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poe no ichizoku
昔むかしに読んだ漫画を再読しました。
BLではないです。
ニオイ系ですが、そう呼ぶのもなんか違う気がする。ジャンル分けが存在しなかった頃の作品だし。
BLとか少年愛とかまったく意識しないで読んでいた。
けど、主役のエドガーとアランが好きで、メリーベルのことはそんなに好きじゃなかったので、萌えはたしかに男同士に感じていた。
名作です。
草分け的な作品となったのは間違いないし、ストーリーの深みは、昨今大量生産されてるBLによくある、萌えシチュエーションを繋ぎ合わせただけのような作品とは一線を画していると思う。
時を超えて生きるバンパネラを、いろんな時代、いろんな人々、いろんな角度から語られる構成になっている。
私はとくに、この一巻のエピソードたちが好きだ。
短いエピソードばかりなんだけど、キレのある話ばかりで、余韻に満ちみちている。読後にホウッと溜め息をつきたくなるような。
絵は古いけど、中身は古びてなかったです。
萩尾 望都作品の中で私の1位はこれ。初出は72年ですから私と同級生(笑)
エドガーとアランは今でも時を越えて生き続けてますね。
ヴァンパイア設定が特に好きと言う訳ではないけど、
萩尾さんの絵とこの世界観がものすごくマッチしてます。美しい~。
そんでやっぱり哀しい結末…。
ところで私は、もちろんエドガー派♡
近年になって(2007年~2008年)全6巻でドラマCD化もされてます。
メインキャストは
エドガー/朴 璐美さん、アラン/斎賀みつきさん、メリーベル/いのくちゆかさん
私のイメージとはちょっと違うけど…。一度聞いてみたいなー。
私たち腐女子が想像するような男同士のガッツリイチャイチャは無いけれど、匂わせはあったと思います。
エドガーはエドガーで勿論アランのことを愛しているけど、それはアランが求めるものとは少し違う。なので何度かすれ違います。
『小鳥の巣』でアランがエドガーに「ぼくのことだけ考えてくれなけりゃいやだ!」と言った時には おぉそこまで言っちゃうのか と思ったくらい。
全体的に切なさが強い作品。
令和の腐女子が、
令和の腐女子のために考えるに、
「ブロマンス」という言葉がいちばん近いかも。
エドガーとアランが共に生きる話、BLではないけれど何となくその雰囲気を感じる世界観。言い表すのが難しかったのに…この言葉の便利さに感動。
余談ですが『小鳥の巣』『エヴァンズの遺書』には純粋な恋心からくるものではないですが一応男同士のキスシーンは有です。
ずっと読んでみたかった名作。耽美、年をとらない子供の無邪気さ、痛々しさ、孤独、温かで綺麗な愛、自己愛。そういったものが各短編にたっぷり詰め込まれていて、そこに時折萩尾先生らしい殺伐とした要素が垂らされる。隙のない世界観。展開は少し目まぐるしく、個人的にはもう少し余韻を持たせてあったらな、長編だったらなと思う時もありました。最初の章で期待したエドガーとアランの関係性は、1巻だけではまだ物足りないですね。ただ、エドガーが出会ったバラの庭の女性、そして、幼少期にエドガーとアランと過ごしたリデルのエピソードなど、お気に入りの章がいくつかありました。残り2巻も楽しみです。
萩尾望都好きの母の本棚から拝借して読みました。漫画評論には名作として必ず名前が挙がる作品ですし、母も萩尾作品では一番好きな作品と言うのですが、私は読後「これが名作?」と首を傾げてしまいました。
文庫版「ポーの一族」には8編の短編が収録されています。
時代・地域を越えて人間たちの前に現れるパンパネラ(吸血鬼)の少年エドガー。妹の美少女メリーベルと常に行動していて、妹の死後はパンパネラの仲間に引き入れた少年アランと旅をするように。エドガーたちは関わった人間に強烈な印象を残して去っていきます。
第1作の短編「ポーの一族」の初出は1972年なので絵柄は古いのは当然のこと。萩尾望都の絵柄は元々好みではないので美しいと思いませんでしたが、期待してもいませんでした。だからそこが評価が低い理由ではありません。名作と賛辞を呈するほどの感動も面白さも感じなかったからなんです。さらにはわざわざパンパネラを登場させなければもっといいお話になるのにと思う作品もありました。
確かに物語の構成は上手い。例えば、1人の女性の一生を描いた「グレンスミスの日記」は一家のささやかな幸福と哀しみにドイツの歴史を絡めて描いた良作でした。しかしこの物語にパンパネラはいらないのでは。いくら伏線だろうと、エドガーの登場は不必要です。わざわざ「ポーの一族」シリーズに入れなくてもよかったんじゃないかと思いました。そのほかの作品も構成の妙に感心しますが、物語はムード小説や詩に近い印象でした。物語の雰囲気を楽しみたい人におすすめですが、ドラマチックなお話が好きな人にはおすすめできません。
加えて欠点だったのは永遠の生を生きるパンパネラの哀しみが伝わってこなかったことです。個人的に吸血鬼や不老不死の存在が主人公の小説・漫画・映画を読む(観る)ときは、彼らの哀しみや苦悩を主軸に置いて鑑賞しています。それが物語を味わう醍醐味ですね。しかしこの漫画のエドガーはあまり苦しんでいるようには思えませんでした。むしろエンジョイしてる?吸血鬼の苦しみを描いた既存の作品「屍鬼」や「ダレン・シャン」(幼少時大泣きした作品)を通り抜けた自分としてはこの作品は薄味でした。吸血鬼物がなかった発表当時なら衝撃的でしょうし、「屍鬼」を読む前ならきっと感動したでしょう。もっと早くに読めばよかったです。
ついでに補足ですが、「ポーの一族」は匂い系ではありません。そういった楽しみはないのでご注意を。
お話は面白くありませんでしたが、なぜか続きが気になって一気に読んだのは紛れのない事実です。まるで純文学のようでした。この物語の構成の上手さ、テーマの文学性から判断して〈萌〉評価にしました。