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kono sekai ni sonzai shiteinai kimi he

先ず作品タイトルで気になって(怖い系⁈)あらすじを読んで全然違いそう…!と興味を持ちました
所謂”無戸籍児”であるカイと、立派な家に産まれては居るけれど早坂家の子息として親の望む姿のまま操り人形のように生きてるのみで、彼自身の存在意義には無気力な詢(しゅん)
そんな2人の状態や状況を揶揄したような作品タイトル「この世界に存在していない君へ」が非常にシニカルで巧いな…!と思わせてくれます
そして、、、読後にこの作品タイトルを改めて見ると、、、環境などの物理的な事に所以したもの以上に込められた、2人それぞれの想いを知る事になりすごくすごくグッと来ます
読者の「興味を惹く」という役割以上の、めちゃくちゃ色んな感情を読み手の胸に去来させる非常に秀逸な作品タイトルだと思います
この沁み入る感動を是非とも味わって欲しくなります
電子で全276ページ
かなりシリアス多目です
本格的な社会派、とまでは言いませんが社会の問題と家庭の…特に毒親(教育虐待、ネグレクト)に関しては抉って来る描写に容赦がありません
なので最初に注意点を、、、‼⚠‼
特にカイ側のネグレクト描写がかなり厳しいです、、、
創作と分かっていても、ちょっと胸が痛いです、、、苦手な方、十分なご注意を
詢は親の傀儡として生きる事に不条理を感じ辟易した日々を送る高校2年生
ハッキングスキルを活かして小さな悪事をしながら溜まる鬱憤を晴らしている
そんな或る日偶然知り合った万引き少年のカイ
カイの何も持ってない(それは物理的にも感情的にも)様子に一気に興味を持ち家に匿う詢
自分の名前の漢字すら知らないカイに「誡」という漢字を選ばせ、料理を与え自身に依存をさせ始める事で今までに感じた事のない充足感を感じる詢
そして色んな初めてを与えてくれる詢に〝特別〟な感情を抱くカイ
そんなカイに気付き、間違ってる…と分かっていてもカイを手放せない詢
でも、そんなおままごとの様な時間は詢の親の支配によりあっけなく終わりを告げます
強制的に海外に留学させられてカイに会わずに居た3年
帰国してからも消えない喪失感を埋めるように一心不乱にカイを調査会社を通して調べ続けるも一向に情報が掴めないまま、、、
急な別れから7年が経ってしまったある時、詢に届いた調査報告の報せから物語がまた動き出します
互いを〝特別〟だと思うには十分過ぎた初めての感情を共有した2人
なのにその〝特別〟を裏切られたように別れてしまった事でその純粋だった想いが拗れて立派に「執着」として昇華するには十分な時間がありました
交錯する〝カイで居たくない想い〟と〝カイで居て欲しい想い〟
このすれ違いの元を辿れば互いが抱く〝特別〟の意味合いの違いに行き着きます
彼らから距離のある読者の視点として大局で見れば、お互いが出会った事で知った感情そのもが〝特別〟な訳ですが、、、
当事者に取ったらその〝特別〟が持つ意味の違いは大きい訳で、、、
そんな2人が行き着いた答えは???
という凄く感情を揺さぶって来るし、彼らの心理状態を視点を変えて考え抜き、胸が詰まる事もしばしば
だからこそこの作品に出会った意味があり、彼らの物語を読んだ意義を感じます
ストーリー構成上結構ネタバレを大きく回避したレビューです
なので、おススメが上手く出来ていない可能性があるとは思うのですが、、、
〝特別〟が生み出した「執着」
「自分だけの君」を求め合う2人
何も持たなかった2人がその「執着」をどう昇華させたのか???
そして知った、知っていた、知りたかったその感情の名前を共有する2人の姿に納得のクロージング
ズッシリと読ませて貰った1冊でした!!!!
出会えて良かった作品です‼
と言う事は私の感想としてお伝えしたいと思います(*˘︶˘*)
修正|最終話まで体を重ねる事は無いので濡れ場は少な目 修正が目立つような絡み描写でもありませんが白抜きとグレートーン修正