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amefuri vega
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
多感な時期に、ゲイであることをリアルな人間関係には誰にも打ち明けられられず、ネットで知り合った、共通の趣味を持つ年上男性と高校生のお話です。
ネットで知り合ったとは言え、年上男性はアルタイルというハンドルネームだけで年齢や職業は明かしてくれず、お互いにアルタイルとベガという星の名前をハンドルネームにただ話をするだけ、直接会いましょうという距離の詰め方をせずに3年間関係を続けます。出会いが目的ではない、プラトニックな関係のまま、自身の性的な悩みなど、何でも打ち明けられる存在ができた文人(ベガ)。これだけでも文人が大人の男性に惹かれてしまうの、無理もない話です。
でも文人が高校を卒業した後、文人がSOSを出したことがきっかけで2人は初めて出会います。そこでも本名も家も、職業さえも教えてくれないアルタイル。踏み込もうとしても引かれてしまう距離感に文人は歯がゆさを感じるものの、もう会うこともメールもやめようと別れる2人だが、アルタイルは文人の姉の婚約者として再び文人の前に現れてしまう…。
もうここだけでも相当しんどいです。しかもお姉ちゃんが弟思いのめちゃくちゃにいい人だからなおさらのこと。辛くて辛くてどう転んでも絶対誰かが悲しい思いをする鬼展開に久々に泣きそうになりました。そしてこのお話、アルタイルこと新開さんがバイってこともポイントなんですよね。これまでBL読んできて、バイの登場人物を深く掘り下げて考えることは無かったように思います。バイの方は男女どちらとも関係をもてる、だからこそ家庭を、子供を持つ夢を簡単に諦めることは出来なくて、周囲からの目にも割り切ることはよりできなくて…という苦悩を初めて知ったように思います。だから新開さんの苦悩も読めてしまう。誰も悪者じゃない。みんなが自分と向き合い、苦しみながら生きてる。
今回ネタバレは避けようと思うので、未読の方は文人と新開さんが出した結末を、ドラマティックな展開を出来ればネタバレ無しで読んでみてほしいです。そして、雨降りvegaのタイトルも、最後には悲しく響かないのではないかな、と…。
一年に一度の逢瀬の7/7、七夕。
▶vega :ベガ:織女星 七夕の星。こと座α星
▶アルタイル:(Altair): わし座α星 七夕の彦星 漢名は牽牛星 天の川を挟んで織女星(ベガ)と相対する星。アラビア語の「鳥」
雨が降っても、雲の上の空で、織姫は彦星に会える。
・・という物語かな、と思ったけど、そうじゃなくて、
雨(障害)が有ると、逢瀬も叶わない二人、という意味だった。
文人が抱えるマイノリティの苦しみと、切ない秘めた恋の物語。
文人も、姉も、新開も、登場する人物には事情があるだけで、どれも悪い人じゃない。
同じ人を好きになっていた姉と弟。
弟の気持ちを理解して受け入れる姉。
でもその気遣いに、傷つく文人。
二人から身を引く新開は、随分時間を経て、答えを出す。
周囲に気遣い傷つけまいとして考えて、いざというときは自分を犠牲にしながら、
精一杯の幸せを掴もうと生きている人達の物語だった。
結末は、きっとこれから幸せになれるという、新開目線の小話。
ちょっと耽美風。
こんな風に、みんながゆっくり幸せになっていく話は、読後感がとても良い。
ちるちる不朽の名作にランクインされていたので読んでみました。
タイトルにもある通り、夏の大三角形を擬人化しました。みたいなお話でもあるかもですね。
主人公の文人は同性愛者が集まる掲示板でvega(ベガ=織姫)と名乗りaltair(アルタイル=彦星)というネット上で出会った人物に惹かれていく。3年間ネットでやり取りをするだけの関係だった2人がある日直接的に出会い本当に恋に落ちてしまう、でもすぐに引き裂かれてしまい、また数年後ふたりは最悪の形で再開する。お互い想いを抑え込んで抑え込んで、でも気持ちは溢れていくばかりなのがどうしようもなく、ま離れ離れになるけど、、、ってのが、ザBL七夕物語!と作品です。
当て馬で出てくる神崎はデネブポジションなんですかね?文人のお姉ちゃんと神崎どっちかなあって思ったけど、デネブで調べたら『ベガ、アルタイルの何倍何十倍もも光輝く..』みたいな感じで出てきたので、神崎の執着さや愛されたい愛して欲しいという思い、主張を考えれば私の中では神崎がデネブかな、と思いました。
主人公(受)も(攻)も優しさに溢れていて、結構いい感じの雰囲気なのにあと一歩二歩のところで臆病になって引いてしまうみたいな切なさが肝な作品です。自分よりも相手の幸せを願うからこそ、自分都合で行動できないのが良くもあり仇にもなってるけど、もうここまで何度も巡り会うのなら一緒になってくれ〜と願わずにはいられない。
この作品は最後の最後まで切なさと純愛さにハラハラしながら、それでも最後は、、というのが好きな人はめたんこ刺さるだろうな〜と思いす。
あー、良かった…。
2人は一緒に生きられない運命なのかと、胸が張り裂けそうでした。
好きな気持ちに蓋をしても、それまでのささやかな思い出や気持ちが積み重なって、溜まって重みをどんどん増して、動けなくなってしまう。
そんな文人の気持ちが分かりすぎて胸が激痛でした。
なし崩し的に他の人と付き合おうと思っても、折に触れ思い出すのは心の奥に秘めた人の事なんていうのも悲恋あるあるで切なかったです。
好きだけではどうにもならない関係性が本当にもどかしくて、切なくてしんどかったのですが、こういうお話が好みなのでハマりました。
今まで読んだ凪良先生の作品で1番好きな作品になったかも知れない、そのくらい私には刺さりました。
作品内のあらゆる場面での描写が美しいです。
ただの2人の言動を書き綴るだけじゃなくて、美しい言葉、比喩、表現に酔いしれました。
蓋をしても溢れる想いがじわじわじわじわ蓄積されて
切なくて温かくて痛くて心持ってかれた…
新開のくれたものを大切に支えにしてる文人がいじらしく、新開が真摯なだけに酷で。
平穏な日常の「心の中は嵐」も行動力もすごい。
最初はメールのやり取りだけで、
"不思議とあたたかい気持ちになる。
文章のリズムが合うのかもしれない"
というのも波長が合うということで、それこそ恋の土台を作ってたんだろうな。
言葉だけでは難しいことも通じ合って支えあってきたの絆を感じる。
そんな仲だったのに、そんな仲だからこそが後々生きてた!
しっとり苦しくでも温かな気持ちになる抱きしめたくなるような物語でした。
相変わらず心理描写が上手すぎてグサグサ苦しくなる凪良さん……これもまた辛かった。
姉を傷つけ、自分を好きになってくれた人を傷つけ、自分を傷つけ、好きな人を傷つけ。多くの人をボロボロにしていくのに誰も悪くないという恋愛が描かれる。
文人に共感はできないが、年齢と経験値の浅さを考えれば仕方ない行動だと分かり過ぎることが多い。というか自分が駄目だと分かっていてやってしまった失敗から学び、文人に共感できない大人になっていったことを、強制的に思い出させてくる怖さを感じた。
これまでの人生経験によってかなり感想が変わってくる話だと思うし、学生時代に読んでいればどうだったのかという自分の感想も気になる。
新開はあまりにちゃんとしすぎていて、文人視点オンリーだと文人に惹かれていく理由が分かり難かった。そういうキャラ設定なので当然なのだが、もどかしさを感じるのも正直なところ。こういう大人がどうしようもない恋に堕ちていく心理描写の方が興味深い。
また姉との経緯も分からないため、文人側に肩入れするしかなく、その不公平感に理不尽さを感じた(簡単に言うと、感情移入されないように意図して描かれる姉可哀想)。文人が“主人公”でなければ好きになっていなかったのでは?と疑う余地が残された新開も罪深い。
ラスト前に姉と神崎を幸せにしたのは、読者を納得させる物語としては必要なことだが、人物の言動にリアリティを感じる世界の中で、唐突にフィクションだと殴られるような残念さがあった。ご都合主義というほどのことでもないが、ああ、綺麗に後片付けして新開とくっつくのね、と。まあここら辺のバランスは難しいんだろうと毎度思う。
そして文人が新開に会いに行く流れ、恋愛小説として完璧に夢を見させてくれる演出だった。ここにリアリティなど不要、BLだよファンタジーだよと開き直って楽しめる。
あまりに心がしんどく、好きだと思える話ではないが、惹かれるものがあるのは確か。人の直視したくない内面がストレートに描かれているからかな。怖いもの見たさに似た引力があると思った。
読みながら辛くて悲しくて泣きそうで、それでも我慢しながら読み切りました。
だけど、あとがきを読みはじめた途端に涙腺崩壊した。
それほど、自分が気を張って読んでいたのだと気が付きました。
このお話では、全員が恋の苦しさを味わっています。
文人も新開も夏那も神崎も。
苦しくて切なくて、もう恋なんてしたくないと思いながらも、また恋をしてしまう。
別の誰か、もしくはまた同じ人に……
3年メールでやり取りし、2回だけ会ってまた別れて、再会してから4年もお互いに片想いって。
7年間も同じ人を想える健気さ、一途さが胸を打ちました。
正直、展開としては読めてしまいます。
でも、だからなんだ!と思う。
分かっていてもこれほど読者を魅了できる作家が、この世に何人いるのかと思う。
凪良先生の読ませる力を、今までで一番感じた作品でした。
AltairとVega……2人が会う日はいつも雨降り。
雨が降ったら織姫と彦星は会えないんだよ。
だから、この2人も結ばれない。
ラストの北海道の天文台での再会……この時は晴れてた。
初めて心から結ばれた織姫と彦星。
天気が2人の関係を表しています。
タイトルに触れる、素晴らしい演出。最高でした!
きっと、何度でも読み返すと思う。
マイノリティ故の孤独を抱える主人公が出会った、優しく穏やかな年上の男性。
ネットで知り合った二人は、互いの事を何も知らないまま惹かれ合う。
そして、別離を選びますが、残酷な再会が待っていてー・・・と言うお話。
凪良先生の切ない系のお話ですが、ガチで心を抉られる為、避けてたりします。
心情描写が上手すぎて、痛みがリアルなんですよ。
自分が実際に体験してるが如く、ズタズタになる。
しかし、今作はとても好みのお話だったので、我慢出来ずに読んでしまいました。
これね、あまりに切なくて、やっぱり心を抉られるんですよ。
抉られるんだけど、同時にすごく心を打たれる。
この二人の恋ですが、大事な人を不幸にし、自分も相手も傷つき、誰からも祝福されない。
もうすごく悲しい恋なんですよ。
まさに、出会わない方が幸せだったんだろうなぁと思わせる、痛すぎる恋なんですよ。
それなのに、どうしても強く求め合ってしまうんですよね。
ズタズタに傷つきながらも。
相手が自身の万年筆を持っている。
あの人の万年筆がここにある。
たった一本の万年筆を心の拠り所にしているような二人が、読んでいてとにかく辛いんですよ。
もうね、二人は決別する為に、ただ一度だけと身体を繋げるのですが、これがあまりに切なくて切なくて。
抱き合いながらも、この先、いつかは別の誰かと恋をするだろうと思うのです。
その人との時間を、心から大事に思う日もくるだろうと。
それでも、今のこの思い出は、小さな痛みを伴いながらも、手放せずにずっと自分の中に在り続けるー。
泣けたわ。
ボロボロ泣けたわ。
抱き合ってるのに、これほど悲しい話ってある!?
人を好きになるって幸せな事のはずなのに、この二人の恋はひどく悲しい。
そして痛い。
これね、心に沁みるのが、時間が痛みを和らげてくれる所だったりして。
時が、少しずつ少しずつでも、優しい変化をもたらしてくれるんですよね。
二人は再び、三年もの時を経て再会します。
無くしたもの。
変化したもの。
そして、変わらずに存在し続けたものー。
新開視点の短編があまりに優しくて、これまた泣けたわ。
実は読み終わって丸々2日経つんですけど、未だに余韻が抜けなくて。
私が今さら言うまでも無いと思うんですけど、名作だと訴えたくてレビューしました。
こういうお話こそ、ずっと読み継がれて欲しいですね。
ストーリー重視の方には超オススメで、静かな感じ。
美しい物語で、この2人は幸せになれるのか!?ドキドキしながら読み進めていきました。
私の好みドストライクでしたので、神作品とさせていただきます。
相手との出会いは、ネットの掲示板から。
ガツガツタイプではなく、淡々としていて、天体観測の趣味が同じ。自分の悩みをきいて貰ったりしていた高校3年の文人。
本当につらいことが起き、「死にたい」とメールをしたら、急いで駆けつけてくれ。。。
男女で有り得る話し。でも、同性だからより難しくなるし、行き詰まってしまう。
この先、どうにもならないのでは?と途中思いました。
だからか、初めて顔を合わせた時の様子が何度も頭に浮かび、せつなくなります。
色々な人を傷つけながら、一番自分が傷ついている文人。
『7年目の雨上がり』を読み、同じようにつらい日々を過ごしていた新開。
かなりつらい状態にまでなるけど、こんな惹かれ合う恋っていいなぁと、客観的に思えました。
凪良先生の作品は何冊か拝読していますが、一番私の心に突き刺さったのがこの雨降りVegaです。
詳しい内容は他の皆様方が綴られておられるので、感想など。
主人公である文人くんのセクシュアリティの悩みに誠実に応える新開さんが素敵なのに、切ない。
ふたりとも惹かれ合っているのに、お互いを取り巻く現実がそれを許してくれない。
じれったい、もどかしい、でも恋ってうまくいかないことの方が多いので、フィクションなのにリアルで。
たびたび胸が締め付けられました。
お互い傷ついて、周りも傷つけてしまったけれど、漸く結ばれたふたりに泣いてしまいました。
とりとめのない感想で申し訳ないですが、私の中では神作品です。
凪良先生、素敵な作品をありがとうございます。
全くいいと思えなかった。
一番の難点は、話の展開が雑であること。こういう風にキャラクターを動かしたいのね…と、作者の意図が見え見えでつまらなかった。
キャラクターが生きているがごとく見せるのが作家の腕では?
皆さん一体どこにそんな感動したのだろうか…と白けました。「泣かせる」話は書きやすいでしょうが、あまりに文章力の技術の低さが目立つように思います。
キュンキュンとしました。知り合って七年目、そのうち三年はメールで話をした、一年はとても近い他人として過ごした、残りの三年は離れて暮らした。相手のことを何も知らないにもかかわらず、お互いに惹かれあう者同士。好きになってはいけないと分かっていながらじわじわと近づいていく距離、もどかしくて切なかった。つらくて途中涙ぐみながら読んじゃいました。悪人のいないお話だった。麻々原さんのイラストととてもぴったり合っていた。
うじうじした攻めは嫌いです。本作品の攻めは、自分の好きな執着攻めでもなければワンコ攻めでも鬼畜攻めでも年下攻めでもない、そこら辺にコロコロ転がっていそうな男で、言うなればうじうじ攻めです。あ、へたれ攻めとも言うのかな?
凪良さんの作品でなければ、まず手に取らないようなキャラ設定です。
っが、あらすじを読んで、試し読みの数ページで「あ、これ好きな話だわ多分」と思い、読み終えた後、それは確かにその通りでした。
キャラクター云々はどうでもよくなる程、話の運びがとても良い。そして言葉選びというか、一つ一つの台詞にいちいちジーンと胸にくるものがあります。
自分のセクシャリティに悩んでいた高校生の文人は、同性愛者同士でやり取りができるサイトで、「アルタイル」と名乗る男性と知り合います。
気軽なネット上だけでのやり取りとあって、文人は、アルタイルにだけは、家族にも友人にも明かせない自分の心をさらけ出すことが出来ます。
そんなメールのみの付き合いが3年ほど続いたある日、あることがきっかけでアルタイルこと新開とリアルで会うことになります。
そのきっかけがまた切ない…
実際に会った2人、文人も新開もほぼ一目惚れだったと言ってもいいです。ですが、新開は実はバイセクシャルで、この少し前に新開は恋人にプロポーズをしてしまっていたんです。
しかも、運命のいたずらか、新開の婚約者はまさかの…
常に、胸が雑巾絞りされてるみたいに辛かった…
何度も新開に、もっと強引に迫れよこのヘタレ!と言いたくなって転げ回りました。
最後、文人が新開へ会いに北海道へ行き、そこで文人は、新開が指輪をはめ、子供に笑いかけるところを見てしまいます。ここ辛すぎて一度本を閉じましたね。「えっ、これハッピーエンドじゃないのかよ!!」と誰ともなく怒りがこみ上げて、そのまま1日置きました。完全に騙されましたね。結局馬鹿な自分は悶々とした一日を過ごして、覚悟を決めてもう一度読み始めて「くそ!!w騙された!!この1日は一体何だったんだ!w」となったわけです。
本当にこういう指輪売ってるんですね〜。ハイセンスで思わず買いそうになりました。
どうなるか、もしかしたらこのままバッドエンドなのか……ハラハラしながら最後まで読みました。しかも久しぶりに泣きました。とても丁寧な描写で心打たれる言葉、セリフに何度も涙が浮かびました。凪良さんの作品は何作か読ませてもらい、どれも素晴らしい作品だと思いますが、私はこちらの作品が一番胸を打たれました。文人と新開さん、夏那のそれぞれの気持ちがとてもリアルでとても切なかったです。だけど、その分最後の読後はとても満足出来るものでした。素晴らしい作品をありがとうございます!
ものすごく感情移入してしまい号泣してしまいました。姉のことを考え、新開と距離を置く選択をする文人の気持ちはとても理解出来ます。周りのことなんて気にせず、どうせお互い好きなら突っ走ってしまえ!とも思いますが、そう簡単にいかないところがリアルだと思います。
この作品に出てくる人たちはみんなそれぞれ素敵な人ばかりです。文人の友人も、結果的には彼を傷つけてしまいますが、悪人ではありません。登場人物に不自然に悪い人が出てきて主人公たちを苦しめる展開は都合がいい気がして萌えきれないので(笑)
二人がくっつくまでが辛く長いです...しかし、どんなに離れても惹かれ合う姿が素敵な作品でした(*^o^*)
現実にこういう人達いるだろうなぁ。という行ったり来たりの進まない二人。
BLとして、趣味の娯楽として、お金を出して買って読む小説として、この展開はじれじれで、こんな攻めと受けはまどろっこしいからヤダっていう人もおられると思う。いい加減イイところでくっついて甘々展開望む、とか。もっとエロ下さい、とか。
中学生の頃に自分の性癖を自覚して、誰にも言えない、誰にも相談できないって自分の殻を作って、衝動的に友人に話したら気持ち悪がられて。
そりゃ死にたい気持ちにもなる。自分は誰からも理解されず愛されずにこれからの人生過ごすんだ、って思い込む。
文人はもがいてもがいて、それでもままならなくて。その文人だって自分だけが耐えてるような顔をして神崎を苦しめて。人と人の想いに正義も正解もないんです。この辺は本当にリアルだと思った。現実はスマートでもなければ倫理的に事が進むわけでもない。
文人も新開も夏那も神崎も。
みんなが出口の見えない迷路にいるみたいな重苦しさ、切なさ。
未練たらしいとか不誠実とか、鈍感とか自分勝手とか、言わないであげて。
心は止められない。抱えている現実とは必ずしも一致しないものだから…
BLファンの中には、リアルゲイの事なんて知らねーよ、というスタンスの方もおられます。でも、私はカムアウトを支援するサイトをよく読むのですが、そこで語られるのは「いつも死にたい、消えたいと思っていた」や「それでもあなたは一人じゃない」という言葉。傷付いた少年の文人に贈ってあげたい言葉達。
生きる事に傷つくひとが現実に隣にいるかもしれない事を感じていたい。
「七年目の雨上がり」
新開視点。
ベッドの中で、こうなるまでに時間のかかった二人の回想をしている。隣には眠る文人。(でもあの時あなたは逃げていた、と思う。大人はずるい事を守る事にすり替える。よね。文人の勇気に感謝しましょう。)
「恋の末路」
神崎の、新しい恋の始まりの予感。超SS。
自分がゲイだということに悩んで、その悩みを包み込んでくれて好きになった人が姉の恋人だった、という話が最初から最後まで丁寧にまとめられているなぁと感じる作品でした。
キャラに嫌悪感を抱くわけでもストーリーが破綻しているわけでもないんですが、あまり萌えることも感動することも出来ないまま読み終えてしまったので私には合わなかったんだと思います。
とにかく二人とも煮え切らなくて、読んでてもどかしい…!立場とかいろいろあって踏み出せないのも分かりますが、そこは攻めがガツンといって受けを安心させてあげようよ!とか、受けも物分かりいいんだかよくないんだか分からん…とか、未練たらたらなの丸わかりなのに結ばれるのに時間かかりすぎィ!とか、とにかくやきもきさせられました。
お互いなんとなくこっちにしか進めないのは分かってるはずなのに、他の人を傷つけないように本心とは違う方に進んで、結果余計に他人も自分も傷つけてしまってるように感じたのが好みじゃなかったのかな。終盤まで誰も幸せになってないのも辛くて「何でこうなった…」と思いながら無表情でページを捲ってました。
あと上記に書いた通り、キャラは嫌いではないんですが特に好きにもなれなくて…。二人ともそんなに感情を表に出さないタイプのせいか淡々と進んでいく印象があって、個人的にはいまいち思い入れ出来ないまま終わってしまった気がします。当て馬の神埼の方が生い立ちも可哀想で執着心が強い性格になってしまったのも理解できたので、正直この二人よりも神埼と新しい彼氏が付き合うことになった経緯が気になりました。相手は余裕ある年上っぽくて萌えそうだったしその相手にからかわれて拗ねてる神埼くっそ可愛かったしものすごく心が擽られるんですけど…。スピンオフ下さい…(懇願)
障害がある恋の壁を間違えながらもゆっくり乗り越える過程を楽しめる方には良いかもしれませんが、じれったく最後の方までもう一押しがたりない話が苦手な方は萌えは感じにくいと思います。私は最後まで入り込めなかったので中立にさせて頂きます;
文人は自分の性癖を誰にも言えずにいたけれど、新開と高校一年に出会い系サイトで知り合い、趣味を通じて仲良くなり、自分の悩みを打ち明けていました。このときはまだお互いの顔も名前も一切知りませんでしたが、文人の高校の卒業を機に二人の関係が大きく変わり始めます。
高校卒業から大学入学までは二人の間で、大学入学から卒業までは文人の友人や家族もからんできて、二人の関係はどんどん複雑になっていきます。出会いと別れを繰り返す中で文人の繊細な心情がこまかく表現されていて、恋ってこういうものだよなぁとしみじみ思いました。
それでも諦めきれないってことはやっぱりそういことなのでしょうね。
最後にやっと二人で見たかった星を観ることができた、七夕の織姫と彦星みたいにも読めるのですが、この二人にとっては七年越しの逢瀬だったのでしょう。
二人のやりとりが毎回じれったくて早くくっついちゃえよ!と思う一方、そう簡単ではない事情もありきでとにかく切ない。最後には結局予想通りになったのですが、経過した年月とすれ違いの回数を思い返すと涙なしには読めませんでした。読み終わった後ほっと一息つけるような、そんな作品でした。
ただし、文人の友人たちに関してだけずっとなにかひっかかるものを感じてしまったので少し残念でした。
これからの二人とその周りの人たちの行く末が幸せなものになってほしいです。
高校生の文人は、ゲイの掲示板で年上の男性と知り合い、天文好きという共通の趣味を通し3年間メールだけの付き合いを続けてきた。
卒業を前にしたある日、遠くの大学に行く友人に急にカムアウトしたのには唐突すぎて驚きました。
友人にしてもいきなりのことで驚いたでしょうに詰ったり気持ち悪がることもなかったのはその年にしては立派だと思う。
「遠ざけることもしたくないがどう付き合っていっていいのかわからない」という本音はよくわかるし時間が経って年相応に経験を積んで再会したらきっといい関係が続けられたかもしれないと思います。
そんな不安で悩みまくっている正直な気持ちを友人同士で語り合っていたところを文人が聞いてしまったのは不運としか言いようがない。
友人だと思えばこそ悩んだんだと思うから。
どっちも悪くないのだけれど、それを聞いた文人が死にたくなるくらいに落ち込むのもわかり気がします。
自分自身の全てを否定されたみたいだし、これまでの付き合いがうそだったみたいで悲観してしまうことでしょう。
こんな最低な気分のところに、優しく救いの手を伸ばし癒してくれる年上の男の人に気持ちがが傾くのも当然かもしれません。
恋人がいながら気になる男の子にクラリとしてしまう新開の言動が許せないし、新開が結婚相手を評して楽だからちょうどいいというのも不誠実だと思う。
世間体や親の気持ちとか大人の常識優先に導き出された結果のようで、大人ってズルい、と言いたくなる場面です。
そんな人との結婚はきっと不幸になると夏那に言いたかった。破談になってよかったのだと思いますよ。その時は体調を崩すほど思い悩んでも、ちゃんと自分だけを愛してくれる誠実な人に出会えたのですから。よかったよかった。
どっちつかずで揺れていた挙げ句、北海道にまで逃げていった新開は後悔して落ち込んでで世捨て人として朽ちていけばいいなんて思ってしまいましたよ。
なのに、偶然にもその居所が知れて文人が追いかけて行ってしまうんですから、バカだなあ。
いろいろ複雑で親にわかってもらうには時間がかかりそうだなっといらぬ心配をしてしまいました。
文人はどこで就職するのでしょう、っていうか遠恋ですかね。
新開先生また戻ってくるのかな。
神崎の恋話もおもしろそうですね。
ツンデレさんですか。年下攻めですよね。
これまでの失敗を反省していいこいしてください。
イラストがイメージと違っていたのと好きな絵じゃなかったのが残念。
何度も読み返したくなる、温かくて切ないお話です。
ゲイであることを自覚し、悩む文人はネット上の“アルタイル”なる人物にだけは心の内を打ち明けることができる様になります。
あるとき、文人はアルタイルに「死にたい」とメールをしてしまいます。このことがきっかけで初めてアルタイルと文人は顔を合わせます。お互いに惹かれてしまうのですが、アルタイルこと新開には婚約者が。しかも、その婚約者の正体は…。
三角関係にはなるのですが、三人ともとても性格が優しく、最後まで誰も恨まないし誰のせいにもしないんですよ!
はぁ〜、今回ばっかりは結局結ばれないんじゃないかと、ヒヤヒヤしました。
文人が、何度も「これで最後」と言い続けたのは、新開に否定せて欲しい思いもあるんだろうけど、何より自分に言い聞かせてたんじゃないかなぁ。
初めて身体を重ねた日の朝、文人は天球儀のストラップを探して泣いてたけど、新開の方も貸した傘が外に立てかけてあったのを見て泣いてたんですね。そのシーンがもう…胸が痛くて痛くて。でも、最後は結ばれて良かったぁ。
しばらくは遠距離恋愛なんですよね。まぁ、織姫と彦星よりは会えるんですよね。
近いうちに本物の星空を二人で観れるといいですね。
(でも、文人ってもしや雨男?)
なんですんなりくっつかんのよ(≧◇≦)ノシ
思わず声を荒げてしまう場面多々。
それくらいじれったくもどかしく、そして切なくほろっと甘い作品でした。
ネットで知り合った二人。
星の話をする攻の文章に惹かれ、声をかけるのが怖くて
同じように星の名前からハンドルネームをとった
そして星に関する投稿をして、会話が始まり、出会い。
再会はまた悲劇的なというところからのスタート。
姉さまには申し訳ないが結論はわかってるのよ。うんうん
なんて読み進めていたわけですが
義理がたいというかなんというか。
自分は攻のことが好きだと自覚して。
姉とも別れたことを知っていて。
最初で最後と告げて、すべて断ち切って攻の元を去る
そして河原で一人泣き叫ぶシーンに胸打たれました。
自分の中にこんな感情があったのか。こんなふうに泣くことがあるんだ
と思うほどの表現に胸がきゅぅんと痛んだ。
攻がプレゼンとと一緒にいれた言葉がまた泣ける。
長い長い年月。
どうしても気なかった思い。
最後にようやく結ばれた時にはほっとした。
もっとはやくこうすることもできたのになーと私なら思ってしまいますが
これが二人のペースなのだとしたら
これはこれでよかったのかなとも思う読後でした。
ゲイである事を隠している以外、特に悲惨な設定のない普通の家庭の子が、好きになったメール友達は実は姉の婚約者だったというお話。
キャラメルの様に甘く、時折歯にくっついて不快になる感じの小説でした。でも嫌いじゃないです。とても好き。
あまりに「ああ、あるある」という事が多過ぎて、色々過去を思い出してしまいました。
似た心境に陥った事のない方は、「なんだ、こりゃ」としか思わないかもしれません。とても読む人を選ぶかも。
主人公の文人は、いい意味でも悪い意味でも幸せな家庭で育った末っ子でした。無意識で周りに甘えているなあという箇所が多々あって、しっかりしているという割に何ともぐだぐだというか。
対する新開さんもいい大人なのにぐだぐだ。
分かっていてもどうにもならない。それが恋愛なんだろうなあと思います。
もう二人は、個人的にメールを交わす様になった時点で自覚していないうちに恋に落ちていましたよね、これ。
だから「死にたい」なんて幼稚なメールを送ってしまったり、死ぬ訳ないのに慌てて駆けつけたり。
あとかなり「これで最後」詐欺でしたが、これもよく分かるなあ。
本人はその時は本当にそう思ってるんですよ。
全体的に甘ったるく未練がましくて、歯切れが悪い。
実体験を反芻すると、恋愛ってこんなですよね。
ある意味、とてもリアルな小説かも。
名作ではないかもしれませんが、私は好きです。
両思いなのにまとまれないじれったい展開が多くて、凪良作品は今のところ読んだ小説は全てハッピーエンドでだったにも関わらず、もしかしたら今度こそ違うの?とハラハラしてしまいました。
そんな事なかったです。
ただ文人の家庭の事を考えると、二人は今後真の幸せになれるかどうか少しだけ不安ですよね。
文人視点なので新開さんがどう思っていたか分かり辛いですが、自分は新開さんと同じ性癖なので「しんどいよなあ」とぼんやり思ったりしました。
とても胸が痛くなるお話です。でも私はとても好きです。
結末だけが気になって一気に読んでしまいました。
2人の募らせた想いが切なく響くよりも、自分の必要なものを取捨選択できない中途半端な2人がかっこ悪いと思ってしまいました。
文人や新開に共感したり感情を寄せることもできませんでした。
想いのまま突っ走れとまでは思いませんが、諦める努力も手に入れる努力も全てが中途半端なままでずるずると引きずっていて、その様が女々しいとしか思えませんでした。
”これで最後”詐欺だし、偶然に助けられすぎな気がします。
恨まれる覚悟や傷つく覚悟を背負った潔さが欲しかったです。
決断力を求めるせっかちな私が読むような作品ではなかったのですよね。
読んでいて不快だったとかではなく、ひたすら共感と理解ができないという感じです。
そんな風に引いて読んでしまっていたために、後ろ向きな雰囲気も過剰に感じました。
そして、成熟した大人(新開)が夢中になるほど、文人が魅力的に思えませんでした。
文人の存在で新開が救われるとかでもないし、若さとか青臭さ含めて慈しみたい、愛しいという年の差的な愛情でもないように思えます。
好きになるのに理由はいらないですが、せいぜい”良くできた綺麗な後輩”くらいにしか思えませんでした。
この2人どうなるの?!という単純な視点ではとても面白かったです。
BLを読んで初めて「バッドエンド来た!!」と確信を持った早とちりをしてしまいましたが、読み終わった後は「良かった…」と思えたので萌え判定でした。
BLって、どこかありえない設定が入ってて、「ありえないーあはは」と泣いたり笑ったりしながら、その設定も丸ごと楽しめてしまうところがあるんだけど、凪良さんの作品は、いつもリアル設定で、すごい引き込まれる。実際、文人のような男の子が町のどこかにいても全然不思議じゃないなあと思ったから。
ゲイであることを自覚し、そのことに苦しむ文人がネットで知り合った男性アルタイルに思いを寄せる。でもアルタイルは文人の思いに応えようとしない。アルタイルのほうも、文人のことを憎からず思っているというのに・・・ここがまず切ない。
「君と出会わなければよかった。もしくはもっと早く出会っていればよかった」このアルタイルのセリフ、やられたー。なんでこんなにアルタイルのガードが固いのかというと、アルタイルさんには女の婚約者がいて、その女はなんと文人の姉ちゃん。
ありえないー、でも笑えないー・・・
お互いに忘れなきゃ、距離を取らなきゃ、とする2人だけど、どうしても気になって、好きで好きでたまらなくて、でもどうしようもなくて、もがき苦しむ様子が切なくて仕方なかった。いいかげん、アルタイルを忘れて前に進まなきゃいけないのに、と思う文人だけど、心はどうしてもアルタイルを忘れられない。新しい恋なんてできない、と思う文人が切なくて痛くてどうしようもなかった。
ラストは、きちんとハッピーエンド。うっとりできた。恋は、やはり素敵です。いい作品でした。神評価です。
ネットで知り合った年上の男性。
本名も知らず恋したその相手は、姉の婚約者だったというありがちな設定なのに、切なくて胸が絞られるようで読んでいてずっと苦しかった。
さすが凪良さん。
最初に出てくる七夕の織姫と彦星の話、二人が会うときはいつも雨、けして一緒には見れない満天の星空、プラネタリウム、キャラメル、万年筆、そして天球儀のストラップのからくり!いやーもう小さなモチーフの散りばめ方の巧さにやられっぱなしでした。
んでもって麻々原さんのイラストが見事に填まってる。
これ、麻々原さんでぜひともコミカライズしてくださらないかなあ・・・。
知り合ったのがネットの掲示板というのが、いかにも現代風なお話。
主人公の二人(攻め新開巧・受け白石文人)が、
真面目なだけに相手のことを想い過ぎてもどかしい。
攻めがバイというだけで、その人には女と言う選択肢が増えてしまう悲しさ。
よりによって、その相手が自分の姉だったなんて、切ないにもほどがある。
その姉が自分にとって良い姉であり、良い家族だからこそ
自分のことより姉の幸せを優先して考えようとする文人。
心の奥にしまってある本当の気持ちを、
時々隠しきれずにボロが出てしまうのが人間らしいところ。
心底好きになった相手を、忘れることなんて簡単にはできないことなのに
追い込まれた中でも、一生懸命前に進もうとして
だけど、ほんのちょっとの心の隙間にほんのちょっとのきっかけで
大好きなあの人が入ってくると、今まで抑えてきた気持ちを捨ててでも
衝動的に動いてしまう文人の気持ちが、すごく共感できて好きでした。
どちらかというと、文人の視線で書かれているので
文人の様々な気持ちの動きや葛藤はわかりやすいですが
巧の気持ちについては、事後報告的になっているので
バイである拓の大人としての心の葛藤などももっと覗いてみたかったかな。
巧は誠実過ぎるがゆえに、衝動的にとか本能で・・・とかが似合わない人。
お姉さんとのことも文人とのことも、どちらも真剣でどちらも本当の気持ちだったんだと思う。
文人が分かれる前に一度だけ拓に抱かれますが、その時の描写がすごくよくて
ちょっと感動してしまいました。
生々しさの中にも巧の愛があり、文人の何年分もの想いがあり
ただのSEXではなく、すごく情熱的な儀式のようにも感じられるものでした。
これで「さよなら」すると決めている文人が巧に抱かれながら想う気持ちが
せつなくて、涙なしでは読めませんでした。
北海道にいる巧に会いに行った文人が、
勘違いから今までずっと自分の心の中にしまっていた想いを吐き出すところ
切なくて涙が出るんだけど、なぜかスッキリしてしまいました。
何年もの間、苦しんできた本当の気持ちをやっとぶちまけられた文人。
読んでいる自分が我慢していたものをさらけ出したように、すっきりしました。
巧がまさか結婚していたとは・・と思いましたが
誠実な巧がそう簡単に自分の幸せだけを優先するとは思えない。
巧もまた文人と同じように、前に進めないでもがいた3年だったんですね。
何円もの月日が流れ、その間に実に様々な試練が二人の間にありましたが
とりあえずハッピーエンドで良かったです。
二人がその後どうなったか、すごく気になるところですが
まずは、ちょっとかわいそうな神崎に幸せになってもらわないと・・・
最後に「恋の末路」神崎の話が少しだけありますが
次回、神崎のスピンオフ期待しています。
爽やかで でもどこか物悲しいような雰囲気の漂う作品でした。
切なかったです。
主人公は自身のセクシャリティに対する悩みを、1人で抱え込んでいます。
家族と話していても、友達と話していても、明かせない部分、
皆の”普通”に当てはまらない部分がある。
友達が何気なくネタにする話題も、家族が何気なくふる話題にも
その悩みを持つ主人公にとっては棘だったりする。
それは当人たちに悪意がない分、たちが悪かったりします。
なかでも打ち明けた友人の言い分はあんまりにもリアルで、別の問題でも
こういうことってあるよな…となんとも言えない気分になりました。
若尾くんの言ってることもわからなくもないけど他の友達に相談として
話してしまうなんてちょっと…私は嫌でした!現実味がある分余計に苦々しかったです。
主人公、文人は社会的に見て決して孤独ではない。でも心は孤独なんですよね。
そんな主人公vegaが初めてそんな悩みを共感しあえた相手がaltairです。
実は互いにずっと想いは1つだったんじゃないかな…という印象が強かったです。
でも出会った時の状況とか、お姉さんとの関係とか、いろんなものがないまぜになって
しまったのでしょうか。
もうちょっと早く決着が着いたのでは…とも思うけどそうそう現実でもうまくいくわけではないし、2人とも誠実すぎる故にかな、と思ったりしました。
主人公の心情もとても丁寧に描かれていました。
ただ気になってしまったのは今後の2人です。
この後、2人が特に文人の家族に認めてもらえるのかな、それとも一生秘密にしていくのかなとちょっと余計な心配をしてしまいました。
基本バイの攻めはあまり好きじゃありません。それはやはり生粋のゲイなら仕方ないが、せっかくバイなら女性と結婚して普通に家庭を持った方がいいと思うだろうし、現実社会ではほとんどがそうだろうと思うからです。
それから実の姉と関係があった男性と、というのもちょっと引きますね。結婚を前提に真剣に付き合いだしたけれど、自分の性癖もあって肉体関係までは中々踏み込めなくて……という時に受けと出会った、のならいいのですけど。家にも来ててプロポーズもしてたら関係ありましたよね……。
上記2点が私にとっては地雷でしたので星を2つ引きました。
そこに目をつぶれば(ってそうしたらこの話が成り立たないんですけど)嫌いな話ではなかったです。
天球儀をペアで買った時点で攻めは受けとちゃんと付き合うつもりだったのだろうけど、だったらメールで「姉と別れた。バイトはやめてくれ」はないと思うんですよね。そりゃ自分とも清算するつもりと受けは勘違いしますよ。ちゃんと会って話そうよ。
それから最後の赤ちゃん連れの女性は、攻めの地元だったのでまあそんなことだろうと思いましたが、薬指の指輪はちょっとこじつけっぽい。お見合い避けと受けへの断ち難い思いからずっと着けてたのならともかく。あそこで義姉さんに突っ込まれないのかな?
お話ですから多少は勘違い・すれ違いは必要ですが、あまりにもわざとらしいかなぁと思いました。
攻め・受け共に好感の持てる人物像でしたので、若干まどろっこしいところはあったものの読後感は悪くなかったです。攻め視点のSSもよかった。もうちょっと色々と知りたかったけれど。凪良先生は出来あがったカップルのその後を書くのは苦手と常々おっしゃっていますが、遠距離恋愛になる二人のその後を読んでみたいなぁと思います。あ、神崎には全く興味が湧かないので彼に関しては本編と巻末SSで十分です。
凪良さんは個人的に外れのない作家さまなのですが、中でもこれはとても好きです。
内容は皆さま書いてくださっているので感想を。
とにかく主要キャラの二人にとても心惹かれました。
高校生で、自分の性癖に悩む文人くん。色々なことを経験してきた大人なら大丈夫と思えることも、まだ高校生の彼には明けない夜のように感じて。心に大きな悩みを抱えながら、それでもまっすぐで素直なとても清潔感のあるキャラで、新開さんのように「大丈夫だよ」と言って抱きしめてあげたい気持ちになりました。
対して攻めの新開さん。彼も誠実な、大人な男性だなと思いました。男性も恋愛対象になるのに「結婚したいから」「子どもが欲しいから」と女性を選ぶ人って個人的に好きではないのですが、文人くんの姉である夏那を大事にし、誠実であろうとした態度があったからか、彼のことを批判的に見ることはできませんでした。バイであるがゆえに、女性も愛することができるために、世間体を考え結婚したいという新開さんの気持ちもとても良く理解できました。自分自身が大人の狡さを知っているからかもしれません。
二人が出会ったときにはすでに新開さんには婚約者がいて、お互いに納得してもう会わないと決めた二人。それがいろいろな偶然が重なり縁が切れることのなかった二人。
メールだけで繋がっていた3年間の間に培われたお互いへの気持ちが、芽を出す前に摘み取らなければならなかった二人の気持ちを思うと涙が出て止まりませんでした。
帯にもある、「いつか、ふたりで満天の星空を見たい」のメモを見つけたとき、不覚にも文人くんと一緒に号泣しました。
星が好きで、それが二人を繋ぐきっかけになったのに、曇っていたり雨降りだったりで一緒に星空を見ることができなかった二人が、最後に「一緒に行ってみたい」と願っていた地で満天の星空を見ることができて本当に良かったなと思いました。表紙の、傘を外し、星が流れている中で二人が微笑んでいる絵がとても合っていて素敵でした。
7年もかかってやっと一緒になれた二人に幸あれと願っています。
凪良さんの作品は、『よしっ!』と勢いをつけないと読むことが出来ないのです。
この作品のことは知っていましたが、そんな調子なものでやっと読む機会が訪れました。
本編は受け視点、SSは攻め視点です。
あとがきの後のスーパーSSは、受けの友人の視点となっています。
受けの文人は、自分がゲイだと自覚している大学生。
中学時代にネットで知り合った『アルタイル』に片想いをしながらも、その距離感を壊すことを恐れていました。
攻めの新開(アルタイル)はバイの大学講師。
文人に惹かれながらも、現実の自分の立ち位置を守るために女性との結婚を考えています。
高校時代の友人へのカミングアウトに失敗した文人は、メールでのやりとりしかしてこなかった新開に助けを求めます。
そんなふたりが初めて顔をあわせ、心を通い合わせられそうになったのも束の間、すぐに別れはやってきました。
そして再び再会した時は文人の姉の恋人だった新開。
新開のような攻めは嫌いな方もいらっしゃいそうですね。
わたしは大人のズルさと、同時に恋に翻弄される攻めは嫌いじゃないです。
自分の立場を考えると、守りに入りたくなるのも頷けますし。
反面、受けの文人には共感できる要素が少なくて…
あんなに新開に対しては姉のためにも誠実になれたのに、初めて出来たゲイ友には流されて不誠実だなと感じます。
自分の意見をきちんと言えるというのが、彼のウリだったように思うのですが…
初めて新開と顔を合わせることになったメールも、なんだかなあと思ってしまいました。
高校生なんてまだまだ子供なのだからとも思いますが、ああいうことを書くのって自己満足感が否めません。
だって、あれで無視したら人非人になっちゃいますよ。
読み返しますか?と聞かれたら、きっと読み返さないだろうなあと思う作品です。
神評価が多いのでひじょうに肩身が狭いのですが、わたしには合いませんでした(汗
唯一良かったー!と思えたのは2本のSSでしょうか。
最初に読み終わった時には、好きな話だなぁ「萌×2」位と思った。
でも……
何日か経っても気持ちが離れず、
気がつくと彼らのことを想像している自分に苦笑し
再読してみて、もっと気持ちが引き寄せられた。
その後も折りに触れ浮かんで来くる二人……。
☆ ☆
中学の時に自分の性癖に気がつき、周囲にそれを隠している高校生の文人。
そんな彼が悩みを打ち明けられるのは、ネットのゲイサイトで知り合い
星という同じ趣味を分かち合う年上の男性”altir”。
卒業を機に、思い切って友人に自身の性癖を打ち明けたが
快く受け入れてもらったと思ったのは上辺だけで、蔭で語られる事を聞いて絶望し
会った事もない本名も知らないaltirに、「死にたい」というメールを送ってしまう。
傷ついた自分の元に駆けつけてきてくれたアルタイルの優しさに、
惹かれずにいられない文人だが、バイのアルタイルには彼女がいて
それを大切にしたいと本名も知らぬままに、二人は別れることに……。
タイトルになっているvegaとは、七夕の織り姫のことで、
七夕が誕生日の文人が、自身につけたHNだ。
それは最初から、アルタイル(彦星)を意識してのことだっただろう。
忘れようとしていた文人だったが、思いがけない再会が待っていた……
再会に関する予想は二つあった。
その二つのどちらかではなく、結果両方だったのだがある意味予測のつく展開、
物語が力を持って読ませるのは、そこからの二人の苦しい道のり。
この二人は、物語の最初から相思相愛なのだ。
そしてお互いにそれを知っていながら、お互いの立場に踏みとどまる二人。
そんなストイックで理性的な二人のありように、胸が絞られ涙が出そうになる。
まるで星のように。
とんでもない熱を孕みながら、青く冷たく見えるそんな二人。
理性で断ち切ろうと思いながら、でも断ち切れず、
長い時間をかけてようやく手を取り合った二人の行く末は
それまでの経緯を考えると苦しいこともあるだろう。
でも、どうやってもお互いじゃなくてはダメだった二人の未来に
幸多かれと祈らずにはいられない。
評価は、神。
今まで読んだ凪良さんの作品で、一番好きです。
あらすじを見た瞬間、そんな悲しいに決まってる話、自分には無理だと思ったのですが、
今回アワードにノミネートがあり、評価も素晴らしいので読んでみました。
大学講師の新開と高校生の文人は、星が好きという趣味を通じてインターネットで出会い
匿名でのメールのやりとりから、あるきっかけで実際に会うようになります。
心惹かれあう二人ですが、新開には最初から婚約者がいて…。
二人が実際会うきっかけになった事件には胸が痛みましたが、
もうその時点で、すでにお互いが心を通わせていたことが分かります。
しかし、新開の婚約者が文人の姉だということが発覚し…。
一番伝えたいことは、一番口にしてはいけないことだということを
お互い分かっていて、その手に触れることも出来ずに
遠くからただ見つめるだけだなんて、
こんな哀しいことってあるんでしょうか。
正直、もっと他に方法があるんじゃないかと思う部分もなくはなかったし
新開に関しては、誠実さが臆病さに見えてしまう部分もありました。
ただ、相手が傷つかないよう、悲しい思いをしないよう、
お互いが細心の注意を払って行動しているのが手に取るように分かり、
その痛々しさと優しさに涙しました。
このお話は、二人の性格がとてもおだやかで、
自分の気持ちをぶつけたり、激昂したりすることがなく、
それぞれが一人で静かに涙をこぼすという印象です。
それが、二人の好きな星や夜空、紺の傘のイメージに合っていて、
心に沁み渡るような味わい深さがありました。
ラストに解き明かされるブルーの箱の秘密は感動的だったし、
altairとvegaという、秘密の暗号のようなHNもワクワクしました。
あて馬クンも良かったです。
人当たりが良く、文人のよき理解者と思わせて、
実は精神的に不安定な執着系キャラで、不気味な怖さがありました。
この彼の登場で、お話が新開と文人だけの閉ざされた空間にならずに、
第三者の視点から読むことが出来て、とても良かったと思います。
そして挿絵が素敵でした!
特にブルーの箱の、あのアイテムがああいう形になるということを
麻々原さんの丁寧な絵で見せてもらったので、大変分かりやすかったです。
そして読み終わった後に改めて表紙絵を見ると、
お話の内容を汲んだ、とても完成度の高いデザインだということが分かります。
愛しているからこそ、諦めることも出来るし、
離れた場所から、たとえ何年経っても、相手の幸せを願い続けることが出来るという、
愛情の本質のようなものを見せてもらえた作品だと思いました。
暗い夜空に瞬く星の輝きは、二人の相手を想う気持ちに似て、さりげなく儚く、それでもまっすぐに絶え間なく、静かに心を満たすものでした。
星空の下のラストシーンの素晴らしさと、
隠し玉のブルーの箱の秘密ネタで、チョット甘めですが神とします。
当て馬クンにも幸あれ!
エロばかりを求めていた自分ですが
久々に胸がぎゅんとなりました。
受けに共感したり、何だか上手くいかないことにハラハラしたりもどかしくってもどかしくってもどかしかったです。
割りとやりまくりでビッチテイストなのをここ最近読んでいたからかなんか
恋愛ってこんな上手くいくことばかりじゃないんだよっていうことを再認識させられました。
受けの不器用さにやややきもきしましたが
逆にその不器用さがリアリティに富んでいて良かったです。
しかも切なすぎてなんか泣きました…
自分がハピエン厨なので、最後にまとまってホントにスッキリしました。
一気読みハートギュンギュン系
自分お気に入りランク上位に入ると思います。
以前から本屋で目にすることがあり、ランキングを見てついに買ってみました。
後悔は全くありません!
久しぶりにドキドキ・はらはらしながらページをめくって気づいたら息つく間もなく一気読みしていました。
読了した今、一番印象に残っているのは、自分がゲイだということを言い出せない人の気持ちや、勇気を出して言ったことを友達に受け入れてもらえなかった時の表現です。
そこの文字追っている間ずっと心が痛んでいました。
こんな思いを抱えている人がきっと少なからずいるのかなと思うと、ただのBL作品で片付けてしまうには勿体無いと言える作品だと思います。
途中、暴力シーンがあるので苦手な方は注意です!
私もあまり暴力は得意ではないですが、話の上で必要だったと思えるので気にすることはありませんでしたが…。
ラストに向けては、人間の弱さや優しさが伝わってきて、登場人物それぞれの目線で見ると、みんながみんなすごくいいキャラクターすぎて苦しくなりました。
ぜひ、これは作品の世界にどっぷりつかって、一気に読んでいただきたいな、と思います!!
メール友達からの出会いでなんだか、ドキドキする設定だったのですが
これがまた泣けます
じれったい感じだったり、すれ違いで勘違い物が好きな方は、
かなりはまるかもしれません。
すれ違いも多くて出会ってから何年だよ!と突っ込み所があり、
ヤキモキします。
その中でも、お互い寄り添えない気持ちがなんとも萌えちゃいました
最後の追い上げが凄い感動的で買って良かったと思います。
最後の最後に収録「恋の末路」はもう少し先が気になります・・・
私的にはすごく好きな作品でした。
甘酸っぱくてどこかせつない。もう萌えまくりました。
ネットから始まる恋なんてどうなんだろう・・・と思っていたけれど読んでいくうちに号泣している自分がいました。
文人と新開さんがお互いに悩みすれ違ってしまうところでは結ばれてほしいと一生懸命願ってしまいました。(笑)
お互いがお互いを思う気持ちはとても強くだからこそ三年もの時間がたっても結ばれたのだと思います。
また、文人くんと新開さん以外にも文人のお姉さん(夏那)と神崎がこの物語でいい役割をしてくれました。
二人が結ばれて良かったです。
凪良先生の作品は好きです。
でも…この作品の受の文人も、攻の新開も…好きになれない性格です。
文人は、人に対する依存が高すぎて駄目。本当におぼっちやまですね。
自分の性癖に対して、友人から傷つけられると、簡単に「死にたい」と呟き、新開にすがります。
新開を好きになって、好きになっていけないとフラフラしたときは、神崎からの好意にすがります。
はあ~。新開を好きになっては、いけないと決めたらなら、離れるべきなのに、何かの理由をつけては未練たらたらで…
捨てるはずのメモとかは、どうぞお持ち帰りくださいと思うけど…万年筆は高いのよ、それもイニシャルが入っているのは、それなりに持ち主の思い入れがあると思うのに、新開の物を手放したくなって返さないのは、罪が重い。
大事なものを失くして困ってないのかとか考えなかったのか~。
その後、その万年筆が新開の大事なものだと判って反省したけれど、新開が自分を庇ってくれた事を重視したのが、許せなかった…もっと反省しろ!
神崎の事にしても、お姉さんの事にしても、自分はすぐ傷つくのに、他人の痛みには鈍感ですか~と言いたくなった。
読んでいる途中で、お姉さんと神崎が可哀想で思わず泣けてきました(>_<)。
たとえ、その後に神崎やお姉さんが新しい人を見つけて幸せになっても、自分が傷付けたことは、忘れてはいけないのに…とっとと、新開の所へ行って、新開が結婚していると誤解して、傷つく…なんだかな~。
子供ですね。自分しか見えてないそんな気がして駄目でした。
新開も駄目ですね~。
卑怯です…文人に対しても、距離を置くと決めたなら抱くべきではなかった。
心の中に未練があるんでしょう…なのに、自分からは行動をおこさない。
お姉さんを傷つけて、本当に悪いと思うなら、本当の事を正直に話して、2人で謝るべきだと思いました。
謝って、謝って許してもらえるまで2人で待つべきなのに、逃げた…(>_<)。
私には、そう思えてしかたなかった。
凪良先生の作品は読みやすくて、色んな情景が心にしみてくるけれど、この作品だけは、登場人物が私の好みではなかったです。
中立なのは、この作品の中で唯一、幸せになってほしかった神崎が幸せになれたので…(^-^)。
暴力は好まないけれど、思わず手がでてしまう心情はわかるし、反省しただろうし、手痛い罰ももらったので、今回はセーフです。
7月7日の誕生日。
織姫と彦星のヴェガとアルタイル。
その時はいつも雨。
そんなモチーフがうまく設定に盛り込まれ展開させていく。
穏やかで、でも切ない、心が訴えかけてくるお話でした。
主人公達は草食なイメージを持つのですが、麻々原さんのさらっとした絵柄がぴたりと当てはまります。
受け視点の物語だけど、攻めの気持ちも伝わってくる。
だから物語が染み込んでくるのです。
文人は同性愛の性癖を自覚した時、助けを求めたインターネットの掲示板でHNがaltairの男性と知りあう。
文人はvegaというHNで彼とは共通の星の話と共に、自分の性癖の悩みも話していくうちに彼が大事な存在になっていった。
高校卒業時、思いきって友人にカミングアウトすると一見受け入れてくれたように見えたのもつかの間、彼等の戸惑いを知り文人はショックを受け、思わずaltair宛てに「死にたい」とメールをします。
すると彼は駈けつけて来てくれたのです。
このaltair、自分はバイだと言い彼女がいることを知ります。
だけど彼は文人の為に時間を割いて会ってはくれるけど、ブレーキをかけているような。
そしてもう会わない方がいいとメールが。
しかし、彼との再会は思いがけない形でやってきました。
文人の姉が結婚を前提のお付き合いをしているとして家族に紹介するために連れて来たのが彼・altairこと新開巧だったのです。
しかも、文人と学部は違えど同じ大学の臨時助教であり、姉の薦めで彼の仕事の雑務というバイトまですることになってしまいます。
恋はしないだろうと思っていた、その恋をする相手が姉の婚約者だった。
しかも、巧は自分と同じように性癖に悩みながら歳を経て、そして出した結論が女性と結婚すること。
会わないほうが、と別れを切り出したのは新開だけど、どうしても文人が気になってしまう。
文人にしても、新開の相手が姉である以上あきらめなくてはならないと割り切っているが、接触が増えればどうしても。
そこへ友人の神崎が文人へ告白をし、執着を示してくるからはっきりと新開が特別で唯一好きな人であることを自覚せずにはいられない。
互いに欲している相手であるはずなのに・・・なのです。
織姫と彦星、ほんとうは好きあっている二人なのに、天の川が立ちふさがって二人を躊躇させ、自由に会わせる事をさせてくれない、
いや、天の川があるから彼等はそれぞれの川岸で暮らし会わないほうがいいと選択する。
切なくないはずがありません。
文人が新開に言われているのに「育ちがいい」というのがありましたが、文人はどこか冷めた感じのするキャラクターであるような気がします。
なので、その育ちの良さもあるからかとても落ち着いていて物腰が丁寧で一見冷静な印象を与えるのですが、ラストのシーンで彼が零す涙は、彼が今までの自分から解き放たれた瞬間なのかな、と彼の素直を見た場面でした。
新開を決してズルい男とは思えません。
彼はバイですし、これから生きていく上で女性を選んだのは彼の選択。
初めて出会った時、文人をこんなにキレイな子だったなんて。と言っています。
別れを一番初めに言いだしたのも、文人を好きになってしまう怖さと彼女を裏切ることになる予感から良心がとがめたに違いないと、わかりすぎるほどに伝わります。
天球儀のストラップのエピソードも、それが指輪に変身するというそれに、新開の本気が見えていました。
本当に心がとてもよく伝わります。
少し胸が痛くてキュンとする恋でした。
気になるのが、文人の友人で後振られる事になる神崎。
とてもいい奴だったのです。彼の執着を文人が重いと言ってましたが、それは文人の心が新開にしかないからこそです。
神崎は愛してほしかっただけです。
少しキれやすくて暴力に走るのはマズイですが、彼にも恋人が?な存在が見られて救われました。
ネットでの出会いから現実の出会い、別れ、再会、別れ、再会と、実に年月を経て展開していくからこそ、彼等の結びつきが難く思えます。
個人的に凪良さん作品に連敗していたので
今回は純粋に(?)あらすじもそこそこで読んでみました。
切ないだろうなーと予想していましたが
まさかここまで時間をかけてのお話だとは!!
じっくり丁寧に紡がれる愛(恋というより愛に近い!)でした!
自分が同性愛者だと気づいたのは中学の頃、
誰にもそんなことは打ち明けられない、隠し通さなければいけないと思いつつ
高校卒業の日に、仲が良かった友達に言葉少なにカムアウト。
嫌悪感も抱かれず受け入れてもらえたかと思った安堵も束の間、
もう一人の仲が良かった友人と二人の話を聞いてしまい、
言わなければ良かったと激しく後悔し…。
絶望から救ってくれたのは、
掲示板で知り合ったメル友の“altair”。
携帯メールでのやりとりになっていて、つい助けを求めると
飛んできてくれて、ツラさを和らげてくれて…。
付きあっている人がいるからと、
誠実な態度を崩さない“altair”が、文人の願いを叶えてくれた初めてのキス。
触れ合うだけのそれは、思い出というには悲しすぎるものでした。
好きになりそうだからもう会わないという意味の言葉で
二度会っただけでメールのやりとりも終わるという“altair”は
恋人にも文人にも誠意を持ってはいたけれど優しくて残酷でした。
文人の最後のお礼メールに涙が滲みました…。
再会したのは文人の恋人として。
それまでの経緯は何一つ明かさず
家に挨拶に来たのが初対面だと家族に隠す二人も切なかった。
でも何事もなかったふうにはできない、今だって好きなのに。
姉の幸せを願いたいのが本心とは言えない葛藤は
読んでいて苦しくなるばかりです。
それでも、文人の大学で出来た友人・神崎が
きっと文人を支えてくれるのかなと思いきやまさかの執着系!;
育った環境故、好きな人と四六時中一緒にいて安心したい気持ちもわかりますが
暴力は許せない(泣)
神崎と文人がうまくいったらいけませんし
神崎も悪いとは思ってるのですが
文人を心身共に傷つけるなんてひどいと思いました…。
やっぱり、勝手に文人のカバンを見るとか私も生理的に無理;;
大学の助教授の新開は忙しい為、雑用を文人に手伝ってもらうことになりますが
(姉の夏那がそうさせた)
その健気っぷりと言ったら…。
側にいられて苦しいけど嬉しい、不要になったメモを持って帰ってしまうし。
再会する前にもらったキャラメルの箱と一粒を捨てられない。
新開が忘れていった古めかしい万年筆を返せない。
はぁ……切ないというより苦しい。
何度も、「ここでこうしたらすぐ想いが伝わるのに」と思う事もありましたが、
文人自身の心の清らかさと、姉を大事に思う気持ち、
何より新開の為にやむを得ず閉じ込めた恋心に胸を打たれました。
新開も、決して強引な事はせず、ひたすら優しく
文人を尊重してくれている姿が素敵でした。
最初で最後と決めた情事の次の朝、傘を貸したのに、
返さなきゃいけなくなるからと
文人が玄関のドアへ掛けていったのを後で見て泣いたとか……。
大人も泣きますよね…。
最後の糸ともいえる、天球儀のストラップがまさか指輪だったなんて!!
うーわー……ロマンチック過ぎる!!
でも結ばれるその直前まですれ違うのって
どんだけ焦らしプレイ!?って思いながら
とにかく長い年月を経て結ばれる愛、感動しました!
姉の夏那も、神崎も、それぞれの幸せがあって良かったのですが
人を傷つけて傷つけられて…それが人生だと知りつつ
なんとも言えない気持ちになりました。
読み返すときは、新開と文人の想いを反芻しながら
ゆっくり味わいたいなと思います。
“altair”に見つけて欲しかった“vega”、
印象に残るような会った日にはいつも雨が降っていた…。
星座の事もマイノリティも、マフラー、キャラメル、万年筆、指輪、
全てがうまく作用して切なさ満載でした!
神寄りの萌×2です!!
ゲイであることに悩む高3の白石 文人は 『vega』と名乗って
掲示板で知り合った『altair』と名乗るバイの男性とメールのやりとりをしている。
好きな星の話、セクシャリティの悩み。
ある日友人にカムアウトした文人は、相手の言動に傷つき
「死にたい」とメールを送る。
会いに来てくれた『altair』に、はっきり自覚しないものの、恋心をいだく。
しかし『altair』こと新開 巧は姉の恋人だった----。
あらあすじはこんなのなんです。
「姉の恋人、婚約者ってありがち」?
ちがいます、
これありがちな話と違います。劇的なエピソードはないのだけど、
真正面から恋が描かれている。
主人公が号泣するシーンでは一緒に泣けました。
キャラクターそれぞれに個性があって思いも、事情もあって。
作中でそれぞれに生きている。
誰が悪いというのではないのに
うまくいかないもどかしさ。
キャラメル、万年筆そしてプラネタリウムといった舞台、小道具が
印象深く使われています。
あと、大学生になった文人を好きになる神崎が可哀相な奴で。
救いが用意されていてホント良かった。
2人が想いを告げ合うのは会ってもう数年、文人には大学最後の冬休みです。
読んでいる最中、胸の痛む恋を文人と一緒に感じているようでした。
良かった、結ばれて良かった。やっと2人は始まる。
もう一生誰にも心を開かないし恋もしない……傷つき頑なだった文人を優しく解いてくれた彼は絶対に好きになってはいけない人だった。
発売前から、このあらすじを読んでハラハラしていました。
絶対に好きになってはいけない人?
近親?親友の恋人?既婚者?
既婚者だけはどうか勘弁して下さい!と半べそで祈りを捧げていました(笑)
そして結果、地雷回避できました。
思いっきりネタバレですが、絶対好きになってはいけない相手、お姉さんの恋人なのです。
裕福な家庭で愛されて育ちながらも、自分のセクシャリティに悩み、それを誰にも打ち明けることができずにいる主人公文人は、ネットの掲示板でaltairという年上の男性に出会います。
この男性こそがまさに、後に再開するお姉さんの恋人なんです。
もうこの後の経緯書きたくて堪らないのですが、読み進める楽しみを奪ってしまうのも忍びないので我慢します…(涙)
ただ、本当に是非多くの人に読んで頂きたい一冊です
ハンカチ用意して下さいね〜!
かたがんさんも既婚者地雷なんですね。私も同じです^^
同じ地雷持ちとしてこちらのレビューがとても参考になりました。