ショートケーキの苺にはさわらないで

shortcake no ichigo niwa sawaranaide

ショートケーキの苺にはさわらないで
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神229
  • 萌×252
  • 萌26
  • 中立16
  • しゅみじゃない23

--

レビュー数
52
得点
1447
評価数
346
平均
4.3 / 5
神率
66.2%
著者
凪良ゆう 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラ文庫
発売日
価格
¥690(税抜)  
ISBN
9784778117627

あらすじ

アンドロイドが普及し、人に代わって戦争すらしてくれる時代。大学生の南里輝(なんり てる)は、自分だけを愛してくれるセックス用アンドロイド、通称「裏ドール」を伴侶にすることを夢見ていた。その資金を貯めるため裏方バイトをしていた風俗店に、ある日とびきり美しい裏ドールが売られてくる。悲しげな姿を見かねた南里は、つい貯金をはたいて「彼」を買い取ってしまった。シンと名づけられた彼は、ドールゆえの一途でけなげな愛を南里に注ぐが――。

表題作ショートケーキの苺にはさわらないで

20歳,自分だけのドールを欲する大学生
美しい容姿を持つ裏ドールと呼ばれるアンドロイド

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数52

ともに生きるということ

読む順番を間違えた、と、読みはじめたときに気が付きました。
「2119 9 29」の方を先に読んでしまった。
でもすぐに、二人の置かれた環境や逃避行、ありふれた毎日のささやかな幸せの波状攻撃に飲み込まれ、どっちの作品がどっちの作品のスピンオフだとかはもう、どうでもよくなってしまいました。
シンの美しさと無垢な可愛さ、お互いがお互いに向ける愛情は微笑ましく、愛しくて、また、ドールオタ達のわいわい賑やかなあたたかい雰囲気も相俟って、すごく良かったです。
読みながら何度かぐっと来て、涙目になってしまいました。
何度も出会って何度も恋をする。おとぎ話のようでもあり、戦争やロボット社会という警鐘も含まれていて身につまされもしました。
最後の最後、どうして、と思いました。
シンがKISMOから人型になってもならなくても充分ハッピーエンドなのに、南里の事故による再生で、更なる「一生一緒に」をつきつめたのかと。これはこれでも良いですが、「2119 9 29」のラストのような「一生一緒に」もありだし、そちらの方が好きかな。そういう意味ではスピンオフである「2119 9 29」の方で別のラストシーンを描いた、ということでしょうか。邪推ですみません。
KISMOの丸も好きでした。人型であるシンと一緒に並んで散歩するのもよかったけれど、KISMOのシンを抱っこして散歩するのもよかった。
にこちゃんマークの顔でニコニコ空を見上げたり、綺麗な景色をマスターである南里と共有する姿は、とっても可愛らしいです。
ケーキ屋でショートケーキを見たら泣いてしまいそう(笑)
こちらもお気に入りの作品になりました。

1

波瀾万丈でありながらも感動的で温かいお話


ネタバレレビューだけ見た時はどう言う事すぎて読むのを躊躇っていたけど波瀾万丈でありながらも感動的で温かいお話でした。やっぱり主従関係萌えするタイプだなと実感。

1

現在の社会情勢も相まって…

凪良先生も草間先生も大好きなので読みますよね!
でも買ってからしばらく寝かせてあったのは、悲しい展開があるとの事でちょっと怖気付いてたんですよね。
しっかり時間があって、心に余裕があるときに、と思っていてやっと時は来た!って感じです。

アンドロイドと人間の小説を最近読んだばかりでしたので、大体こんな感じかなぁと予想はしていたのですがそれ以上に壮大なストーリーでした。

遠くの国で起こっている戦争が、身近な事になっていくという展開が現在の社会情勢と重なって、なんだか怖くなったと同時に、大切な人が奪われてしまうという事態が現実にも起こり得るんだと思うと胸が潰されるような痛みを感じました。

再会して安心したのも束の間、またまた2人が引き裂かれる展開になるとは…。
このお話は果たしてハッピーエンドなのかな?と考えずにはいられませんでした。
まぁ2人が幸せそうなんで、ハッピーエンドでいいんでしょうけど、自分が想像していたハッピーエンドとは少し違うようななんだか不思議とスッキリしない気分になったのも事実でした。

甘い描写も少な目なので、萌えは少なかったかもしれませんが色々考えさせられる作品で、この先もしばらく考えちゃうだろうな、っていう強い印象を与えられた作品でした。

0

まさに超大作の純愛映画

どのレビューサイトを見ても上位にあるのでいつか読んでみたいと思っていたのですが、先日やっと読めました。そして泣きますよね。翌日目が腫れるほど泣くことになりますので、これから読まれる方はお気をつけください。

本作はあらすじ通り人間×アンドロイドという設定ですが、その導入だけ聞くと、「アンドロイドと人間のスペック(寿命)は違うから、絶対にハッピーエンドにならないやつでは・・?」と恐怖でした。ハッピーエンドにするのが難しい設定だと思うんですよね。ですが、本作はハッピーエンドだったと思います。恋愛の良い部分だけ切り取った話ではないですし、思ったラストとあまりにも違ったので納得がいかない部分もありましたが、ただ、思ったほど悲惨にもならなかったので良かったです。これだけBLがメジャーになっても想像できないこともあるんだなぁと勉強になりました。既存のBLに新鮮味を失っている方にも良い刺激になると思います。

また、本作のタイトル「ショートケーキの苺にはさわらないで」はキーワードとして全編通して大事になってきます。このあたりの物語の運び方はさすが凪良先生だなぁと思います。設定が大きくなっても大事なところが分かりやすいんですよね。慣れないワードがあっても置いてかれずに読めました。そして何と言っても南里のキャラクターが良いです。彼は禁欲的過ぎるあまり、後半にかけてどんどん人間から遠のいていきますが笑 とはいえ、物語通して彼の求めていたものは一貫していたと思います。「好きな人をたくさん愛したい」という単純な願いですね。ただ、閉鎖的な田舎で暮らすゲイであるが故に将来に希望が持てなかった。そして必ずマスターを好きになるドールにハマっていく。彼が求めていたのはセックスではなくて愛情をかけられる相手だったんだと思います。南里は愛情深い人なのに、愛をあげる対象を容易に確保できない。シンを助けたのは勢いもあったかもしれないけれど、シンと過ごす日々は南里が求めていた幸せそのものだったと確信しています。
だからこそ、他の方のレビューにもある通り「シンが裏ドール」という設定だけはどうも納得出来ないんですよね。性描写のために作った設定に思えて、ストーリーが素晴らしいだけに残念でした。ただ、それを差し引いても超大作なので「神」としています。最高でした。

1

人とアンドロイドの、想定より劇的なラブストーリー

表紙とタイトルからは全く連想できないくらい、結構壮絶な人生でシリアス展開もばんばん来ますので、ある程度心構えをもった上で読むことをおすすめします。

結構しっかりSFです。舞台は2050年前後の近未来。人型のアンドロイドが生活、軍事あらゆるところで用いられるようになった日本。隣国と戦争しているのですが、現代日本で激化する戦時下の、日本社会の描写がものすごくリアルで怖かったです。私が読んだ今本当にちょうどタイムリーな話題で、戦争に対して不安に思っていたので、結構胸がざわつきました。

アンドロイドものでよくある展開ではありますが、本当にあらゆる困難に直面していく南里とシン。人とアンドロイド、出会、別離、再会、記憶と思い出、それらが複雑に絡み合って、あらすじからは想定できないそうなドラマティックなSFラブストーリーが展開されます。

ネタバレしたくないので詳しくは書きませんが、タイトルが、、、頭からしばらく離れなくなりそうです。結構メンタル揺さぶられますが、面白いので是非読んでみてほしいです。

1

恋愛感動作が好きな人には刺さります

泣けるBLということで気になり、読んでみました。読んでみて分かりました。こりゃあ泣けるよね、と。

設定、キャラクター、展開、ラスト、すべてどこかで見たことあるような話です。物語はどんどん盛り上がっていきますが、読んでる私はテンプレートすぎる展開にどんどん萎えていく。惰性で読み切りましたがもうキーアイテムとなるショートケーキも、ああ敢えてチープなものにして読者の共感を得やすくしてるんだろうなって冷静になるくらい冷めました。

戦争によって二人が引き裂かれることになるんですが、戦争の背景もぼんやりと書かれているしドールと人間の恋はテンプレだし戦時中の恋愛ものとしてもSF恋愛ものとしても中途半端でした。

シンが人間タイプの体をもう一度手に入れるという段階で南里が事故死するのもめちゃくちゃあるあるすぎてそこで決定的にダメになりました。

全日本が涙した話題の感動恋愛作!という触れ込みで謳われる作品が好きだという人には必ず泣ける美しい純愛ストーリーでしょうが、私のようなひねくれた人にはテンプレートすぎるお涙ちょうだい物語なのでつまらないと思います。

ひとつ気になったのは、このドール(シン)は製作者の兄を模しているとあるわけですが、身内をモデルにしたドールを裏ドールになんかするでしょうか?そういう用途ではなかったけどナガレになるうちに作り替えられたとかなら分かりますがそうでないっぽいし……裏ドールという設定は色気シーンを入れるだけの設定なのかなと思うとそれもまた萎えました。

6

とりあえず泣いた

凪良先生の作品が大好きで他作品も読んでいるけど、この作品は「人間とアンドロイド」というジャンルだけでちょっと敬遠しちゃった自分に反省。
泣けるBL作品という触れ込みがあって読んでみたら、、、なんて素敵な物語。

シンの真っ直ぐすぎる純粋な心と、それをしっかり受け止めて思いやる南里。
ハネムーン期の2人にキュンキュンさせられてからの避けられない別れで号泣。
計り知れない南里の気持ちと、それを見守っていたサークル仲間の気持ち、
両親の気持ちや地元の友達。。。どれもわかるし、誰が悪者なわけでもない。

そして、1番長い時間を丸シンと過ごしている時の2人はとてもほっこりと温かい気持ちにさせてくれる。
そんな中まさかの展開からの最後の結末。

もしかしたら終わり方に賛否があるのかもしれないけど、多少のことはもう気にしない!って思うぐらい、やっと叶った2人の願いが永劫に続くことに私は安堵した終わり方でした。

スピンオフ作品があるらしいので、早速そっちも読んでみたい。

1

タイトルの意味を知って涙する

この作品に出会うまで、BLはコミックばかり読んでいて小説は全然読んだことが無かったのですが、この作品があまりに素晴らしすぎてそれから小説にものめり込むようになりました。思い入れ深い一冊です。
凪良せんせーに圧倒的感謝……!

もう、ただただ素晴らしいSF映画のようだったとしか言えない。世界観に入り込みすぎて読後の余韻が凄いです!
バリバリ近未来の話でファンタジーなのに、どこか妙にリアルなんですね。
戦争に向け徴兵命令とか、昨今の状況を考えるとこの先に起こってもおかしくないようなストーリーで焦燥感を掻き立てられます。

自分は丸型時代のシンが一番好きで、嬉しくて回ったり、不安で震えたりする健気さと愛らしさにやられます…!(´ノω;`)
そしてドールサークルの面々は楽しくて和みます(ノ∀`)

永遠ってなんだろうと考えてみると、人間同士の恋愛、結婚だって別れがつきもの。幸せには不幸がつきもの。 永遠って、死ぬ事以外無い気がします。死んでからが永遠? 死んでも生まれ変わっても、自分を愛する人の中では永遠に眠る人で有る事になるような。

何を守りたいのか。守りたいモノの為にどう生きるか。 社会において何が守られるべき存在であったのか。どんな未来を望むのか。
うーん、難しい…

賛否有るかと思いますが、私はハッピーエンドだと思います。
とても素敵な愛のお話でした!
そしてこちらを読んだあとに続編の「2119 9 29」も是非読んでほしいです(`・ω・´)

2

良かった!!!

買おうか迷ってる方、ぜひ読んでみて下さい。
他の方のネタバレ交じりのレビューや感想は一切見ない方が良いです。
全く前知識なく読まれることをお勧めします。
自分はちらほらネタバレに近い感想を見てから読んで後悔しました。

上質な映画を見た後のような読後感でした。

1

作者の能力がテーマの消化不良を起こして?

アンドロイドと戦争と感涙? 高評価レビューを見て読んで見た。………ら、途中何回も放棄しそうになりながらもなんとか読了。………しんどかった。感慨はそれだけ。

 戦争問題提起・賛否両論? そんな高尚なテーマがあるような作品には思えない。作者はおそらく何も考えず楽しんで書いただけでは?
 単にトレンドに乗って、アンドロイドを戦争に利用すれば読者のお涙頂戴、本は売れるしの自己満足に過ぎない、いや、それだけの価値しか無い作品。読み捨てコミックと同じ。

 何らかの伝えたいテーマがあるとしても、筆力が弱くて伝達、表現の中途半端さの犠牲になった読者層が、消化不良を起こして無意識に向けた矛先が小難しい問題提起にまで発展したに過ぎないんじゃないかな。こういう作品って欲求不満を誘うんですよね。

 それに触発されて読んだわたしが馬鹿なのよ。賛否も何も、評価するほどの値打ちが無い。BLとしては。   かと言って、一般小説としてはどうか?  ますます見向きされないでしょう。戦争に関する意見なら、それに相応しい作品でやるし。もっと読者を引き込めるストーリーテラーの手にかかれば、全然違う印象を持てたと思う。個人的に近未来・SF要素大好きなんで。
 
 アンドロイドはいい。主人公を好きになる設計なんだから。そこには、憐みを感じたさ。だけど、主人公はどうだ? 普通の人間だろ? 異人種どころか、異種なる者を愛するのはそん なに簡単ですか?. 確認するけど、異種間恋愛だよね? いや、あまりにもただの友情の間違いではないかと思うほどの薄っぺらい感情しか書かれてなかったんで。人間以外のモノを愛する為には、もっともっと強くて切ない動機があるはずじゃないか? アンドロイド同士の恋愛じゃあるまいし。 一番大事なところを書ききらずに、小道具や戦争なんて壮大なもん持ち出してんじゃねえ!  国際紛争エリアの難民に失礼だろっ!   ………つーか、主人公の神経そのものが不透明で作者に不信感が生じたよ。

    ………というのが感想。あと、やっぱりイラストレータが苦手。この絵師さんには向かない題材。絵柄自体が失敗してる。 ま、上手レーターでも作品評価は変わらないけど。
 でも。涙は出た。中古本に払ったお金もったいなくて。

5

後に残る読後感

アンドロイドものということで読むのを躊躇していたのですが、高評価に押されて恐々読んでみました。

とても泣かせてくる話です(ティッシュを大量に消費しました)が、不思議と読み終えた後は重くなく、じわっと切なくて暖かいものが胸の奥に残る感じです。そしてタイトルが心憎い。今日はショートケーキを買って帰ろうと思います。

正直、BL的な萌えというか、BL小説を読んだぞ、という満足感はあまりありませんでした。やはり、アンドロイド相手というのが私にとってはどうしても引っかかってしまうようです。

シンの情緒が育っていけばいくほど、彼が主人を好きになるように設計されている、ということが重くなってしまって、シンに恋愛感情を抱くことのできる南里の気持ちがよくわからなくなりました。途中でシンの姿が変わってしまうところでは、2人の絆が情欲と離れたところに置かれて正直ホッとしました。あのままの方が幸せだったんじゃないかな〜(物語的には面白くないですが)

最後の展開は円満ハッピーエンドとは思えませんが、「こういうのもあり」な2人の形かもしれません。

0

アンドロイド

アンドロイドを、介護の担い手にしよう、とか、チンパンジーの脳を改造して使役しようとか、大真面目に研究をする科学者が居るらしいので、この物語は、近未来の科学の暴走を警告する内容を含む、と思って読むと、かなり深刻なものを含んで居ると思いました。

この作品の後に、「2119 9 29」を読むと、深刻な警鐘を含む課題で、もう笑えない。
BLも、馬鹿にできません。近未来SFものは、大真面目に捉えなきゃいけない、科学が神々の領域へ踏み込んでいる事への風刺が込められているんですね。
面白かったというより、現実化しつつあることなので、読後に恐怖が湧きました。

★BLを読む最初の一冊に、凪良さんの「美しい彼」が高人気でヒットするのですが、変質的な嗜好を持つ主人公で、作品の前半焦れる展開です。
私は生きにくさを抱えるマイノリティな人たちの姿を、読み手が感情移入して主人公の立場に自分が入り込むような描写がされている「恋愛前夜」か「おやすみなさい、また明日」や、ありふれた日常を背景にして社会問題に警鐘するこの「ショートケーキの苺にはさわらないで」が、BL初心者向けというか、凪良さんの作風を理解するはじめの一冊じゃないかな、と思います。

1

SFと戦争

評判が良く、凪良先生の安心感から手に取りました。かつ大好きな草間さかえ先生の挿絵!!しかしすみません、自分には合いませんでした。

SFものにかなりのこだわりと愛があるせいもあると思います。また戦争ものもかなり好きなのですが、この2大要素は(BLではない)世に言う名作を数多く見てきたせいで、相当しっかりした作品だと受け付けない身体になってしまったのです。個人的にはアンドロイドについても戦争についてもかなり物足りないし中途半端だという印象。
南里が幼稚で、最初から最後まで自分のことしか考えてないなと思わされるし、最後の展開も人権とは…となりどんどん冷静になってしまった。トンデモ設定でもノッてきたら入り込める時もあるのですが…申し訳ない。

「女王様と下僕み」という表現が好きでした。本当の2人と全く違うからこそギャップが面白い。

2

あさだ2枚

訂正:「相当しっかりした作品だと」は「相当しっかりした作品でないと」の誤りです。意味が逆転してしまう。

アンドロイドと人間

めちゃくちゃ泣きました。
タイトルを見るだけでこんなに泣きそうになる経験は初めてです。

アンドロイドと人間
実は昔からこの設定が大好きです。あまあまらぶらぶハッピーエンドよりも、切ないお話が好きな私としては、絶対に一筋縄ではいかない2人のストーリーが読めるとわかりきっているので大好きなんです。

…と、期待していたのですが見事に期待を裏切られました。いい意味でも、悪い意味でも。
もちろん泣けますし、これでもかというほど紆余曲折がありましたが、個人的には手放しで神評価にすることはできませんでした。
のちのスピンオフを読むにあたって数年ぶりに読み返したのですが、作者様ご本人も仰るとおりまさに「賛否両論」だろう、と。

とはいえもちろん嫌いなわけではなく、数年越しで読み返しても大好きな作品ですし、凪良節炸裂で綺麗で切なくて素敵なお話でした。

1

すごく疲れた。

ごめんなさい。
ここから読まないでくださいね。








これは泣かせる為に書かれたものなのか。と思ってしまいました。
BLである必要があるの?と思ったりもしました。
これだけの高評価の中このレビューを書く意味はないのかもしれません。

でも、とてもしんどかったんです。戦争。徴兵。事故。
設定で泣かせる話に仕立てられたという感じすらしてしまいました。
アンドロイド徴兵の話が出た時点で、ああ徴兵されるんだ。って予想はすぐついてしまいました。
で、皆でシンを匿ってるところからの残りのページ数から考えて徴兵されてから二度と会えなくなるという事はなさそうだ。と、思いました。
もうそう思ったら涙の一滴も流れませんでした。

登場人物は良い人たちでその純粋に他を想えるところには魅力を感じました。
逆に私には純粋さがないからこんな感想しか持てないのかもしれませんね。

戦争うんぬんの設定はあまり良い設定ではないと思います。
架空世界なら現代の世の中からは考えられないずーっとぶっとんだ世界観にして欲しかったです。そこにリアリティは必要ないでしょう。

すごくしんどくて読むのに時間がかかりました。

5

タイトルの意味

本編を読むと、タイトルの意味にぐっときます。

アンドロイドのお話で、生き物でないのはなー躊躇していましたが、読んだらそんなこと吹っ飛びました。凪良先生好きさんで、アンドロイドに躊躇してまだ読んでない方がいらっしゃいましたら是非読んでください。

たくさんのレビューがあるので、あらすじ等は割愛します。
非常に可愛らしく、そして切ないお話です。アンドロイドですが心があります。傷つきますし、喜びも感じます。シンというアンドロイドの愛らしさ、純粋さ、そしてヒトのような成長を、南里くんとその仲間達が温かく見守る姿が温かく静かな文章で描かれています。
後半は、急展開の連続です。シンと南里の波乱の連続だけど優しい一生を見守る事ができます。涙なしでは読めなかったので、泣きたい時や切ない話が読みたい時に読んでください。

2

SF純愛作品

※ネタバレ注意です!
とっちらかったレビューで失礼します。


凪良先生の作品は二冊目です。カジュアルな文体と魅力的なキャラクターたちで、最後まで一気に読ませられます。

「ショートケーキの苺にはさわらないで」、とても良いエンターテイメント作品でした。映画で例えるなら、ス○ルバーグ監督あたりのハリウッド映画かな?
友情や家族関係や政治的なこと、そして恋人との純愛を主人公の激流のような運命の中で描く。
読み終わった後はあまり「BLを読んだ!」という感じにはなりませんでしたね(笑) それぐらい内容が壮大です。

この作品の魅力をあげるなら、やっぱり受けにあたる『シン』の存在です。
裏ドールのシンは不遇な目に遭っていたところを主人公で攻めの南里に拾われます。このシンが健気で純粋でとっても可愛いんです。
途中、記憶のチップだけそのままにボディが丸型のロボットになりますが、その時のシンが人型の時以上に可愛く感じられ個人的には好きです。人型ではないからこそ、純粋さやひたむきさが際立っているように思います。
そんな可愛いシンだからこそ、徴収から逃れようともがいていく展開は可哀想で辛かったです。

奇跡的な偶然を経て主人公のもとにシンが戻って来てくれたときは嬉しかったです。姿は変わったし完全な形ではなかったけれど、間違いなくシンの魂がそこにはあって、それを証明してくれた言葉が「ショートケーキの苺にはさわらない」なんです。ここでタイトルの意味がわかります。

その後も波瀾万丈な二人ですが、最後はちゃんとハッピーエンドを迎えます。まぁ、情勢的なことを考えるとちょっと不安は残りますが…(戦争が多い世界線かと思うので)。それでも、二人が一緒に居ることができればそれだけで幸せだと思うのでどうかいつまでも一緒にいられますように…。


エンターテイメント作品としてすごく面白かったのですが、BLとして萌える要素が個人的には薄く感じられたため評価は萌2にしました(萌にしようかと思ったんですが、シンの可愛さで萌2に変更)。 だからといってツマラナイとかそういうことではないです!
なんだろう…、南里を求める気持ちとか葛藤とかを、シンの目線でダイレクトに読めたら嬉しかったかもです。綺麗で純粋なドールの内側にある、人間臭い矛盾とか。シンは可愛いけど綺麗で純粋でやっぱりアンドロイドなんだな~という気持ちから抜け出せませんでした。わがままを言わせてもらうなら、上下巻くらいに分けてもっとじっくりゆったり二人の関係や世界観を書いてほしかったかもしれないです…。

それから、作者の政治的な考えがうっすら透けて見えるのもなんとなく居心地が悪く感じられてしまって…。
BLは現実からトリップして楽しみたい派なので、作者の現実的な主義主張を感じてしまうと作品にノイズがかかってしまうと言いますか…。
私が神経質なだけですね;

純粋な気持ちで読めばとても楽しめるし、感動する作品です!どんな姿形になろうとも揺らがない純愛が読みたい人におすすめです。

3

時代やカタチが変わっても愛は。

「こう来たか! やられた……」と呟かずいられなかった一冊(しっかり目尻を涙で汚しながらね)。
ジャンルで言うとSF。BLとしての条件も押さえてはいるのですが、読んでいるうちにジャンルとかはどうでもよくなりはします。

設定は今より未来で、それなのにあまりにも普通な現代との地続き感のある風景から物語は始まり、途中ディストピア物のような展開も見せます。だけど根っこは壮大な理念とかなんとかよりも個人的な愛についての物語。
愛はどこに宿り、どう育まれるのかのお話なのですね。

これから読む人たちにもこう来るか!? と軽く驚き、泣いたり笑ったりしながらページをめくって欲しいから、ストーリー自体についての説明はしません。
一見設定的に変わり種の作品のようでいて、とても凪良さんらしい物語でした。

とにかく先入観無しで読んで欲しい! 出来れば普段BLを読まない人にも。素敵な素敵な一冊でした。

4

実写化映画化してもいいくらいの、SFヒューマンドラマ。

部屋で読みながら、嗚咽が出るほど泣いた。
目が腫れるくらい泣いた。
神以上の評価がつけられるのであれば、神×5くらいしたい作品。

2人が出会った直後から、私はすでに泣いていた。
出会ったばかりの頃の、受(ラブドール)の仕草や言葉に、過去のご主人さまから受けていた仕打ちがどれほど辛いものだったかが想像できてしまって、それがもう読んでて辛すぎて、辛すぎて、「もう、大丈夫だよ」って言ってあげたいくらい切なくて、心の中で2人の幸せを願いながら読んでいた。

ハラハラして、涙が出すぎて、もう途中で本が読めなくなって一旦閉じてしまったくらい。

その後も、結局読み終えるまでずっと私は泣いていた。

ネタバレなしで、是非最後まで読んでほしい。
タイトルの意味が分かったとき、きっとみんな泣いてしまうと思う。
最高の作品に出会えたことに感謝。
作者様にも、イラストレーター様にも感謝。

3

やっぱりAIモノはいいですね…

けっこう前凪良ゆう先生の「ショートケーキの苺に触らないで」を拝読したがなんとなく感想はまだ書けていない。先日もう一度読み直したということで感想を書いてみたので読んでいただけたら嬉しいです。

もともと先生の作品が好きで、さらにあらすじを読んでAIの設定だと知ったら躊躇いなく買った。帰ってから一気に読み終えて、本の名前の意味を知った途端号泣してしまった。
物語は近未来の日本をバックグラウンドにし、人間のお手伝いとしてドールは広く使われているという設定。そしてある少年は、一人のドールに恋をした。お互いに癒し、癒され、そしてそのドールもいろいろな感情を持つようになり、2人は愛し合った。それから色々あったが、ストーリーの最後は人間の男は手術してドールになって、この先永遠にドールと生き続けてくる。本当に究極な終わり方だよね…。
でもこれは本当にハッピーエンドなのかと考えていた。けれど考えれば考えるほど迷ってしまう。不老不死というのは、なんて悲しいことなんだろうね。家族も仲間も続々亡くなって、周りの風景がどんどん変わっていって、自分だけが世の中に生き残るのは寂しいの極めだと思う。そうだったら愛する人と一緒に老いて一緒にお墓に入るほうが百倍ましだ。それに人生は有限なものだからこそ楽しいと思っている。
人間とアンドロイドが愛し合うのは最初からは間違っていた。所詮機械だし、この先悲劇の運命から逃げられない。だけどこの運命を知りつつもアンドロイドに愛情を注いて、命をかけてもアンドロイドを守ろうとする人間がすごく愛おしい。これは人間ならではの繊細さやセンシティブさ。さらにだんだん人間に懐いてきて、人間くさくなてくるアンドロイドを見て切なくてたまらない。
この先は2人は永遠に幸せに生きていくとは限らないけど、これは先生なりの考えたベストな終わり方だからこれでいい。むしろこれがいい。今まで触れたAIモノのストーリーのエンドはほとんどアンドロイドは歳をとらない一方人間は確実に老いていくということを曖昧に避けてるけど、先生はちゃんと後のことも考えてこのエンドにしたのだ。
改めてAIモノはどれほど読んでも飽きないと感心した…。

7

なんだか複雑だけど やっぱ神にしかできない

なんだろうなあ。
涙はたぶん30粒ぐらい、膝におちた。
ティッシュは5枚ぐらい?

すごく考えてしまって。ぐるぐるポイント1.
他のお姉さまが同じようなことをおっしゃっておられてて。
息子がいます。戦争になったら、この子も徴兵されちゃうのか と。
私も逃げるのかなあ。どうするのがよかったんだろう。

とても泣いたんですが、泣いた傍らで、ひどく考え込んでます。
凪良先生は、それも伝えたかったのでしょうか?

アンドロイドに対する愛情は、私も南里と同じ。
丸くても同じ。恥じらう丸いシンちゃんが、大好き。
一緒にいてくれる、温かい存在でいてくれれば、それで十分。

十分なはずなのに、さらに望んで、その上に
「人である以上、先立ってしまう・・・」という懸念を
ぶっとばしてしまって(時間はかかったけれど)
二人して、ようやく手に入れた、長い平和な時間を、なんというのか。
永遠に近いものって怖くないのかな?
でも逃げてもしょうがないし、それだったらやっぱり前に進むべき?
それがぐるぐるポイント2。

わかりやすーい、超ハッピーなお話にはできず
ぐるぐる号泣してしまったお話でした。
考えさせられる本№1かも。
凪良先生ったら、読者に挑戦してる?

8

南里とシンの純愛苺系な可愛らしさにハートキャッチされてしまった。

ずっと気になっていたのですが、この度やっと手に入れて読了しました。
評価が高いながら賛否両論ある作品。ですが、個人的には本当に好みの作品でした。恐らくBLではなかったとしても好きになったと思えるくらい、ストーリーがしっかりしていると感じました。何が良かったかというと、

・斬新さはないもののあまり多くは見ない、近未来アンドロイドもの
・序盤のアンドロなシンと人間な南里ふたりの優しい心の交流
・↑からの戦争というリアリティのある障壁
・お互い何度も姿が変わっても気持ちはずっと変わらない健気さ
・とにかく切ない!

といった感じです。
切ないです。とにかく泣かせにかかってきます。ティッシュの用意がなければ読了できませんでした笑
ですが切ないものが苦手な方でもファンタジックな要素があるからでしょうか、そこまで抵抗なく読めると思います。
先述した通り、これはSF、サイエンスファンタジーの小説です。けれど南里の生活感や戦争という題材が妙なリアリティを作っていました。不思議な世界観に引き込まれます。
ファンタジーとリアリティ、そしてシンと南里の可愛らしさが相まった優しいお話だったと思います。
地雷の方も確かにいらっしゃりそうですが、とりあえず一度読んでみて損はない話です。

4

多分、最高のハッピーエンド

読み進めるうちにアンハッピーエンドしか思い浮かばなくて、地雷踏んだかとヒヤヒヤしましたが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
まさか輝もアンドロイドになるとは…
そうきたかー!と凪良さんの創るストーリーに溜息。

人間とアンドロイドの愛は永遠のハッピーエンドと言えないけど、アンドロイドの二人なら穏やかに過ごせるでしょう。
こういうラストも有りだなぁと思いました。

そして阿部ちんの存在に癒されました。

結局、リョウのお相手はどんな人だったんだろ?

2

心で通じ合う

これまでのマスターにはひどく扱われていたアンドロイドのシンが、大学生の南里に拾われ大事に扱われること・愛されることを知ります。
初めて体験することに喜んだり悲しんだり、素直に反応するシンがとても可愛いかったです。

戦争のためにドールであるシンに徴兵通知が来てショックを受けている南里を励まそうと、本当は怖いのに平然を装うシンは切なかったです。
逮捕を覚悟で逃げる二人もサークルの仲間も愛でした!!
(阿部ちゃんのキャラ最高です)

その後離れ離れになってしまった二人ですが、記憶チップを通して、何度も再会し、そのたびに「ショートケーキの苺」というかすかな記憶で通じあうことができます。
外見ではなく心でのつながりを感じられる素敵な作品でした。

2

理想の結末、多分。

第一印象。うわーん泣ける!切ない!ハッピーエンドで良かった〜!

その裏でなぜか心はモヤモヤ……
いや、もちろん妄想だらけの中二病こじらせオタクが現実の裏ドールを手に入れて、どうしていいやら何の手も出せない。そんなところから始まる物語なので「切ない」は正しいよね。
自分一人のためだけの裏ドールは、自分の妄想を100%叶えてくれるって思い込んでいたけど、現実の裏ドールはオタクの想像をはるかに超え、リアル人間と同じ。
南里は恋を知り、愛着を知り、遂に肉の快楽を知り。
そして戦争が全てを引き裂いていく。
全てを失った後、まだ20歳の南里。絶望ですよね。
さて、後半。
シンの記憶データが手に入り、以前のシンとは似ても似つかぬ「丸」型ロボットにインストール。そこで発せられる『……ショートケーキの、苺には、さわらない』
ここからの南里は、よく言えば純愛。うがって見れば妄執。
現実の「ペットロス対策に犬のクローンを製作計画」というニュースがあったのを思い出しました。
本作の結末はこれ以上ないほどのハッピーエンド、だとは思う。美しいシンと優しい南里。二人は時間にとらわれずにいつまでもいつまでも一緒…
でも、あとがきでも触れられていましたが、永遠の命は永遠の幸せとイコールではないのですよね、多分。限りある命の人間にはその結末は何も見えないけれど。

6

間違いなく純愛です

主人公南里は、セックス用アンドロイド、通称裏ドールをいつか手にいれて愛ある幸せな生活をしたいと、せっせとバイトしながら、大学のドール研究会に属しています。
バイト先で売られてきたドールを250万円即金で購入してしまいます。
本当は、クールで美しすぎる彼よりは可愛い系が好きだったのですが
ちゃんと恋愛して、結ばれたいと努力します。
ドールをシンと名付けて、
はじめて会った記念にイチゴのショートケーキを買ってきて
食べさせようとしますが、きれいな苺をシンが落としたので
ショートケーキの苺にはさわらないって。
注意します。

そのキーワードはその後、繰り返し繰り返し、出てきてそのたびに泣きそうになりました。
もはや、純愛って、同姓をこえて異種にたどり着くのかな…
そして、理不尽な戦争が二人を引き離す。
障害はとても高いです。

アンドロイドとの恋って
昔読んだタニスリーの銀色の恋人を思い出しました。
とてもよかったです。

1

こんなに愛せるってうらやましい

題名の言葉だけで泣けます。
そのぐらいはまっちゃいました。

3

アンドロイドとの純愛物語

CDになったらいいなと思っていた作品です。
聴く前に再読したのでレビューします。

現代から30年ほど後の近未来のお話。
アンドロイドが家庭用の高価な家電品となった時代、報道される遠くの国の争いだと思っていた戦争が平和を謳歌していた若者に襲いかかった。
それでも、身内や知人が血を流すこともなくましてや自分が武器を手に戦うことなどありえないと信じていた。
そんな時代の純愛物語です。

中学生の時に初めて目にした裏ドールに夢中になりいつか自分だけのドールを手に入れたいとバイトに励む南里。
家電品と違って美しく感情を持つセックスアンドロイド。
ゲイの南里が思い描く将来設計は、資金を貯め独立後自分に従順な愛すべきドールを購入しラブラブな家庭を築くこと。
人間の男ではなくアンドロイドを伴侶とし生きていくというオタクちっくな男の子がどんなドタバタの末かわいい系のドールを手に入れるのかと呑気に構えていたら、結構重く切ない話でした。

戦争の激化とともに戦闘用アンドロイド不足から家庭用のものを徴収することになった時、南里はシンとともに逃げ出します。
ただ事でないと慌てる両親。母親の嘆きが電話で鰹のたたきを食べさせようと呼び止める場面が切なかった。

また、逃避行に協力した大学のドールサークル仲間との楽しげなひと時が、みんなそれがいつまでも続かないこともいつか自分たち自身も徴兵されるかもしれないことも予感し、仲間たちとの刹那的な時間が楽しそうであればあるほどその心の内を想像すると悲しみに胸を突かれました。

やがて追い詰められたふたりは、南里が体調を崩したときシンは南里を病院に連れて行き自ら出頭したことで終わります。
いつか誰も知らないところに行って二人で暮らしたいというささやかな望みも絶たれて引き裂かれるふたりに涙しました。

シンを製作した天才マイスター村上の製作秘話がまた切ないのです。
シンの完成度からしたらシンのモデルへの想いが性愛を含むものだと思われるので彼らの物語にも興味を持ちました。けれど、悲しい結末となる話なので読み辛いとは思いますが。

シンを失った南里のその後、人間とアンドロイドの恋物語の行く末として命の長さの違い、戦争の行方など最後までハラハラさせられました。
え、そうなっちゃうの?という結末が用意され私としてはこれ以上にないハッピーエンドだったと思いました。

7

平和って大事だよな。

あとがきで凪良さんも書かれてたように、永遠の命=永遠の幸せではないのですが、南里とシンは幸せなのだとおもいます。
アンドロイドものはあまり好みではないし、ましてセックスドールなんて凪良さんの作品でなかったら手を出さなかったと思います。
ですが、やっぱり凪良さんの表現は素晴らしいですね。
血の通わないはずのシンが、まるで産まれたての子供の様に可愛いんですよ。南里が見せてくれるもの全てに興味を示し(南里の秘蔵のAVにまで)、人の温かさを覚えていくシン。
しかも、好きな食べ物が卵とショートケーキとか!!
幸せに暮らす二人は、戦争という悪魔に引き裂かれてしまいます。戦闘用ドールではないはずのシンにもある日、召集(徴収?)令状が届いてしまいます。
仲間の助けを借り、逃亡を図る二人ですがやがて終わりをむかえます。

結末は、ご自分の目で確かめて頂きたいのであらすじはここまでにしておきます。
もしかしたら、見る人によってはハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、私としては最良の結末だと思います。
そして…阿部ちんの行動がイケメンすぎる。

999や火の鳥なんかが好きな人はぜひ!

2

タイトルの意味を知った時切なさを感じます。

これほんとヤバいです
今まで数々のBL小説を読んでしましたし凪良さんの作品も多々読んでいましたがダントツ1番です

快楽専用のアンドロイドなんて…と最初は思いましたが全くそんな要素はなく南里君の思いやりとシンちゃんの純粋さに前半はキュンキュンしっぱなしでした

そしてちらちらと見せている戦争の風景
背景までしっかり表現するのが素晴らしいと思いました。BL小説を読んでるというより1本の映画を見ているような感覚です
ドールの悪徳商法や徴兵化。人形とはいえとても感情のある生き物に対しての扱いとは思えません。あまりにも酷すぎて頭を抱えます。

後半はただただ泣きっぱなしでしたね~
凪良作品を知る方はきっと油断せず構えてたでしょう。ページがある分どんな事が投下されるかわかりませんもんね(笑)

草間さんの南里をシンがおんぶしている挿絵はその時の切なさをよく表現していてぼろぼろと流れる涙腺に拍車をかけましたしショートケーキの下りは2回も涙腺崩壊しました
これでもかってぐらい泣かされます

その分を補うように幸せなENDだったと私は思います
たとえ容姿が変わったとしても気持ちは変わらずっとそこにある。
この子達は本当に偉いです。まさしく純愛。
いつまでも幸せにねという願い。暖かい気持ちがぎっしり伝わってくるそんな作品です。

17

映画を観たような気持ちです。

南里の人生を追っていく展開のせいでしょうか。小説ではあまり経験したことのない読後感でした。

現在にすごく近い未来。町並みも人の生活も、容易に想像できる世界感。そこに存在するアンドロイド。違和感無く入っていくことが出来ました。
読みながら思ったのは、食べて眠って痛覚も個性も感情もあって涙を零すアンドロイドは人間と何が違うのか、ということです。プログラミングされた反応だったとしても、そこに感情があれば魂も存在するのでは・・・等と小難しい哲学的な思考が多々過ぎりました。
宅間が「せめて生身の人間に殺されますようにって」という言葉。宅間の考えは理解できるし、彼の体験を思えば納得も出来ます。人のカタチをして感情があってもアンドロイドは生きてはいないのか・・すごく考えさせられました。
宅間の言葉は重かった。。。戦争の最前線に配備されるアンドロイドが人型の理由がとても恐ろしい。そんな未来が現実に来ないことを祈るばかりです。
平和な日常の描写と忍び寄る戦争の気配が、私にはとてもリアルに感じられました。せつなさ以上に、その恐ろしさが残ってしまった為、この評価にさせていただきます。
暗い印象ばかり書いてしまいましたが、サークルの皆とのやりとりは楽しいですし、純粋なシンは愛しいし、阿部ちんが(性格)男前!何より丸型のシンが可愛いくて、ほんわかします!!
アンドロイドものが苦手でなければ、読んでいただきたいと思います。

3

永遠の愛とは?

泣けると聞いて読みました。凪良ゆうさん好きな作家さんです。
号泣とまではいきませんでしたが私は泣けました。
ただ予備知識を入れずに読み始めたのでアンドロイド設定だと言うことを知らずに読みました。
残念ながら、個人的にアンドロイド萌えがないので、いくら知能や感情があるアンドロイドでも人間ではなかったので、感情移入しにくかったです。

でもシンが丸いアンドロイドになった時に発した「ショートケーキの苺にはさわらない」の言葉に思わず涙が出ました。

「マスターとずっと一緒にいたい」というシンの願いが、マスターとシンがどちらもアンドロイドになることで叶えられるところは、アンドロイドならではのラストだなと感じました。
好きな人と生きてきた記憶があるなら、お互いに永遠に一緒にいたいと思うその気持ちは”機械”ではなく”人間”なのかもしれないですね。

2

幸せなんですが、少々もやもや。

この表紙でこのタイトル、アンドロイドの話。
何となくほのぼのコメディー系かなと思って、積んでました。
読んでみたら、また切ない系だった!(笑)
ちょっと厚めでしたが、一気に読んでしまいました。

私は昔から人形が大好きな人形者なのですが、それだけに色々辛かったです。
この時代に自分がいて男だったらこのサークルに入りたいなと思いましたが、裏ドール専門かあ。裏にはいかないなあ。主人公同じく、好きになりすぎて手が出せないです(笑)
このどんどん悲惨になっていく展開で、いつものようにハッピーエンドにたどり着くのかしら?と思ったら、一応ハッピーエンドでしたね、おそらく。
本当にハッピーなのかは、正直なところ分かりません。
将来年老いた主人公が死んでドールだけが残されるという悲劇は免れましたが、これでハッピーエンドでいいのかなあという気持ちでもやもやします。
お互い、もうあの時の自分ではないのですよね。
それでも脳さえ同じならばいいのかなあ、うーん。
リョウさんもちょっと都合良すぎると思いましたが、まあ、人生どんな偶然があるかわかりませんし(笑)

メタボの阿部ちんが、最後までやたら格好よかったです。
シンと出会えたのもですが、お友達にも恵まれて主人公は幸せですよね。

実は最初のシンではなくて、二度目のまん丸なシンのあれこれで泣いてしまいました。こういうのに弱いです。
世間の反応や徴兵関連は、人形者には色々しんどい話かもしれません。動かなくても大好きなのに、動いて感情があったら人間と同じですよ、もう!(号泣)

あとどうでもいい事ですが、こんな未来なのにピンサロのバイトが1200円で高給バイトってどうなんだろうと少し思ってみたり(笑)

4

幸せって何だろう

評価の高い中、申し訳ないですが私には合いませんでした。
まず、アンドロイドという設定がダメなのかもしれません。苦笑
南里がドール仲間と楽しそうに話しをしていたり、裏ドールをうっぱらおうとしていたおじさんからドールを買い取ってシンとの生活を始めたり、そこまでは面白かったんですけど・・・話がどんどん壮大になっていって・・・戦争?
ドール仲間が協力してくれて南里とドールを必死に匿っているところは読んでいてほっとしましたけど、そのあとの展開が辛すぎてあまりはまりこむことができませんでした。でもあの逃避行の最中に出会った少年が伏線として、まさか最後にああいう形で出てくるとは思いませんでした。出会いって不思議。ただどうしても最後にかけての展開が・・・結局シンも南里も、私にとっては全然幸せに見えなかったのが合わなかった原因かなと思います。二人の世界、永遠に続きすぎる幸せのように見えてそれがまた辛かった。本にも書いてはありましたけど。
あ、でも、ショートケーキの苺にはさわらないで、というタイトルが生きたときにはちょっと泣きました。
お話の展開は面白いので、読後どう感じるかで読む人を選ぶ作品かなあと思います。

4

数ある障害を乗り越えて

期待以上によかったです。
読んだ後、とても幸せな気持ちになりました。

人間とアンドロイドとの恋愛ということで、普通の恋愛以上のハードルの高さです。
人間の南里は、向けられる愛情が心からのものなのか、単なるプログラムなのか分からず悩みますし、
アンドロイドのシンは、自分の本来の機能を使わずに、ただただ大事にされるということに不安を感じたりします。
そんなこんなでお互いに苦悩しながらも、分かり合おうという努力を惜しまず、想い合う姿に感動しました。

完全に恋人同士になった後も、人間とアンドロイドという違いのせいで、
終盤まで辛い展開が続きますが、お互いの愛情だけは揺るがないので、
号泣しながらも安心して読めました。

ラストは少しびっくりしましたが、どんな形であっても、ふたりが幸せそうだったのでよかったです。

5

感情をシンクロさせていく

あらすじにある『セックス用アンドロイド』という言葉に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。私もそうでした。
しかし、南里とシンの関係はピュアとしか言いようがなく、想いが通じ合うまでの紆余曲折には読み手からもエールを送りたくなるほどです。
時代設定が近未来のありそうでなさそうなファンタジーということもあり、読み進めるにつれてつらい現実に巻き込まれていく二人には、もう涙しか出てきません。初読から2週間は涙を誘うシーン(何か所もあるから本当にすごい)を読み返してはただただ涙を流しておりました。
設定に地雷のない方にはぜひ読んでいただきたい作品です。

アンドロイドの受け・シンが、攻めの南里から子供が成長していくのと同じペースで人間の感情を学んでいく姿がいじらしく可愛いです。
アンドロイドとして誕生してきた訳ですから、初めは組み込まれたシステム通りにマスターである南里と接していきます。しかし、以前過ごしていた環境が悪かったシンの、殻に閉じこもったような行動と感情に南里は困惑します。どうにかしてシンをのびのびと、明るい世界に触れて喜ぶことのできる姿へ変えてあげたい。マスターとしてではなく、まずは人として、シンに知ってほしいあたたかな感情を出し惜しみすることなく南里は伝えていきました。
そして、シンの心は少しずつ南里から与えられる優しさにほぐされていき、二人は愛を育むことになります。

アンドロイドである自分から未知の感情が生まれてきては「?」と疑問符を浮かべるシンは幼くもあり、その不憫さにどうしようもなく立ち止まりたくなります。南里がシンに執着したのも、その手を差し伸べたくなるような儚さがあったからだと思います。
南里が優しく接した分だけシンもあたたかな感情を抱いていく。お互いの寂しさを埋め合わせるように近く、より深くなっていった二人の心のシンクロに感動しました。また、お互いがお互いに一途であるが故に、いつ手にとっても胸を締め付けるような切なさと甘さを感じられるのは、まさに凪良ゆうマジック。魔法のような一冊でした。

5

限りなくピュア

この不思議なタイトルの意味が分かった瞬間!!
「ふぅ」ってなりました☆
でも結末が…賛否両論になってる理由がわかりました。
私としては、若干‘否’寄りの‘賛’です。

とにかく、シンが愛しい☆
見た目が非常に美しく誰が見ても魅力的なシンですが、中身がこの上もなく可愛いのです!
ピュアで健気で可愛らしい…むしろ丸になったシンの方が萌えたくらい(笑)
シンは存在自体が可愛いんです☆
前半の南里との甘々展開は、萌え補給のために何回も読み返してしまいます♪

中盤の戦争の下りは辛くてしんどいですけどね…。
こういう展開になるとは思ってもいなかったので、こんな引き裂かれ方は勘弁って思いました。
どんな形でも良いから再会を果たしてほしいと心から願いましたよ。

再会後の2人もまさにピュアで…☆
丸になった恋人と13年とか、南里は残念な人以外の何ものでもない(笑)
もう2度と離れてほしくないと願った2人ですが、結末にはちょっとすっきりしないところもありました。

基本的にハッピーエンドが好きなので、この結末もハッピーエンドなんでしょうけど、永遠の命っていうのは幸せなんでしょうか…。
そこが引っかかって評価も神にはできませんでした。
でも2人が離れ離れにならなかったことには満足してます!
やっぱりハッピーエンドですね☆

ま、とにかくタイトルが秀逸です!
凪良さんのセンスにまさに脱帽です☆


2

次の日が休みの時に読めばよかった…(^^;)

他の方のレビューを先に読んでたのでなんとなく積読にしてました。
それを休みの日の夜に読んだのですがヤバイです。
今日仕事なのにマブタが腫れてるし!!!
皆さんが言われてる号泣の意味を身をもって体験しました(笑)

内容は他の方がたくさん書かれてるので私の感情部分だけを。
最後まで読んで結末に納得した人、
そうでない人がいるのがよく分りました。
が、私はやっぱりこの結末で満足した方になります。
確かに人として1度は死んでしまった訳ですが
あそこでシンを残したまま結末をむかえていたらと思うと
今回の号泣だけでは収まらない
何かモヤモヤしたものが物が自分の中に残ってしまうかなぁと。

特にこういう近未来的なものは
今の現実と重ねる部分もあり考えさせられるところもあるのですが
ご都合主義になったとしても
最後はハッピーエンドで納まってくれる方が私は好きです。

それにしてもこのタイトルがそういう役目を果たしてるとは!!!
2人にとっては絶対になくてはならないものですね。

5

愛しくて、切ない

BL小説は山ほど読んだつもりでしたけど、これほど泣いた記憶がなかったような気がします。
人間とロボットの恋愛をテーマとしている作品ですが、
受キャラのシンは某有名BLゲームのあるキャラクターを彷彿とさせるようなかわいい癒し系キャラクターであり、攻めを一途に想う健気な姿はとてつもなく愛しい!
そして攻めの南里もシンを喜ばせるために毎日深夜までアルバイトして、給料日にシンを街に連れ出しておしゃれな服を買ってやったり、おいしい料理を奢ってやったり、優しくて正義感の強いカッコイイ男でした!
これ以上理想的なカップルは見たことありません!というリョウの二人に対する気持ちに思わず頷いてしまいそうです。
ストーリーに関しては、冒頭までは本当にあまあまで、読んでてこっちも幸せな気持ちがいっぱいでしたが、途中から戦争の話になっててページをめくればめくるほど辛くなります。
そして最後に幾たびの苦難を乗り越えてようやく再会できた二人を見てホッとしました。作者が後記で述べたとおり、「永遠の命」を手に入れた南里とシンですが、だからといって何もかもうまくいくとは限らない。
もしかしたら二人の未来に何か大変なことを待っているかもしれないが、最後のシーンで描かれたような平和な毎日を一緒に過ごせることは何よりの幸せだと思います。

これを読み終わったらショートケーキが食べたくなります。

4

後半号泣必至

冒頭の軽さからだんだんと不穏な雰囲気に。
途中しんどくで読むのやめたくなってきました。年をとったものです。
木原さんのあんなすごいのバンバカ読めてた私はもういない。
アンドロイドのお話だけど、これもまた一種の記憶喪失ものかな。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や999を思い出して、読後また一層切ない気持ちに。
途中ちょっとだけ登場した男の子はカラーイラストにもなってたし、伏線だなと思ってたけど、そう来たか!
タイトルの見せ場が後半用意されてて、いや~参りました。
これからイチゴショート見るたびに、草間さんのシンを思い出しそうです。

9

まさかの!

最近凪良ゆうさんの小説にはまり1日一冊ペースで読み漁っています。
こちらは何の前知識もなく手に取りましたが、思っていたよりもずっしりと重たい話でした。命について考えさせられる話だとは思わなかった。
オタクとアンドロイドのコメディタッチの軽い恋愛を想像してただけにボディにきました。ボッコボコです。
読み終わった後は納得と言えば納得なのですが、読後感が良いかと聞かれれば、そうでも無いです。
スッキリできないのは、やっぱり内容がヘビーだから?
こんな時代本当に来たら怖すぎる。でも絶対に来ないとは言えない。てか、来そうな気がする。ぐるぐる考えてたら萌えどころか恐怖です。

でもそんな中、本人たちの恋愛はとてもピュアで可愛いです。素直で一途でとびっきり可愛いシンには鼻の下びろーんでした。阿倍ちゃん状態です。

どんな時代が来ようとも愛するピュアな気持ちは無くしたくないものだと、もやもやする胸の内でひそかに思った一冊でした。

8

確かに泣けますね。

アンドロイドと人間、必ず訪れる別れ…。 ですがその理由が老衰とかではなく、辛くて悲しくて、まさか、まさかと落としまくられましたが、その分最後の2人に救われました。 途中丸のシンになった時、これはこれで2人の間ではありだよね!と思いましたが、やはり体があってお互いを抱きしめあえるならそれに越したことはありません。 それに南里の方も、あそこで本当に全てが終わってしまっていたらと思うと、私はやはりこの最後の終わり方で大満足しました。

3

カワイイ、かわいいんだけども

最後が惜しいなー(ノ I `。) ウゥ・・・

すごく可愛いんだよ。
このアンドロイドすごく可愛いんだよ。
なんて可愛いんだよ。
なんて可愛いんだよ。
何回もつぶやきながら読ませていただきました。
これまで過去酷い主人に扱われ、あまつさえ風俗に売られそうになっていたアンドロイド。
自分だけの清純なアンドロイドを求めていた攻だったのだけれど
あまりに可愛そうで全財産はたいて買ってしまう。
好みとはまるで違う見た目なのに反して、中身がホントウにすごく可愛くて。
すれ違ったり、間違ったりしながらお互いの距離は急速に縮まっていく。
二人だけの幸せな時間。ささやかな幸せでいい。
そんな最中に起こる戦争、そして別れと~な流れ。
控えめだけれど一途に攻が好きで好きでの気持ちが伝わってキュン。
ホントウにカワイイ。
小さなロボットに姿を変えてからも、二人で何年も生活をともにし
慈しみ。愛し。すごく胸が熱くなりました。
可愛いんだよ!とにかく!

失ったからだを取り戻すとき。
ホントウの再会と~からな後半。
正直どうなるかの期待は高かっただけに
最後はな~たしかにな~それも幸せっちゃしあわせだけどな~
個人的にはあまりしっくりしなかったラストだったかなと思います。
ん~説明できないのですが、あれはちょっとな。
残念。

13

何があっても、それだけは……!

ランキングの高さに惹かれ、購入を決めました。

初めての凪良ゆうさんの作品です。

高い評価の作品に、高い評価の作家さん。
ドキドキしながらページをめくりました。

しかし…
読後の後味は、最悪でした……。

何があっても、それだけは書いて欲しくはなかったストーリーが
そこにあったためです。

ここから少し「萌え」と関係ない話をします。
ホントすみません。

-------------------

「すぐ先にある日本の戦争」だけは書いてほしくなかったんです…。

このストーリーは、「アンドロイド」がいるという以外、
ほぼ今の日本と同じです。

大学生の主人公、オタクのサークル、ピンクサロン、時給の良い朝バイト、
仕送りで住む1DK、駅、スーパー、コンビニ、公園……

それらが今の日本を彷彿とさせてたまりません。
それなのに、そこに「戦争」なんて…。
しかも映画などの現実離れした戦争でなく、
ほんのすぐそこに待ち受けていそうなリアリティにあふれた戦争…。
見たくなかったんです。辛すぎて。
こんなことが起きるかもしれないという想像をかきたてられ、
いてもたってもいられないほどになりました…。

怖かったんです……

ストーリーの途中で、主人公の南里(攻め)が
裏ドールのシン(受け)とともに帰郷し、
宅間という戦地の最前線で戦う人物と出会い、話をするシーンがあります。
この場面は、戦地のことについて語るシーンです。
物語全体からしたら恋愛要素もなく、さほど重要シーンにも
数えられないかもしれないシーンかもしれませんが、
私からしたら、恐ろしくてたまらないシーンでした。

詳細に語られる戦地の最前線のこと。
「割れたスイカのように真っ赤になって倒れた」という人間の戦友。
恐れ慄き、震撼しました。


シンにやって来た徴兵(徴収)命令。
それを逃れるための南里とシンの二人での逃避行…。
四方八方から迫り来る手…。敵、敵、敵…。
胸が苦しくなりました。

二人の逃避行は苦しく、読んでいる私も恐ろしくて恐ろしくて、
敵に囲まれているようで萎縮しました。
もし、第二次大戦で赤紙での徴収命令を逃れようなんて
大層なことを考えようものなら、このような身震いするような目に
あっていたのかと思うとそれを想像するだけで怖くなりました。

本当に怖かったです……

-------------------

話は戻って、ふたりの恋愛の話。
(ほっとしたみなさま、ここまで怖い話ですみませんでした)

あまりに美しい裏ドール・シン(受け)を身請けした
普通の大学生南里(攻め)。
南里の貧素な自宅にやってきた美しいシンが、
身悶えするぐらい可愛いです!まるで無垢な赤ちゃんのようです!
ふわふわで暖かいものが好きとか、本当に可愛い。
怜悧な美貌と反して愛くるしいです。
南里と一緒になって、鼻の下がびろーんと地面まで
伸びてしまいそうです(笑)

そして、タイトルにもなっている「ショートケーキの苺」の話。
シンが自分に言い聞かせるように発した言葉。
「ショートケーキの苺にはさわらない」
この言葉が、これからの物語を何度も天地をひっくり返すことになろうとは
この時は何も分かりませんでした。

ふたりの初めてキス。街中で皆が見てる中、涙を溢れさせながら…。
良いシーンでした。
シンが本当に南里のことを好きになったんだなぁと感じた瞬間でした。

そして、ふたりがひとつになるシーン。
シンは裏ドールなのでセクソイドということになるのでしょうが、
実はここはあまり萌えなかったです。敢えて萌えたというなら、
南里の童貞の初々しさに…でしょうか。
挿入してすぐ出しちゃう…とかホント初々しいし、
若いからしょうがないよね!とか思いました(笑)

戦争終了後、シンの記憶チップをKISMOという球形ロボットに
装着する南里。
そして、3日後、丸い球形ロボットがいう言葉。
「……ショートケーキの、苺には、さわらない」
ああ、この言葉を聞いてどれほど嬉しかったことか…!
シンがいた。あれほど願い焦がれていたシンがそこにいた…!

そしてストーリーのラスト。
ここだけは、納得できませんでした。
というか、反対…とでもいったらいいのでしょうか。

あとがきにも凪良ゆうさんは書かれていましたが、
銀河鉄道999を観たことがある、と。
わたしも銀河鉄道999は有名なので知っています。というか大好きです。
あの物語の主人公は、永遠の命を手に入れることを拒絶し、
限りある命の人間でいることを迷いなく選択するのです。
「命とは、限りあるからこそ輝くのだ」と。
これは、私の大好きな言葉です。

最初からドールとして生を受けたシンは、
あるがままの姿で、永遠の命のでいいと思うのです。
しかし、南里がドールになり、シンと同じく不老不死になるというのは、
やっぱり納得がいきません。

「南里とシンは、不老不死になり、共に一緒になり、
 永遠の愛を手に入れました」
というのは、ある意味、物語として究極の愛の理想なのかもしれません。
しかし南里は人間であったのだから、
やはり限りある人生を生きて欲しかったです。

いつか来る、天命としての別れ。
もしくは今回のように事故などでの突然の死による別れ。
今は、いっときの幸せでいい。
いつかくる別れを予兆させてもいい。
ふたりには不老不死になって欲しくはなかったです。

-------------------

「萌え」というものからかけ離れたレビューになってしまいましたが、
「戦争」や「命」、「不老不死」について、いろいろと
考えさせられた物語でした。

悲しく、切ない物語でしたが、
「萌え」ではないな…と思いましたので、「中立」とします。


心に深く残る本でした。
ありがとうございました。

10

過ぎたるは及ばざるがごとし

個人的にはあたりはずれがある凪良作品。
どうも、現実離れしたトンでも設定がイマイチらしいと気がついたので
この作品にも手を出さずにいたのだが、
あまりの高評価につい我慢できずに読んでみた。

泣いた……
タイトルの使い方はあざとい程に上手いし、
純愛と言える互いの想いは本当に胸をうつ。
良かったか?と問われれば、良かった!と答えざるをえないのだが、
でもやはり高評価をつけられない思いがある。
一言で言えば、欲張りすぎだと思うのだ。


セクソロイドであるドールの設定の無理さ加減や、
(クローン技術ならともかく、こんな機械……?)
SFとしてどうなのだろう?というところは
それでも百歩譲って傍に置こう。
(詩のようなファンタジーならば、それならそれでいいのだが……
山中ヒコさんの『500年の営み』とか……)

でも一方で半端なリアリティが盛り込まれ、
ノスタルジックなネタや生活感が盛り込まれ、
さらには領土問題や憲法改正などの筆者の主義信条や
社会批判と思われるものが盛り込まれ、
家族の想いやら、友情やら……
全体としてイメージが統合されないつぎはぎな感じが否めない。

後半のご都合主義な展開も、蛇足に感じた。
丸型KISMOのシン(ハロみたいなw)と静かに暮らす南里というところが
個人的にはかなり好きでジーンとしていたので
そのあとのこれでもか!というサービス過剰の展開と
こういうハッピーエンドはどうなんだろう……?

阿部ちん風に一言いうと、
ああもう、俺氏感動である、が
やりすぎは残念だったである。

凪良さん&草間さんという期待値の高さもあって、評価は中立。

17

ひたすら凄い話です

今回の題材が凄すぎて感服しました。

近未来の日本のお話しでアンドロイドと人とのお話。
甘く仕上げて頂いているのかと思いましたが、ちょっぴり戦争の事が絡んできていたりで仄暗くもありました。
中盤からはずっと泣き通しで読み終わりもスッキリしていません。
ただ、これはこの終わり方でよかったんだ…って感じです。
純愛とヒトコトで纏めてしまうことはとても難儀な物語だとも思いました。
ショートケーキの苺には触らないで
正直タイトルがここまで内容に絡まって来るとは思いませんでした。
時に甘く、時に朗らかに、時に切なくそんな重要な呪文になってくるとは…
涙腺が弱い方は、心して読まれることをオススメします。
あと、評価を神としてますが寧ろときめきレベルとか越して心臓が痛くて色々ヤバいです。

9

まさに純愛

凪良さんに草間さんの挿絵。読む前から期待度MAXでした。凪良さんは「どうやってストーリー展開してくのだろう」と思う題材を上手に扱う作家さまだなあといつも感心します。

内容はすでに書いてくださっているので感想を。

性交用に改良されたアンドロイド(通称・裏ドール)との恋。なんかオタクぽい…?と思っていましたが読み始めからすぐに号泣でした。

裏ドールであるシンの生い立ち、過去、そしてマスターになる南里との出会い。今までのマスターにひどいことしかされてこなかったシンにとって南里はまさに尽くすべきマスターで。

対して南里もアンドロイドであっても素直できれいなシンに没頭していく。初めは「誰の手も付いていない裏ドールが欲しい」と思っていた南里ですが、そんなことは全く関係なくシンを大切にするナイスガイでした。長い間裏ドールを欲してきた南里にとって裏ドールをきれいに飾りたいという願いは当然の気持ちでもあり、そのために無理をして働くのだけれどシンに「プレゼントをもらうより一緒にいたい」と言われる。

シンの過去や、戦争、南里の両親との軋轢。二人を取り巻く世界は困難ばかりですが、二人の間には常に穏やかな空気が流れ、お互いを信頼し大切にし、絆を確かなものにしていく。それだけに二人に降りかかる困難には号泣せずにはいられませんでした。

二人を取り囲むキャラたちもみんな魅力的でした。世間的にはちょっと眉を顰められてしまう趣味を持つドールサークルの面々。彼らの存在がともすればシリアスになりがちなストーリーに笑いを添えてくれました。

「丸」の存在も非常に良かった。結局外見はどうでもいいんですよね。あとがきで凪良さんも書かれていますが、どんな形で、どんな姿で出会っても、何度でも惹かれあう二人。まさに純愛でした。

アンドロイドと生身の人間。どうやって完結させるのかと思いましたが、さすがの凪良さん。ストーリーに無理がなくハピエンで良かった!

リョウのお相手がどんな方か見てみたいし、阿部ちんにも素敵な恋人が出来ると良いなと思うのでぜひスピンオフを出していただきたいなと思いました。

あと皆さんも書かれていらっしゃいますが、タイトルが素晴らしい。何度も涙し、二人のお互いを想う愛情に萌える、素晴らしい作品でした。

9

丸のままで

 舞台は今より少しだけ未来の日本。ありとあらゆる分野にロボットたちが進出するようになった社会。「裏ドール」こと性愛用に特化されたアンドロイドのシンと、心やさしいそのマスター南里の37年間にもおよぶ長い長い愛のおはなしです。雑用を全部済ませて、部屋にこもって、どんだけ号泣してもいいようにバスタオルを抱え、準備万端整えて読みました。
 
 シンはとびきりうるわしい人型アンドロイドですが、個人的には丸型になった時のシンの方により萌えてしまいました。部屋に帰るところころ転がってお迎えに来てくれるシン。嬉しいとそこらじゅうくるくるすごい速さで転がりまわるシン。(思わず我が家のル●バで妄想しちゃいましたよ)とりわけ南里ががんになったとうちあけたとき、パニックをおこして暴れまわり、最後は壊れたように「ます・・・た・・・ます・・・た」と繰り返すだけになったシンがいとおしくて、もう全編この姿でもいいくらい。もちろん完全に球体の受けだと、エロシーンに関しては文字通り手も足も出ないのですが・・・エロ抜きの純愛でもこの場合全然オッケーのような気が・・・なにより南里自身もそう思っていたみたいだし。

 実際のお話の中では、さすがに最後まで丸型のままとはいかず、シンは南里を抱き締めるための腕を取り戻します。そして人とロボットの恋の宿命ともいえるふたりの寿命の差も予期せぬ形で解消されることになります。数々の苦難を乗り越えてようやく結ばれた2人を引き離さぬために、これ以上ない、これしかないとも思える落としどころ。ただここで活躍するリョウがあまりにも万能すぎて(マイスターというよりほとんど造物主の域)ややご都合主義のにおいも漂ってしまうのが残念でした。

 泣けたか、といわれれば、じんわり程度で、ハンカチで間に合いました。実は少し前に、某巨大動画サイトで「上書き保存できません」という漫画を読んでまして。強欲な主人にウリを強要されて街角に立つアンドロイドと彼に恋する刑事のせつない恋のおはなしです。どんなに酷い主人でも、その命令には絶対服従のアンドロイド。ウリをやめさせたいけど、マスター登録を解除するためにリセットすれば、自分と愛し合った記憶も失われてしまうと葛藤する刑事。作者については不勉強で、商業活動をされてる方かどうかも存じ上げないのですが、号泣度では断然こちらに軍配を上げてしまいました。ちなみにショートケーキの苺に相当するキーワードは、こちらではカニのウインナーでした^_^

4

切なくてあったかい

主人公が生身の人間じゃない(アンドロイド)というので
最初はあまり期待しないで読み始めましたが
このタイトルの「ショートケーキの苺にはさわらないで」のセリフに
何度も何度も涙しました。
ドールというアンドロイドがある未来の話。
その未来に戦争があって、戦争によって愛し合う二人が引き裂かれ
でも、いつまでもシンのことを想い続ける南里。
丸型のアンドロイドがショートケーキを見て
「ショートケーキの苺にはさわらない・・・」と言った時
もうなんとも言えない気持ちがこみ上げてきて
南里と一緒に涙しました。
悲しい辛い思いをしながら、何年も何年もかかってようやく
二人の幸せに手が届きそうになった時に南里の交通事故。
あまりにも不運な南里に言葉もありませんでしたが
最終的にはどんな形であれ、二人の気持ちが通じ合ってホッとしました。

そして、このお話を盛り上げてくれたのは
やっぱり阿部ちんをはじめとする仲間ですね。
南里にはかけがえのない仲間がいる・・・
いつの時代も、やっぱり持つべきは親友。
自分達のことよりも、シンと南里の幸せを応援してくれた
阿部ちんとサークルの仲間たちのおかげで
また一段と、暖かい気持ちになれたと思います。

初め、なんでこういうタイトルなんだろう?と
ちょっと長いタイトルに?が浮かびましたが
読み進めると、納得です。
南里とシン、二人を繋ぐ言葉「ショートケーキの苺にはさわらない」
切なくも暖かい気持ちになるお話でした。

11

やっぱりやられた~。

小説を読める時間なんて最近、私には無かったんですが一気に読んでしまった!
久しぶりに集中した時間をすごしました。

他の姐さんが言うように泣きに、泣いた。
私もこれはネタばれ無しで読んでもらいたい。

近未来もので、攻めの南里くんと受けの裏ドール(性的アンドロイド)シンの永きにわたるラブストーリーです。

出会いから最後に至るまで凪良ワールドを楽しんでもらいたい。

何度もこの先生には泣かされてますが、これもハンカチ無しには(古い言い回しですが)読めない作品です。

しかし、最後はちゃんと救いが有りますので安心して読んでくださいね。

草間さかえ先生のイラストも秀逸です。

5

泣いた、泣いた

アンドロイドとの恋ということで、近未来SFです。
セックスマシーンとしての裏ドール、子どもの頃から裏ドール一筋、いつか自分のドールと暮らす日のため、バイトに明け暮れるオタク大学生がひょんな事から手に入れた裏ドール。
もう、このドールとの出会いのいきさつから泣きっぱなし。
ドールを家に連れ帰ってからも、二人の会話の一つ一つに涙して、
そして、二人での初めての食事で出てきた言葉が、タイトルになっている「ショートケーキの苺にはさわらない」。
二人にとって一番最初の大事な記憶「ショートケーキの苺にはさわらない」
平和ボケした日常に、現実のものとなる戦争と別れ。
何度別れても、「ショートケーキの苺にはさわらない」この一言で、、、

飲食できて皮膚感覚もあるアンドロイド。
細かい仕組みはツッコミ不要。
ネタバレ無しで読んで欲しい。

7

白桃

雀影さま

ありがとうごさいます。
>せめて生身の人間に~
考えさせられてしまう言葉です。
美しい彼もいばら姫も、あらすじとタイトルからサラッと軽めの話かなとすぐには買わなかったのですが、読んで正解でした。

雀影

白桃様、こんばんは
ほんとに、この作品には泣かされました。
ネタバレしたくなかったので、レビューの方には触れませんでしたが、この作品の泣きポイントは「ショートケーキの苺にはさわらない」の他にもいろいろありまして、その中でも「せめて生身の人間に~」のくだりが、、、。

いばら姫、ショートケーキ、美しい彼と凪良先生3連続で読んだのですが、あらためて凄いなあと感心しました。

白桃

俺氏も泣いたである。タイトルがあのように効いていたとは。
後半は鼻水すすりぱなしであったよ。すぐにもう一度読んだである。
やはりこれは予備知識なしで読んでほしいものであるな。
・・・・
って、阿部ちんしゃべり疲れる!出来てないし(;^ω^)
雀影氏、こんばんは。白桃でございます。
あの表紙とタイトルからこんな泣かせるやつとは。いいお話でした~。
未来の設定だけど草間さんの絵からは昭和を感じました。

こんな純愛ズルい!

読み終えた感想はタイトル通りです。

アンドロイドとの恋ということでしたが、泣かされる…そんな予感はひしひしとしていましたが、こんなに泣かされるとは!捲る度にはらはら涙が…

攻めのナンリ(ここはカタカナで)と受けのシンのお互いを想う気持ちは紛れもない慈しむ思いやる愛でただただ感動でした。

ショートケーキのイチゴにはさわらないで
と題名にありますが作中では
ショートケーキのイチゴには触らない
です。最後に「で」をつけたのは、誰も知らない所で二人で幸せに暮らしたいという思いからきているのかな?と足りない脳ミソで思いを想像してみて勝手にそこでも感動しています。


自分はまったく機械萌えとかありません。
なのにナンリのシンへの想いが純粋で綺麗過ぎて丸いシンがとってもいとおしく可愛く見えました…‼


相手を思いやり大切に築きあげていった関係と恋心にきゅんきゅんした前半とうって代わり前半の不穏な影を目一杯広げてきた怒濤の後半。もう後半はハラハラしっぱなしでした。


SFな世界だからこそ輝く魅力的な主人公たち。
ナンリのオタクなお友達との友情にも心をぐっと掴まれました。
素敵な友情…綺麗な気持ちの恋愛…そんなキラキラしたものばかりでなく、ままならないものや我慢しなくてはいけないこともある、という主人公にとってハッピーなだけのものではない所が非現実をよりリアルにしてるのかな、と。

お互いがいればそれだけで幸せ。
二人での何気ない毎日にペットに花に二人にとっての特別なショートケーキ。
たくさん泣かされましたが読み終えて「ふぅ」となりました。

とても可愛くて幸せな気持ちになれる一冊です。

ただ…心残りはリョウさん…あなたの伴侶は誰なのですか…?
普通に女性なのでしょうか?それとも…
それとも…な可能性が欲しいです…あれだけナンリとシンに強い憧れがあったのだからあり得ますよね!スピンオフ期待します!
だって、美人さんなんですもん…‼笑

美人さんを描かせると草間さんの右にでるかたはいない…‼笑
そう思えるほどシンは美人さん。でもシンの内面のキュートさが滲み出ている作画はさすがです!!
私のなかでは凪良さんと草間さんは最強です!

10

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