目眩はまどいのつがい

memai ha madoi no tsugai

目眩はまどいのつがい
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神139
  • 萌×226
  • 萌6
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

10

レビュー数
24
得点
817
評価数
172
平均
4.8 / 5
神率
80.8%
著者
早寝電灯 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
新書館
レーベル
Dear+コミックス
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403669804

あらすじ

地震によって帰宅できなくなったオメガの波止は、アルファの店主・和巳が営む古書店に一晩泊めてもらうことになる。「常連客と店主」だったはずの関係は、非日常の中で不意に近づき……?

表題作目眩はまどいのつがい

書店屋、訳ありのα、34歳
サラリーマン、鈍感なΩ、24歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし

レビュー投稿数24

感情寄りのオメガバかな

過去作「52ヘルツの共振」と同じ早寝電灯先生オリジナルの身体共鳴するオメガバ設定。
会社帰りに古書店で地震が起こり帰宅できなくなった波止が店主の和巳に助けられることから物語ははじまります。

この時から和巳は身体共鳴で波止に対して運命を感じていますが、波止は鈍感で次にバーで和巳と会っても和巳のことすら気づきません。
和巳の波止への接し方や波止を見つめる瞳、パチパチと感じる共鳴が普段の様子と違いとてもαらしくなります。無自覚にも波止を囲い込もうとするフェロモンに波止は慄きますが、自分をΩと知りながらも優しく手を差し伸べてくれたことに感謝を述べます。
ふたりともαとΩとして暮らしにくいこともあったのでしょうね、ただあたりまえに生きていきたいという思いが切なくさせられました。

それでもふたりは古書店でお茶を飲みながら話をしたり、同じアプリゲームをしたりして仲良くなっていくのかと思いきや、和巳から線を引かれてしまいます。それは相手に嫌な思いをさせないためであり、自分を守る為でもあったのだと思います。和巳は過去にΩと何かがあったんだろうと早い段階で推測できるので、それゆえに波止を好きになればなるほど抑えきれない感情で苦しみます。
そんな中、波止が和巳の前でヒートになってしまいます。互いに求め合うもののなんとか和巳が緊急抑制剤を打ってふたりは事なきを得ます。このヒートによって波止は和巳を好きだという気持ちがハッキリしますが、和巳は身体のみが気持ちよりも先に反応してしまうことに苦しみます。
ふたりともなかなか拗らせていて、素直になってくれません。これってオメガバならではの悩みですよね。心よりも身体が求めてしまうのか、好きになったのはΩとαだからなのか人間性なのか、匂いなのか運命なのか。

10歳上の和巳ですが、ぐちゃぐちゃに悩んで苦しんでいるんですが、波止が笑顔ですべてを受け止めます。「大丈夫ですよ」って。鈍感で強情だったかもしれないけれど、勇気のあるとても前向きな波止がすごくかわいくて素敵に描かれていました。
ふたりの性格が正反対だからこその拗らせすれ違いだったかもしれませんが、正反対だったからこそ付き合えるようになったのかもしれません。

オメガバってわりとがーーっとやちゃって好きーーーってなって番になっちゃって……みたいなのが多い気がしますが、この作品のように付き合うまでじっくりとふたりの感情に寄り添っている物語もいいなと感じました。
もちろん付き合ってからは和巳のα力が発揮されるので、かっこいいαの様子もオメガバのラブラブさも楽しめます。


最後にカバーをめくって表紙裏を見てください。よかったなとホッとできます。

0

オメガバースの名作、神作品といっていいでしょう!

オメガバースもいろいろ進化してきたなぁと感じた作品です。

圧倒的な力関係がついてしまうもの、という認識があったオメガバース。
そこにしっかりと焦点をあてて丁寧に描いたもの、というと伝わるでしょうか。

ほのぼのとしたパートと切ないパート、現実をつきつけられるしんどいパートがしっかりと描かれているので、
架空の設定のはずのオメガバースがすごく現実味がありました。

メインとなる二人のキャラクターもしっかりしている、というのが大きいかもしれませんが、
わりとシリアスな話の中でも、シリアスにかたよりすぎない部分もあって
多くの人に読んでほしい!!!と心の底から言いたい作品でした。

0

尊いってこういう事を言うんだな

出会った時から身体共鳴により波止がΩだという事をに気づいていた和巳さんに対して、フェロモンに鈍感で全く気づいていない波止くん

αの衝動ではなく、Ωだからではなく、波止くんの相手を思いやれる性格に惹かれて、αとしての焦燥感に駆られながらも地に足をつけて波止くんに選ばれたいと想い続ける和巳さんの優しさと大人の色気が最高にかっこよかった

フェロモンに鈍感で和巳さんと身体共鳴しちゃってることに気づかなかったけど、和巳さんの言葉に救われて惹かれて、和巳さんをまっすぐ見つめる波止くんのキラキラした目
守りたい君の笑顔!!!守ってあげてね和巳さん!!!って母性丸出しで心の中で叫んだww

身体共鳴はあったのに、それに抗い親しくなろうと歩み寄って、配慮と努力を積み重ねてたどる道をゆっくり一生懸命選んで、辿り着いた2人の居場所
尊すぎる…優しいが渋滞しすぎて心溶けたよな

オセッセシーンは少ないけど、最後番うシーンで「一人で怖いことをさせたくないよ」って波止くんが和巳さんを思いやってした行動が、波止くんの優しさをこれでもかというくらい表現しててグッときた
あとバックで突きながら波止くんの耳元で「ここに子宮があるんだよ」って囁く和巳さん
ねえそのセリフだけで妊娠してまうぞ?!色気爆発好きww

久々にオメガバ読んだけど、今までとは違う着眼点に読み応え満点でした

3

普通

普通って、難しいですよね。それがオメガバであればなおさら。運命の番とか、フェロモンとか、自分じゃどうしようもないところに左右されてしまう。Ωだけど少し鈍感で、普通の人間関係をひとつずつ作っていきたい受けが、とても誠実で応援したくなりました。一方の攻めも、過去の出来事で、αの本能に抗おうとしてもがいてる。強引でなく包み込むような優しさが好感度大。少しずつ距離を縮めて、自分の気持ちに問いかけながら、恋を育んでいく二人にキュンキュンしてしまいました。
先生の作品はΩが凛として生きているところが好きです。

3

至高のオメガバース

アルファとオメガ両サイドが抱いている想いを、ここまで丁寧に、それでいてあたたかく紡いでくれたオメガバース作品は初めて出逢いました。私はこれまでたくさんのオメガバース作品を好んで読んできたし、それなりにオメガバースについて考えてきたつもりでした。でも私はアルファがアルファであること、オメガがオメガであることについての想いや悩みや葛藤をまだ全然理解できてなかった。この作品を読むことで、自分の中のオメガバース観により深みが増したような気がします。尊い時間をありがとう。この作品に出逢えて本当に良かったです。

4

胸いっぱいです

作家買いです。
1話目から早寝先生作品やっぱり大好きだわ~とテンション上がりながら読みました。
それがずっと続いて最後まで最高でした。

波止が周囲に恵まれていると思いながらもΩとしての生きづらさを感じている。
そこへ和巳と出会い、居場所(同じ船)を提示してもらいうれしかった。

最初から和巳がどこか様子がおかしいのが、だんだんおもしろくなってきました。
年上で大人キャラが無自覚年下くんに心乱され平静を装おうとするの、なんであんなにかわいいんでしょうね。
和巳が自分を抑えようとしつつ波止にどんどん近くなる距離に恋心が表現されていて萌えでした。

愛されて育った波止は、自分のことよりαであることの辛さが和巳にあるはずと想像できるやさしさがありますね。
そしてしっかり考えて和巳に伝えられる強さがある。
結果よりその過程が大事とのセリフも感動的でした。

2人とも運命に流されるのではなく、しっかり恋をしていた描写がすばらしい。
相手を思いやる行動ができるやさしさが強さでした。
こういうオメガバが好きです。

船、岸、波止…は運命的な象徴ですかね。

「まどい」とは、戸惑い、または(団居)団らんの意味があるとか。
目眩(波止のΩとしての体質、または恋する和巳の心理)は まどい(戸惑い、または団らん)のつがい…といった感じでしょうか。

波止の兄がただのブラコンではなく波止の意志を尊重する分別があるところも好きでした。

カバー下の女子生徒の笑顔に早寝先生のあたたかさを感じました。

ど素人なので専門的なことはわかりませんが、絵がより良くなられましたかね。
立体的になったといいますか。キャラの表情の美しさが増しているかも~と感じました。

6

波止: 岸から突き出た堤。波よけ。

読み返すと、岸さんのやらかしっぷりが面白い。そういう読み方をする作品ではないと思うが。やらかしって書いたけど、恋する人としては割と普通の振る舞いだと思う。それをこの、ナリの大きな彼がしているというなが滑稽で愛しい。そう言い換えればこの読み方は作品の意図とあってるかもね。

バーで声かけちゃうとこ、やっぱ気づいてほしかったんだ〜〜〜とか、店のおもてにいたとこ、やっぱ会いたかったんだ〜〜〜必死じゃんっていう。誰だって、アルファ男性だって、こういうことしていいじゃないか!そうね!恋する人の振る舞いは、可愛い受けちゃんだけに許された特権ではない。
名前確認するところとか恥ずかしすぎる。思い出してもらったらもらったで恥ずかしいのに。恋は人をバカにする。「待ってください!」が切実すぎる。うまく行ってよかったねぇ。岸さんあわや犯罪者よ本当に。

2人が段階踏んでってるの、露骨にそうだったけど、口に出さないだけで2人とも意識して普通に親しくなろうとしてたんだっていうのが良かった。付き合いの始まりかたってこうだよな!という。オメガバースの描き方として、早寝先生のやりたいことが分かりやすい一冊だった。

早寝先生の主人公は相変わらず気が強くて、思考をぐるぐると回してる。全体的にいつもの先生だなという感じだったが、波止の目がキラキラしてましたね。

マフラー、波止くんもともと2種類持ってたけど岸さんちゃっかり黒い方もらっちゃってるの面白い。屋上のどさくさ。

カバー下で笑ってるのは佐倉さんかな。

6

史上最高のオメガバース

これまで読んだオメガバース作品の中で断トツ好きです!
ああ、自分はこんなオメガバースを待っていたんだな・・・と、ページを捲るたびに感じていました。

早寝電灯先生のオメガバースということと、試し読みでとても続きが気になったので買ったんですが、まさかこんなに感情を揺さぶられるとは・・・!

本能に流されず、ひたすら理性的に相手を想い、湧き上がる熱はグッと内に秘めて、静かに、でも確かに相手を強く強く求め愛する和己と波止の物語から終始目が離せなかった。

オメガバースと言えば、本能のまま無理矢理に身体を奪ったり、一部のαが超傲慢だったり、Ωが人権を踏み躙られて大勢の慰み者になっていたり・・・というような作品が多いですよね。
でもこの作品は、そうじゃなかった。
相手を一人の人間として尊重し、友達から関係を始め、健全な交流を重ねて少しずつ関係を深めていくんですが、その過程が非常に丁寧に描かれていて、ある意味、オメガバースらしくない作品だったと思います。

でもよく考えたら、人間関係って本来こうやってちょっとずつ深めていくものですよね。
ちょっと考えれば当たり前なんだけど、すごく新鮮でした。

第二次性に翻弄される事なく、普通でありたいとひたすら努めてきた二人ですが、やがて同じ船に乗り、たゆたいながら、共に生きる道を進んでいく。
気持ちが通じ合う場面、初めて一つになる場面、番になる場面・・・どれも温かく、優しさが溢れていて素敵でした。
描き下ろしで明かされた和己の密かな独占欲には、ちょっとドキッとしましたが。笑。
とっても満足度の高い読後感でしたし、叶うなら、二人のその後や波止の兄&スウさんの馴れ初めも読みたいです。

優しく心理描写が丁寧なオメガバースを探している方に、全力でおすすめしたい一冊です。

7

一緒の舟に乗って人生の旅を共に

なんていうか…沁み入る感がすごい作品だと感じました。
オメガバースもの。
そして正にオメガバースならではの展開でもあり、同時にオメガバースでなくとも普遍的にある心の揺れ等、素晴らしく繊細に描かれた作品です。
「52ヘルツの共振」と同様「身体共鳴」という独自設定があって、それが重要なポイントに。
感じ取ったαの和巳。わからなかったΩの波止。
本作では「運命のつがい」設定は無いようだけど、和巳にとっては波止との身体共鳴は「運命」だったのでしょうね…
一方、恋愛経験の無い若い波止とは受け止め方が違う。
波止の方はαを気遣う。自分は大丈夫だけど責任を負うのはいつもα、それは大丈夫?って。
この視点には驚かされました。
2人はαとΩとしての相性も良いのでしょう、でもそことは関係なく「この人が好きだ」という部分が形作られる時間、そこをあなたが与えてくれた…そう言える波止が素晴らしいと思う。

ただ好きで…一緒にいたいんだ

恋の真理。その普遍性も描かれて、運命でも運命でなくても2人が惹かれあって好き合って愛し合って一緒になるんだ、という説得力。
オメガバースという一種のファンタジーでも、リアリティと人間らしい繊細さが伝わってきました。

9

良かった

最近は新刊、読んだことない作家さんを積極開拓してます。こちらも初読みの作家さんでしたがレビューの高さに惹かれて購入。

オメガバってエロ描写が激しすぎるのが多くて苦手だったんですが、こちらは心理描写しっかりでお上品なオメガバで良いですね。絵も綺麗だし、攻受お互いがお互いを尊重し合ってる感じが良かったです。

ただ受がちょっと幼い感じなのがあまり好みでないのと、話の展開的にやや盛り上がりに欠けて、読後あまり印象に残らなかったので、星4つで。

4

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