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kyuso wa cheese no yume wo miru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「俎上の鯉は二度跳ねる」と併せての感想です。
初めて読んだBLがこの2冊でちょうど4年前。
これらが非BLと分類されるものでそれが何故なのか当時は全く分かっていませんでした。
BLだと思い込んでいたしとてもナチュラルに読めた、面白いって思いました。
で、だんだん沼にハマっていくとわたしも他の方同様に、登場人物に女性がいない方が気分よく読めるし、女性の恋敵がいない方がむしろ自然な世界なのだと思えてきました。
だけど最近なんだか物足りないのです。
BLの限界。
この4年間BLばかり読んできたわたし。
以前ちるちるで呟いていたかたはBL脳が重症だと書いていました。
街角や社内で良さげな男性を見かけると受け攻めを妄想するのだとありました。
いや。それは怖い。
私は少年マンガも少し読みますが、そういう想像はしません。
同人誌もオリジナル以外興味ないです。
だから、まだ軽度なのだと思いたいです。
現実分かっていますと言いたいです。
BLの世界は不自然です。
女性が創り上げた都合の良い妄想の上に成り立っている。
ホントいうと早く卒業したい、BL脳ならば治したい。
このコミックスはちゃんと女性が登場しストーリーに参加して男性2人はリバでもあり、ラストはなんだかモヤモヤしていて救いがあるようなないような。
これこそナチュラルな男同士のラブストーリーだと私は思っています。
とても好きです。
It is one of the most favorite manga。
もともとBLは好きでしたが、これを読んでから沼化しました。
恭一みたいな人っているよねって思うし、今ヶ瀬になぜか感情移入してしまうし(メンヘラなのに)、、、心情の描写が巧みで、それ故にリアルに感じさせられる作者様の技がすごいです。小説を読んだ時のような充実した読後感があります。人をすごく好きになると今ヶ瀬のようにメンヘラ化するし、そうさせるだけの恭一という人間の魅力も理解できる。
盛大なネタバレになりますが、執着攻めに見せかけたどネコ(たぶん)である今ヶ瀬が、やっと!受けに転じた時の感情にめちゃめちゃ共鳴しました。ここがいちばん好きなシーンです。この作品を読んで、完全にリバが性癖になりました。あのシーンは恭一もとても良きです。攻めが本能のままに振る舞うエロがとても好きなのですが、いつも感情が振れすぎないようにコントロールしているかのように見える恭一が攻めになった時の萌がすごい。。。
とにかく好き。
あと、この話に出てくる女の子たちもとても尊いです。みんな好き。それぞれの感情や行動が理解できるのが、ほんとさすがとしか言いようがありません。
ちなみに映画も観ましたが、最高でした。成田凌様の今ヶ瀬が完璧でした。この作品は全てのクオリティが高すぎる。私の中の本物の神作品です。
今更ながら読みました。
絵、ストーリーに時代を感じますね。
偶然が多かったりw
恭一が狡くて流されやすくて無責任で、そのくせ世間体は気にするという…こういう人って実は結構いそうよね、なんて読み進めましたが。
今ヶ瀬がなぜこんな恭一をここまで好きなんだろうと思っていましたが、だんだんわかってくるのと同時に、恭一が流されて抵抗して、でも心の底では抗えず今ヶ瀬はこれまでとは違うと足掻いているのかわかり、そこが見応えありました。
この作品が当時どのように受け入れられたのかわかりませんが、衝撃的だったんでしょうか。
現在のBL界ができる礎となる一作だったのかな。
絵が全く受け付けず、調査員?なんのこっちゃ、という感じでしたが、意を決して読んだらびっくり仰天、こんな話だったとは。みなさんが支持する名作は読んで損はないのだなあと改めて思いました。絵はやっぱり苦手なのですが、セリフが胸に突き刺さりまくって忘れられない作品になりました。今ヶ瀬くんの恋愛に飲まれてる感は身に迫るものがあり、大伴先輩の男性独特のずるさも真実味があって引き込まれました。
評価の高い作品でもたまに全然はまれないまま読了という作品もあるのですが、こちらはものすごく引き込まれてしまいました。
ちなみに映画は観に行きたいと思いつつ観れなかったんです泣 円盤化待ちます。
今ヶ瀬の執着、嫉妬、一途(というか、粘着質って方がぴったり来る)なところ、でも叶わない恋の切なさ、苦しさが胸にキましたね。
ちょっとずつ関係が進展しては、裏切られ、その度に絶望感を味わう…みたいな痛さを久々に作品を通して味わえたような気がします。
今まで読んだBLコミックには女性とがっつりライバルとなって戦う(?)キャットファイトのような展開がなかったので新鮮味もあり、結構好きかもしれないシチュエーションでした。
夏生が最初はさっぱりとしたキャラかと思いきや、案外嫌なタイプの女性キャラでそれはそれでなんだか燃えました(萌えではありません)。
恭一ってなんだか流されやすいキャラでありながらも、ストレートな自分に拘ってるというか、ゲイとして生きていく事にまだ納得いってないような感じなのでハピエンが見えてこない不安がありますね…。
続きを読みたいような、まだ読みたくないような不思議な感覚です。
映画化に際しまして、拝読しました。
先に申し上げますと「とても苦手」な作品です。
以下、辛口評価となっております。
こちらの作品、過去に一度読んだことがありました。
その当時の記憶は曖昧なものの「苦手な作品」という印象が強く残っておりました。
読み進めるうちに、第一に「女性キャラクターが無理」だったことに気が付きます。
我の強い女性。
現実にもたくさんいますが、物語だとしても苦手です……
夏生先輩(?)……生理的に無理です。
ごめんなさい……
第二に、大伴さんの流されやすく曖昧な態度。
「ゲイ」だとか「ゲイじゃない」とか、そういう発言ばかりでイライラが募りました。
数年経って読み返してみたものの、やはり苦手意識を変えることは出来ませんでした……
三回泣きました。今ヶ瀬の気持ちが痛いほど伝わってきて、しかも、大伴の気持ちもわかるんですよね。。恋愛ってこんなにも痛くて苦しくてめんどくさいものなんですね。読んでるこっちまで胸の痛みが半端なかったです。ただ一つ気になったんですけど、気持ちの切り替え早すぎんか!って思いましたね〜ただほんっとに今ヶ瀬に幸せに生ってもらいたいって読みながらずっと思ってました。しかも今ヶ瀬の大伴への深い深い愛が本当に泣けます。最高すぎた!私は映画化するまでは知らんかったんですけど、本当にいい作品に出会えたことに感謝です!!
10年以上も前の作品。私自身は映画化で初めて知り、窮鼠も俎上の鯉も読んで、この作品は絶対棺桶に一緒に入れてほしいマンガになりました。今までたくさんの作品を読んできたけど、この窮鼠と俎上の鯉以上に、心の奥底に突き刺さり、恐怖にも似た思いを抱いた作品はありません。
本当にすごい。すごいとしかいいようがない作品。なにをもっても、これほどまでにインパクトあり、人間の根底にある心理を巧みな台詞と表現で描いた作品には出会えないんじゃないかと思う作品です。
あらすじは他のレビュアー様が書いてくださっているので、感想を書きます。
恭一は言い寄られると断れず流されやすい人間。自分に妻や恋人がいても、流されて浮気や不倫をしてしまう。全然、主体性がなく言い寄られなければ自分からは何もしない。浮気するにしても、「本気じゃなく浮気」だから罪の意識もそこまでない。おそらく立場が逆になっても意外となんとも思わないかもしれない。主体性がないぶん人に合わせるし、恭一自身の中での誠意や相手に対する思いやりみたいのはあるから、普通に接するぶんには優しいし、いい人なのかもしれない。
恭一自身も自分の性質はよく理解してて、作品の中で、黒・白・グレーに分かれた、心の中の恭一が出てきて葛藤をするんですけど、この葛藤がとっても生々しくてリアル。恭一自身は自己分析には非常に長けた人なんですよね。
そんな恭一のことを一途に、粘着的に思いを寄せるのが大学の後輩である今ヶ瀬。
この今ヶ瀬が本当にすごいんです。押しかけ女房的に甲斐甲斐しく世話をするのですが、ノンケの恭一には無理強いをしない。攻めるときは攻めるけど、自分の分を弁えることに徹している。でもそれは結果的には恭一を失ったときの自己防衛でもある。
一方で、恭一が今ヶ瀬に愛されて手綱を握られる生活に身を委ねるほうが楽だと気づいていることも分かっていて、そこを強く押せば恭一が自分に抱かれることを知っておきながら、そうなると恭一は「自分から今ヶ瀬のところにきたわけではない」という言い訳がいつでもついて回り、恭一が自分から離れたくなったときの言い訳ができてしまうこともすべて見通している。最後の最後は絶対に自分からは押さないんですよね。恭一が自ら今ヶ瀬を求めるように辛抱強く、計算高く待っているんです。
でも、それを決して余裕にやってるわけじゃない。今ヶ瀬もいっぱいいっぱいになりながらやっている。決して計算高いだけじゃない。本当に心から本気で恭一が好きだから。恭一に絶対嫌われずに自分が壊れないように、時に恭一の確信を突きながら少しずつ攻めているんです。
なんだろう…。恋愛ってキレイで美しいだけじゃない。自分の欲やどうすることもできない感情に振り回されること。時に浅ましく、自己中心的であっても、止められない。この作品を読んでとてつもないリアル感を感じるのは、多かれ少なかれ、恋愛における人間心理が、これでもかってくらい如実に表現されているからだと思います。
この作品の1番すごいところは、台詞ひとつひとつが、人間の奥底にある自己中心的な感情や人を愛するということの根本を鋭く突く感情の描写、そして、人間心理が超リアルに出ているところ。読んでいて恐怖を感じます。台詞を読むたびに、胸に突き刺さる感じです。すごすぎて、圧倒されて、言葉も出ないくらい。マンガを読んでいて、ぐうの音も出ないくらいのやられた感なんて、初めてでした。
流されちゃうし、好きな人が離れようとしても引き留めることもしない。そんな恭一が、今ヶ瀬の存在がだんだんと自分の中で大きくなって葛藤していく。自分はゲイではないから、なかなか男性を受け入れられないんですよね。自分がゲイじゃないから、愛なのか、単純な居心地の良さに甘えてるだけなのか、判別できないんです。こういう描写もすごいリアルで、恭一もここは簡単には流されない。
でも、着実に今ヶ瀬を好きになり始める恭一。
ケンカしてしばらく連絡取らなかったときに偶然ホテルで他の男と一緒にいる今ヶ瀬をそのままにできず、文句を言ったり。
今ヶ瀬の元カレと一緒にご飯を食べたときにムカムカして嫉妬したり。
今ヶ瀬の初体験の話を聞きたくないと遮ったり。
物語の中でこんな事件が起こるたびに、今ヶ瀬が恭一に言う話もめちゃくちゃ深くて、もうすごいとしか言えないんです。すべてがすごすぎて書ききれない。
特に圧巻は、恭一が酔って帰ってきて、自分がはっきり今ヶ瀬を断ってやれないことで今ヶ瀬を傷つけているから、今ヶ瀬、ごめんと伝える場面。
あのときの今ヶ瀬の執着というかなんというか。恭一の言ってることは正論なんです。でもそこで、食らいついていく今ヶ瀬。あれが本当に人を好きになった人の本性だし、もうほんとすごすぎてゾワゾワしました…。
最後のタクシーの中の場面は1番好きな場面。今ヶ瀬の言う2ヶ月の過ごし方の台詞、誰しもが経験したことがあるんじゃないかっていうくらい、超絶にリアル。連絡を待ってしまう心理、すごいよくわかります。そしてここは恭一もすごかった。キスしようとする今ヶ瀬に、男と別れるように言う恭一。
「別れろよ!!今すぐそいつと別れろ!!ここで!!」
今までの恭一からじゃ想像もできないほどの台詞。でもここまでに至ったからこそ、そのあとセックスを受け入れていくんですよね。もう、ここの最後の流れが神すぎて、感情をぶつけ合う二人がすごすぎて、読んでるこちら側はもはや茫然自失でした。読むエネルギーが半端ない。
もう、この作品は誰しもに絶対に読んでもらいたい。語りきれないし、読んでもらうしかない。でも、読むのにすごいエネルギーがいります。あまりにすごすぎて。マンガとかBLとか、そういうくくりでは語れない。心理学や人間行動学の本だと思って読んでもらいたい作品です。
知佳子も夏生も恭一はいつ浮気をしてもおかしくないと思っている癖に付き合ったり結婚したりしている
恭一は職業や物腰、外見等が適度に揃った上で欲しがればくれる、女にとっての都合のいい男で、知佳子にいたってはベッドも共にしないのだ
夏生も10年も経っててもまだ強請ればもらえるって思ってる
恭一から求めることがないことに虚しさを感じるようになる、一番近いところにいる人こそが恭一からの愛に飢えることになるってことなら恭一が好きになった人と付き合うことしか幸せな結末は来ないし、タクシーでの姿からは今ヶ瀬は恭一との幸せに最も近いんじゃないかと思う
夏生は30にもなって意地悪してるんだからふられても仕方ないかな
2009年当時ならドブなんて言い方するのは「為を思って」と受け入れられるんだったのだろうか
この作品を読んだのはたぶん10年近く前のこと、タイトルにひかれて、BLと言うものをまだよくわからないまま手に取りました。初BLだったのでこの程度のエッチ描写にも度肝を抜かれ、登場してくる女性キャラの言動にもさほど違和感を覚えませんでした。実写化と言うことでオールインワンエディションを読み直し、改めて無知って怖いし、慣れって恐ろしいなと思いました。
水城先生の作品は絵と言うよりも、台詞に感動させられることが多いですね。初めて二人が結ばれたときの"熱い張りつめた肉が そこに口付ける感覚"から始まる言葉のシャワーが絵以上の迫力でエロい妄想をかけたてられました。
10年ぶりに読んでも、やはり私にとってはいまだに神作品です。
登場人物について。blではスパダリのような完璧な人も出てきますよね。しかし、現実ではよく“完璧な人間なんていない”と言います。まさに出てくる人皆そんな感じです。良い面も悪い面もあります。そのせいで最初はキャラを好きになれなかった人も多いと思います。私もそうでした。でも今考えるとその人間らしさがこの作品の現実性をより深めているように感じます。
お話について。注目して欲しい部分をお話します。恭一と今ケ瀬が別れてしまい、その後夏生(元カノ)と話す場面です。夏生も自分ではなく今ケ瀬に気持ちがあると分かっているんでしょうね。最初夏生はゲイである今ケ瀬に無神経な事を言ったりで好きになれませんでした。しかし、夏生は自分の感情に流されずに人間の本質を見る事ができる人物と分かりやはりこのお話は単に好き嫌いで片付けられないと思いました。夏生の一言が胸に響きました。その後、あれほど流されやすかった恭一に変化が起きます。そんな恭一の行動に注目して頂きたいです。
blでは簡単に男性同士が恋に落ちて気づけばカップルまみれになってたりします。しかしこの作品はなかなか落ちません。落ちた後も自分の気持ちとは反対に“普通”でいた方が楽だいう気持ちの間で葛藤が繊細にえがかれています。恭一は割とモテますが今ケ瀬以外の相手は女性です。そういうblの範囲では収まらない深い部分もこの作品の魅力です。
無断で修正版に切り替わっているとのニュースを見て、
慌てて確認しましたが大丈夫だった!(ebook)
意識してなかったけど、ダウンロードしてあったのかもしれません。
ネットで確認しまくってしまった^^;
修正版はtnkがなくなってますね‼︎
単純に、旧版をR指定にすればよかっただけじゃないのか?
水城先生が、R15指定の映画を見られない若い子がコミックスを読んでくれるかも……と仰っていました。
本作はガッツリBLでセックスもたっぷりあるので、
映画はダメでもコミックスはOKというそもそも(世間)の倫理観がどうなのかと思ってしまいます。
私がどうこういえる事ではないのですがーー…
これを機に久しぶりに読み返してみて、
やはり心に残る作品だなと。
当時、恭一も今ヶ瀬もたまきも好きじゃなかったけど、
時間が空いてから読むとそんなに嫌いじゃないかも……
と、思いました。
色褪せない不思議な魅力のある作品です。
一番心に残るBLは?と聞かれたら、
私は間違いなくこのシリーズを選ぶと思います。
初読で胸が痛くなり、息苦しささえ覚えたことがいまだに忘れられません……
読み返す度に印象の変わる作品
最初に読んだのはけっこう前でした
BLとは思わず、ただ水城先生のお話だったので手にとったのがきっかけでした
独特の目の表情が印象的な先生で、お話も大好きだったんですがこのお話でまた新境地
他にも匂わすような作品はありましたが、手にとったことはなかったので違和感はなかったです
さて、このお話胸が締め付けられるような感覚に何度も陥りました
性別で選んで人を好きなるのか?
人を好きになるってどういうこと?
シンプルだけど答えが見つけられない、確信をチクチクとついてくるような感じ
それが心地よいなんとも不思議なお話です
持っているのは2006年発売の旧版です。新版には描き下ろしが入っているのか…いいな。
◾︎今ヶ瀬渉(ゲイ 年下)×大伴恭一(ノンケ会社員)
水城せとな先生、地上波ドラマ化作家なだけあってストーリーのクオリティが段違いですね。演出もコマ割りも、小物の使い方も。やっぱプロだ…
他のBL作品も、一般作品も読んだことがありますが、作風も一貫しています。どこかしらの仄暗さ。
ストーリーもですがキャラクターもすごい。執着攻めといえば暴力や強姦のイメージですが、この今ヶ瀬の執着が社会的でねちっこくて、大伴には一番効くようにじわじわきます。
下巻ラストを知りながら序盤のシーン(離婚届を出された後の2人の携帯での会話)を見ると、今ヶ瀬のセリフの凄みが沁みる。
1日2日で腫れた惚れたをしているストーリーより、この息の長さと執着の強さが好きです。
※電子書籍 ebook 修正無し
映画化のニュースを見て気になっていたシリーズです。
『窮鼠はチーズの夢を見る』のみを読んだ状態でのレビューです。
いやもう…本当にゾクゾクした。
キターって思った。身体中から鳥肌が消えない。
ただ評価は結構分かれるようで、それも理解できる作品です。
地雷要素が多いし、キャラの性格もクセがあるし、ドロドロしていて怖いし、女性たくさん出てくるし、当て馬は全然サラッとしてないし。
と思ったら、レディコミ誌に掲載されてたんですね!
レディコミまったく読まないので知らなかったのですが、こういう作品もあるんだ…とビックリ。
妻からの浮気調査をきっかけに、調査員である大学の後輩・今ヶ瀬と再会した大伴。
今ヶ瀬は大学時代からずっと大伴に片想いをしていて、浮気をネタに関係を迫ってきます。
そして離婚した大伴の家に入り浸るようになり…
追うゲイ×追われるノンケの、アダルトなラブストーリー。
長年の片想い、執着、懐に入ってくる強引さを持つ男…そしてそれが男前や美形であれば尚良し!
ってことで、元々最高に好きなんですよ、今ヶ瀬みたいな攻めが。
強引に、でも多分諦め半分な捨て身の気持ちもありつつ、大伴への情熱をぶつけていく今ヶ瀬。
そんな今ヶ瀬が、大伴から攻勢をかけられると一転、顔を真っ赤にして照れて喜ぶのよ…それが愛しくて愛しくて。
あぁ、本当に大伴のことが好きなんだね…
一方、優柔不断で何でも相手主体で流されていく大伴。
相手の気持ちを気遣う優しさ…といえば聞こえがいいけど、要はすべて人任せ。
行動も責任も。相手に委ねてばかりのズルい男なのです。
ただ、この優柔不断さや狡さが今ヶ瀬の魅力をこれ以上なく引き出しているのも事実なんだよなぁ〜。
数々の名言や名シーンも、大伴の狡さがなければ生まれなかったと思うと、ホント悩ましい。
うーん、このジレンマ。
(あぁ…もっとごねて今ヶ瀬の魅力を引き出して…)
などと思う私も大概だわ。
ごめんね、今ヶ瀬。
でも私、あなたの執着や情熱がもっともっと見たいのよー!
最初は本心から「俺はゲイじゃないから無理」と言っていた大伴だけど、途中からは「俺はゲイじゃないんだから男とセックスしてはいけないんだ」と自分に言い聞かせて、気持ちに歯止めをかけようとしているように感じました。
大伴は今ヶ瀬が本気で迫れば、今ヶ瀬のせいにして抱かれるような男。
それがわかっているから、今ヶ瀬は決して最後までは手を出さず、大伴の「心」を待っていたのです。
大伴はどっちつかずでイライラするキャラではあるけど、やはりね、その壁を越えてしまう怖さはあると思うんです。
結婚歴もある30の男ですから、尚更、凝り固まった価値観やアイデンティティがあるのは当たり前。
『貴方もいつか本当の恋をしますよ。他人にじゃなく自分の内側から溢れてくる感情にどうしようもなく流される思いをするそんな時が来る』
という今ヶ瀬のセリフ。
私は大伴が今ヶ瀬に対して、感情が溢れて流れて止まらなくなる瞬間を見たくてたまらなかった。
ラストのセックスシーンはただのエッチシーンではなく、心の壁、性の壁が取り払われ、感情が激流のように流れ込む素晴らしいセックスシーンでした!
これには私も溺れたわ…
続編情報はまだ見ていないのですが、今作の皆様のレビューをちらっと拝見したところ、リバという単語を発見!
これにはさらに胸が高鳴ります♪
この作品を読む機会を与えてくれた「映画化」のニュース。心からありがとう!!!
記憶が正しければ、初めて読んだリバ作品だった気がします。この巻ではまだ逆転しませんが。一言で言えば、ノンケとゲイの恋を徹底的に突き詰めた作品。ノンケ且つ流されやすい男をものにすることが、本来どれほど困難なことかを思い知らされる、少なくともこの巻の印象はそんな感じです。ストーリー展開は非常に良質、でも私はノンケ受けの大伴をまだ完全には好きになれないので萌評価に留めました。
大伴を好きになったり、その魅力を理解しようとすることが必ずしも必要なことではないのかもしれません。ただ、私にとってはBLを読むにあたって、攻め受け両方の魅力を理解することは高評価の大前提なんですね。その点では、ゲイの今ヶ瀬は伏し目がちの表情も色っぽいし、大伴への愛が一切ブレなくて本当に魅力的なキャラなのに対し、大伴はそんなに冴えたビジュアルでもないし、いつまで経ってもあっちへふらふらこっちへふらふら、そもそもノンケとして生きるにしてもこんな男には引っかかりたくないと思うようなキャラなんです。
でも、それが限りなく現実的でもある。世の中、今ヶ瀬みたいに好きになった人だけを真っ直ぐ見つめていられるような人間ってそう多くはないんじゃないでしょうか。大伴みたいな人、男女問わずたくさんいると思います。今付き合っている相手を自分はちゃんと好きだと思い込んではいる、でも他の人から好意を向けられたら、簡単にブレてしまうような人。1人に執着したり依存したりすることのできない、来る者拒まず去る者追わずなスタンスの人。これはきっと、もう本人の意志ではどうしようもできない性格なんでしょう。
そして、そんなどうしようもない男である大伴に惚れてしまった今ヶ瀬の性癖も、本人の意志ではどうしようもないこと。傍から見てるとなんでこんな男に、とつい思ってしまうけれど人の好みは千差万別、今ヶ瀬に目を覚まさせようとすることなんて無意味。彼はもう大伴しか好きになれないのです。それが恋ですよね。好意も伝えてくれて浮気もしない、楽にいられる相手と一緒になって幸せになれたらいいのに、なぜか一緒にいると苦しいばかりの人にしか興味が持てない。それに加えて、ノンケとゲイという壁。どうしようもない性格の男と、どうしようもない恋愛性癖の男の、どうしようもない物語。これに萌え!最高!と躊躇なく感じるほど、私はまだ成熟した大人になりきれていないけれど、BL作品を愛する皆さんに一度は読んでみて欲しいと心から思います。メイン2人の行き着く先が分かりやすい作品ばかりを読んでいると、時々読み返したくなる作品であることは間違いないです。
わりに昔から目にしていて、今回小学館の割引フェアがあったので買って見ましたがなかなかよかったです。
どっちつかずな大判さんに多少イラっともしましたが、お互いの心情とか大人ゆえ、同性ゆえの葛藤は切なくもあり、ぐいぐい読まされました。
ここでおわるのか…ってところで終わってて続きますが買っちゃいました。
ノンケで相変わらずあんなとも寝るし、リバもありで全体からリアルさが滲んでて素敵です
「どうせ少女漫画のボーイズラブ」
発売された時はそんな程度で手に取り、読み終えて感嘆のため息をついた記憶があります。
今およそ10年ぶりくらいに読み返してみても良い作品でした。
攻めの心情、受けの心情、当て馬の心情、矛盾無く流れるストーリー。
さすがは水城先生だと思いました。
不倫やどっちつかずノンケが嫌いな方には地雷になると思うのでお気をつけ下さい。
これは、私が初めて読んだBLです。本当に切なかった。今ヶ瀬の大伴に対する見てて可哀想なくらいの重い恋情に胸が痛かったです。
優柔不断な大伴と重い今ヶ瀬って、端からみたら、ベストカップルなんですけど、なかなか上手くいかない(そこがいいんです!)。ゲイとノンケの恋愛の難しさを感じました。
大伴の(つまりノンケの)、男性同士の恋愛の世界に入ってしまうことへ怖さや葛藤がとてもよく描かれていると思います。すごくリアルなゲイ×ノンケのお話です。
絵がとっても綺麗で水城さんのコミックスはBL以外も購入しています。その中でも一番の作品だと思います。攻めの今ヶ瀬はすっごく受けの恭一のことが好きで腹黒なところもあるけど心は乙女なんです。そのちょっと分かりにくい気持ちを能天気な攻めにはなかなか伝わらず本当に苦労しますよね。題名は違いますがこちらが一巻目にあたり2巻目は俎上の鯉は二度跳ねるという題名で出版されています。両方買って続けて読むことをお勧めします。買って損は無し!
他の方のレビュー見ていて今ヶ瀬が女性的だという人がいて自分には全然わからなかったのでそうなの…?と。
自分は恭一の方に感情移入しました。自分は男性的な性格なのかもしれませんね。今ヶ瀬みたいな男性を振り回して追っかけられてみたいですね。今ヶ瀬すごくタイプです。でも恭一がゲイだったらここまでハマらなかったんでしょうね。ノンケだからこだわってしまうのかも。
水城さん漫画はすごく面白いけどananの小さいコラムみたいなコーナーではイラッとしますね、関係ないけど(笑)。
男同士の恋愛の葛藤がしっかり描かれていてリアリティがあり、セリフも心に刺さる物が多く色々考えされられる作品でした。
本作と「俎上の鯉は二度跳ねる」は同シリーズで2冊を通してこの2人のお話です。
本作を読み終え、期待しすぎたかな~と思いましたが俎上の~も読み全体を通して見ると決して綺麗な形でまとまっているわけでは無いけれど私にとっては心に残る作品でした。
受けの恭一が人に流されるタイプなんですがフラフラしすぎで少しモヤモヤする場面も。攻めの今ヶ瀬も実は面倒なタイプで、好きなのに信じきれなくて苦しいから離れるけど結局離れられなくて戻ってきてしまうの繰り返し。本作は恭一の流されやすさ、俎上の~は今ヶ瀬の面倒な所が目立ちます。
モヤモヤするし2人ともタイプは違うけれど感情移入出来ました。
俎上の~からは複雑になり、最後の方は胸が締め付けられっぱなし。俎上の~の感想はそちらの方に書きますが、普通に女の子とのエッチあり、リバありなのとすっきりしない終わり方が苦手な方には合わないかもしれません。
本作は神評価にはあと1歩…といった所ですが萌えでも無いなと思うので中立にしています。
女性的には敵な下半身軽いダメンズ大伴が後輩男に脅される構図をエロいと思ったからか、はじめは煮え切らないのに楽しめた。
途中からBL的には良い方向にいっているはずなのになぜか萌えられず、エロをエロく感じなかった。
大伴のダメ要素がたくさん出てきて、作者さんの術中だと思いつつも今ヶ瀬や元彼女はそれでいいのか?同じことを繰り返してないか?と思ってしまい………もっと人を惹きつける説得力が大伴に欲しかった。
上手い漫画でページをめくらせる力も強く、キャラも大伴含め共感できる部分があって嫌いじゃないけど、萌えられなかった。今ヶ瀬×大伴ペア萌えできなかったというのが正しいか。
水城先生のBL本初読みです。
最初、中身のタイトルそれぞれに関連性を感じなかったので短編集かと
思いましたが、すべて表題のお話でした。ストーリをがっつり読みたかったので嬉しかったです。
サラ読みかな?と思いきやドンドン話しに引き込まれました。
おもしろかった!
普段、BLはエロエロが好みなのですが、こういうストーリー重視のお話も大好きです。くっつくかくっつかないか(くっつくけど)諦めるか諦めないか(諦めないけど)、もどかしくせつない、堕ちていくおはなし。
ちゃんと最後にエロもあったので満足です●^^●ゲフー
手に入りそうでなかなか受け入れてもらえない今ヶ瀬の一途な思い、そして恭一に対してわざと諭すような上から目線のもの言いをしてしまう今ヶ瀬が切なかった。
恭一のどっちつかずのふらふら態度は好きになれなかったけど^^;
元カノとの三角関係?!も作品を盛り立てていい味だしていたと思います。
特に、なつき先輩と今ヶ瀬の言い争いは面白かった。
レディコミ誌で30代の主婦層をターゲットに描かれた漫画ということで、まさにそんな感じだなぁという印象でした。
一言で言えば、昼ドラっぽいです。
今ヶ瀬は既婚女性が共感&感情移入しやすそうなキャラ
恭一はターゲット層のパートナーによくいそうなタイプ
男女の恋愛モノとして描かれていればごくごく普通のカップリングなのですけど、これを男同士で描かれると違和感が………
女子脳キャラの今ヶ瀬にはまず萌えませんし、恭一は恭一で「こんな男のどこがいいんだ?」ってキャラなので愛でれませんし、他の登場人物も男女関係なく全員セコ過ぎる…打算的過ぎる…
良くも悪くもセコい大人の集合体なレディコミの王道キャラ群ではありますが、折角BLの体を取っているんだから一人ぐらい全力で挑む男前なヤツがいても良かったんじゃ…(-_-;)
ターゲット外の未婚女の遠吠えなので、評価は中立で留めておこうと思います(笑)
水城さんの作品は初読みです。
絵が少し苦手だったので買っていませんでしたが・・・某サイトのレビューの誘惑に負けて購入。
粘着質なゲイ・今ヶ瀬X流され侍ノンケ・恭一という設定。
三角関係に区切りを打つために集まり選択を迫られた恭一・・・その際元カノに告げる独白めいた言葉が印象的です。
確かに今まで女性ばかりを相手にふらふら~としていた恭一にとって、初めての男の人・・・その人にもしも捨てられたら?
今までの女性との別れとは比べものにならない不安な思い。
それがとても印象にのこりました。
また、鏡に映る今ヶ瀬と自分の姿に動揺する場面にも。
◆あらすじ◆
人あたりが良くてモテるけれど、いつも相手に流されるばかりで、自分から相手を求めたことがない大伴恭一(30歳)。
そんな大伴が、7年ぶりに再会した大学の後輩・今ケ瀬渉(28歳?)に大学時代から好きだったと告白され、浮気をネタに脅されて、関係を迫られるハメに。
同性愛なんて到底考えられないはずなのに、何故か今ケ瀬との関係にも居心地の良さを感じ始める大伴。
妻・高校時代の憧れのマドンナ・一番長続きした元カノという最強とも言える女たちと、ゲイの今ケ瀬を天秤にかけながら、「流され侍」・大伴が、同性愛、ひいては愛情というものの本質と向き合います。
◆レビュー◆
初出はレディコミ誌という、異色BL。
テレビをつければギター侍が残念な世情を小気味よく斬り捨てていた、あの頃の作品です。
少女マンガ的な画風が苦手で敬遠していた作品なのに、読み始めたらあっという間に魅了されていました。
私の手許にある本は、なんと新装版の16刷! でも、これだけ多くの人に読まれているのも納得です。
この作品の受け・大伴は、ある種の残念な男の典型のような人物。
大伴と同じような残念さを持つ男って、結構多い気が…ひょっとすると彼は、残念な男の典型というよりも、男というものが本質的に持っている女にとって残念な特性を、凝縮したようなキャラなのかもしれません。
大伴を通して男の本質に鋭く斬り込んだところに、この作品の面白さがある気がします。
この作品の中で、大伴の心理を容赦なく暴いていく役目を演じるのは、今ケ瀬です。
今ケ瀬は常に大伴自身よりも先に大伴の心理を読み、それを明快な言葉で読者に伝えてくれます。
「「駄目」って言う割に貴方はいつも無防備だ (中略)それってもしかして貴方なりの「YES」なんですか?」
という調子。
恋をして相手の気持ちが見えなくなる…というのが恋愛ものの定石だとすれば、今ケ瀬はかなり定石破りのキャラ(自信家キャラはベツモノとしてwです)だという気がします。
恋の当事者の心理の解説は、普通なら彼の相談相手などが担う役割。
そういう第三者的な役割も果たしつつ、一方で恋の当事者として大伴の煮え切らない態度に苦しむ今ケ瀬は、一歩間違えば自己矛盾を起こして分裂してしまいそうなキャラなのですが、逆に今ケ瀬のそんな危うい二面性こそが、他にない魅力に思えてしまう。
そこは水城さんの類いまれなバランス感覚のなせるワザでしょうか。
レディコミ作品という成り立ちのせいか、一般的なBLに比べて同性愛のハードルが高いのも、この作品の特色。
今ケ瀬は、大伴は本来女性のもの、仮に自分が大伴と恋人関係になれたとしても、それはあくまでも一時的な関係…と「弁えて」いるんですよね。
とても雄弁な今ケ瀬ですが、彼のスタンスはあくまでも待つ身なんです。
言ってみれば愛人体質。そんな今ケ瀬がけなげで、BLに慣れきった私には新鮮。
そして、それが愛情なのかどうかも分からないままに、今ケ瀬に対する執着心に目覚めていく大伴も、いつしか愛おしく思えてきて。
初めて自分から求めることを知った大伴も、そんな大伴の態度に、ますます深みにハマっていく今ケ瀬も、エロい。ものっそいエロいです。
非常にセリフが多い作品ですが、とにかく言葉のひとつひとつが磨き上げられたように的確で洗練されてることに驚かされます。
マンガというよりも、シナリオ。
絵も魅力的なんですが、圧倒的に言葉が光を放っている、マンガとしては稀有な作品だと思います。
惜しむらくは受けであってほしかった今ケ瀬が攻めだったという・・・
でも・・・あー、なるほど。
というわけで、私と同じ不満を抱いた方には、ぜひ続編「俎上の鯉は二度跳ねる」を読むことをお勧めします。勿論そうでない方にも。
対象年齢が高い雑誌に掲載されていたおかげで、登場人物の精神年齢が高かったです。もういくつも恋をしてきて、社会生活や結婚もして、いろいろわかったお年頃。でも、本当に大人になるにはまだ深みが足りない、そんな設定。
だから今更小さな駆け引きなんかじゃ動かない。いろいろと考えることだってある。だからこそできる恋、という気がしました。
印象的なシーンが惜しみなくちりばめられていて、読みごたえがありました。
恭一はたしかに流されていますが、愛も好きも簡単には信じられない。彼なりの納得のいく答えを探しているだけで、ものすごく「愛」を真摯に信じているからこそなんでしょうね。半端なところでは納得できない実はものすごく誠実な人なんでしょう。
今ヶ瀬は、めんどくさいことこの上ない性格ですが、女性の厄介なところを凝縮したようなタイプ。女性なら誰でも、自分の中に今ヶ瀬的な部分を持っていると思います。
そんな二人が織りなす恋愛論はみっちり濃い。そして誰にでもどこかしら琴線に触れる部分があるというミラクルな作りになっていました。
そりゃあ名作になるわな、と納得。
素晴らしい。
最初に読んだときは、恭一の流され侍っぷりに呆れ、なんで今ヶ瀬はこんな男を一途に想って執着するのか理解できなかったけれども、もう一度最初からじっくり読むと、今ヶ瀬の理屈ではなく人を好きになってしまったどうしようもない想いの台詞に打たれてしまった。
人を本当に愛するということには条件や理由はなくて、ただ愛したいから愛するという今ヶ瀬の一途な想いが、流され侍で愛のないセックスを繰り返す恭一の虚しい心に届いていく過程にドラマを感じた。
まだこの刊しか読んでいないけれども、続きも楽しみ。また恭一は流されるらしいが、それが人間だなあと感じて、どんな終着になるか期待でいっぱいです。
流され侍恭一と生粋のゲイ今ヶ瀬のお話。
正直1話(キッシング・グーラミー)の時点では、はっきりとしない主体性のない恭一にも人を食ったような態度でかかる今ヶ瀬にも共感できず、表紙買いに失敗したと思ったが、不思議なことに2話、3話と読み進めていくうちにどんどんと水城先生の描く恋愛模様に飲み込まれていってしまった。
読んでいて魅力を感じた点のひとつは大抵のBLは片方がノンケという設定でも強引にされてしまえばコロッと落ちてしまうのが大半なのだが、この作品では一貫してノンケはノンケ、ゲイはゲイとして描写されているところだ。
続編の俎上の鯉は2度跳ねるを読んでもらえるとよりいっそう感じると思うが、恭一は最後までノーマルでゲイの今ヶ瀬のすべてを受け入れられたわけではなかった。
そこが切なくもあり、ノーマルとゲイの恋愛のリアリティーを一層引き立たせている。
ボーイズラブとしてではなく恋愛の本質を描いた漫画として、おすすめしたい漫画。
本当の恋とは、なにか?
ただそれだけを、丁寧に丁寧に描いた作品。
恭一に焦がれる今ヶ瀬の科白が、秀逸。
見た目が綺麗で 人間ができていて 自分にいい思いさせてくれるような
そんな完璧な人を みんな探してると思ってるんですか?
貴方はそういう相手しか好きになれないんですか?
いい歳して 本当の恋ってものを知らないんですね
恭一は、本当の恋を見つけることができるのか?
***
表紙に描かれた
「キッシング・グーラミー」(同タイトル)
「蛇」(楽園の蛇)
「月」(黒猫、月を見る)
「黒猫」(黒猫の冷えた指先)
「鼠」(鼠、袋小路で考える)
「チーズ」(窮鼠はチーズの夢を見る)
もお洒落。
読んでいると引き込まれるし面白いんですけど、他のBL作品とは全く違う空気を纏って
いて、キャラの台詞に色々と考えさせられてしまいました。特に、今ヶ瀬がいちいち
痛いところを突いてくるというか…。
まぁそれも、今ヶ瀬が思いを寄せている大伴が、例え彼女がいたり結婚したりして
いても、相手の女からモーションかけられたら関係持つよ。でも相手から寄ってきて
仕方なくだったから、自分は悪くないよ。だけど相手には言わないで。という、超絶
甘ったれ流され侍な所為なんですけどね…!今まで読んだBLの中で、一番の流され侍と
言ってもいいくらいです。
今ヶ瀬には流されそうで流されないのに、女にはまぁ流される流される。(流される
って何回言うんだろう…)でも、それがやけにリアルなのも事実。最低だけど、絶対
こういう男いるよね…と、思いながら読み進めてました。
そして個人的に大伴みたいなタイプはものすっごく苦手なので、大伴を一途に思い
続けている今ヶ瀬がめちゃめちゃ可哀想でした。皮肉っぽいこと言いつつも、何だ
かんだ素直で可愛いところが好きだったので余計に…。今ヶ瀬といい雰囲気になって
来たー!とホクホクしてても、大伴の女に言い寄られたらとりあえず着いてく的な
スタンスは変わらず…。何なの?さっきまでの良い雰囲気忘れたの?と、何回イライラ
したことか。
最後の方で、今ヶ瀬の前で大学時代に付き合ってた元カノを選んだ時も、あぁコイツ
本当に駄目だな…と思いましたが、その後の流れが切なかったけれど気持ちがよく、
今までのイライラを大分吹き飛ばしてくれました。今まで人に好意を向けられたら
ついて行き、愛想を尽かされたら当然追いかけたりなんかしなかったあの大伴が、
自分から離れていった今ヶ瀬を追いかけて、今ヶ瀬の男にやきもちを焼くという!
キター!と思いつつも、また大伴が他の女にほいほいついて行くんじゃないか不安で、
やらかすページ数が残っているのか確認してしまいました(笑)今までがアレだった
のでつい…。
ここにたどり着くまで半端なく長い道のりだったけど、今ヶ瀬はきっと、自分が好きと
言って大伴が何かアクションを返すんじゃなく、大伴から好意を向けてくれるのを
ずっと待ってたんだろうなぁ、と思いました。
ハッピーエンドでもただのハッピーエンドではなく、何か一生懸命に掴んだから
こその幸せ、と言いますか……とにかく、今ヶ瀬性質の悪い流され侍相手に根気よく
良く頑張った、と言いたいです。
こちらの掲示板で教えていただいて購入しました。
実は水城さんの某人気作品を1巻で挫折した経験があり、敬遠していた作家さんだったのですが。すごいです。すっかりやられてしまいました。こちらの作品も超が付くほどの人気作品だったのですね。
内容は皆さま書いてくださっているので感想を。
個人的に恭一のような人ってホント嫌いなんです。いや、ごめんなさい。
でもあっちへふらふら、こっちへふらふら。自分の主張はないんかい!下半身が緩すぎるし最悪。とりあえず女の子が嫌な気持ちにならないような上辺だけの気遣いが出来るところも不愉快だし。
今ヶ瀬もね~。強気で攻めているかと思えば「どうせ女のところに行っちゃうんだよね」って自己完結しちゃってる。健気なのか、図々しい強引男なのか。どっちかにしろよ~~!
二人とも友達にはなれないな~。なんともめんどくさい奴らだ。と思ったのですが。
でも人間の本質ってこうなのかもって思いました。
そんなに人間って強くないと思うし。恭一のように楽な方へ流れてしまうのはよくあることだし、今ヶ瀬みたいにネガティブな気持ちになるのも、フラれたときに「やっぱりね」みたいな自分を守ってくれる壁みたいなものがあった方が傷が深くない気もするし。
「白か黒か」ってはっきりつけられないことって現実多いし。
大人になれば周りの目とか世間体とか気になるし、自分の気持ちだけで行動できないことなんてたくさんある。
最後の方で、恭一が「男とは付き合えない」と思いながらも今ヶ瀬の残していった煙草の吸殻を捨てられないところも、諦めたほうが良いと思いながらもどうしても恭一を求めてしまう今ヶ瀬の想いも、そういう点ですごくリアリティのある話だと思ったし切なかった。
以前水城作品を途中で挫折した経験から、とりあえずこちらのみを購入してきましたが、続編である『俎上の鯉は二度跳ねる』も読んでみようと思います。
年下健気攻め×流されノンケ受け
女性へ男性へとふらふら流されまくる主人公・大伴とそんな大伴をただひたすらに愛する攻め・今ヶ瀬のお話です。
水城さんは少女漫画も書かれているので(今は少女漫画中心かな?)絵柄は少女漫画風なのですが、お話は醜いトコロもしっかりと描かれているドロドロな昼ドラ風です。
そして大伴がノンケなため、女性との性交シーンも少しだけあったりと、苦手な方はとことん苦手かもしれません。
シリアスがお好きな方や、作品にリアリティを求める方は楽しめるのではないかなぁ、と…!
だけど、とにかく、今ヶ瀬が魅力的なのです。
強引攻め?とんでもない!健気攻めです。
大伴が好きで好きで好きで仕方がない今ヶ瀬を応援したくなる、ふらふらと流される大伴の背中を押したくなる。
心情表現が細かく、それぞれの気持ちや葛藤がきちんと描かれているため、ぐっと奥まで入り込める、そんなお話でした。
読んで損はないどころか、読まないと損な作品ではないかと…読んだことのない方にはぜひぜひおすすめしたい一冊です。
大学のころから、恭一のことが好きだった今ヶ瀬は、今は調査会社の人間として、恭一の妻からの依頼で、彼の身辺を調べる仕事をしています。恭一は仕事も家庭もつつがなくこなしているように見えるのですが、実は恭一にも、妻知佳子にも溝があるのです。なんとしても結婚生活を続けていきたいと思う恭一は、今ヶ瀬との「取引」に応じます。大学時代、どんなに望んでも手に入らなかったものが、今の弱みを握った彼にはすんなり手に入るのです。どこか嫉妬深い今ヶ瀬と、何かと快楽に溺れてしまう恭一。恭一には、何か自分の譲れないものがないのか、少し痛ましいくらいでした。自分が快楽に溺れる分にはともかく、相手まで巻き込んで、悲しい結末を迎えてしまうのは、ハッピーエンドではない気がして仕方ありませんでした。
あるときは妻知加子と、別れたら今ヶ瀬、そして同窓会で再会すれば、美咲と仲良くするのです。本音のまま生きようとする黒恭一、正しいこと、世間を第一に考える白恭一、もうめんどくさいことはごめんだというグレー恭一の葛藤が面白かったです。
この本を読んでBLの扉を開いてしまいました。
少年、少女、レディス、と青年漫画とか、ジャンルを超えて読破していたけれど、BLだけは~と思っていた私は、何となく作家さんに魅かれ、試しにと電子書籍でレンタルしてみました。
大学でず~っと恭一を好きだった今ケ瀬は、探偵の仕事で恭一の弱みを握り、キスだけと迫ります。一回だけならと、受け入れてしまう恭一。
しかし、2度目の弱みを握られ、ちょっと激しいキス(?)を受け入れてしまう恭一。
その弱みは、結婚している恭一の浮気…もう過去になっていたけれど、流されてましたね。
誘われたら流されて、関係を終わりにするのは女性の方からですね。
本当に、大学時代もそうだったらしいので、…流され上手なのね。
離婚した恭一の部屋に入り浸り、好きですと迫る今ケ瀬にキスとか許すけど、一線だけは死守する恭一。
今ケ瀬の気持ちが可愛くて、時には切なくて、もう良いじゃん一線越えてしまえと何度か思ってしまった…男×男は苦手だったのに(>_<)。
そして、恭一の元カノ(夏生)が現れて…今ケ瀬と火花がパチパチ_
「あなたに本気だされたら俺に勝ち目はありません。だからお願いしているんです。消えてください」という今ケ瀬に
「負けを認めるならあんたが消えれば?」と返す夏生。
…パチパチと言うよりバチバチかな。何だか二人とも一歩も引かず、見事ですね。
だけど、恭一は今ケ瀬を選んでしまいました(T_T)
姿を消す今ケ瀬と、その時やっと自分の気持ちに気づく恭一。
偶然再会した、タクシーの中での会話の今ケ瀬の気持ちが切なくて…
恭一に受け入れて貰えて良かったねと思いました。
最後は恭一も自分で選んだのよね…と思ったけど…
(やっちまったな)とか(さあこれからどうしたらいい…溺れていくのかな)と考える恭一に
また…流されたのか~今ケ瀬に流されたのか~もう溺れてしまえ~
と心の中で叫んでしまいました。
そして、続刊の「俎上の鯉は二度跳ねる」が出ているのを知り、この作品を共にコミック本を購入してしまったのでした。
なので、この本は、私に新たなBLの扉を開けてくれた神の本です(^O^)
BLとして見ると駄目なんだけど、レディコミ枠なら間違いなく神評価だと思います。
お話としては、このドロドロ加減が昼ドラみたいで面白かったです。
恭一は見事な流され侍で、本当にダメ人間代表のような人ね・・・。
でも面白いことに、世の中にはこういう男に確実にハマる女がいるのよねぇ。
そしてこういう男にハマるゲイがいるとこんな物語になってしまうのね!
男と女が一人の男を取り合うなんで、地獄を通り越してもはやコメディだわ。
大伴恭一という人物は、おそらく本当の意味で愛されたことのない人間なんだと思います。
ゆえに好意を寄せられると簡単に関係を持ってしまう。
それが男でもいいっていうところが恭一の貞操観念の低さとずるさを表していると思います。
恭一は相手が押せ押せできたら何股だろうと関係無く寝ちゃうけど、
それは「君がどうしてもって言うから・・・」という言い訳ができるから寝れるわけですよね。
つまり寝ちゃった理由を相手のせいにできるわけです。
断りきれない、優しいふりをして自分が傷つかないようにしている、とても狡くて小心者ですね。
そしてそういう断りきれない性格を逆手に取って迫るゲイの今ケ瀬もまた狡猾な男と言えると思います。
そういう意味ではお二人さん、お似合いですね。
人間としての魅力が皆無なので、BL的評価は低いのですが、
本当に興味深い作品だと思います。
実はずっと水城せとなさんに苦手意識もっていたのです。
しかし最近某少女漫画をちら読みした時、もしかして凄い人だったのでは!(絵柄もとっつきやすくなっていましたし)と思ったので、こちらを挑戦してみました。
あぁ、やられた。
この重苦しさがたまらない。
女に弱く浮気を繰り返す恭一も、恭一へのストーカーぎみの行動を繰り返す今ヶ瀬も、嫌われるラインぎりぎりのキャラです。
一言で言うと、醜い。でもそれが恋であり人なのでしょう。
深いところは語られてないけど、恭一は愛情に飢えている。だから好かれればほいほいついて行ってしまう。すべて相手が主導の関係で。
自分がない人なんだなぁ。この人の行動は哀しみを感じさせます。
そして誰よりも深い愛情をくれる今ヶ瀬に徐々に惹かれていくのですが、その少しずつの歩みが好きです。
普通、同性に惚れられて直ぐにはその気にはなりませんもの。
今ヶ瀬は被害者であり加害者。
どんなに好きでも相手はノンケの男で、廻りの女性に勝ち目のない戦いなのです。
恭一と一緒にいるために必死でやり方は姑息でヒドイのだけど、いつだって恭一に逃げ場を用意してるところが心憎い。
酔った恭一へ放った吐露があまりの言葉の数々で「私が全面的に許す!(涙)」と思ったのは私だけではないのでは。
あんな言葉を言われたら落ちます。重くて逃げ出すかもですが。
結局、恭一が追いかけたのは今ヶ瀬だけなのでしょう。
ラストに自分の想いを直視せず、これまで通り流されていく風な恭一で終わりますが、きっとこれが彼らしさなのでは。
流されるのは悪いことばかりじゃないよ。
所々に入る何気ない彼等はのやり取りが笑えて、作者のセンスを感じさせます。そういうところも素敵。
愛とは奪い傷付け合うもので、心と身体を埋め合うものでもあると改めて思わせてくれた作品です。
BLでありながら、ちっともBLじゃない作品、というのが第一印象です。
大伴の流され侍っぷりがハンパなく…イラッときますなーw
ただ、こういう男性っていますね。えぇ。
この作品はそういう生々しい「男性」像を
今ヶ瀬という「ゲイ」を当てることによってあぶりだしているともいえます。
BLの世界には「ビッチ受け」っていう受けのカテゴリーがありますね
だれかれ構わず言い寄っていっちゃうタイプですねー
これが攻めになったような状態が大伴かと。
水城センセイって、フェミニズムにも一家言ある方なんでしょうか??
だってね、こういうのをフェミニズム文脈で読むとちょっと面白いじゃないですか。
男性があちこち浮気していても「武勇伝」として語られるが
女性があちこち浮気していると「尻軽女」として人格を疑われる
80年代90年代のフェミニズムはこーいう観念を「ダブル・スタンダード」
(平たく言えば性差別)として憎んできた歴史があるわけですが、
大伴のように、女に誘われるとフラフラ・・・まではいいとして、
ゲイにも言い寄られてフラフラ…となると、
男性でありながら「武勇伝」にも「自慢」にもならないのがよくわかる。
むしろ、尻軽女以上に最悪!かもしれない。
そういう意味では大伴の流され侍っぷりというのもニヤリとさせられますが…。
でも、BL的には趣味じゃないなぁ(笑)今ヶ瀬も大伴も。
BL好きでこのカップルを知らない人はいない。
それほど「流され侍」人気があります。
私もビックリしましたよ。
少女漫画の雑誌読んでいて 口あんぐりしたなあ。
それほど 衝撃だったんです!!
堂々と BL。
男同士の恋愛とはなんだ??
みたいなキャッチフレーズ出ていなかったかしら??
私も ドハマリしました。
今ヶ瀬が好きだった。かわいいもんね。
一途です。ストーカーです。粘着がハンパないです。
相手が流される男で良かったね!!
「数々の女に落とされ捨てられ、漂流し続けたあげく、粘着質な押しかけゲイ(今ヶ瀬)にハメられる羽目になった恭一先輩のお話」です(笑)
身も蓋もない要約をしてしまいましたが、ざっくり言うと本当にこんな感じww
あとは、恭一先輩の元カノである夏生先輩が出てきて、今ヶ瀬とちょっと修羅場っぽくなります。しかも夏生先輩は、ただの当て馬キャラではなく、結構魅力的で重要な役割を果たしているのです!
というか、BLの主人公で、しかも受けで、すでに結婚している所から物語が始まるのって、すごいと思いませんか?
私はこんなBL、初めて読みました。
そして読み終わる頃には、ダメ男の恭一先輩も、さらにダメ男の今ヶ瀬も、なんだか愛おしく思えてきちゃうのが不思議です。
他のBLマンガ的な萌え要素はないけれど、読みごたえのある作品でした。
神ですよ!
こちらでのみなさんの評価は間違いないなと
思います。
なんかすっごい面白かったです!!
人間ドラマなんですよ…ただのBLじゃないんです!
流され侍がほんっとにイライラするのです!
現実にこんな男いたら本当に張り倒したいくらい…いや恭一を。
でもこんな人間結構いそうだなとも思います。
まさに流され侍の恭一を学生時代から一途に思う今ヶ瀬くんも
結構面倒くさい奴だと…
流されやすい奴には重すぎるくらいの人間の方がきっと
ちょうどいいんですね
Q&Aで話題になりましたので、以前自分のブログにアップしたレビューを転載させていただきます。
「窮鼠はチーズの夢を見る 」「俎上の鯉は二度跳ねる」をまとめてのレビューになります。
(結構危険意見なので、以下、地雷発動ご注意!)
もしも、自分の彼氏にゲイが真剣に惚れてしまったら?
を、想像すると女性としてはかなりの恐怖だと思う。
もしも、自分の彼氏にゲイが大真面目にモーションをかけてきたら?
これはもう太刀打ちできないんじゃないかなあ。
だって、テキは男性の心をよくわかっているだろうからかゆいところに手がとどくようであろう、性的快感もよーくわかっているだろうから至れり尽くせりだ。
はっきり言って勝ち目がないんじゃあないか?
ま、男性の大半は遺伝子レベルで「ホモが嫌い」らしいので、こういう心配は現実にはあまりしないと思う。
だが、女性とゲイが恋愛で同じ土俵に立つことを仮定すると、相当のド修羅場が展開されるであろうことが想像できる。ストーリーテリング的にはおいしい展開だ。
しかし、私が知る限りBLで、こういう作品はたぶんほとんどない。
BLの読者の大半が女性なので、女性がリアルに戦慄してしまう作品は、なかなか書けないのではないだろうか。「あったら、おもしろいだろうに」と、常々思ったいたら、「窮鼠はチーズの夢を見る 」「俎上の鯉は二度跳ねる」 を読んだ。
まさにそういう作品である。
この2冊はBLとして評価が高かったのだが、「BL」と言い切っちゃっていいのかは、ちょっと疑問だ。
BL=女性向けの同性愛ファンタジーと定義するなら、その範疇を越えてしまうのだ。
初出はレディコミだったそうだ。
主人公・大伴は、ノンケであるが、女性関係が来るもの拒まず去るもの追わずで、2冊のコミックスの中で都合4人の女性と関係している。妻・不倫の同窓生・元カノ・職場の部下の新人OL。「女性のテキ」呼ばわりされておかしくない状態である。
しかも彼なりにはそれぞれの女性に誠意をもって対応しようと努力しているところが非常にタチが悪い。
女性キャラがたくさん出てくるということは、どの女性キャラも魅力的に描かれており、相当にしたたかだ。
彼に恋するゲイ・今ヶ瀬と直接対決するのは、元カノの夏生だけだが、彼女が大伴に復縁を持ちかけるところの台詞
「…ちょっと長いケンカが終わったって考えない?」
上手すぎて思わずのたうちまわってしまったくらいである。
ゲイの今ヶ瀬は大伴の大学時代の後輩で、調査会社の調査員。大学時代は大伴に切ない片恋をしていたが、大伴の結婚後の女性問題を「奥さんにバラシますよ」とネタに関係を脅迫してくる。
脅迫から始まった大伴と今ヶ瀬の関係は加速度的に進んでいき、「まだ、この上ヤバいレベルがあるんかい?」と、次へ次へと進んでいく。
登場人物の誰もが善人でも悪人でもなく、「この人が唯一の運命の人」というBLのお約束はまったくない。
最終話まできて、
「結局、恋愛って何なんだろう?」
との命題にまでたどり着き、それでもまだまだ人生は続いていく予感をさせて終わるラストに、感動を覚えた。
こういう話は純文学のジャンルになるかなと思っていた私を、軽く裏切ってくれた。
水城さんのお話は少女漫画をいくつか拝見したことがあります。綺麗でこざっぱりしたラインを描かれ、作られる恋愛も大人向けな作家さんだと認識しておりました。
この作品、彼女の中でボーイズ・ラブのカテゴリには属さないようですのでこうしてレビューするのはあれかなぁ…とも思いますが、私としても萌える萌えないとかではない作品です。メンズ・ラブに近いのかな?
ノンケ×ゲイ×ノンケのリバで、これはゲイカップルさんの現実に近いものもあり、第三者目線で読める作品でした。
お話自体素晴らしく、BLコミックによくある絵で語る!なタイプとは違い文字の多い作品ですが、萎えることもなくフムフムと拝見でき、今ヶ瀬と恭一の行く末が気になり読了しましたが、如何せん感情移入が出来なかった節がございました。
多分…恭一がびっくりするくらい浮気モンだったからかなぁ…(笑)
まーとにかくヤリ●ン、そこはかとなくヤ●チン、不倫するし誘われたら寝るし、 お ま え !と思いました。三十路でバツイチで(いや新婚のときもでしたが)そりゃないわ少しくらい節操持とうぜ!な。
その分、狂おしい程恭一に惚れている今ヶ瀬の味方になりっぱなしでした。
ですので萌え如何の評価はなく、私としては至って中立です。しいて言うならば、今ヶ瀬に抱かれているときの恭一の表情と恋に病んでいる時の今ヶ瀬の切ない表情に辛くときめきました。
この二人の、恋よりも愛を感じれる作品だと思います。
少女漫画というか、とりあえず一応not腐女子向けなんですね…びっくりしました。データのコミックが苦手なので単行本購入です。
あれよあれよとほだされるノンケも嫌いじゃありませんが、葛藤しまくるノンケは大好きです!
しかし恭一はあらゆる面で流されすぎて苛立ちとか通り越して心配になりました(笑)
今ヶ瀬は毎度毎度余裕ありそうな振りして必死で…何回悶えたことか!
一番ぐっと来たのは表題作「窮鼠はチーズの夢を見る」
今まで今ヶ瀬と真っ向勝負だった夏生が見せる表情の一つ一つに胸が苦しくなりました。彼女には幸せになって欲しいです。
煙草の吸い殻のことを今ヶ瀬が気付くくだりはとにかくやっとか…と安堵しながら見てましたね(笑)
買って早々に続編購入を決意しました。書き下ろしが加えられているということなのでそちらも単行本を(・ω・)
キツい話なんだろうなと恐々読み始めたけれど、思いのほか笑えたし楽しめた。そして何より女が怖かった。夫の浮気を突き止めてから別れを切り出そうとする計算高さ。結局彼氏を作って、最後に「キモチワルイ」と吐き捨てた、可愛い顔を裏切る容赦のなさには序盤にして強烈なインパクトを受けた。他、甘えるふりして自分のストレス発散に男を利用する人妻。過去の男に復縁を迫る頭の良い女は手に入れる為ならライバルを正面きってこき下ろす。この女たちに比べて、好きな男から貰ったライターをずーっと大切に使い続ける今ヶ瀬のなんといじらしいことか(と言っても今ヶ瀬も恭一以外の男に対しては相当酷いことしてるか。爆)。恋愛に対して現実的で利己的でシビアな女たちと、それとは対照的な夢見がちで優しく愚かな男たちの話。そう考えると今ヶ瀬は半分女と言えそう。
主人公である恭一は「相手が自分を好いてくれる」から自分も相手に尽くし、もう一方の今ヶ瀬は「自分が相手を好きだから」尽くすタイプ。
恭一の恋愛対象の基準が自分を好いてくれる人っていうのがすごくリアルで共感できました。
世界中のだれよりも自分を愛してくれる人が男だったら?
一緒にいて楽しいし落ち着く。だったらその相手を好きってことなの?
など、恭一の苦悩は続きます。
「好き」という漠然で曖昧な感情がテーマになっていて、とても深い作品でした。
ちなみ恭一は誰にでも優しくて、相手が新しい服を買ったとか些細な変化に気づける男なので、実際いたらすごくモテるだろうなと思います。
私の中では“衝撃作”でした。
普通のBLと思って読んでみたら・・・BLはもちろんだけど
ちゃんとした恋愛の、細かく心理が書かれている
読み応えのある本でした。
本の中にも出て来る言葉だけど「流され侍」な恭一。
この流されっぷりたるや笑える。
言い寄られれば浮気でもなんでもOKしちゃうような人。
誰が傷つくとか、そんな事は一切考えてなさげ。
その恭一の事を大好きな今ヶ瀬。
全編読む前に、まず数ページのチラ見をした時に
今ヶ瀬が恭一を軽~く脅していたシーンを見て
強烈にワガママ勝手で強引な今ヶ瀬・・・という印象を持ち、
ダラダラ冷や汗かきながら、家庭を守るためとか何とか
思いながら流されている恭一が
この先どうなるか?と面白がって全編が読みたくなりました。
そしたら・・・そういう意味での面白がる、というのではなく
かなりシリアスな内容で重い。
でもその重さは、自分のキライなタイプの重いのではなく
中身がギッシリ詰まっているという意味の重さでした。
中身がギッシリ詰まっているから、何度も何度も読める。
読むたびに、その時々で受ける印象も違って
前に読んだ時には、この2人はこんな風に思っているんじゃないか
と感じていたものが、また違う意味に感じ取れたり。
何度読んでも面白いです。
私がBLにハマるきっかけとなった作品。
新装版にはレビューしてなかったので、しておこうかなと思って。
この作品、携帯の電子書籍サイトからも購入してるし、旧版も新装版も買ったし、ホント何種類買わせるんだよぅ!と思います。(自分がやったことですがw)
なにげなく読んで、めちゃくちゃハマったんだよね。
BLにまったく耐性がなかったこともあって、私は恭一の反応は当たり前だと思いながら読んでいた。のちにBL界にどっぷり足を踏み込み「BL界でのノンケはやすやすと男に落ちる」ことを知り、恭一の腐女子人気の低い訳が分かったような気もしたけど。
もちろん私も心情的に強烈に今ヶ瀬に惹かれた。心から彼を応援し、彼のために心を痛め、彼のために泣いた。でも客観的に見れば、今ヶ瀬という男は「妻帯者に横恋慕し、脅して関係を強要する」人間なのだ。
かたや恭一は、「妻がいながらも、ふらふらと愛なき不倫を繰り返す」人間。
まあどっちもロクな人間じゃないw
ただ(これもBLをたくさん読むようになって分かったんだけど)、今ヶ瀬の悪行の動機は「恋愛感情」なんだよね。腹黒なのも粘着なのも恋ゆえ。だから多くの腐女子は今ヶ瀬を許し、いや、許すも許さないも最初からなくて、それが動機なら(あえて極論すれば)「善」なんだろうなと。
BL界における恋愛感情は正義なのだ。そしてそれは、目に見えないBLルールだったりする。
翻って恭一が流され侍をやってる理由に「愛」はない(厳密にいえばあるんだけどね)。でもそれは「悪」なのだ。だから人気がないんだろうなと。
私はそんな恭一が好き。
恭一の柔軟さが好き。彼は相手しだいでどんな形にもなる。だからといって自分がないわけじゃない。
本質的な部分で強靭な優しさや寛容さを持っている人だ。
続編の『俎上~』も含めて、恭一は繰り返し今ヶ瀬に重要な言葉を投げかけるんだけど、本質的な部分を今ヶ瀬は分かってなかったように思う。
このへんのズレの描き方、読めば読むほど秀逸で、水城せとなさんの神っぷりが出てると思う。
『俎上~』の恭一の最後のほうの言葉は、今ヶ瀬に理解してもらうことへの諦めのように感じる。分からないなら分からないでいい、でも俺は分かってるし、分からないお前をまるごと愛してやろう、という決意だろうなと。
やっぱ気合いはいって書くと文字数が足りなくなる。
ともふみさんとは好きな作家さんの趣味が本当に似てますもんね。つまり解釈の仕方も似てるんじゃないかなとじつは私、勝手に思ってたりしますw
そのうち私もレビューしますが、交渉人シリーズの新作のともふみさんのレビュー、めちゃくちゃ頷きながら読んでました。もどかしく感じた部分がまんま同じだったもんで。
『窮鼠~』は数年前、ハマった直後にありとあらゆるサイトやブログで他の人の感想を読み漁ったんですが、恭一のあまりの人気のなさにへこんだ記憶がw
恭一、大好きだ!
もちろん今ヶ瀬も大好きだ!
なにより水城せとなさんが大好きだ!
こんばんはむつこさん。
作品&キャラへの解釈にびっくらこくくらいシンクロ……というか、うまく言葉にならなかった部分を文章にしてもらえてスッキリ。ありがとうございます。10回くらいボタン押して、レビューを以下同文に直したい勢いでまるっと同意!
同じく恭一の人間性が好きです。やっぱり少数派なんですねー
ズレを抱えたままの平行線なラストも、リアルな分重みがあってめちゃくちゃ好きです。
ああ~早寝するつもりが、レビューに触発されてひっぱりだしきて読んでしまったじゃないですかww
いっとき評判だったこの漫画をやっと読んだのですが。
絵にもセリフにもひっかかるところがなく、「セリフが多いなあ」と思いつつ読んでるうちに終わってしまった感じです。
(イチバン「お!」と思ったセリフは妻が別れを切り出した時の「あたしが何かを言うのを待ってる空気がもう キモチワルイの」というセリフでした。受けの主体性のなさ、確かにキモチワルイかも。)
エロも多いのですが、ピンとこなかった。(絵柄が少女漫画的で、肉体をリアルに感じなかったせいかと。どんなに激しくてもピンとこないだろうなあ、これはもう、絵のシュミの問題か)。
また、攻めについて、執着している様子は主にセリフなどで語られているが、執着している心情が、少なくともわたしには、伝わらなかった。
恭一(受け)のどこがいいのかが、描かれていないせいもあると思います(それが恋だから、とか良い人だから好きになるわけでないとか、言われても。
そうした言葉だけでなく、今ヶ瀬が恭一に惹かれるきっかけになるエピソードがひとつあれば、ずいぶん変わったと思うんですが…)。
すません、わたしにはさほど面白くなかったです。
女性とのカラミが多くて、フラフラ流されまくり侍の攻(受)が出るって
話を聞いてたので手を出すのをためらってたんですが、本屋で表紙を見て
しまったら、もう買わずにおれませんでした。
読んだこともないのに「流され侍」って言葉だけは知ってて、
一時マイブームのようにことあるごとに「私って流され侍やから」
ってのが口癖になり、腐友の見分け方としてボソッとつぶやいて
カマかけてみたり、まぁ友達は見事に反応してくれました。
あんなに先入観だけで毛嫌いしてた恭一ですが、読んでみると、
まぁ確かにまた女と寝るか!?って何回もピキピキ腹立ちましたが、
ノーマルな男としてはどうしても今ヶ瀬とすることに抵抗があって
あちこち放浪の旅をしてしまったのかと思えなくもないんですけどね。
今ヶ瀬ファンとしては他の女と寝られるたびに切なくなりましたよ...
まだ1回もヤラせてもらえてないのにさぁ~
水城さんの描く女性は現実感ある女性ばかりで、そのしたたかな行動が
憎いのは憎いんですが、もし自分だったら同じことしてるかも...って
思うとそこまで憎みきれない。
イヤ、逆に現実感ありすぎて余計にムカツクのかも...
美咲に誤解されるシーンも、夏生に今ヶ瀬が「さよなら」って言う
シーンもスカッとした気分でザマーみろって思ったのが正直なところ。
よく考えたら、流され侍に振り回された↑の2人も被害者なんですよね。
今ヶ瀬も結構ヒドイ男です、恭一以外の男に対しては...
かわいい同棲相手の前であんなこと言っちゃぁかわいそすぎる~!
タクの中での電話相手もメンドクサイ扱いですから~!!
でも、このタクの中でのシーンが萌える!!
吸い殻を捨ててないことを知った今ヶ瀬の反応がかわいいんだなぁ~
あぁ、このタクシーの運ちゃんになりたい...
間違いなくバックミラーの見すぎで事故って、2人をあの世送りに
してるでしょうが...
大学生の頃の2人がかわいですね~
今ヶ瀬、切ないよ。一途過ぎて切ない...
夏生を追い返した後の今ヶ瀬の告白に一番キュンキュンしました。
体だけはいろんな男とつながりつつ、心だけは学生の頃のまま恭一に
向かっている。
「俺にください」って泣きながら訴える今ヶ瀬がたまらなく愛しいです。
そして恭一からのキス。
この本で唯一恭一がカッコ良く見えたところかな。
今ヶ瀬と夏生の2人きりの会話好きですね~
夏生のセリフがまさかこうくるとは!?って感じで、これがBLと
分類されないとこでしょうか?
本仁さんの「恋僕」ですらこんな強い女じゃなかったような...
でも、夏生は憎めないなぁ~
「今ヶ瀬はそんな子じゃないよ」ってセリフに、ゲイの差別もなく
恭一を思うライバルとして対等に見てるし、恭一より今ヶ瀬のこと
よくわかってますしね。イイ女です、夏生。
だから今ヶ瀬が一番嫌いだったって言う理由もわかります。
描きおろしの2作のためにJudy版を以前に買ってたのに
また新装版も買っちゃいました。
でも、その価値は十分あるぐらい、あま~~~いお話でしたww
シリアスな本編に胃が痛くなった時だったので癒されました~★
リアルなお話です
現実に無くは無いかな…みたいな
だから、甘甘が好きな人、ほのぼのは好きな人、またBLにおいて浮気は許せない人には好かれないかもしれませんが
シリアス、切ないのが好きな人には是非読んで欲しいです
最初はあらすじの通りで、「ベタだなー」とか思っていましたが、一気に加速するととりあえず息を呑みます。
心情が細やかで、表情や小物でもう涙腺崩壊しそうになります(意味分からん文だな
今ヶ瀬が恭一にフェラされるシーン(今ヶ瀬が誘ったのですが)で、回想が終わったところ。
それを振り払うように頭を壁に打ち付けて、出す前に涙を浮かべた(?)ところで落ちました。
もう胸が締め上げられました。
とりあえず一度は読んでおいてソンはない作品
読まないと人生を大幅に損しています!
大人の恋愛…
それが男同士…。
ノンケの流され侍の恭一。
女とは流されたら寝てしまう。
だけど相手が男なら別。
それでも…性格的に強くは言えない想いと…
その性格さを知っているからこそ
押して押しての粘着質のゲイ・今ヶ瀬。
それでも…
相手の為想い…最後の一線を越えない所。
全ての1つ1つの言葉に意味があり…
2人はちゃんとしない気持ちの中で身体を繋げる。
それもまた「大人」を感じさせ…
「大人の恋愛」を思わせてくれる。
今までの本の中ではストーリーが
リアルに現実っぽい所。
それこそが禁断と言えるBLさ!!
この本は結構前に買ったけど…
俺的には大好きですね☆
最近のBLコミックは…
あり得ない設定が多い中、この本はリアル的に
あり得そうな感覚で萌えましたね★
ノンケで流され侍・大伴恭一に対して
粘着質なゲイ・今ヶ瀬渉のキャラ設定も中々面白い!!
ノンケで流れ侍だからこそ…すぐに女へと行ってしまう所が
また本当にある感じで良い★
これだけの長い道のりで
やっと結ばれる…それでも不安定ではある。
それこそがBLという
禁断の恋と言えると思いますね!!
「このBLがやばい2010年版」の1位だったので、購入しました。
しっかし、この話は中々の暗い話でした・・・。
今ヶ瀬の粘着気質と恭一の流されっぷりに、個人的に、イライラしましたが、なんか現実のゲイ×ノンケだったら、こんな感じになるのかなぁとは思いました。
それに、ノンケ相手だったらここまでしないとダメだというのはわかりますが、ちょっと粘着質すぎるだろう・・・と思ってしまった。
それと女性出現率の高いBLだなぁと思います。恭一の来るもの拒まず、去る者追わずの精神には、ホントにイライラします。不倫とか普通にするんじゃねぇー!!とか思ってしまって、BLとしてはあんまり萌えませんでしたが、マンガとしては萌えなので萌えにしました。
言えない作品ですね。
とにかく暗い。BLってもっと気軽にさらっと読めるものだと思っていたんですが…
恭一にすごくイライラしました。
とにかく流されすぎ、流されるだけならともかく他人のせいにする。
何でモテるのか正直わかりません。
優しいからと今ヶ瀬は言ってるけど…理解できない。
話の流れ的にはとっても暗くて、とってもリアル。
自分にはあまり向いてないかも…
でも、続きは読みたくないか?と聞かれたら読みたいかな。
好きじゃないけど…気になる。
不思議な作品です。
少女漫画のようなそうでないような…
BLとも呼べないような…う~ん、難しいです。
自分にはまだ、理解できないところがたくさんの作品でした。
何度か読んだら、理解できて、もっと良さがわかるのかな?
こちらでよくタイトルを見かけて評判いいんだなーと思っていたけれどまさかフラワーコミックスから出ているとは予想外だった。
恭一の流されっぷりには若干いらいらしなかったとは言えないけれど、冷静に考えると男に好きだって言われてそう簡単に割り切れないのが普通だよね。
人を好きになることは色々怖いことだなあとつくづく思う。
男女でももちろんそうなのに男同士で。
それがもちろんBLの醍醐味なのだけれど、少女系のレーベルから出ていることもあってか二人の関係が二人だけに終始していないのもよいです。
だからこそドロドロなのだけれど。
後半はひたすら今ヶ瀬が幸せになればいいと思いながら読みました。
続きも楽しみ。
今ヶ瀬の中の「女」が読んでて気持ちいいくらいでした。あそこまで粘着質ならもう諦めもつきます。でも確かに男の部分も持っていて、そのアンバランスさがあの執着心を生み出しているのかなと。
浮気の事実を隠す代わりに恭一にキスを迫る今ヶ瀬。半同棲状態の恋人の前で恭一に愛を告げる今ヶ瀬。恭一の携帯のメールを勝手に見る今ヶ瀬。女性を相手に「退いてくれ」と堂々言い放つ今ヶ瀬。
どれも人間臭くて私は好きでした。一番好きなシーンは恭一が酔って元カノに家まで送られた時、家で待っていた今ヶ瀬が「すみません。わざわざ送って頂いて」と恭一を腕に抱き止めながら、元カノに告げるシーン。…凄い演出だよなと思いました。
水城せとな先生は小道具の使い方が上手いと思います。ライターだったり鏡だったりタバコの吸い殻だったり。全てが作品を盛り上げる要素になってるなと。
エロスに関しては、私はこの作品は凄くエロいと感じました。量ではなく質が。特に恭一が今ヶ瀬のぺニスにキスをするシーンはゾクゾクしました。鏡に映った恭一がゾッとするほどイヤらしくて画力が素晴らしいと思います。
そして最後に言いたいのはタクシーの中でのやりとり。ああ…タクシーの運転手さんになりたい。
水城さんの作品は初読みです。
表紙(旧版)絵が綺麗だったので買ってみました。
粘着質(未練たらしいとも言う)攻(ゲイ)の今ケ瀬がすごく私好み…!(笑)
大学の先輩、恭一(受・ノンケ)は女性には流され侍なのに、男の自分にはなかなかやらせてくれない…。
だけどノンケの彼を強引に奪うのでは意味が無い。
どんな手段でもつなぎ止めておきたいのに、最後の一線は超えられない。
今ケ瀬の切ない胸の内がかかれてます。
恭一の元カノとの攻防も見所ではないかと!(笑)
単純に「BL」でくくるにはヘビー作品かなーと思いました。
大量生産で飽和している「BL」にはない重み、読み応えが合って、私はとても好きな作品です。
この位のグレードの「BL」がもっとばんばん世に出ればいいのに!
実績のある作家さんだからこそここまで書けたと言うのもあるかもしれませんね。
粘着質なゲイ・今ヶ瀬X流され侍・恭一という設定みたいだけれども、むしろ私には一途なゲイ・今ヶ瀬x流され侍・恭一というふうに見えました。
多少強引で狡猾なところもあるけれども、嫉妬深いところや、恭一が放った些細な一言に傷ついたりするのも今ヶ瀬が恭一のことを一途に愛しているからだと思いますし、今ヶ瀬から恭一に向けて発せられたセリフは感情(愛情)がこもっていて胸を打つものもありました。
ただ、この作品からは恭一の良さがあまり感じられませんでした。好意を寄せてくる女性を拒めずにひたすら流されてしまってばかりで(流され侍らしくはありますが)、中途半端な優しさが今ヶ瀬や周りの女性を傷つけているのだという自覚が若干足りないのではないかと…。
とはいえ、恭一が今ヶ瀬に徐々に惹かれていく様子はみてとれたし、今ヶ瀬が残した煙草の吸いがらを2ヵ月も置きっぱなしにしていた場面からは恭一の今ヶ瀬に対する愛情が感じられました。
ちなみに、私は続巻の『俎上の鯉は二度跳ねる』を先に読んでとても良い作品だと思ったのでこの作品『窮鼠はチーズの夢を見る』も買ったのですが、もしもこの作品を先に読んでいたら『俎上の鯉は二度跳ねる』を読むことは無かったのではないかと思います。
昼ドラなみのドロドロで、私的にはすごく萌えました。粘着質ゲイな今ヶ瀬、のんけなサラリーマン大伴の恋。大伴はかなりのタラシで流されまくり。女性がたくさん絡んできます。
今ヶ瀬がいるのに大伴はフラフラと女性に流され、今ヶ瀬の心労は募ります。ですが、それでも大伴を愛し続けるところは粘着質というよりも一途に思えてとても可愛らしかったです。
俎上の鯉は二度跳ねるも合わせて購入されることをオススメいたします。こちらだけでは不完全燃焼です(笑
名作と評価されたのも結構前の作品ですが、くろきはなんか絵のタッチにあまりひかれなかったため、周囲に進められてもなかなか手が伸びなかったんだけれども最近二作目が出たというのと、ちるちるさんでも評価がかなりよかったのでやはり食わず嫌いやってないで読むべきだな…と思って買ってきたんですが
う、ううん…
あ、いや、二人ともかわいくてもえはもえたんですけど、ちょっとイライラする部分が多くて…でもそのイライラはちゃんとおはなしの世界に引き込んでくれたからこそのイライラなので、「興味深い作品」とか「考えさせる作品」ではあるんですが、BLだと思って読まない方が楽しめる作品だと思ってしまいました。
ある程度男性に対して幻想を抱かせるBLジャンルとしての「もえ」に対して、
現実の生身の人間として、男性としての弱さ、汚さが強く出てしまっていて(それが人間としての魅力や長所などプラスの部分もちゃんと表現されているならよかったんですが)、
あたしにはどうしてもイライラの方がつよく出てしまいました…。
一般人が読む本にしては男同士のエロ表現がリアルすぎるだろうし、
腐女子向けの本、としてくくってしまうとまた現実味のバランスにずれがある気がします…。
BLが読めて、テンプレートに沿った展開に辟易されてる方にはおすすめできる感じかな…という。
良くも悪くも刺激がほしい方には、いい本だと思います。
ジタバタふらふらする恭一の往生際の悪さは、昔読んだ時はたちの悪い単なる優柔不断ぶりに映って仕方ありませんでした。
俎上の鯉での恭一の台詞に「俺がどんな思いでいたのかゲイのお前には絶対にわからない」とあります。(続編とはいえ違う本から抜粋するのは邪道だとは思いますが、新装版ということでご容赦を)
恭一が今ヶ瀬に落ちるのが当然と思い込んでしまってる自分の感覚が、いかにBLファンタジーに首までどっぷりつかっていたかちょっと冷水を浴びせられた気分でした。
ノンケの男が同じ男と付き合うということの重大さを、わかっているようでわかっていなかったなと。
ましてや経験をつみ自己の価値観をしっかり築いている30代でもあります。
これまでのように、付き合ってみれば好きになれるかもしれないという単純な話ではありません。
価値観が大きく変わるということ、自分の土台さえ揺らぐようなアイデンティティーに関わることだということ。
そう思えば、(性的な接触に嫌悪感がないのだから素質はあったとしても)恭一の悪あがきはしごく当然の反応なのかもなと思い至りました。
対する今ヶ瀬、実はずいぶん身勝手な男だとは思いますが、やっぱり愛おしい。
何とか恭一の隙間に入り込もうと必死なところ、強気なのに繊細なところ、クールに見えて感情的なところ、何より好きだという気持ちに正直なところがとても好き。
私はどっちかというと(悪い意味で)恭一タイプなので、自分の感情に正直な今ヶ瀬に惹かれる気持ちがとても分かります。
絶対に恭一は今ヶ瀬に流されてるんじゃなくて惹かれてるんだと思う。
もしも二人のうちどちらかが女だったら、この話は成り立たないだろうなとか考えたりします。(成り立つ話には、もちろん例外もあれどあんまり萌えられない)
逆に言えば男同士ということにこそ意味があり、それが私がBLに求める醍醐味でもあります。言わば原点のような位置付けの内容なので、どうにも手放せないシリーズです。
それはそうと、何度読んでもタクシーの運ちゃんの胸中が気になって気になって!
全体を把握した的確なレビューは書けそうにありませんので(笑)
追加要素の短編の、今ヶ瀬が可愛かったです。粘着質ゲイで身勝手だったとしても。
本編の方は通常版で何年か前に既読。これだけ男女がっつり入り乱れての愛憎劇はBLでは殆ど読んだことがなかったため新鮮でしたし、これは本当にBLなんだろうか…とも思いました。そしてラストに何と言う後味の悪さ!と思ったことは覚えています。それもそのはず、折り返し地点ですものね。
何しろ、「ありそう」と思わされる会話の構築が白眉だと思います。
なんと後味の悪い本なんだろう…。
スカッ、と胸のつかえが落ちるどころか、喉元に飲み込んだ魚の骨が引っかかったみたいな…。
爽快な感動ではなく、むしろ不快感120%です。
私にはそんな気分にさせられる本でした。
しかし、絶対に記憶に残る1冊なのは間違いないのです。
ちょっとヘンなのですが、不快感が心に残ってしまう程インパクトが強いのです。
このイヤ~な感覚をどうにかしたくて、何回も読んで、解決方法を模索してみるのですが…、やはり読み終わった後には不快感があり、それを打ち消したくてまた読んで…。
結局、どう解釈してもすっきりしたENDはなく、私自身もこの作品に救われることはなく、無限ループ地獄にはまってしまいました。
なのですが…。
この不快感が、なぜか手放せません。
私、ひょっとしたらM体質なのかもしれませんが…。
優柔不断な男も、嫉妬深い男も、関係をせまる女も、どれもリアリティありすぎで本物っぽかったからだと思います。
実際、男女が入りまじった恋愛なんて、ドロドロした事この上ない。
そういう描写に本物の臨場感があり、報われない男の必死な愛情に胸を打たれてしまいました。
何度読んでも後味悪いです。
でもそれが病みつきになるって事は、今まで甘い話を読みすぎて、どこかでこういうストーリーを求めていたってことかもしれません。
この作品に関してはいろんなところで萌えを叫びまくってるんで、今更言うこともないんですが(笑)
新装版ということで、描きおろしの「鼠、袋小路で考える」が追加。そしてペーパーがついてくる。それ以外は前回のと一緒ですね。
「鼠、袋小路で考える」では恭一はこうやって今ヶ瀬を「女」にしていったんだろうなーというかんじですね(俎上での夏生の『くだらない女』発言より)。しかしこのときはまだまだ流され侍。徐々に漢をあげていきますもんね、先輩!
俎上~を読み、そしてこの作品を読みなおしてみて感じたのは、たびたび出てくる「グレー恭一」が最後にはいなくなってくれて嬉しい!ってことですかね(笑)
白も黒もなんやかんやと悪いこと言ってますが、流され侍の元凶・グレーが(笑)!!奴が消え失せたことで恭一は漢を上げたんだと思いますね。
白か黒かハッキリさせられるようになったからこそ、たまきと別れ、今ヶ瀬を選ぶことができたんだよね?!
あとやっぱり何回読んでも泣いちゃうところはタクシーのシーンですよね。ここは皆さん泣いちゃうところだと思う。
そしてあの灰皿。俎上~ともリンクしていますが、これもまた…!!
あとは最後の「これからどうしたらいい」が俎上では「これからどうする?」に変わった恭一さん。
やっぱり漢になったよ、アンタ!!
これからもグレーが出てこないようにお願いいたします。
男同士であろうとなかろうと、他人を求めることの難しさにチャレンジされている作品。
これを男女でやると生々しくて目を背けたくなるところもあるので、
だからこそ読めた気もします。
アラサーになればなるほど、生活が恋愛以外の部分に引きずられることがあるからこそ
とても感情移入できる。
続編とあわせて、ひとつの恋を味わってください。