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己で刻んだ印を背負い、愛を求め続ける男たちの物語
shisei no otoko
阿仁谷先生は「どうしても〜」だけ既読です。
ねっちょりした絵と手描き文字がそこまで好みではなかったのですが、本作ではそれが合っていたと思います。
ツイッタで、ぬるくない作品を読みたいと呟いたらフォロワさんが本作をおススメして下さり…確かにぬるくなかった。読み応えありました。
バッドエンド、救いがない、読後感悪い…という意見が多いみたいですが私はそう思わなかった。
これが現実よね、という印象です。
そして、そこに愛があった(超重要)。
だから、死んだり、意識不明になったり、HIVになったり、事実としては救いがないけど
『皆が幸せな夢を見られますように』
『せめて夢だけでも』
…償いながら生きようね
という言葉がすんなり入ってくる。
シビアな現実を受け入れた上で、希望を持って生きるという。
HIVのくだりは、カタギは自分が感染しているのをわかっていて、久保田と行為をして復讐した。
久保田もそれをわかっていて受け入れた。
ということなんでしょうね。
だから、お互い「謝らない」と言っている。
他の意味もあるけれど。
武藤と有馬の甘いひとときが唯一の癒し…と思ったら夢?だったとわかった時はさすがにずどんときました。
私はいわゆる夜明けの腐みたいで、闇モノやバッドエンドは苦手なんですが、ヤクザモノの場合、暴力や死はある程度覚悟しているので、まだ大丈夫でした。
だってそこには愛があったから(超重要←2回目)。精神的には希望もあったし。
余談ですが、それより説得力なく愛を感じられない上辺だけの闇(病み)モノがめちゃくちゃ苦手です。ただ狂気や背徳感のエロを描いたようなやつ。
暴力も苦手ですが、本作ではまだ大丈夫だったのはヤクザモノということと、痛さ、悲惨さを淡々と描写していたからだと思います。
例えば、カタギが輪姦されたり、タバコの火で火傷させられたりしても、本人的にはケロッとしているのが私にとってはありがたかった(カタギにとっては、武藤と有馬のことの方が辛かった)。
久保田も痛めつけられるけど、ドMのような反応で辛いというよりむしろ進んで受け入れている?と感じられたし。
痛さや悲惨さを過剰に演出されるのがどうも苦手で。それは事実だけで十分伝わるので、最低限の描写が好みです。
そして、読後感が悪くなかった要因は久保田のキャラも大きいと思います。
キャピっとした普段?と、刑事として行き過ぎと思われるほどの行動とのギャップ。
愛する人を逮捕したり、命をはってまで「僕の仕事」をする。
そこまでするのはなぜなのか。どんな信念があるのか。どんな過去や背景があるのか。
嫌でも気になります。
久保田の深掘りを中心に、カタギとの続編があれば理解や物語がもっと深まっておもしろそうですが。
でもHIVがあるから厳しいか(悲)
同時収録作は、安奈の精神状態と生き霊との絡みがリンクしていておもしろかったです。
「どんとこいフロイト野郎」がツボでしたw
浅い知識ですが、フロイトの夢分析ってたいていエロスにつながっていたような。
なので、お話とピッタリだと思いました。
これまでのレビューの評判やらを読んでいで、かなり凄い作品なんだろー!と、思い〜
ずっと、読みたかった作品。
念願叶って〜ゆっくりじっくり堪能しました。
いやぁ〜、衝撃と満足感が半端ないです。
それぞれの立ち位置があり、事情があり、まぁ〜なんとも言えない気分です。
だけど、どんな形でもしっかり愛はありましたね。
最後に、久保田が背景で、
“幸せの雛形なんてどこの誰が作ったの? ”
これで、締めくくられてるのが納得しました。雛形なんていらないね。
これは、この世の中へのメッセージでも良いかも。
間違いなく、神作品!
こんな、素晴らしい作品に出会えて良かった。
「救いがない」とか「痛い」だとかいうレビューがズラリで、かなり読むのを躊躇っていた作品です。
1話目を読み終わった時点ではややバドエン寄りのメリバコメディ?っていう印象だったのですが、2話、3話、そして4話目の「みんなの唄」でオムニバス全てが繋がり、事実が明らかになる展開でした。
辛い、たしかに辛い。
個人的には武藤と有馬には夢の中みたいにささやかな幸せがあって欲しかった。
ヤクザものでも甘々お花畑〜な作品がありますが、その対極にあるような作品です。
"誰かを傷つければ必ず報いを受ける"
そのセリフのまんまの結末が彼らに訪れています。
そして久保田もまた、その報いを自ら受けようとしている…というお話でした。
同録の好きな人の生き霊を呼び寄せてしまうお話は、少しグロい描写もありますが、甘めなのでバランスは取れてるかもですが『刺青の男』シリーズだけで纏めても良かったような気がします。
余韻がすごいお話なので、最後まで表題作シリーズに浸りたかったかも。
評価は萌えはあまりなかったのですが、単純に神から少しマイナスで萌2としました。
何度読み返してもウーンこれはとんでもない作品だなと唸らせられます。
BLを読み始めてからかれこれ10年以上経ちますが、未だにこの作品を超えるBLは読んだことありません。
古い作品であることは承知していますがどうしてもこれをレビューしなければと思いこれを書いています。
まず、キャラクターの設定や作りこみが秀逸です。メイン登場人物は久保田、カタギ、坊、武藤と4人いますが、ページ数が限られているのにも関わらず1人1人キャラがたっているというか、どういう人物かがハッキリつかめます。2次元的ではなくちゃんと奥行きのあるキャラクターです。特に久保田というキャラクターは実に魅力的ですね・・
ストーリーは最後の「みんなのうた」を読むまで全体像がわかりません。その構成力にも脱帽です。少し群像劇のように進み、最後怒涛の展開ですべてがまとまる。突き落とされた感がすごいです。バッドエンドでもないと個人的に思いますが、重いストーリーが嫌いな方にとってはこの作品はNGかもしれません。
攻めの受け化があるのでリバ的要素が地雷な方は要注意。また、この作品が出たのは2008年であることを意識して読まないと、最後に出てくるとある出来事に対して「?」となるかもしれません。個人的にはツッコミどころは数か所ありましたが、いずれも冷めてしまうようなものではないです。
阿仁谷ユイジ先生の作品は一通りすべて読んだことありますが、本作が圧倒的ベスト作だと思います。未読の方には是非読んでいただきたいです。
「都合が良くて甘いだけのBLに飽きた方におすすめ」・・とあったので、読みました。
たしかにこの作品にあるような不条理が、現実なのかもしれない。
どんなことからも、目をそらさず、逃げないで、見届けてあげるのが愛なんでしょうね。
讀み終えるまで胆力を必要とする物語でした、あー 重い 重い。
裏切り、復讐、ゲイ、やくざ、HIV、流血・・あらゆる闇の鬱展開とバッドエンド。
転落人生を止められない入れ墨を入れた人、寄り添う連れ合いはどこか狂ってる。狂うことで、自分を保っているのかもしれない。
ボクシングで学生チャンピオンになった者が身近に二人居て、一人は事故死、もう一人はこの作品のように、何をやってもダメ人生で、最後は病気で吐血して死んだ者が居たことを、この作品を読んで思い出してしまった。
頭に障害を残す体に良くないスポーツは廃止にしたらいいのに。
この作品には、脳漿が飛び散るシーンがありました。苦手な人は、ご注意ください。
バッドエンド、衝撃の、という枕詞で必ず名の上がる作品、それが「刺青の男」。
私が初めて読んだのは、2014年頃。
今再読して、その衝撃度は全く色褪せない。
ただ…
その「衝撃」は、正直暴力描写に因っているかなと感じている。
さて、再読としての「刺青の男」。
連作的にストーリーは展開していく。
「僕のカタギ君」
まずチンピラの潟木が、幼馴染の恋人(♂)との時間に溺れている。
ここでまず第一のどんでん返し。
その恋人・久保田は実は警察だったわけ。
「ラナンキュラスの犬」
ヤクザの坊はデイトレーダー。父親の組長から軟禁されて巨額のカネを動かしている。
だけど彼が欲しいのはただ一人。組の右腕・武藤。
「狂い鮫とシンデレラ」
武藤に変わり新しくシマを束ねている埜上(のがみ)はアタリがキツい狂気の男。
その埜上がシマの新入りの「嬢」に興味。だがそのコは本当は男。
…埜上を検挙しに潜入した久保田。
「みんなの唄」
まるで新婚夫婦のように連れ立って夕食の買い物をする武藤と坊。
夜、寄り添って眠る2人だが、坊はひどい耳鳴りに襲われる。武藤の声も何も聞こえないほどひどい耳鳴り…
そして出所する潟木を出迎える久保田。(埜上の逮捕時に片目を失明している)
再会した恋人たちは抱き合うが、ムショの中で輪姦三昧されていた潟木はある思惑があった。
久保田は潟木を「武藤たち」に会わせると言って病院に連れて行く…
…
ここがこの作品の最大の衝撃。
武藤と坊の生活は?夢?幻?
誰にも、何の救いもない。このどこにも行き場のない感情。
もう一つだけ知りたいのは。
久保田はなぜここまで自分を投げ出す?差し出す?
この「刺青の男」のどうしようもない結末は「物語」の持つ力を強く伝えてくる。
読む者の心を深く濃く揺さぶってくる。
「はるのこい」
「ゆめのあんない」
「刺青の男」の世界観から打って変わって、ちょっとコミカル?からのもう助けて…と神に懇願するような「生き霊」との恋物語。
だがなぜそんな女好きが生き霊になって来てくれるのかが最後までわからない。
潟木くん、カタギじゃないのに潟木くん
救いようのない連作です。
上げて落として落として落とす…みたいな。阿仁谷先生の作品はこの毒が好きだったのですが、これ以降ここまで毒の強い作品も出なくなってしまったな。
BL初心者だった頃に評価してたら神を付けていたと思う。再読の今、当時強い衝撃を受けたこの作品が結構普通に思えてきたのは、ショッキングな内容を扱うBL作品を多く読んでしまったからだと思うとちょっと寂しい。
久保田が失明やHIVを受け入れて生きる理由はなんなのか。他の人間は道外れた罪が想像されるけれど、咎無く罰ばかり背負っている気がして。久々に再会した潟木への愛と、彼への偽りだけならあまりにも重すぎないか?久保田にはもっと深い何かがある気がしてならない。
◾︎はるのこい/ゆめのあんない
生き霊をこんなにエロく描けますか?!ある種"人外"モノ
当時は"刺青"シリーズが好きだったはずなのに、読み返してこっちの方が好きになってました。もともとどちらも好きだったけど。また数年後に読んだら、逆転してるかもね。
公然の秘密というか駆け引きというか、腹の探り合いをしつつそこから漏れ出ちゃう感情と、溢れ出た後の爆発。こういう展開好きです。
◆僕のカタギ君〜みんなの唄(表題作)
私は個人的に、痛々しいとかグロいとか救いがないといった作品にまったく抵抗感がないので、少数派かもしれませんが、この作品はそこまでショックや重苦しさを感じずに読み進めることができました。ヤクザものを読む時はどんな展開が来てもいいように、自然と受け入れる器を広くしているのかもしれませんが。目次で短編集かと思わせて、実は4つの短編が時系列を入れ替えて、すべて繋がっている作品です。繋ぎ方も緻密に練られていて、それぞれの短編を初めて読む時と、すべて読んでからもう一度読み直す時では感じ方がぐっと変わるようになっています。
ヤクザの世界で言う「落とし前」。たとえ正義や愛のためであっても誰かを踏み躙った上に成り立っているのなら、この世界に少しでも関わった者である以上は必ず皆それをつけさせられるんだ、ということを改めて知らしめてくれる作品でした。綺麗事やラッキーで済む話なんて万に一つもありえない、それでこそヤクザの世界。最後までとことん救いがないように描かれていたのは素晴らしかったです。ただ、ずっと第三者目線で見ているような感じで、どのカプの魅力にも入り浸る暇はなく萌えは少なかったです。それぞれ短編ですし、ある程度関係性を築いたところから始まるので仕方がないとは思いますが。ストーリー展開は高評価です。
◆はるのこい / ゆめのあんない
一連のヤクザ短編集とはまたがらりと雰囲気を変えてきて良かったです。生き霊というなんともファンタジーな設定を、色気と劣情と主人公の自分の気持ちへのやりきれなさを上手く絡めながら、とてもリアルな雰囲気に描き上げられていたと思います。攻めも受けも学生相応で可愛らしかったです。ヤクザものを読んで心が疲れてしまったという方も、こちらで十分癒されるのではないかと思います。
短編集かと思ったら繋がってますね。
ああ!10時に行けなかったから!
みんな辛いお話です。久保田もきっと。潟木と一緒にいつまでいられるか。潟木も久保田の為に模範囚として早く出て来たけどきっと輪姦された時に感染してて久保田にも。
最初はラブラブゲイカップルのお話かな?と思ったらどんどんお話が切り替わり、あれ?捕まったはずの潟木がいると思ったら、その前の話に繋がって。
有馬と武藤は逃げられなかったの?
二人で幸せそうに買い物して部屋で抱き合ってたあれは夢?
組長が外道で有馬の母や武藤や有馬が不憫で。
夢の耳鳴りは病院で眠る有馬の聞いてる音?あの日に武藤は…。
埜上も久保田が体を張って捕まえました。失明し犯され。そうか、だから潟木が早く武藤の居場所を言っていればに繋がるのか。
悲しいです。
はるのこい
片思いの相手春野の生き霊が現れて安奈にエッチなことをしていく。でも本体は女好きでチャラくて、どれだけ好きでも絶対に伝えることはできない。でも現れてはどんどん行為がエスカレートしていき、二人ともやつれていく。
本体は夢を見ていると言いますが…。体に痕が!
とうとう本体に気持ちを告げ体を繋げます。
不思議なお話でした。前から安奈の気持ちはバレていたのに春野は気がつかないふりして、でも生き霊で現れてはあんなことを。
余韻が残る本でした。
OPERAやるな~。いい作品多いな。
ヤクザがらみのオムニバス形式で短編がいくつか入っています。
カタギぐん(ヤクザのぱしり)と久保田(警察)のカプ。
ハニートラップでお縄にするという芸風の久保田。しかしカタギにはマジ惚れしてしまい、自分で手錠をかけながらも出所を待って迎えに行く。
あれ、迎えに行くのは違う単行本収録だったかな。
他に、組のボンとそれに惚れ込んだ若頭(かな?)の武藤の逃避行。二人の幸せなひとときはあるんだけど、結末は悲しい。。
どうしようもないヤクザの埜上を捕まえるために体を張った久保田だが、片目をつぶされてしまう。後で、出所したカタギに成敗されるっぽい。
メインカプの二人は幸せになったんだと想うが、武藤×ボン(有馬)はなんとも切ない話だった。
しかし達者な作家さんだなーと想う。
およそ10年ぶり読み返してみた。
時代をまったく感じさせません。
やっぱりなんとなくしか覚えてなくて、新鮮な気持ちで読めました。
切ないし幸せな終わり方じゃないのもあるけどラブい…さすが阿仁谷作品。
ハッピーエンドじゃない作品を、嫌悪感なく後を引かせることもなく見せるのって凄い技術だなーと。
重い話なのに重苦しくない見せ方も、グッチャグチャなドエロ描写では無いのにセックス描写もエロい!
ほんと流石としか言いようがない。
今、新たにこの作品を読んで見ようと思ってる方はまず、「ハッピーエンドや王道甘々系が好きな方」と、「とても暴力的な描写もあるのでそう言うのが苦手な方」は気を付けてください。
抵抗が無い方なら是非おススメいたします。
僕のカタギくん〜みんなの唄まで、オムニバスで綴られる刺青の男達の物語。と、大学生の恋愛を描いた2つのストーリーが収録された作品です。背中に花を背負った男達の殺伐とした切なく痛いテイストと、ノンケに片想いする学生の不埒で可愛い夢に翻弄される甘い物語の、2作が楽しめます。
表題作の刺青の男の物語では、主に2組のカップルが出てきます。久保田とカタギ、武藤と有馬の4人です。
久保田とカタギから始まる僕のカタギくんでは、意外なラストを迎えるも久保田の潔さと愛情混じったプロフェショナルさが痛快で、少しの切なさを残します。
続いてのラナンキュラスの犬では、組長の息子である坊こと有馬と、その目付役であるいかにも堅物そうな男、武藤。この2人の関係性がとても絶妙で、有馬の出生の秘密や武藤が抱える先代への想いなど、短いながらもしっかりと練られた設定が匂いたつような色香のある絵によって綴られてます。
それぞれ時系列がバラバラですが、数年の時を経た現在が最後『みんなの唄』でまとめられています。このみんなの唄で描かれる幸せな日常とラストとの対比が凄まじい。奈落の底に突き落とされつつも、久保田の最後のセリフは読者へのメッセージのようにも受け取れました。彼の贖罪と、カタギを愛してしまった葛藤を思うとやり切れないけれど、カタギもまた苦しみながらも久保田を求める気持ちは本物なのだろうと思います。
ヤクザの世界はどこか殺伐としていて、ハッピーエンドの気配が薄く、難しい題材の印象ですが、このまとめ方はお見事だなぁと感動。短いながらも練られた構成に、二度読み返したくなる展開。また、設定だけでなく、背中に咲いた刺青の花が艶めかしく随所に演出され、全体的に耽美で綺麗な雰囲気が作り上げられていました。全体のトーンが作品に非常にマッチしていて、漫画としても流石といった感じ。
かなり切ないけれど、とてもオススメできる作品でした。
とことんやりきれない。
今でも思い出して泣いてしまうくらい。
何とか色々考えたけど、私にはメリバにすら思えませんでした。
あまりにも悲しくて辛くて痛くて、現時点、作品を読み返せないので、私を土偶人形顔になるまで泣かせた「ラナンキュラスの犬」「みんなの唄」のみ、簡単なレビューをいたします。
坊と武藤のお話・・・。
坊の耳鳴りの意味。そして二人が見せてくれた愛溢れるほのぼのとした幸せな日常風景。
真実は余りにも残酷でした。
木っ端微塵に打ちのめされました。
これは堅気の世界で生きてこなかった二人への報いなんでしょうか?
肉体はあんな事になっていても坊の夢は終わらないほうがやはり幸せなんでしょうか?
武藤はあっちの世界で一人で寂しくないんでしょうか?
登場人物たちに何らかの救いはあるんでしょうか?
私には何にも答えが見つかりません。
ただひたすら泣くのみでした。
評価が真っ二つに分かれると思います。
バッドエンドに耐性がない方は「中立」か「しゅみじゃない」
ただしBLでここまで描ききったという点からは「神」。
萌えの要素はありません。
中立か神かどちらにしようか迷いましたが、生涯これ以上痛くて忘れられない作品はないという点で「神」にいたします。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのがこちらの一冊。
教えてくださりどうもありがとうございました。
絵が苦手でずっと避けていたのですが、評価がとても高いので読んでみました。絵は読んでいくうちに気にはならなくなりました。
ストーリーは裏の社会で生きる男達と自分の身を投げ打って取り締まる刑事(久保田)の愛のお話。
裏の社会らしく愛には傷が伴ってしまう、でも裏の男だって人を愛するというなんとも深いテーマ。
しかも結局誰も幸せになれないところが、なんとも切なかったです。
坊と武藤の話では、ピー、ピーという耳鳴りの意味が分かったとき、鳥肌が立ちました。
耳鳴りの中であっても二人が幸せでよかったと思ってしまいます。
初めて阿仁谷さん作品でしたが、独特の世界観で、読んだ後の余韻が何とも言えない。
素晴らしい作品だと思います。
精力的に活動されてる阿仁谷ユイジ先生の魅力が凝縮された名作、刺青の男です。タイトルに死生の男と書きましたが、どこかで同じ表現を見たような気がしてます。たぶんなのですが一言お断りしておきます。
この作品を読んだのはちょうど昨年の今頃なのですが、何とも言えない読後感を抱きました。blから逸脱してる面があって、こういう形のblもあるような。悲惨だけどちゃんと救いがあるというような・・・コレは一重に久保田という男の存在ゆえではないかと、私は思います。
久保田(だけ、下の名はナシ)はほんわりした、可愛い系のゲイのようなイメージで登場します。彼氏の言うことなら何でも聞きそうな、そんな優男な感じ。それが、幼馴染みのカタギ君(変換難しいのでこれで)とのセックスで攻めの時点から、これは違うのかもしれないと思わせます。
脱力系で語られる久保田のモノローグでも、カタギ君より遥かに深い男だな、と思っているともう久保田の正体が判明。久保田は刑事、愛してるカタギ君に手錠を掛ける。
これが第1話「僕のカタギ君」です。飄々として掴みどころのない久保田の印象を強烈に刻みつけて、第2話「ラナンキュラスの犬」はキャラと雰囲気が変わります。ヤクザの武藤と組長の息子、有馬の物語。昔気質らしい武藤と女顔で坊な有馬。二人に愛があるのは確かだけど不器用で、そしてヤクザの世界から抜けようとしている、逃亡計画の鍵は武藤の舎弟のカタギ君に実は掛かっているのだけど・・・と、ここで余韻を残して終わり。二人がどうなったのか?分からぬままに第3話、「狂い鮫とシンデレラ」この話が強烈で久保田という男の怖さと凄さを思い知らされるのです、彼が刑事なのだということを。
雑誌掲載はここまでだったようですね。これでも秀作ではありますが、意味がよく見えてきません。各話を繋ぎ、刺青の男を名作たらしめている真価は書き下ろしの最終話、「みんなのうた」にあるのです。
カタギ君、武藤、有馬がどうなったのか、彼らの背後にいた久保田の真の気持ちとは。
読後感は重く、それでいて清々しいです。読む人は選ぶと思いますがこのbl史に残るでしょう、傑作をぜひ!
いつ散ってしまうか分からない裏社会で生きる男たちの壮絶な生き方が描かれています。
それぞれの話の時系列が一度読んだだけではよく理解できず、二度読んでようやくすべてが繋がりました。
そして鳥肌。
結末が結末なだけに万人受けするとは決して思いませんが、未読の方に是非オススメしたい一冊です。
「僕のカタギ君」
背中一面に美しい牡丹を咲かせる<潟木>と、その恋人<久保田>の話。
仕事に行きたくないと駄々をこねる潟木とそんな彼をなだめる久保田の甘ったるい朝の光景から始まるのですが、久保田が潟木のスーツの胸ポケットに入っていたある物を見つけたことで話が急展開します。
公私を混同することなく自らの責務を全うする久保田の男らしさには惹かれずにはいられません。
「ラナンキュラスの犬」
亡くなった前組長<鶴子>との約束を守って胸に大輪のラナンキュラスを刻む<武藤>と、前組長と現組長の間に生まれた一人息子<坊>の話。
物語中盤で坊から武藤に突きつけられる二択が非常に痛ましく、武藤にとってはどちらを選んでも鶴子との約束が守れなくなってしまうのですが、それでも真摯に結論を出します。
このすぐ後のページで二人が幸せそうに笑い合っている何気ない一コマが結末を知ったあとだと胸に突き刺さりますが、外の世界を知らずに大人たちに守られて育った狡くてエゴイスティックな坊はどう見ても井の中の蛙。モチーフのラナンキュラスとも繋がります。
「狂い鮫とシンデレラ」
金と権力がすべてで、腕に狂い鮫を飼う<埜上>の話。
不貞をはたらいた自分の女を容赦なく窓から突き落とし、相手の男にも後を追って飛べと言い放つ衝撃的な場面から始まります。
周りには影で「かわいそうな男」と言われていることも知らずに、自分のことを「王様」と発言しているさまはまさに裸の王様。鮫の刺青がよくお似合いです。
そしてこの章で描かれている久保田について。
普通の感覚からすると彼のやり方は狂っているとしか言えず、果たしてここまでする必要があるのかと理解に苦しみましたが、ラストの「みんなの唄」で自分達のような人間が何のために存在しているのかを潟木に語るシーンを読んでようやく腑に落ちました。
加えて、久保田が埜上の性癖を最初から知っていたとすれば…?
何を狙ってあのような不可解な行動や発言をしているのか推測できます。
「みんなの唄」
前半の武藤と坊のエピソードがこの物語全体の悲しさと行き詰まり感に拍車をかけます。
とはいえ坊と武藤が取った行動は組からすればやはり裏切りでしかなく、「ラナンキュラスの犬」で鶴子が武藤に語っている通り、ヤクザ社会にいたこの二人には遅かれ早かれ似たような結末しか待っていなかったのだろうな、とも。
後半の潟木と久保田のエピソードは、潟木の久保田に対する愛と久保田の潟木に対する愛が本物過ぎて泣けました。
ズタボロにされた背中の牡丹は潟木の勲章、その通りだと思います。
この二人には最後のその日まで全力で生き抜いて欲しいです。
どの話にも登場人物が決断を迫られる場面が出てきます。
あの時こうしていれば彼らの未来は違っていたのではないかとついつい思わされるのもまた、現実的な生々しさがありました。
「はるのこい」「ゆめのあんない」
ハタチの大学生二人が登場人物の、表題作とは全く別モノのお話です。
恋愛モノでふわっとしていて安心して読めるのですが、よくよく想像すると吐き気をもよおす気味の悪さです。
こちらは★3つくらい。
時々痛いBLを読みたくなる時ってありませんか?
私はラブコメ要素の強いエロ多めの本と読み返すたびに胸が痛くなる痛いBLは、無性に読みたくなる時があります。
阿仁谷ユイジ先生の刺青の男は、そんな時に読み返す本の中の一冊です。
刺青シリーズは謎の男久保田を中心に、話が展開していきます。
一見可愛らしい容姿をしている久保田ですが、女々しさは欠片もありません。
そして他の登場人物達も、一瞬一瞬を自分らしく生きようとする彼らは美しい。
阿仁谷ユイジ先生の描かれる絵は妖艶で、人間らしい表情はキャラクターを生々しく感じさせます。
さて、この作品に興味はあるけれどシリアスな作品を読むと立ち直るのに時間が掛かってしまうという方もいるとおもいます。
ご安心ください!刺青シリーズの後には大学生CPの可愛いお話が載っております。
こちらのお話のお陰か、私自身読後立ち直るのに丸一日は掛かりませんでした。
更に刺青シリーズの余韻をとことん楽しみたいという方は、刺青シリーズを読み終わったら少し時間を置いてこちらの作品を読むといいかもしれません。
片思いの相手が毎夜生き霊に~というちょっと不思議なこのお話を読み終えた後、ふと表題作のシリーズについて考えこむ時間をもう一度作ることもできます。
BLにラブコメ要素のみ求める方には向かない本だと思いますが、裏社会を生きる男たちの痛ましくもどこか美しい生き様に魅せられてしまったので神評価にさせていただきます。
「創作」である以上、必ずしもハッピーエンドで終わるとは限りません
勿論ストーリーによってはハッピーともバッドとも取れる内容のものもあります
しかしこの作品のバックホーンは「裏社会」をテーマにした物
理想より現実的な結末を追求したものとなっています。
人によっては残酷だと感じても、誰かには1つの愛の物語と捕らえられます
その「誰か」は作者や読み手であったり登場人物であったり
この作者の素晴らしい所はその曖昧さを描いた所にあると感じます。
作品に心揺さぶられ
中には絶句したり気分が落ち込んだり後味の悪さを感じたりすると思います
しかし最初にお話しました通り「創作」である以上
必ずしもハッピーエンドで終わるとは限りません。
それを理解し、覚悟の上で読んだ人にとっては最高の読み物であり
いっそ清々しさを感じると思います。
愛の形も様々だと、考えさせられる作品でした。
購入されたなら二回はお読みください。二度目は最初から胸が苦しくなります。伏線が張られた、悲しくて哀しくてヒキズルお話です。
私個人として、小説やマンガや映画などの物語は報いや良い結果があるべきものと思っています。このお話はそれに該当しません。ただ、この作者さんの作品群の中でも、出色の完成度であることは確かです。3話と書下ろしのけして長丁場でない4連作で紡いだお話は十分な感銘を与えてくれました。神評価は付けます。けれど、私と同様にバッドエンドを好まれない方にはおススメいたしません。それほど暗いお話です。私は電子書籍の48時間限定で読みました。いつも良かったなと思う作品は無期限で買い直しますが、このお話だけはあえて48時間限定で済ませます。というか、無性に悲しくなるので思い出したくありません。
第二話では上村一夫、三話と四話では石井隆を彷彿とさせました。
刹那的であるからこそ、より美しく思えるのでしょうか。
刺青を持つ3人の男たちを主に沿えて、作者の意図を見事に描いて見せていると思いました。
夢を見られるということは、まるきり不幸せだとは思わない。
それは一方で楽になれたことなのかもしれない。
「ラナンキュラスの犬」において、バラではなくラナンキュラスをモチーフにしたのも、
どこか泥臭くも華やかに咲く様が、実直な男である武藤にもこの物語全体にとっても、ぴったりだと思います。
過去と現在は変えようがない。けれど、未来は違う。
哀しいけれども絶望だけに終わらない、希望の残る終わり方だったと思います。
それぞれに貫いた愛の形を、シビアであっても暖かみのある目線を感じられる連作だと思いました。
そしてもう一つのお話。
生霊というネタもそうだし、モノローグがセンス良過ぎます!
「好きだからこそ、相手とまっすぐに向き合えない」だなんて、解り過ぎる心理。
恋する気持ちに、どっぷり浸かることができました♪
1度読んで「ん〜?」2回目読んで「ん〜」『みんなの唄』の坊と武藤の暮らしの時系列がわからなくて一度閉じ、反芻しながら家事などしてる最中に「!」
も一度開いて「あっ!耳鳴りって…!!」
つながったとたん涙がぶわっと止まりませんでした。
気づくの遅すぎ?
何回読んでも泣いてしまうと思います。
読んだら泣けるけど泣きたい時には読まないです、きっと。
BL読みで良かったと思わせてくれたお話でした。
いやいやいやいや…
痛すぎでしょコレ
二度と読み返さないと思います。
救いがなさすぎる
せめて刑務所から出てきたとこで終わっといて欲しかった。
誰か1人くらい幸せになってくれないとやりきれない…
因果応報は分かるけど、組長の子供と警察の人はあそこまで堕ちなきゃならない理由が分からない
趣味じゃない評価にならないのは、話にはガンガン引き込まれるし、絵も臨場感あるから。
でもそのせいで余計にストーリーの痛さが引き立てられるというか…
病んでる時に読むと引きずられると思います。
思いっきり酷い気分になりたい時はかなりオススメします。
個性的な絵柄のため避けていた阿仁谷ユイジさん。
テンペストで名前を聞くようになって、ブコフで激安だったため、何気なく手に取りました。
■僕のカタギ君~みんなの唄
1回目読んだときはショックで呆然。。。
でも何度か読み返すと、これもある意味ハッピーエンドなのかなと思うようになりました。
坊と武藤の現実の結末は悲劇だけど、カタギ君と久保田は裏切ったり裏切られたりしながらも最終的には、坊が幸せの夢を見続けれるのを願いながら出来る限り一緒にいようっていうラストシーンは、どこか希望の見える明るい終わり方なんじゃないかなと思います。
状況だけ見たら登場人物全員が不幸になるけど、全員の思いは通じ合ってますしね。
(と無理やり前向きに考えるようにしましたw)
■はるのこい・ゆめのあんない
大学生カプのちょっと不思議なイチャイチャものです。
先に掲載されている4作品がかなり痛かったので、印象が少し薄くなりますが、
それでもユイジさんのセンスとかテンポの良さが光ってます。
二人のエチが可愛くてよかったw
「お前のでかいから初心者には無理だし」っていう攻が可愛かった///
評価を神にしようか迷いましたが、輪姦シーンが痛すぎたので萌えです。
今日はとても暑くて半そでで過ごすほどなのに、読後とても寒くて仕方ない。
指先が白くなり、上着が欲しい。
痛い作品だとは聞いていたが、ここまでとは思わなかった。
一回読んだだけでは意味が掴めず、再読するほどにこの作品の奥行きと風呂敷の広げ方、しまい方が秀逸で、その世界観が分かれば分かるほどに苦しくなっていく。
どの登場人物も、得るの代わりに失うものが多すぎて目を向けるのが辛い。
また、阿仁谷さんの絵が痛さを倍増させるのだ。
各登場人物の表情が何ともいえない。
泣き顔もただの泣き顔に見せない凄さがあり、笑顔もそれだけでは終わらせない何とも後ろ暗いものを感じさせて、後にその裏が分かるとこちらはあっという間に地に落とされてしまう。
ちょっとしばらくは再読不可能な作品だ。
刺青の男に関連した作品は全てバッドエンドでした。
悲しいの通り越してしょっぱいです。
ってもやっぱりただのヤクザもんじゃなくてBLしていたと思います。
だって愛はそこにあったもの!
警察の久保田がヤクザの潟木の病気を知っていて受けてしまう所はちょっと文学的な雰囲気も併せ持っていた気がします。
武藤と有馬は可哀想な最後でしたね。
仕方ないです。そういう世界に生きると言うことは、真っ当な道に行けることはない。
リアル過ぎて残酷物語のようでした。
素晴らしい!
とにかくイタイタイ(;_;)
甘々なんて期待はしちゃいけないです
イタくってもいいから深い作品読みたいときに読んでください
私は一種のホラーだとも思いました…
表題作読後に
やりきれない感と充足感でなんとも複雑な気持ちにさせられました。
表紙の絵の美しさに購入しました。中身も良かったです。短編集ながら読み応えがあります。
痛いシーン多数ですがただのバイオレンスじゃない。刺青の男達ひとりひとりの愛模様が三者三様ですが、共通して"愛"なので、読後すっきりまとまってるように感じます。刺青効果も一因。
絵も綺麗・・・この人が描く受の表情好き(^///^)
個人的にラナンキュラスの話が最もズッシリきました。他の話も重たかったんですが、これは心が痛くて泣けました 切ないわぁ・・・・・
でも刺青って痛みを耐えて自身に綺麗な絵を彫り、その絵に自らの矜持を託す・・・というイメージなので、刺青テーマで痛い話ばかりなのはしょうがない、と何か納得して読んでいました。
せつなさに呆然とした後にいい具合に後ろに載ってる話がテンションを元に戻してくれます。おすすめー
最初に言っておく、ラブイチャ求めてる時に読んだら、ダメ、絶対。
「僕のカタギ君」「ラナンキュラスの犬」
「狂い鮫とシンデレラ」「みんなの唄」
ものすごいオチで、なんつーか、衝撃!こっわ!
今のBLでありなんだこれって…と感銘を受けました。(いい意味で)
痛いのも暗いのも全然大丈夫、むしろどんとこい!
な私ですがはじめて、これはちょっと怖い、と思いました。
その分すごく心に残りました。
とにかくストーリーに引き込まれました。
すごく良く出来てるな~と。
その後の「はるのこい」「ゆめのあんない」で
ホッと和み(^。^)=3 その緩急もよかった。
こちらは、ゲイの安奈がノンケの春野を好きになり、
ついには春野の生霊を見ちゃう話。
生霊っても六条みたいのじゃなくて
妄想の延長的なエロ可愛いやつ(笑)
これは春野の側からの話も読んでみたいなぁと思いました。
「やっぱり 本物が一番素敵」
すごい心理がさらりと描かれてありました。
表紙の美しさに魅かれて手に取りました。
短編集。
僕のカタギくん」
人生を踏み外し、今はかつての友人である久保田宅に湯木は転がり込んでいます。
湯木と再会した時、彼の背には刺青が彫られていました、立派なヤクザです。
そんな湯木を久保田が出る間際に犯すんですが、刺青効果も相まってそれが実にエロい雰囲気をかもしだしてます。
けれどヤクザの湯木は拳銃を持っていて、実は警察官だった久保田は彼を逮捕します。
騙されえたと無く湯木。
いや、久保田は騙してはいないんだよ、本当に君の事が好きだったんだ。
出来る事ならきっと、チンピラとペテン師、すげえお似合いだと思わねえ?と彼と暮らしていたかった。
しかしもうその生活は戻ってはこないのです。
阿仁谷ユイジさんの描く男は大抵だらしない面もあるんだけど、それでも格好良い面もある。
そう、人間なんて格好良いだけじゃ生きていけない時もあるんだよねー。
でも格好もつけないと生きて行けない生き物なんだ、男って。
これ、かなり以前読んだときは、数ページで「ああ、これきついわ」と、思って、パラパラと流し読みして、ずーっと封印してたんです。
久々引っ張り出してきてじっくり読んでみて、・・・改めて強烈さを再確認しましたw
最初の「僕のカタギ君」から「みんなの唄」までひとくくりで、この話がメイン。
みんな登場人物がどこかでつながってます。
登場人物の関係性は以下の通り。
潟木くん・・武藤の舎弟で久保田の恋人
久保田くん・・潟木の恋人で刑事。[狂い鮫とシンデレラ]にも登場
坊(有馬)・・組長の息子。武藤とCP
武藤・・坊の世話係り。坊とCP
楚上・・坊の組と敵対し襲撃。久保田にマークされる。
内容は割愛。
でっ!!
この本のすごいところは、みんなの唄までの登場人物オーール不幸になってるってこと。
だいたいどんな話でも最後はちょっとでも救いがあったり、主人公だけバッドエンドとかならありますが、オーーールです。
潟木くんも久保田くんも坊も武藤も埜上も組長も。
こんなBL読んだことありません。
作中でも「君たちを傷つけたツケは僕にも必ず回ってくる」と言ってるようにテーマがあるとすれば『因果応報』でしょうか。
「みんなの唄」は最後まで読んでもう一度読むと良く理解できます。
この本を最初パラッと読んだ状態だったら、きっと評価を中立にしてたと思います。
なにしろ暴力的かつ内容がエグイので。
ただ他では読めないだろうということや、意外な展開や絵柄の魅力や、
なんやらかんやらでw今の気持ちは萌×2評価。
一つ一つがばらばらの話に見えて、一つのストーリーを構成している。
これがまた読み応えがあるというか
壮絶というか。
甘い話ではないのだが、胸にズグっと重いお話でした。
(*-ω人)好きっ!
幼馴染。そして再会。
であった彼はヤクザになっていた。
よもやのヤクザ受。しかもなんかエロいぞ!
なんてときめき全開だったんですが
えーーーっな展開から
あれ?この子・・から
めくるめく人生を描いたこの作品。
読めば解かる。わかるさ読めば。
切ないので、ホッコリしたいときには読まないことをお勧めいたします。
■ゆめあんない
かなわない片思い。
その好きな相手がなんと部屋にでた。
生霊!?
そんな生霊がなんと自分の一時の夢をかなえてくれる
しかしそれの正体、そしてその行為からのメッセージは?
というところでしょうか。
前半が黒かっただけに、ちょと癒されました。
だが、手の甲にちんこ通過した痕が残るとかやだな・・・orz
絡め取られるように物語に引き込まれ、悲劇的結末の予感に血の気が引きます。ハピエン脳の私は用意された結末への仕掛けにあっさりと引っかかり、衝撃的なオチに思考が停止しました。
作品中の暴力や登場人物が傷つけられる姿が、まるでこの結末のやりきれなさを何かにぶつけたい暗い欲求を映し出しているように感じました。
すばらしい作品に出会えたと思うんですが胸が痛すぎる。
作品は神だと思うんですが悲しすぎるところがしゅみじゃない……。間を取って、プラスもう一本のお話は萌えだったので、評価は萌えでいきたいと思います。
作者のコミックスの中でもっとも異彩を放っている。
初見の時とんでもない衝撃を受けた。
ついついショックを求めて作品を選んでしまうが、これは
BLでありながらストーリー性、演出も秀逸で
読書中ずっと驚きを楽しめた。
BL的スゴ本である。
総てが予想外でした!
私は、始めこの本をとった時、彫師のお話だと思ったんです・・・
でも、本当は、背中に刺青を背負った1人の男の周りで起きていることが描かれているお話でした。
しかも、(途中までやっぱりやくざさんのお話なので、)適度な辛さを持ちつつも、甘いな~って思ってて、そのまま終わるかと思いきや、予想外な事態に!!!なんと、このシリーズはシリアスだったのです。
いや~びっくりだった。しかも、読み返しての理解。1度目より2度目に涙が・・・
ユイジ先生、こんなお話も書けるのかと改めて好きになりました。
後半は、別のお話が入っていて、SFチックなストーリーです。
この話は、絶対に絵の技術が必要な感じがしました。それを書けてしまうユイジ先生!先生の絵だったからこそ楽しめたのかもしれません!
予想外や、絵で、楽しめた1冊だったので、珍しく、いろんな人に見てもらいたくて、神評価にしました。
BLもいろいろ姿を変えて現れてきたと思わせるような作品です。
でも今は、ありきたりの話じゃなくて読んだことのない設定で、先が読めない展開の作品がもっともっと増えればいいなと願ってます。
阿仁谷先生の描く絵は、キャラの表情が雄弁です。嬉しいとき、泣きたいとき、うっとりしているとき、それにぴったりあった表情がうまく描けているところが素敵!!
今回の作品の中では一番、潟木くんが好きでした。大好き。潟木くん、ヤクザのくせにそんな隙だらけ&かわいくていいの?って思っちゃいました。
久保田とのエッチのときに、潟木くんの背中の牡丹の刺青が綺麗に映えているとこがエロくて、牡丹の華の香りが匂い立ってきそうでした^^
久保田はほんとポーカーフェイスですよね。内に秘めている思案を表に全然出してこないところが。しかもこいつ、なんか魔性ですよ。攻めも受けもバリバリなんてすごい。しかし、やっぱ久保田×潟木で読みたいナ。
あ~あ、潟木くんてなんであんなにかわいいの?エンドレス・・・
雑誌「OPERA]で阿仁谷先生に出会ってからなんか新境地開けました=
ズドンとくるこの重量感…いやはやヤクザ裏社会モノということで、そりゃ生温いお話ではございませんよ。実は手を出すのにかなり迷いました。ハピエン主義な自分に耐えられる自信がなかったのでね。
しかしミスターコンビニエンスやカンゴク69が気に入ってしまっただけに、やはりこの作品も読んでみたくなってしまいました。
うむ…やはり、辛いものがあった。ただお話としては素晴らしいと思います。一人一人のキャラクターやほの暗い世界観、凄いとしか言いようがない。
すごく評価に迷いました。構成がいいし、カップリングの感じもキャラも魅力的、だけど萌えとはまた次元が違う気がして…結局中立に。
純粋に漫画としてすごい秀作だと思いました。
最初読んだ時は「?」な場所もあったんですが読み直して気付いてしまった事実に胸が裂けそうでした。
幸せな夢か…なんといいますかいろいろショックでした。
他に別のお話、「はるのこい」「ゆめのあんない」の2話続きのお話が収録されております。
こちらは萌えでしたよ!
ゲイの大学・安奈は普通に二股しちゃうような女好きの友人・春野に恋してしまう。
絶対に報われないと思いながらもどうしようもなく好きで好きで、強く求めてしまう。その気持ちが春野の生き霊を呼び寄せてしまい…!?
あらすじ書くとホラーみたいですがそんなことはないですよ。
阿仁谷さんて感情の起伏を表現するのがお上手!そこがグッとくるポイントですね。
もともと 阿仁谷ユイジサンのお話はスキなんですが!!
この刺青シリーズは、痛々しくて哀しく 心残りがおおかったです))))
すごくダークで久保田と坊の最後がとても 可哀想でした・・・
因果応報はわかるけど、一人ぐらいは幸せになってほしかったです。
でも 読み終わった後はすごく 心に残る作品でさすが 阿仁谷ユイジサンの作品だなと
思いました。
最終話で全て繋げる巧妙な仕掛けは見事!
これまでの話がオセロのようにひっくり返っていく爽快さは純粋に作品として面白く、おおーっと鳥肌がたちました。素晴らしい。
でもその後にもやもやが残るんです。
バットエンドやハッピーエンド云々というより、作者から読者への挑戦状かと思っちゃいましたよ。
このラストが因果応報なのか自ら望んだ罰なのか、はたまた罪も罰も一緒に共有できる相手を手に入れられたという一種の幸福なのか、それとも久保田という男の強烈な愛を描きたかったのか、読み終わって??でした。ど、読解力が及ばず…。
朧げにこういう事がいいたいのかな??という思考もラストの衝撃でふっとび、残ったのは後味の悪さでした。
久保田という男に主スポットを当てているお話だと思うのですが、この男の行動原理があまりに分からなかったのが一番もやもやです。
久保田の深淵が見えないので、このラストが構成上としてのオチとしてばっちりハマればハマるほど、人間ドラマとしては違和感を感じてしまいました。
確かに重い。
でも、重い割にはテーマが見えずらい…というのが正直な感想です。
みなさん絶賛の中、辛口ですみません…。
作品としてはもちろん十分面白かったし読みごたえがあります!そこは誤解のなきよう。
後半の2話。こっちは萌評価です。
アプローチが面白い!どうやったらこんなの思いつくんでしょう。
とにかく、鳥肌がたちました。
ユイジさんはミスター~から読み始めましたが
これを読んだ瞬間、大好きな作家さんになりました。
雰囲気が全然違う…!
始めて読んだ時も思いましたが、表情が妙にエロい。
そんなに露骨に表現している訳でもないのに、なぜでしょう…。
ただ、暴力が嫌いな方は止めておいたほうがいいです。
後、リバが苦手な方も。
ちなみにわたしは大好きですが(笑)
そのわたしの意見ですが…
わたし、刃物を使うのは苦手なんです。
だけど殴った青痣は大好物です。
青痣だらけのこの1冊。
堪らない。
普通の漫画に飽きてしまった方、是非読んで下さい。
オススメです。
好きです。すごくっ
刑事×ヤクザっていうのがたまらないし、ヤクザ物大好きな自分には、かなりきましたっっ。
中でも「狂い鮫とシンデレラ」の久保田が大好きです。
女装って久保田綺麗すぎっ
首絞められちゃうとことか、殴られちゃうとこがお気に入りですっ
ほんと大好きっ
面白いと言うよりは、魔力があったという方がしっくりくる。
読んでいるというより、勝手に頭の中に入ってくる感覚。
面白いも何も…ちょ、まって、まだ、まだ駄目…!駄目…!みたいな感じで、世界についていけないんです。
これは作品として減点なのかというと、そうではない。とんでもない。
ついていけてない私が駄目なんである!と。
思いもよらない展開と、見せ方、時間軸、視点、表現、描写、加えるなら表紙の装丁までも!
どれをとっても、素晴らしい!!
蛇龍どくろの「エンドレスワールド」がしっかり構築された現実世界での薬物による幻覚症状を上手く見せたのに対し、阿仁谷ユイジの「刺青の男」はしっかりとしている筈の現実世界を最初ッから歪ませて幻覚を見せているかのように表現している…その見せ方も凄かった。
雰囲気が同じカテゴリかな?というので引き合いに出してみましたどくろさんの「エンドレスワールド」…。(こっちも素晴らしい漫画です是非どうぞ)
表題作「刺青の男」のシリーズのあとに、別の読みきり二話分も収録されています。
この「はるのこい」はいつものユイジワールド全開な内容なのですが。
これも密かに才気を感じさせる出来で舌を巻きました。
かつてこれほどのエロス表現を見たことがあるだろうか!?いやない!!(反語も飛ぶ!)
これほどのオリジナリティあるエロシーン…
背中から蝶が飛び立つ睦言なんてそうそうあるわけない!
もちろんこちらも、本を開いたまま掲げて「スバラシー!!!」と叫んだのは言うまでもありません。
初めて読む方ですが、以前から気になっていた漫画家さんです。
表題作の刺青の男は予想とおりヤクザの話でした。
メインは刑事(久保田)Xヤクザ(潟木)って感じですが、久江羽さんの言われるように刑事の久保田のやりたい事が全く見えてこない。
捜査線上に上がっている人間を逮捕するなら受けにもなれる久保田、使命感の強い人といえばそうなのかもしれないけれど、それだけじゃないよね?
表題作は色んなタイプの刺青の男が出てくるけど、どの話も救いが無いかんじで重い。
テーマは因果応酬か?判るんだけど、言いたいことはわかるんだけど…。
「ただいま」「おかえり」と交わす言葉をあんなに喜んでいた彼の最後があれ?
せめてあの2人が幸せになってくれていたらまだ救われたのになぁ…。
同時収録の話はこれまた雰囲気の違う話でどこかコメディタッチ。
この話があったからちょっと気持ちが浮上したけど、一冊まるっと刺青の男たちの話で最後にあれ来たら鬱々とした気持ちが一日続きそうですね~^^;)
ただ、痛くて救いようの無い話ではあるけれど、嫌いではないので評価を「萌」に。痛くてもラストがハッピーエンドじゃなきゃイヤだって方にはちょっとお勧めできません。
「僕のカタギ君」「ラナンキュラスの犬」「狂い鮫とシンデレラ」「みんなの唄」(描き下ろし)
「はるのこい」「ゆめのあんない」⇒春野(大学生 女好き)×安奈(大学生 ゲイ)
「僕のカタギ君」~「みんなの唄」は主人公がそれぞれ違い独立して読める作品になっているのですが、他の作品に登場したキャラがまた登場していたりとリンク作になっています。「僕のカタギ君」~「狂い鮫とシンデレラ」までは掲載誌の「OPERA」で連載され、「みんなの唄」は描き下ろしだったようですね……
皆さんのレビューでも言われているとおり、この作品は読後痛い・哀しいという印象を強く残す作品です。でも実は「僕の…」~「狂い鮫…」までを読む限りではそういう雰囲気はないんですよ(なので掲載誌しか読まれていない方にとっては「そうだったっけ!?」と思われるんじゃないでしょうか)。
その雰囲気がガラッと変わってしまうのは描き下ろしの「みんなの唄」を中盤くらいまで読み進めた頃でしょうか。読み始めはむしろ甘々なくらいなのにいきなり「アレ!?」と思うようなシーンが出てきて、そこがちょっと引っ掛かりつつも読み進め、また甘々な感じに…と思ったら一気に突き落されます。そこからはホントに急転直下という感じで哀しい現実が明らかになります。今まで読んできた3作がここでこういう形で収束されるとは…としばし呆然となってしまいました。
正直、最初に読んだ時はショックが大きく「もうこの作品読めないかも…」くらいの事を思いましたが(でも評価的には[神])、少し時間が経って落ち着いて読んでみるとまたちょっと違う印象を持ちました。だからと言って私の分類の中でこの作品がハッピーエンドに思えるようになったという事ではなく、ラストのページ(Thanksページみたいなところ)にある“幸せの雛形なんてどこの誰が作ったの?”という言葉を受け入れる余裕が少し出てきたというだけなんですけどね。
「はるのこい」「ゆめのあんない」のシリーズは、片思いの相手の生霊と夜な夜なエロいことをしてしまうというちょっと変わっている話なんですが、こちらは安心して楽しめる!?作品でした(まぁあちらと比べてしまえばねぇ…)。最後に実物とHをするというシーンで、今まで攻だと思っていた方(ずっと片思いしていた方)が受になるのはちょっと驚きましたが、むしろその予想外な感じに結構萌えました。
刺青を背負った男達をメインにした短編集。
妖しい雰囲気漂う、表紙イラストに惹かれて購入。
痛い。
救いようのない痛い展開とラスト。
でも、その中に潜んだ妖しさと甘さに目を奪われました。
こいつらみんな、終わってるなぁと思いつつ、何度も読み返したくなる作品です。
痛い!痛い!
ヤクザ物っていえばそれだけなんですが、刑事の久保田が痛すぎる。アンタの目指しているところはどこ?っていう感じ。言いたい事がわからなくも無いんですが、全体的に“狂ってる”感が重いんです。もし、久保田の過去になにかトラウマがあってという展開なら、まだいいんですが、久保田の背景がほとんど無いので・・・。却って、ヤクザの面々の方がバカな分可哀想になっちゃいます。
明るい未来が見えない・・・
こっちのシリーズだけだと私にとって痛すぎるので、評価は中立止まりにしたいんですが、もう一つのシリーズ「はるのこい」と「ゆめのあんない」の方の着眼点が斬新で、とってもよかったので、萌えにしました。
この「生霊」というシチュエーション、恋する後ろ向きなゲイ・安奈君にとったら「実物」でなくてもいいや的な?
生霊で乗っかっちゃう春野君だって、どんだけツンデレ?
二人とも疲れちゃっているところがまた痛々しくて可愛いし。
これで、ハッピーエンドだったので、読後感は悪くありませんでした。
やっぱり暴力は反対!
あまあまなのも好きですが、読んでてやり切れなくなるようなダークな話も大好きです。
王道が好き☆って方にはあまりお勧めしませんが、あたし的にはかなりツボった作品です。
ヤクザと警察が入り交じった中で、いろいろ場面が変わりつつストーリーが進んで行きますが、最後まで読んで全てが繋がると、なんともいえない焦燥感になりました。
1冊の漫画でこの世界感を出せる作家さんはなかなかいないと思います。