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rakudatsukai to ouji no yoru
驭驼人与王子的夜晚
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表題作は一切のトゲがなく、おとぎ話なのであっさりしていました。個人的に珍しく、緒川先生ですが刺さらず、正直あまり印象に残りませんでした。ただ、その他の作品が軒並み神だったので、総合では迷いようのない神評価です。全体を通して、緒川先生の漫画力が冴え渡っています。
後半の2つは人を選ぶお話だとは思いますが、根底に愛を感じられたので、私には読みやすく、むしろ好みでした。
<溺れる魚>
私が今まで読んだ読み切りの中でも、トップクラスで好きです。切なさと爽やかさが絶妙。高校生ならではの不自由さと成長が素敵です。
とにかく、岸の水に濡れた髪が、高校生らしい爽やかさがありつつ色気が半端ない! 宇佐美の人間性にも深みがあり、どちらもかなり好きなキャラです。
孤独を抱えたふたりの関係性の変化が自然。想いを伝えたら終わる恋、というのが切なく健気で萌えました。水というモチーフの表現の仕方が見事です。
「岸が見ている自分なら 少しは好きになれる気がする」っていうのが最高にときめきました。
<いびつな欠片>
『誤算で不幸な恋話』で前日譚を読んだときから気になっていました。そのエピソードもありますが、兄にどこか儚げな美しさがあるので(切れ長な目元でしょうか?)弟が魅せられてしまうのにも説得力があります。間違いなく歪なんでしょうが、兄の劣等感も弟が壊れた経緯も自然で、不思議と感情移入しやすかったです。ふたりの距離感や、理由は違えど互いを必要とする関係性がとても好きです。ポーズや表情がキマっていてかっこいいです。
<くさった螺旋>
あたるくん、ビジュアルも強かな性格も非常に好きです。構成がめちゃくちゃ凝っていて、鳥肌が立ちました。演出や、視線誘導を活かしたカメラワークの匠。二転三転する、26ページとは思えない完成度。何度でも読み返したくなります。このふたりの関係性も好きです。
<あやうい饗宴>
(義理含む)家族内カップル3組の集結。全て同じ世界線だったことを知り、謎にテンションが上がりました。どれも精神的には共依存に近いので、ダークながら品があり、美しく感じました。
表紙とタイトルでまず、アラブものかぁ〜…と思いました。個人的にはそんなに興味なかったんです、自分からは読まないタイプで。
ところがどっこい、しょっぱなでやられました。
なので、アラブ系興味ないな〜、そんな風に思っている人にこそ読んでほしい短編集です。
表題作ももちろん良かったのですが、『溺れる魚』がとても好きなので読んでほしい…
●溺れる魚●
もしかしたら緒川さん作品で1番好みかもしれない…!
自分が好きになる時は本気、なのに相手に好かれると急に冷めちゃう、そんな困った恋愛観を持つ宇佐美。
水泳部の岸は、フラフラして彼女をとっかえひっかえしてるように見える宇佐美のことが苦手。
だけどあることをキッカケに2人の距離は縮まり"友達"みたいな関係になるけど…。
なんでしょう、この…
2人が抱える、ゆらゆらしててヒリヒリしてて、確かにある感情なのに名前に出来ない。
どんな年齢でも生まれる感情な気はするけど、この10代後半のこの時期だからこそ何よりも刹那的で危なっかしくてキラキラしてるように見えるんですよね。
もうそれがすっごい詰まってて(T . T)
石原理先生の「あふれそうなプール」という作品があるんです。BL作品の中で1番と言っていいほど好きなのですが、その作品も10代特有の危なっかしさや刹那的な青春が描かれていて、同じプール繋がりだからか…とても似たようなものを感じて、胸を掴まれました。
制服、夏の暑さ、揺れる水面、塩素の匂い…。
完全に、個人的好みの話で申し訳ないのですが…。
正直、宇佐美の、"相手に好かれたら冷める"という恋愛観は理解できないし、それを持った彼が果たして相手も自分も幸せになれる恋愛ができるのか?というのが読みながらの心配事だったのですが、とても良い形で着地してくれたのではないかと思います。
そして2人の背景がちゃんと描かれているのが更に物語に深みをもたしてくれています。
宇佐美のバックグラウンドはやはりどこか浮世離れしていますが、岸の方はすごく刺さる…。
親にだって色々あるんだ。
両親を、ただ岸くんを振り回す悪い親ではなく、彼らなりの悩みや葛藤を持った上での過程や結果であったこと、そしてそれでも最後に笑顔の描写があったことに、きっと岸くんだけでなく読者である私もどこか救われました。
整理しきれない感情に追われて、本音は全部、水の中に置いていく…。
いつも、濡れている岸。
恋を自覚した時の岸の涙、
ラストのプールサイドでの2人、
めちゃめちゃ良かった…。
うわ〜…好き…と胸を掴まれるシーンがいくつもありました。
夏の雨の日に読みたくなる作品です。
●ラクダ使いと王子の夜●
表題作でもあるアラブもの!!
とても優しい物語でした…。
それぞれの環境でただみんな一生懸命生きていて、そこで奇跡みたいに出会った2人、アルファルドとカマル。
この2人、本当にどっちも純粋で心が優しくて…
こっちまで優しい気持ちになります。
何より…。
巻末にその後の物語が描かれているのですが、それを読んだ時に少しだけつかえていた何かが無くなって、全て浄化されたような気持ちになりました。
●いびつな欠片●
いや〜…。好きです…。
兄に異常に執着する弟と、
そんな弟を酷くあしらいながらも"ご褒美"として身体を許す兄。
ガチ兄弟ものには少し抵抗があるのですが、なんでしょうね…
2人のビジュアルがとにかく良いのと(お風呂のお兄ちゃんがツボ)、お互いヤバい方向に振り切ってる感がむしろ良かったです。
どっちもぶっ壊れてるのになんか綺麗だなーって思えちゃうのは、
大切なものに対して堪らなくて泣けてくる、みたいな描写があるからでしょうか…。
感情が昂って泣けるのってめちゃめちゃ人間臭いですもんね。
理解できない2人ですけど、その中で理解できる部分がすごく刺さって、美しい物語になっていると思います。
●くさった螺旋●
「いびつな欠片」以上にヤバい2人が出てきます…。
あっちの2人は好きになれたのに、こっちの2人は全てにおいて理解できないのでなかなか…。
しかしタイトルが秀逸ですね、
なるほどまさに、というか。
こんなドロドロした関係やめてよ〜(T . T)ってなっちゃいます。笑
でも、不思議と嫌いではないこの話…。
あたるくんの、それこそ誰よりもぶっ飛んだイカれ具合がなんか少し良くて。
しかもそこに歪すぎるけど確かな愛があることがちらついちゃったらね…。
けど物申したいのは秀さんですよ。
過去の話には、ちょっとちょっと…それは違いますって…(T-T)とツッコミたかった。
そんなことしたって…ダメだって…やめときな…って、誰か止めんかったんか…
まあ止めれる人がいたらここまで歪まんかったですよね…。
でもまあ色々ありますよね、
自分が理解できることが全てじゃないですからね…。
作者さまも、読む人を選ぶと仰っていますし、萌えがあるのかと不安もあったそうです。
萌えがあるかは別として、物語としては読み応えのある、面白い作品だったと思います。
4作とも良かったと思いますが、やっぱり「溺れる魚」がとても好きです。
男子高校生×プール×曖昧な関係
って、萌えしか生み出さないじゃあないですか…!!
ほのぐらーいお話から、ほっこりする表題作までいろんなお話が詰まっています
表題作のラクダ〜の褐色イケメンのエッチがみたくて購入したんですが、こちらはエロなしでしたね、、。でも心温まるストーリーで、ちょっぴり泣きながら読みました
他のお話は行為もあるけど、それ以上に二人の関係性が薄暗いものが多い。兄弟とか、家族とか、、家族に至っては、父が学生時代に女性から性的いじめをされた時の子で、彼はその仕返しを一心に受け止めているとか、、
地雷を避けながらお楽しみください
表題作はいいのに、同時収録が…。
ガチ兄弟、ガチ親子が無理な方は、後半は全面的に無理だと思われます。
【溺れる魚】 萌
「自分を好きな人とは付き合わない」という宇佐美と、恋愛はしないという岸。
最初のページで「え?」って思っちゃったんだよなあ。
思いっきり自分に好意丸出しな女子を口説いてるじゃないかと。
宇佐美の「愛人の子である自分は愛される価値のない人間」っていうひねくれた感情と、いがみ合ってばかりの両親に疲れて、そもそも恋愛なんてしなければいがみ合うこともないという岸だけど、ひとと親しくなって知り合っていけば、自分の意思と関係なく「好き」になってしまうもので。
良い話だし、良いシーンもたくさんあるんだけど、前提が子供っぽいのが残念。
【ラクダ使いと王子の夜】【ラクダ使いが消えた朝】 萌2
砂漠で行き倒れていたアルファルドを助けたカマル。
3才で母を亡くし、キャラバンの中で育ったものの、1人だけ肌の白いカマルは周囲とうまく馴染めないまま、心を許せるのはラクダのサディークだけで…。
「ここから出て行きたい」と願いつつも「ここで生きるしかない」カマルのシンデレラストーリー。
アルファルドとの関係よりもサディークとの関係が胸に沁みます。
『フランダースの犬』が好きな方はきっと好きです。
【いびつな欠片】 しゅみじゃない
実家の病院を立派に継げる息子育てることにしか興味のない母親と、期待に応えたいのに努力が空回りする兄と、優秀な弟。
救いがないです。
【くさった螺旋】 しゅみじゃない
女子生徒たちに性的に虐められたのが原因で、そのときに出来た子供をストレスの捌け口として育てた有名俳優と子供。
こちらも全く救いがないです。
【あやうい饗宴】 しゅみじゃない
上記の弟が入院しているところへ、俳優の子供が面白がってお見舞いに来る話。
この話で〆られた読者の気持ち…。
表題作が好きなので手放せないでいるのですが、それ以外の作品が病みすぎていて厳しい。
ガチ親子にガチ兄弟というだけでなく、精神的に追い詰めたり、肉体的に傷をつけるような加虐もあって、ひとを選びまくる内容。
ご注意を。
装丁が好き。
表題作は表紙のイメージ通り童話のようなお話で。アルファルドがかっちょよ✨(黒髪長身細身切れ長目でタイプ)
「溺れる魚」のDKもきれいでいいお話。プールの水の表現が気持ちいい。
と、思っていたらぁぁ!あと2篇が苦手な血縁CPものだった
1本は兄弟。兄に欲情する弟は異常…と兄が言っているので異常とは認識してるのね。自分が優位に立つため自分の体を代償に弟を貶める
もう1本は父子。イジメ描写も。父子とも狂気じみていて…きつかった
この2本は、がっつりエロ有。
あとがきの「ハピエン主義者でこれでもハピエン〜」にそうなんやと
表題作の「ラクダ使いと王子の夜」が読みたくて購入しました
美しい絵とおとぎ話のような優しい物語で、この作品と最初の「溺れる魚」だけなら評価は神なのですが…
残りの2作品はこの作者さん特有の病んだダークな雰囲気の作品+近親相姦物で精神的にも肉体的にも痛々しい描写が多くあまり趣味ではなかったです
ですが表紙や装丁の美しさは、コレクションとして本棚にあるだけで満足できるので買って後悔はないです
できるならラクダ使いと王子の夜の続編が読みたいです
緒川先生の作品はテンション高いアホの子が出てくるものも多いですが、そうでない方が好きです。この短編集は全体的に仄暗くしっとりしていて、先生の明るい作品が苦手な方も試してみるとハマるかも。逆にレビュー見るとキツイのがダメだった方も少なくないのかな。
◾︎溺れる魚
最初に収録されている作品。高校生同士cpなのに、隼人(受け 水泳部)がひたすら水に濡れててずっと色気がただよう。ラストあっはり部活をやめるところが好きでした。本当にそのためだけに水に潜ってたんだなぁと。
◾︎表題
最後の描き下ろしがあって納得できた。なかったら少々不満が残ったと思うのでよかった〜
◾︎いびつな欠片
緒川先生らしい歪み!!性的な歪み!!ただ落ちはここかぁ…という。「あやうい饗宴」まで読むと、好みの方向性でこの2人の関係は進みそうな気配があるのですが。
◾︎くさった螺旋
こちらも性的な歪みバリバリで、かつ起承転結全部好き。読者に見える力関係がぐるぐると入れ替わるのがたまらない。
美しいアラビアンナイトが読みたい。表紙に魅かれたのに。
巻頭の物語は高校生の天邪鬼で切ない恋の話。『溺れる魚』
自分を好きにならない人が好き。なんて、思春期の女子学生が言いそうな言葉を真に受ける健気な岸。なんて哀れで綺麗なんだろう。読了してみれば、この狂気を集めた短編集の中で、一番ホッとする物語だと気付く。そして、表題に持ってこられた『ラクダ使いと王子の夜』のインパクトの弱さ。
しかもアルファルドは王子では無い。作者も書いているように、ちょっと金持ちの息子というだけだ。あまりにも短くて、ちょっと残念に思う。
そして何よりも『いびつな欠片』『腐った螺旋』の2時間サスペンス的な、ありふれた狂気のインパクトに全て持っていかれる。ありふれた狂気なのに。良く聞く話なのに。破滅しか無い。
やり切れなさ。ソフトなパンの間に挟んで食わせてしまえという、確信犯的な作者の意図は分からなくも無いけれど、それでも。この一冊を貫く主題は持っていて欲しかったと思う。それがものを書くということの矜持なのじゃないかと思う。
綺麗な表紙とおとぎ話のようなタイトルに引かれました。短編集だったのですね。
開いたら高校生がいてびっくりしました。
溺れる魚
自分を好きな人は嫌いな宇佐美。そんな宇佐美を好きになってしまった岸。
言えない気持ち。言ったら終わってしまう関係。
宇佐美は岸が好きだと言うから違う人が好きだと答える岸。切ないですね。
そこに宇佐美や岸の複雑な家庭の事情も重なります。
やがて気持ちが伝わりそれでも嫌われず両想いに。
水のイメージが強いですね。
ラクダ使いと王子の夜
砂漠で倒れていた王子を助けたカマルが今度は王子に助けられ一度は別れて村へ帰りますが大切なラクダを売られてしまうと聞いて逃げ出し嵐に巻き込まれ王子にまた助けられます。
王子とカマルはどんな関係になったのかな?王子はわかりますが。最後に二人で裸でベッドにいたので恋人になったのかな?
いびつな欠片
追い詰められた兄が鬼畜です。でも弟もなんで言うこと聞いちゃうかな。狂った関係です。ご褒美の為に悪さする弟、親の期待に応えられない兄、お互い執着してて。兄も弟を逃がさないって。顔に怪我させるのは酷かったです。萌えませんでした。
くさった螺旋
こちらも狂ってます。生まれた意味が悲しすぎる。でも父は離れようとしたのに息子は離さないようです。守ってあげるって。
最初の二作とくに表題作が綺麗なお話だったので、その分のエロと毒を読まされた感じでしょうか。
近親物ですし依存執着破滅型ですね。
ページ数は表題作が最多だと思うのですが、何となく最初の『溺れる魚』の方が印象に深く残るなぁと感じましたし、個人的にも一番好きな作品でした。『溺れる魚』は受けの岸が水泳が好きで何度もプールのシーンが出てくることもあって、とても清涼感のある青春が表現されていたと思います。片想いする受けと、自分に好意を向けられていると分かると気持ちが冷めてしまう複雑な攻めとの対比が切なくもあり甘酸っぱくもあり。最終的にはハッピーエンドだったので後味もすっきりです。静かに物語が進んでいく感じも緒川先生らしさがあって好みでした。
表題作はこの作品の中で一番読みやすいものなのではないかと思います。優しい攻めに優しい受け。砂漠のある異国の物語なのでいろんな波乱も予想しましたが、表題作の割には結構あっさりしています。可もなく不可もなくという感じでした。
『いびつな欠片』『くさった螺旋』は最終的にキャラ同士が繋がっている同じ世界線の物語ですが、どちらの攻め受けもそれぞれに歪んでいて面白かったです。前者は弟×兄、後者は父×子です。こう聞くと受けである兄や子の方が攻めを無理に受け入れているんじゃないかと想像してしまったんですが、どちらもむしろ受けの方がより歪んでいて狂気を秘めている感じでした。攻めは歪んだ受けに囚われてしまった哀れな男、という印象でしたね。『カーストヘヴン』が難なく読める方なら、問題なく読める作品だと思います。