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ashitaya akinai hanjou
世界の車窓から、みたいなね。
いや、世界というより世の理(ことわり)の裂け目から…って感じかな。
本作は、私の初ARUKU作品でした。
最初っからこんなの読んじゃって、そりゃぁもう信者になりますよ。
…というくらいの神作です。マンガ大賞レベルです。いやもっと。
はじめは、オカルトっぽいのおもしろ!という気持ち。
3話目の「旗」あたりからずーーーんと低音が響いてきて、この只事じゃない物語の深さから全く目が離せない。
天宮とキッカ。
生き残った者の心理。
刀の意志は、護りたいのか斬りたいのか。
秋緒の生を許さず追ってくる死…
事故には何か秘密がある?と匂わせる1巻はここまで。
さて、巻末には「楽しい俳句教室」という短編が2編収録されています。
これがまた最高。
忍田先生の俳句も加賀美の俳句も出てきません。ただ、俳句を通じて季節を感じ取り、自分の感情に言葉を見つけていく加賀美がいい。
なかなか、いや全く報われないところもまたいい。
(全2巻まとめてのレビューです)
これはまたものすごい作品を生み出してくださいましたねセンセ・・・
めちゃくちゃ面白いうえに何度も涙出た。
こんな印象に残る作品、久しぶりです。
いろんなの飛びぬけて想像の斜め上ぶっこまれて、動機息切れがすごいです(病院池)。
ジ○リ風味のBL(双方に最大の敬意を込めて)。
妖怪も出てくるので、ゲゲゲの~とか、千となんとかとか、君たちはどうアレするかとか好きな人にはたまらない、
「傘の付喪神x古道具屋の店主」。
いろんな著作を読むたびに毎回すごい作家さんだなと唸らされますが、今回ばかりはレベルが違った。
もしかしてセンセ、死後の世界が見えてらっしゃる?
つまり霊感持ちさんなのですか?
(違ってたらスミマセン)
川口まどかさん「死と彼女とぼく イキル」を思い出しました。
何も見えない人が「魂の河の流れ」なんて言葉がポンと出てくるはずはない、と思えるような、不思議な作品でした。
2巻完結作品なのに、1巻と2巻にこんなに点差がある作品も珍しいのでぜひ2巻もご覧ください。
そして本作は特にシュールギャグが秀逸w
そのおかげでダークな題材を扱ってるのにもかかわらず、全体を通して少し明るい雰囲気になってるのがイイ。
でも2巻には殺傷コマあるし、いちおイモムシ注意報も発令しときますねw
(画面の前でぎゃー!とムンクの叫びになった)
2012年の作品なので絵柄が・・・パースが・・・ですが、時々攻めがめちゃくちゃイケメンに描かれててもうなんていうかホントにありがとうございます(?)。
金髪和服イケメンを拝みたい方はぜひ。
1巻には「俳句の先生x生徒のリーマン」である短編も収録されています。
上司の命令で俳句教室に通わされる状況がなんじゃそれでしたけど、前作の『極東追憶博物館』も読んで納得できました。
心に残った一言:「俳句は世界一短い 世界へのラブレターなんです」
もともとえrなしBLはあまり読まないんですが、ARUKUさん作品は例外です。
著作ではやっぱりスクールナイトや本作などのえrなし or 少なめ作品のほうが好きかもなー(2巻にはえr少しあり)。
そして牛が可愛いw
お茶淹れたり焼きマシュマロ作ってくれる達磨がかわええw
まさか自分が達磨さんに泣かされる日がこようとは・・・!
ジ○リに映画化してほしいです。切に願います。
1、2巻通しての感想です。
【家族を亡くした秋緒は、祖父が遺した骨董店『明日屋』を引き継いで店主となる。そこには友人の天宮そっくりの唐笠おばけの「キッカ」が住み着き、持ち込まれる品は様々なトラブルを引き起こす。秋緒は不明瞭な記憶とともにそれらを解決していくが…】
ARUKU作品を数冊まとめて読みましたが、こういう感じのファンタジーな世界観がすごく良かったです。こちらの作品は和製ファンタジーで、おばけや妖怪たちが出てきます。そういうのが好きであればかなり楽しめると思います。個人的に、絵もこの頃の感じが好きです。
さて、物語は奇妙な客と品物にまつわる怪奇な出来事を中心に進んでいきます。秋緒の芯の強さや優しさに心がほっこりしながらも、謎が謎を呼ぶミステリー仕立てで物語に引き込まれます。
秋緒をときどき助けてくれるのが友人の天宮と唐笠おばけのキッカ。この2人がそっくりで、ここにもミステリーが隠れています。男色家というキッカですが、セクハラは多いものの無理やりな関係はなく、BLという意味では少し物足りないかもしれないですね。でもそれを忘れるくらいの面白さ!登場人物の悲哀や侘しさを優しく包んでくれるような展開。基本的にオムニバスなのも良かったですね。まったく飽きることがなかったです。
2巻で徐々に解き明かされる謎。ラストはとても意外でした。そこまで含めて本当に面白く、よく考えられた展開でした。何度も読み直したくなります。
若干グロ描写があります。妖怪もの特有のおどろおどろしさや異形の描写が苦手な方はご注意を。
ARUKU先生節がかなり効いた、ちょっと不思議で読者の心に引っ掛かりを残すような作品でした。交通事故で家族全員を亡くし自分が元凶なのではと感じている秋緒、彼の友人の天宮、そして、なぜか天宮にそっくりな付喪神のキッカ。さらに秋緒が継いだ古物店にやって来る訳ありな客達。秋緒の話がベースにありながらも、この世の者ではない客の話がそれぞれ素敵で、引き込まれました。特に軍人の話が好きでしたね。2巻で物語がどんな方向に動いていくのか、楽しみです。
ARUKU先生のもので、
1番のおすすめが「明日屋商い繁盛」です。
1巻は、第6話のスープ姫の話で泣きます。
《もくじ》
明日屋商い繁盛 一巻
明日屋商い繁盛
第1話 帳簿箪笥(ちょうぼだんす)
第2話 硯(すずり)
第3話 旗(はた)
第4話 鞠(まり)
第5話 刀(かたな)
第6話 琺瑯鍋(ホーローなべ)
第7話 陶人形(とうにんぎょう)
楽しい俳句教室
第3話 楽しい俳句教室 三 秋深し
第4話 楽しい俳句教室 四 冬温し
「楽しい俳句教室」の 第1話・第2話は、
『極東追憶博物館(著:遙々アルク)』
に収録されています。
また、遙々アルク名義のものには
『ビター×スイート』、
『猿喰山疑獄事件』、
『極東追憶博物館』があります。
事故で家族を亡くした秋緒は遠い親戚の古道具屋を受け継ぎます。
不思議なお話に秋緒の事故の記憶がたまに混じったり死者や人外の想いや攻撃にあったり。
友人の天宮も不思議ですね。冷たいようで秋緒の様子を見に来て不思議な目にもあってるのに動じず。
そして天宮にそっくりなつくも神キッカ。唯一秋緒を守ってくれる男色家のおばけ。ずっと一緒にいる約束だったのに半年後に何が?
ファンタジーはARUKUさんらしいですね。死者の無念や想いに切なさもありますが、ほのぼの系に入るのでしょうか。
謎だらけなお店とお話です。2巻で謎は明かされるのでしょうか?
俳句教室のお話も先生に好きだと迫れない生徒が俳句を頑張るところやアメリカまで追いかけて行くところが良かったです。
自分がたてた「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#ans_71862
でおすすめ頂いたこちらの作品。
ARUKU先生の作品は過去、「ほんとは好きだ」を読んだのみ。
ストーリーの素晴らしさよりも、どうしても人物描写が浄瑠璃人形のように感じてしまってちょっと不気味で苦手だな・・・と思って以来、手を出していませんでした。
しかも妖怪もの?!
自分だったら絶対に手をださない範疇なのですが、おすすめ頂いたので入手して読んでみることにしました。
ううう・・・ぐす。こういう形式のお話だったとは!
古道具屋を営む秋緒を取りまく不思議なお話で、古道具屋に持ち込まれる物は全て死者の物。つまり死者が託した思いが詰まっている物なんです。
品物が持ち込まれるたびに、その物にまつわるエピソードが展開されるのですが、死者にまつわる切ないお話が多くて、いったい一冊が終わるまで私は何回泣けばいいの・・・?
それらのエピソードの数々に為す術もなく読んでは泣いて。
しかも二巻もあって、そっちも切ないエピソードが盛り沢山詰まっているのには違いなく、もうこれ以上泣くのは嫌だなぁ・・・と思うのですが、秋緒と一緒にいるキッカの正体や事故の真実を知りたくもあり・・・悩む。
それにしてもARUKU先生って素晴らしいんですね。(ファンの方々からしてみれば今更でしょうね。本当にすみません。)
ストーリーテラーとしての凄さに唸りました。絵がどうこう言っているレベルではない。
きゅん的に萌える要素は正直あまりなかったのですが、そういう次元の作品ではなく、評価は神です。
最後に「楽しい俳句教室」という全く別の作品も収録されており、そちらは実にほのぼのとした作品でお口直し、気分転換に最適で助かりました。
それにしても ああ、表題作は間違いなく泣けました。
けれども幼虫がひしめくページには違う意味でも泣けました。うわ~~~~~~~ん。
一番好きなARUKU先生の作品です。この表紙もとても好き。ちょっと版画のような雰囲気があり、物語の世界観にぴったりです。
突然始まる奇妙な世界の物語。東京のどこかにある【明日屋】という古道具屋。事故で家族を一度に亡くした秋緒が遠い親戚から譲り受けたという【明日屋】は、死者が訪れる不思議な店で、キッカという唐傘お化けの付喪神が住み着いています。キッカは男色家なのですが、その設定がほっと一息つけるとてもいいアクセントになっています。
事故の記憶が無い秋緒ですが、いわくのある箪笥を持ちこまれたことで少しずつ記憶がよみがえり、家族の事故に自分も大きく関係していたことを知るのでした。
喪失と罪悪感を抱えた秋緒が【明日屋】で出会った人々と係わり、様々な愛の形を知って再生していく姿が読み切りの形で進んでいきます。
どのお話もじんわりと心に沁みて好きなのですが、中でもお盆に突然現れた軍人さんの1篇の『旗』が大変印象深く涙なしには読めないお話でした。子沢山でガサツな家で育った敦彦(軍人の少年の頃)が、隣家に下宿するやすえに抱いた憧れの気持ち。敦彦にとってやすえの何気ない親切は「心をわけあたえてくれたのと同じことだった」という。この『明日屋商い繁盛』にはこんなあたたかな想いがあちこちに溢れています。まさに「心をわけあたえられたような」そんな気持ちになれる物語なんです。
出てくる人たちはみな不思議な事を口にして秋緒はそれを自然に受け入れるのですが、【明日屋】のあるこの場所ではそれになんの違和感も感じません。
訪れるのは死者達だし妖の様な生き物も沢山いて、友人の天宮とキッカの関係など謎は深まるばかりの1巻ですが早く先を読みたいとか結末を知りたいと思うよりも、じっくりと一つ一つの話を堪能したくてもう何度も何度も読み返しています。そしてその度に子供の頃に一緒に暮らしていた、誰よりも優しかった祖母を思い出します。もしも私が【明日屋】に行けたら祖母に会えるのかな、会えたらいいなぁと、とても切なくてだけどきゅんとあたたかな気持ちになる、私にとって特別なコミックスなのです。
表題作と、コミック「極東追憶博物館」収録の「楽しい俳句教室」の続編が収録されています。全2巻の1冊目。
表題作は、あの世との境にある小道具屋「明日屋」が舞台。客は死人であったり人であらざるものです。
・秋緒の過去(事故)
・キッカと雨宮の正体
という謎を抱いた長編に、秋緒とキッカの二人で営む明日屋での騒動のショートが絡んでいく感じです。
2冊を一気に読みましたが、全1巻にしようと思えばできたような構成だと思いました。そこを無理に伸ばして2冊にしたのではなく、好評だったので2冊に伸びたんだと思います!と力説したいくらいストーリーがしっかりしていてお勧めです。
ただ、「極東追憶博物館」で手首を切ろうとしたり、目玉を食べる人魚のようなグロテスクな場面が、全体的にあります。ただ、さらっと描かれている印象の絵のためか、グロも幼虫も苦手な自分でも大丈夫でした。
ARUKU先生ワールド全開の唯一無二の世界観にぐいぐい惹き込まれてしまう1巻でした!
特に、妖怪をはじめとする魑魅魍魎たちの独特な人外表現に寺山修司の舞台を思わせるグロテスクさとなんともいえない奇妙な魅力が共存していて夢に出そうです…。
シーンの中に不意に脈絡がないコマがはさまれたりする表現があり、ともすればテンポの悪い印象になってしまうので特に序盤の説明不足の中では「あれ、読み飛ばしたかな」と少しページを戻ってしまったりしたこともあったのですが、のちのちちゃんと意味があったことがわかり、サブリミナルみたいな不思議な表現で面白いなと思いました。
とてもドキッとさせられます。
全編通して、幽霊とナチュラルにコミュニケーションできる都合のいい感じもとても好きです。
(2巻まで読むとちゃんと理由があったこともわかるのですが)
芋虫の話のぞっとする感じとか、日本兵の話のどうにもぎゅうと絞られる感じとか、グロテスクなお話と切ないお話の合間に挟まれる、お母さんのスープの話の暖かさが本当によかった…。
1冊通して様々な感情を喚起させられるこの感じが、オムニバスの醍醐味だなと改めて感じました。
一話読み終わった後に、次のお話がやっぱりとてもわくわくするんです。
同時収録の俳句のお話もとてもキュンとして印象に残りました。
一つ一つの言葉選びがARUKU先生らしくて素敵な作品です。
受けのために価値観を改革してただただ前向きな努力をする攻めが、本当に尊くて素敵だなと。
(サボりがちだったジムにも真面目に通い始めたりするところ、特にぐっときました)
恋をして、好きな人の影響で季節の美しさを感じ取れるようになり、世界が違って見えてくる感覚…すごく好きなテーマです。