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kono sekai ni sonzai shiteinai kimi he

ずっしりとのしかかるこの読後感…。
これはボーイズラブなのか?
いや、ボーイズらぶではあるけれど、
そんな狭い枠に留まらない重みのある1冊でした。
高校生の詢は大企業の跡継ぎとしてまるで人形のように、
親の思い通りのままに育てられてきました。
そのせいか、詢は愛を知りません。
生活は裕福なのに心は空っぽで、まだ高校生だというのに
子供らしさなど欠片もなく、冷めきった青年になっていました。
そんなある日、コンビニの店員に追われる少年・カイと出会います。
まだ幼く見えるにもかかわらず、万引きをしたという。
彼は一体何が欲しかったのか?
カイが欲しかったのはおにぎり2つ。たったそれだけ。
空いたお腹を満たすため、生きるために。
悪いことをしているのに悪びれることもなく、
だけど、悪人というわけでもない。
そんなどこか不思議な少年・カイに詢は興味を惹かれてゆきます。
それから詢はあらゆる手段を尽くしてカイを見つけ、
家に連れ帰り温かいご飯とお風呂を与えます。
そうしたことを繰り返すうち、カイもまた少しずつ詢に懐いてゆくように。
カイという少年のことを知っていくうちにわかってきたのは
彼には戸籍がないということ。
学校にも行っておらず、文字の読み書きができないから
自分の名前を漢字で書くこともできない。
母親はいるけれど、まともな食事ももらえず、
寝床は寒くてゴミだらけのベランダ。
育ってきた環境は違えど親から愛されず、
愛を知らないカイと自分は同じ。
同じだからこそ、わかりあえるかもしれない。
詢はいつしかカイにこれまで抱いたことのない感情を覚えていました。
彼を自分の傍に置いて自分だけのものにしておきたいと。
それは彼が初めて知った独占欲でした。
けれど、親の手によって詢とカイは引き離されてしまいます。
その空白の7年間。
留学先から帰国した詢はカイを手放してしまったことを深く後悔します。
そして、再びカイの消息を探しはじめるも、彼が辿り着いた答えは…。
カイへの感情を「愛ではない」という詢。
カイが詢に抱く愛情とは異なるその感情を受け容れようとしない詢。
だけど、詢がカイに抱くのだって確かに“特別”な感情で、
詢がその感情を抱いたのは後にも先にもカイただ一人なのです。
それってもう愛じゃないのか?と思うのです。
一般的に言う純粋な愛とはちょっと違うのかもしれないけれど、
何かしてあげたいと思ったり、独占したいと思ったり、
過労になるまで探す程に傍にいたいと望むその感情。
私はそれも一つの愛の形って言ってもいいと思うんですよね。
カイだって自分と同じ愛じゃなくたって良いと言ってるし。
曖昧な感じは残しつつも、二人が寄り添っていきていける。
それだけでもう私としてはハッピーエンドでした。
パッと見てどんな風にも捉えることができるようなタイトルに惹かれがち。
なのでこちらの作品もあえてあらすじなどを見ず、タイトルから感じた印象だけを持って読み進めました。
もしかして実体がないのか?とか
死ネタ…?とか色々考えていたけれど、
『存在していない』という言葉の意味は思っていたよりずっと現実的で、そしてとても鋭く刺さるものでした。
偶然の出来事から交わることになったふたりの世界はそれぞれの意思のもと少しずつ動きはじめるわけですが、その関係はどこか歪に映ります。
それが年の差があるからとか生い立ちや環境などの違いによるモノではなく、
一緒にいる時間を大切にしているのにそこに求めているのが違うから歪さが生まれている、というのが本当に切なかったです。
"親から愛を与えられずに育った子ども"という共通点だけでは融合できなかった当時から、大人になって再会した後の現在まで。
ずっとシリアスめな展開ではあったけれど
難解にも思えるやり取りの中から正解や真実を探し出すのではなくて、
ふたりが『安心できる場所』に辿り着く結末になっていたことにものすごく救われました。
そして重たいストーリーなのでそれほど恋愛部分の主張は強くないけれど、
それぞれの激しい執着からしっかり相手への愛が感じられたのが良かったなと思います。
一つひとつのエピソードが深くて、とても読み応えのある作品でした。
「この世界に存在していない君へ」というタイトルにひかれてよみましたが、よみはじめてすぐに、このタイトルの意味に気がつきました。
「戸籍を持たない少年」で、現在は総合商社シルテム管理部の社員をしている「カイ」と、社長のこどもで、自社総合商社主任をしている「詢」とのお話です。
全体的に、シリアスな雰囲気ですが、こういう雰囲気のお話は好きなので、おもしろいとおもいながら、よみすすめることができました。
現代の社会が抱える「闇」の部分にも焦点をあてていて、読みごたえのある作品だとおもいます。
あの 日本であまり話題にのぼることはないんですが 支援団体の推定では一万人以上とされる『無戸籍者』
このお話のど真ん中にそこがあって
あぁ 外国籍の親が国籍の取得ができずってのではなく婚外子というか
いや あたしの言葉選びで中の彼を二重にも三重にも傷つけちゃいそうでやなんだけど 望まれて生まれたわけではない子 ってやつで
そこまでの痛々しさはないにせよ 訴えてくるのが『愛を知らない』ってところなので えぐられる部分は多少あるし 恋しい愛しいが見えづらいお話しかな と
そうそう いい忘れましたが作家さま買いです
なので こちとら内容はどんなものでもドントコイなんですが これをはじめましてに選ぶ方がいるとするなら お嬢さんお待ちなさい と
Σ あああああ 悪口じゃないですッ!
えええっと 扱いが難しい綺麗事ではすまないお話 なのであたし自体はガッツいて読んじゃったし 互いの執着はスゴいんですよ 欲しいものは互いだけなので
ここなんですよ
ふたりの中にある執着が甘さやメロさに繋がるわけではないし 思いの外淡々と進むお話にこちらの感覚がマヒするのか何かが破裂しそうな恨み辛みも
内容はいいんですほんとに 多少の読みづらさはあるにしても
どこまでもついてまわる生い立ちへの苦悩や 生きる術を得たところで交わらない切なさ
確かにそこにあるはずなのに 知らないがゆえに欲しいと言えな んんんんんんんんんんんんんんんん
Σ 読んでッ! ←え
いやもぉ 乱暴なのはゴメンなすってなんだけど 一目瞭然なあまあまラストではないです なんの前触れもなくえっちしててびっくり仰天ですし
ただ[愛を知らない] だから求めない そんなものはなくても生きていける っていうこの終わりに滲む慈悲
日本語あってるのか?これ
あれです 浮かれちんぽなラストに飽きていたり 犯罪すれすれの執着が欲しいのならそっと差し出してあげたいお話 っていったらわかってもらえるかしらね ←いや全然わからんしッ!
大企業の御曹司として、敷かれたレールのうえを歩いてきたDKの詢が、ある日万引きしていた少年カイと出逢い、ほんのひと時を過ごす冒頭から始まるお話です。
タイトルの、「この世界に存在しない君」の「君」とは、いったい誰を指すのでしょうか。
カイは、母からネグレクトを受けていた無国籍児でした。
詢が家庭の事情で、カイと離れ離れになり、七年後、日本へ帰国し家業を継いでいた詢は、カイを探しますがすでに亡くなっていたと報告があり、、、
絶望的な結果かと思われたこの展開。
けれど、このタイトルを思い出し、存在していない「君」とは、果たしてカイのことなのか。
それとも、、
と、推察しながら読み進めていく楽しさがありました。
あまりにも愛について飢えていた似た者同士のふたりが。
けれど、まったく似ていないところもあるふたりが。
辛く苦しいなかで、やがてたどりついた、周囲から見たら愛とも呼べない救済の愛こそが、
ふたりを喜びと祝福で包み、
そこから「愛」を「信念」と呼んだ究極の愛のカタチを示したように感じました。
決して甘い話ではありませんでしたが、
心臓を分け合う究極の片割れの相手と再会できたこと、唯一無二の相手と出逢え救われ、
もう存在しない「君」がいること(いたこと)を知っていること、、
愛について難しいお話でしたが、読み応えはあった一冊でした。
先ず作品タイトルで気になって(怖い系⁈)あらすじを読んで全然違いそう…!と興味を持ちました
所謂”無戸籍児”であるカイと、立派な家に産まれては居るけれど早坂家の子息として親の望む姿のまま操り人形のように生きてるのみで、彼自身の存在意義には無気力な詢(しゅん)
そんな2人の状態や状況を揶揄したような作品タイトル「この世界に存在していない君へ」が非常にシニカルで巧いな…!と思わせてくれます
そして、、、読後にこの作品タイトルを改めて見ると、、、環境などの物理的な事に所以したもの以上に込められた、2人それぞれの想いを知る事になりすごくすごくグッと来ます
読者の「興味を惹く」という役割以上の、めちゃくちゃ色んな感情を読み手の胸に去来させる非常に秀逸な作品タイトルだと思います
この沁み入る感動を是非とも味わって欲しくなります
電子で全276ページ
かなりシリアス多目です
本格的な社会派、とまでは言いませんが社会の問題と家庭の…特に毒親(教育虐待、ネグレクト)に関しては抉って来る描写に容赦がありません
なので最初に注意点を、、、‼⚠‼
特にカイ側のネグレクト描写がかなり厳しいです、、、
創作と分かっていても、ちょっと胸が痛いです、、、苦手な方、十分なご注意を
詢は親の傀儡として生きる事に不条理を感じ辟易した日々を送る高校2年生
ハッキングスキルを活かして小さな悪事をしながら溜まる鬱憤を晴らしている
そんな或る日偶然知り合った万引き少年のカイ
カイの何も持ってない(それは物理的にも感情的にも)様子に一気に興味を持ち家に匿う詢
自分の名前の漢字すら知らないカイに「誡」という漢字を選ばせ、料理を与え自身に依存をさせ始める事で今までに感じた事のない充足感を感じる詢
そして色んな初めてを与えてくれる詢に〝特別〟な感情を抱くカイ
そんなカイに気付き、間違ってる…と分かっていてもカイを手放せない詢
でも、そんなおままごとの様な時間は詢の親の支配によりあっけなく終わりを告げます
強制的に海外に留学させられてカイに会わずに居た3年
帰国してからも消えない喪失感を埋めるように一心不乱にカイを調査会社を通して調べ続けるも一向に情報が掴めないまま、、、
急な別れから7年が経ってしまったある時、詢に届いた調査報告の報せから物語がまた動き出します
互いを〝特別〟だと思うには十分過ぎた初めての感情を共有した2人
なのにその〝特別〟を裏切られたように別れてしまった事でその純粋だった想いが拗れて立派に「執着」として昇華するには十分な時間がありました
交錯する〝カイで居たくない想い〟と〝カイで居て欲しい想い〟
このすれ違いの元を辿れば互いが抱く〝特別〟の意味合いの違いに行き着きます
彼らから距離のある読者の視点として大局で見れば、お互いが出会った事で知った感情そのもが〝特別〟な訳ですが、、、
当事者に取ったらその〝特別〟が持つ意味の違いは大きい訳で、、、
そんな2人が行き着いた答えは???
という凄く感情を揺さぶって来るし、彼らの心理状態を視点を変えて考え抜き、胸が詰まる事もしばしば
だからこそこの作品に出会った意味があり、彼らの物語を読んだ意義を感じます
ストーリー構成上結構ネタバレを大きく回避したレビューです
なので、おススメが上手く出来ていない可能性があるとは思うのですが、、、
〝特別〟が生み出した「執着」
「自分だけの君」を求め合う2人
何も持たなかった2人がその「執着」をどう昇華させたのか???
そして知った、知っていた、知りたかったその感情の名前を共有する2人の姿に納得のクロージング
ズッシリと読ませて貰った1冊でした!!!!
出会えて良かった作品です‼
と言う事は私の感想としてお伝えしたいと思います(*˘︶˘*)
修正|最終話まで体を重ねる事は無いので濡れ場は少な目 修正が目立つような絡み描写でもありませんが白抜きとグレートーン修正