっとうで、無理やりの関係だったはずなのに勁の過去を知ったことでほだされていく。
勁の才能にもだろうけど、人間としての庇護欲も掻き立てられたのかもしれない。
しかし、それは「好き」という感情になって声にするのだけど・・・

ボクシングの世界の弱小と大手の力の差という現実も突きつけられながら
二人の関係も、特に勁の心の動きに注目したい。
彼は生まれ変わるんだろうか?
宥も自分の殻を破れるのだろうか?

シリアスとドラマティックとハラハラを与えながら、実に絶妙なバランスで魅せる作品でした。
まだ1巻だけど期待を込めて神つけちゃう!

24

本気で下巻全裸待機な良作

前作まではちょっと自分の好みには入らないかなと思っていた作家様でしたが、こちらの作品は違う!なんだか前作とガラリと描き方が変わったと思ったのはわたしだけでしょうか。かなり面白かったし、続きがすごーーく気になる。

ボクサー×トレーナーです。
表紙もそうですが、扉絵が大変にカッコ良くて美しい。

攻の白石勁(しらいしけい)は、外国人のような美しい容姿をしていますが、幼い頃の家庭環境から感情を持たないようになり、常に無表情の冷酷な男です。

受の御子柴宥(みこしばゆたか)はプロではあるけど自分のボクサーとしての可能性に限界を感じ、ボクサーからトレーナーに転身。ゲイであることにも負い目を感じひた隠しにしています。

乱闘騒動がきっかけで軽い気持ちで宥が勁をスカウトしたのがふたりの出会いです。
そして、勁が成人するまでの住む場所の確保と行動の自由と、宥がゲイであることをバラさないのを交換条件に始まった身体の関係。
寮に住むついでに始めたボクシングですが、勁はメキメキと頭角を現していきます。
異色の新人ボクサーの勁と、トレーナーの宥。そして身体を重ねるのも併せてふたりの距離は縮まっていき…。

なにが面白いかというと、勁の生い立ちや行動をゲーム感覚で表現し、展開しているところ。コントローラーを握っているのは、勁のなかの冷酷な無感情のショタ勁。
幼い頃からロクでもない家族のせいでロクでもない生活をしてきた勁は、喜怒哀楽の感情を殺し、無為に人生を送ってましたが、そんな中で出会ったのが宥です。
宥は、真面目で優しいけどゲイである自分を卑屈に思っていて、それを勁は利用したのですが、宥は勁にとってはイレギュラーで特別でした。
勁とは真逆で感情豊かな宥(←ギャグではない)は、弱味を握られながらも、勁のボクシングの才能を磨き、勁の為に笑い、泣き、怒り、そんな宥により、勁は自分の押し殺した部分を思い出させるようになります。

キャラが魅力的なのも高ポイント。
勁は無感情なだけに、無垢で素直なところがあります。宥に褒められたくてボクシングに励んだり、ナデナデしてもらいたくて頭を差し出したり、セックスは老獪なくせにキスは初心者とか萌えた。
無感情だったため、思ったことをストレートに宥に伝えるとこもツボです。今まで「必要」だったからしてきたセックスも、宥とはしたいと思う。宥に無体を働いた宥の元カレに怒りで殺意がわいたとか。本当に宥に対して限定で一直線なところがあります。
そんなところに惹かれていく宥も可愛くて。さわやか短髪スポーツマン受ってだけでかなり萌えるのに、男前なくせに勁の言動に赤くなったり恥ずかしがったりするのとかたまらんです。そしてセックスではエロい身体とか最強。
でもゲイであるということで根っこがネガティブなのか、他のジムから引き抜きの話がある勁の未来と、自分の勁への恋心との葛藤に悩まされています。

宥との出会いで、追いやった感情が戻ってきて、冷徹な部分の自分との均衡が崩れつつある勁。
勁には“愛”という感情に縁がなかったので、好きと言っても伝わらない宥。
セックスはするし、ボクサーとトレーナーとしても良い関係と見えますが、勁の危ない部分と、宥の弱くて寂しい部分が、ふたりの関係の雲行きを怪しくしながら次巻に続くです。

下巻では一波乱ありそうな予感がヒシヒシしますね。
勁のなかで、勁は宥の側にいたくて何でもしてやりたい→宥は勁に勝ってほしい→負けたら終わり→勝ち必須のデスマッチという考え方が危うい方向に向かってますし、宥が最も恐れる周囲にゲイバレフラグがたちまくってますから…。
ほしいものはお互いだけなのに、それがうまく伝わらない伝えられない切ない上巻のラストでした。

美しい絵に、ふたりの距離が近づく様子がよく伝わる丁寧な描写。勁の不安定さをゲーム感覚で表現する独特で斬新な展開。エロも最初から最後まで散りばめられているので◎
とにかく下巻が待ち遠しい作品。おそらく我慢できずに連載を追っかけてしまうであろう面白さです。
下巻は来年冬とか。1〜2年待つのが当たり前のBL界ではまぁ我慢できますが、発売延期とかはヤメテネ。

14

対照的すぎる二人が出会って

住む寮が目当てでやる気もなくボクシングを始めた頸、ボクシングに真面目に向き合うトレーナーの宥、頸は口うるさい宥を黙らせるために「ゲイだとバラす」と脅してレイプするが、宥はくじけず頸にボクシングを続けさせる。

道徳心も感情の起伏も無く、痛みにさえ鈍感でどこかロボットのような頸と、表情豊かで人間味あふれる宥、まったくの正反対の二人がぶつかり合っていく中で頸は少しずつ変わっていく、そんな頸を愛おしく思い始める宥。

二人の初めてのディープキスは頸のそれまでの生き様が浮かび上がってくるし、初めて合意でセックスする前の宥は妙にかわいらしく、積み上げてきたエピソードを台詞ひとつで昇華させる作者のトリックにはしびれます!
ただ頸の傷は深く、まっとうな宥には理解しきれてない部分もあり、2016年末?発売の下巻で、頸が自分の傷とどう向き合うのか、宥はどこまでサポートできるのか、二人の関係がどう変わっていくのか完結が楽しみで仕方ありません。(不思議と上巻だけでも十分な満足感がありますが)

そして絵も美麗。前コミックス『JITTER BUG』から格段に絵がうまくなっているのも見物です。一ノ瀬先生、どれだけ努力なさってるんだろう?
ebookjapan「あなたが選ぶ2015年ベストBLアンケート 」でランキング常連の名作と一緒にランクインしたのも納得です。
これから何度も繰り返し読み返すだろう大事な作品です。

11

うまく言えないけど

すごく良かった

見せ方が本当に上手いんですよね
魅せ方?

茶鬼様もおっしゃってますが、続きは2016年の冬...
読んで後悔しました、いい意味で!!!
周りの人たちの不穏な動きや、本人たちの内面の強さと弱さが
このあとどう変化していくのか...
辛い展開になるだろうけど、なんかもう単純に続きが読みたい!



一ノ瀬さん、好きな作家さんなので
もっともっとこの方の作品が読みたいです
楽しみにしています

8

緻密なストーリーに引き込まれます

続編にあたる『gift 赤い桎梏の、約束の場所の、望んだ十字架の、(中)』の発売に合わせて再読。という事で今更ながらにレビューしようと思います。


ボクシングジムの会長の息子でありながら、ボクサーとしては通用せず、そのことを父親に対して引け目に感じている宥。
人を傷つけることになんのためらいも感じていない、「人間らしさ」が欠如しているミステリアスな勁。

ゲイであることをカミングアウトできない宥には共感しつつ、勁のあまりの非道さにちょっとぞっとしつつ読み始めたのですが。

徐々に見えてくる勁の過去と孤独にぐっと引き付けられました。

銀色の髪。
青い眸。
白い肌。
たまたまそう生まれついただけなのに、母親に捨てられ、父親と兄からは虐待され、自分を守るために内面に「子ども」をつくった勁。
「子どもたち」は、現実をゲームのようにこなしていく。

けれど、「子どもたち」が見せる蓮っ葉な態度や孤独は勁自身のもので、過酷な子ども時代を過ごしたことが透けて見えてきます。
そんな「子ども」が、宥の愛情をひたすら求めるさまがなんとも切なかった。

宥も。
ゲイである自分に対する葛藤。
そして、将来性豊かな勁を縛り付けたくないと願う彼の優しい気持ち。
ゆえにすれ違ってしまう二人が悲しすぎました。

幼児虐待、暴力、レイプまがいのセックス。
もしかしたら読む人を選ぶ作品かもしれませんが、登場人物が多いのにごちゃごちゃにならないストーリー展開で、徐々に近づいていく二人の感情の機微に引き込まれました。

8

そわそわ

続きが気になってしかったない(ノД`)・゜・。
絶対続きが気になるから、上下そろってから読もうと思ていたのに
ちょっぴりフライング。
想像していたものとは違った作品になりましたが
これはこれで面白かった。
闇を抱える攻。なんだか過去がいろいろハードで
心にいろんなものを飼っているようですが、これが後半
どのように変化いていくのかというところが見どころ。
きっかけはどうあれ、体を合わせるようになって
そばにいるようになって、攻がどいういう男なのか知るようになって
少しずつ惹かれていく受も良かったです。
才能に魅了され、違う部分にも惹かれというのがいいよね。

積み上げたパズルを完成させるのか崩してしまうのか
時期が待ち遠しい作品になりました。
期待を裏切らない良作であることを祈るっ

7

もっと評価されるべき作品、魂が震えた

小耳に挟み、絵がすごく好みだったため買おうと思い手に取ってみましたが、あらすじなどをよんでも最初はあまり甘々という感じではなくもともと甘々が好きなわたしは1度買うのを躊躇いました。でも、やはりどうしても気になってしまい腹を括って買いました。わたしはこのときの自分をものすごく褒め称えたいです。わたしはこの作品を読んで魂が震えました。『gift 赤い桎梏の、約束の場所の、望んだ十字架の (中)』を読んだ時なんて涙を流すくらい感動しました。この作品は切ない気持ちになりますがその中に純愛があると思います。最初は全くと言っていいほど愛を感じられないけれど段々と愛が生まれてくる、それは純愛だけれど歪でもあるところがいいです。そして、ただそこでパッピーエンドで終わるのではなく、お互いにすごく想いあってるいるのにお互いがお互いを大切に思い過ぎててすれ違ってしまうところがまたこの作品を良くしていると思います。
わたしてきに一番グッときたところは(中)の終盤、宥に手を出さない代わりに腹にナイフを刺せと言われ勁が「ありがとうございます」と喜んだところです。ここに勁の宥に対する愚直なまでの愛を感じました。ほんとうにここは胸が締め付けられました。
このお話は確かにハード系で心が痛くなることもあるけれど自分は腐女子でBLが好きだという人は1度でいいから読んでほしい作品です。今まで読んだ中で一番と言える作品です。一つの話のなかでこんなにも多くの感情が飛び交っているのは中々ないと思います。

長々と同じような話でめちゃくちゃな文を書いてしまったけれど、それでもこの作品を多くの人に読んでもらいたくて書かせてもらいました。

最後にわたし個人としては最後は宥と勁が幸せになってくれることを祈っています。

6

恐れを知らない強さ

初一ノ瀬作品だった当時、読み終わった後すぐに他の著作を全購入しちゃうくらい読みごたえのあるシリーズだった。
プロットもさることながらネームもなかなか大胆で、シリアスな題材に応えるだけの力量を感じる。

小さなボクシングジムでトレーナーをしている宥が、街で喧嘩していた勁の才能を見越してジムに勧誘する所から物語が始まる。
外国の血が入った美しい外見に反し、勁は他人を脅迫することに何の躊躇いもみせないような危険な匂いがする青年だ。
一応主役は勁のトレーナーとなる宥であるものの、ボクシング生活を送る中で少しずつ見えてくる勁という人間が持つ深淵と無垢さがとにかく目を惹きつけてやまない。

勁には内なる子どもが(心象世界として描写されて)いるんだけど、理性的で無感情なのが天使、感情豊かなのが悪魔として登場する。
その皮肉な位置付けには、生きる手段としてそうせざるをえなかった勁の鬱屈が凝縮されていて、天使と悪魔の小さな背中の向こう側に、痛ましい背景が透けて見えてやるせない。

勁は強い。肉体的にもだけど何より精神的に強い。
でもその強さは、傷付くことや失うことへの恐れを知らないからこそ躊躇なく向かっていける無謀さと表裏一体のものだ。
勁を見てると可哀想で胸が痛くなる。と同時に、制御装置を失った武器を持て余しているような怖さも感じてしまった。

恐れを知らなかった勁が、初めて恐れを抱く。その瞬間が待ち遠しい一方で、何が起こるのか不安を抱かずにはいられない。

6

読み応え、あります!

表紙で買うのを少し躊躇っていましたが、手に取って正解でした。
あまり読んだ事のない世界観でのめり込めたし、下巻でどう二人が変わって行くのかすごく楽しみですv
受けと攻めの心の思いがすれ違いを起こしててモドカシイけれど、どんな風にこの辺りが解決するのか…ここが萌えポイントにもなりそうですね(*^^*)ワクワク
購入を迷ってる方は是非読んでみる価値アリです!

5

下巻が楽しみ過ぎる!!

一ノ瀬ゆまさん初読み。
男臭いお話が好きなのと、ちるちるさんでの評判が良かったので手に取ってみたのですが、読み終わって後悔しました…

だって、下巻が出るまで1年以上も待てない><
待つのが辛すぎる!!
完全にお預けくらってる犬ですよ私…(泣)
と、読んだ皆様が感じているのではないでしょうか!!

冷酷で感情を持たない美しい獣のような勁。
それに対して、感情豊かで人間らしい宥。
半ば強制的な体の関係から始まった2人ですが、ボクサーとトレーナーとしての関係が深まっていく中で、見えなかった本来の姿が徐々に見えてきます。

辛い境遇で育ち、愛されることを知らずに生きてきた勁。
感情を押し殺し、まるでゲームのように無感情に人生をコントロールしてきた勁ですが、宥はそんな勁の中に初めて入りこんだ人なのだと思います。
勁のために喜び、泣き、悔しがってくれる宥。
今まで勁の近くにはそんな人はいなかったんでしょうね。
自分の感情を一方的にぶつけてきて、いいように自分を利用する人ばかり。
でも宥は違う。
勁の成功を自分のことのように喜び、褒めてくれる。
撫でてほしくて宥に頭を差し出す姿なんて、子供のように無垢で本当に可愛い!
宥のお蔭で、勁の人間らしい感情が少しずつ見えてくるようになるんです。

そんな宥も、勁の真っ直ぐな部分や無垢な一面を知るにつけ、少しずつ感情が傾いていきます。
もはやトレーナーとしての感情以上のものを勁に持ち始めているんですが、トレーナーとしての葛藤も垣間見えるところがなかなかストレートに進まないところで。。
その葛藤が、落ち着きを見せていた勁に混乱をもたらし、今後の展開の波乱を予感させるんですよね。
あぁスリリング!!

そんな不穏な空気を漂わせた状況で下巻に続くとなるのです。
このまま1年半待てというのか!(待つしかないんですけど笑)

2人のエロスな関係性もさることながら、斬新な表現方法は本当に魅力的!
BLというカテゴリーを超えた、スリリングで面白い作品となっています。
でもエロスな部分も色気があって思いっきり萌えられますよ☆
一ノ瀬ゆまさん、他の作品も読んでみたくなりました♪

5

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